JP2011021005A - 発泡性粉末入浴剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】温まり感と炭酸ガスの発泡性に優れた発泡性粉末入浴剤組成物であり、製造過程における輸送等においても顆粒が壊れず、ハンドリングに耐えうる顆粒の粒子強度及び保存安定性に優れる、発泡性粉末入浴剤組成物の提供。
【解決手段】(A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤、水溶性バインダーを含む造粒物30〜80質量%と、(B)炭酸塩70〜20質量%を含む、発泡性粉末入浴剤組成物。有機酸としては、フマール酸がこのましく用いられ、また粒物中に含まれる水溶性バインダーの含有量は2〜30質量%が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性粉末入浴剤組成物に関する。
従来より入浴剤では、炭酸塩と有機酸との反応により炭酸ガスを発生させる錠剤型のものが知られている(特許文献1)。しかしながら、入浴時の温まり効果は十分でなく、温まり効果のさらなる改善が望まれていた。
かかる事情において、これまでにも種々の検討が行われている。例えば、特許文献2には、炭酸ガス発生組成物と油性成分とを組み合わせ、油性成分に炭酸ガスを溶解させることで、入浴後の温まり効果に優れた入浴剤組成物が提案されている。しかしながら、これら入浴剤においても、入浴後の温まり効果は十分でない。
また、特許文献3には、有機酸、炭酸塩、油性成分を含有する発泡性顆粒が開示されている。しかしながら、この発泡性顆粒は、実施例にも記載のとおり、圧縮造粒により圧密化させた顆粒であるため、発泡時の炭酸ガスの泡径が大きく、炭酸ガスの発泡感は十分満足いくものではなかった。また、この発泡性顆粒は、十分な顆粒強度を有していないため、製造過程の輸送時に顆粒が壊れる等の課題があった。更に、顆粒内に有機酸と炭酸塩を含むため、保存過程で炭酸ガスが発生し、顆粒の強度が保存中に低下するという課題もあった。
そのため、十分な温まり効果と炭酸ガスの発泡性に優れ、更にハンドリングに耐えうる顆粒の粒子強度を有し、保存安定性にも優れる入浴剤組成物が望まれていた。
特開昭59−70609号公報 特開2005−314233号公報 特開2009−62319号公報
本発明の課題は、温まり感と炭酸ガスの発泡性に優れた発泡性粉末入浴剤組成物であり、製造過程における輸送等においても顆粒が壊れず、ハンドリングに耐えうる顆粒の粒子強度及び保存安定性に優れる、発泡性粉末入浴剤組成物を提供することにある。
本発明は、(A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤、水溶性バインダーを含む造粒物と、前記造粒物とは別成分である(B)成分の炭酸塩を組み合わせることで、保存安定性が向上されるという効果が得られ、更に有機酸の溶解性が向上され、湯浴中で発生する炭酸ガスの泡が極めて微細なものにでき、その結果、温まり効果も向上されることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、課題の解決手段として、(A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤、水溶性バインダーを含む造粒物30〜80質量%と、(B)炭酸塩70〜20質量%を含む、発泡性粉末入浴剤組成物を提供する。
本発明の発泡性粉末入浴剤組成物を浴湯に投与すると、極めて微細な炭酸ガスの泡を発生させることができ、湯浴中及び油性成分中への炭酸ガスの溶解量が大きくなるため、炭酸ガス濃度が高められ、優れた血行促進効果が得られる。
また、微細な泡の発生により浴槽全体が泡で白く濁った外観となり、その発泡感から快適な浴用感が得られる。
更に、本発明の発泡性粉末入浴剤組成物は、製造過程における輸送等においても造粒物が壊れず、保存安定性にも優れ、ケーキングが起こり難い。
本発明の入浴剤組成物は、(A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤、水溶性バインダーを含み炭酸塩を含まない造粒物、或いは、実質的に炭酸塩を含まない造粒物と、(B)炭酸塩とを含むものであり、本発明の入浴剤組成物では、保存安定性が高いという効果を得るため、前記(A)成分の造粒物には炭酸塩は実質的に含まれない。
ここで「前記(A)成分の造粒物には炭酸塩は実質的に含まれない」とは、(B)成分が(A)成分中に少量含まれる場合があることは許容する意味であり、本発明では、(A)成分の造粒物中に(B)成分の炭酸塩が含まれる場合であっても、その量は(A)成分中2質量%未満であり、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下であり、含有されていないことが望ましい。その量は、発泡性粉末入浴剤組成物としての効果である、実施例にて評価された微細発泡(濁り度)、溶け残り、温まり具合には悪影響を与えない程度の量である。
<(A)成分の造粒物>
〔有機酸〕
本発明で用いる有機酸は、炭酸塩を中和し、炭酸ガスを発生させるための成分である。
有機酸は、液状の油性成分を造粒物中に担持させる観点から、吸油能0.02ml/g以上のものが好ましく、0.05ml/g以上のものがより好ましい。吸油能とは、実施例に記載の方法により決定される値である。尚、吸油能の上限は、特に限定されるものでないが、1.0ml/g以下であることが望ましい。
また、溶解性及びハンドリング性の観点から、水溶性で固体の有機酸が好ましい。
有機酸としては、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、サリチル酸等が好ましい。ハンドリングの容易さ及び経済性の観点から、フマル酸が特に好ましい。これら有機酸は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
更に、造粒化及び溶解性の観点から、有機酸の平均粒径は、250μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下が更に好ましい。
(A)成分中の有機酸の含有量は、40〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。前記下限値以上であると、油性成分を安定的に配合し、造粒物の保形性を保つ観点から好ましい。
〔油性成分〕
本発明で用いる油性成分は、浴湯中で発生した炭酸ガスを、浴湯だけでなく、油性成分中にも分配させることで、高濃度の炭酸ガスを皮膚に供給し、入浴後の温まり感を高める作用をする成分である。
油性成分は、炭酸ガスの油相/水相の分配比が1.1以上となるものを用いると、入浴後の温まり効果をさらに高めることができるため好ましい。より好ましい分配比は1.3以上であり、更に好ましくは1.5以上であり、特に好ましくは1.6以上であり、更に好ましくは1.7以上である。
このような油性成分としては、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソノナン酸イソトリデシル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール等の脂肪酸エステル類;
トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリル等の脂肪酸トリグリセライド類;
大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等のグリセリド類;
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、スクアレン、ジオクチルシクロヘキサン、ブリスタン等の炭化水素油;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類;
ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等の高級アルコール類;
ハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、タイム油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラーオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等の精油;
シリコーン油類等が挙げられる。
前記分配比は、油性成分を2種配合した場合には、その混合物の分配比である。従って、単独では前記分配比が1.1未満の油性成分であっても、他の油性成分と混合して分配比を1.1以上にすることができる。尚、炭酸ガスの油相/水相の分配比の測定方法は、特開2005−314233号公報の段落番号26に記載の方法にて測定する。尚、炭酸ガスの油相/水相への分配比とは実施例に記載の方法により決定される。
油性成分のうち、単独で前記分配比が1.7以上のものとしては、ホホバ油、スクアレン、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソセチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル及びジオクチルシクロヘキサン、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリルが挙げられる。
油性成分としては、上記の単独で前記分配比が1.7以上ものを含有し、前記分配比が1.1以上となるものが特に好ましい。
(A)成分中の油性成分の含有量は、0.1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜8質量%が更に好ましい。前記下限値以上であると、温まり感及び肌感触感の観点から好ましく、前記上限値以下であると、油性成分を安定的に配合し、造粒物の保形性を保つ観点から好ましい。
〔非イオン界面活性剤〕
本発明における必須の成分として非イオン界面活性剤が挙げられる。非イオン界面活性剤は、油性成分と共に使用することにより、本発明の入浴剤組成物を浴湯に投入した場合に、油性成分を浴湯中に均一に乳化させるとともにその油性成分又は界面活性剤ミセル中に炭酸ガスを十分量溶解させることができるので好ましい。
非イオン界面活性剤は1種でもよいが、2種以上用いることにより、自己乳化性を十分に発揮させることができるため好ましい。
非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて配合すればよいが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルから選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤と、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤を組み合わせることが特に好ましい。
更に、水への易分散性や有機酸の溶解性を向上させる観点から、非イオン界面活性剤のHLBが8〜20のものが好ましく、10〜18のものがより好ましく、12〜18のものが更に好ましい。
ここで、HLBは、界面活性剤の親水性と疎水性のバランスを表すのに通常使用される値であり、当分野において慣用される川上式等の幾つかの計算式により求めることができる。本発明においては、下記の川上式を採用する。
HLB=7+11.7log(Mw/M0
w:親水基の分子量
0:疎水基の分子量
(A)成分中の非イオン界面活性剤の含有量は、自己乳化性及び肌感触の観点から、油性成分と非イオン界面活性剤の合計量中、1〜60質量%が好ましく、特に10〜40質量%が好ましい。前記下限値以上であると、油性成分を浴湯中に均一に乳化させる観点から好ましい。
非イオン界面活性剤は、予め油性成分と混合・溶解させた混合油剤として用いることで、有機酸に混合油剤を担持させた場合に(即ち、(A)成分の造粒物にした場合に)、有機酸の溶解性を高めることができるため好ましい。
〔水溶性バインダー〕
本発明で用いる水溶性バインダーは、造粒物の強度を高めるための成分である。また、有機酸が水溶性バインダーによって被覆されることで、保存中に(A)成分中の有機酸と炭酸塩が接触して、反応することが抑制され、炭酸ガスの発生により包装容器が膨張することが防止できる。
水溶性バインダーは、熱可塑性であり、水溶液でないことが好ましい。そのような水溶性バインダーとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェノールエーテルが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが更に好ましい。
また、水溶性バインダーの数平均分子量は、粉末化を行う際の粘度調整とハンドリング性の観点から、ポリスチレンを標準としたGPC法で、4,000〜20,000が好ましく、6,000〜13,000がより好ましく、7,000〜9,000が更に好ましい。水溶性バインダーとして、ポリエチレングリコールを測定する場合には、溶媒として水/エタノールを用いた。
また、これら水溶性バインダーを用いる場合には、数平均分子量の異なる水溶性バインダーを2種以上組み合わせて用いても構わない。
(A)成分中の水溶性バインダーの含有量は、造粒物の粒子強度を低下させることなく、かつ、溶解性を向上させる観点から、2〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、10〜20質量%がより好ましく、12〜20質量%がより好ましい。前記下限値以上であると、造粒したときの粒子強度が高くなり、製造時の輸送過程で造粒物が壊れ難くなる。前記上限値以下であると、湯浴中での溶解性が向上し、発泡性が高められる。
〔その他成分〕
尚、本発明における(A)成分には、上記以外の成分であっても、本発明の課題を解決できる範囲内において、適宜配合することができる。
〔崩壊助剤〕
(A)成分中に崩壊助剤を配合することにより、(A)成分の造粒物の崩壊性を向上させ、湯浴中での溶解性を向上させることができる。崩壊助剤としては、糖類や無機塩が好ましい。
糖類としては、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、蔗糖、デキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、マルトース、フルクトース、トレハロースが挙げられる。
無機塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酸化マグネシウム、ポリ燐酸ナトリウム、燐酸ナトリウムが挙げられるが、(B)成分の炭酸塩は含まれない。
崩壊助剤の粒径は、(A)成分を製造する際の造粒性の観点、崩壊助剤としての効果を発現させる観点から、平均粒径が100μm以下であるものを用いることが好ましく、特に押出し造粒にて造粒する場合には、平均粒径が50μm以下であるものを用いることがより好ましく、平均粒径が30μm以下であるものを用いることが更に好ましい。上記に示す粒径よりも大きい場合には、好適な粒度になるまで事前に解砕することが好ましい。解砕に利用できる粉砕機としては、ハンマクラッシャー等の衝撃破砕機、アトマイザー、ピンミル等の衝撃粉砕機、フラッシュミル等の剪断粗砕機等が挙げられる。これらは、1段操作でも良く同種又は異種粉砕機の多段操作でも良い。
(A)成分中の崩壊助剤の含有量は、溶解性の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。一方、この崩壊助剤の含有量の上限は、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%が更に好ましい。これらの観点から、(A)成分中の崩壊助剤の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%が更に好ましい。
〔酸化防止剤〕
油性成分や非イオン界面活性剤として、不飽和炭素結合を含むものを使用する場合には、入浴剤組成物の製造時や保存時の温度環境下における酸化による匂いの変化を抑制する観点から、ルチンや、プロアントシアニジン、カテキン等のポリフェノールや、ビタミンCや、トコフェロール等の酸化防止剤を配合することが好ましい。
(A)成分中の酸化防止剤の含有量は、長期保存時の微際発泡低下の度合いを緩和する観点から、0.01〜5質量%が好ましく、0.02〜1質量%がより好ましく、0.03〜0.1質量%が更に好ましい。
更に、油性成分と酸化防止剤との質量比は、上記と同様に、長期保存時の微際発泡低下の度合いを緩和する観点から、酸化防止剤:油性成分=1:99〜1:9が好ましく、1:90〜1:19がより好ましい。
その他の補助成分として、香料、防菌・防黴剤、色素等を含有することができる。
(A)成分の造粒物の嵩密度は、本発明の入浴剤組成物を浴湯に投与した際に、微細な炭酸ガスの発泡性を確保する観点から、700g/L以下であり、400〜700g/Lが好ましく、450〜650g/Lがより好ましい。本発明の嵩密度は、後述する(A)成分の製造時に圧密しすぎないことで達成できると考えられる。
(A)成分の造粒物の粒径は、本発明の入浴剤組成物を使用した際の粉立ち性、及び浴湯に投与した際に、浴湯表面で発泡することを抑制する観点から180μm以下のものの割合は10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。そして、(A)成分の造粒物の粒径は、溶解性の観点から1400μm以上のものの割合は10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
更に、(A)成分の造粒物の平均粒径は、粉立ち、溶解性及び沈降性の観点から、100〜1500μmが好ましく、400〜1200μmが好ましく、600〜900μmが好ましい。
尚、嵩密度、粒径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の入浴剤組成物中の(A)成分である造粒物の含有量は、炭酸ガス発生量及び微細な泡を得る点から30〜80質量%であり、さらに40〜70質量%、特に50〜70質量%が好ましい。
<(B)成分>
本発明で用いる(B)成分の炭酸塩は、発生する炭酸ガスの泡を微細化する点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられるが、炭酸ナトリウム(Na2CO3)が特に好ましい。
本発明の入浴剤組成物中の(B)成分である炭酸塩の含有量は、炭酸ガス発生量及び微細な泡を得る点から20〜70質量%であり、さらに30〜60質量%、特に30〜50質量%が好ましい。
また、微細な泡を発生させる点で、炭酸塩中の炭酸ナトリウム含有量は、70〜100質量%が好ましく、さらに80〜100質量%、特に85〜100質量%であることが好ましい。
(B)成分の炭酸塩の平均粒径は、泡の微細化、泡の持続時間、沈降性等の点から、100〜750μmが好ましく、さらに200〜500μm、特に250〜400μmであるのが好ましい。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常浴用剤に用いられている成分を添加することができる。このような成分としては、
上記した糖類や無機塩のような崩壊助剤、
塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、燐酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硼酸、メタ珪酸、無水珪酸等の無機塩類;
ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コウボク、センキュウ、橙皮、トウキ、ショウキョウ末、ニンジン、ケイヒ、シャクヤク、ハッカ葉、オウゴン、サンシシ、ブクリョウ、ドクカツ、ショウブ、ガイヨウ、マツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、リュウノウ、サフラン、オウバクエキス、チンピ、ウイキョウ、チンピ末、カミツレ、メリッサ、ローズマリー、マロニエ、西洋ノコギリ草、アルニカ等の生薬類;
エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;
グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール類;
酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、イオウ、鉱砂、湯の花、カゼイン、中性白土、サリチル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、卵黄末、イリ糠、雲母末、脱脂粉乳、殺菌防腐剤、保湿剤、金属封鎖剤、香料、色素、その他製剤上必要な成分等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<入浴剤組成物の製造方法>
本発明の入浴剤組成物は、下記工程1〜工程3を含む製造方法により製造することができる。
工程1:油性成分と非イオン界面活性剤と水溶性バインダー、有機酸を混合し、中間組成物を得る工程
工程2:工程1で得られた中間組成物を造粒し、(A)成分の造粒物を得る工程
工程3:(A)成分と(B)成分を混合する工程
〔工程1〕
工程1は、有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤、水溶性バインダーを混合して、中間組成物を得る工程である。この工程では、予め油性成分と非イオン界面活性剤を混合して得た混合油剤を使用することが好ましい。中間組成物は、造粒物であっても、造粒していない粉末状態のものであっても構わない。
工程1にて中間組成物を得る方法は、例えば下記の各方法から選ぶことができるが、方法1、2、3が好ましく、方法1、2がより好ましく、方法2が特に好ましい。
方法1:油性成分、非イオン界面活性剤、及び水溶性バインダーを含む混合液と、有機酸とを混合する方法。
方法2:油性成分と非イオン界面活性剤を混合した混合油剤の一部を水溶性バインダーと混合した混合液と、有機酸と前記混合油剤の残部の混合物を混合する方法。
方法3:有機酸と油性成分と非イオン界面活性剤を混合した混合油剤の混合物と、水溶性バインダーを混合する方法。
方法4:有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤、水溶性バインダーをまとめて混合するか、又はランダムに混合する方法。
工程1において使用する水溶性バインダーは、量が多い方が前記した(A)成分の粒子強度が向上し、量が少ない方が造粒物にしたときの溶解性を増す。
そこで、工程1においては、油性成分と非イオン界面活性剤を混合した混合油剤の一部を水溶性バインダーと混合した混合液と、有機酸と前記混合油剤の残部の混合物を混合する方法2を適用することにより、(A)成分である造粒物の粒子強度を低下させることなく(即ち、粒子強度を高めるための十分量の水溶性バインダーを使用した場合でも)、溶解性を向上させることができ、入浴時の温まり感も向上させることができる。
工程1において方法1を実施するとき、油性成分と非イオン界面活性剤を予め混合した混合油剤と、水溶性バインダーとを混合して混合液を調製することが好ましい。
工程1において方法1又は2を実施するとき、予め混合しておく混合油剤の一部と水溶性バインダーの質量比は上記の効果を得るため、1:20〜1:1が好ましく、1:10〜1:3がより好ましく、1:6〜1:4がより好ましい。方法2を実施するときの油性成分と非イオン界面活性剤の合計量(混合油剤の量と同じ)と水溶性バインダーの質量比も前記と同じである。
水溶性バインダーは、予め一部又は全部を溶融させて用いてもよいし、固体として配合して混合機内部で加熱溶融させてもよいが、予め溶融させて用いることが好ましい。
上記の各方法にて各成分を混合する場合の混合機としては、混合時に強い剪断を与えて大きく圧密化させることのない装置であれば良い。例えば、ドラム型ミキサー、リボンミキサー、ナウターミキサー等が挙げられる。
但し、本来、高剪断力を与えうる、シュギミキサー、ヘンシェルミキサーや主翼と解砕翼を備えた縦型又は横型混合機であるレディゲミキサー、ハイスピードミキサー等機においても、回転数や以下に記載するフルード数を低く設定し圧密化を抑制することで、利用することができる。
造粒時の圧密化を抑制する観点から、以下の式で定義される造粒機のフルード数を5.0以下に設定するのが好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下が更に好ましい。
フルード数:Fr=V2/(R×g)
V:周速[m/s]
R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s2]
尚、主翼や解砕翼を備えた縦型或いは横型造粒機においては、V及びRは主軸の値を用い、攪拌部が自転及び公転軌道を描くナウターミキサーにおいては、V及びRは自転攪拌軸の値を用いることとする。
上記各方法において、各成分を混合するときの温度は特に限定されるものではないが、20℃〜150℃が好ましく、30℃〜100℃が好ましく、40℃〜80℃がより好ましい。
〔工程2〕
工程2は、工程1で得られた中間組成物を造粒する工程である。造粒する場合には、ペレッターダブル、ドームグラン、ツインドームグラン、ディスクペレッター(ダルトン(株)製)、バスケット式整粒機((株)菊水製作所製)等の周知の押出造粒機のほか、転動造粒機等を用いることができるが、押出し造粒機を用いて押出し造粒することが好ましい。更に顆粒の圧密を抑制する観点から、前押しタイプの押出し造粒機である、ドームグランやツインドームグランを用いて押出し造粒することが好ましい。
押出し造粒機を用いるときのスクリーンの穴径は0.3〜2.0mmが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0mm、更に好ましくは0.7〜1.0mmであり、このようなスクリーンを用いることにより、円筒状もしくはヌードル状造粒物を得ることができる。
また得られた造粒物は、合一化や塊状化を抑制するために冷却を行い、その後、必要に応じて整粒することができる。整粒する際に使用する機械としては、周知の粉砕機(あるいは破砕機)を用いることができ、例えば、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)、マルメライザー(ダルトン(株)製)、スパイラーフロー(フロイント産業(株)製)、フィッツミル(ダルトン(株)製)、パワーミル(パウレック(株)製)、コーミル(Quadro製)等が挙げられる。
〔工程3〕
工程3は、(A)成分と(B)成分を混合する工程である。(A)成分と(B)成分との混合割合(質量比)は、微細な炭酸ガスの泡を発生させる観点から、(A)/(B)=30/70〜80/20が好ましく、40/60〜70/30がより好ましく、50/50〜70/30が更に好ましい。
この工程においては、(A)成分と(B)成分が実質的に均一に混合できればどのような方法を用いても良い。例えば、上記した工程1で使用できる混合機を使用して混合しても良いし、V型ブレンダー(パウレックス(株)製)、ダブルコーンミキサー((株)徳寿工作所製)、及びリボンブレンダー(ホソカワミクロン(株)製)等を用いても構わない。
本発明の入浴剤組成物は、その0.01質量%水溶液の25℃におけるpHは5〜7が好ましく、特に5.5〜6.5であることが好ましい。pHが5〜7であれば、発生した炭酸ガスが浴湯中に溶け込み易く、血行促進等の効果が高められるからである。
本発明の入浴剤組成物は、浴湯中に溶解した際に微細な泡が大量に発生し、かつその泡発生の持続時間が長い。微細な泡の発生は、浴湯180リットル中に40〜60gの本発明の入浴剤組成物を溶解した際に、発生した泡により、浴湯が速やかに白濁することから確認できる。この微細発泡の程度は、実施例に記載の方法で測定する。
本発明の入浴剤組成物は、浴湯に溶解し、炭酸ガスの泡を発生させて使用する。尚、本発明の入浴剤組成物は風呂等の全身浴はもちろん、足浴、腕浴等の部分浴としても使用できる。
<(A)成分の造粒物の物性の測定方法>
1.嵩密度
嵩密度は、JIS K 3362により規定された方法で測定した。
2.粒径
粒径については、以下の2つの方法により測定した。
(1)(A)及び炭酸塩の粒径は、JIS K 8801の標準篩(目開き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率からメジアン径を算出した。
より詳細には、目開き125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの9段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの粒子を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した該粒子の質量を測定し、各篩上の該粒子の質量割合(%)を算出した。
受け皿から順に目開きの小さな篩上の該粒子の質量割合を積算していき合計が50%となる粒径を平均粒径とした。
(2)有機酸及び崩壊助剤の平均粒径測定は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所(株)製)を用い、該粒子を溶解させない溶媒に分散させて測定したメジアン径を平均粒径とした。尚、実施例に用いたフマル酸及び崩壊助剤の平均粒径測定には、溶媒としてアセトンを用いた。
3.吸油能
有機酸の吸油能測定は以下の方法で行った。吸収量測定器(あさひ総研製S410)に粉末を45g投入し、駆動羽根200rpmで回転させた。ここに油性成分及び非イオン界面活性剤を溶解した50℃混合液(花王(株)製エキセパールIPP 50質量%、花王(株)製エキセパールO−DM 15質量%、花王(株)製ルナックBA 5質量%、花王(株)製エマルゲン306P 10質量%、日光ケミカルズ(株)製ニッコールGO―440V 20質量%)を、液供給速度2ml/minで滴下し、最大トルクとなる点を見極めた。この最大トルクとなる点の70%のトルクとなる点での液添加量を粉末投入量で除算し、吸油能とした。
4.粒子強度
(A)成分の造粒物の粒子強度は、粉粒体硬度測定器ベターハードネステスターBHT−500(セイシン企業製)を用い、造粒物15個の粒子強度を25℃環境で測定しその平均値を用いた。粒子強度は、ハンドリングの観点から、0.98kPa以上(10gf/mm2以上)が好ましく、3.92kPa以上(40gf/mm2以上)が更に好ましい。
5.25℃で6日保存後の粒子強度変化 (A)成分の造粒物の製造直後(2時間以内)の粒子強度及び、25℃で6日保存後の粒子強度を測定し、下式により、25℃で6日保存後の粒子強度変化を求めた。
25℃で6日保存後の粒子強度変化=(25℃6日保存後の粒子強度−製造直後(2時間以内)の粒子強度)/製造直後(2時間以内)の粒子強度×100(%)
25℃で6日保存後の粒子強度変化は、−50%以上が好ましく、−30%以上がより好ましく、−15%以上が更に好ましい。
<炭酸ガスの油相/水相への分配比の測定方法>
炭酸ガスの分配操作は以下の方法で25℃の常温下にて行った。油剤2mLとイオン交換水8mLを15mLのスクリュー管に入れ、管底部にノズルを挿入し4分間炭酸ガスを十分量連続注入した。注入停止後、上層に油層が形成されたら速やかに油層を採取し、炭酸ガス測定サンプルとした。次にスクリュー管底部にピペットを静かに挿入して水相を採取し、炭酸ガス測定サンプルとした。
炭酸ガス濃度の測定には、ATR−IR法を用いた。炭酸ガスのIRスペクトルは2350cm-1付近に強い吸収を示すことが知られており、この吸収は振動モードとしては、1つであるが、気体の場合、回転の遷移が重畳するため、分解能の低い設定で測定すると見かけ上、2本の吸収に分裂して観測されるが、炭酸ガスが液体に溶解した場合、回転が制限されるため、1本の吸収帯として観測され、この違いから気体と液体に溶解した炭酸ガスが識別される。
測定条件装置:パーキンエルマー SpectrumOne/ユニバーサルATRユニット
分解能:16cm-1
スキャン回数:16回(約25秒)
大気補正機能:OFF
測定順序:油剤バックグラウンド測定→油相の測定→水のバックグラウンド測定→水相の測定
<入浴剤組成物の評価方法>
〔微細発泡(濁度)〕
浴槽に40℃180Lのお湯を入れ、表2の入浴剤組成物を投入し、十分攪拌した(全ての例で同じ時間だけ撹拌した)。直径5cmの円形の黒色ゴム板を浴水に沈め、肉眼で完全に見えなくなる深度をにごり度(濁度)とし測定した。深度の数値(cm)が小さいほど、より微細な泡が生じていることを示す。
〔使用感〕
(1)溶け残りの有無
表2の入浴剤組成物を浴槽に投入し十分に攪拌した後、泡が消失し、にごり度が30cm以上となった時点から3分後の浴底面における溶け残りを以下の評価基準に基づいて評価した。
A:溶け残りを認めない(合格)
B:わずかに溶け残りを認める(合格)
C:溶け残りを認める(不合格)
(2)入浴後の温まり感の評価
20〜40才の女性合計10名のパネラーにより評価した。表2の入浴剤組成物をそれぞれ180Lのお湯(40℃)に投入し、十分に攪拌した(全ての例で同じ時間だけ撹拌した)後、パネラーを入浴させ、入浴後の温まり感を下記の基準で評価し、10名の平均値を評価点とした。
5:温まる
4:やや温まる
3:さら湯と同等
2:さら湯と比べてやや温まらない
1:さら湯と比べて温まらない
(3)保存安定性評価
表2の入浴剤組成物をそれぞれアルミピローに包装し(45g)、50℃条件下にて、1ヶ月保存後の入浴剤の保存安定性(ケーキング性)を下記の基準で目視にて評価した。
○:ケーキングを認めない
×:ケーキングを認める
製造例1〔(A)成分の製造〕
フマル酸54.6kg、粉砕ブドウ糖2.1kgを100Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−1/自転回転数90rpm/フルード数1.13/ジャケット温度65℃)中で混合した。2分間混合した後、50℃の混合油剤1.5kgを3分間で添加した。添加後、23分間混合を行った後、予め混合した65℃の混合液(混合油剤2.0kg、水溶性バインダー9.8kg(混合油剤:水溶性バインダー=1:4.9(質量比))を4分間で添加した。添加後、16分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ツインドームグラン(ダルトン製 TDG−110型、φ0.8mmスクリーン、回転数36rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例2〔(A)成分の製造〕
フマル酸17.0kgを30Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−S/自転回転数100r.p.m./フルード数0.84/ジャケット温度65℃)中で混合した。1.5分間混合した後、50℃の混合油剤1.0kgを1.5分間で添加した。添加後、15分間混合を行った後、65℃の水溶性バインダー2.0kgを1.5分間で添加した。添加後、12分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ドームグラン(ダルトン製型、φ0.8mmスクリーン、回転数40rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例3〔(A)成分の製造〕
フマル酸17.0kgを30Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−S/自転回転数100rpm/フルード数0.84/ジャケット温度65℃)中で混合した。1.5分間混合した後、50℃の混合油剤0.6kgを1.5分間で添加した。添加後、15分間混合を行った後、予め混合した65℃の混合液(混合油剤0.4kg、水溶性バインダー2.0kg(混合油剤:水溶性バインダー=1:5(質量比))を1.5分間で添加した。添加後、12分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ドームグラン(ダルトン製型、φ0.8mmスクリーン、回転数40rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例4〔(A)成分の製造〕
フマル酸17.8kgを30Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−S/自転回転数100rpm/フルード数0.84/ジャケット温度80℃)中で混合した。1.5分間混合した後、50℃の混合油剤0.75kgを1.5分間で添加した。添加後、15分間混合を行った後、予め混合した65℃の混合液(混合油剤0.25kg、水溶性バインダー1.2kg(混合油剤:水溶性バインダー=1:4.8(質量比))を1.5分間で添加した。添加後、12分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ドームグラン(ダルトン製型、φ0.7mmスクリーン、回転数40rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例5〔(A)成分の製造〕
フマル酸16.6kgを30Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−S/自転回転数100rpm/フルード数0.84/ジャケット温度80℃)中で混合した。1.5分間混合した後、50℃の混合油剤0.52kgを1.5分間で添加した。添加後、15分間混合を行った後、予め混合した65℃の混合液(混合油剤0.48kg、水溶性バインダー2.4kg(混合油剤:水溶性バインダー=1:5(質量比))を1.5分間で添加した。添加後、12分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ドームグラン(ダルトン製型、φ0.8mmスクリーン、回転数40rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例6〔(A)成分の製造〕
フマル酸16.6kgを30Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−S/自転回転数100r.p.m./フルード数0.84/ジャケット温度65℃)中で混合した。1.5分間混合した後、50℃の混合油剤1.0kgを1.5分間で添加した。添加後、15分間混合を行った後、65℃の水溶性バインダー2.4kgを1.5分間で添加した。添加後、12分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ドームグラン(ダルトン製型、φ0.8mmスクリーン、回転数40rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例7〔(A)成分の製造〕
フマル酸56.7kgを100Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−1/自転回転数90rpm/フルード数1.13/ジャケット温度65℃)中で混合した。2分間混合した後、50℃の混合油剤1.5kgを3分間で添加した。添加後、23分間混合を行った後、予め混合した65℃の混合液(混合油剤2.0kg、水溶性バインダー9.8kg(混合油剤:水溶性バインダー=1:4.9(質量比))を4分間で添加した。添加後、16分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ツインドームグラン(ダルトン製 TDG−110型、φ0.8mmスクリーン、回転数36rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例8〔(A)成分の製造〕
フマル酸16.2kgを30Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−S/自転回転数100r.p.m./フルード数0.84/ジャケット温度65℃)中で混合した。1.5分間混合した後、50℃の混合油剤1.0kgを1.5分間で添加した。添加後、15分間混合を行った後、65℃の水溶性バインダー2.8kgを1.5分間で添加した。添加後、12分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ドームグラン(ダルトン製型、φ0.8mmスクリーン、回転数40rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例9〔(A)成分の製造〕
フマル酸56.7kgを100Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−1/自転回転数90rpm/フルード数1.13/ジャケット温度65℃)中で混合した。2分間混合した後、50℃の混合油剤0.2kgを3分間で添加した。添加後、23分間混合を行った後、予め混合した65℃の混合液(混合油剤3.3kg、水溶性バインダー9.8kg(混合油剤:水溶性バインダー=1:3.0(質量比))を4分間で添加した。添加後、16分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ツインドームグラン(ダルトン製 TDG−110型、φ0.8mmスクリーン、回転数36rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例10〔(A)成分の製造〕
フマル酸56.7kgを100Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−1/自転回転数90rpm/フルード数1.13/ジャケット温度65℃)中で混合した。2分間混合した後、60℃の油性成分混合液:1.05kg(パルミチン酸イソプロピル0.75kg、ミリスチン酸オクチルドデシル0.225kg、ベヘニン酸0.075kg)と50℃の非イオン界面活性剤−1:0.15kgと50℃の非イオン界面活性剤−2:0.30kgを3分間で添加した。添加後、23分間混合を行った後、予め混合した65℃の混合液(パルミチン酸イソプロピル1.0kg、ミリスチン酸オクチルドデシル0.3kg、ベヘニン酸0.1kg、非イオン界面活性剤−1:0.2kg、非イオン界面活性剤−2:0.40kg、水溶性バインダー9.8kg(混合油剤:水溶性バインダー=1:4.9(質量比))を4分間で添加した。添加後、16分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ツインドームグラン(ダルトン製 TDG−110型、φ0.8mmスクリーン、回転数36rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
製造例11〔(A)成分の製造〕
製造例1において、油性成分の一部を酸化防止剤0.05質量%に置き換えた以外は同じ方法にて(A)成分の造粒物を得た。
比較製造例1
フマル酸7.2kg、水溶性バインダー0.8kgを20Lヘンシェルミキサー(三井鉱山製 FM−20/回転数2180rpm/フルード数361)中で混合した。4分間混合した後、流動層冷却機(大川原製作所 スリットフローFBS−1/冷風温度35℃、風速1.2m/s)で40℃以下まで冷却して、比較用の造粒物を得た。
比較製造例2
フマル酸54.6kg、粉砕ソーダ灰1.75kg(2.5質量%量)を100Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−1/自転回転数90rpm/フルード数1.13/ジャケット温度65℃)中で混合した。2分間混合した後、50℃の混合油剤1.5kgを3分間で添加した。添加後、23分間混合を行った後、予め混合した65℃の混合液(混合油剤2.0kg、水溶性バインダー10.15kg(混合油剤:水溶性バインダー=1:5.1(質量比))を4分間で添加した。
添加後、16分間混合を行った。その後、中間組成物を抜出し、ツインドームグラン(ダルトン製 TDG−110型、φ0.8mmスクリーン、回転数36rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、比較用の造粒物を得た。
比較製造例3〔炭酸塩を含む(A)成分の製造〕
フマル酸8.6kgとソーダ灰8.0kgを30Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−S/自転回転数100r.p.m./フルード数0.84/ジャケット温度65℃)中で1.5分間混合した後、60℃の油性成分混合液:0.42kg(パルミチン酸イソプロピル0.3kg、ミリスチン酸オクチルドデシル0.09kg、ベヘニン酸0.03kg)と50℃の非イオン界面活性剤−1:0.06kgと50℃の非イオン界面活性剤−2:0.12kgを1.5分間で添加した。添加後、15分間混合を行った後、65℃の水溶性バインダー2.8kgを1.5分間で添加した。添加後、12分間混合を行った。
その後、中間組成物を抜出し、ドームグラン(ダルトン製型、φ0.8mmスクリーン、回転数40rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、炭酸塩を含む(A)成分の造粒物を得た。
Figure 2011021005
本製造例及び比較製造例においては、下記の原料を用いた。
(有機酸)
・フマル酸:日本触媒製、吸油能0.082mL/g、平均粒径140μm
(油性成分)
・パルミチン酸イソプロピル:花王(株)エキセパールIPP
・ミリスチン酸オクチルドデシル:花王(株)エキセパールO−DM)
・ベヘニン酸:花王(株)ルナックBA
(非イオン界面活性剤)
・非イオン界面活性剤−1:ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル(花王(株)のエマルゲン306P)HLB=9.4
・非イオン界面活性剤−2:テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビットステアリルエーテル(日光ケミカルズ(株)のニッコールGO440V)HLB=12.6
(混合油剤)
花王(株)製エキセパールIPP 50質量%、花王(株)製エキセパールO−DM 15質量%、花王(株)製ルナックBA 5質量%、花王(株)製エマルゲン306P 10質量%、日光ケミカルズ(株)製ニッコールGO―440V 20質量%を50℃で混合し、溶解させた混合油剤として使用した。

(水溶性バインダー)
・ポリエチレングリコール:花王(株)のK-PEG6000LA、数平均分子量8500
(崩壊助剤)
粉砕ブドウ糖:日本食品化工製無水結晶ぶどう糖#350を粉砕し、平均粒径20μmを用いた。
(その他)
・粉砕ソーダ灰:セントラル硝子製ソーダ灰(軽灰)を粉砕し、平均粒径11μmを用いた。
実施例1〜11、比較例1〜4
表2に示す(A)成分と(B)成分、さらに他の成分を混合して、各組成物を得た。比較例3は、表2に示す実施例1と同じ成分を混合した後、理研社製油圧プレス(型番:CD−50−135B)により、直径55mm、厚さ15mmの円柱状の打錠物(1錠45g)にした。
Figure 2011021005
本実施例及び比較例においては、下記の原料を用いた。
・(A)成分:製造例及び比較製造例に記載の原料と同じ原料用いた。
・(B)成分:炭酸ナトリウム:セントラル硝子製デンス灰、平均粒径290μm
・酸化マグネシウム:協和化学工業(株)酸化マグネシウム(軽質100)
・デキストリン:松谷化学 パインデックス#2
・香料:花王(株)製香料
・色素:保土谷化学工業(株)黄色4号

Claims (3)

  1. (A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤、水溶性バインダーを含む造粒物30〜80質量%と、(B)炭酸塩70〜20質量%を含む、発泡性粉末入浴剤組成物。
  2. (A)成分の造粒物中に含まれる有機酸がフマル酸である請求項1記載の発泡性粉末入浴剤組成物。
  3. (A)成分の造粒物中に含まれる水溶性バインダーの含有量が2〜30質量%である請求項1又は2記載の発泡性粉末入浴剤組成物。
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