JP2011014796A - 不揮発性記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の配線と第2の配線との交差部に整流層と不揮発性記憶層を有する不揮発性記憶装置で、整流層としてPINダイオードを用いる場合に比して厚さを抑え、整流層のダイオード特性を一様に揃えることができる不揮発性記憶装置を提供する。
【解決手段】第1の方向に延在するワード線WLと、ワード線WLとは異なる高さに形成され、第2の方向に延在するビット線BLと、ワード線WLとビット線BLとが交差する位置にワード線WLとビット線BLの間に挟持されるように配置される、抵抗変化素子10と整流素子20とを含むメモリセルMCと、を備え、整流素子20は、逆方向電極21、シリコン窒化膜22を含む絶縁膜、金属酸化物半導体からなる金属酸化膜23、および順方向電極24の積層構造を有する。
【選択図】図1−2

Description

本発明は、不揮発性記憶装置に関する。
NAND型フラッシュメモリに代表される不揮発性メモリは、大容量データ格納用として、携帯電話、デジタルスチルカメラ、USB(Universal Serial Bus)メモリ、シリコンオーディオなどに広く用いられており、急速な微細化によるビットあたりの製造コストの削減によってさらに市場の拡大を続けている。しかしながら、NAND型フラッシュメモリは、しきい値変動によって情報を記録するトランジスタ動作を利用しており、今後のさらなるスケーリングに対してトランジスタ特性の高均一化、高信頼性化、高速動作化および高集積化に限界があると言われており、新しい不揮発性メモリが求められている。
このような要求に応える不揮発性メモリとして、相変化メモリ(PCM:Phase-Change Memory)素子や抵抗変化型メモリ(ReRAM:Resistive Random Access Memory)素子が挙げられる。これらの相変化メモリ素子や抵抗変化型メモリ素子は、抵抗材料の可変抵抗状態を利用して動作するために、書き込み/消去にトランジスタ動作が不要であり、また、抵抗材料のサイズを微細化するほど素子特性が改善するという特徴を有する。
抵抗変化型メモリにおいては、第1の方向に並行して延在する複数のワード線と、第2の方向に並行して延在する複数のビット線との交差部に、抵抗変化素子がアレイ状に配列して構成される。また、抵抗変化型メモリにおいては、従来のNAND型フラッシュメモリとは異なり、電流量でセンシングを行うため、ワード線からビット線に向けて電流の向きを規制するための整流素子(ダイオード)が、各メモリセルの抵抗変化素子に直列に設けられる(たとえば、特許文献1参照)。
抵抗変化型メモリにおける整流層として、一般的に良好な整流特性を実現可能なPINダイオードが用いられる。しかし、PIN構造のシリコン層からなるダイオードを整流層としてワード線とビット線の配線間に形成するには、P型、ノンドープ(I型)、N型の3種類の多結晶シリコンを形成する必要があるので、工程数が増大してしまう。また、逆方向耐圧を確保するために、真性半導体層(I層)の厚さを100nm以上確保しなければならず、加工時の段差(加工アスペクト比)の増大を招いてしまうという問題点があった。
さらに、P型およびN型のシリコン層に導入された不純物を活性化する必要があり、また後の熱工程でP型およびN型のシリコン層の不純物プロファイルの変化が起こりやすい。そのため、積層されたPINダイオードの特性を一様に揃えることが難しいという問題点もあった。
特開2004−6579号公報
本発明は、第1の方向に並行して延在する複数の第1の配線と、第2の方向に並行して延在する複数の第2の配線との交差部に、整流層とともに配置される相変化メモリや抵抗変化型メモリなどの不揮発性記憶層を有する不揮発性記憶装置において、整流層としてPINダイオードを用いる場合に比して厚さを抑えるとともに、整流層のダイオード特性を一様に揃えることができる不揮発性記憶装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、第1の方向に延在する第1の配線と、前記第1の配線とは異なる高さに形成され、第2の方向に延在する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線とが交差する位置に前記第1の配線と前記第2の配線の間に挟持されるように配置される、不揮発性記憶素子と整流素子とを含む不揮発性メモリセルと、を備え、前記整流素子は、第1の電極、シリコン窒化膜を含む絶縁膜、金属酸化物半導体からなる金属酸化膜、および第2の電極の積層構造を有することを特徴とする不揮発性記憶装置が提供される。
本発明によれば、第1の方向に並行して延在する複数の第1の配線と、第2の方向に並行して延在する複数の第2の配線との交差部に、整流層とともに配置される相変化メモリや抵抗変化型メモリなどの不揮発性記憶層を有する不揮発性記憶装置において、整流層としてPINダイオードを用いる場合に比して厚さを抑えるとともに、整流層のダイオード特性を一様に揃えることができるという効果を奏する。
図1−1は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の構成を模式的に示す図である(その1)。 図1−2は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の構成を模式的に示す図である(その2)。 図2は、図1−1の不揮発性記憶装置のメモリセルアレイの構成の一例を示す回路図である。 図3は、チタニア膜へのNbのドープ量を変化させた場合のMNOMダイオードのダイオード特性を示す図である。 図4は、Nbドープチタニア膜の膜厚を変化させた場合のMNOMダイオードのダイオード特性を示す図である。 図5は、MNOMダイオードのエネルギバンドダイアグラムの一例を示す図である。 図6−1は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その1)。 図6−2は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その2)。 図6−3は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その3)。 図6−4は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その4)。 図6−5は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その5)。 図6−6は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その6)。 図6−7は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その7)。 図6−8は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その8)。 図7−1は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その1)。 図7−2は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その2)。 図7−3は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その3)。 図7−4は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その4)。 図7−5は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その5)。 図7−6は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その6)。 図7−7は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その7)。 図7−8は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その8)。 図8−1は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その1)。 図8−2は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その2)。 図8−3は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その3)。 図8−4は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その4)。 図8−5は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その5)。 図8−6は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その6)。 図8−7は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その7)。 図8−8は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その8)。 図9−1は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その1)。 図9−2は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その2)。 図9−3は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その3)。 図9−4は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その4)。 図9−5は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その5)。 図9−6は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その6)。 図9−7は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その7)。 図9−8は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その8)。 図9−9は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その9)。 図9−10は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その10)。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる不揮発性記憶装置の断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。さらに、以下で示す膜厚は一例であり、これに限定されるものではない。また、以下では、不揮発性記憶装置として、抵抗変化型メモリを例に挙げて説明する。
(第1の実施の形態)
図1−1〜図1−2は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の構成を模式的に示す図であり、図1−1の(a)は、不揮発性記憶装置の斜視図であり、(b)は、(a)のA−A断面図であり、図1−2の(a)は、図1−1(a)のB−B断面図であり、(b)は、メモリセルの構成を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1−1〜図1−2の不揮発性記憶装置のメモリセルアレイの構成の一例を示す回路図である。なお、これらの図において、ワード線の延在方向をX方向とし、ビット線の延在方向をY方向としている。
図1−1〜図1−2(a)と図2に示されるように、この不揮発性記憶装置は、X方向に並行して延在する複数のワード線WL11,WL12,・・・と、ワード線WL11,WL12,・・・とは異なる高さにY方向に並行して延在する複数のビット線BL11,BL12,・・・とが、互いに交差して配設され、これらの各交差部に抵抗変化素子10と整流素子20とが直列に接続された抵抗変化型メモリセル(以下、単にメモリセルともいう)MCが配置される。ここでは、この2次元的に配置された抵抗変化型メモリセルMCが、高さ方向に隣接するメモリセルMCのワード線WLまたはビット線BLを共有しながら、高さ方向に複数積み重なった構成を有する。
たとえば、図1−1と図1−2(a)で、最下層のX方向に延在するワード線WL11,WL12,WL13と、その上層にY方向に延在するビット線BL11,BL12,BL13の間の各交差位置には、第1のメモリ層として、抵抗変化素子10−1と整流素子20−1とが直列に接続したメモリセルMCが配置されている。また、ビット線BL11,BL12,BL13と、その上層にX方向に延在するワード線WL21,WL22,WL23との間の各交差位置には、第2のメモリ層として、整流素子20−2と抵抗変化素子10−2とが直列に接続したメモリセルMCが配置されている。ここで、ワード線WL21,WL22,WL23のXY面内における位置は、下層のワード線WL11,WL12,WL13のXY面内における位置とほぼ一致している。このように、ビット線BL11,BL12,BL13は、第1のメモリ層と第2のメモリ層のビット線として共用されている。
さらに、ワード線WL21,WL22,WL23と、その上層にY方向に延在するビット線BL21,BL22,BL23との間の各交差位置には、第3のメモリ層として、抵抗変化素子10−3と整流素子20−3とが直列に接続したメモリセルMCが配置されている。ここで、ビット線BL21,BL22,BL23のXY面内における位置は、下層のビット線BL11,BL12,BL13のXY面内における位置とほぼ一致している。このように、ワード線WL21,WL22,WL23は、第2のメモリ層と第3のメモリ層のワード線として共用されている。
同様に、ビット線BL21,BL22,BL23と、その上層にX方向に延在するワード線WL31,WL32,WL33との間の各交差位置には、第4のメモリ層として、整流素子20−4と抵抗変化素子10−4とが直列に接続したメモリセルMCが配置されている。ここで、ワード線WL31,WL32,WL33のXY面内における位置は、下層のワード線WL21,WL22,WL23(WL11,WL12,WL13)のXY面内における位置とほぼ一致している。また、ビット線BL21,BL22,BL23は、第3のメモリ層と第4のメモリ層のビット線として共用されている。
このようにして、X方向に延在するワード線WLとY方向に延在するビット線BLとが互いに交互に高さ方向に積層され、これらの配線の交差位置にメモリセルMCを形成することによって、3次元的に積層された不揮発性記憶装置が形成される。
つぎに、図1−2(b)を参照して、メモリセルMCの詳細な構造について説明する。抵抗変化素子10は、複数の抵抗状態(たとえば高抵抗状態と低抵抗状態)を切り換えることができる材料からなる抵抗変化層12の上下を電極11,13で挟んだMIM(Metal-Insulator-Metal)構造を有する。
抵抗変化材料として、両端に印加された電圧によって、その抵抗状態が変わる物質を用いることができ、たとえばTiドープNiOx,C,NbOx,CrドープSrTiO3-x,PrxCayMnOz,ZrOx,NiOx,ZnOx,TiOx,TiOxy,CuOx,GdOx,CuTex,HfOx,ZnMnxyおよびZnFexyからなる群から選択される少なくとも一つを含む材料を用いることができる。また、両端に印加された電圧で発生するジュール熱によって、その抵抗状態が変わるカルコゲナイド系のGST(GeSbxTey),NドープGST,OドープGST,GeSb,InGexTeyなどを用いることもできる。
また、MIM構造の電極材料として、上記抵抗変化材料やヒータ材料と反応して可変抵抗性を損なわない材料が用いられる。このような材料として、たとえば、窒化タングステン、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、窒化タンタル、窒化チタンシリサイド、タンタルカーバイド、チタンシリサイド、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケル白金シリサイド、白金、ルテニウム、白金ロジウム、イリジウムなどを用いることが可能である。
整流素子20は、金属層からなる逆方向電極21、シリコン窒化膜22、半導体層となる金属酸化膜23、および金属層からなる順方向電極24が順に積層されたMNOM(Metal-Nitride-Oxide-Metal)ダイオード構造を有する。
この構造で、逆方向電極21と金属酸化膜23との反応性が高いと、ショットキー接合が形成されなくなってしまうが、逆方向電極21と金属酸化膜23との間にシリコン窒化膜22を形成することで、逆方向電極21と金属酸化膜23との間の反応を防止し、逆方向電極21とシリコン窒化膜22との間にはショットキー接合が形成される。また、順方向電極24の酸化膜との界面では、ショットキー接合が形成されないように、順方向電極24と金属酸化膜23を構成する金属が選択される。さらに、シリコン窒化膜22は、順方向にトンネル電流を流すことができる厚さ(たとえば、約3nmまでの厚さ)とされる。これによって、十分な順方向電流を確保することが可能となる。
ここで、逆方向電極21であるTiN膜、シリコン窒化膜22、金属酸化膜23であるNbドープチタニア(TiO2)膜、および順方向電極24であるTiN膜を順に積層して形成したMNOMダイオードのダイオード特性について説明する。まず、Nbドープチタニア膜のNbのドープ量とダイオード特性について説明する。図3は、チタニア膜へのNbのドープ量を変化させた場合のMNOMダイオードのダイオード特性を示す図である。ここでは、金属酸化物半導体であるチタニア膜にドープするNbの量を0at%(ノンドープ)、0.1at%、1at%と変化させた場合についての電圧−電流特性を示している。また、この図において、横軸は、MNOMダイオードに印加する電圧(V)を示し、縦軸は電圧を印加したときに流れる電流(A)を示している。さらに、TiN膜、シリコン窒化膜、チタニア膜、およびTiN膜の厚さは、それぞれ10nm、3nm、20nm、10nmであるとする。
この図に示されるように、Nbのドープ量を増大させることによって、順方向電流量を増大させることが可能となる。ここでは、チタニア膜についての結果を示したが、金属酸化膜23に、金属酸化膜23を構成する金属とは価数の異なる金属を不純物としてドープした場合についても、同様の結果を得ることができる。
つぎに、1at%Nbドープチタニア膜の膜厚とダイオード特性について説明する。図4は、Nbドープチタニア膜の膜厚を変化させた場合のMNOMダイオードのダイオード特性を示す図である。ここでは、Nbドープチタニア膜の厚さを20nm,50nm,100nmと変化させた場合についての電圧−電流特性を示している。また、この図において、横軸は、MNOMダイオードに印加する電圧(V)を示し、縦軸は電圧を印加したときに流れる電流(A)を示している。さらに、TiN膜、シリコン窒化膜、およびTiN膜の厚さは、それぞれ10nm、3nm、10nmであるとする。
この図に示されるように、Nbドープチタニア膜の膜厚によらず、MNOMダイオードはほぼ一様なダイオード特性を有している。ここでは、Nbドープチタニア膜についての結果を示したが、構成金属と価数の異なる金属を不純物としてドープした金属酸化膜23の膜厚を変化させた場合についても、同様の結果が得られる。
図5は、MNOMダイオードのエネルギバンドダイアグラムの一例を示す図である。この図に示されるように、シリコン窒化膜22のバンドギャップは約5.5eVであり、金属酸化膜23のバンドギャップ(〜3eV)に比して広いので、MNOMダイオードでは、金属酸化膜23の逆方向電極21側の界面ではショットキー障壁によって逆方向電流が抑制される。
一方、順方向界面では順方向電極24と金属酸化膜23とが反応する(順方向電極24が金属酸化膜23(金属酸化物半導体)を還元する)ことによって、順方向電極24のフェルミレベルが金属酸化膜23のコンダクションレベルとほぼ等しくなっている。また、上記したように逆方向電極21とシリコン窒化膜22との間には、良好なショットキー障壁が形成されるため、金属酸化膜23の膜厚に関わらず、金属酸化膜23にΔVの内部バイアスが印加された状態にある。そのため、順方向側では、ΔVに相当する電圧を印加することによって容易に電流が流れる。
つまり、金属酸化膜23と順方向電極24との界面で、(A)両者の材料、または両者の膜組成や結晶性などを適切に選択して、仕事関数差を十分に小さくすること、または(B)金属酸化膜23と順方向電極24とを反応させて、順方向電極24のフェルミレベルを金属酸化膜23のコンダクションレベルとほぼ等しくすること、によって十分な順方向電流を確保することが可能となる。(B)の場合には、次式(1)に示されるように、順方向電極24を構成する金属の酸化物の単位金属原子当たりのギブス(Gibbs)自由エネルギEelectrodeが、金属酸化膜23(金属酸化物半導体)を構成する金属の酸化物の単位金属原子当たりのギブス自由エネルギEoxide以下であり、界面が還元されてショットキーバリアが形成されないように材料が選択される。また、参考として次式(2)に金属酸化物のギブス自由エネルギが高い順に金属を列記する。
Eoxide≧Eelectrode ・・・(1)
Au>Ag>Pt>Pd>Ir>Ru>Cu>Ni>Co>Ir>Cd>Os>Bi>Rb>Cs>Zn>Sb>Fe>In>Ga>Ba>Ge>Sn>Mg>W>Sr>Cr>Ca>Mo>Mn>Ta>Nb>V>Si>Ti>La>Sc>Y>Ho>Er>Ce>Zr>Hf>Al ・・・(2)
(1)式より、順方向電極24は、金属酸化膜23よりも酸化されやすい金属を含む材料によって構成されることが望ましい。
MNOMダイオードの電極材料として、上記した例では窒化チタンを用いたが、上記(1)式と(2)式のエネルギの大小関係を満たす範囲内でタングステン、窒化タングステン、窒化チタンアルミニウム、窒化タンタル、窒化チタンシリサイド、タンタルカーバイド、チタンシリサイド、タングステンシリサイドなどを用いることができる。
なお、抵抗変化素子10と整流素子20とは直列に接続されるので、互いに隣接する抵抗変化素子10の電極11または電極13と、整流素子20の順方向電極24または逆方向電極21とを共用させるようにしてもよい。このような構造とすることで、メモリセルMCの高さを低く抑えることが可能になる。
また、図1−1(b)と図1−2(a)において、高さ方向に隣接するワード線WL間(ビット線BL)においては、その間に存在するビット線BL(ワード線WL)を中心にして膜の積層順序が上下対称となっている。
このように、整流素子20にMNOMダイオードを用いたので、より具体的には不純物濃度や活性化挙動に特性が依存しないショットキーダイオードを用いたので、PINダイオードを用いた場合の不純物プロファイルの変化によるダイオード特性の不均一化という問題を解決し、熱的に安定した整流特性が得られる。これによって、多層構造としても、工程履歴の差に起因した特性変動を抑制した整流特性が得られ、ビット密度の増大が可能になる。また、PINダイオードを用いたときに比して、整流素子20の厚さを抑えることが可能となる。
また、整流素子20の半導体層として金属酸化膜23を用いているので、抵抗変化素子10を構成する材料として各種の酸化物または酸化物と類似の化学的性質を有する材料を用いることで、抵抗変化素子10と金属酸化膜23とが反応するリスクを抑制できる。その結果、抵抗変化素子10と整流素子20とのインテグレーションが容易となる。
つぎに、不揮発性記憶装置の製造方法について説明する。図6−1〜図6−8は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。これらの図において、(a)は、図1−1(a)のB−B断面に対応する図であり、(b)は、図1−1(a)のA−A断面に対応する図である。また、ここでは、メモリセルMCが、窒化チタン(TiN)膜/TiドープNiOx膜/窒化チタン膜のMIM構造を有する抵抗変化素子10と、窒化チタン膜/シリコン窒化膜/NbドープTiO2膜/窒化チタン膜が積層したMNOMダイオードからなる整流素子20と、を積層した構造を有する場合を例に挙げる。
まず、図6−1に示されるように、図示しないシリコン基板などの半導体基板上に、抵抗変化型メモリのビット線となるタングステン膜101を、70nmの厚さでスパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの成膜法によって形成する。なお、ここで、ビット線の基となるタングステン膜101は、積層されたメモリの最下層のビット線となるタングステン膜101である必要はない。
さらに、このタングステン膜101上に、MNOMダイオード構造の整流素子となる積層構造を形成する。すなわち、順方向電極となる窒化チタン膜102、金属酸化膜であり半導体層となる1at%Nbドープチタニア膜103、およびシリコン窒化膜(SiNx:x>1)104を、それぞれ10nm、20nm、および3nmの厚さで形成する。
ここで、窒化チタン膜102は、スパッタ法やCVD法で形成し、1at%Nbドープチタニア膜103はスパッタ法で形成することができる。また、シリコン窒化膜104は、ALD(Atomic Layer Deposition)法やLPCVD(Low Pressure CVD)法、プラズマCVD法、または0.5at%のホウ素(B)をドープしたシリコン(Si)ターゲットを用いるスパッタ法で形成することができる。なお、ショットキー接合特性を損なわない範囲で、シリコン窒化膜104にBやOなどをドープしてもよい。このような成膜法によって、欠陥の少ないシリコン窒化膜104を形成することができる。
ついで、シリコン窒化膜104上に、MIM構造の抵抗変化素子となる積層構造を形成する。すなわち、MNOMダイオードの逆方向電極であるとともに抵抗変化素子の下部電極となる窒化チタン膜105、抵抗変化層としてのTiドープNiOx膜106、および抵抗変化素子の上部電極となる窒化チタン膜107をCVD法などの成膜法によって、それぞれ10nmの厚さで形成する。さらに、スパッタ法によって、タングステン膜108を、50nmの厚さで形成する。このタングステン膜108は、後の層間絶縁膜のCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理時のストッパ膜として機能する。
その後、公知のリソグラフィ技術と反応性イオンエッチング技術(以下、RIE(Reactive Ion Etching)法という)によって、タングステン膜108からタングステン膜101までの積層膜を、ライン状に一括加工する。これによって、タングステン膜101は、Y方向に延在するビット線となる。
ついで、図6−2に示されるように、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、半導体基板上の全面に層間絶縁膜(inter-layer dielectric film)109を形成する。具体的には、ライン状に加工した積層膜間を埋め込むとともに、タングステン膜108の上面よりも厚く形成されるように、層間絶縁膜109を形成する。その後、CMP法によって、タングステン膜108をストッパとして、層間絶縁膜109の上面を平坦化する。
その後、図6−3に示されるように、タングステン膜108と層間絶縁膜109上に、スパッタ法やCVD法によって、ワード線となるタングステン膜110を、70nmの厚さで形成する。
さらに、このタングステン膜110上に、MIM構造の抵抗変化素子となる積層構造を形成する。すなわち、抵抗変化素子の下部電極となる窒化チタン膜111、抵抗変化層としてのTiドープNiOx膜112、および抵抗変化素子の上部電極であり、MNOMダイオードの逆方向電極となる窒化チタン膜113を、スパッタ法によって、それぞれ10nmの厚さで形成する。
その後、窒化チタン膜113上に、MNOMダイオード構造の整流素子となる積層構造を形成する。すなわち、逆方向電極となる窒化チタン膜113上に、シリコン窒化膜114、金属酸化膜であり半導体層となる1at%Nbドープチタニア膜115、および順方向電極となる窒化チタン膜116を、それぞれ3nm、20nm、および10nmの厚さで形成する。なお、シリコン窒化膜114は、ALD法やLPCVD法、プラズマCVD法、スパッタ法などの成膜法によって形成され、1at%Nbドープチタニア膜115は、スパッタ法で形成され、窒化チタン膜116は、スパッタ法やCVD法によって形成される。
さらに、窒化チタン膜116上に、タングステン膜117をスパッタ法で50nmの厚さで形成する。このタングステン膜117は、後の層間絶縁膜のCMP処理時のストッパ膜として機能する。
その後、図6−4に示されるように、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、タングステン膜117から窒化チタン膜102までの積層膜を、ビット線であるタングステン膜101の延在方向(Y方向)と交差するX方向にライン状に一括加工する。これによって、タングステン膜110はX方向に延在するワード線となる。また、ビット線となるタングステン膜101とワード線となるタングステン膜110との間の積層膜は、ビット線(タングステン膜101)のX方向の幅と、ワード線(タングステン膜110)のY方向の幅で規定される柱状構造に加工される。その結果、ビット線(タングステン膜101)とワード線(タングステン膜110)との交差位置に、MNOMダイオードからなる整流素子と、MIM構造の抵抗変化素子とが積層された1層目のメモリセルが形成される。
ついで、図6−5に示されるように、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、ライン状に加工した積層膜間を埋め込むとともに、タングステン膜117の上面よりも厚く形成されるように、層間絶縁膜118を形成する。その後、CMP法によって、タングステン膜117をストッパとして、層間絶縁膜118の上面を平坦化する。
ついで、図6−6に示されるように、タングステン膜117と層間絶縁膜118上に、抵抗変化型メモリの2層目のビットラインとなるタングステン膜119を、スパッタ法などの方法によって70nmの厚さで形成する。
さらに、このタングステン膜119上に、MNOMダイオード構造の整流素子となる積層構造を形成する。すなわち、順方向電極となる窒化チタン膜120、金属酸化膜であり半導体層となる1at%Nbドープチタニア膜121、およびシリコン窒化膜122を、それぞれ10nm、20nm、および3nmの厚さで形成する。ここで、窒化チタン膜120は、スパッタ法やCVD法で形成し、1at%Nbドープチタニア膜121はスパッタ法で形成し、シリコン窒化膜122は、ALD法やLPCVD法、プラズマCVD法、スパッタ法で形成することができる。
ついで、シリコン窒化膜122上に、MIM構造の抵抗変化素子となる積層構造を形成する。すなわち、MNOMダイオードの逆方向電極であるとともに抵抗変化素子の下部電極となる窒化チタン膜123、抵抗変化層としてのTiドープNiOx膜124、および抵抗変化素子の上部電極となる窒化チタン膜125をCVD法などの成膜法によって、それぞれ10nmの厚さで形成する。さらに、スパッタ法によって、タングステン膜126を50nmの厚さで形成する。このタングステン膜126は、後の層間絶縁膜のCMP処理時のストッパ膜として機能する。
その後、図6−7に示されるように、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、タングステン膜126から窒化チタン膜111までの積層膜を、Y方向に延在するライン状に一括加工する。これによって、タングステン膜119は、Y方向に延在するビット線となる。また、ワード線となるタングステン膜110とビット線となるタングステン膜119との間の積層膜は、ワード線(タングステン膜110)のY方向の幅と、ビット線(タングステン膜119)のX方向の幅で規定される柱状構造に加工される。その結果、ワード線(タングステン膜110)とビット線(タングステン膜119)との交差位置に、MNOMダイオードからなる整流素子と、MIM構造の抵抗変化素子とが積層された2層目のメモリセルが形成される。
ついで、図6−8に示されるように、PECVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、ライン状に加工した積層膜間を埋め込むとともに、タングステン膜126の上面よりも厚く形成されるように、層間絶縁膜127を形成する。その後、CMP法によって、タングステン膜126をストッパとして、層間絶縁膜127の上面を平坦化する。
その後、図6−3〜図6−8に示した処理と同様の処理を繰り返すことによって、3次元的にメモリセルが積層された構造の不揮発性記憶装置を得ることができる。なお、最上層のメモリ層を形成する場合には、たとえば図6−6において、ビット線となるタングステン膜119を形成した後に、リソグラフィ技術とRIE法によって、タングステン膜119から窒化チタン膜111までの積層膜を、Y方向のライン状に一括加工する。そして、加工を行った積層体間に層間絶縁膜127を埋め込み、タングステン膜119をストッパ膜としてCMP処理することによって、最上層のビット線が形成される。以上によって、ワード線とビット線との間に柱状構造のメモリ層が挟持された不揮発性記憶装置が得られる。
この第1の実施の形態によれば、整流素子20としてMNOMダイオードを用いたので、PINダイオードを用いる場合に比してメモリセルの高さを抑えることができるという効果を有する。また、PINダイオードを用いる場合に生じる、P型、ノンドープ、N型の3種類の多結晶シリコン膜の形成による工程数の増大と、加工時の段差(加工アスペクト比)の増大と、を抑えることができるという効果も有する。
さらに、MNOMダイオードは、PINダイオードと異なり、活性化アニールを必要としないので、メモリセルアレイ内の整流素子20のダイオード特性を一様に揃えることができ、また、熱的に安定した整流特性を得ることができるという効果も有する。また、活性化アニールを必要としないので、低温での形成が可能であり、積層した場合にも工程履歴の差に起因した特性変動を抑制して整流特性を揃えることができ、インテグレーションを容易にすることができる。
さらに、低温での形成が可能となることによって、シリコン窒化膜は、抵抗変化型メモリの製造プロセスにおける温度範囲内で非晶質となり、結晶膜で起こりやすい粒界を介した伝導が起こらないという効果も有する。
また、MNOMダイオードにおいて、金属酸化膜のバンドギャップ(〜3eV)に比して、シリコン窒化膜のバンドギャップは約5.5eVと広いので、逆方向電流の抑制に有利な高いショットキーバリアを形成し易い。さらに、シリコン窒化膜は、ALD法などの一般的な半導体製造技術を用いることで、欠陥の少ない膜となり、その結果、膜中の欠陥を介したホッピング伝導を容易に抑制することができるという効果も有する。
また、MNOMダイオードにおける金属酸化膜と順方向電極との界面において、順方向電極を構成する金属の酸化物の単位金属原子当たりのギブスの自由エネルギが、金属酸化膜を構成する金属の酸化物の単位金属原子当りのギブスの自由エネルギ以下となるように、金属材料を選択するようにしたので、金属酸化物と順方向電極とが反応して、ショットキーバリアのない順方向界面が形成される。さらに、一般的な電極材料であるTiN,WN,TaNなどは窒化物であり、MNOMダイオードの窒化物であるシリコン窒化膜との界面を安定に形成することができる。その結果、良好なダイオード特性を得ることができるという効果も有する。
さらにまた、MNOMダイオードの整流特性は、金属酸化膜の厚さに依存せず、逆方向電極界面でのショットキー障壁高さにしか依存しないので、PINダイオードを用いた場合に比して整流素子の厚さを低減することができるという効果も有する。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、ビット線とワード線に挟まれるメモリセルが柱状構造となるように加工を行っていたが、第2の実施の形態では、整流素子を構成するシリコン窒化膜と金属酸化膜をワード線またはビット線と同様のX方向またはY方向に延在した形状を有するように加工を行う場合について説明する。
図7−1〜図7−8は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。これらの図において、(a)は、図1−1(a)のB−B断面に対応する図であり、(b)は、図1−1(a)のA−A断面に対応する図である。また、ここでは、メモリセルMCが、窒化タングステン(WN)膜/カーボン(C)膜/窒化タングステン膜の構造を有する抵抗変化素子と、窒化タングステン膜/シリコン窒化膜/タンタルオキサイド(Ta25)膜/窒化タンタル(TaN)膜が積層したMNOMダイオードからなる整流素子と、を積層した構造を有する場合を例に挙げる。
まず、図7−1に示されるように、図示しないシリコン基板などの半導体基板上に、抵抗変化型メモリのワード線となるタングステン膜201を、70nmの厚さでスパッタ法やCVD法などの成膜法によって形成する。なお、ワード線の基となるタングステン膜201は、積層されたメモリの最下層のワード線となるタングステン膜201である必要はない。
さらに、このタングステン膜201上に、バリアメタル兼抵抗変化層の電極膜として窒化タングステン膜202をスパッタ法によって10nmの厚さで形成し、抵抗変化層となるカーボン膜203をプラズマCVD法によって10nmの厚さで形成し、抵抗変化層の電極膜として窒化タングステン膜204をスパッタ法によって10nmの厚さで形成する。窒化タングステン膜204は、後に形成するMNOMダイオードの逆方向電極としての機能も有する。
また、窒化タングステン膜204上に、スパッタ法によってタングステン膜205を50nmの厚さで形成する。このタングステン膜205は、後の層間絶縁膜のCMP処理時のストッパ膜として機能する。以上によって、抵抗変化素子を構成する積層膜がタングステン膜201上に形成される。
その後、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、タングステン膜205からタングステン膜201までの積層膜を、ライン状に一括加工する。これによって、タングステン膜201は、X方向に延在するワード線となる。
ついで、図7−2に示されるように、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、半導体基板上の全面に層間絶縁膜206を形成する。具体的には、ライン状に加工した積層膜間を埋め込むとともに、タングステン膜205の上面よりも厚く形成されるように、層間絶縁膜206を形成する。その後、CMP法によって、タングステン膜205をストッパとして、層間絶縁膜206の上面を平坦化する。
ついで、図7−3に示されるように、タングステン膜205と層間絶縁膜206上に、MNOMダイオードを構成する積層膜を形成する。すなわち、スパッタ法によって、シリコン窒化膜207、金属酸化膜としてのタンタルオキサイド膜208、および順方向電極となる窒化タンタル膜209を、それぞれ5nm、20nm、および10nmの厚さで形成する。
また、窒化タンタル膜209上に、ビット線となるタングステン膜210、およびバリアメタル兼抵抗変化素子の電極膜として機能する窒化タングステン膜211を、それぞれスパッタ法によって、70nmおよび10nmの厚さで形成する。さらに、抵抗変化層となるカーボン膜212、抵抗変化素子の電極膜として機能する窒化タングステン膜213、および層間絶縁膜のCMP処理時のストッパとなるタングステン膜214を、スパッタ法などの成膜法によって、それぞれ10nm、10nm、および50nmの厚さで形成する。
その後、図7−4に示されるように、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、タングステン膜214から窒化タングステン膜204までの積層膜を、ワード線であるタングステン膜201の延在方向(X方向)と交差するY方向にライン状に一括加工する。これによって、タングステン膜210はY方向に延在するビット線となる。
この加工によって、ワード線となるタングステン膜201からカーボン膜203までの積層膜は、X方向に延在するように形成され、窒化タングステン膜204からストッパ膜となるタングステン膜205までは、ワード線(タングステン膜201)のY方向の幅と、ビット線(タングステン膜210)のX方向の幅で規定される柱状構造に加工される。さらに、シリコン窒化膜207からタングステン膜210までは、Y方向に延在するように形成される。その結果、MNOMダイオードとなる整流素子を構成するシリコン窒化膜207とタンタルオキサイド膜208と窒化タンタル膜209は、Y方向に隣接するメモリセル間で接続された構成となっている。以上によって、ワード線(タングステン膜201)とビット線(タングステン膜210)との交差位置に、MNOMダイオードからなる整流素子と、抵抗変化素子とが積層された1層目のメモリセルが形成される。
この第2の実施の形態では、MNOMダイオードを構成するシリコン窒化膜207と、金属酸化膜であるタンタルオキサイド膜208は、単体では絶縁膜なので柱状に加工せずに、ライン状の加工を行うようにしている。そのため、加工深さを第1の実施の形態の場合に比して最小限にすることができるので、加工が比較的容易であるとともに微細パタンの倒壊などが発生し難くなる。
ついで、図7−5に示されるように、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、ライン状に加工した積層膜間を埋め込むとともに、タングステン膜214の上面よりも厚く形成されるように、層間絶縁膜215を形成する。その後、CMP法によって、タングステン膜214をストッパとして、層間絶縁膜215の上面を平坦化する。
ついで、図7−6に示されるように、タングステン膜214と層間絶縁膜215の上面に、MNOMダイオードとなる積層構造を形成する。すなわち、順方向電極となる窒化タンタル膜216、金属酸化膜としてタンタルオキサイド膜217、およびシリコン窒化膜218を、それぞれ10nm、20nm、および5nmの厚さで形成する。さらに、シリコン窒化膜218上に、2層目のワード線となるタングステン膜219、およびバリアメタル兼抵抗変化層の電極膜として機能する窒化タングステン膜220を、スパッタ法によってそれぞれ70nm、および10nmの厚さで形成する。窒化タングステン膜220は、後に形成する抵抗変化層の電極膜としても機能する。
その後、窒化タングステン膜220上に、抵抗変化層となるカーボン膜221、抵抗変化層の電極膜となる窒化タングステン膜222、および層間絶縁膜のCMP処理時のストッパとなるタングステン膜223を、スパッタ法などの成膜法によって、それぞれ10nm、10nm、および50nmの厚さで形成する。
ついで、図7−7に示されるように、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、タングステン膜223から窒化タングステン膜213までの積層膜を、X方向にライン状に一括加工する。これによって、タングステン膜219はX方向に延在するワード線となる。
この加工によって、ビット線となるタングステン膜210からカーボン膜212までの積層膜は、Y方向に延在するように形成され、窒化タングステン膜213からストッパ膜となるタングステン膜214までは、ビット線(タングステン膜210)のX方向の幅と、ワード線(タングステン膜219)のY方向の幅で規定される柱状構造に加工される。また、窒化タンタル膜216からワード線となるタングステン膜219までは、X方向に延在するように形成される。その結果、MNOMダイオードとなる整流素子の窒化タンタル膜216、タンタルオキサイド膜217、シリコン窒化膜218は、X方向に隣接するメモリセル間で接続された構成となっている。以上によって、ビット線(タングステン膜210)とワード線(タングステン膜219)との交差位置に、MNOMダイオードからなる整流素子と、抵抗変化素子とが積層された2層目のメモリセルが形成される。
ついで、図7−8に示されるように、PECVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、ライン状に加工した積層膜間を埋め込むとともに、タングステン膜223の上面よりも厚く形成されるように、層間絶縁膜224を形成する。その後、CMP法によって、タングステン膜223をストッパとして、層間絶縁膜224の上面を平坦化する。
その後、図7−3〜図7−8に示した処理と同様の処理を繰り返すことによって、3次元にメモリセルが積層された構造の不揮発性記憶装置を得ることができる。なお、最上層のメモリ層を形成する場合には、たとえば図7−6において、ワード線となるタングステン膜219を形成した後に、リソグラフィ技術とRIE法によって、タングステン膜219から窒化タングステン膜213までの積層膜を、X方向のライン状に一括加工する。そして、加工を行った積層体間に層間絶縁膜224を埋め込み、タングステン膜219をストッパ膜としてCMP処理することによって、最上層のワード線が形成される。以上によって、ワード線とビット線との間に柱状構造のメモリ層が挟持された不揮発性記憶装置を得ることができる。
なお、この実施の形態では、抵抗変化材料としてカーボン膜を用いたが、両端に印加された電圧によりその抵抗状態が変わる物質であれば使用することができる。たとえば、NbOx,CrドープSrTiO3-x,PrxCayMnOz,ZrOx,NiOx,TiドープNiOx,ZnOx,TiOx,TiOxy,CuOx,GdOx,CuTex,HfOx,ZnMnxy,およびZnFexyからなる群から選択される少なくとも一つを含むことができる。また、このほかにも、両端に印加された電圧で発生するジュール熱によって、その抵抗状態が変化するカルコゲナイド系のGST,NドープGST,OドープGST,GeSb,InGexTeyなどを用いることもできる。
また、抵抗変化素子のMIM電極材料として、この実施の形態では窒化タングステンを用いたが、上記抵抗変化材料やヒータ材料と反応して可変抵抗性を損なわない材料、たとえば、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、窒化タンタル、窒化チタンシリサイド、タンタルカーバイド、チタンシリサイド、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケル白金シリサイド、白金、ルテニウム、白金ロジウム、イリジウムなどを用いることが可能である。
さらに、MNOMダイオードの整流層を構成する金属酸化膜を構成する金属と、順方向電極を構成する金属は、第1の実施の形態で説明した(1)式と(2)式の関係を満たす材料から選択される。
この第2の実施の形態によれば、MNOMダイオードを構成する、単体では絶縁膜であるシリコン窒化膜と金属酸化膜を、ビット線またはワード線の一方の配線に沿ってライン状に加工するのみで、第1の実施の形態のように柱状に加工しないようにした。これによって、積層メモリ形成時の加工工程を最小限にとどめることができるという効果を第1の実施の形態の効果に加えて有する。
(第3の実施の形態)
第1と第2の実施の形態では、ビット線とワード線のエッチング時に、整流素子と抵抗変化素子も同時にエッチングする場合を示したが、第3の実施の形態では、整流素子と抵抗変化素子をビット線とワード線のエッチングとは異なる工程でエッチングして不揮発性記憶装置を製造する場合について説明する。
図8−1〜図8−8は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。これらの図において、(a)は、図1−1(a)のB−B断面に対応する図であり、(b)は、図1−1(a)のA−A断面に対応する図である。また、ここでは、メモリセルMCが、窒化チタン膜/GST(Ge2Sb2Te5)膜/窒化チタン膜のMIM構造を有する抵抗変化素子と、窒化チタン膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜/0.5at%Nbドープチタニア膜/窒化チタン膜が積層したMNOMダイオードからなる整流素子と、を積層した構造を有する場合を例に挙げる。
まず、図8−1に示されるように、図示しないシリコン基板などの半導体基板上に、層間絶縁膜301を形成し、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、ワード線の鋳型となる深さ100nmのX方向に延在した複数の配線用溝を形成する。この配線用溝の底面と側面を覆うように層間絶縁膜301上に、バリアメタル膜となる厚さ10nmの窒化チタン膜302をスパッタ法によって形成する。さらに、窒化チタン膜302上に、窒化チタン膜302が形成された配線用溝内を埋め込むようにCVD法によってタングステン膜303を形成する。その後、CMP法によって、配線用溝間の領域で層間絶縁膜301が露出するまでタングステン膜303と窒化チタン膜302を研磨するとともに平坦化する。これによって、層間絶縁膜301内にワード線(タングステン膜303)が形成される。なお、ワード線の基となるタングステン膜303は、積層されたメモリの最下層のワード線となるタングステン膜303である必要はない。
ついで、図8−2に示されるように、ワード線(タングステン膜303)を形成した層間絶縁膜301上に、MIM構造の抵抗変化素子およびMNOMダイオード構造の整流素子となる積層膜を形成する。すなわち、バリアメタル兼抵抗変化層の電極として機能する窒化チタン膜304、抵抗変化層となるGST膜305、および抵抗変化層の電極となる窒化チタン膜306を、それぞれスパッタ法で10nmの厚さで形成する。なお、窒化チタン膜306は、MNOMダイオードの逆方向電極としての機能も有する。また、窒化チタン膜306上に、シリコン窒化膜307とシリコン酸化膜308を、それぞれ4nm、および0.5nmの厚さでALD法を用いて形成する。さらに、0.5at%Nbドープチタニア膜309をプラズマCVD法で30nmの厚さで形成し、順方向電極となる窒化チタン膜310を5nmの厚さでスパッタ法を用いて形成する。ここで0.5nmのシリコン酸化膜308は、0.5at%Nbドープチタニア膜309とシリコン窒化膜307との界面をより安定化させる効果を有する。
また、スパッタ法によって、窒化チタン膜310上にタングステン膜311を50nmの厚さで形成する。このタングステン膜311は、後の層間絶縁膜のCMP処理時のストッパ膜として機能する。
その後、図8−3に示されるように、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、ワード線(タングステン膜303)上にメモリセルが位置するように、タングステン膜311から窒化チタン膜304までの積層膜を、柱状に一括加工する。これによって、ワード線(タングステン膜303)上に所定の間隔の抵抗変化素子と整流素子が積層された1層目のメモリセルが形成される。
ついで、図8−4に示されるように、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、柱状に加工したメモリセル間を埋め込むとともに、タングステン膜311の上面よりも厚く形成されるように、層間絶縁膜312を形成する。その後、CMP法によって、タングステン膜311をストッパとして、層間絶縁膜312の上面を平坦化する。
ついで、図8−5に示されるように、平坦化した層間絶縁膜312とタングステン膜311上に、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、層間絶縁膜313を形成する。その後、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、ビット線の鋳型となる深さ100nmのY方向に延在した複数の配線用溝を層間絶縁膜313に形成する。この配線用溝は、Y方向に隣接するメモリセル間を結ぶように、また層間絶縁膜313を貫通するように、層間絶縁膜313に形成される。
ついで、配線用溝の底面と側面を覆うように層間絶縁膜313上に、バリアメタル膜となる厚さ10nmの窒化チタン膜314をスパッタ法によって形成する。さらに、窒化チタン膜314上に、窒化チタン膜314が形成された配線用溝内を埋め込むようにCVD法によってタングステン膜315を形成する。その後、CMP法によって、配線用溝間の領域で層間絶縁膜313が露出するまでタングステン膜315と窒化チタン膜314を研磨するとともに平坦化する。これによって、層間絶縁膜313内にY方向に延在するビット線(タングステン膜315)が形成される。
ついで、図8−6に示されるように、ビット線(タングステン膜315)を形成した層間絶縁膜313上に、MNOMダイオード構造の整流素子となる積層膜およびMIM構造の抵抗変化素子を形成する。すなわち、バリアメタル兼MNOMダイオードの順方向電極として機能する厚さ10nmの窒化チタン膜316をスパッタ法で形成し、金属酸化膜となる厚さ30nmの0.5at%Nbドープチタニア膜317をプラズマCVD法で形成し、シリコン酸化膜318とシリコン窒化膜319をそれぞれ0.5nm、および4nmの厚さでALD法を用いて形成し、順方向電極となる窒化チタン膜320を10nmの厚さでスパッタ法を用いて形成する。この窒化チタン膜320は、抵抗変化素子の電極としての機能も有する。また、窒化チタン膜320上には、抵抗変化層となるGST膜321、および電極となる窒化チタン膜322を、それぞれスパッタ法で10nmの厚さで形成する。
さらに、スパッタ法によって、窒化チタン膜322上にタングステン膜323を50nmの厚さで形成する。このタングステン膜323は、後の層間絶縁膜のCMP処理時のストッパ膜として機能する。
その後、図8−7に示されるように、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、ビット線(タングステン膜315)上にメモリセルが位置するように、タングステン膜323から窒化チタン膜316までの積層膜を、柱状に一括加工する。これによって、ビット線(タングステン膜315)上に所定の間隔の抵抗変化素子と整流素子が積層された2層目のメモリセルが形成される。
ついで、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、積層膜が形成された半導体基板上の全面に層間絶縁膜324を形成する。具体的には、柱状に加工したメモリセル間を埋め込むとともに、タングステン膜323の上面よりも厚く形成されるように、層間絶縁膜324を形成する。その後、CMP法によって、タングステン膜323をストッパとして、層間絶縁膜324の上面を平坦化する。
ついで、図8−8に示されるように、平坦化した層間絶縁膜324とタングステン膜323上に、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、層間絶縁膜325を形成する。その後、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、ワード線の鋳型となる深さ100nmのX方向に延在した複数の配線用溝を層間絶縁膜325に形成する。この配線用溝は、X方向に隣接するメモリセル間を結ぶように、また層間絶縁膜325を貫通するように、層間絶縁膜325に形成される。
ついで、配線用溝の底面と側面を覆うように層間絶縁膜325上に、バリアメタル膜となる厚さ10nmの窒化チタン膜326をスパッタ法によって形成する。さらに、窒化チタン膜326上に、配線用溝内を埋め込むようにCVD法によってタングステン膜327を形成する。その後、CMP法によって、配線用溝間の領域で層間絶縁膜325が露出するまでタングステン膜327と窒化チタン膜326を研磨するとともに平坦化する。これによって、層間絶縁膜325内にワード線(タングステン膜327)が形成される。
以上の処理工程によって、高さ方向にメモリセルが2層積層された構造の不揮発性記憶装置が形成される。なお、4層以上積層された構造の不揮発性記憶装置を形成する場合には、上記した手順を繰り返し実行すればよい。
なお、抵抗変化素子の抵抗変化層と電極材料、およびMNOMダイオードの金属酸化膜と順方向電極を構成する金属材料については、第1と第2の実施の形態で説明したものと同様に選択することができる。
この第3の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、ビット線とワード線に挟まれる抵抗変化素子と整流素子を、ワード線とビット線とは別にダマシンプロセスを用いて柱状に形成する場合の製造方法について説明する。
図9−1〜図9−10は、第4の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。これらの図において、(a)は、図1−1(a)のB−B断面に対応する図であり、(b)は、図1−1(a)のA−A断面に対応する図である。また、ここでは、メモリセルMCが、窒化チタン膜/ハフニア膜(HfO2)/窒化チタン膜の構造を有する抵抗変化素子10と、窒化チタン膜/シリコン窒化膜/タンタルオキサイド膜/窒化チタン膜が積層したMNOMダイオードからなる整流素子20と、を積層した構造を有する場合を例に挙げる。
まず、図9−1に示されるように、図示しないシリコン基板などの半導体基板上に、ワード線となるタングステン膜401と、バリアメタル兼整流素子の逆方向電極となる窒化チタン膜402とを、スパッタ法でそれぞれ70nmおよび10nm形成する。ついで、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、タングステン膜401と窒化チタン膜402とをX方向に延在したライン状に一括加工する。これによって、X方向に延在した複数のワード線が形成される。
その後、図9−2に示されるように、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、ワード線を形成した半導体基板上の全面に層間絶縁膜403を形成する。このとき、窒化チタン膜402の上面よりも高くなるように、層間絶縁膜403を形成する。ついで、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、整流素子の鋳型となり、窒化チタン膜402に連通するコンタクトホール431を層間絶縁膜403に形成する。
ついで、図9−3に示されるように、ALD法によって層間絶縁膜403上に、コンタクトホール431の側面と底面を被覆するように、厚さ2nnmのシリコン窒化膜404を形成する。さらに、CVD法によって、シリコン窒化膜404上にコンタクトホール431内を埋め込むようにタンタルオキサイド膜405を形成する。その後、RIE法で、タンタルオキサイド膜405とシリコン窒化膜404をエッチバックしてコンタクトホール431の上部に空隙を形成する。
その後、図9−4に示されるように、層間絶縁膜403上に、整流素子の順方向電極兼MIMキャパシタの電極として機能する窒化チタン膜406を、CVD法によってコンタクトホール431の上部が埋め込まれるように形成し、CMPでエッチバックする。これによって、層間絶縁膜403上の窒化チタン膜406は除去され、コンタクトホール431内にのみ残存する。
ついで、図9−5に示されるように、層間絶縁膜403と窒化チタン膜406上に、抵抗変化層となるハフニア膜407をCVD法などの方法で10nmの厚さで形成し、抵抗変化層の電極となる窒化チタン膜408をスパッタ法などの方法で10nmの厚さで形成する。さらに、ビット線となるタングステン膜409をスパッタ法によって70nmの厚さで形成する。
その後、公知のリソグラフィ技術とRIE法を用いて、タングステン膜409と窒化チタン膜408とをY方向に延在したライン状に一括加工する。これによって、Y方向に延在した複数のビット線が形成される。
以上によって、ワード線(タングステン膜401)とビット線(タングステン膜409)との間に、整流素子と抵抗変化素子とが積層された1層目のメモリセルが形成される。
ついで、図9−6に示されるように、プラズマCVD法、LPCVD法または塗布法などの成膜法によって、ビット線を形成した半導体基板上の全面に層間絶縁膜410を形成する。このとき、タングステン膜409の上面よりも高くなるように、層間絶縁膜410を形成する。ついで、公知のリソグラフィ技術とRIE法によって、整流素子の鋳型となり、タングステン膜409に連通するコンタクトホール432を層間絶縁膜410に形成する。
ついで、図9−7に示されるように、CVD法によって層間絶縁膜410上にMNOMダイオードの順方向電極となる窒化チタン膜411を形成する。このとき、コンタクトホール432の底面を被覆するように、窒化チタン膜411を埋め込む。その後、RIE法によって、窒化チタン膜411をエッチバックし、コンタクトホール432の上部に空隙を形成する。
また、図9−8に示されるように、CVD法によって層間絶縁膜410上と、コンタクトホール432内の窒化チタン膜411上に、タンタルオキサイド膜412を形成し、CMP法によって、タンタルオキサイド膜412の上面を平坦化する。その後、RIE法によって、タンタルオキサイド膜412をエッチバックして、コンタクトホール432の上部に空隙を形成する。
なお、図9−8では、タンタルオキサイド膜412を形成した後、CMP処理を行って上面を平坦化してからエッチバックを行っているが、図9−7では、窒化チタン膜411を形成した後、CMP処理を行わずにそのままエッチバックを行っている。これは、金属酸化物半導体膜であるタンタルオキサイド膜412の上面はシリコン窒化膜と接し、ショットキー接合を形成する面であり、制御して平坦化した面を形成することが望ましいからである。一方の窒化チタン膜411の上面は、上層に形成される金属酸化物半導体膜であるタンタルオキサイドと反応しやすいように、タンタルオキサイド膜412とは異なり平坦化処理を行っていない。
ついで、図9−9に示されるように、ALD法によって層間絶縁膜410上に、厚さ2nmのシリコン窒化膜413を2nm形成する。このとき、シリコン窒化膜413は、コンタクトホール432の上部に形成された空隙の側面と底面を被覆するように形成される。さらに、CVD法によって、層間絶縁膜410上にコンタクトホール432内を埋め込むように、逆方向電極となる窒化チタン膜414を形成する。その後、CMP法によってシリコン窒化膜413が露出するまで窒化チタン膜414をエッチバックする。これによって、窒化チタン膜414は、コンタクトホール432内にのみ残存する。なお、この窒化チタン膜414は、抵抗変化素子の電極としての機能も有する。
その後、図9−10に示されるように、抵抗変化層となるハフニア膜415をCVD法によって10nmの厚さで形成し、抵抗変化層の電極となる窒化チタン膜416をスパッタ法によって10nmの厚さで形成する。さらに、2層目のワード線となるタングステン膜417と、バリアメタルとなる窒化チタン膜418とを、スパッタ法によってそれぞれ70nm、10nmの厚さで形成する。
そして、公知のリソグラフィ技術とRIE法を用いて、窒化チタン膜418から窒化チタン膜416までの積層膜をX方向にライン状に加工する。これによって、X方向に延在した複数のワード線が形成される。
以上によって、ビット線(タングステン膜409)とワード線(タングステン膜417)との間に、整流素子と抵抗変化素子とが積層された2層目のメモリセルが形成される。
以上の処理工程によって、高さ方向にメモリセルが2層積層された構造の不揮発性記憶装置が形成される。なお、4層以上積層された構造の不揮発性記憶装置を形成する場合には、上記した手順を繰り返し実行すればよい。
第4の実施の形態では、1層目のメモリセルの整流素子では、タンタルオキサイド膜405をシリコン窒化膜404で包む形状となっているのに対して、2層目のメモリセルの整流素子では、電極となる窒化チタン膜414をシリコン窒化膜413が包む形状となっている。しかし、このように構造が異なるが、どちらも同じ整流特性を得ることができる。このように、MNOMダイオードでは、逆方向電極/シリコン窒化膜の界面によってのみ整流特性が得られるので、構造に対する制約が弱い。つまり、逆方向電極と、半導体層となる金属酸化膜との間にシリコン窒化膜(またはシリコン窒化膜を主成分とする膜)を介在させる構造を有していれば、どのような構造であってもよい。
なお、抵抗変化素子の抵抗変化層と電極材料、およびMNOMダイオードの金属酸化膜と順方向電極を構成する金属材料については、第1と第2の実施の形態で説明したものと同様に選択することができる。
この第4の実施の形態によれば、成膜時には絶縁体であるハフニア膜をエッチングしないようにしたので、積層メモリ形成時のエッチング量をハフニア膜の厚さの分だけ減らすことができるという効果を、第1の実施の形態の効果に加えて得ることができる。
なお、第1〜第4の実施の形態では、図1−1〜図1−2に示される不揮発性記憶装置の異なる製造方法について説明してきたが、本発明がこれらの実施の形態に限定されるものではない。また、不揮発性記憶装置に使用される材料についても、実施の形態中に示した材料系を適宜組み合わせて使用することが可能であり、この場合にも上記した効果、すなわちショットキーダイオードを用いることで膜構成が単純になるとともに、製造工程も単純になり、また熱工程での特性変化の小さい整流素子を形成することが可能になるという効果を得ることができる。その結果、高集積な抵抗変化型メモリの製造が比較的容易に実現できることになる。
10…抵抗変化素子、11,13…電極、12…抵抗変化層、20…整流素子、21…逆方向電極、22…シリコン窒化膜、23…金属酸化膜、24…順方向電極。

Claims (5)

  1. 第1の方向に延在する第1の配線と、
    前記第1の配線とは異なる高さに形成され、第2の方向に延在する第2の配線と、
    前記第1の配線と前記第2の配線とが交差する位置に前記第1の配線と前記第2の配線の間に挟持されるように配置される、不揮発性記憶素子と整流素子とを含む不揮発性メモリセルと、
    を備え、
    前記整流素子は、第1の電極、シリコン窒化膜を含む絶縁膜、金属酸化物半導体からなる金属酸化膜、および第2の電極の積層構造を有することを特徴とする不揮発性記憶装置。
  2. 前記金属酸化膜に含まれる金属の酸化物の単位金属原子当りのギブス自由エネルギは、前記第2の電極に含まれる金属の酸化物の単位金属原子当りのギブス自由エネルギ以上であることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
  3. 前記金属酸化膜は、該金属酸化膜を構成する金属とは異なる価数の金属が不純物としてドーピングされていることを特徴とする請求項1または2に記載の不揮発性記憶装置。
  4. 前記整流素子における前記絶縁膜および前記金属酸化膜は、前記第1または前記第2の配線と同一形状を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  5. 前記第1の配線、前記不揮発性メモリセルおよび前記第2の配線は、高さ方向に積層され、
    前記第1または前記第2の配線は、上下に隣接する前記不揮発性メモリセル間で共有されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
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