JP5412220B2 - 有機酸含有造粒物 - Google Patents
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Description
工程1:油性成分と水溶性バインダー、有機酸を混合する際に、攪拌部のフルード数が5以上の剪断力を加えた状態で撹拌して中間組成物を得る工程
工程2:工程1で得られた中間組成物を造粒する工程。
本発明で用いる油性成分は、例えば本発明品を炭酸塩と混合し入浴剤として用いる場合、浴湯中で発生した炭酸ガスを、浴湯だけでなく、油性成分中にも分配させることで、高濃度の炭酸ガスを皮膚に供給し、入浴後の温まり感を高める作用を有する成分である。
トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリル等の脂肪酸トリグリセライド類;
大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等のグリセリド類;
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、スクアレン、ジオクチルシクロヘキサン、ブリスタン等の炭化水素油;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類;
ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等の高級アルコール類;
ハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、タイム油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラーオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等の精油;
シリコーン油類等が挙げられる。
本発明で用いる水溶性バインダーは、造粒物の強度を高めるための成分である。また、有機酸が水溶性バインダーによって被覆されることで、例えば本発明品を炭酸塩と混合し入浴剤として用いた場合、保存中に有機酸と炭酸塩が接触して、反応することが抑制され、炭酸ガスの発生により包装容器が膨張することが防止できる。
上記以外の成分であっても、本発明の課題を解決できる範囲内において、適宜配合することができる。
〔非イオン界面活性剤〕
非イオン界面活性剤は、油性成分と共に使用することにより、例えば本発明品を浴湯に投入した場合、油性成分を浴湯中に均一に乳化させることができるので好ましい。
崩壊助剤を配合することにより、造粒物の崩壊性を向上させ、湯浴中に投入した場合の溶解性を向上させることができる。崩壊助剤としては、糖類や無機塩、炭酸塩が好ましい。
本発明品を入浴剤として用いた場合、炭酸ガス発泡時に非イオン界面活性剤由来の泡が湯面に残存し、湯浴時の外観が損なわれることがあるが、消泡剤のその消泡効果により泡残りを回避することができる。
肌感触向上剤を配合することで、例えば本発明品を入浴剤として用いた場合に、入浴時の肌感触を向上することができる。そのような、肌感触向上剤としては、グリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
油性成分や非イオン界面活性剤として、不飽和炭素結合を含むものを使用する場合には、製造時や保存時の温度環境による匂いの変化を抑制する観点から、トコフェロール等の酸化防止剤を配合することが好ましい。
例えば本発明品を入浴剤として用いた場合に、湯浴中での有機酸の浮き(有機酸が他の成分から分離して浮上する現象)を抑制する観点から、ショ糖脂肪酸エステル等の分散剤を配合することが好ましい。
本発明の有機酸含有造粒物は、下記工程1〜工程2を含む製造方法により製造することができる。
工程1は、油性成分と水溶性バインダー、有機酸を混合する際に、攪拌部のフルード数が5以上の剪断力を加えた状態で撹拌して中間組成物を得る工程である。
また、工程1における各原料の混合順序としては、有機酸と油性成分を予め混合する工程を含む下記(II)〜(V)の方法で、好ましくは(III)〜(V)の方法で、より好ましくは(IV)又は(V)の方法で中間組成物を製造しても良い。なお、有機酸に対して、予め圧縮造粒処理や乾式粉砕処理をしておくこともできる。
(II):油性成分と水溶性バインダーを混合して混合液を得た後、その混合液と有機酸を混合する方法。
(III):有機酸、油性成分、水溶性バインダーを同時に添加し、混合する方法。
(IV):油性成分の一部と有機酸を予め混合し、次いで油性成分の残りと水溶性バインダー成分の混合液とを混合する方法。
(V):有機酸と油性成分を混合した後、ついで水溶性バインダーを混合する方法。
V:周速[m/s]
R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s2]
尚、主翼や解砕翼を備えた縦型或いは横型造粒機においては、V及びRは主軸の値を用い、攪拌部が自転及び公転軌道を描くナウターミキサーにおいては、V及びRは自転攪拌軸の値を用いることとする。
る。
工程2は、工程1で得られた中間組成物を造粒する工程である。造粒する場合には、ペレッターダブル、ドームグラン、ツインドームグラン、ディスクペレッター(ダルトン(株)製)、バスケット式整粒機((株)菊水製作所製)、グラニュライザ(ホソカワミクロン(株)製)、特開平10−192688号公報記載の横押出式スクリュー型押出造粒機等の周知の押出造粒機やエクストルードオーミックス(ホソカワミクロン(株))のような混練押出装置のほか、転動造粒機等を用いることができるが、押出造粒機や混練押出装置を用いて押出造粒することが好ましい。
1.体積平均一次粒子径と平均粒径
(1)体積平均一次粒子径または平均粒径が200μm以上のものについては、JIS K 8801 の標準篩(目開き2000〜125μm )を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率からメジアン径を算出した。
より詳細には、目開き125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの9段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの粒子を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させた。
その後、それぞれの篩及び受け皿上に残留した該粒子の重量を測定し、各篩上の該粒子の重量割合(%)を算出した。受け皿から順に目開きの小さな篩上の該粒子の重量割合を積算していき合計が50%となる粒径を体積平均一次粒子径または平均粒径とした。
有機酸の吸油能測定は以下の方法で行った。吸収量測定器(あさひ総研製S410)に粉末を45g投入し、駆動羽根200rpmで回転させた。ここに油性成分及び非イオン界面活性剤を溶解した50℃混合液(花王(株)製エキセパールIPP 50質量%、花王(株)製エキセパールO−DM 15質量%、花王(株)製ルナックBA 5質量%、花王(株)製エマルゲン306P 10質量%、日光ケミカルズ(株)製ニッコールGO―440V 20質量%)を、液供給速度2ml/minで滴下し、最大トルクとなる点を見極めた。この最大トルクとなる点の70%のトルクとなる点での液添加量を粉末投入量で除算し、吸油能とした。
打錠機((株)理研商会製)のセルに、打錠セルの大きさに切り取ったNo.5Cの定量ろ紙を重ねて二枚入れ、更に30℃に保温した表1に示す有機酸含有造粒物31gを入れ、20MPaの圧力で30秒間圧縮打錠を行った。打錠後、粉末に直接接しない側のろ紙の重量を測定し、予め測定しておいた試験前のろ紙の重量を差し引き、打錠後の染み出し量として算出した。この染み出し量の少ない方が、生産時の造粒化や錠剤化工程で、杵に油性成分と粉の付着で生ずるプリンティング等のトラブルを回避するのに好ましく、目安としては、30mg以下が好ましく、20mg以下が更に好ましい。
(a1)成分4,350g、予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)250g(b1:120g、b2:55g、b5:5g、d1:25g、d2:45g)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱産(株)FM−20)に仕込み、2,100r/m(攪拌部先端周速30m/s、フルード数361)にて10分混合した。ここに、常温(フレーク状)の(c1)成分400g投入し、更に2100r/mにて3分攪拌(粉体温度が80℃を超えないようにヘンシェルミキサーのジャケットに35℃の冷却水を通水)してから混合物(中間組成物)を抜き出した。
(a1)成分4,350g、常温(フレーク状)の(c1)成分400gをヘンシェルミキサー(三井鉱産(株)FM−20)に仕込み、2,100r/m(攪拌部先端周速30m/s、フルード数361)にて10分混合した(混合終了時の粉体温度65℃)。ここに、予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)250g(b1:120g、b2:55g、b5:5g、d1:25g、d2:45g)を投入し、更に2,100r/mにて3分攪拌(粉体温度が80℃を超えないようにヘンシェルミキサーのジャケットに35℃の冷却水を通水)してから混合物(中間組成物)を抜き出した。
(a2)成分4,350gをローラーコンパクター(フロイント産業、TF−MINI)にて、11,76MPa(120kg/cm2)条件にて圧縮造粒処理を行った後、予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)250g(b3:175g、b5:5g、d1:25g、d2:45g)と、上記圧縮造粒処理したフマル酸4350gをヘンシェルミキサー(三井鉱産(株)FM−20)に仕込み、ジャケット温度60℃、920r/m(攪拌部先端周速13m/s、フルード数:63)にて20分混合した。ここに、予め溶融させた70℃の(c1:400g投入し、更に10分混合してから混合物(中間組成物)を抜き出した。
(a2)成分4,350g、予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)250g(b3:175g、b5:5g、d1:25g、d2:45g)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱産(株)FM−20)に仕込み、ジャケット温度60℃、920r/m(攪拌部先端周速13m/s、フルード数:63)にて20分混合した。ここに、予め溶融させた70℃の(c1)成分400g投入し、更に10分混合してから混合物(中間組成物)を抜き出した。
(a2)成分4,350g、予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)250g(b3:175g、b5:5g、d1:25g、d2:45g)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱産(株)FM−20)に仕込み、ジャケット温度60℃、455r/m(攪拌部先端周速6.5m/s、フルード数:16)にて20分混合した。ここに、予め溶融させた70℃の(c1)成分400g投入し、更に10分混合してから混合物(中間組成物)を抜き出した。
(a2)成分4,750g、予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)250g(b2:135g、b4:40g、b5:5g、d1:25g、d2:45g)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱産(株)FM−20)に仕込み、ジャケット温度60℃、920r/m(攪拌部先端周速13m/s、フルード数63)にて10分混合した。結果を表1に示す。
(a2)成分17,400gと予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)1000g(b2:540g、b4:160g、b5:20g、d1:100g、d2:180g)を、ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)NX−S)に仕込み、ジャケット温度70℃、100r/m(攪拌部先端周速0.8m/s、フルード数0.8)にて30分混合した。ここに、予め溶融させた(c1)成分1,600gを投入し、更に20分混合してから混合物(中間組成物)を抜き出した。
(a1)成分4,700g、予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)250g(b2:135g、b4:40g、b5:5g、d1:25g、d2:45g)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱産(株)FM−20)に仕込み、ジャケット温度60℃、2,100r/m(攪拌部先端周速30m/s、フルード数361)にて10分混合した。ここに、70℃の(c1)成分50g投入し、更に2100r/mにて3分攪拌(混合終了時の粉体温度75℃)してから混合物(中間組成物)を抜き出した。
(a1)成分4,550g、予め混合・溶解させた油性成分と、非イオン界面活性剤混合物(温度50℃)250g(b2:135g、b4:40g、b5:5g、d1:25g、d2:45g)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱産(株)FM−20)に仕込み、ジャケット温度60℃、2,100r/m(攪拌部先端周速30m/s、フルード数361)にて10分混合した。ここに、70℃の(c1)成分200g投入し、更に2100r/mにて3分攪拌(混合終了時の粉体温度78℃)してから混合物(中間組成物)を抜き出した。
(a)成分〔有機酸〕
a1:フマル酸(川崎化成製、体積平均一次粒子径130μm、吸油能0.29mL/g)
a2:フマル酸(日本触媒製、体積平均一次粒子径137μm、吸油能0.082mL/g)
(b)成分〔油性成分〕
b1:イソステアリン酸イソステアリル(高級アルコール工業製 ISIS)
b2:パルミチン酸イソプロピル(花王製 エキセパールIPP)
b3:トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン(花王製ココナードMT)
b4:ミリスチン酸オクチルドデシル(花王製 エキセパールO-DM)
b5:ベヘニン酸(花王製 ルナックBA)
(c)成分〔水溶性バインダー〕
c1:ポリエチレングリコール(花王製 K-PEG6000LA、分子量8,500)
(その他の成分)
d1:ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル(花王製 エマルゲン306P)
d2:テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット(日光ケミカルズ製 ニッコールGO440V)
Claims (4)
- (a)体積平均一次粒子径が50μm以下である吸油能0.05ml/g以上の有機酸 70〜90質量%、
(b)油性成分 1〜15質量%、
(c)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンフェノールエーテルから選ばれる水溶性バインダー 6〜30質量%を含む有機酸含有造粒物。 - 有機酸がフマル酸である請求項1記載の有機酸含有造粒物。
- 下記工程を含む、請求項1又は2記載の有機酸含有造粒物の製造方法。
工程1:油性成分と水溶性バインダー、有機酸を混合する際に、攪拌部のフルード数が5以上の剪断力を加えた状態で撹拌して中間組成物を得る工程
工程2:工程1で得られた中間組成物を造粒し、体積平均一次粒子径が50μm以下である有機酸を含有する造粒物を得る工程 - 工程1において、油性成分と有機酸を混合した後、更に水溶性バインダーと混合する請求項3記載の有機酸含有造粒物の製造方法。
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