JP2011012519A - ドレーン構造 - Google Patents

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【課題】様々な傾斜地に適用できて、低コストであって施工性の良いドレーン構造を提供する。
【解決手段】斜面12である地盤の内部に埋設され、該地盤の表面から内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路20に排出するドレーン構造であって、前記浸透水を通す粗粒の透水部材が充填されている籠により形成されていて、前記浸透水を前記排水路に導く籠製ドレーン部1を備えており、前記籠は、矩形の金網パネルを折り曲げて形成された自立する折り曲げパネル部材と、金網パネルからなる蓋部材とを有しており、前記籠製ドレーン部は、前記斜面と略平行な設置地盤に載せられているとともに、充填された前記透水部材の上に柔軟且つ透水性を有したシートが敷かれ、該シートの上に前記蓋部材が載せられており、前記蓋部材は前記折り曲げパネル部材に固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドレーン構造に関するものである。
山腹や堤防などの傾斜地では降雨などにより浸透した水のため土砂崩れが発生する場合がある。例えば、河川の堤防では、図9に示すように、洪水時などに降雨や河川114から浸透する水によって堤体内浸潤面116が堤防110の裏法112側(河川側とは反対側の斜面)の法尻(斜面の下端)よりも高くなって漏水したり、浸透浸食されて崩落が生じたりする。このような漏水・浸透浸食対策の一つにドレーン工がある。ドレーン工は、例えば堤防の裏法尻に砕石などによる排水層を作って、堤体内浸潤面116を裏法尻よりも低くして、排水層から浸透水を排水するとともに、剪断強度の高い材料によって堤防の一部を置き換えることで堤防を強化する構造物である。
特許文献1には、ネットパイプなどの透水パイプを縦横格子状に連通させて構成した格子状透水配水管を堤防の裏法側などの内部に、法面に沿って傾斜状に配設してその下端を排水管によって外部に導き、該格子状透水排水管を構成する横メンバーである各段の横方向透水パイプに適宜間隔をおいて絡合繊維の透水マットをそれぞれ巻装し、かつその各巻き余端を堤体内方に向かって横に長く延ばして透水マット帯部をそれぞれ形成してなるドレーン構造が記載されている。
特許文献2には、堤体の川裏側の基礎地盤の上に設けられ、浸透水を通す粗粒の透水部材が鋼製組立網に充填された充填篭によって形成されていて、堤体の浸透水を流入させる篭製ドレーン部と、堤体の裏法尻に設けられた堤脚水路と、浸透水を通す粗粒の透水部材によって構成され、篭製ドレーン部の下部と堤脚水路との間を結び、上記篭製ドレーン部に流入した浸透水を堤脚水路に導くドレーン層とを備え、ドレーン層は篭製ドレーン部の高さよりも低い厚さになっており、ドレーン層が堤体土によって覆われている堤防のドレーン構造が記載されている。
特許文献3には、浸透水を通す粗粒の透水部材が充填されている金網からなる籠により形成されていて、浸透水を排水路に導く籠製ドレーン部を備えており、籠製ドレーン部は、籠が複数積み上げられて構成されているとともに土砂に覆われており、籠は、斜面の下端から斜面に向かって手前側に正面金網を備えており、積み上げられた複数の籠の正面金網のそれぞれは、下側に置かれた籠ほど斜面の下端から斜面に向かって手前側に配置されており、複数の籠の各正面金網の上辺と連結されているとともに斜面とほぼ平行である傾斜上面が、籠製ドレーン部の上面に金網により形成されているドレーン構造が記載されている。
特許文献4には、浸透水を通す粗粒の透水部材が充填されている金網からなる籠により形成されていて、浸透水を前記排水路に導く籠製ドレーン部を備えており、籠製ドレーン部は、籠が複数積み上げられて構成されているとともに土砂に覆われており、籠は、斜面の下端から斜面に向かって手前側に正面金網を、奥側に背面金網を、底面に底面金網を備えており、正面金網、背面金網および底面金網は自立金網パネルからなっており、積み上げられた複数の籠の正面金網のそれぞれは、下側に置かれた籠ほど斜面の下端から斜面に向かって手前側に配置されており、籠の上面側は開放されていて、別の籠が重ねられている部分以外の上面には透水部材の上に柔軟且つ透水性を有したシートが敷かれているドレーン構造が記載されている。
実開昭57−60917号公報 特開2002−121720号公報 特開2007−138564号公報 特開2007−314963号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているドレーン構造は、堤防の強化の効果が期待できないとともに、浸透水が流れる部分がパイプであるため、浸透水の量が多くなったときに全てを排出できず、漏水や浸透浸食が生じてしまう。また、パイプを設置していない箇所においては浸透水の排水ができない。そしてパイプは詰まりやすいため、浸透水の排出機能が著しく低下してしまう虞がある。
一方、特許文献2に記載されているドレーン構造は、篭製ドレーン部と堤脚水路とを結ぶドレーン層が必要なため、長いなだらかな法面でないと施工することが難しく、適用できる法面が限られるとともに、堤脚水路から河川側への掘削距離を長くする必要があり、工事が大がかりなものになってしまう。工事での騒音も大きくなる。
また、特許文献3、4に記載されているドレーン構造は、法面の角度によらず施工が可能であるが、大がかりな施工工事が必要である。特許文献2のドレーン構造と同じように工事現場での騒音も大きくなる。
さらに近年、いわゆるゲリラ豪雨という局所的で発生予測が困難な集中豪雨が問題となっている。河川の堤防に限らず、傾斜地をゲリラ豪雨が襲うと、法面の浸食作用とともにその法尻の浸潤面が短時間で高くなって土砂崩れが発生してしまう。特許文献1から4に記載されているドレーン構造ではゲリラ豪雨による土砂崩れの発生予防を確実に行うことが困難であり、また上述の課題を残している。
ゲリラ豪雨の対策として、雨水が内部に浸透しないように斜面に遮水シートを敷き詰める方法もあるが、このようにすると遮水シートによって斜面の内部と外部との間で空気が流通しなくなる。そのため遮水シートの下にある土壌の有機物が分解して発生するガスを抜く機構を設ける必要があるとともに、斜面全面に人工的な遮水シートを施工できる場所には景観等などから限りがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、様々な傾斜地に適用できて、低コストであって施工性の良いドレーン構造を提供することにある。
本発明のドレーン構造は、斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤の表面から内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造であって、前記浸透水を通す粗粒の透水部材が充填されている籠により形成されていて、前記浸透水を前記排水路に導く籠製ドレーン部を備えており、前記籠は、矩形の金網パネルを折り曲げて形成された自立する折り曲げパネル部材と、金網パネルからなる蓋部材とを有しており、前記籠製ドレーン部は、前記斜面と略平行な設置地盤に載せられているとともに、充填された前記透水部材の上に柔軟且つ透水性を有したシートが敷かれ、該シートの上に前記蓋部材が載せられており、前記蓋部材は前記折り曲げパネル部材に固定されている構成を備えている。この構成により、地盤内部に浸透した浸透水を籠製ドレーン部の中を通過させて排水路に確実に排出できるとともに、粗粒の透水部材の上にまずシートがかけられてその上を金網パネルで押さえられているので、籠上面が平らに保たれ透水部材が籠内に保持される。
前記折り曲げパネル部材は上部に突出した蓋固定部を有しており、前記蓋固定部は、前記シートを貫通して該シートの上に存していてもよい。
前記透水部材は、単粒度砕石、粒度調整されたコンクリート破砕物、あるいは所定の透水性能を有する石材であってもよい。所定の透水性能を有する石材とは、例えば、内部摩擦角がおおむね40度以上であって細粒分含有量が少ない礫などである。
前記籠は、斜面の下端から斜面に向かって手前側に正面金網を、奥側に背面金網を、斜面の勾配に沿って側面金網を備えており、底面部分には、底面金網の設置部と非設置部とが存していてもよい。
前記籠製ドレーン部と前記排水路との間に法尻導水部が設置されていてもよい。
また、前記籠製ドレーン部の下部に別途砕石等からなる透水層を設置してもよい。
簡単な構造で斜面の表面から内部に浸透する水を法尻の排水路に確実に導くことができ、粗粒の透水部材が外部に飛び出すことなく籠の内部に保持される。
実施形態に係るドレーン構造が設置された斜面の断面模式図である。 ドレーン構造の模式的な斜視図である。 (a)は折り曲げパネル部材の斜視図であり、(b)は一部拡大図である。 2つの折り曲げパネル部材を組み合わせた斜視図である。 籠の一例の斜視図である。 (a)は正面金網と側面金網との結合部分の上部拡大図であり、(b)は側面金網と蓋部材との結合部分の拡大図であり、(c)は正面金網と蓋部材との結合部分の拡大図である。 実施形態に係るドレーン構造の施工方法を説明する図である。 実施形態に係るドレーン構造の施工方法を説明する別の図である。 河川の堤防の断面模式図である。
まず実施形態において用いられる用語に関して説明する。
(用語の説明)
単粒度砕石とは、粒度が細かく規定された範囲でふるい試験に合格した骨材のことである。粒度調整されたコンクリート破砕物とは、コンクリート破砕物を篩にかけて単粒度砕石と同様の粒度分布となるようにしたものである。金網パネルとは、溶接金網や菱形金網などの金網により形成されたパネルである。
本願発明者らは前述の特許文献に記載された技術を基に、傾斜度合いにかかわらず様々な傾斜地に適用できて、ゲリラ豪雨に対応できるドレーン構造を種々検討し、本願発明を想到するに至った。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
(実施形態1)
実施形態1に係るドレーン構造の模式的な断面を図1に示す。なお、図を見やすくするために図1及びこれ以降説明する図において断面を表すハッチングの多くを省略している。本実施形態に係るドレーン構造は、斜面(法面)12の地盤内部に埋設された籠製ドレーン部1を備えており、その下端部分が、水平に設置された法尻導水部3に接続されている。籠製ドレーン部1は垂直断面において略矩形であって、斜面12とほぼ平行である。法尻導水部3の、籠製ドレーン部1に接続している端部とは反対側の端部は、法尻に設置された排水路20に接続されている。籠製ドレーン部1及び法尻導水部3の上には土砂が載せられている。
本実施形態に係るドレーン構造は、図2に示すように、溶接金網からなる籠の中に粗粒の透水部材である砕石40が充填されて形成されており、略直方体であって斜面12とほぼ平行に地盤内部に設置されている。籠は斜面下端側に正面金網31を、斜面上端側に背面金網33を備え、正面金網31の側端と背面金網33の側端を接続して斜面の勾配に沿って伸びる側面金網32を備えている。籠の内側には、正面金網31および背面金網33と平行に隔壁金網34が配置されている。背面金網33及び側面金網32の内面側には、柔軟且つ透水性を有するシートが当てられており、籠の外部から籠の内部に水を通すが、土砂が籠の内部に入ることは防いでいる。このシートとしては例えば不織布を用いており、中の砕石40が籠の外に出てしまうことを防ぐ役割も果たしている。
さらに籠の上面には、砕石40の上に柔軟且つ透水性を有したシート(不図示)が載せられて、さらにそのシートの上に蓋部材(不図示)として金網パネルが載せられて正面金網31、背面金網33および側面金網32と連結されて固定されている。なお、図2はシート及び蓋部材を載せる前の状態を示している。
籠は、図3に示す断面がL字型の自立する折り曲げパネル部材50を主な材料として組み立てられている。この折り曲げパネル部材50は溶接金網からなり、長方形の金網パネルを折り曲げて形成されている。地盤の上に置かれるのがパネル水平部52であり、地盤から垂直に立っている部分がパネル鉛直部54である。寸法は、幅が1.75m、パネル鉛直部の高さが0.3m、パネル水平部52の長さ(パネル鉛直部54背面方向)は0.755mであるが、これは一例であり、この寸法に限定はされない。溶接金網は土中で腐食しないように亜鉛アルミ合金めっき鉄線からなっている。図3(b)に示すようにパネル鉛直部54の上側枠55からは、鉄線を丸めて円形にした耳部56が上側に突出している。耳部56は蓋固定部であり、一つの折り曲げパネル部材50において3つ存しており、上側枠55の両端近辺及び中央に溶接されている。
籠は折り曲げパネル部材50を複数組み合わせて形成されている。籠の構造を説明するため、2つの折り曲げパネル部材50を組み合わせた最も簡単な構造を図4に示し、実際の籠構造の一例を図5に示す。隣接する折り曲げパネル部材50同士は、螺旋状の鉄線である接続コイル61,61によって両金網の鉄線が連結されて接続される。ここではパネル水平部52の端部枠(鉄線)同士が接続コイル61,61によって連結されている。また、籠には折り曲げパネル部材50だけではなく、折り曲げられていないフラットな金網パネル(フラットパネル)も使用されている。例えば、正面金網31の部分を、折り曲げパネル部材50を並べて形成すると(パネル鉛直部54が正面金網31を構成する)、正面金網31の側端に接続される側面金網32にはフラットパネルが使用される。フラットパネルと折り曲げパネル部材50との接続も接続コイル61によって行う。
籠2の内部には、正面金網31に平行に、所定の間隔毎に隔壁金網34が形成されている。隔壁金網34が形成されているため、この隔壁金網34に蓋部材を所定間隔で固定することができて、蓋部材を確実に固定でき、籠2全体の強度を高く保つことができる。隣り合う隔壁金網34,34間の所定の間隔は、1m以上2m以下が好ましい。ここでは1.5mとしている。
図5に示すように籠2の底面部分は、折り曲げパネル部材50のパネル水平部52からなる底面金網35が存している設置部と金網が存していないブランク部(非設置部)とからなっている。籠2の中に砕石40を充填するため、ブランク部が存していても籠2は固定されることとなり、斜面下方へは移動しない。
籠2の上面に載せられた金網パネル(蓋部材)は、図6に示すように、押さえ骨線63によって折り曲げパネル部材及びフラットパネルに固定されている。図6(a)が金網パネル38を載せる前の正面金網31と側面金網32の結合部分上部の拡大図であり、図6(b)は金網パネル38を載せて固定した後の側面金網32の上部の拡大図であり、図6(c)は金網パネル38を載せて固定した後の正面金網31の上部の拡大図である。押さえ骨線63は直線状の亜鉛アルミ合金めっき鉄線の両端を10cm程度180度折り曲げたものであるが、組立使用時は一端だけが折り曲げられており、この折り曲げ部を一つの耳部56に通して引っ掛けた後、反対側の端部をもう一つの耳部56に通してから折り曲げてこの耳部56に固定させる。
1本の押さえ骨線63が一つの蓋部材38の複数の鉄線を、折り曲げパネル部材及びフラットパネルに対して押さえつけるので蓋部材38は確実に固定される。さらに耳部56を蓋部材38の鉄線の上に折り曲げるとより確実に蓋部材38が固定され、耳部56を蓋部材38の鉄線に絡めるように折り曲げるとより一層固定が確実になる。
なお、ここでは図示していないが、蓋部材38の下には透水性のシートが配置されており、蓋部材38とともに砕石40が移動することを防ぎ、斜面上部からの水は籠製ドレーン部1内に浸透させ、土砂は籠製ドレーン部1内に入らないようシャットアウトする。
−籠の組立−
籠の組立方法について説明する。籠を設置する場所に折り曲げパネル部材50を、パネル水平部52が底部となるように設置地盤の上に並べる。折り曲げパネル部材50は、正面金網31の位置、背面金網33の位置、側面金網32の一部の位置、および籠内部の隔壁金網34の一部の位置にパネル鉛直部が並ぶように配置する。側面金網32の残りの部分及び隔壁金網34の残りの部分にはフラットパネルを鉛直に配置して、隣合う折り曲げパネル部材およびフラットパネルを接続コイルを用いて連結固定する。なお、組立に当たっては折り曲げパネル部材およびフラットパネルを籠の形状に全て並べてからそれらを連結しても良いが、一部の折り曲げパネル部材およびフラットパネルを並べて連結固定し、その隣に次の折り曲げパネル部材又はフラットパネルを配置して連結固定するというやり方でも良い。
−施工−
次に図7および図8によってドレーン構造の施工方法の一例を説明する。
図7(a)、(b)に示すように、まず斜面12’の下部を掘削し、法面とほぼ平行な設置地盤13を形成する。
次に図7(c)に示すように、法尻の水平な地盤部分に排水路20を設置する。排水路20はコンクリート製であって斜面側の壁部分にスリットが設けられていてそこから水が流れ込むようになっている。なお、排水路20の背面には水平な地盤を一部残す。それから残した水平な地盤の上、および設置地盤13の上に透水性のシート70を敷く。
次に図8(a)に示すように、排水路20の背面の水平地盤に水平導水部となる水平部籠5を設置する水平部籠5は自立式の金網籠であり、溶接金網から形成されている。水平部籠5は排水路20の背面に当接させて設置する。そして水平部籠5の側面金網内側に透水性のシートを配置して、単粒度砕石4号を水平部籠5内部に入れる。このとき水平部籠5の背面側には砕石40が籠の外側にはみ出す。
それから図8(b)に示すように、水平部籠5の背部に籠製ドレーン部となる籠2を設置する。籠2は法面にほぼ平行な設置地盤13の上であって透水性のシート70の上に設置する。籠2は例えば上述の組立方法によって組立を行う。籠2の正面金網31は、水平部下語5の背面側からはみ出した砕石40に当たるかたちになる。籠2を組み立てた後、籠2の側面金網内側と背面金網内側に透水性のシートを当てる。
次に図8(c)に示すように、パワーショベルなどの重機を用いて砕石(単粒度砕石4号)40を籠2の内部に入れる。そのあと水平部籠5の上面と籠2の上面に透水性のシート70を被せる。シート70は所定の幅であるので、上面の全面を覆うようにするには複数枚のシート70を使用する必要があり、その際には、シート70の端部同士を約10〜20cm程度重ね合わせる。
籠2には上方に突き出した耳部56が存しており、シート70を耳部56が貫通してシート70の上に突き出している。耳部56を貫通させるために、シート70の耳部56に対応する部分に切り込みを入れておく。さらにシート70の上から蓋部材を載せる。隣り合う耳部56に押さえ骨線63を通して両端を折り曲げ、耳部56に押さえ骨線63を固定する。この押さえ骨線63によって蓋部材がシート70に押さえつけられて折り曲げパネル部材に固定される。
水平部籠5の上面には蓋部材を設置しなくてもよい。なぜならば、砕石に上方への力が掛からないため、蓋によって押さえる必要がないからである。
蓋部材を被せた後に、籠製ドレーン部2と水平部籠との上に土砂を載せると図1に示す状態になる。本実施形態のドレーン構造は、ゲリラ豪雨の様な集中的な大量降雨があっても、地盤の内部で斜面に沿って確実に排水することができ、斜面が崩壊することを防止できる。
本実施形態では、籠製ドレーン部を斜面とほぼ平行に設置するため、斜面の掘削量が少なくて済み、工事コストの低減、工事期間の短縮が可能となる。籠の構造が簡単で部品の種類が少ないとともに各部品が軽く、籠を現場で容易に組み立てることができるので、この点でも工事コストの低減、工事期間の短縮が可能となる。特にシート及び蓋部材の固定が、耳部と押さえ骨線を利用して簡単且つ短時間で行うことができる。
また、砕石40として単粒度砕石4号を用いている。単粒度砕石はほぼ単一の粒度なるように粒度調整された砕石であって、60〜80mmの1号から2−5mmの7号まである。単粒度砕石4号は粒径が20−30mmに粒度調整された砕石である。特許文献2−4に記載されている技術では、籠の中に詰める石は直径が10数cmの割栗石であり、割栗石を斜面に敷き並べる際に人が手で敷き並べたりする必要があり、手間であった。しかし本実施形態では単粒度砕石を用いることにより、籠へ詰める際にパワーショベル等の重機を使用することができ、斜面整形も容易であり工事のコストを低減でき短時間で石詰めを行うことができる。さらに割栗石に比較して石同士が衝突する音が小さいので、工事の騒音も小さくすることができるので、住宅地に近い工事現場でも対応可能である。
斜面が、例えば1:1.5以上の急な斜面であっても籠製ドレーン部は砕石をシートと蓋部材の両方で上から押さえるため、砕石が下方に移動して上面の下方がふくれあがってしまう波打と呼ばれる現象を防止できる。以上より、様々な斜度、様々な場所の斜面に適用することができる。また、上面に土砂を被せるので、表面は緑化を行うことができ、外観も良好にできる。
(その他の実施形態)
上記の実施形態は本願発明の例示であり、本発明は上記の例に限定されない。例えば、底面の全面に金網を設置してもよい。
折り曲げパネル部材とシートと蓋部材との固定方法は、折り曲げパネル部材に設けられた耳部と押さえ骨線とによるものに限定されず、例えば針金をシートに突き通すことによって針金で折り曲げパネル部材とシートと蓋部材とを縛り付ける方法を用いても良いし、蓋部材にもフックを設けておいてそのフックで耳部及び隣の蓋部材と連結固定を行う方法でも良い。
折り曲げパネル部材としては、断面コの字型のものを用いてもよい。折り曲げパネル部材は幅やパネル水平部の長さ、素材等が異なる複数の種類を用いても構わない。
ドレーン構造の蓋部材の上に土砂を載せる必要はなく、コンクリート製の構造物や植栽シートなどを載せても構わない。
法尻導水部はドレーン構造の正面金網から浸透水を水平方向に排水路まで導く構造に限られない。例えば、ドレーン構造の底面の斜面下端側から下方へ、あるいは下方及び水平方向へ浸透水を導いて排水路に排水する構造であっても構わない。
ドレーン構造は直方体に限定されず、例えば斜面が扇状であれば斜面に合わせて底面及び上面を扇状とすればよい。
堤防の裏法側に、従来の河川用ドレーン工と併用してもよい。
以上説明したように、本発明に係るドレーン構造は、低コストかつ短時間で施工できるので、種々の斜面の排水用途等として有用である。
1 籠製ドレーン部
2 籠
12 斜面
20 排水路
31 正面金網
32 側面金網
33 背面金網
38 金網パネル(蓋部材)
40 砕石(透水部材)
50 折り曲げパネル部材
56 耳部(蓋固定部)
70 シート

Claims (5)

  1. 斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤の表面から内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造であって、
    前記浸透水を通す粗粒の透水部材が充填されている籠により形成されていて、前記浸透水を前記排水路に導く籠製ドレーン部を備えており、
    前記籠は、矩形の金網パネルを折り曲げて形成された自立する折り曲げパネル部材と、金網パネルからなる蓋部材とを有しており、
    前記籠製ドレーン部は、前記斜面と略平行な設置地盤に載せられているとともに、充填された前記透水部材の上に柔軟且つ透水性を有したシートが敷かれ、該シートの上に前記蓋部材が載せられており、
    前記蓋部材は前記折り曲げパネル部材に固定されている、ドレーン構造。
  2. 請求項1において、
    前記折り曲げパネル部材は上部に突出した蓋固定部を有しており、
    前記蓋固定部は、前記シートを貫通して該シートの上に存している、ドレーン構造。
  3. 請求項1または2において、
    前記透水部材は、単粒度砕石、粒度調整されたコンクリート破砕物、あるいは所定の透水性能を有する石材である、ドレーン構造。
  4. 請求項1から3のいずれか一つにおいて、
    前記籠は、斜面の下端から斜面に向かって手前側に正面金網を、奥側に背面金網を、斜面の勾配に沿って側面金網を備えており、
    底面部分には、底面金網の設置部と非設置部とが存している、ドレーン構造。
  5. 請求項1から4のいずれか一つにおいて、
    前記籠製ドレーン部と前記排水路との間に法尻導水部が設置されている、ドレーン構造。
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