JP2004221343A - 超音波洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波の散乱・乱反射や集中による温度上昇を抑制して被処理体及び装置構成部品へのダメージの抑制を図ること。
【解決手段】半導体ウエハWの洗浄液を貯留する洗浄槽1と、洗浄槽1の底部に設けられた排液口3を開閉可能な開閉弁41を有する弁機構40と、ウエハWを保持して洗浄槽1内に配置するウエハボート10と、洗浄槽1内の洗浄液に超音波を照射する超音波発振手段30とを具備する超音波洗浄装置において、洗浄槽1の側壁4、開閉弁41又はウエハボート10の少なくとも1つにおける洗浄液の接液部に、超音波の散乱・乱反射あるいは集中が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段である超音波吸収パネル50,50A又は空気層50Bを設ける。これにより、超音波の散乱・乱反射や超音波の集中による温度上昇を抑制して半導体ウエハW及び装置構成部品へのダメージの抑制を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は超音波洗浄装置に関するもので、更に詳細には、例えば半導体ウエハやLCD用ガラス基板等の被処理体を、超音波を利用して洗浄する超音波洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体製造装置の製造工程においては、半導体ウエハやLCD用ガラス基板等を薬液やリンス液等の洗浄液が貯留された洗浄槽に順次浸漬して洗浄を行う洗浄処理方法が広く採用されている。
【0003】
このような洗浄処理方法を実施する洗浄処理装置の一例として、超音波洗浄装置が使用されている。従来の超音波洗浄装置は、被処理体例えば半導体ウエハ(以下にウエハという)を浸漬する洗浄液例えば薬液を貯留する石英製の洗浄槽と、この洗浄槽の底部に設けられた排液口を開閉可能な開閉手段を有する排液機構と、ウエハを保持して洗浄槽内に配置する保持手段例えばウエハガイドと、洗浄槽内の洗浄液に超音波を照射する超音波発振手段とで主に構成されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−31676号公報(段落番号0030〜0036,0050,0051、図3、図6、図8)
上記のように構成される超音波洗浄装置によれば、薬液を貯留した洗浄槽内に、ウエハをウエハガイドで保持した状態で浸漬し、超音波発振手段の超音波振動素子に適当な周波数の高周波電圧を印可して励振することにより、超音波振動が発生し、その超音波振動が洗浄槽内の洗浄液に照射されて、ウエハに付着したパーティクル等を除去することができる。そして、所定の時間が経過し洗浄処理が終了すると、排液機構が作動し、開閉弁が排液口を開放して、洗浄槽内の洗浄液を排液する。
【0005】
そのため、従来では、洗浄槽内の洗浄液を大流量で排液可能とするために、洗浄槽の底部に比較的面積の大きな排液口を設け、この排液口に設けられた弁座に就座する弁体を有する急速排液可能な排液機構が使用されている。この排液機構の開閉弁は、接液側の弁体には耐熱性、耐薬品性に富む材質であるフッ素樹脂製材料例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン){融点:327℃}が使用され、弁体以外の構成部材、例えば弁体に連結する弁軸、弁座及び弁筐体等にはPTFEに比べて成形性に富むPP(ポリプロピレン){融点:176℃}が使用されている。
【0006】
また、洗浄の目的に応じて洗浄液に、純水、脱気水(酸素濃度5ppb以下)、薬液例えばアンモニア過水{NH4OH/H2O2/H2O}(SC1),塩酸過水{HCl/H2O2/H2O}(SC2)あるいは希フッ酸(DHF)等が使用されている。
【0007】
更には、洗浄処理効率の向上を図るために、洗浄槽内に貯留された洗浄液を排液した後、新規の洗浄液に交換するなどしている。
【0008】
上記のように構成される超音波洗浄装置において、洗浄液中に超音波を照射すると、洗浄液は静圧の1気圧を中心に変動し、圧力が0気圧以下(真空状態)になったとき、洗浄液中の溶存酸素などの微小な気泡が核となり、無数の真空に近い微小空洞(キャビテーション)が発生し、超音波のプラス圧力のときにそのキャビテーションが、断熱圧縮状態となり、押し潰される瞬間に発生する強力な衝撃波によってウエハに付着するパーティクルをウエハから剥離することで、パーティクルを除去している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、洗浄液の種類や温度あるいは水位状態等によって、洗浄液の液面にさざ波現象が生じることが目視により確認されている。このようなさざ波現象は、超音波の照射により散乱した超音波が、石英製の洗浄槽の側壁に衝突し、これが乱反射{図7(a)参照}して生じるものと推測される。このようなさざ波現象により、洗浄槽における超音波照射領域外の音圧が上昇すると共に、温度上昇を招く虞があった。また、洗浄槽の底部には、洗浄液の排液性を良好にするために傾斜状の底面が形成され、その最下部に排液口が設けられる場合が多く、この場合には、排液口に超音波が集中する現象が起こり、この超音波集中によって温度上昇を招く虞があった。
【0010】
上記のように、超音波の散乱・乱反射が生じると、その振動・衝撃波によって、ウエハにダメージを与えるばかりか、洗浄装置の構成部品、例えば洗浄槽、ウエハボート等に損傷を与えるという問題があった。また、超音波の散乱・乱反射や超音波の集中照射等による温度上昇によって洗浄装置の構成部品、例えば洗浄槽、ウエハボートや排液機構の開閉手段である開閉弁が変形したり、破損するなどの問題もあった。特に、超音波の集中による温度上昇は、開閉弁の弁体と弁軸の連結部に集中するため、PTFE製の弁体に比べて融点の低いPP製の弁軸が溶融することがあり、これにより弁機能が低下するという問題があった。
【0011】
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、超音波の散乱・乱反射や集中による温度上昇を抑制して被処理体及び装置構成部品へのダメージの抑制を図れるようにした超音波洗浄装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の超音波洗浄装置は、被処理体の洗浄液を貯留する洗浄槽と、上記洗浄槽の底部に設けられた排液口を開閉可能な開閉手段を有する排液機構と、上記被処理体を保持して上記洗浄槽内に配置する保持手段と、上記洗浄槽内の洗浄液に超音波を照射する超音波発振手段と、を具備する超音波洗浄装置において、 上記洗浄槽の側壁、上記開閉手段又は上記保持手段の少なくとも1つにおける上記洗浄液の接液部に、上記超音波の散乱・乱反射あるいは超音波の集中が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段を具備してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
【0013】
この発明において、上記温度上昇抑制手段を、洗浄槽の側壁の少なくとも一箇所の内側面又は外側面に装着される超音波を吸収可能なパネルにて形成する方が好ましい(請求項2)。この場合、超音波を吸収可能なパネルとして、例えばフッ素樹脂製パネルを使用することができる。また、上記温度上昇抑制手段を、洗浄槽の側壁の外側面に被着される超音波を吸収可能なシートにて形成することも可能である(請求項3)。この場合、超音波を吸収可能なシートとして、例えばフッ素樹脂製シートを使用することができる。また、上記温度上昇抑制手段を、洗浄槽の側壁の外側面に被着される音響吸収物質シートにて形成することも可能である(請求項4)。
【0014】
また、この発明の超音波洗浄装置において、上記保持手段に、被処理体を垂直状に保持する保持部と、この保持部から垂直状に延在する垂直部とを具備し、上記垂直部における上記被処理体と対向する面に、超音波を吸収可能なパネルを装着してもよい(請求項5)。
【0015】
加えて、上記開閉手段に、排液口に連通する連通口に設けられた弁座と、この弁座に接離可能に就座する弁体とを具備し、上記弁体における上記連通口と対向する面の内側に、超音波集中による温度上昇を抑制する空気層を形成する方が好ましい(請求項6)。この場合、上記弁体における連通口と対向する面に、凹所を設けると共に、この凹所にシール部材を介して石英製の蓋体を固着して蓋体と凹所との間に空気層を形成する方がよい(請求項7)。また、この発明の超音波洗浄装置において、上記洗浄液に脱気水を使用することができる(請求項8)。
【0016】
請求項1記載の発明によれば、洗浄槽の側壁、排液口を開閉する開閉手段又は被処理体を保持する保持手段の少なくとも1つにおける洗浄液の接液部に、超音波の散乱・乱反射あるいは集中が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段を設けることにより、超音波洗浄中に洗浄に供される超音波の散乱・乱反射あるいは集中による温度上昇を抑制することができる。したがって、被処理体のダメージを抑制すると共に、洗浄装置の構成部品例えば洗浄槽、保持手段あるいは排液機構の開閉手段等の変形や破損を防止することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、温度上昇抑制手段を、洗浄槽の側壁の少なくとも一箇所の内側面又は外側面に装着される超音波を吸収可能なパネルにて形成することにより、散乱して洗浄槽の側壁に衝突する超音波をパネルにて吸収することができるので、超音波の散乱・乱反射を抑制することができると共に、温度上昇を抑制することができる。
【0018】
請求項3,4記載の発明によれば、温度上昇抑制手段を、洗浄槽の側壁の外側面に被着される超音波を吸収可能なシート、あるいは、音響吸収物質シートにて形成することにより、散乱して洗浄槽の側壁に衝突する超音波をシートにて吸収することができるので、超音波の散乱・乱反射を抑制することができると共に、温度上昇を抑制することができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、保持手段に、被処理体を垂直状に保持する保持部と、この保持部から垂直状に延在する垂直部とを具備し、垂直部における被処理体と対向する面に、超音波を吸収可能なパネルを装着することにより、散乱して保持手段の垂直部面に衝突する超音波をパネルにて吸収することができるので、被処理体に近接する部位における超音波の散乱・乱反射を抑制することができると共に、温度上昇を抑制することができる。
【0020】
請求項6,7記載の発明によれば、開閉手段に、排液口に設けられた弁座と、この弁座に接離可能に就座する弁体とを具備し、弁体における連通口と対向する面の内側に、超音波集中による温度上昇を抑制する空気層を形成することにより、超音波集中による温度上昇を空気層によって吸収して弁体に伝達するので、温度上昇による弁体の変形や破損を抑制することができる。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、洗浄液に脱気水(酸素濃度5ppb以下)を使用することができるので、脱気水における超音波の散乱・乱反射を抑制し、かつ、温度上昇を抑制して、脱気水の洗浄効率の向上を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る超音波洗浄装置の実施形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、半導体ウエハ用の超音波洗浄装置に適用した場合について説明する。
【0023】
◎第一実施形態
図1は、この発明に係る超音波洗浄装置の第一実施形態を示す概略断面図、図2は、図1の側断面図、図3は、図1の平面図である。
【0024】
上記超音波洗浄装置は、被処理体例えば半導体ウエハW(以下にウエハWという)を浸漬する洗浄液例えば薬液Lが貯留される洗浄槽1と、複数枚例えば50枚のウエハWを垂直状に保持して洗浄槽1内に配置する保持手段であるウエハボート10と、洗浄槽1内の下部に配設されて洗浄槽1内に洗浄液例えば薬液或いは純水を噴射(供給)する液供給手段例えば洗浄液供給ノズル20と、洗浄槽1内の薬液L(洗浄液)に超音波を照射、すなわち超音波振動を与えるための超音波発振手段30と、洗浄槽1の底部2に設けられた排液口3を開閉する開閉手段すなわち開閉弁41を有する排液機構である弁機構40とで主に構成されている。この場合、洗浄槽1の側壁4の外側面4aと、ウエハボート10の垂直部13のウエハWと対向する垂直面13aには、それぞれさざ波現象の原因となる超音波の散乱・乱反射が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段50,50Aが装着されている。また、弁機構40の開閉弁41の排液口3と対向する部位には、超音波の集中が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段50Bが設けられている。
【0025】
上記洗浄槽1は、例えば耐薬品性に富む材料例えば石英製の内槽1aと、この内槽1aの上端開口部から溢流(オーバーフロー)する薬液Lを受け止める外槽1bとで構成されている。なお、内槽1aの側壁4の上端部には洗浄槽1内から溢流(オーバーフロー)する薬液Lを外槽1bに案内するための複数のV状切欠き1cが設けられている。また、洗浄槽1の底部2は、一側から他側に向かって下り勾配の傾斜底面2aを具備しており、傾斜底面2aの下端側に隣接する側壁4の下端部に排液口3が設けられている。なお、外槽1bの底部には、排液口5が設けられており、この排液口5にドレイン弁6を介して排液管7が接続されている。
【0026】
上記のように構成される洗浄槽1における内槽1aの側壁4の外側面には、超音波の散乱・乱反射が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段50が装着されている。この温度上昇抑制手段50は、超音波を吸収可能な材質であるフッ素樹脂製パネル、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製パネル50(以下に、超音波吸収パネル50という)にて形成されている。この超音波吸収パネル50は、図示しない耐薬性を有する接着剤あるいは耐薬性を有するねじ等の固定部材によって側壁4の外側面4aに装着(固着)されている。なお、ここでは、内槽1aの全ての側壁4の外側面4aに超音波吸収パネル50を装着する場合について説明したが、超音波吸収パネル50は、少なくとも1つの側壁4{具体的には、ウエハボート10の垂直部13が位置する側と反対側の側壁4}の外側面4aに装着されていればよく、好ましくは、少なくともこの側壁4及びこれに隣接する側壁4の2箇所以上の外側面4aに装着されていればよい。
【0027】
上記ウエハボート10は、図1及び図2に示すように、複数枚例えば50枚のウエハWを水平方向に垂直状に保持すべく複数の保持溝11を有する互いに平行な3本の保持棒12(保持部)と、これら保持棒12の一端から垂直状に起立する垂直部13とを具備し、垂直部13を図示しない昇降機構によって昇降させることによって、ウエハボート10によって保持される複数枚例えば50枚のウエハWが洗浄槽1内の薬液に浸漬され、あるいは、洗浄槽1から上方に搬出されるように構成されている。
【0028】
上記のように構成されるウエハボート10の垂直部13におけるウエハWと対向する垂直面13aには、さざ波現象の原因となる超音波の散乱・乱反射が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段50Aが装着されている。この温度上昇抑制手段50Aは、超音波を吸収可能な材質であるフッ素樹脂製パネル、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製パネル50A(以下に、超音波吸収パネル50Aという)にて形成されている。この超音波吸収パネル50Aは、ウエハボート10の垂直面13aに装着されている。
【0029】
上記洗浄液供給ノズル20は、洗浄槽1の下部両側に互いに平行に配設される管状ノズル本体21と、この管状ノズル本体21の斜め上部と斜め下部にそれぞれ適宜間隔をおいて穿設される多数のノズル孔22,23とを具備してなる。このように構成される洗浄液供給ノズル20は、開閉弁Vを介設した供給管24を介して純水供給源25に接続されると共に、供給管24に介設される切換弁CV及び薬液供給管26を介して薬液供給源である薬液タンク27に接続されている。なお、薬液供給管26には、薬液を薬液供給管26に導入するためのポンプPが介設されている。なお、ポンプPを用いずに、薬液タンク27内に例えば窒素(N2)ガスを供給して薬液供給管26に導入するようにしてもよい。
【0030】
なお、図示しないが、外槽1bの底部に設けられる排液口5と洗浄液供給ノズル20とを接続する循環管路に循環ポンプ及びフィルタを介設して洗浄液を循環供給するようにしてもよい。
【0031】
上記のように構成される洗浄液供給ノズル20によれば、開閉弁Vを開放することによって純水供給源25から供給される純水がノズル孔22からウエハWの中心部側に向かって噴射(供給)され、また、ノズル孔23から洗浄槽1の底部2中央部に向かって噴射(供給)される。また、切換弁CVを切り換えると共に、ポンプPを駆動することによって、薬液タンク27から供給される薬液が純水と混合して混合液がノズル孔22からウエハWの中心部側に向かって噴射(供給)され、また、ノズル孔23から洗浄槽1の底部2中央部に向かって噴射(供給)される。なお、洗浄液供給ノズル20から洗浄槽1内に噴射(供給)されて貯留された洗浄液(純水、薬液)は、側壁4の上端に設けられた切欠き1cに案内されて外槽1bにて受け止められるが、外槽1bの外方に飛散した洗浄液(純水、薬液)は、洗浄槽1を収容する容器8の底部に配設されたパン(図示せず)によって受け止められた後、図示しないドレンから外部に排出されるようになっている。なお、薬液は1種類に限らず、複数の種類の薬液タンクが同様に洗浄液供給ノズル20に接続されてもよい。
【0032】
上記弁機構40は、図4に示すように、洗浄槽1の排液口3に連通する連通口42を有する合成樹脂製例えばPP(ポリプロピレン)製の弁筐体43と、連通口42に設けられた弁座44と、この弁座44に接離可能に就座する合成樹脂製例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の弁体45と、この弁体45にねじ結合により連結され、図示しない作動空気圧のON,OFFによって接離方向に移動する合成樹脂製例えばPP(ポリプロピレン)製の弁軸46とからなる開閉手段である開閉弁41とを具備している。また、弁体45における連通口42と対向する面の内側に、超音波集中による温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段である空気層50Bが形成されている。この空気層50Bは、弁体45における連通口42と対向する面に設けられた狭隘開口状の凹所51にEPDM(エチレン−プロピレンゴム)製のOリング52(シール部材)を介して石英製の蓋体53を固着、すなわち弁体45に設けられた雌ねじ部45aと、弁軸46の膨隆先端部46aに設けられた雄ねじ部46bとをねじ結合することで、蓋体53と凹所51との間に形成される(図4(b)参照)。
【0033】
一方、超音波発振手段30は、洗浄槽1の下方に中間槽9を介して設けられている。すなわち、超音波発振手段30は、洗浄槽1の下部を収容する中間槽9の底部の下面に装着される複数の振動子31と、これら振動子31と高周波駆動電源32との間に介設される超音波発振器34と、駆動切換手段33とを具備しており、駆動切換手段33によって振動子31の駆動と1又は任意の数の個別駆動とを選択的に行えるように形成されている。この場合、振動子31は、矩形状に形成された例えば6枚を2列に並列した計12枚に形成することができ、駆動切換手段33の切換操作によって12枚全体の振動子31が同時に駆動すなわち振動されるか、あるいは1枚あるいは任意の複数枚例えば2枚あるいは4枚の振動子31が個別に順次振動されるように構成されている。
【0034】
上記のように構成される超音波発振手段30の振動子31が振動すると、この振動が中間槽9内に貯留された純水に伝搬されて洗浄槽1内に貯留された洗浄液に伝搬されるようにして、超音波が照射される。
【0035】
次に、上記のように構成される超音波洗浄装置の動作態様について説明する。まず、純水供給源25から洗浄槽1内に純水を供給してウエハWが浸漬できるように貯留しておく。次に、洗浄槽1内にウエハWを浸漬し、洗浄するための薬液を薬液タンク27から随時供給し続け、上端開口縁付近まで予め貯留しておく。
【0036】
次に、図示しないウエハ搬送手段によって保持された複数例えば50枚のウエハWを、ウエハボート10に受け渡して、ウエハWを薬液に浸漬する。その後、超音波発振手段30の超音波発振器34を駆動すると共に、駆動切換手段33を駆動して、全ての振動子31あるいは任意の振動子31に高周波電源を印加して励振することにより、振動子31が超音波振動を発生する。この超音波振動が中間槽9内に貯留された純水に伝搬され、洗浄槽1の底部2を透過して洗浄槽1内に貯留された薬液まで伝わり、この超音波の照射によってウエハWに付着したパーティクル等が除去されることにより、ウエハWが超音波洗浄される。この際、散乱して洗浄槽1の側壁4に衝突する超音波によって洗浄液の液面にさざ波が発生するが、このさざ波現象の原因となる超音波は、図7(b)に示すように、超音波吸収パネル50にて吸収され、また、ウエハボート10の垂直部13の垂直面13aに衝突する超音波は、超音波吸収パネル50Aによって吸収されるので、超音波の散乱・乱反射を抑制することができる。これにより、ウエハWのダメージを抑制すると共に、超音波の照射領域外の超音波の散乱・乱反射が起因する音圧の上昇及び温度上昇を防止することができる。
【0037】
また、開閉弁41の弁体45における連通口42と対向する面の内側に、超音波集中による温度上昇を抑制する空気層50Bが形成されているので、超音波集中による温度上昇を空気層50Bにより吸収して弁体45側に伝達することができる。したがって、超音波集中による温度上昇を抑制することができ、温度が集中する弁体45と弁軸46の連結部の過熱を抑制し、温度上昇による開閉弁41の変形や破損を抑制することができる。
【0038】
なお、洗浄中においても洗浄液供給ノズル20によって、洗浄槽1内に薬液を適量ずつ随時供給し続ける。このように、薬液を随時供給することにより、ウエハWから除去されて液面に浮かんだパーティクル等を、外槽1bにオーバーフローする薬液と共に効果的に外部へ流出させることができるので、洗浄槽1内の薬液を清浄な状態に保つことができる。また、洗浄槽1から外部に流出した使用済みの薬液は、容器8の底部に配設されたパン(図示せず)に受け止められ、図示しないドレン管から排液される。なお、外槽1bに循環系を設けた場合は、洗浄に供された洗浄液(薬液)を循環濾過して洗浄液供給ノズル20から洗浄槽1内に循環供給することができる。
【0039】
上記のようにして所定時間薬液による洗浄処理を行った後、薬液の供給を停止し、薬液に変えて純水供給源から純水を供給してウエハWのリンス処理を行う。このときも、超音波発振器34を駆動すると共に、駆動切換手段33を駆動して、全ての振動子31あるいは任意の振動子31に高周波電源を印加して励振することによって超音波振動を純水に伝達する。
【0040】
上記洗浄処理が完了した後、ウエハボート10を上昇させてウエハWを洗浄槽1の上方に搬送させて、図示しない搬送手段にウエハWを受け渡す。
【0041】
一方、洗浄槽1内に貯留された薬液、純水を交換する場合には、弁機構40の開閉弁41を駆動して、排液口3に連通する連通口42に設けられた弁座44に就座する弁体45を、連通口42の弁座44から後退すなわち離隔させて洗浄槽1内の薬液、純水を短時間内に排液することができる。したがって、薬液、純水等の洗浄液の交換時間等の短縮を図ることができる。
【0042】
◎第二実施形態
図5は、この発明に係る超音波洗浄装置の第二実施形態を示す概略断面図、図6は、図5の側断面図である。
【0043】
第二実施形態は、上記第一実施形態の洗浄槽1の側壁4の外側面に装着される超音波吸収パネル50に代えて、洗浄槽1の側壁4の内側面4bに超音波吸収パネル50を装着した場合である。
【0044】
このように、洗浄槽1の側壁4の内側面4bに超音波吸収パネル50を装着することにより、散乱して洗浄槽1の側壁4に衝突する超音波は、図7(c)に示すように、側壁4に衝突する前に超音波吸収パネル50に衝突して吸収される。したがって、第一実施形態に比べて更に超音波の照射領域外の超音波の散乱・乱反射が起因する音圧の上昇及び温度上昇を防止することができる。なお、洗浄槽1の側壁4の内側面4bに装着される超音波吸収パネル50は、少なくとも1つの側壁4の内側面4bに装着されていればよいが、好ましくは、少なくともこの側壁4及びこれに隣接する側壁4の2箇所以上の内側面4bに装着されていればよい。
【0045】
なお、第二実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0046】
◎その他の実施形態
第一実施形態では、洗浄槽1の側壁4の外側面に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の超音波吸収パネル50を装着した場合について説明したが、この超音波吸収パネル50に代えてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のソフトシート50Cを被着してもよい(図8参照)。この場合、約4mmの石英製側壁4に対して約6.5mmのソフトシート50Cをシリコンシール55を介して被着している。
【0047】
また、上記ソフトシート50Cに代えて音響吸収物質シート50Dを、洗浄槽1の側壁4の外側面に被着してもよい(図9参照)。この場合、約4mmの石英製側壁4に対して約1.4mmの市販の音響吸収物質シート50Dをシリコンシール55を介して被着している。
【0048】
上記のように、ソフトシート50Cや音響吸収物質シート50Dを洗浄槽1の側壁4の外側面に被着することにより、上記実施形態と同様に、超音波の散乱・乱反射を抑制することができる。これにより、ウエハWのダメージを抑制すると共に、超音波の照射領域外の超音波の散乱・乱反射が起因する音圧の上昇及び温度上昇を防止することができる。
【0049】
なお、図8、図9に示す実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、説明は省略する。
【0050】
また、上記実施形態では、洗浄槽1が石英製部材にて形成される場合について説明したが、図10に示すように、石英に代えて洗浄槽1A全体を、ガラス状カーボンに統一して形成することも可能である。この場合、洗浄槽1Aの側壁4の外側面に超音波吸収パネル50を装着する構造を示すが、超音波吸収パネル50に代えて上記ソフトシート50C、あるいは、音響吸収物質シート50Dを被着してもよい。
【0051】
上記のように構成することにより、さざ波現象の原因となる超音波をソフトシート50C、音響吸収物質シート50Dにて吸収することができるので、上記実施形態と同様に、超音波の散乱・乱反射を抑制することができる。これにより、ウエハWのダメージを抑制すると共に、超音波の照射領域外の超音波の散乱・乱反射が起因する音圧の上昇及び温度上昇を防止することができる。また、ガラス状カーボンは、優れた耐薬品性、耐食性、耐酸化性を示すと共に、高純度の炭素質であるため金属系不純物元素をほとんど有しておらず、メタルコンタミ等が発生するのを抑制することができる点で好ましい。また、黒鉛材と異なり、内部にミクロンオーダーの空孔がほとんど見られない緻密な構造を有し、硬度が高く、粒子の脱落が極めて少ないので、パーティクルの発生を抑制することができる。更に、音波透過性が高いので、洗浄槽1の底部下面に振動子31を装着することができるので、上記実施形態のように中間槽9を設ける必要がない。したがって、構成部材の削減が図れると共に、装置の小型化が図れ、かつ、効率よく洗浄液に伝達して、洗浄効率の向上を図ることができる。
【0052】
なお、図10に示す実施形態においては、洗浄槽1Aの底面を平坦状に形成するため、排液口3Aは、洗浄槽1Aの底部の端部側、すなわち、洗浄槽1の底部2における上記ウエハボート10の垂直部13の直下位置に設けられており、この排液口3Aには、開閉可能な開閉弁41A(開閉手段)を有する弁機構40Aが接続されている。
【0053】
このように、洗浄槽1の底部2におけるウエハボート10の垂直部13の直下位置に排液口3Aを設け、この排液口3Aを弁機構40Aによって開閉可能にすることにより、超音波発振手段30による超音波振動に影響を与えることなく薬液又は純水の排液部を形成することができる。また、洗浄槽1の底部2を平坦状にすることができ、後述する超音波発振手段30の振動子31を平坦状の底部2外表面に当接又は近接して、超音波振動を効率よく薬液に伝達することができる。したがって、洗浄効率の向上を図ることができる。この場合、弁機構40Aの開閉弁41Aには、超音波が集中する問題は少ないが、上記第一実施形態と同様に温度上昇抑制手段50Bを設ける方が好ましい。すなわち、弁機構40Aは、第一実施形態と同様に、洗浄槽1の排液口3Aに連通する連通口42を有する合成樹脂製例えばPP(ポリプロピレン)製の弁筐体43と、連通口42に設けられた弁座44と、この弁座44に接離可能に就座する合成樹脂製例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の弁体45と、この弁体45にねじ結合により連結され、図示しない作動空気圧のON,OFFによって接離方向に移動する合成樹脂製例えばPP(ポリプロピレン)製の弁軸46とからなる開閉手段である開閉弁41Aとを具備している。また、弁体45における連通口42と対向する面の内側に、超音波集中による温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段である空気層50Bが形成されている。この空気層50Bは、弁体45における連通口42と対向する面に設けられた狭隘開口状の凹所51にEPDM(エチレン−プロピレンゴム)製のOリング52(シール部材)を介して石英製の蓋体53を固着、すなわち、図4(b)に示すように弁体45と弁軸46とをねじ結合により固着することで、蓋体53と凹所51との間に形成される(図11参照)。
【0054】
なお、図10及び図11に示す実施形態において、その他の部分は、第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0055】
【実施例】
◎実施例1
温度上昇の起因となるさざ波すなわち超音波の散乱、乱反射の状態と、その抑制手段について実験を行った結果について、図12及び図13を参照して説明する。
【0056】
まず、実験に当って、下部に超音波発振手段(図示せず)を設けた石英製の水槽60と、厚さ20mmのPTFE製の1枚の超音波吸収パネル61と、厚さ3mmのPTFE製の3枚の超音波吸収パネル62とを用意する。そして、水槽60における超音波照射領域63の中心部▲1▼と、水槽60の超音波照射領域63から外れた4つの各隅部▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼に音圧計をセットして各箇所▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼の温度を測定可能にする(図12参照)。
【0057】
そして、
(a)水槽60中に純水を貯留させて超音波発振手段駆動して純水中に超音波を照射した状態(図13(a)参照)、
(b)水槽60中に脱気水を貯留させて超音波発振手段駆動して脱気水中に超音波を照射した状態(図13(b)参照)、
(c)水槽60中に脱気水を貯留し、水槽60内に超音波吸収パネル61を配設させて超音波発振手段駆動して脱気水中に超音波を照射した状態(図13(c)参照)、
(d)水槽60中に脱気水を貯留し、水槽60内に超音波吸収パネル62を配設させて超音波発振手段駆動して脱気水中に超音波を照射した状態(図13(d)参照)、
(e)水槽60中に脱気水を貯留し、水槽60内に2枚の超音波吸収パネル61を隣接状態に配設させて超音波発振手段駆動して脱気水中に超音波を照射した状態(図13(e)参照)、
(f)水槽60中に脱気水を貯留し、水槽60内に3枚の超音波吸収パネル61を隣接状態に配設させて超音波発振手段駆動して脱気水中に超音波を照射した状態(図13(f)参照)、
の各測定点▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼の音圧を調べたところ、表1に示すような結果が得られた。
【0058】
【表1】
Figure 2004221343
【0059】
上記実験の結果、脱気水で超音波を照射した場合(図13(b)参照)に対して、水槽60内に1枚の超音波吸収パネル61を配設した場合(図13(c)参照)では、測定点▲1▼では音圧が50mV低下し、測定点▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼では、それぞれ音圧が60mV,50mV,60mV,80mV低下した。また、水槽60内に1枚の超音波吸収パネル62を配設した場合(図13(d)参照)では、測定点▲1▼では音圧が50mV低下し、測定点▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼では、それぞれ音圧が70mV,60mV,80mV,80mV低下した。また、水槽60内に2枚又は3枚の超音波吸収パネル62を隣接状態で配設した場合(図13(e),(f)参照)では、測定点▲1▼では音圧が50mV低下し、測定点▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼では、全て音圧が112mV低下した。
【0060】
上記実験から、水槽60内に少なくとも1枚の超音波吸収パネル61又は62を配設することにより、超音波照射領域63の外部の音圧が低下することが判り、水槽60内に2枚又は3枚の超音波吸収パネル62を隣接状態に配設することにより、超音波照射領域63の外部の音圧が著しく低下することが判った。この結果、水槽60(上記洗浄槽1)内に少なくとも1枚のPTFE製超音波吸収パネル61,62(上記超音波吸収パネル50,50A)、好ましくは、2枚又は3枚のPTFE製超音波吸収パネル62(上記超音波吸収パネル50)を配設することによって、さざ波現象すなわち超音波の散乱、乱反射による音圧上昇及び温度上昇を抑制することができる。
【0061】
◎実施例2
上記弁機構40の開閉弁41に温度上昇抑制手段である空気層50Bを形成した場合の効果を調べるために、図14に示すように、純水を貯留する石英製の水槽60の外周面に上記PTFE製のソフトシート50Cを被着して、空気層50Bを設けない通常の開閉弁を用いた場合と、空気層50Bを設けた開閉弁41を用いた場合に、それぞれ超音波を照射して、水槽60内の純水の温度(測定点▲6▼)と、開閉弁41の温度(測定点▲7▼)の温度変化を調べた結果、図15(a),(b)のような結果が得られた。
【0062】
上記実験の結果、通常の開閉弁においては、150分から160分までの10分間に温度が4℃上昇したが、空気層50Bを設けた開閉弁41を用いた場合では、140分から160分までの20分間に温度が3℃しか上昇しなかった。この結果から、開閉弁41に空気層50B(温度上昇抑制手段)を設ける方が好ましいことが判った。
【0063】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の発明によれば、洗浄槽の側壁、排液口を開閉する開閉手段又は被処理体を保持する保持手段の少なくとも1つにおける洗浄液の接液部に、超音波の散乱・乱反射あるいは集中が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段を設けることにより、超音波洗浄中に洗浄に供される超音波の散乱・乱反射あるいは集中による温度上昇を抑制することができるので、被処理体のダメージを抑制すると共に、洗浄装置の構成部品例えば洗浄槽、保持手段あるいは排液機構の開閉手段等の変形や破損を防止することができる。
【0064】
(2)請求項2記載の発明によれば、温度上昇抑制手段を、洗浄槽の側壁の少なくとも一箇所の内側面又は外側面に装着される超音波を吸収可能なパネルにて形成することにより、散乱して洗浄槽の側壁に衝突する超音波をパネルにて吸収することができるので、超音波の散乱・乱反射を抑制することができると共に、温度上昇を抑制することができる。
【0065】
(3)請求項3,4記載の発明によれば、温度上昇抑制手段を、洗浄槽の側壁の外側面に被着される超音波を吸収可能なシート、あるいは、音響吸収物質シートにて形成することにより、散乱して洗浄槽の側壁に衝突する超音波をシートにて吸収することができるので、超音波の散乱・乱反射を抑制することができると共に、温度上昇を抑制することができる。
【0066】
(4)請求項5記載の発明によれば、保持手段に、被処理体を垂直状に保持する保持部と、この保持部から垂直状に延在する垂直部とを具備し、垂直部における被処理体と対向する面に、超音波を吸収可能なパネルを装着することにより、散乱して保持手段の垂直部面に衝突する超音波をパネルにて吸収することができるので、被処理体に近接する部位における超音波の散乱・乱反射を抑制することができると共に、温度上昇を抑制することができる。
【0067】
(5)請求項6,7記載の発明によれば、開閉手段に、排液口に設けられた弁座と、この弁座に接離可能に就座する弁体とを具備し、弁体における連通口と対向する面の内側に、超音波集中による温度上昇を抑制する空気層を形成することにより、超音波集中による温度上昇を空気層によって吸収して弁体に伝達するので、温度上昇による弁体の変形や破損を抑制することができる。
【0068】
(6)請求項8記載の発明によれば、洗浄液に脱気水(酸素濃度5ppb以下)を使用することができるので、脱気水における超音波の散乱・乱反射を抑制し、かつ、温度上昇を抑制して、脱気水の洗浄効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る超音波洗浄装置の第一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】この発明における弁機構の取付状態を示す断面図(a)及びその要部拡大断面図(b)である。
【図5】この発明に係る超音波洗浄装置の第二実施形態を示す概略断面図である。
【図6】図5の側断面図である。
【図7】石英製側壁における超音波の乱反射の状態を説明する図で、(a)は超音波吸収パネルを装着しない状態を示し、(b)は側壁の外側面に超音波吸収パネルを装着した状態、(c)は側壁の内側面に超音波吸収パネルを装着した状態である。
【図8】この発明における温度上昇抑制手段の別の実施形態を示す拡大断面図である。
【図9】この発明における温度上昇抑制手段の更に別の実施形態を示す拡大断面図である。
【図10】この発明における洗浄槽の別の実施形態を用いた超音波洗浄装置を示す概略断面図である。
【図11】図10における弁機構を示す拡大断面図である。
【図12】この発明における温度上昇抑制手段である超音波吸収パネルの配設状態と音圧との関係を調べるための実験の状態を示す概略構成図である。
【図13】上記実験における超音波吸収パネルを配設しない状態と、超音波吸収パネルを異なる位置に配設した状態を示す説明図である。
【図14】この発明における温度上昇抑制手段である空気層を設けた場合と、空気層を設けない場合の温度上昇を調べるための実験の状態を示す概略構成図である。
【図15】上記実験における温度と時間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ(被処理体)
1,1A 洗浄槽
2 底部
3,3A 排液口
4 側壁
4a 外側面
4b 内側面
10 ウエハボート(保持手段)
13 垂直部
13a 垂直面
30 超音波発振手段
40,40A 弁機構(排液機構)
41 開閉弁
42 連通口
44 弁座
45 弁体
50,50A 超音波吸収パネル(温度上昇抑制手段)
50B 空気層(温度上昇抑制手段)
50C ソフトシート(温度上昇抑制手段)
50D 音響吸収物質シート(温度上昇抑制手段)
51 凹所
52 Oリング
53 蓋体

Claims (8)

  1. 被処理体の洗浄液を貯留する洗浄槽と、上記洗浄槽の底部に設けられた排液口を開閉可能な開閉手段を有する排液機構と、上記被処理体を保持して上記洗浄槽内に配置する保持手段と、上記洗浄槽内の洗浄液に超音波を照射する超音波発振手段と、を具備する超音波洗浄装置において、
    上記洗浄槽の側壁、上記開閉手段又は上記保持手段の少なくとも1つにおける上記洗浄液の接液部に、上記超音波の散乱・乱反射あるいは超音波の集中が起因する温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段を具備してなる、ことを特徴とする超音波洗浄装置。
  2. 請求項1記載の超音波洗浄装置において、
    上記温度上昇抑制手段が、洗浄槽の側壁の少なくとも一箇所の内側面又は外側面に装着される超音波を吸収可能なパネルである、ことを特徴とする超音波洗浄装置。
  3. 請求項1記載の超音波洗浄装置において、
    上記温度上昇抑制手段が、洗浄槽の側壁の外側面に被着される超音波を吸収可能なシートである、ことを特徴とする超音波洗浄装置。
  4. 請求項1記載の超音波洗浄装置において、
    上記温度上昇抑制手段が、洗浄槽の側壁の外側面に被着される音響吸収物質シートである、ことを特徴とする超音波洗浄装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の超音波洗浄装置において、
    上記保持手段は、被処理体を垂直状に保持する保持部と、この保持部から垂直状に延在する垂直部とを具備し、上記垂直部における上記被処理体と対向する面に、超音波を吸収可能なパネルを装着してなる、ことを特徴とする超音波洗浄装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の超音波洗浄装置において、
    上記開閉手段は、排液口に連通する連通口に設けられた弁座と、この弁座に接離可能に就座する弁体とを具備し、上記弁体における上記連通口と対向する面の内側に、超音波集中による温度上昇を抑制する空気層を形成してなる、ことを特徴とする超音波洗浄装置。
  7. 請求項6記載の超音波洗浄装置において、
    上記弁体における排液口と対向する面に、凹所を設けると共に、この凹所にシール部材を介して石英製の蓋体を固着して蓋体と凹所との間に空気層を形成してなる、ことを特徴とする超音波洗浄装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の超音波洗浄装置において、
    上記洗浄液が脱気水であることを特徴とする超音波洗浄装置。
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