JP2014237403A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静粛性が高く、かつ、組み立て作業も容易なダンパ駆動構造を提供する。
【解決手段】ケーシング12には、ダンパ20をスライド可能に案内する案内レール16と、ダンパ20に接触した状態で回転し、ダンパ20を開閉方向に駆動する回転部材32とが設けられている。回転部材32におけるダンパ20に接触する部分は、弾性体32bで構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】ケーシング12には、ダンパ20をスライド可能に案内する案内レール16と、ダンパ20に接触した状態で回転し、ダンパ20を開閉方向に駆動する回転部材32とが設けられている。回転部材32におけるダンパ20に接触する部分は、弾性体32bで構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車等に搭載される車両用空調装置に関するものである。
従来より、車両用空調装置は、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とを収容するケーシングを備えており、ケーシングの内部に配設されたダンパによって冷却用熱交換器を通過する空気量と、加熱用熱交換器を通過する空気量とを変化させて所望温度の調和空気を生成するように構成されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1〜3の空調装置には、ケーシング内に形成された空気流路を開閉する板状のダンパが開閉方向にスライド可能に配設されている。ダンパには、該ダンパのスライド方向に延びるラックが設けられている。さらに、ケーシング内には、ラックの歯に噛み合うピニオンが配設されている。ピニオンはアクチュエータ等によって駆動される駆動軸に固定されている。ピニオンを回転駆動してダンパをスライドさせることができ、ダンパのスライド方向の切替はピニオンの回転方向の変更によって行うことができるようになっている。
しかしながら、特許文献1〜3のように、ラックとピニオンの組み合わせでダンパの駆動機構を構成する場合、ラックとピニオンとの間にバックラッシュが存在することは避けられず、例えば停止状態から駆動する時や、ダンパのスライド方向を反転する時に異音が発生することが考えられる。また、ケーシング内の空気の流れや車両走行時の振動等によってダンパが加振された場合、バックラッシュの存在によってダンパががたつき、このことによっても異音が発生することが考えられる。さらに、ダンパ駆動時には、ピニオンとラックとの噛み合い音が異音となることもある。
また、空調装置の製造時には、ラックに対しピニオンを所定位置に配置して歯を噛み合わせる必要があり、組み立て作業が煩雑になる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、静粛性が高く、かつ、組み立て作業も容易なダンパ駆動構造とすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、弾性体を回転させながらダンパに押し当ててダンパを駆動するようにした。
第1の発明は、空調用機器を収容するケーシング内に形成された空気流路を開閉する板状のダンパを備えた車両用空調装置において、
上記ケーシングには、上記ダンパを上記空気流路の開閉方向にスライド可能に案内する案内部と、上記ダンパに接触した状態で回転し、該ダンパを開閉方向に駆動する回転部材とが設けられ、
上記回転部材における上記ダンパに接触する部分は、弾性体で構成されていることを特徴とする。
上記ケーシングには、上記ダンパを上記空気流路の開閉方向にスライド可能に案内する案内部と、上記ダンパに接触した状態で回転し、該ダンパを開閉方向に駆動する回転部材とが設けられ、
上記回転部材における上記ダンパに接触する部分は、弾性体で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、回転部材を回転させることで、ダンパを開閉方向に駆動して空気流路を開閉することが可能になる。このとき、回転部材の弾性体がダンパに接触するので、回転部材とダンパとの接触部分にガタツキが発生することはない。また、従来例のような歯の噛み合い構造を用いることなく駆動力の伝達が可能なので、歯の噛み合いによる異音の発生もない。さらに、組み付け時には回転部材の弾性体をダンパに接触させるだけで済むので、組み立て作業が容易に行える。
第2の発明は、第1の発明において、
上記回転部材の弾性体は、上記ダンパに接触した状態で弾性変形していることを特徴とする。
上記回転部材の弾性体は、上記ダンパに接触した状態で弾性変形していることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパに対して回転部材の弾性体による弾性力が作用することになるので、ダンパのケーシングに対するガタツキが抑制される。また、ダンパと回転部材との間の滑りが抑制されるので、ダンパの開度を正確に設定することが可能になる。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記弾性体の外形は、上記ダンパが上記空気流路を全閉した位置にあるときに、上記ダンパが上記空気流路を全閉した位置以外の位置にあるときに比べて上記弾性体が上記ダンパに強く接触するように形成されていることを特徴とする。
上記弾性体の外形は、上記ダンパが上記空気流路を全閉した位置にあるときに、上記ダンパが上記空気流路を全閉した位置以外の位置にあるときに比べて上記弾性体が上記ダンパに強く接触するように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパが全閉位置にあるときに、回転部材の弾性体が強く接触することになるので、ダンパを全閉位置で確実に保持することが可能になる。
第4の発明は、第3の発明において、
上記ダンパの厚さ方向一方の面には、該ダンパが上記空気流路を全閉した位置にあるときに、該ダンパと上記ケーシングの上記空気流路との間をシールするためのシール材が設けられ、
上記弾性体は、上記ダンパの厚さ方向他方の面に接触していることを特徴とする。
上記ダンパの厚さ方向一方の面には、該ダンパが上記空気流路を全閉した位置にあるときに、該ダンパと上記ケーシングの上記空気流路との間をシールするためのシール材が設けられ、
上記弾性体は、上記ダンパの厚さ方向他方の面に接触していることを特徴とする。
この構成によれば、回転部材の弾性体がダンパに接触した状態で、ダンパのシール材をケーシングに押しつけるように作用することになる。これにより、シール材によるシール性が高まる。
第1の発明によれば、ダンパに接触した状態で回転する回転部材を設け、回転部材におけるダンパに接触する部分を弾性体で構成したので、静粛性を高くすることができるとともに、組み立て作業を容易にすることができる。
第2の発明によれば、回転部材の弾性体をダンパに弾性変形した状態で接触させるようにしたので、ダンパのガタツキを抑制して静粛性をより一層高めることができる。また、ダンパと回転部材との間の滑りを抑制してダンパの開度を正確に設定することができる。
第3の発明によれば、ダンパが空気流路を全閉した位置にあるとき回転部材の弾性体が強く接触するので、ダンパを全閉位置で確実に保持することができる。
第4の発明によれば、ダンパの厚さ方向一方の面にシール材を設け、ダンパの厚さ方向他方の面に回転部材の弾性体を接触させるようにしたので、ダンパが空気流路を全閉した位置にあるときのシール性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の内部構造を示すものである。この車両用空調装置1は、車両に搭載されて車室内の空調を行うためのものであり、この実施形態では、自動車の車室内に搭載されて使用される。車両用空調装置1は、車室内のインストルメントパネル(図示せず)内に配設される。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車幅方向左側を単に「左」といい、車幅方向右側を単に「右」というものとする。
車両用空調装置1は、冷却用熱交換器としてのエバポレータ10(空調用機器)と、加熱用熱交換器としてのヒータコア11(空調用機器)と、エバポレータ10及びヒータコアを収容するケーシング12とを備えている。ケーシング12内には、デフロスタダンパ13と、ベントダンパ14と、エアミックスダンパ20と、エアミックスダンパ20を駆動する駆動部材30とが収容されている。
ケーシング12は、樹脂材を成形してなるものである。ケーシング12の側壁の前端部近傍には、空気をケーシング12内に導入するための空気導入口Aが形成されている。この空気導入口Aには、送風ファンを内蔵した送風ユニット(図示せず)が接続されている。また、ケーシング12の上壁の前後方向中間部にはデフロスタ口12aが形成され、このデフロスタ口12aの後側にはベント口12bが形成されている。さらに、ケーシング12の後部には、ヒート口12c、12cが形成されている。
ケーシング12内には、空気導入口Aからデフロスタ口12a、ベント口12b及びヒート口12c、12cまで延びる空気流路Rが形成されている。空気流路Rは、冷風生成通路R1、温風生成通路R2、エアミックス空間R3及びヒート通路R4で構成されている。冷風生成通路R1は、空気導入口Aから後方へ延びている。この冷風生成通路R1にエバポレータ10が配設されている。エバポレータ10はチューブアンドフィンタイプの熱交換器からなるものであり、ヒートポンプサイクルの一要素である蒸発器である。エバポレータ10の空気通過面は、上下方向、即ち、冷風生成通路R1を横切るように延びている。冷風生成通路R1を流通する空調用空気の全量がエバポレータ10を通過するようになっている。
ケーシング12内には、上下方向に延びる隔壁15が設けられている。隔壁15は、冷風生成通路R1と、温風生成通路R2及びエアミックス空間R3とを区画するためのものであり、ケーシング12の上端部から下端部に亘って延びている。隔壁15は、上下方向中央部が最も後に位置するように円弧状に湾曲している。
冷風生成通路R1の下流端は上下に分岐している。すなわち、隔壁15の上側には、冷風生成通路R1の下流端の上側を構成する上側開口部15aが形成されている。一方、隔壁15の下側には、冷風生成通路R1の下流端の下側を構成する下側開口部15bが形成されている。上側開口部15aはエアミックス空間R3に連通する。下側開口部15bは温風生成通路R2に連通する。
温風生成通路R2は、下側開口部15bから後方へ延びた後、上方へ湾曲して延びている。温風生成通路R2の下流端はエアミックス空間R3に連通している。温風生成通路R2にヒータコア11が配設されている。ヒータコア11もチューブアンドフィンタイプの熱交換器である。ヒータコア11の内部には、エンジン(図示せず)の冷却水が循環するようになっている。ヒータコア11は、空気通過面が上下方向に延びる姿勢で配置されており、空気通過面は温風生成通路R2を横切っている。温風生成通路R2を流通する空調用空気の全量がヒータコア11を通過するようになっている。
エアミックス空間R3は、温風生成通路R2の上方に位置している。このエアミックス空間R3は、冷風生成通路R1で生成された冷風と、温風生成通路R2で生成された温風とを混合して所望温度の調和空気を生成するための空気混合空間である。エアミックス空間R3への冷風及び温風の流入量は、詳細は後述するが、エアミックスダンパ20による上側開口部15a及び下側開口部15bの開閉動作によって変更される。
エアミックス空間R3には、デフロスタ口12a、ベント口12b及びヒート通路R4が接続されている。
デフロスタダンパ13は、デフロスタ口12aを開閉するためのものである。デフロスタダンパ13は、左右方向に延びる回動軸13aと、回動軸13aの外周面から径方向に延びる閉塞板部13bと、閉塞板部13bの側面に設けられるシール材13cとを備えている。回動軸13aは、ケーシング12に回動可能に支持されており、回動軸13aの回動動作によって閉塞板部13bがデフロスタ口12aを閉じた状態(実線で示す)と、開いた状態(仮想線で示す)とに切り替えられる。
ベントダンパ14は、ベント口12bとヒート通路R4の上流端との一方を開き、他方を閉じるためのものである。ベントダンパ14は、左右方向に延びる回動軸14aと、回動軸14aの外周面から径方向に延びる閉塞板部14bと、閉塞板部14bの側面に設けられるシール材14cとを備えている。回動軸14aは、ケーシング12に回動可能に支持されており、回動軸14aの回動動作によって閉塞板部14bがベント口12bを開き、かつ、ヒート通路R4の上流端を閉じた状態(実線で示す)と、ベント口12bを閉じ、かつ、ヒート通路R4の上流端を開いた状態(仮想線で示す)とに切り替えられる。
ヒート通路R4の下流側には、ヒート口12c、12cが連通している。これらヒート口12cは、前席の乗員足下や後席の乗員足下に温風を供給するためのものである。
尚、デフロスタダンパ13及びベントダンパ14は、図示しないが、リンク機構を介してアクチュエータ等によって駆動される。
エアミックスダンパ20は、隔壁15の前側に隣接するように配置されている。このエアミックスダンパ20により、空気流路Rのうちの冷風生成通路R1の下流端である上側開口部15aと下側開口部15bを開閉することができるようになっている。
図2や図3に示すように、エアミックスダンパ20は、隔壁15に沿って湾曲する板状のダンパ本体21と、ダンパ本体21における隔壁15との対向面(ダンパ20の厚さ方向一方の面)に設けられるシール材22とを有している。ダンパ本体21は、隔壁15の上側開口部15a及び下側開口部15bよりも大きく形成され、略矩形状となっている。シール材22は、ダンパ本体21の周縁部に連続して設けられている。シール材22は、ダンパ本体21と、ケーシング12の空気流路Rの一部である上側開口部15a及び下側開口部15bの周縁部との間をシールするためのものであり、例えば発泡ウレタン等の弾性部材で構成することができる。
尚、ダンパ本体21の形状は、湾曲した形状に限られるものではなく、平面形状であってもよい。
ケーシング12には、エアミックスダンパ20を隔壁15が延びる上下方向(上側開口部15a及び下側開口部15bの開閉方向)にスライド可能に案内するための案内レール(案内部)16が設けられている。この案内レール16は、ケーシング12の側壁内面において隔壁15から前側に所定距離離れており、隔壁15の前側の面に沿うように湾曲して延びている。隔壁15と案内レール16との離間距離は、エアミックスダンパ20の厚み(ダンパ本体21とシール材22とを合わせた厚み)程度に設定されており、エアミックスダンパ20が隔壁15や案内レール16に強く接触しないようになっている。これにより、エアミックスダンパ20は、隔壁15と案内レール16との間を軽い力でスムーズにスライドする。
駆動部材30は、回転軸31と、一対の回転部材32、32と、リンク34とを備えている。回転軸31は、左右方向に延びている。回転軸31の両端部はケーシング12の両側壁に回転可能に支持されている。回転軸31は、ケーシング12の上下方向中央部近傍、即ち、隔壁15の上側開口部15aと下側開口部15bとの間で、案内レール16よりも前側に位置している。
回転軸31の左端部は、ケーシング12の左側壁を貫通して外部へ突出しており、この左端部にリンク34が固定されている。リンク34には、例えば図示しないアクチュエータ等が連結されており、回転軸31に対して回転力が付与されるようになっている。回転力は、回転軸31の軸周りについて両方向に付与される。尚、アクチュエータは、図示しない制御装置によって制御され、乗員による設置温度等に基づいて算出された目標吹き出し温度となるまでエアミックスダンパ20を動かすように構成されている。
回転部材32、32は、回転軸31の左右両側に固定されている。両回転部材32、32は、同じ構造であり、それぞれ、エアミックスダンパ20の左端部及び右端部に対応するように位置づけられている。各回転部材32は、芯部材32aと、芯部材32aの外周面を囲むように全周に亘って設けられた弾性体32bとを有している。芯部材32aは、回転軸31が挿入される円環状に形成されており、回転軸31が挿入された状態で該回転軸31の外周面に固定されている。芯部材32aの外形は、回転軸31の軸線X(図2に示す)を中心とする円である。この芯部材32aは剛性を有する樹脂材等で構成されており、エアミックスダンパ20の駆動中に変形しないようになっている。
弾性体32bは、例えば発泡ウレタン等の弾性材からなるものであり、エアミックスダンパ20に接触する部分である。弾性体32bの厚みは、回転軸31の軸線Xの周方向全体に亘って同じに設定されている。また、弾性体32bの硬度は、エアミックスダンパ20に接触した状態でエアミックスダンパ20の接触面の形状に沿って容易に変形するように設定されている。
回転軸31とエアミックスダンパ20との前後方向の離間距離は、弾性体32bがダンパ本体21の前側の面(ダンパ本体21の厚さ方向他方の面)に接触し、かつ、接触した状態で、弾性変形してダンパ本体21の前側の面に沿う形状となるように設定されている。これにより、弾性体32bとダンパ本体21との接触面積が増えるとともに、ダンパ本体21に対して弾性体32bによる弾性力が後方に向けて作用することになる。
次に、上記のように構成された車両用空調装置1の動作について説明する。送風ユニットから送風された空調用空気は空気導入口Aからケーシング12内に導入され、空気流路Rの冷風生成通路R1に流入してエバポレータ10により冷却されて冷風となる。図1及び図2(a)に示すように、エアミックスダンパ20が下端までスライドしていて、隔壁15の上側開口部15aが全開とされ、かつ、下側開口部15bが全閉とされている場合には、冷風生成通路R1の冷風は全量がエアミックス空間R3に流入するので、冷風が車室の各部に供給されることになる。
一方、図2(b)に示すように、エアミックスダンパ20が上端までスライドしていて、隔壁15の上側開口部15aが全閉とされ、かつ、下側開口部15bが全開とされている場合には、冷風生成通路R1の冷風は全量が温風生成通路R2に流入する。温風生成通路R2に流入した冷風は、ヒータコア11によって加熱された後、エアミックス空間R3に流入するので、温風が車室の各部に供給されることになる。
エアミックスダンパ20は、駆動部材30の回転軸31をアクチュエータによって回転させることによってスライドする。すなわち、図2(a)の状態から(b)の状態する場合には、回転軸31が右回りとなるように該回転軸31をアクチュエータで駆動する。回転軸31が右に回転することで回転部材32も右に回ることになり、この回転部材32の弾性体32bがエアミックスダンパ20のダンパ本体21の前側の面に接触しているので、弾性体32bとダンパ本体21との間に働く摩擦力によってエアミックスダンパ20が上方へスライドする。そして、エアミックスダンパ20が上端位置になったらアクチュエータを停止する。アクチュエータを停止させるタイミングは、あらかじめ設定しておき、制御装置に記憶させておけばよい。
エアミックスダンパ20が上端位置にあるときには、エアミックスダンパ20のシール材22が隔壁15の上側開口部15aの周縁部に接触してエアミックスダンパ20と上側開口部15aとの間をシールすることができる。このとき、回転部材32の弾性体32bは、エアミックスダンパ20のダンパ本体21に対してシール材22とは反対側の面に接触し、しかも、弾性力によってダンパ本体21を後側、即ち、シール材22を上側開口部15aの周縁部に圧接する方向に付勢しているので、高いシール性が得られる。
また、エアミックスダンパ20を図2(b)の状態から(a)の状態する場合には、回転軸31が左回りとなるように該回転軸31をアクチュエータで駆動する。これにより回転部材32が左に回るので、エアミックスダンパ20が下方へスライドして下端位置になる。
エアミックスダンパ20が下端位置にあるときには、エアミックスダンパ20のシール材22が隔壁15の下側開口部15bの周縁部に接触してエアミックスダンパ20と下側開口部15bとの間をシールすることができる。この状態でも、回転部材32の弾性体32bは、シール材22を下側開口部15bの周縁部に圧接する方向に付勢しているので、高いシール性が得られる。
エアミックスダンパ20は、図2(a)に示す下端位置と図2(b)に示す上端位置との間であれば、任意の位置に固定しておくことができる。エアミックスダンパ20の停止位置は、回転軸31の回転角で設定することができる。エアミックスダンパ20の停止位置により、隔壁15の上側開口部15aと下側開口部15bとの開度が変わり、上側開口部15aの開度が大きい程、下側開口部15bの開度が小さくなるので、エアミックス空間R3で生成される空調風の温度は低温になる。逆に、上側開口部15aの開度が小さい程、下側開口部15bの開度が大きくなるので、エアミックス空間R3で生成される空調風の温度は高温になる。
この実施形態では、回転部材32を回転させることで、エアミックスダンパ20を開閉方向に駆動して空気流路Rを構成する上側開口部15a及び下側開口部15bを開閉することが可能になる。このとき、回転部材32の弾性体32bがエアミックスダンパ20に接触するので、回転部材32とエアミックスダンパ20との接触部分にガタツキが発生することはない。また、従来例のような歯の噛み合い構造を用いることなく駆動力の伝達が可能なので、歯の噛み合いによる異音の発生もない。
また、車両用空調装置1の製造時、エアミックスダンパ20及び駆動部材20をケーシング12に組み付ける際、回転部材32の弾性体32bをエアミックスダンパ20に接触させるだけで駆動力の伝達が可能な状態なるので、ラック及びピニオンの噛み合わせ作業に比べて組み立て作業が容易に行える。
以上説明したように、この実施形態に係る車両用空調装置1によれば、エアミックスダンパ20に接触した状態で回転する回転部材32を設け、回転部材32におけるエアミックスダンパ20に接触する部分を弾性体32bで構成したので、静粛性を高くすることができるとともに、組み立て作業を容易にすることができる。
また、回転部材32の弾性体32bを、エアミックスダンパ20に弾性変形した状態で接触させるようにしたので、エアミックスダンパ20のガタツキを抑制して静粛性をより一層高めることができる。また、エアミックスダンパ20と回転部材32との間の滑りを抑制してエアミックスダンパ20の開度を正確に設定することができる。
尚、上記実施形態では、駆動部材30の回転部材32の芯部材32aの外形を円形とした上で、弾性体32bの外形も円形としているが、これに限らず、図4に示す変形例のように、円形以外の形状にしてもよい。この変形例では、弾性体32bの外形は、エアミックスダンパ20が上側開口部15aを全閉した位置にあるときに、エアミックスダンパ20が上側開口部15aを全閉した位置以外の位置にあるときに比べて、弾性体32bがエアミックスダンパ20に強く接触するように形成されている。すなわち、弾性体32bの外面と、回転軸31の軸線Xとの距離が離れる程、弾性体32bがエアミックスダンパ20に強く接触することなる。弾性体32bの外面と、回転軸31の軸線Xとの離間距離を弾性体32bの周方向について異ならせており、弾性体32bの回動角度が、エアミックスダンパ20によって上側開口部15aを全閉にする角度にあるときに、弾性体32bにおけるエアミックスダンパ20に接触している部分と、回転軸31の軸線Xとの離間距離が最も長くなるようにしている。
これにより、上側開口部15aを全閉にした位置にあるエアミックスダンパ20を確実に保持することができ、この状態で、弾性体32bがエアミックスダンパ20に強く接触しているので、シール材22によるシール性をより一層高めることができる。また、エアミックスダンパ20をスライドさせる途中では、弾性体32bがエアミックスダンパ20に比較的弱く接触するので、エアミックスダンパ20の操作力は軽くすることができる。
尚、エアミックスダンパ20は、アクチュエータで駆動する以外にも、乗員による手動操作が可能に構成してもよい。手動操作の場合には、車室内に配設されている温度調節レバーやダイヤルとリンク34とをワイヤー等の連結部材で連結すればよい。
また、例えば車室の運転席側と助手席側とに異なる温度の空調風を供給可能に構成された左右独立温度コントロールタイプの空調装置の場合は、上記エアミックスダンパ20を左右に2つに分割し、それぞれを駆動部材30で独立して駆動すればよい。
また、本発明は、例えば、デフロスタダンパ13、ベントダンパ14、ヒートダンパ(図示せず)、送風ユニットの内外気切替ダンパ等に適用することもできる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えば、自動車等に搭載することができる。
1 車両用空調装置
10 エバポレータ(空調用機器)
11 ヒータコア(空調用機器)
12 ケーシング
20 エアミックスダンパ
30 駆動部材
31 回転軸
32 回転部材
32a 芯部材
32b 弾性体
R 空気流路
15a 上側開口部
15b 下側開口部
16 案内レール(案内部)
10 エバポレータ(空調用機器)
11 ヒータコア(空調用機器)
12 ケーシング
20 エアミックスダンパ
30 駆動部材
31 回転軸
32 回転部材
32a 芯部材
32b 弾性体
R 空気流路
15a 上側開口部
15b 下側開口部
16 案内レール(案内部)
Claims (4)
- 空調用機器を収容するケーシング内に形成された空気流路を開閉する板状のダンパを備えた車両用空調装置において、
上記ケーシングには、上記ダンパを上記空気流路の開閉方向にスライド可能に案内する案内部と、上記ダンパに接触した状態で回転し、該ダンパを開閉方向に駆動する回転部材とが設けられ、
上記回転部材における上記ダンパに接触する部分は、弾性体で構成されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1に記載の車両用空調装置において、
上記回転部材の弾性体は、上記ダンパに接触した状態で弾性変形していることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
上記弾性体の外形は、上記ダンパが上記空気流路を全閉した位置にあるときに、上記ダンパが上記空気流路を全閉した位置以外の位置にあるときに比べて上記弾性体が上記ダンパに強く接触するように形成されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項3に記載の車両用空調装置において、
上記ダンパの厚さ方向一方の面には、該ダンパが上記空気流路を全閉した位置にあるときに、該ダンパと上記ケーシングの上記空気流路との間をシールするためのシール材が設けられ、
上記弾性体は、上記ダンパの厚さ方向他方の面に接触していることを特徴とする車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121609A JP2014237403A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121609A JP2014237403A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 車両用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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