以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1−1.構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールに関する図柄の表示位置の組合せによって入賞判定ラインL1〜L4が設定されている。
そして遊技結果は表示窓DW内の4本の入賞判定ラインL1〜L4のいずれかに停止表示された図柄組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数である規定数が3枚に設定され、規定数のメダルが投入されたことに基づいて4本の入賞判定ラインL1〜L4の全てが有効化される。なお、規定数については遊技状態に応じて異なっていてもよく、規定数が複数種類設定されている場合には、規定数に応じて有効化される入賞判定ラインの数が異なっていてもよい。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカー(図示省略)が複数設けられている。このスピーカーからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(ベット操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(回転開始操作手段)SL、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステップモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、精算スイッチ250、設定変更スイッチSS、等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、ベット制御手段104、操作制御手段106、クレジット制御手段108、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、精算受付手段152、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、RTカウント手段172、RT回数判定手段174、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
ベット制御手段104は、遊技毎にメダルのベット操作(メダルを遊技の用に供する操作)を受け付けて、規定数に相当するメダルをベット状態(遊技の用に供する状態)に設定するベット処理を行う。本実施形態の遊技機では、ベット制御手段104は、メダルがメダル投入口MIに投入(ベット操作の一例)されたことに基づいて作動するメダル投入スイッチ210からの入力信号に基づいて、規定数である3枚を限度としてベット記憶手段1903に記憶されているベット枚数を加算更新する処理を行うことにより、メダル投入口MIに投入されたメダルをベット状態に設定する第1ベット処理を行う。
操作制御手段106は、規定数に相当するメダルがベット状態に設定されたことに基づいて、スタートレバー(回転開始操作手段)SLに対する第1リールR1〜第3リールR3の回転開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、スタートレバーSLの押下操作が、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。そしてベット制御手段104は、スタートレバーSLの押下操作が行われると、ベット記憶手段1903に記憶されているベット枚数を0枚にリセットする。
クレジット制御手段108は、クレジット(貯留)上限枚数(例えば、50枚)に達するまでメダルをクレジット状態に設定する。具体的にはクレジット制御手段108は、規定数のメダルがベット状態に設定されている状態で更にメダルがメダル投入口MIに投入された場合に、メダル投入スイッチ210からの入力信号に基づいて、クレジット記憶手段1904に記憶されているクレジット枚数を加算更新する処理を行う。
そしてベット制御手段104は、クレジット状態に設定されているメダルがある場合に、ベットボタンB0に対する押下操作(ベット操作の一例)に応答して作動するベットスイッチ220からの入力信号に基づいて、規定数である3枚を限度としてベット記憶手段1903に記憶されているベット枚数を加算更新する処理を行うことにより、クレジット状態に設定されているメダルをベット状態に設定する第2ベット処理を行う。ここでクレジット制御手段108は、第2ベット処理が行われた際には、クレジット記憶手段1904に記憶されているクレジット枚数からベット状態に設定されたメダルの枚数を減算更新する処理を行う。
またクレジット制御手段108は、遊技結果に応じて払い出されるべきメダルを指示する払出制御手段150からの入力信号に基づいて、クレジット記憶手段1904に記憶されているクレジット枚数を50枚を上限として加算更新する処理を行う。ここで、クレジット上限枚数のメダルがクレジット状態に設定されている状態で更に払い出されるべきメダルがある場合には、払出制御手段150は、ホッパーユニット320から実際のメダルを払い出させる。
またクレジット制御手段108は、クレジット表示機CDに対する表示制御も行う。具体的には、クレジット記憶手段1904に記憶されているクレジット枚数に応じた表示制御信号をクレジット表示器CDに対して出力する制御行う。なお本実施形態の遊技機では、クレジット表示器CDが、7セグメント表示器のセグメントを駆動する回路であるセグメントドライバと、メダルのクレジット枚数を0〜50の範囲で表示するべく上位桁表示用の7セグメント表示器と下位桁表示用の7セグメント表示器とから構成されている。そしてクレジット表示器CDでは、セグメントドライバが、クレジット制御手段108からの表示制御信号に応答して7セグメント表示器の各セグメントを駆動するセグメント駆動信号を出力して7セグメント表示器の表示値を変化させている。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバー(回転開始操作手段)SLの押下操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段1911に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶手段1911に、図3に示すような4種類の抽選テーブルA〜抽選テーブルDが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、特殊小役1〜特殊小役3、スイカ、チェリー)、およびビッグボーナス(BB)などの各種の役が対応づけられている。なお本実施形態の遊技機では、各内部抽選テーブルにおいて、内部抽選の対象となっている3種類の特殊小役(特殊小役1〜特殊小役3)が互いに重複して当選することがないように役と乱数値との対応関係が設定されている。
また本実施形態の遊技機では、通常状態、リプレイタイム状態(RT状態)、ボーナス成立状態(BB成立状態)、およびビッグボーナス状態(BB状態:ボーナス状態)という複数種類の遊技状態が設定可能とされており、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて抽選テーブルA〜抽選テーブルDのいずれか1つを内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段1911に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段1912に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。
すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、ビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー(回転開始操作手段)SLの押下操作(回転開始操作)を行うことにより作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動して、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールに対応するストップボタンB1〜B3の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタン(停止操作手段)B1〜B3に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1の停止操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2の停止操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3の停止操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3が、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置は、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で入賞判定ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
具体的には、リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段1913に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下操作が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。このようにすれば、ロジック演算処理で停止位置が決定される場合については、テーブル参照処理で停止位置を決定する必要がなくなるため、停止制御テーブルを設計する際に、全てのデータについて詳細な検証作業を行わなくてもよくなる分だけ遊技機の開発環境を改善することができる。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>小役>ビッグボーナス(BB)」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補の方が優先度が高くなるように優先度を求める。なお、小役の優先順位については、各小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位が設定され、メダルの払出数が多いほど優先順位が高くなるように優先順位を設定している。
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段1913に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下操作が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
ここで本実施形態の遊技機では、図4に示すように、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「RP」や、ベル図柄「BL」に関して、その間隔が4コマ以内となるように図柄が配列されており、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なくリプレイ図柄「RP」や、ベル図柄「BL」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができる図柄配列を有している。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第1リールR1の外周面に配列されている黒7図柄「黒7」、赤7図柄「赤7」、および白7図柄「白7」に関して、その間隔が6コマとなるように図柄が配列されており、ストップボタンB1の押下タイミングに応じて、いずれか1つの図柄を入賞判定ライン上の表示位置に択一的に引き込むことができる図柄配列を有している。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段1914に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
本実施形態では、図4に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、黒7図柄「黒7」、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、リプレイ図柄「RP」、スイカ図柄「WM」が配列されている。そして、各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって、図5に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、特殊小役1〜特殊小役3の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお図5に示すチェリーの入賞形態を示す図柄組合せにおける「ANY」とは、リールの外周面に配列されたいずれの図柄でもよいこと示す。
すなわち本実施形態では、図5に示すように、入賞判定ライン上に「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せが表示された場合に、ビッグボーナス(BB)が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「RP・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「BL・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、ベルが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「WM・WM・WM」の図柄組合せが表示された場合、スイカが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤CH・ANY・ANY」の図柄組合せが表示された場合、赤チェリーが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役1が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「黒7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役2が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白7・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役3が入賞したと判定される。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
なお本実施形態の遊技機では、1種類の小役が複数の入賞判定ラインにおいて重複して入賞した場合に、払出制御手段150が、入賞した小役の配当に当該小役が入賞した入賞判定ラインの数を乗算した結果を、遊技におけるメダルの払出数として決定する。例えば、チェリーが入賞する場合には、必ず2本の入賞判定ライン上にチェリーの入賞形態が表示されるため、チェリーの入賞に伴うメダルの払出数は4枚となる。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、クレジット記憶手段1904に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また遊技の結果、リプレイまたはビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、図5に示すように、リプレイおよびビッグボーナスに対して配当が設定されていないため、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
このように本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、役が入賞したと判定された場合には、払出制御手段150が、メダルを払い出したり、クレジットメダルを追加したりする入賞時処理を実行する手段として機能する。
精算受付手段152は、遊技者による精算ボタンB4の押下操作(精算操作の一例)を受け付けて、遊技機の内部に貯留されたメダルを精算して遊技者に返却するための処理を行う。具体的には精算受付手段152は、遊技者による精算ボタンB4の押下操作によって作動する精算スイッチ250からのクレジット精算信号に基づいて、ベット記憶手段1903に記憶されているベット枚数およびクレジット記憶手段1904に記憶されているクレジット枚数に相当するメダルをホッパーユニット320から払い出させる精算処理を行う。この精算処理が行われると、ベット制御手段104は、ベット記憶手段1903に記憶されているベット枚数を0枚にリセットし、クレジット制御手段108は、クレジット記憶手段1904に記憶されているクレジット枚数を0にリセットする。なお、ベット記憶手段1903に記憶されているベット枚数に相当するメダルに関しては精算できないようにしてもよい。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定数のメダルが自動的にベット状態に設定される自動ベット処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する状態に設定される。
このように本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、リプレイが入賞したと判定された場合には、リプレイ処理手段160が、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を要さずに次回の遊技を行わせるリプレイ処理を入賞時処理として実行する手段として機能する。
遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態(第2遊技区間の一例)、RT状態(第1遊技区間の一例)、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、図3に示す抽選テーブルA〜抽選テーブルDのうち、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定され、リプレイの当選確率が内部抽選テーブルB〜内部抽選テーブルDよりも高く設定された抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。すなわち通常状態は、他の遊技状態よりもリプレイが頻繁に入賞するようになっており、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに遊技を行うことができることが多い点で、遊技者にとって有利な遊技が行われる区間となっている。
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDのうち、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外され、小役の当選確率が通常状態の遊技と同一となり、かつ通常状態の遊技よりもリプレイの当選確率が低くなるように役と乱数値との対応関係が設定された内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
またボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が入賞判定ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる制御を行う。
ボーナス状態は、ボーナス成立状態においてビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDのうち、ビッグボーナス(BB)およびリプレイが内部抽選の対象から除外され、小役の当選確率が内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCよりも高く設定された内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。すなわちボーナス状態は、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選するようになっており、他の遊技状態よりもメダルの払い出しが行われやすい点で、遊技者に有利な遊技が行われる区間となっている。
またボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数(例えば、300枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態をRT状態へ移行させる制御を行う。
RT状態は、ボーナス状態の終了を契機として移行する遊技状態である。RT状態の遊技では、BBが内部抽選の対象として設定され、小役の当選確率が通常状態の遊技と同一となり、かつ通常状態の遊技よりもリプレイの当選確率が低くなるように役と乱数値との対応関係が設定された内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。本実施形態の遊技機では、遊技状態が通常状態である場合に参照される内部抽選テーブルAでは、リプレイの当選確率が約1/2.5となるように役と乱数値との対応関係が設定され、遊技状態がRT状態である場合に参照される内部抽選テーブルBや遊技状態がボーナス成立状態である場合に参照される内部抽選テーブルCでは、リプレイの当選確率が約1/7.3となるように役と乱数値との対応関係が設定されている。すなわちRT状態は、ボーナス状態に比して小役が頻繁には当選せず、通常状態に比してリプレイが頻繁には入賞しないようになっており、ボーナス状態の遊技よりもメダルの払い出しが行われにくく、通常状態よりも遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに遊技を行うことができることが少ない点で、遊技者に不利な遊技が行われる区間となっている。
そしてRT状態では、BBに当選すると、遊技状態をボーナス成立状態へ移行させる制御が行われる。またRT状態では、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数(特定遊技回数の一例)が1000回(移行遊技回数の一例)に達すると、遊技状態を通常状態へ移行させる制御が行われる。
詳細にはRTカウント手段172が、遊技状態がRT状態に設定されたことを契機として、RT状態での遊技が行われる毎に記憶手段190のRT終了判定カウンタ1915の記憶値に1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を開始する。そしてRT回数判定手段174が、RT終了判定カウンタ1915の記憶値がRT状態の終了条件として定められた閾値(例えば、1000)に達したと判定すると、遊技状態移行制御手段170が、遊技状態を通常状態に移行させる。するとRTカウント手段172は、RT終了判定カウンタ1915の記憶値を初期値(例えば、0)にリセットする。またRTカウント手段172は、遊技状態がRT状態である場合にビッグボーナス(BB)が当選することにより、遊技状態移行制御手段170が遊技状態をボーナス成立状態に移行させた場合にも、RT終了判定カウンタ1915の記憶値を初期値にリセットする。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段1921に記憶されている演出データに基づいてランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出やスピーカー等の音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。具体的には、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動など、各種の遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカーから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
また演出制御手段180は、通常演出状態とアシストタイム状態(AT状態)とを含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる。詳細には演出制御手段180は、RT回数判定手段174が、RT終了判定カウンタ1915の記憶値がRT状態の終了条件として定められた閾値(例えば、1000)に達したと判定すると、ATフラグ記憶手段1922にATフラグを設定することにより演出状態をAT状態に移行させる。すなわち本実施形態の遊技機では、RT状態よりもリプレイの当選確率が高い通常状態(第2遊技区間の一例)に遊技状態が移行されるとともに、演出状態がAT状態(第2遊技区間の一例)に移行される。そして演出制御手段180は、演出状態がAT状態である場合に、内部抽選で特殊小役(特殊小役1、特殊小役2、特殊小役3)が当選すると、当選した特殊小役の種類を報知して当選した特殊小役の入賞を補助する補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行っている。これにより本実施形態の遊技機では、演出状態が通常演出状態である遊技における平均的な特殊小役の入賞確率に対して特殊小役の入賞確率を上昇させて遊技者のメダルの獲得率を上昇させることができるようになっている。
詳細には本実施形態の遊技機では、図5に示す特殊小役1〜特殊小役3の入賞形態を示す図柄組合せによると、各特殊小役について第1リールR1の表示図柄が異なっており、特殊小役1の入賞形態における第1リールR1の表示図柄である赤7図柄「赤7」と、特殊小役2の入賞形態における第1リールR1の表示図柄である黒7図柄「黒7」と、特殊小役3の入賞形態における第1リールR1の表示図柄である白7図柄「白7」とが、図4に示した第1リールR1の図柄配列によると、互いに6コマ以上の間隔を空けて離間して配列されている。従って本実施形態の遊技機では、特殊小役1の当選時に黒7図柄「黒7」あるいは白7図柄「白7」を狙ってストップボタンB1を押下すると、特殊小役1を入賞させることができず、特殊小役2の当選時に白7図柄「白7」あるいは赤7図柄「赤7」を狙ってストップボタンB1を押下すると、特殊小役2を入賞させることができず、特殊小役3の当選時に赤7図柄「赤7」あるいは黒7図柄「黒7」を狙ってストップボタンB1を押下すると、特殊小役3を入賞させることができないようになっている。(特殊小役1〜特殊小役3の入賞確率が低い)。
これに対し、演出状態がAT状態である遊技では、内部抽選で特殊小役1〜特殊小役3のいずれかが当選した遊技において、その遊技において当選した特殊小役1〜特殊小役3のいずれかの入賞を補助する補助演出画像が液晶ディスプレイLCDに表示される。具体的には本実施形態では、特殊小役1が当選すると特殊小役1の左図柄である「赤7」を示す補助演出画像が表示され、特殊小役2が当選すると特殊小役2の左図柄である「黒7」を示す補助演出画像が表示され、特殊小役3が当選すると特殊小役3の左図柄である「白7」を示す補助演出画像が表示される。従って演出状態がAT状態である遊技では、表示された補助演出画像に対応する図柄を遊技者が狙って第1リールR1に対応するストップボタンB1を押下することにより、当選した特殊小役1〜特殊小役3を入賞させることが容易になり、特殊小役1〜特殊小役3の入賞確率が高くなる。すなわちAT状態は、通常演出状態(第1遊技区間の一例)よりも特殊小役が頻繁に入賞するようになっている点で、RT状態およびボーナス成立状態の遊技よりもメダルの払い出しが行われやすく、遊技者に有利な遊技が行われる区間となっている。
そして演出制御手段180は、演出状態がAT状態に設定されている場合に内部抽選でBBが当選すると、AT状態の終了条件が成立したと判断し、ATフラグをクリアしてAT状態を終了させる。すなわち本実施形態の遊技機では、BBが当選すると遊技状態が通常状態からボーナス成立状態に移行されるとともに、演出状態がAT状態から通常演出状態に移行される。
また演出制御手段180は、特定演出実行手段182を含む。特定演出実行手段182は、遊技者による精算ボタンB4の押下操作を受け付けた時点で、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数(特定遊技回数の一例)が、RT状態の終了条件として定められた遊技回数(移行遊技回数)である1000回よりも少ない所定の遊技回数である800回(規定遊技回数の一例)に達している場合に、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数が800回に達していること、すなわち遊技状態が通常状態に移行するまでに必要な遊技の回数が200回よりも少なくなっていることを示唆する特定演出を表示装置330や音響装置340等の演出装置に実行させる。本実施形態の遊技機では、演出データ記憶手段1921に、遊技状態が通常状態に移行するまでに必要な遊技の回数が200回よりも少なくなったので遊技を再開した方がよいことを示唆する特定演出用の特定演出データが記憶されており、特定演出実行手段182は、遊技者による精算ボタンB4の押下操作に応答するように、特定演出を表示装置330や音響装置340等の演出装置に実行させる。
詳細にはRT回数判定手段174が、RT終了判定カウンタ1915の記憶値が、特定演出を実行する特定状態の成立条件として定められた閾値(例えば、800)に達したと判定すると、特定演出実行手段182は、記憶手段190の特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態(無効状態の一例)からオン状態(有効状態の一例)に設定する。そして、特定状態フラグがオン状態に設定されている場合に遊技者による精算ボタンB4の押下操作を受け付けると、特定演出実行手段182は、表示装置330や音響装置340等に特定演出を実行させる。
そして特定演出が実行されると、特定演出実行手段182は、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオン状態からオフ状態に設定する。そして特定状態フラグがオフ状態に設定されている場合に遊技者による精算ボタンB4の押下操作を受け付けても、特定演出実行手段182は、表示装置330や音響装置340等に特定演出を実行させない。また、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグがオン状態に設定されている状態で遊技が所定時間以上行われない場合には、特定演出実行手段182は、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオン状態からオフ状態に設定する。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
1−2.本実施形態の制御手法
以下では、本実施形態の遊技機において採用されている制御手法を具体的に説明する。
図6は、本実施形態の遊技機の遊技状態の状態遷移図である。本実施形態の遊技機では、遊技機が設置された遊技場の管理者などにより電源が投入されると、遊技機の初期設定処理が行われる。この初期設定処理では、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDのうち、内部抽選テーブルAが内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択される。すなわち本実施形態の遊技機では、電源投入後の初期状態として、遊技状態が図6に示す通常状態に設定される。
この内部抽選テーブルAは、図3に示すように、リプレイの当選確率が約1/2.5となるように役と乱数値との対応関係が設定されているため、通常状態では、リプレイが頻繁に入賞するようになっている。従って通常状態は、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)が減少しにくい点で、遊技者に有利な遊技区間となっている。ここで電源投入後の初期状態としての通常状態では、演出状態は上述したAT状態ではなく通常演出状態に設定され、当選した特殊小役1〜特殊小役3のいずれかの入賞を補助する補助演出は行われない。
そして通常状態の遊技区間においてBBが当選すると、図6のA1に示すように、遊技状態がボーナス成立状態に移行され、図3に示す内部抽選テーブルCが内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択される。そしてボーナス成立状態の遊技区間においてBBが入賞すると、図6のA2に示すように、遊技状態がボーナス状態に移行され、図3に示す内部抽選テーブルDが内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択される。
この内部抽選テーブルDは、図3に示すように、小役の当選確率が内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCよりも高く設定されているため、ボーナス状態では、小役が頻繁に当選するようになっている。従ってボーナス状態は、遊技者にメダルの払い出しが行われやすい点で、遊技者に有利な遊技区間となっている。
そしてボーナス状態の遊技区間において300枚を超えるメダルが払い出されると、図6のA3に示すように、遊技状態がRT状態に移行され、図3に示す内部抽選テーブルBが内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択される。
この内部抽選テーブルBは、図3に示すように、小役の当選確率が内部抽選テーブルAと同一となり、かつ内部抽選テーブルAよりもリプレイの当選確率が低くなるように役と乱数値との対応関係が設定されているため、RT状態では、ボーナス状態と比較して小役が頻繁には当選せず、通常状態と比較してリプレイが頻繁には入賞しないようになっている。従ってRT状態は、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)が減少しやすい点で、遊技者に不利な遊技区間(第1遊技区間の一例)となっている。
そしてRT状態の遊技区間においてBBが当選すると、図6のA4に示すように、遊技状態がボーナス成立状態に移行され、ボーナス成立状態の遊技区間においてBBが入賞すると、図6のA5に示すように、遊技状態が遊技者に有利なボーナス状態に移行される。またRT状態の遊技区間においてBBが当選しないまま、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数(特定遊技回数の一例)が1000回(移行遊技回数の一例)に達すると、図6のA6に示すように、遊技状態が通常状態に移行される。
そして、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数が1000回に達したことにより遊技状態が通常状態に移行した場合には、演出状態がAT状態に設定される。このAT状態では、上述したように、当選した特殊小役1〜特殊小役3のいずれかの入賞を補助する補助演出が行われるため、AT状態では、特殊小役が頻繁に入賞するようになっている。従ってAT状態は、遊技者にメダルの払い出しが行われやすい点で、遊技者に有利な遊技区間(第2遊技区間の一例)となっている。特に本実施形態の遊技機では、演出状態がAT状態である場合には、遊技状態が通常状態となってリプレイの当選確率が上昇するためいわゆるART状態となっており、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)が減少しにくい点でも、遊技者に有利な遊技区間(第2遊技区間の一例)となっている。
ここで、RT状態の遊技区間における内部抽選で参照される内部抽選テーブルBでは、BBの当選確率が約1/900となっているため、本実施形態の遊技機では、遊技者に不利なRT状態の遊技区間で行われる遊技回数が、他の遊技状態の遊技区間で行われる遊技回数よりも多くなる傾向がある。そして、RT状態は、上述したように遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)が減少しやすい点で、遊技者に不利な遊技区間となっている。従って本実施形態の遊技機では、RT状態の遊技区間において遊技者が精算ボタンB4の押下操作を行って、クレジット状態に設定されているメダルあるいはベット状態に設定されているメダルを精算し、遊技を終了しようとすることが多くなると考えられる。すなわち、本実施形態の遊技機では、遊技機で遊技を行う遊技者がRT状態の遊技区間において入れ替わることが多くなり、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数(特定遊技回数の一例)を遊技者が把握していない場合が多くなると考えられる。
そしてRT状態の遊技区間とは、上述したように1000回の遊技が行われることによりART状態の遊技区間に移行する遊技区間であるが、RT状態の遊技区間から遊技を開始したことにより遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数(RT状態で行われた遊技回数)を把握していない遊技者は、現在までにRT状態で行われた遊技回数が1000回に近い遊技回数(例えば950回)であっても、そのことに気付かずに、精算ボタンB4の押下操作を行って、遊技を終了してしまう場合があると考えられる。
そこで本実施形態の遊技機では、RT状態で行われた遊技回数(特定遊技回数の一例)が1000回に近い遊技回数である800回(規定遊技回数の一例)に達している場合に、遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われると、精算ボタンB4の押下操作に応答するようにして、RT状態で行われた遊技回数が800回に達していること、すなわちART状態の遊技区間に移行するまでに要する遊技回数が200回よりも少なくなっていること(第2遊技区間に移行しやすい状態の一例)を示唆する特定演出が実行される。従って本実施形態の遊技機では、精算ボタンB4の押下操作に応答して特定演出が実行された場合には、精算ボタンB4の押下操作を行った遊技者のその遊技機において遊技を再開する意欲を効果的に高めることができる。
一方、精算ボタンB4の押下操作に応答して特定演出が実行されない場合には、RT状態で行われた遊技回数が800回に達していないことが示唆されるが、RT状態で行われた遊技回数を把握していない遊技者は、精算ボタンB4の押下操作が行われた時点におけるRT状態で行われた遊技回数が、800回に達するまでに要する遊技回数が少ない遊技回数(例えば780回)であるか、あるいは現在の遊技者がその遊技機で行った遊技回数程度の遊技回数(例えば250回)であるかを判別することができない。すなわち、精算ボタンB4の押下操作が行われた時点におけるRT状態で行われた遊技回数(遊技機の状態の一例)が、ART状態の遊技区間に移行するまでに要する遊技回数が200回よりも少なくなっている状態に近い状態(第2遊技区間に移行しやすい状態に近い状態の一例)なのか、遠い状態(第2遊技区間に移行しにくい状態の一例)なのかを判別することができない。
そしてRT状態の遊技区間とは、上述したように1000回の遊技が行われることによりART状態の遊技区間に移行する遊技区間であるため、RT状態で行われた遊技回数を把握していない遊技者は、BBが当選することに対する期待感に加え、ART状態の遊技区間に移行することに対する期待感を高めている場合が多くなると考えられる。従って本実施形態の遊技機では、精算ボタンB4の押下操作に応答して特定演出が実行されない場合であっても、RT状態で行われた遊技回数が800回に達するまでに要する遊技回数が少ない遊技回数であることに対する遊技者の期待感を残存させることができるので、精算ボタンB4の押下操作を行った遊技者のその遊技機において遊技を再開する意欲を効果的に高めることができる。
ここで本実施形態の遊技機では、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数が800回に達すると特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグがオン状態に設定され、この状態で遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われると、上述した特定演出が実行される。しかし特定状態フラグがオン状態に設定されている場合であっても、RT状態においてBBが当選することにより遊技状態がボーナス成立状態に移行した場合には、特定状態フラグがオフ状態に設定される。従って、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数が800回に達した状態で遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われても、遊技状態がボーナス成立状態に移行している場合には特定状態フラグがオフ状態になっているので特定演出が実行されない。
そしてRT状態の遊技区間とボーナス成立状態の遊技区間では、上述したように小役およびリプレイの当選確率が同一に設定されているため(図3参照)、現在の遊技区間がRT状態とボーナス成立状態のいずれの遊技区間であるかを遊技者が判別しにくいようになっている。従って、遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われても特定演出が実行されない原因が、RT状態で行われた遊技回数が800回に達していないためなのか、遊技状態がボーナス成立状態に移行したためなのかを遊技者が判別しにくいようになっている。
これにより本実施形態の遊技機では、遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われても特定演出が実行されない場合には、RT状態で行われた遊技回数が800回に達していないか、遊技状態がボーナス成立状態に移行しているかのいずれかであることが示唆される。従って本実施形態の遊技機では、精算ボタンB4の押下操作に応答して特定演出が実行されない場合であっても、遊技状態がボーナス成立状態に移行していることに対する遊技者の期待感を残存させることができるので、精算ボタンB4の押下操作を行った遊技者のその遊技機において遊技を再開する意欲を効果的に高めることができる。
こうして本実施形態の遊技機では、特定演出が行われた場合には、ART状態の遊技区間に移行するまでに要する遊技回数が200回よりも少なくなっていることが示唆されることにより、遊技者に遊技を再開させる動機付けを与えることができるようにしつつ、特定演出が行われない場合であっても、ART状態の遊技区間に移行するまでに要する遊技回数が200回よりも少なくなっている状態に近い状態であることに対する遊技者の期待感、あるいは遊技状態がボーナス成立状態に移行していることに対する遊技者の期待感を残存させることができるので、遊技者に遊技を再開させる動機付けを与えることができる。
また本実施形態の遊技機では、特定フラグがオン状態に設定されている場合に精算ボタンB4が押下されると、特定状態フラグがオフ状態にリセットされる。そして、遊技状態がBB状態を経由した後に再びRT状態に移行してRT状態の遊技区間の遊技回数が800回に達しない限り、特定状態フラグはオン状態に設定されない。すなわち、1つのRT状態の遊技区間では1回に限り特定演出が行われるようにしている。従って本実施形態の遊技機では、遊技を開始したタイミングは問わないが、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技回数が少なくとも800回に達するまでRT状態の遊技を継続して行った遊技者に対して特定演出が行われるようにし、他の遊技者が形式的にメダル投入口MIへのメダルの投入を行って精算ボタンB4の押下操作を行うことにより特定演出を行わせるような行為を防止することができる。
また本実施形態の遊技機では、特定フラグがオン状態に設定されている状態で、有効化されたスタートレバーSLの押下操作が10分間以上行われない場合(遊技が所定時間以上行われない場合の一例)にも、特定フラグがオフ状態に設定される。これにより本実施形態の遊技機では、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技回数が800回に達した際に遊技を行っていた遊技者が精算ボタンB4の押下操作を行わずに遊技を終了させた場合あるいは離席した場合に、他の遊技者が精算ボタンB4の押下操作を行うことにより特定演出を行わせるような行為を防止することができる。
1−3.本実施形態の処理の流れ
続いて、フローチャートを参照しながら本実施形態の制御手法を実現する処理の一例について説明する。
図7は、RTカウント手段172によって行われるカウント処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すようにRTカウント手段172は、まず、遊技状態がRT状態に移行すると(ステップS10でY)、スタートレバーSLの押下操作が行われたか否かを監視する(ステップS12)。そして、スタートレバーSLの押下操作が行われ(ステップS12でY)、内部抽選においてBBが当選した場合には(ステップS14でY)、RT終了判定カウンタ1915のカウント値を初期値にリセットする(ステップS16)。一方、内部抽選においてBBが当選しない場合には(ステップS14でN)、RT終了判定カウンタ1915のカウント値に+1を加算する(ステップS18)。そしてRT終了判定カウンタ1915のカウント値が1000に達すると(ステップS20でY)、RT終了判定カウンタ1915のカウント値を初期値にリセットする(ステップS16)。一方、RT終了判定カウンタ1915のカウント値が1000に達しない場合には(ステップS20でN)、ステップS12に戻る。
図8は、本実施形態の特定演出実行手段182によって行われる特定フラグ設定処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように特定演出実行手段182は、まず、RT終了判定カウンタ1915のカウント値が800に達すると(ステップS30でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオン状態に設定する(ステップS32)。そして精算ボタンB4の押下操作が行われると(ステップS34でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS36)。一方、精算ボタンB4の押下操作が行われない場合には(ステップS34でN)、内部抽選においてBBが当選したか否かを判断し(ステップS38)、BBが当選した場合には(ステップS38でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS36)。また、BBが当選していない場合には(ステップS38でN)、RT終了判定カウンタ1915のカウント値が1000に達したか否か判断し(ステップS40)、RT終了判定カウンタ1915のカウント値が1000に達した場合には(ステップS40でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS36)。また、RT終了判定カウンタ1915のカウント値が1000に達していない場合には(ステップS40でN)、特定フラグがオン状態に設定された状態でスタートレバーSLの押下操作が行われずに10分が経過したか否か判断し(ステップS42)、スタートレバーSLの押下操作が行われずに10分が経過した場合には(ステップS42でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS36)。また、スタートレバーSLの押下操作が行われずに10分が経過していない場合には(ステップS42でN)、ステップS34に戻る。
図9は、本実施形態の特定演出実行手段182によって行われる特定演出処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように特定演出実行手段182は、まず、精算ボタンB4の押下操作が行われると(ステップS50でY)、特定フラグがオン状態か否か判断し(ステップS52)、特定フラグがオン状態である場合には(ステップS52でY)、特定演出を表示装置330や音響装置340等の演出装置に実行させる(ステップS54)。一方、特定フラグがオフ状態である場合には(ステップS52でN)、特定演出を表示装置330や音響装置340等の演出装置に実行させない。
1−4.変形例
本発明は、上記第1実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記第1実施形態および以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
1−4−1.変形例1
例えば上記第1実施形態では、移行遊技回数が1000回であり、規定遊技回数が800回である例を挙げて説明したが、移行遊技回数および規定遊技回数は任意の回数を設定することができる。例えば、規定遊技回数は、移行遊技回数の半分程度の遊技回数としてもよい。具体的には、移行遊技回数が1000回である場合には規定遊技回数を500回程度としてもよい。
また、移行遊技回数と規定遊技回数との関係も任意に設定することができ、例えば移行遊技回数が大きくなるにつれ移行遊技回数に対する規定遊技回数の割合が大きくなるような関係にしてもよい。具体的には、移行遊技回数が500回である場合には規定遊技回数を250回程度としてもよく、移行遊技回数が1000回である場合には規定遊技回数を800回程度としてもよい。
ここで、移行遊技回数に対して規定遊技回数があまりに少ないと、つまり特定演出が行われることにより遊技を再開してからART状態の遊技区間に移行するまでに要する遊技回数があまりに多くなると、特定演出が行われる頻度は高くなるが、特定演出が行われても遊技者のその遊技機において遊技を再開する意欲を効果的に高めることができなくなってしまう。また、移行遊技回数に対して規定遊技回数があまりに多いと、つまり遊技状態がRT状態に移行してから特定演出が行われるようにするまでに要する遊技回数があまりに多くなると、特定演出が行われる頻度が低くなるため遊技者のその遊技機において遊技を再開する意欲を効果的に高めることができなくなってしまう。従って、これらのバランスを考慮して移行遊技回数と規定遊技回数とを設定することが好ましい。
1−4−2.変形例2
また上記第1実施形態では、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技の回数が800回に達した状態で遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われた場合には、必ず特定演出が行われる例を挙げて説明したが、このような場合であっても特定演出が行われない場合があるようにしてもよい。この場合には特定演出実行手段182が、特定状態フラグがオン状態に設定されている場合に遊技者による精算ボタンB4の押下操作を受け付けると、特定遊技回数が規定遊技回数に達していることが特定演出により不確定的に示唆されるようにしてもよい。例えば特定演出実行手段182が、ART状態の遊技区間に移行するまでに要する遊技回数が200回よりも少なくなっていることの信頼度が異なる複数種類の特定演出のうちいずれを実行するか、あるいはいずれも実行しないかを決定する特定演出抽選を行い、特定演出抽選の結果に応じて表示装置330や音響装置340等に特定演出を実行させるようにしてもよい。
1−4−3.変形例3
また上記第1実施形態では、リプレイの当選確率が通常状態よりも低確率に設定されたRT状態が、遊技者にとって相対的に不利な遊技が行われる第1遊技区間として設定され、ART状態が、遊技者にとって相対的に有利な遊技が行われる第2遊技区間として設定される例を挙げて説明したが、ART状態を、通常状態よりもリプレイの当選確率が高いRT状態とAT状態との組合せにより実現し、通常状態の遊技区間を第1遊技区間として、ART状態が終了すると遊技状態を通常状態に移行させるようにしてもよい。この場合には、通常カウント手段が、遊技状態が通常状態に設定されたことを契機として、通常状態での遊技が行われる毎に記憶手段190の通常状態カウンタの記憶値に1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を開始し、通常回数判定手段が、通常状態カウンタの記憶値が800に達したと判定すると、特定演出実行手段182が、記憶手段190の特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態からオン状態に設定するようにしてもよい。
そしてこの場合には、ART状態への移行条件を、入賞判定ライン上に特定の図柄組合せが表示されたこととすることができ、ART状態の終了条件を、入賞判定ライン上に特定の図柄組合せが表示されてから所定の回数の遊技が行われたこととすることができる。そしてこの場合には、通常状態カウンタの記憶値が1000に達したと判定すると、ART状態への移行契機となっている特定の図柄組合せの入賞を補助する特殊演出を実行して、特殊演出が実行されなければ入賞させることが困難な特定の図柄組合せを入賞させやすくすることにより、遊技区間をART状態の遊技区間に移行させるようにしてもよい。
また、通常状態やRT状態などリプレイの当選確率が相対的に高確率となるリプレイ高確率状態とAT状態とは同期して移行する必要はなく、それぞれに異なる移行条件と終了条件とが設定されるようにしてもよい。例えば、第2遊技区間あるいは第3遊技区間として、リプレイ高確率状態の遊技区間またはAT状態の遊技区間が設定されるようにしてもよい。
2.第2実施形態
続いて本発明の第2実施形態の遊技機について説明する。
2−1.構成
第2実施形態の遊技機は、上記第1実施形態の遊技機とほぼ同様の構成を有しているため、同様の点については詳細な説明を省略し、主要な相違点について説明する。
図10は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態では図10に示す演出制御手段180が、上記第1実施形態と同様に、通常演出状態とAT状態(第5遊技区間の一例)とを含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる。しかし上記第1実施形態とは異なり、本実施形態では演出制御手段180は、遊技状態が図6で示したRT状態である場合に、スタートレバーSLの押下操作が行われる毎に、演出状態を通常演出状態からAT状態へ移行させるか否かを決定するAT移行抽選を行っている。そしてAT移行抽選の結果が当選であると、演出制御手段180は、ATフラグ記憶手段1922にATフラグを設定する(第5遊技区間へ遊技区間を移行させるための処理の一例)ことにより演出状態をAT状態に移行させる。
そして演出制御手段180は、上記第1実施形態と同様に、演出状態がAT状態である場合に、内部抽選で特殊小役(特殊小役1、特殊小役2、特殊小役3)が当選すると、当選した特殊小役の入賞を補助する補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行っている。すなわちAT状態は、通常演出状態よりも特殊小役が頻繁に入賞するようになっている点で、通常演出状態の遊技よりもメダルの払い出しが行われやすく、遊技者に有利な遊技が行われる区間となっている。
詳細には演出制御手段180は、図10に示すように、上記第1実施形態と同様に特定演出実行手段182を含む他に、上記第1実施形態とは異なり、演出移行抽選手段183と、演出移行制御手段184と、演出カウント手段185と、高確回数判定手段186とを更に含む。
演出移行抽選手段183は、遊技が行われる毎に、演出状態をAT状態へ移行させるか否かを決定するAT移行抽選を行う。詳細には記憶手段190の移行抽選テーブル記憶手段1923には、図11に示すように、AT状態への移行の当選確率が相対的に低く設定された移行抽選テーブルAと、AT状態への移行の当選確率が相対的に高く設定された移行抽選テーブルBとが記憶されている。
演出移行制御手段184は、通常演出状態とAT状態との間で演出状態を移行させるとともに、通常演出状態の中でも、AT移行抽選が行われないAT無抽選状態と、AT状態への移行が相対的に低確率で当選するように移行抽選テーブルAを参照したAT移行抽選が行われるAT低確率状態(第3遊技区間の一例)と、AT状態への移行が相対的に高確率で当選するように移行抽選テーブルBを参照したAT移行抽選が行われるAT高確率状態(第4遊技区間の一例)との間で、演出状態を移行させる。
AT無抽選状態は、通常演出状態のうち、遊技状態がRT状態以外の遊技状態である場合に設定される演出状態であり、AT無抽選状態からはAT低確率状態への移行が可能となっている。
AT低確率状態は、AT高確率状態よりもAT状態に移行しにくくなっている点で、AT高確率状態よりも遊技者に不利な遊技が行われる遊技区間となっている。またAT低確率状態は、通常演出状態のうち、遊技状態がBB状態からRT状態に移行したことを契機として移行する演出状態であり、AT低確率状態からはAT高確率状態、AT状態、AT無抽選状態への移行が可能となっている。
詳細にはAT低確率状態で参照される移行抽選テーブルAでは、図11に示すように、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、AT状態への移行の当選、AT高確率状態への移行の当選、不当選のいずれかが対応付けられている。そしてAT低確率状態では、AT移行抽選においてAT高確率状態への移行が当選した場合には、演出状態がAT高確率状態に移行され、AT移行抽選においてAT状態への移行が当選した場合には、演出状態がAT状態に移行され、AT移行抽選の結果が不当選である場合には演出状態がAT低確率状態に維持される。またAT低確率状態では、RT状態が終了した場合には、演出状態がAT無抽選状態に移行される。
AT高確率状態は、AT低確率状態よりもAT状態に移行しやすくなっている点で、AT低確率状態よりも遊技者に有利な遊技が行われる遊技区間となっている。またAT高確率状態は、通常演出状態のうち、AT低確率状態でのAT移行抽選においてAT高確率状態への移行が当選したことを契機として移行する演出状態であり、AT高確率状態からはAT低確率状態、AT状態、AT無抽選状態への移行が可能となっている。
詳細にはAT高確率状態で参照される移行抽選テーブルBでは、図11に示すように、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、AT状態への移行の当選、または不当選のいずれかが対応付けられている。そしてAT高確率状態では、AT移行抽選においてAT状態への移行が当選したことを契機として、演出状態がAT状態に移行され、AT移行抽選の結果が不当選である場合には演出状態がAT高確率状態に維持され、AT高確率状態において30回の遊技が行われたことを契機として、演出状態がAT低確率状態に移行される。またAT高確率状態でも、RT状態が終了した場合には、演出状態がAT無抽選状態に移行される。
具体的にはAT高確率状態では、演出カウント手段185が、演出状態がAT高確率状態に設定されたことを契機として、AT高確率状態での遊技が行われる毎に記憶手段190の高確終了判定カウンタ1924の記憶値に1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を開始する。そして高確回数判定手段186が、高確終了判定カウンタ1924の記憶値がAT高確率状態の終了条件として定められた閾値(例えば、30)に達したと判定すると、演出移行制御手段184が、演出状態をAT低確率状態に移行させる。すると演出カウント手段185は、高確終了判定カウンタ1924の記憶値を初期値(例えば、0)にリセットする。また演出カウント手段185は、AT高確率状態においてAT状態への移行が当選した場合、あるいはAT高確率状態においてRT状態が終了した場合にも、高確終了判定カウンタ1924の記憶値を初期値にリセットする。
AT状態は、AT低確率状態またはAT高確率状態でのAT移行抽選においてAT状態への移行が当選したことを契機として移行する演出状態であり、AT状態からはAT低確率状態、AT無抽選状態への移行が可能となっている。そしてAT状態では、AT状態において100回の遊技が行われたことを契機として、演出状態がAT低確率状態に移行される。またAT状態でも、RT状態が終了した場合には、演出状態がAT無抽選状態に移行される。なおAT状態では、AT移行抽選は行われない。
そして本実施形態の特定演出実行手段182は、遊技者による精算ボタンB4の押下操作を受け付けた時点で、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数(特定遊技回数の一例)が、AT高確率状態の終了条件として定められた遊技回数(移行遊技回数)である30回よりも少ない所定の遊技回数である15回(規定遊技回数の一例)に達している場合に、演出状態がAT高確率状態であることを示唆する特定演出を表示装置330や音響装置340等の演出装置に実行させる。本実施形態の遊技機では、演出データ記憶手段1921に、演出状態がAT高確率状態であるので遊技を再開した方がよいことを示唆する特定演出用の特定演出データが記憶されており、特定演出実行手段182は、遊技者による精算ボタンB4の押下操作に応答するように、特定演出を表示装置330や音響装置340等の演出装置に実行させる。
詳細には高確回数判定手段186が、高確終了判定カウンタ1924の記憶値が、特定演出を実行する特定状態の成立条件として定められた閾値(例えば、15)に達したと判定すると、特定演出実行手段182は、記憶手段190の特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態(無効状態の一例)からオン状態(有効状態の一例)に設定する。そして、特定状態フラグがオン状態に設定されている場合に遊技者による精算ボタンB4の押下操作を受け付けると、特定演出実行手段182は、表示装置330や音響装置340等に特定演出を実行させる。
2−2.本実施形態の制御手法
以下では、本実施形態の遊技機において採用されている制御手法を具体的に説明する。
図12は、本実施形態の遊技機の演出状態の状態遷移図である。本実施形態の遊技機では、遊技状態が通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態である場合には、演出状態は、図12に示す通常演出状態のうちAT無抽選状態に設定される。このAT無抽選状態では、AT移行抽選は行われない。
そして、ボーナス状態が終了して遊技状態がRT状態に移行すると、演出状態は、図12のB1に示すように、演出状態がAT低確率状態(第3遊技区間の一例)に移行される。このAT低確率状態では、移行抽選テーブルAがAT移行抽選で使用する抽選テーブルとして選択される。
この移行抽選テーブルAは、図11に示すように、AT状態への移行の当選確率が約1/400、AT高確率状態への移行の当選確率が約1/50、不当選(ハズレ)確率が約391/400となるように役と乱数値との対応関係が設定されている。従ってAT低確率状態は、遊技状態が遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)が減少しやすいRT状態である上に、AT状態への移行が当選しにくくなっている点で、遊技者に不利な遊技区間となっている。
そして、AT低確率状態の遊技区間においてAT高確率状態への移行が当選すると、図12のB2に示すように、演出状態がAT高確率状態(第4遊技区間の一例)に移行される。このAT高確率状態では、移行抽選テーブルBがAT移行抽選で使用する抽選テーブルとして選択される。
この移行抽選テーブルBは、図11に示すように、AT状態への移行の当選確率が約1/50、不当選確率が約49/50となるように役と乱数値との対応関係が設定されている。従ってAT高確率状態は、遊技状態が遊技者の手持ちのメダルが減少しやすいRT状態であるものの、AT低確率状態よりもAT状態への移行が当選しやすくなっている点で、AT低確率状態よりも遊技者に有利な遊技区間となっている。
そして、AT高確率状態の遊技区間において30回の遊技が行われると、図12のB3に示すように、演出状態がAT低確率状態に移行される。ここで本実施形態の遊技機では、演出状態がAT低確率状態とAT高確率状態との間で移行したことは遊技者には報知されないため、現在の演出状態がAT低確率状態であるかAT高確率状態であるかを遊技者が判別できないようになっている。
そしてAT低確率状態の遊技区間においてAT状態への移行が当選すると、図12のB4に示すように、演出状態がAT状態(第5遊技区間の一例)に移行される。また、AT高確率状態の遊技区間においてもAT状態への移行が当選すると、図12のB5に示すように、演出状態がAT状態に移行される。そしてAT状態の遊技区間では、内部抽選で特殊小役(特殊小役1、特殊小役2、特殊小役3)が当選すると、当選した特殊小役の種類を報知する補助演出が行われる。従ってAT状態の遊技区間は、AT低確率状態の遊技区間およびAT高確率状態の遊技区間よりも遊技者に有利な遊技が行われる遊技区間となっている。そしてAT状態の遊技区間において100回の遊技が行われると、図12のB6に示すように、演出状態がAT低確率状態に移行される。なお、本実施形態の遊技機では、演出状態がAT状態に移行したことは遊技者には報知されないため、現在の演出状態がAT状態であるか否かは補助演出が行われるまで遊技者が判別できないようになっている。
なお、AT低確率状態の遊技区間、AT高確率状態の遊技区間、AT状態の遊技区間のいずれにおいても、内部抽選でBBが当選するか、遊技状態がRT状態に移行してから行われた遊技回数が1000回に達することによりRT状態が終了すると、演出状態がAT無抽選状態に移行される。
ここで、AT低確率状態の遊技区間におけるAT移行抽選で参照される移行抽選テーブルAでは、AT状態への移行の当選確率が約1/400となっており、AT高確率状態への移行の当選確率が約1/50となっているため、本実施形態の遊技機では、遊技者に不利なAT低確率状態の遊技区間で行われる遊技回数が他の演出状態の遊技区間で行われる遊技回数よりも多くなる傾向がある。そしてAT低確率状態の遊技区間は、上述したように遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)が減少しやすい上に、AT状態に移行しにくい点で、遊技者に不利な遊技区間となっている。
一方、AT高確率状態の遊技区間は、AT状態に移行しやすい点でAT低確率状態の遊技区間よりも遊技者に有利な遊技区間となっているものの、現在の遊技区間がAT低確率状態の遊技区間およびAT高確率状態の遊技区間のいずれであるかを遊技者が判別がつかないようになっている。従って本実施形態の遊技機では、AT低確率状態の遊技区間またはAT高確率状態の遊技区間において遊技者が精算ボタンB4の押下操作を行って、クレジット状態に設定されているメダルあるいはベット状態に設定されているメダルを精算し、遊技を終了することが多いと考えられる。
これに対し、現在の演出状態がAT高確率状態であることが遊技者に報知されれば、遊技者の遊技を継続あるいは再開する意欲を高めることができる。しかしこのような構成を採用した場合には、現在の演出状態がAT低確率状態である場合には、遊技者の遊技を継続あるいは再開する意欲を高めることができない。
そこで本実施形態の遊技機では、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数(特定遊技回数の一例)が、15回(規定遊技回数の一例)に達している場合に、遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われると、精算ボタンB4の押下操作に応答するようにして、演出状態がAT高確率状態(第5遊技区間に移行しやすい状態の一例)であることを示唆する特定演出が実行される。従って本実施形態の遊技機では、精算ボタンB4の押下操作に応答して特定演出が実行された場合には、精算ボタンB4の押下操作を行った遊技者のその遊技機において遊技を再開する意欲を効果的に高めることができる。
一方、精算ボタンB4の押下操作に応答して特定演出が実行されない場合には、演出状態がAT低確率状態であるか、演出状態はAT高確率状態であるがAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数が15回に達していないかのいずれかであることが示唆される。従って本実施形態の遊技機では、精算ボタンB4の押下操作に応答して特定演出が実行されない場合であっても、演出状態がAT高確率状態であることに対する遊技者の期待感を残存させることができるので、精算ボタンB4の押下操作を行った遊技者のその遊技機において遊技を再開する意欲を効果的に高めることができる。
ここで本実施形態の遊技機では、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数が15回に達すると特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグがオン状態に設定され、この状態で遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われると、上述した特定演出が実行される。しかし特定状態フラグがオン状態に設定されている場合であっても、RT状態においてBBが当選することにより遊技状態がボーナス成立状態に移行した場合には、特定状態フラグがオフ状態に設定される。従って、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数が15回に達した状態で遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われても、遊技状態がボーナス成立状態に移行している場合には特定状態フラグがオフ状態になっているので特定演出が実行されない。
そしてRT状態(AT低確率状態およびAT高確率状態)の遊技区間とボーナス成立状態の遊技区間では、上述したように小役およびリプレイの当選確率が同一に設定されているため(図3参照)、現在の遊技区間がRT状態とボーナス成立状態のいずれの遊技区間であるかを遊技者が判別しにくいようになっている。従って、遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われても特定演出が実行されない原因が、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数が15回に達していないためなのか、遊技状態がボーナス成立状態に移行したためなのかを遊技者が判別しにくいようになっている。
これにより本実施形態の遊技機では、遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われても特定演出が実行されない場合には、演出状態がAT低確率状態であるか、あるいは演出状態はAT高確率状態であるがAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数が15回に達していないか、あるいは遊技状態がボーナス成立状態に移行しているかのいずれかであることが示唆される。従って本実施形態の遊技機では、精算ボタンB4の押下操作に応答して特定演出が実行されない場合であっても、遊技状態がボーナス成立状態に移行していることに対する遊技者の期待感を残存させることができるので、精算ボタンB4の押下操作を行った遊技者のその遊技機において遊技を再開する意欲を効果的に高めることができる。
こうして本実施形態の遊技機では、特定演出が行われた場合には、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数が15回に達していることが示唆されることにより、遊技者に遊技を再開させる動機付けを与えることができるようにしつつ、特定演出が行われない場合であっても、演出状態がAT高確率状態に移行していることに対する遊技者の期待感、あるいは遊技状態がボーナス成立状態に移行していることに対する遊技者の期待感を残存させることができるので、遊技者に遊技を再開させる動機付けを与えることができる。
また本実施形態の遊技機では、特定フラグがオン状態に設定されている場合に精算ボタンB4が押下されると、特定状態フラグがオフ状態にリセットされる。そして、演出状態がAT低確率状態またはAT状態を経由した後に再びAT高確率状態に移行してから行われた遊技回数が15回に達しない限り、特定状態フラグはオン状態に設定されない。すなわち、1つのAT高確率状態の遊技区間では1回に限り特定演出が行われるようにしている。従って本実施形態の遊技機では、遊技を開始したタイミングは問わないが、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技回数が少なくとも15回に達するまでAT低確率状態およびAT高確率状態の遊技を継続して行った遊技者に対して特定演出が行われるようにし、他の遊技者が形式的にメダル投入口MIへのメダルの投入を行って精算ボタンB4の押下操作を行うことにより特定演出を行わせるような行為を防止することができる。
また本実施形態の遊技機では、特定フラグがオン状態に設定されている状態で、有効化されたスタートレバーSLの押下操作が10分間以上行われない場合(遊技が所定時間以上行われない場合の一例)にも、特定フラグがオフ状態に設定される。これにより本実施形態の遊技機では、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技回数が15回に達した際に遊技を行っていた遊技者が精算ボタンB4の押下操作を行わずに遊技を終了させた場合あるいは離席した場合に、他の遊技者が精算ボタンB4の押下操作を行うことにより特定演出を行わせるような行為を防止することができる。
2−3.本実施形態の処理の流れ
続いて、フローチャートを参照しながら本実施形態の制御手法を実現する処理の一例について説明する。
図13は、演出カウント手段185によって行われるカウント処理の流れを示すフローチャートである。図13に示すように演出カウント手段185は、まず、演出状態がAT高確率状態に移行すると(ステップS100でY)、スタートレバーSLの押下操作が行われたか否かを監視する(ステップS102)。そして、スタートレバーSLの押下操作が行われ(ステップS102でY)、内部抽選においてBBが当選したか、RT状態で行われた遊技回数が1000回に達したことによりRT状態が終了した場合には(ステップS104でY)、高確終了判定カウンタ1924のカウント値を初期値にリセットする(ステップS106)。一方、RT状態が終了しない場合には(ステップS104でN)、AT移行抽選においてAT状態への移行が当選したか否か判断し(ステップS105)、AT移行抽選においてAT状態への移行が当選した場合には(ステップS105でY)、高確終了判定カウンタ1924のカウント値を初期値にリセットする(ステップS106)。一方、AT移行抽選においてAT状態への移行が当選しない場合には(ステップS105でN)、高確終了判定カウンタ1924のカウント値に+1を加算する(ステップS108)。そして高確終了判定カウンタ1924のカウント値が30に達すると(ステップS110でY)、高確終了判定カウンタ1924のカウント値を初期値にリセットする(ステップS106)。一方、高確終了判定カウンタ1924のカウント値が30に達しない場合には(ステップS110でN)、ステップS102に戻る。
図14は、本実施形態の特定演出実行手段182によって行われる特定フラグ設定処理の流れを示すフローチャートである。図14に示すように特定演出実行手段182は、まず、高確終了判定カウンタ1924のカウント値が15に達すると(ステップS120でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオン状態に設定する(ステップS122)。そして精算ボタンB4の押下操作が行われると(ステップS124でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS126)。一方、精算ボタンB4の押下操作が行われない場合には(ステップS124でN)、内部抽選においてBBが当選したか、RT状態で行われた遊技回数が1000回に達したことによりRT状態が終了したか否かを判断し(ステップS128)、RT状態が終了した場合には(ステップS128でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS126)。また、RT状態が終了していない場合には(ステップS128でN)、AT移行抽選においてAT状態への移行が当選したか否かを判断し(ステップS129)、AT状態への移行が当選した場合には(ステップS129でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS126)。また、AT状態への移行が当選していない場合には(ステップS129でN)、高確終了判定カウンタ1924のカウント値が30に達したか否か判断し(ステップS130)、高確終了判定カウンタ1924のカウント値が30に達した場合には(ステップS130でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS126)。また、高確終了判定カウンタ1924のカウント値が30に達していない場合には(ステップS130でN)、特定フラグがオン状態に設定された状態でスタートレバーSLの押下操作が行われずに10分が経過したか否か判断し(ステップS132)、スタートレバーSLの押下操作が行われずに10分が経過した場合には(ステップS132でY)、特定状態フラグ記憶手段1925の特定状態フラグをオフ状態に設定する(ステップS126)。また、スタートレバーSLの押下操作が行われずに10分が経過していない場合には(ステップS132でN)、ステップS124に戻る。
なお、本実施形態の特定演出実行手段182によって行われる特定演出処理の流れを示すフローチャートは、図9で示した第1実施形態の特定演出実行手段182によって行われる特定演出処理の流れを示すフローチャートと同一であるので図示および説明を省略する。
2−4.変形例
本発明は、上記第2実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記第2実施形態および以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
2−4−1.変形例1
例えば上記第2実施形態では、移行遊技回数が30回であり、規定遊技回数が15回である例を挙げて説明したが、移行遊技回数および規定遊技回数は、上記第1実施形態と同様に任意の回数を設定することができる。
2−4−2.変形例2
また上記第2実施形態では、演出状態がAT高確率状態に移行してから行われた遊技の回数が15回に達した状態で遊技者による精算ボタンB4の押下操作が行われた場合には、必ず特定演出が行われる例を挙げて説明したが、このような場合であっても特定演出が行われない場合があるようにしてもよい。この場合には特定演出実行手段182が、特定状態フラグがオン状態に設定されている場合に遊技者による精算ボタンB4の押下操作を受け付けると、現在の遊技区間が第4遊技区間であることが特定演出により不確定的に示唆されるようにしてもよい。例えば特定演出実行手段182が、現在の遊技区間が第4遊技区間であることの信頼度が異なる複数種類の特定演出のうちいずれを実行するか、あるいはいずれも実行しないかを決定する特定演出抽選を行い、特定演出抽選の結果に応じて表示装置330や音響装置340等に特定演出を実行させるようにしてもよい。
2−4−3.変形例3
また上記第2実施形態では、リプレイの当選確率が通常状態よりも低確率に設定されたRT状態において、AT移行抽選が行われる例を挙げて説明したが、RT状態に加え通常状態においてもAT移行抽選が行われるようにしてもよい。
また、RT状態よりも通常状態の方がリプレイの当選確率が低くなるようにしておき、通常状態においてAT移行抽選が行われるようにしてもよい。
2−4−4.変形例4
また上記第2実施形態では、AT移行抽選でAT状態への移行が当選すると演出状態がAT状態に移行される例を挙げて説明したが、AT状態への移行条件を特定の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されることとし、AT移行抽選では、特定の図柄組合せの入賞を補助する特定補助演出を行うか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、第5遊技区間へ遊技区間を移行させるための処理として、特定の図柄組合せの入賞を補助する特定補助演出を行うようにしてもよい。
2−4−5.変形例5
また上記第2実施形態では、精算操作を受け付けた時点で、特定遊技回数が規定遊技回数に達している場合に、演出手段に特定演出を実行させる例を挙げて説明したが、演出状態がAT高確率状態に移行したことを契機として、演出状態がAT高確率状態に滞在している経過時間を計測する経過時間カウント手段と、経過時間が所定時間に達しているか否かを判定する経過時間判定手段とを備えるようにし、特定演出実行手段182が、精算操作を受け付けた時点で、経過時間が所定時間に達している場合に、演出手段に特定演出を実行させるようにしてもよい。