JP2011020516A - ダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性を有するラックギアのピニオンギアとの当接領域を該ピニオンギアのラジアル方向に撓ませる撓み形成手段4を備える。
【選択図】図2
Description
より詳細には、エアミックスダンパは、略同一の同じ大きさで並列に配置された2つの開口(上記加熱流路に連通する開口とそのまま冷風を通気させるための開口)の間をスライドし、これによって2つの開口の開口割合を変化させることで加熱流路へ供給される冷風の割合を調節している。
つまり、ラックギアとピニオンギアとの噛み合いが弱いと、エアミックスダンパのスライド位置が正確に制御できない虞がある。
また、ラックギアとピニオンギアとの噛み合いが弱い場合には、バックラッシュを大きくとる必要があるため、異音の発生原因となる。
また、上述のような技術課題は、エアミックスダンパ装置に限られるものではなく、スライド式のダンパを備えるダンパ装置(例えば、吹出口の開口調節を行うモードダンパ装置や、ブロアの吸込口を内外気切替のために開閉制御する内外気切替ダンパ装置)全般に生じる。
特に本発明は、エアミックスダンパ装置において、エアミックスダンパに形成されるラックギアと、このラックギアに噛み合わされるピニオンギアとを適切に噛み合わせることにより、エアミックスダンパのより正確な位置決め及び異音の抑制を図ることを目的とする。
第1の発明は、スライド式のダンパに形成されると共に可撓性を有するラックギアと、該ラックギアに噛み合うピニオンギアとを有し、車両用空気調和装置に備えられるダンパ装置であって、上記ラックギアの上記ピニオンギアとの当接領域を該ピニオンギアのラジアル方向に撓ませる撓み形成手段を備えるという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記撓み形成手段が、上記ラックギアの側方に形成されるスリットであるという構成を採用する。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記ラックギアを上記ピニオンギアに対して常に付勢させながら上記スライド式のダンパをスライドさせる案内手段を備えるという構成を採用する。
したがって、本発明によれば、スライド式のダンパに形成されるラックギアと、このラックギアに噛み合わされるピニオンギアとを適切に噛み合わせることができ、スライド式のダンパのより正確な位置決め及び異音の抑制を図ることが可能となる。
また、以下の説明においては、本発明に係るダンパ装置として、エアミックスダンパ(スライド式のダンパ)を備えるエアミックスダンパ装置を挙げて説明する。ただし、本発明は、これに限定されるものではなく、スライド式のダンパを備えるダンパ装置(例えば、吹出口の開口調節を行うモードダンパ装置や、ブロアの吸込口を内外気切替のために開閉制御する内外気切替ダンパ装置)全般に適用することができる。
本実施形態のエアミックスダンパ装置S1(図1参照)は、ユニット化された車両空気調和装置(HVAC:Heating Ventilation Air Conditioning)に搭載され、ヒータコアやエバポレータが収容されるヒータケース内に収容されている。
そして、エアミックスダンパ装置S1(ダンパ装置)は、エバポレータから供給される冷風の加熱流路への供給量を調節し、これによって加熱流路で加熱されて得られる温風と、混合部にそのまま通気される冷風との混合割合を調節する。
図1に示すように、本実施形態のエアミックスダンパ装置S1は、フレームケース1と、エアミックスダンパ2(スライド式のダンパ)と、ラックギア3と、スリット4(撓み形成手段)と、ピニオンギア5と、シャフト6とを備えている。
そして、本実施形態においてガイド1dは、ラックギア3がピニオンギア5に対して常に付勢されるようにエアミックスダンパ2を案内する。より詳細には、ガイド1dは、ピニオンギア5の歯先面が、外部荷重が作用していない(すなわち変形)をしていない状態のラックギア3の歯底面よりもエアミックスダンパ2側を移動するようにエアミックスダンパ2を案内する。これによって、ラックギア3がピニオンギア5に対して常に付勢される。
パッキン2aは、例えば、可撓性を有する樹脂によって形成されており、荷重を受けることによって、荷重を受けた領域が容易に弾性変形可能とされている。
フレーム部2bは、例えばパッキン2aと同様に樹脂によって形成されており可撓性を有しているが、パッキン2aよりも硬く形成されている。また、フレーム部2bには、上記支持壁1c側に突出する突出部2b1が四隅に形成されており、これらの突出部2b1が上記ガイド1dを摺動する。なお、図1においては、4つの突出部2b1のうち、1つのみを図示している。
また、ラックギア3の両側端部3aは、せり上がっており、ラックギア3の設置面2b2(フレーム部2bの表面)から離間して浮き上がっている。
このスリット4は、本発明の撓み形成手段として機能するものである。つまり、スリット4の存在により、ラックギア3のピニオンギア5との当接領域は、該ピニオンギア5のラジアル方向に撓むことが可能とされる。
シャフト6は、両端部にピニオンギア5が固定されており、上記支持壁1cに取り付けられた軸受け7によって軸支されている。このシャフト6は、不図示の制御装置によって制御される不図示のモータに連結されており、モータから動力が伝達されることによって回転駆動される。
そして、不図示の制御装置によってピニオンギア5の回転方向及び回転量が制御され、これによってエアミックスダンパ2のスライド位置が制御される。この結果、エアミックスダンパ2によって閉鎖される加熱流路用開口1a及び通気用開口1bの面積割合が調節され、冷風(そのまま混合部へ通気される冷風)と温風(加熱流路により加熱される冷風)との混合割合が調節される。
よって、図3に示すように、ラックギア3がピニオンギア5と当接することによって当接領域Rに荷重がかかった場合には、当該当接領域Rがピニオンギア5のラジアル方向に沈み込んで撓む。なお、パッキン1aは、当接領域Rの撓みに追従して変化する。
この結果、ラックギア3の上記当接領域Rがピニオンギア5側に戻ろうとする反発力によってラックギア3がピニオンギア5に対して押し付けられることとなり、ラックギア3とピニオンギア5とが適切な強さでかつ適切な距離で噛み合うこととなる。
そして、ラックギア3とピニオンギア5とを適切に噛み合わせることによって、ピニオンギア5の空転を防止し、エアミックスダンパ2のより正確な位置決めが可能となる。
また、ラックギア3とピニオンギア5とを適切に噛み合わせることによって、バックラッシュを小さくすることが可能となり、異音の抑制を図ることが可能となる。
このため、ラックギア3のピニオンギア5との当接領域Rを確実に撓ませることが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
よって、ラックギア10がピニオンギア5と当接することによって当接領域Rに荷重がかかった場合には、当該当接領域Rがピニオンギア5のラジアル方向に沈み込んで撓む。
したがって、本実施形態のエアミックスダンパ装置によれば、上記第1実施形態のエアミックスダンパ装置S1と同様に、ラックギア3とピニオンギア5とを適切に噛み合わせることができる。
また、上述のように、両端部がせり上がらずに平坦なラックギア10であっても、ラックギア3とピニオンギア5とを適切に噛み合わせることができる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば金属によって形成されていても良い。このような場合には、ラックギアの形状(例えば、厚さや平面形状におけるアスペクト比)等によってラックギアに可撓性を付与することとなる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ラックギア3の直下からパッキン1aを除去することも可能である。
Claims (3)
- スライド式のダンパに形成されると共に可撓性を有するラックギアと、該ラックギアに噛み合うピニオンギアとを有し、車両用空気調和装置に備えられるダンパ装置であって、
前記ラックギアの前記ピニオンギアとの当接領域を該ピニオンギアのラジアル方向に撓ませる撓み形成手段を備えることを特徴とするダンパ装置。 - 前記撓み形成手段は、前記ラックギアの側方に形成されるスリットであることを特徴とする請求項1記載のダンパ装置。
- 前記ラックギアを前記ピニオンギアに対して常に付勢させながら前記スライド式のダンパをスライドさせる案内手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載のダンパ装置。
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