JP6975636B2 - 固体浴用剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、固体浴用剤組成物に関する。
従来より、有機酸と炭酸塩のような炭酸ガス発生成分を含有する浴用剤であれば、使用時に炭酸ガスを発生させて、温浴効果や血行促進効果を有効に高められることが知られている。こうした温浴効果や血行促進効果を高めるにあたっては、浴用剤に含まれる油性成分が大いに寄与するものの、その含有量が増大するにつれて成型時に染み出し等が発生しやすくなり、外観や保存安定性が損なわれるおそれがある。そのため、浴用剤中により安定的に油性成分を含ませるべく、種々の開発がなされている。
例えば、特許文献1には、有機酸、ノニオン界面活性剤、及び水溶性バインダーとともに油性成分を含む造粒物と、炭酸塩とを含有する入浴剤組成物が開示されており、油性成分が造粒化されてなることによって、保存安定性を高めている。また、特許文献2にも、有機酸と油性成分、及び水溶性バインダーを各々特定量で含有する造粒物が開示されており、造粒化された油性成分は染み出しにくくなり、優れた加工成形性を有している。
特開2011−21005公報 特開2011−57630号公報
しかしながら、上記特許文献1〜2に記載のように、浴用剤の一部の成分を造粒物とするには充分な量の水溶性バインダーが必要となるため、浴用剤全体としてみれば、油性成分のみならず炭酸ガス発生成分等のその他の成分の含有量も制限せざるを得ず、温浴効果や血行促進効果を充分に高めることができなくなるおそれがある。こうしたことから、浴用剤において優れた温浴効果や血行促進効果を発揮させるべく、液状の油性成分或いは液状の界面活性剤の量を確保しようとするなかで、水溶性バインダーの量を低減させようと考えた場合、成型時におけるこれら液状成分の染み出し等の発生を有効に抑制したり、外観や保存安定性を良好に保持したりするには、さらなる改善が求められる。
すなわち、本発明は、使用時に炭酸ガスを発生させることに加え、液状成分によっても充分に温浴効果を高めつつ、染み出しを有効に抑制して優れた外観や保存安定性等の品質を確保することのできる固形浴用剤組成物に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、吸油量が高く、液状の油性成分や液状の界面活性剤を担持してなるジカルボン酸結晶の集合体と炭酸塩を用いると、これら液状成分の量を増大させつつ水溶性バインダーの含有を制限することができ、液状成分による優れた温浴効果と、染み出し低減による良好な外観や優れた保存安定性を両立することのできる固体浴用剤組成物が得られることを見出した。
したがって、本発明は、次の成分(A)、(B)、並びに(C):
(A)吸油量が40mL/100g以上200mL/100g以下である、ジカルボン酸結晶の集合体、
(B)炭酸塩、並びに
(C)20℃で液体の油性成分(C1)、及び20℃で液体の界面活性剤(C2)から選ばれる1種又は2種以上の液状成分 1質量%以上
を含有し、水溶性バインダー(D)の含有量が10%以下であり、かつ
成分(C)の少なくとも一部が、成分(A)の内部に担持してなる固体浴用剤組成物を提供するものである。
本発明の固体浴用剤組成物によれば、常温で液体の液状成分を造粒化せずとも、成型時において液状成分の染み出しを有効に抑制することができるため、優れた外観や保存安定性を確保しながらも、かかる液状成分による温浴効果を充分に発揮させることができる。したがって、液状成分やその他の成分を増量できる可能性が高まり、より一層優れた温浴効果をもたらすことができる。
実施例1で用いた製造例1で得られたジカルボン酸結晶、及びその集合体Xを示すSEM像である。 比較例1で用いたジカルボン酸Y、及びその結晶を示すSEM像である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の固体浴用剤組成物は、次の成分(A)、(B)、並びに(C):
(A)吸油量が40mL/100g以上200mL/100g以下である、ジカルボン酸結晶の集合体、
(B)炭酸塩、並びに
(C)20℃で液体の油性成分(C1)、及び20℃で液体の界面活性剤(C2)から選ばれる1種又は2種以上の液状成分 1質量%以上
を含有し、水溶性バインダー(D)の含有量が10質量%以下であり、かつ
成分(C)の少なくとも一部が、成分(A)の内部に担持してなる。
本発明の固体浴用剤組成物は、成分(A)として、吸油量が40mL/100g以上200mL/100g以下である、ジカルボン酸結晶の集合体を含有する。かかる吸油量とは、JIS K 5101−13−2(2004)に準拠して測定される、成分(C)の担持能を示す指標となり、具体的には、実施例に記載の方法を用いて測定される値である。
かかる成分(A)は、ジカルボン酸の結晶が集結又は凝集してなり、或いは形成された集合体がさらに集結又は凝集してなり、全体形状としては不定形ながらも粒状又は塊状を呈し、多くの空隙を内包する集合体である。そのため、かかる集合体内部(本明細書において「集合体内部」とは、集合体表面又はその近傍、或いは集合体同士の間隙も含む広義の意である)、後述する成分(C)の液状成分を充分な量で担持させることのできる、高い吸油量を有する。これにより、成分(C)の少なくとも一部が、成分(A)の内部に適度な力で吸着されてなるかのような体をなすため、成型時における成分(C)の染み出しを有効に抑制することができるだけでなく、かかる成分(C)の染み出しに誘導されて生じる外観劣化や、保存時のピロー膨れや保存後の浴剤の溶解性の悪化等も有効に抑制することができ、良好な保存安定性を確保することが可能となる。
ジカルボン酸としては、吸油量を充分に高めることが可能である観点から、炭素数4のジカルボン酸であるのが好ましく、具体的には、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等が挙げられる。なかでも、より高い吸油量を発現できる観点から、好ましくはフマル酸又はコハク酸であり、フマル酸がより好ましい。
炭素数4のジカルボン酸又はその塩としては、特に制限されず、ベンゼンやブタン等の石化原料由来の化学合成、又は微生物発酵により得たものであってもよい。炭素数4のジカルボン酸又はその塩を生成する微生物としては、リゾプス属菌等の糸状菌が挙げられる。微生物発酵による場合、炭素数4のジカルボン酸又はその塩を含む培養液から炭素数4のジカルボン酸の結晶を析出して、炭素数4のジカルボン酸又はその塩を得てもよい。
成分(A)の吸油量は、成分(C)の液状成分による温浴効果を充分に高めつつ、成型時における成分(C)の染み出しや、かかる成分(C)の染み出しに伴う外観劣化等を有効に抑制する観点、及び本発明の固体浴用剤組成物の処方自由度を高めることで温浴効果をより一層向上させる観点から、40mL/100g以上であって、好ましくは50mL/100g以上であり、より好ましくは60mL/100g以上であり、さらに好ましくは80mL/100g以上である。また、成分(A)の吸油量の上限は、実現できる範囲内であれば特に制限はないが、例えば200ml/100g以下であることが好ましい。
成分(A)のかさ密度(ゆるめかさ密度)は、成分(C)の液状成分を十分に成分(A)に保持させ、温浴効果を充分に高めつつ、成型時における染み出し等を有効に抑制する観点、及び本発明の固体浴用剤組成物の処方自由度を高める観点から、好ましくは0.01g/cm3以上であり、より好ましくは0.10g/cm3以上であり、さらに好ましくは0.15g/cm3以上であり、またさらに好ましくは0.3g/cm3以上であり、好ましくは1.00g/cm3以下であり、より好ましくは0.80g/cm3以下であり、さらに好ましくは0.60g/cm3以下である。
なお、かさ密度の測定方法は、JIS K 3362「8.2 見かけ密度」により規定された方法により決定される。
ジカルボン酸結晶の形状、いわゆる単結晶の形状は、集合体内部においてより多くの空隙を存在させ、成分(C)の液状成分を充分な量で担持させる観点から、針状、板状、又は繊維状であるのが好ましい。これにより、成分(C)の少なくとも一部、或いは成分(C)のほとんどを成分(A)の内部に担持させることができ、成型時における成分(C)の染み出し等を有効に抑制しながらも成分(C)による温浴効果を充分に高めることができる。また、良好な成形性及び保存安定性を保持しつつ、より一層成分(C)の含有量を高めることも可能となる。
成分(A)を得るには、例えば、ジカルボン酸又はその塩を含む水溶液から、ノニオン性界面活性剤、ノニオン性高分子、カチオン性高分子及び両性高分子から選ばれる1種以上の存在下において、或いはアニオン性高分子の存在下において、ジカルボン酸結晶を析出する工程を含む製造方法が挙げられる。
具体的には、HLBが10以下のポリオキシエチレン鎖を有するノニオン性界面活性剤やHLBが15未満のポリオキシエチレン鎖を有さないノニオン性界面活性剤、又は水溶性のノニオン性高分子やカチオン性高分子、両性高分子を用い、或いはポリ(メタ)アクリル酸等のアニオン性高分子を用い、ジカルボン酸又はその塩を含む水溶液から、酸の添加等によるpH調整、昇温して溶解している酸濃度を高めてからの冷却、溶媒(水)を蒸発させることによる濃縮、又は触媒の添加等の反応による析出方法を介し、遠心分離やろ過、デカンテーション等の固液分離操作を経たのち、乾燥することによって、成分(A)を得ることができる。
好適な析出方法としては、より具体的には、例えば、ジカルボン酸又はその塩を含む水溶液を80℃以上に昇温し、溶解を確認した後、0.05℃/min以上の平均冷却速度で冷却による析出を行い、30℃に達した後、無機酸を添加してpHを2.5以下に下げる方法等が挙げられる。
成分(A)の含有量は、適度な炭酸ガス発生量を確保し、かつ浴水のpHを弱酸性とする点、成分(A)の内部に成分(C)を可能な限り多く担持させて優れた温浴効果を発揮させる観点、及び保存時のピローの膨れや、保存後の浴剤の溶解性の悪化などの保存安定性の観点から、本発明の固体浴用剤組成物中に、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下である。
本発明の固体浴用剤組成物は、成分(B)として、炭酸塩を含有する。かかる成分(B)は、本発明の固体浴用剤組成物を浴水に投入したときに、上記成分(A)とともに炭酸ガスを発生させて、後述する成分(C)と相まって優れた温浴効果を発揮することができる。かかる成分(B)としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等の炭酸ジアルカリ金属塩、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩;炭酸カルシウム等の二価以上の金属の炭酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、温浴効果をより一層高める観点から、炭酸ジアルカリ金属塩としては炭酸ナトリウムが好ましく、炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウムが好ましい。また、炭酸ガス発生量を充分に確保する点から、少なくとも炭酸ジアルカリ金属塩を用いるのが好ましい。この際、成分(B)の炭酸塩中の炭酸ジアルカリ金属塩の含有量は、好ましくは75〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%であり、さらに好ましくは85〜100質量%である。
成分(B)の含有量は、炭酸ガス発生量を確保する観点、及び良好な保存安定性を確保する観点から、本発明の浴用剤組成物中に、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。
本発明の固体浴用剤組成物は、成分(C)として、20℃で液状の油性成分、及び20℃で液状の界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の液状成分を1質量%以上含有する。かかる成分(C)の少なくとも一部、或いは成分(C)のほとんどは、吸油量の高い上記成分(A)の内部に良好に担持されるため、成分(C)の含有量に左右されることなく、成型時における成分(C)の染み出し等が効果的に抑制される。
なお、本発明の固体浴用剤組成物において、成分(C)のうち、成分(A)の内部に担持してなる成分(C)を特に「成分(CA)」と称する。具体的には、例えば、後述する実施例にも記載するように、成分(C1)に相当する香料を担持した香料担持体を配合することによって、成分(A)の内部に担持されていない、成分(CA)以外の成分(C)として、香料担持体中の成分(C1)が本発明の固体浴用剤組成物中の成分(C)を構成してもよい。
したがって、本発明の固体浴用剤組成物における成分(C)の含有量とは、成分(A)の内部に担持してなる成分(CA)と、成分(CA)以外の成分(C)の含有量との合計量、すなわち「成分(C)の全含有量」を意味する。
成分(C1)としては、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソノナン酸イソトリデシル、オレイン酸デシル等の脂肪酸エステル類;ミリスチン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸グリセリル等のグリセリド類;トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリル等の脂肪酸トリグリセライド類;イソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2等の脂肪酸ポリグリセリド類から選ばれる1種又は2種以上の油性成分(C1−1);
大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油等の天然油脂;流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、スクアレン、ジオクチルシクロヘキサン、ブリスタン等の炭化水素油;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類;オレイルアルコール等の高級アルコール類;シリコーン油類;ハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、タイム油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、リナロール、ゲラニオール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等の精油又は香料成分;トコフェロール等の酸化防止剤;防菌・防黴剤や生薬等の油溶性有効成分等から選ばれる1種又は2種以上の油性成分(C1−2)が挙げられる。
成分(C1)のなかでも、温まり感の観点から、成分(C1−1)が好ましい。
成分(C2)としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
成分(C)は、温まり感の観点から、成分(C1)を含むことが好ましく、成分(C1−1)を含むことが好ましい。また、成分(C1−1)を含む場合、その含有量は、温まり感の観点から、本発明の固体浴用剤組成物中に、0.5質量%以上が好ましく、1%質量以上がより好ましい。また、100質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
また、本発明の固体浴用剤組成物を浴水に投入した際、これに含有される各成分、例えば成分(C)等を浴水中に均一に分散又は拡散させて、温浴効果をより一層高めるとともに、浴水面における浮遊物等の発生を抑制することができる観点から、成分(C2)を含むことが好ましい。さらに、成分(C)は、成分(C1)と成分(C2)の両方を含むことが好ましい。
成分(A)の含有量と、成分(A)の内部に担持されてなる成分(C)の含有量(成分(CA)の含有量)との質量比((A)/(CA))は、成分(A)の内部に成分(C)の少なくとも一部、或いは成分(C)のほとんどを有効かつ効率的に担持させて成分(CA)とする観点から、好ましくは1以上であり、より好ましくは3以上であり、さらに好ましくは5以上であり、またさらに好ましくは7以上であり、好ましくは30以下であり、より好ましくは25以下であり、さらに好ましくは20以下、またさらに好ましくは15以下である。
また、温まり感の観点から、成分(A)と成分(B)の合計含有量と、成分(C)の全含有量との質量比({(A)+(B)}/(C))は、10以上28以下が好ましい。
成分(C)の全含有量は、成分(A)の内部に有効に担持させつつ、優れた温浴効果を発揮させる観点から、本発明の固体浴用剤組成物中に、1質量%以上であって、好ましくは1.2質量%以上であり、さらに好ましくは1.5質量%以上、さらには3質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下である。
成分(A)の内部に担持してなる成分(C)の含有量(成分(CA)の含有量)は、優れた温浴効果と良好な成形性を有効に兼ね備える観点から、成分(C)の全含有量100質量%中、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
本発明の固体浴用剤組成物は、水溶性バインダー(D)の含有量が10質量%以下である。このように、本発明の固体浴用剤組成物は、吸油量の高い成分(A)により成分(C)を有効かつ効率的に担持してなることから、成分(C)を造粒化することなく優れた成形性や保存安定性を確保することが可能であるため、水溶性バインダー(D)の含有を制限することができる。したがって、その分、成分(C)やその他の成分の含有量を増大させたりすることが可能となり、組成物における処方の自由度を高め、温まり感をより一層強くすることができる。
成分(D)としては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンフェノールエーテルが挙げられる。
成分(D)の含有量は、優れた温浴効果を発揮させ、かつ組成物における処方の自由度を高める観点から、本発明の固体浴用剤組成物中に、10質量%以下であって、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは6質量%以下であり、或いは本発明の固体浴用剤組成物は、成分(D)を含有しなくともよい。
また、本発明の固体浴用剤組成物が成分(D)を含有する場合、成分(D)の含有量と成分(C)の全含有量との質量比((D)/(C))は、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下であり、さらに好ましくは1以下である。
本発明の固体浴用剤組成物は、その他上記成分以外の成分として、本発明の効果を阻害しない範囲内で、通常浴用剤に用いられる成分を適宜含有させてもよい。具体的には、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の、上記成分(B)に用いられ得る炭酸塩以外の無機塩;浴水面における浮遊物等の発生を抑制するためのブドウ糖やケイ酸カルシウム;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の、20℃で固体又はペースト状のノニオン界面活性剤;脂肪酸エステル類や天然油脂を水素添加して得られる硬化油、高級アルコール類の、20℃で固体又はペースト状の油性成分;防菌・防黴剤;色素等が挙げられる。
なお、20℃で固体又はペースト状のノニオン界面活性剤や、20℃で固体又はペースト状の油性成分は、成分(C)と共に成分(A)に担持してもよいし、成分(A)には担持されることなく、別途成分(C)の担持体を用いることによって、成分(A)に担持してなる成分(C)(成分(CA))と共に、成分(C)として固体浴用剤組成物を構成してもよい。
本発明の固体浴用剤組成物は、予め得た成分(A)とともに、成分(CA)とすべく、成分(C)の少なくとも一部とを配合し、ダマがなくなる程度に混合する。次いで、残部の成分(C)と、成分(B)、及び適宜その他の成分を配合して混合し、プレス打錠機やブリケットマシン等を用いた圧縮成形法等により製造することができ、その形態は粉末、顆粒、粒状、ブリケット錠、錠剤等のいずれであってもよい。また、後述する実施例にも記載するような香料担持体等の、成分の一部を予め造粒或いは成型したものを配合し、その余の成分と混合した後に最終成形した形態であってもよい。
なお、本発明の固体浴用剤組成物の1回あたりの使用量(質量)は、浴水150Lあたり20〜200gが好ましく、30〜100gがより好ましい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
なお、ジカルボン酸の吸油量、及び生地の流動性については、下記方法にしたがって測定及び評価した。
《吸油量》
JIS K 5101−13−2(2004)に準拠して測定した。具体的には、試料1〜5gを測定板(300×400mmより大きい平滑なガラス板)上の中央部にとり、煮あまに油をビュレットから1回に4、5滴ずつ、徐々に試料の中央に滴下し、その都度全体をパレットナイフで充分に練り合わせた。煮あまに油の滴下及び練り合わせを繰り返し、全体が硬いパテ状の塊となったら1滴ごとに練り合わせて、最後の1滴でパレットナイフを用いてらせん形に巻くことができる状態になったときを終点とした。
ただし、らせん状に巻くことができない場合は、煮あまに油の1滴で急激に柔らかくなる直前を終点とした。終点に達するまでの操作時間が7〜15分の間になるように操作を調節した。
終点に達したときのビュレット内の煮あまに油滴下量を読み取り、吸油量(mL/100g、試料100gあたりの煮あまに油滴下量)とした。
[製造例1:ジカルボン酸結晶の集合体X1の製造]
3Lの反応槽(直径130mm)にイオン交換水2.14kg、フマル酸105gを混合した後、85℃に昇温し、溶解した。続いて、ポリアクリル酸(分子量5000g/mol)を0.113g混合した後、平均冷却速度0.3℃/minにて85℃から25℃まで冷却することでフマル酸を析出させた。撹拌は翼径121mmの撹拌翼を用い、250r/minの条件にて行った。
次に、析出したフマル酸懸濁液をNo.2のろ紙を使用して吸引ろ過した。ろ過後のフマル酸ケークは熱風循環乾燥器FS−60WT(東京硝子器械社製)にて105℃で乾燥を行った。乾燥後、目開き500μmの篩を通すことにより、フマル酸結晶を得た。
得られたフマル酸結晶の吸油量を測定したところ、60.0mL/100gであった。
得られた集合体XのSEM像を図1に示す。
[製造例2:ジカルボン酸結晶の集合体X2の製造]
35Lの反応槽(直径360mm)にイオン交換水16.7kg、フマル酸817g、ポリビニルアルコール(分子量100000)17.5gを混合した後、85℃に昇温し、溶解した。続いて、平均冷却速度0.39℃/minにて85℃から25℃まで冷却することでフマル酸を析出させた。撹拌は翼径150mmの撹拌翼を用い、300r/minの条件にて行った。
次に、析出したフマル酸懸濁液をNo.2のろ紙を使用して吸引ろ過した後、5.0kgのイオン交換水を添加してろ過洗浄を行った。ろ液のpHは2.2であった。ろ過後のフマル酸ケークは熱風循環乾燥器FS−60WTにて105℃で乾燥を行った。乾燥後、目開き500μmの篩を通すことにより、フマル酸結晶を得た。
得られたフマル酸結晶の吸油量を測定したところ、158.6mL/100gであった。
[製造例3:ジカルボン酸結晶の集合体X3の製造]
3Lの反応槽にイオン交換水1.80kg、コハク酸450gを混合した後、80℃に昇温した。続いて、ポリビニルアルコール(分子量100000)を2.25g混合した後、平均冷却速度0.42℃/minにて80℃から26℃まで冷却することでコハク酸を析出させた。撹拌は翼径121mmの撹拌翼を用い、150r/minの条件にて行った。
次に析出したコハク酸懸濁液をNo.2のろ紙を使用して吸引ろ過を行った。ろ液のpHは2.0であった。ろ過後のコハク酸ケークは熱風循環乾燥器FS−60WTにて105℃で乾燥を行った。乾燥後、目開き500μmの篩を通すことにより、コハク酸結晶を得た。
得られたコハク酸結晶の吸油量を測定したところ、115.7mL/100gであった。
[実施例1〜9]
製造例1で得られたジカルボン酸結晶の集合体Xを用い、表1に示す成分(A)と成分(C)を配合して混合し、成分(C)を成分(A)に担持させた。その後、更に成分(B)、及び香料(C1)を担持させた造粒物である香料担持体や、その他の成分を適宜配合して混合し、プレス打錠機を用いて圧縮成型することにより、錠剤を得た。
得られた錠剤を用い、下記方法にしたがって各評価を行った。
[比較例1〜3]
ジカルボン酸結晶の集合体X1〜X3の代わりに、市販のフマル酸(吸油能20ml/100g)(ジカルボン酸Y)を用いた以外、実施例1と同様にして錠剤を得た。
得られた錠剤を用い、下記方法にしたがって各評価を行った。
《入浴直後、及び出浴後30分経過時点の温まり感》
得られた各錠剤をそれぞれ150Lのお湯(40℃)に投入して均一に溶解・分散させたのち、パネラー5名を入浴させ、入浴直後、及び出浴後30分経過時点の温まり感を下記基準にしたがって評価し、その平均値を求めた。
5:さら湯と比べて、非常に温まる
4:さら湯と比べて、かなり温まる
3:さら湯と比べて、やや温まる
2:さら湯と同等
1:さら湯と比べて温まらない
《成型時のしみ出し》
打錠セル内に打錠セルの大きさに切り取ったN0.5Cの定量濾紙を4枚重ねた上に、30℃に保温した表1に示す各処方の(A)と(C)の混合物40gを入れ、設定10MPaの成形圧で3秒間圧縮した。圧縮後、混合物と直接接しない側の濾紙3枚の重量を測定し、試験前の濾紙の重量を差し引き、しみ出し量(mg)とした。
《錠剤の外観》
得られた各錠剤の製造直後の外観(色素の発色)について、下記基準にしたがって目視により評価した。
◎:発色がなく、外観が非常に良好である
○:発色がほとんどなく、外観がほぼ良好である
×:発色が確認され、外観が悪化していると認められる
Figure 0006975636

Claims (7)

  1. 次の成分(A)、(B)、並びに(C):
    (A)吸油量が40mL/100g以上200mL/100g以下であり、かつ板状又は繊維状の形状である、フマル酸結晶の集合体又はコハク酸結晶の集合体、
    (B)炭酸塩、並びに
    (C)20℃で液体の油性成分(C1)、及び20℃で液体の界面活性剤(C2)から選ばれる1種又は2種以上の液状成分 1質量%以上
    を含有し、水溶性バインダー(D)の含有量が10質量%以下であり、或いは水溶性バインダー(D)を含有せず、かつ
    成分(C)の少なくとも一部が、成分(A)の内部に担持してなる固体浴用剤組成物。
  2. 成分(A)のかさ密度が、0.10g/cm3以上0.60g/cm3以下である請求項1に記載の固体浴用剤組成物。
  3. 成分(A)の含有量と、成分(A)の内部に担持してなる成分(C)の含有量((CA)の含有量)との質量比((A)/(CA))が、1以上30以下である請求項1又は2に記載の固体浴用剤組成物。
  4. 成分(C1)が、脂肪酸エステル、及び脂肪酸トリグリセライドから選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体浴溶剤組成物。
  5. 成分(C2)が、ノニオン性界面活性剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体浴溶剤組成物。
  6. 成分(D)が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンフェノールエーテルである請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体浴用剤組成物。
  7. 成分(C)の全含有量が、3質量%以上7質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体浴用剤組成物。
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