JP2011020196A - インゴット処理装置およびインゴット処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工用電極から発生する気泡が原因でインゴット部材と加工用電極との間の電解液が不足することを防止しつつ、インゴット部材を切断すること。
【解決手段】インゴット処理装置はインゴット部材を処理する。インゴット処理装置は、電解液Eが貯留された処理槽20と、処理槽20上でインゴット部材を支持するインゴット受け部30と、インゴット受け部30を下方へ移動することによって、インゴット部材を処理槽20内の電解液Eに浸漬させるインゴット移動部35と、電流が流されることによって前記インゴット部材を電解液E内で溶解して切断し、複数のスライス部材を生成する加工用電極10と.加工用電極10を上下方向に往復動させる電極移動部45と、を備えている。インゴット処理装置は、インゴット部材を加工用電極10によって切断している際に、加工用電極10を電解液Eの液面に対して相対的に往復動させるように前記電極移動部45を制御する制御部62も備えている。
【選択図】図4
【解決手段】インゴット処理装置はインゴット部材を処理する。インゴット処理装置は、電解液Eが貯留された処理槽20と、処理槽20上でインゴット部材を支持するインゴット受け部30と、インゴット受け部30を下方へ移動することによって、インゴット部材を処理槽20内の電解液Eに浸漬させるインゴット移動部35と、電流が流されることによって前記インゴット部材を電解液E内で溶解して切断し、複数のスライス部材を生成する加工用電極10と.加工用電極10を上下方向に往復動させる電極移動部45と、を備えている。インゴット処理装置は、インゴット部材を加工用電極10によって切断している際に、加工用電極10を電解液Eの液面に対して相対的に往復動させるように前記電極移動部45を制御する制御部62も備えている。
【選択図】図4
Description
本発明は、電流を流すことによって、インゴット部材を電解液内で溶解して切断するためのインゴット処理装置およびインゴット処理方法に関する。
従来から、シリコン基材(インゴット部材)と、シリコン基材に対向し近接して設けられた白金からなるワイヤ(加工用電極)と、シリコン基材とワイヤの間に介在する電解液とを備え、シリコン基材を陽極とするとともに、ワイヤを陰極とし、シリコン基材とワイヤとの間に電流を流すことによってシリコン基材を陽極酸化し、かつ、シリコン基材とワイヤの相対位置を時間とともに変化させ、シリコン基材を局所的に溶解しながらワイヤをシリコン基材の内部に嵌入させることで、シリコン基材を選択的に除去するシリコン基材の加工方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来技術のような方法を用いてシリコン基材を切断する場合には、ワイヤから発生する気泡のために、シリコン基材とワイヤとの間の電解液が不足してしまい(ときにはシリコン基材とワイヤとの間でスパークが発生してしまい)、シリコン基材の切断を継続することが不可能な状態となる。
本発明は、加工用電極から発生する気泡が原因でインゴット部材と加工用電極との間の電解液が不足することを防止しつつ、インゴット部材を切断することができるインゴット処理装置およびインゴット処理方法を提供する。
本発明によるインゴット処理装置は、
インゴット部材を処理するインゴット処理装置において、
電解液が貯留された処理槽と、
前記処理槽上でインゴット部材を支持するインゴット受け部と、
前記インゴット受け部を下方へ移動することによって、前記インゴット部材を前記処理槽内の電解液に浸漬させるインゴット移動部と、
電流が流されることによって前記インゴット部材を電解液内で溶解して切断し、複数のスライス部材を生成するための加工用電極と.
前記加工用電極を上下方向に往復動させる電極移動部と、
前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させるように前記電極移動部を制御する制御部と、
を備えている。
インゴット部材を処理するインゴット処理装置において、
電解液が貯留された処理槽と、
前記処理槽上でインゴット部材を支持するインゴット受け部と、
前記インゴット受け部を下方へ移動することによって、前記インゴット部材を前記処理槽内の電解液に浸漬させるインゴット移動部と、
電流が流されることによって前記インゴット部材を電解液内で溶解して切断し、複数のスライス部材を生成するための加工用電極と.
前記加工用電極を上下方向に往復動させる電極移動部と、
前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させるように前記電極移動部を制御する制御部と、
を備えている。
本発明によるインゴット処理方法は、
インゴット部材を処理するインゴット処理方法において、
インゴット受け部によって、電解液が貯留された処理槽上でインゴット部材を支持すること、
前記インゴット受け部を下方へ移動することによって、前記インゴット部材を前記処理槽内の電解液に浸漬させることと、
電流が流された加工用電極によって、前記インゴット部材を電解液内で溶解して切断することと、
前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させることと、
を備えている。
インゴット部材を処理するインゴット処理方法において、
インゴット受け部によって、電解液が貯留された処理槽上でインゴット部材を支持すること、
前記インゴット受け部を下方へ移動することによって、前記インゴット部材を前記処理槽内の電解液に浸漬させることと、
電流が流された加工用電極によって、前記インゴット部材を電解液内で溶解して切断することと、
前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させることと、
を備えている。
本発明では、インゴット部材を加工用電極によって切断している際に、当該加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させる。このため、加工用電極から発生する気泡が原因でインゴット部材と加工用電極との間の電解液が不足することを防止しつつ、インゴット部材を切断することができる。
実施の形態
以下、本発明に係るインゴット処理装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図8は本発明の実施の形態を示す図である。
以下、本発明に係るインゴット処理装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図8は本発明の実施の形態を示す図である。
本実施の形態のインゴット処理装置はシリコンインゴット(インゴット部材)Iを処理するために用いられる。図1に示すように、インゴット処理装置は、処理されるシリコンインゴットIを載置するインゴット載置部2と、インゴット載置部2からシリコンインゴットIを受け取る搬送する搬送ロボット(搬送部)5と、電解液Eが貯留された処理槽20と、を備えている。なお、電解液Eとしては、例えばフッ酸(HF)をIPAなどのアルコール溶媒で希釈したものを用いることができる。
ところで、図1に示した処理槽20のうち、左側から1つ目と2つ目によってシリコンインゴットIが後述する加工用電極10によって切断されている状態を図示し、左側から3つめによってシリコンインゴットIが搬送ロボット5によって搬送されている状態を図示している。なお、左側から4つ目から6つ目まででは、電解液Eが処理槽20内に貯留されていることを示すために、後述するインゴット受け部30および電極保持部40を図示していない。
インゴット処理装置は、電流が流されることによってシリコンインゴットIを電解液E内で溶解して切断し、複数のシリコンスライス(スライス部材)(図示せず)を生成する加工用電極10を有している(図3参照)。なお、シリコンインゴットIを切断することによって生成されるシリコンスライスは、例えば太陽電池の基板や半導体ウエハとして用いることができる。
図2(a)(b)に示すように、インゴット処理装置は、処理槽20上で搬送ロボット5からシリコンインゴットIを受け取って支持するインゴット受け部30と、インゴット受け部30を下方へ移動することによって、当該シリコンインゴットIを処理槽20内の電解液Eに浸漬させるインゴット移動部35と、を備えている。
このうち、インゴット受け部30は、シリコンインゴットIの底面を支持するインゴット支持部33と、当該インゴット支持部33から上方に向かって延びた上方延在部31と、当該上方延在部31からガイド部材39に向かって延び、当該ガイド部材39に設けられたガイド溝(図示せず)を通過する水平延在部32とを有している。
また、図2(a)(b)に示すように、インゴット処理装置は、加工用電極10を保持する電極保持部40と、電極保持部40で保持された加工用電極10を上下方向に往復動させる電極移動部45と、を備えている。
このうち、電極保持部40は、加工用電極10が取り付けられる電極装着部43と、当該電極装着部43から上方に向かって延びた上方延在部41と、当該上方延在部41からガイド部材39に向かって延び、当該ガイド部材39に設けられたガイド溝(図示せず)を通過する水平延在部42とを有している。
なお、本実施の形態では、インゴット移動部35が、シリコンインゴットIを電解液E内に浸漬させた後で徐々に上方に移動させることによって、シリコンインゴットIを電解液E内で溶解して切断する態様を用いて説明する。しかしながら、シリコンインゴットIと加工用電極10の位置が相対的に移動すればよく、例えば往復動させる加工用電極10の最下方位置を徐々に下方へ移動させることで、シリコンインゴットIを電解液E内で溶解して切断してもよい。
また、図2(a)(b)に示すように、インゴット移動部35は、ガイド部材39に沿ってインゴット受け部30を移動させる駆動モータ36と、当該駆動モータ36によって駆動される駆動シャフト37とを有している。また、電極移動部45は、ガイド部材39に沿って電極保持部40を移動させる駆動モータ46と、当該駆動モータ46によって駆動される駆動シャフト47とを有している。また、図1に示すように、インゴット処理装置は、駆動モータ36、駆動モータ46などの駆動系や加工用電極10に電力を供給する電力供給部(図示せず)も備えている。
また、図2(a)(b)に示すように、処理槽20の上方には、当該処理槽20の上方領域を開状態にしたり閉状態にしたりする開閉カバー(開閉部材)25が設けられている。また、処理槽20の上方には、上方から処理槽20に清浄空気を供給するファン・フィルター・ユニット26が設けられている。さらに、処理槽20の側方には、当該処理槽20の周辺の雰囲気を吸引して排出する吸引排出部27が設けられている。
また、処理槽20には、処理槽20から溢れ出した電解液Eを回収管24aを介して回収する電解液回収ポンプ(電解液回収部)(図示せず)が連結されている(図2(a)(b)参照)。また、処理槽20には、電解液供給ポンプ(電解液供給部)(図示せず)からの駆動力を受けた電解液Eを処理槽20内へと導く供給管24bが連結されている(図2(a)(b)参照)。
また、加工用電極10は、図3に示すように、スライス電極支持部11と、スライス電極支持部11によって支持されるとともに、互いに平行に直線状で延在する棒状の複数のスライス電極部15と、を有している。また、スライス電極支持部11には、当該スライス電極支持部11を電極装着部43に取り付けるための取付穴13が設けられている。なお、加工用電極10には、加工用電極10に流れる電流の電流値を検知する検知部55(図1参照)が接続されるとともに、加工用電極10のスライス電極部15を超音波振動させる超音波発生部70(図6参照)が連結されている。なお、超音波発生部70とスライス電極部15との間には、超音波発生部70によって超音波振動される振動子71が設けられている。
ところで、本実施の形態では、加工用電極10は陰極となりシリコンインゴットIが陽極となることで、陽極酸化反応が起こる。より具体的には、
陰極となる加工用電極10で、
4e−+4H+→2H2
陽極となるシリコンインゴットIで、
Si+2H2O→SiO2+4H++4e−
という反応が起こる。この結果、シリコンインゴットIの一部がSiO2として電解液E内に溶解することとなり、複数のシリコンスライスが生成されることとなる。なお、インゴット支持部33には、シリコンインゴットIの底面に接触し、当該シリコンインゴットIから生じる電子(e−)を流すための電極(図示せず)が設けられている。
陰極となる加工用電極10で、
4e−+4H+→2H2
陽極となるシリコンインゴットIで、
Si+2H2O→SiO2+4H++4e−
という反応が起こる。この結果、シリコンインゴットIの一部がSiO2として電解液E内に溶解することとなり、複数のシリコンスライスが生成されることとなる。なお、インゴット支持部33には、シリコンインゴットIの底面に接触し、当該シリコンインゴットIから生じる電子(e−)を流すための電極(図示せず)が設けられている。
また、図1に示すように、インゴット処理装置は、シリコンインゴットIを加工用電極10によって切断している際に、当該加工用電極10を電解液Eの液面に対して相対的に往復動させるように電極移動部45を制御する制御部62を備えている。なお本実施の形態の制御部62は、予め定められた時間で加工用電極10の往復動が繰り返されるように電極移動部45を制御するように構成されている。
また、図5に示すように、インゴット処理装置は、シリコンインゴットIを加工用電極10によって切断している際に、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eを供給する液送部50も備えている。そして、この液送部50は、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eを供給する第一吐出部51aと、シリコンインゴットIを基準として第一吐出部51aとは反対側に設けられ、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eを供給する第二吐出部51bと、を有している。なお、第一吐出部51aから電解液Eを供給する方向(第一吐出部51aが延在する方向)と、第二吐出部51bから電解液Eを供給する方向(第二吐出部51bが延在する方向)の各々は、スライス電極部15が延在する方向に略平行になっている。
また、図1に示すように、搬送ロボット5は、シリコンインゴットIの側方を支持して挟持する一対の側方支持部7を有している。そして、搬送ロボット5は、この一対の側方支持部7によって、スライスされたシリコンスライスの側方を支持(シリコンスライスの法線方向に直交する方向で支持)して挟持するようになっている。なお、本実施の形態の搬送ロボット5は、シリコンインゴットIが完全に切断されてシリコンスライスが生成される前に、当該シリコンスライスを挟持するように構成されている。また、搬送ロボット5の側方支持部7によって挟持されたシリコンスライスは、当該搬送ロボット5によって、インゴット受け部30から後述する洗浄部80へと搬送される。
また、図1に示すように、インゴット処理装置は、シリコンインゴットIを加工用電極10で切断することによって生成したシリコンスライスを洗浄液で洗浄する洗浄部80と、洗浄部80の上方に設けられ、洗浄部80で洗浄されたシリコンスライスを乾燥させる乾燥部85も備えている。
また、図1に示すように、インゴット載置部2と洗浄部80および乾燥部85との間には、乾燥部85によって乾燥された後のシリコンスライスが収納されるカセットCが載置されるカセット載置部90が設けられている。
また、図1に示すように、インゴット処理装置は、カセットCをストックするための空カセットストック部96と、シリコンスライスが収納されたカセットC’をストックするための充填カセットストック部97とを備えている。また、空カセットストック部96と充填カセットストック部97との間には、インゴット載置部2に載置される前のシリコンインゴットIが載置されるインゴット搬入部1と、搬出されるシリコンスライスが収納されたカセットC’が載置されるインゴット搬出部95が設けられている。
ところで、本実施の形態においては、後述するインゴット処理方法をインゴット処理装置に実行させるためのコンピュータプログラムが記憶媒体61に格納されている(図1参照)。そして、インゴット処理装置は、当該記憶媒体61を受け付けるコンピュータ60も備えている。そして、制御部62は、コンピュータ60からの信号を受けて、インゴット処理装置自身(より具体的には、搬送ロボット5、インゴット移動部35、電極移動部45、液送部50および超音波発生部70)を制御するように構成されている。なお、本願において記憶媒体61とは、例えば、CD、DVD、MD、ハードディスク、RAMなどを意味している。また、制御部62は、検知部55にも接続されており、当該検知部55からの信号を受けてインゴット処理装置自身を制御するようにも構成されている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
まず、インゴット搬入部1に搬入されたシリコンインゴットIが、当該インゴット搬入部1からインゴット載置部2に移動される(図1参照)。
次に、搬送ロボット5の一対の側方支持部7によって、シリコンインゴットIの対向する側面が挟持され、インゴット載置部2からシリコンインゴットIが受け取られる(図1参照)。その後、当該搬送ロボット5によってシリコンインゴットIが搬送され、インゴット受け部30によって、処理槽20上で搬送ロボット5からシリコンインゴットIが受け取られて支持される(図2(a)参照)。
次に、インゴット移動部35によって、インゴット受け部30が下方へ移動され、このことによって、インゴット受け部30上に載置されたシリコンインゴットI全体が処理槽20内の電解液Eに浸漬されることとなる(図2(a)の矢印(1)参照)。このとき、インゴット受け部30は、駆動モータ36によってガイド部材39に沿って下方に移動されることとなる。
次に、電極移動部45によって電極保持部40が下方へ移動され(駆動モータ46によって電極保持部40がガイド部材39に沿って下方に移動され)(図2(a)の矢印(2)参照)、電流の流された加工用電極10が電解液E内に浸漬される(図2(b)参照)。そして、電解液E内でシリコンインゴットIに加工用電極10がある程度近づくと、シリコンインゴットIが酸化されてSiO2となって電解液E内に溶解され始める。このとき、加工用電極10のスライス電極部15からは水素(H2)が発生することとなる。なお、加工用電極10が所定の位置より下方まで移動すると、開閉カバー25によって処理槽20の上方が覆われる(図2(a)の矢印(3)参照)。
ところで、本実施の形態では、インゴット受け部30および電極保持部40が通過する時以外は、開閉カバー25によって処理槽20の上方が覆われている。このため、処理槽20内の電解液Eが揮発することで周辺の装置に悪影響が出ることを最小限に抑えることができる。
上述のようにシリコンインゴットIが溶解され始めると、インゴット移動部35によってインゴット受け部30を徐々に上方に移動させる(図2(b)の矢印(4)参照)。このことによって、電流が流された加工用電極10により、シリコンインゴットIを電解液E内で溶解して徐々に切断することができる。
そして、シリコンインゴットIをある程度上方に移動させると、シリコンインゴットIが溶解することで発生する気泡(水素)により(図4(a)参照)、検知部55によって検知される加工用電極10に流れる電流の電流値が異常値を示すようになる。
このとき、制御部62からの信号によって、電極移動部45が加工用電極10を電解液Eの液面に対して相対的に上下方向に往復動させ始める(図4(a)−(d)参照)。また、第一吐出部51aによって、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eが供給され始め、かつ、(シリコンインゴットIを基準として第一吐出部51aとは反対側に設けられた)第二吐出部51bによって、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eが供給され始める(図5参照)。さらに、超音波発生部70によって、振動子71を介して、加工用電極10のスライス電極部15が超音波振動され始める(図6参照)。
後は、電極移動部45によって予め定められた時間で加工用電極10の上下方向の往復動が繰り返されつつ(図4(a)−(d)参照)、インゴット移動部35によってインゴット受け部30が徐々に上方に移動される。なお、インゴット移動部35によってシリコンインゴットIが上方へ移動される速度は、検知部55による検知結果に基づいて制御部62によって決定される。また、加工用電極10が上方に位置する際には、電解液Eの液面よりも上方に位置づけられることとなる(図4(c)参照)。
このように、本実施の形態によれば、シリコンインゴットIを加工用電極10によって切断している際に、当該加工用電極10を電解液Eの液面に対して相対的に往復動させるので、加工用電極10から発生する気泡を、シリコンインゴットIと加工用電極10のスライス電極部15との間から逃れさせることができる。
すなわち、(特に幅の広いシリコンインゴットIを切断する場合であって)シリコンインゴットIを連続して切断する場合には、シリコンインゴットIから大量の気泡(水素)が発生するため、シリコンインゴットIと加工用電極10との間の電解液Eが不足し(ときにはシリコンインゴットIと加工用電極10との間でスパークが発生してしまい)、シリコンインゴットIを溶解させることができなくなる。これに対して、本実施の形態によれば、定期的にスライス電極部15を上方へ移動させて電解液Eの液面から露出させることができるので、加工用電極10から発生する気泡を、シリコンインゴットIの切断箇所とスライス電極部15との間から逃れさせることができる(図4(c)(d)参照)。このため、再び、電解液EをシリコンインゴットIとスライス電極部15との間に満たすことができ、シリコンインゴットIを切断することができる。
この点、加工用電極10に供給する電力を断続的に停止させる方法も考え得るが、このような方法では、スライス電極部15に付着した気泡を確実に除去することができない。これに対して、本実施の形態では、スライス電極部15を電解液Eの液面から露出させるので、スライス電極部15に付着した気泡を確実に除去することができる。
また、本実施の形態によれば、第一吐出部51aと第二吐出部51bの両方から、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eを供給することができる(図5参照)。このため、シリコンインゴットIとスライス電極部15との間に、シリコンインゴットIの両側から電解液Eを強制的に流し込むことができる。従って、シリコンインゴットIの切断箇所とスライス電極部15との間を電解液Eでより確実に満たすことができる。なお、本実施の形態では、第一吐出部51aから電解液Eを供給する方向と、第二吐出部51bから電解液Eを供給する方向の各々が、スライス電極部15が延在する方向に略平行になっているので、より効率よく、シリコンインゴットIの切断箇所とスライス電極部15との間に電解液Eを供給することができる。
また、本実施の形態によれば、超音波発生部70によって加工用電極10のスライス電極部15を超音波振動させることができるので(図6参照)、スライス電極部15から発生し、当該スライス電極部15に付着した気泡をさらに確実に除去することができる。このため、シリコンインゴットIとスライス電極部15との間を電解液Eでさらに確実に満たすことができる。
また、本実施の形態によれば、インゴット移動部35によってインゴット受け部30を徐々に上方に移動させることでシリコンインゴットIが切断されるので(図2(b)の矢印(4)参照)、電解液Eの液面と加工用電極10との間の距離を一定に保つことができる。このため、シリコンインゴットIが切断される条件を均一に保つことができ、均一な厚みからなるシリコンスライスを確実に生成することができる。なお、往復動する加工用電極10の最下方位置を徐々に下方へ移動させる態様を用いた場合には、処理槽20内の電解液Eの液面を加工用電極10の最下方位置に合わせて徐々に下方へ移動させることで、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
上述のように加工用電極10を徐々に上方に移動させることでシリコンインゴットIが完全に切断されてシリコンスライスが生成されることとなるが、本実施の形態では、シリコンインゴットIが完全に切断される前に、搬送ロボット5の側方支持部7によってシリコンインゴットIが挟持される(図1参照)。そして、シリコンインゴットIが完全に切断されてシリコンスライスが生成されると、当該シリコンスライスが搬送ロボット5によって洗浄部80へと搬送される。
このように本実施の形態では、シリコンインゴットIが完全に切断される前に側方支持部7によってシリコンインゴットIが挟持されるので、生成されるシリコンスライスがその面の法線方向に沿って倒れることを防止することができ、シリコンスライスがインゴット受け部30から落ちたり、シリコンスライスにキズが入ったりすることを防止することができる。
なお、シリコンスライスが生成されると、第一吐出部51aからの電解液Eの供給と、第二吐出部51bからの電解液Eの供給の各々が停止される。また、超音波発生部70によるスライス電極部15の超音波振動も停止される。
ところで、加工用電極10がシリコンインゴットIを完全に切断した際に、加工用電極10によってインゴット支持部33にキズが付かないよう、シリコンインゴットIとインゴット支持部33との間に、使い捨てすることができる保護部材(例えば、厚みの薄いダミーのシリコンインゴット)(図示せず)を設けてもよい。
上述のように洗浄部80へ搬送されたシリコンスライスは洗浄部80で洗浄される(図1参照)。その後、当該シリコンスライスは乾燥部85で乾燥される(図1参照)。
次に、カセット載置部90に載置された空のカセットC内に、シリコンスライスが収納される(図1参照)。その後、シリコンスライスが収納されたカセットC’が、充填カセットストック部97に載置されてストックされる。そして、シリコンスライスが収納されたカセットC’は、インゴット搬出部95に順次移動されて、当該インゴット搬出部95から搬出される。
ところで上記では、第一吐出部51aと第二吐出部51bから電解液Eが供給され始めるとシリコンインゴットIが完全に切断されてシリコンスライスが生成されるまでの間、継続して電解液Eが供給される態様を用いて説明した。しかしながら、これに限られることはなく、例えば、加工用電極10が所定の距離だけ上方に移動した際にだけ(例えば、加工用電極10が電解液Eの液面から露出されたときにだけ)、液送部50(より具体的には第一吐出部51aと第二吐出部51b)から電解液Eが供給されるようにしてもよい。この場合には、継続して電解液Eが供給される場合よりも、シリコンインゴットIの切断箇所とスライス電極部15との間に電解液Eを強制的に流し込む効果は低減するが、効率よく電解液Eを利用することができる点で有益である。
また、上記では、制御部62によって電極移動部45が制御されて、予め定められた時間で加工用電極10の往復動が繰り返される態様を用いて説明したが、これに限られることはない。例えば、制御部62によって検知部55の検知結果に基づいて電極移動部45が制御されることで、加工用電極10の往復動が行われてもよい。この場合には、加工用電極10に流れる電流の電流値が異常値になった場合にのみ加工用電極10の往復動が行われるので、より効率よくシリコンインゴットIの切断を行うことができる。
また、上記では、液送部50が、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eを供給する第一吐出部51aと、シリコンインゴットIを基準として第一吐出部51aとは反対側に設けられ、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eを供給する第二吐出部51bと、を有している態様を用いて説明したが、これに限られることはない。例えば、図7に示すように、液送部50が、シリコンインゴットIと加工用電極10との間に電解液Eを供給する吐出部51と、シリコンインゴットIを基準として吐出部51とは反対側に設けられ、吐出部51から供給されてシリコンインゴットIを経た電解液Eを吸入する吸入部52と、を有する態様からなってもよい。この場合には、吐出部51から供給された電解液Eが吸入部52によって吸入されることとなり電解液Eの流れを生成することができる。このため、処理状況によっては、第一吐出部51aと第二吐出部51bの両方から電解液Eを供給する場合よりも効率よく電解液Eを強制的に流し込むことができる場合があり、有益である。なお、吐出部51と吸入部52とを結ぶ直線がスライス電極部15の延在する方向に略平行になるように吐出部51と吸入部52が配置されると、シリコンインゴットIの切断箇所とスライス電極部15との間に電解液Eを効率よく供給することができる点で有益である。
また、上記では、超音波発生部70によって、加工用電極10のスライス電極部15が超音波振動される態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、例えば、図8に示すように、超音波発生部70によって処理槽20内の電解液Eを超音波振動させてもよいし、また、超音波発生部70によって加工用電極10のスライス電極部15を超音波振動させ(図6参照)、かつ、処理槽20内の電解液Eを超音波振動させる態様を用いてもよい(図8参照)。このように様々な態様で超音波発生部70を用いることによって、より効率よくスライス電極部15から気泡を逃れさせることができる。なお、処理槽20内の電解液Eを超音波振動させる場合には、図8に示すように、処理槽20の側壁に超音波発生部70によって超音波振動される振動板72が設けられてもよい。
Claims (17)
- インゴット部材を処理するインゴット処理装置において、
電解液が貯留された処理槽と、
前記処理槽上でインゴット部材を支持するインゴット受け部と、
前記インゴット受け部を下方へ移動することによって、前記インゴット部材を前記処理槽内の電解液に浸漬させるインゴット移動部と、
電流が流されることによって前記インゴット部材を電解液内で溶解して切断し、複数のスライス部材を生成するための加工用電極と.
前記加工用電極を上下方向に往復動させる電極移動部と、
前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させるように前記電極移動部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするインゴット処理装置。 - 前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該インゴット部材と該加工用電極との間に電解液を供給する液送部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のインゴット処理装置。
- 前記液送部は、前記インゴット部材と前記加工用電極との間に電解液を供給する吐出部と、該インゴット部材を基準として該吐出部とは反対側に設けられ、該吐出部から供給されて該インゴット部材を経た電解液を吸入する吸入部と、を有することを特徴とする請求項2に記載のインゴット処理装置。
- 前記液送部は、前記インゴット部材と前記加工用電極との間に電解液を供給する第一吐出部と、該インゴット部材を基準として該第一吐出部とは反対側に設けられ、該インゴット部材と該加工用電極との間に電解液を供給する第二吐出部と、を有することを特徴とする請求項2に記載のインゴット処理装置。
- 前記制御部は、前記加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させているときであって該加工用電極が所定の距離だけ上方に移動した際に、前記液送部によって該インゴット部材と該加工用電極との間に電解液を供給させることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のインゴット処理装置。
- 前記制御部は、予め定められた時間で前記加工用電極の往復動が繰り返されるように前記電極移動部を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインゴット処理装置。
- 前記加工用電極に接続され、該加工用電極に流れる電流の電流値を検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて前記電極移動部を制御して、前記加工用電極の往復動を行わせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインゴット処理装置。 - 前記処理槽内の電解液を超音波振動させる超音波発生部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインゴット処理装置。
- 前記加工用電極を超音波振動させる超音波発生部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインゴット処理装置。
- インゴット部材を処理するインゴット処理方法において、
インゴット受け部によって、電解液が貯留された処理槽上でインゴット部材を支持すること、
前記インゴット受け部を下方へ移動することによって、前記インゴット部材を前記処理槽内の電解液に浸漬させることと、
電流が流された加工用電極によって、前記インゴット部材を電解液内で溶解して切断することと、
前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させることと、
を備えたことを特徴とするインゴット処理方法。 - 前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該インゴット部材と該加工用電極との間に電解液を供給することをさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載のインゴット処理方法。
- 前記インゴット部材を前記加工用電極によって切断している際に、該インゴット部材と該加工用電極との間に電解液を供給することと、
前記インゴット部材を基準として電解液が供給される位置とは反対側で、該インゴット部材を経た電解液を吸入することと、をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載のインゴット処理方法。 - 前記加工用電極を電解液の液面に対して相対的に往復動させているときであって該加工用電極が所定の距離だけ上方に移動した際に、該インゴット部材と該加工用電極との間に電解液を供給させること、をさらに備えたことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のインゴット処理方法。
- 予め定められた時間で前記加工用電極の往復動が繰り返されることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載のインゴット処理方法。
- 検知部によって、前記加工用電極に流れる電流の電流値を検知することをさらに備え、
前記検知部の検知結果に基づいて前記加工用電極の往復動が行われることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載のインゴット処理方法。 - 前記処理槽内の電解液を超音波振動させることをさらに備えたことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載のインゴット処理方法。
- 前記加工用電極を超音波振動させることをさらに備えたことを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載のインゴット処理方法。
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---|---|---|---|
JP2009165789A JP2011020196A (ja) | 2009-07-14 | 2009-07-14 | インゴット処理装置およびインゴット処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110802288A (zh) * | 2019-10-17 | 2020-02-18 | 南京航空航天大学 | 流场周期波动的电解加工工具及方法 |
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2009
- 2009-07-14 JP JP2009165789A patent/JP2011020196A/ja not_active Withdrawn
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