JP2011010640A - 碾茶含有茶飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、比較的簡便な方法で、渋味が抑えられ、旨味・コク味が強化された容器詰緑茶飲料を提供することである。
【手段】本発明によって、10〜90重量%の碾茶を含む原料茶葉を45℃以下の水で抽出し、碾茶含有茶葉の抽出液を得る工程と、前記抽出液に加熱殺菌処理を行う工程とを含む、容器詰茶飲料の製造方法が提供される。本発明の容器詰飲料は、飲みやすく、一度にゴクゴク飲めるため、暑い季節等において喉の渇きを癒す飲料として特に好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、碾茶の冷水抽出液を含有する容器詰茶飲料に関し、より詳細には、旨味、コク、喉越しに優れ、苦渋味が低減された容器詰緑茶飲料とその製造方法に関する。
近年、缶やペットボトル等の容器に充填された容器詰茶飲料が多く開発、市販されており、茶飲料のなかでも、特に緑茶飲料の市場が拡大している。このような茶飲料に対する消費者の嗜好は高まっており、最近は、旨味やコク味が強く、かつ、渋味の抑えられたスッキリ感の高い緑茶飲料が好まれる傾向にある。そこで、渋味の多いカテキン類を抽出せずに旨味の成分だけを取り出す方法の開発が望まれている。
このような方法として、いくつかの方法が提案されている。例えば、特許文献1には、茶葉を0〜30℃の低温水で抽出した抽出液に、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)を接触処理してカテキンを除去することを特徴とする緑茶抽出液の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、溶存酸素が除去され且つ0〜36℃に保持されてなる静水中に茶葉を浸漬して抽出することで旨味を有するとともに渋みが少ない茶抽出液が得られることも開示されている。さらに、特許文献3には、20℃以上60℃未満(好ましくは50℃以下)で、溶存酸素濃度1ppm以下の脱気水を用い、総カテキン類濃度及び没食子酸エステル型カテキン類濃度を特定範囲になるように抽出を行うことで、常温以下に冷却された状態で販売され飲用される場合の渋味や収歛味を抑えた茶飲料が製造できることが開示されている。
特開2003−204754号公報 特開2000−50799号公報 特開平6−343389号公報
上記のとおり、渋味の多いカテキン類を除去または浸出させないことで、渋味を抑えた緑茶飲料を製造する方法は種々提案されているが、旨味やコク味という面で必ずしも満足できるものではなく、製造が煩雑であるという問題もあった。また、カテキン類が少ない緑茶飲料においては、レトルト殺菌等の加熱処理を行うことによって発生する不快な加熱臭が顕著で、茶類本来の良質な香気香味を阻害することがあった。
本発明の課題は、加熱殺菌及び長期保存を伴う容器詰茶飲料において、旨味やコク味が強く、かつ、渋味、雑味の抑えられた緑茶飲料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、茶葉として碾茶を用い45℃以下の冷水で抽出を行うと、雑味が抑制された茶抽出液が得られることを見出した。そして、この雑味の少ない碾茶の冷水抽出液は、渋味成分であるカテキン類が低濃度で、かつ旨味成分であるアミノ酸を高濃度に含有することを確認した。
本発明者らは、また、碾茶の冷水抽出液の加熱殺菌処理に伴い発生する不快な加熱臭が、煎茶またはかぶせ茶の抽出液が配合された場合に抑制され、碾茶の冷水抽出液の持つ雑味の少ない優れた香気香味が加熱殺菌しても維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下を包含する。
(1) 碾茶を45℃以下の水で抽出して碾茶抽出液を得る工程と、前記抽出液に加熱殺菌処理を行う工程とを含む、容器詰茶飲料の製造方法。
(2) 碾茶の抽出が、20〜45℃の水で行われる、(1)に記載の方法。
(3) 碾茶の抽出液の割合が、茶飲料全体に対して10〜90重量%である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4) 抹茶の抽出液を混合する工程をさらに含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 碾茶を45℃以下の水で抽出して得られる碾茶抽出液を含有し、20ppm以上のアミノ酸と120〜380ppmのカテキン類とを含有する、容器詰茶飲料。
(6) 碾茶抽出液の割合が、茶飲料全体に対して10〜90重量%である、(5)に記載の容器詰茶飲料。
(7) 碾茶を45℃以下の水で抽出して得られる碾茶抽出液を含有する容器詰茶飲料に、煎茶及び/又はかぶせ茶の抽出液を含有させることを特徴とする、加熱臭の抑制方法。
本発明によれば、比較的簡便な方法で、渋味、雑味が抑えられ、旨味・コク味が強化された容器詰緑茶飲料を提供できる。本発明の渋味、雑味成分が抑制された緑茶飲料は、清涼感のある水色を有し、一度にゴクゴク飲めると高いドリンカビリティを有するため、暑い季節等において喉の渇きを癒す飲料として好適である。
本発明においては、碾茶を45℃以下の水で抽出して碾茶抽出液を得る工程と、前記抽出液に加熱殺菌処理を行う工程とによって、容器詰茶飲料を製造する。
(碾茶の冷水抽出工程)
煎茶は、通常、収穫された生茶葉を少なくとも蒸す工程(蒸熱工程)、揉む工程(粗揉工程、精揉工程)及び乾燥工程を順次経て蒸製緑茶として製茶される。本明細書の碾茶とは、収穫された生茶葉を蒸し、前記煎茶のような茶葉を揉む工程を経ないで乾燥して製造された茶葉をいう。また、本明細書中のかぶせ茶とは、茶葉を摘採する前に一定期間遮光する被覆栽培によって収穫された生茶葉を、煎茶と同様の製造工程を経て得られた茶葉をいう。
本発明では、茶葉を揉む工程を経ないで製造された碾茶を原料に用いることにより、旨味・コク味が増強され、渋味、雑味が抑制された香気香味に優れた茶飲料が得られる。碾茶の抽出液が香気香味に優れる理由は明らかでないが、茶葉を揉む工程を経た煎茶は、茶葉の細胞壁に含まれる雑味成分の浸出が高められ、この雑味成分が渋味を増強したり、加熱臭を発生させたりすることがある一方、茶葉を揉む工程を経ていない碾茶は、細胞壁があまり破壊されておらず、雑味成分の浸出が少ないため、渋味がなく加熱臭も抑制されるものと推察される。
本発明において碾茶の抽出は、45℃以下、好ましくは40℃以下の水を用いて行う。45℃を超える温度で抽出を行うと、雑味成分の浸出を高めることになり、抽出液の香味が悪くなり、かつ、加熱殺菌時に加熱臭の発生が顕著となる。また、抽出温度が低すぎると、雑味成分は浸出されないが、加熱殺菌時に不快な加熱臭を発生させることがあることから、抽出温度の下限は、20℃以上、好ましくは25℃以上、より好ましくは30℃以上とするのがよい。なお、本明細書では、この温度帯で抽出された碾茶の抽出液を、碾茶の冷水抽出液ということもある。
本発明においては、上記碾茶の冷水抽出液を茶飲料全体に対して10〜90重量%程度含有させるようにするとよい。碾茶の冷水抽出液の割合が90重量%以上を超えると、加熱臭が発生する場合があり、碾茶が10重量%を下回ると、渋味、雑味が少なく豊かな旨味、コク味を有するという本発明の特徴が感じられにくい。
碾茶の冷水抽出液を茶飲料全体に対して10〜90重量%程度含有させるには、原料茶葉全体に対し10〜90重量%の碾茶を配合して抽出を行う、又は碾茶の冷水抽出液と碾茶以外の茶葉の抽出液を別々に調製し、碾茶の冷水抽出液の割合が10〜90重量%となるように混合する、等の方法で行うことができる。
碾茶以外の茶葉としては、これに限定されるものではないが、例えば、煎茶、深蒸煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、芽茶、茎茶、棒茶などの中の1種類を単独で用いてもよいし、また、2種類以上の茶葉を組み合わせて用いてもよい。さらに、緑茶などの不発酵茶に加えて、半発酵茶(例えば烏龍茶)、発酵茶(例えば紅茶)等をブレンドすることも可能である。特に、煎茶、かぶせ茶を用いると、碾茶の冷水抽出液の加熱に伴う加熱臭を効果的に抑制することができる。
本発明においては、複数の原料茶葉を混合してから抽出液を得ることもでき、また、複数の原料茶葉から複数の抽出液を得てから、その抽出液を混合して茶飲料とすることもできる。
(加熱殺菌工程)
本発明においては、保存性に優れた容器詰茶飲料を製造するため、茶抽出液に加熱殺菌処理を行う。加熱殺菌の方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)などを好適に行うことができる。容器詰飲料の容器に応じて加熱殺菌法を適宜選択することもでき、例えば、PETボトルを飲料容器として用いる場合などはUHT殺菌が好適である。また、加熱装置や加熱方式にも特に制限はなく、例えば、直接水蒸気を吹き込むスチームインジェクション式や飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームインフュージョン式などの直接加熱方式、プレートやチューブなど表面熱交換器を用いる間接加熱方式など公知の方法で行うことができる。加熱殺菌の温度は目的を達することができれば特に制限されないが、90℃以上であることが好ましい。本発明の碾茶の冷水抽出液は、加熱殺菌をしても不快臭の発生が抑制されており、容器詰め飲料として特に優れている。
(容器詰緑茶飲料)
本発明の容器詰緑茶飲料では、上記の碾茶の冷水抽出液を含有させることを特徴とする。以下に、好ましい製造方法の一例を示す。
まず、本発明における原料茶葉中の碾茶の割合は、10〜100重量%、好ましくは10〜90重量%、好ましくは15〜60重量%、より好ましくは20〜40重量%程度である。碾茶の割合が少ないと、旨味成分が少ない、カテキン類が多い、問題が発生する場合があり、碾茶の割合が多いと加熱殺菌時に加熱臭が発生する場合がある。茶葉の混合は公知の方法で行うことができる。
本発明においては、碾茶から水を用いて抽出液を得る。抽出液である水の温度は、45℃以下、好ましくは40℃以下である。碾茶を含む茶葉を45℃を超える温度で抽出すると雑味成分が多く浸出し、香気香味が低下するためである。抽出溶媒(冷水)の割合は、通常、原料茶葉の乾燥重量を基準として、5〜500重量部、好ましくは5〜100重量部である。抽出方法は、回分式(ニーダー抽など出)、カラム式(ドリップ抽出など)等を用いることができ、抽出時間は、3〜60分、好ましくは5〜30分程度である。
このように得た抽出液は、公知の固液分離手段、例えばメッシュ分離、濾別や遠心分離を用いて茶葉が分離され、緑茶抽出液を得る。25℃以上の温度で抽出した場合、抽出液は、直ちに25℃以下、好ましくは5〜25℃、より好ましくは15〜25℃程度となるように冷却することが微生物制御の観点から好ましい。抽出液の温度又は冷却後の抽出液の温度が20〜25℃の場合には7.5分間以内に、抽出液の温度又は冷却後の抽出液の温度が15〜20℃の場合には13.5分間以内に加熱殺菌処理に供すことが微生物制御の観点から重要である。なお、抽出の際、または抽出後には、アスコルビン酸や重曹などのpH調整剤等の抽出助剤を添加してもよい。
加熱殺菌条件は、容器の種類や保存条件等に合わせて、UHT殺菌、レトルト殺菌等を適宜選択すればよい。具体的には、缶や瓶の容器のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合には食品衛生法に定められた殺菌条件でレトルト殺菌が採用され、ペットボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器で高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して、ホットパック充填又は無菌下での充填などの方法により容器に充填する等の方法が採用される。
本発明の容器詰飲料は、上述の製造方法、即ち碾茶を他の茶葉と混合して冷水抽出液を得て茶飲料として製造されるものに限定されず、例えば碾茶の冷水抽出液と他の茶葉の抽出液とを混合して得られる茶飲料も含まれる。いずれの場合においても、碾茶の冷水抽出液の香気香味を活かすには、茶飲料全体に対し、カテキン類が380ppm以下、好ましくは350ppm以下、より好ましくは300ppm以下となるように調整するのがよい。カテキン類が380ppmを超えると、カテキン類由来の渋味が顕著に感じられ、碾茶由来の旨味・コク味を阻害することになる。カテキン類の下限値は、120ppm程度である。カテキン類が120ppmを下回ると、茶本来の香味(適度な渋味)が得られず、水っぽい味わいとなる。また、茶飲料全体に対し、アミノ酸が20ppm以上存在すると、碾茶由来の旨味・コク味を顕著に感じられ、香気香味に優れた飲料となる。
すなわち、碾茶の冷水抽出液を含有し、アミノ酸が20ppm以上、カテキン類が120〜380ppmとなるように調整された茶飲料が、本発明の茶飲料の好ましい態様の一つとして例示される。ここで、本明細書でいうカテキンとは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの8種類の総称をいう。本発明では、これらカテキンのうち、1種以上を上記範囲となるように含有させればよい。
さらに、本発明の茶飲料には、抹茶の抽出液を配合することが好ましい。抹茶とは、碾茶を石臼で挽く等により微細化したものである。抹茶の抽出液を配合することにより、碾茶の冷水抽出液にはほとんど含まれないグリセロ糖脂質を、茶飲料中に含有させることができる。本発明者らの検討によると、グリセロ糖脂質は、茶飲料、特に緑茶飲料のコク味を増強させるのに有効な成分である。本発明の茶飲料のような、カテキン類の少ない茶飲料においては、グリセロ糖脂質の存在が、飲料にボディ感を付与するのに効果的である。
なお、抹茶の抽出は、冷水を用いた抽出とするのが好ましい。抹茶の冷水抽出液は、碾茶の場合と同様に、旨味・コク味が強く、渋味が抑制されている。冷水の具体的温度は、碾茶の抽出温度と同等、またはそれ以下の温度が好ましく、45℃以下、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下をいう。抹茶は碾茶よりも細胞壁成分、すなわち雑味成分が浸出しやすいため、より低温で抽出するのが好ましいのである。
抹茶の冷水抽出液は、抹茶を冷水に懸濁することにより調製されるが、必要に応じて、前記抹茶の冷水懸濁液に高圧ホモジナイザー処理を行って、グリセロ糖脂質の浸出を高めてもよい。高圧ホモジナイザーの圧力は、5〜30MPa、好ましくは10〜20MPa程度である。
抹茶の冷水懸濁液(高圧ホモジナイザー処理をしたものも含む)は、遠心分離等の清澄化処理を行うのが好ましい。抹茶由来の不溶性固形分が喉越しに影響を与える他、不溶性固形分中の細胞壁成分の雑味が、茶飲料の香気香味、特に加熱殺菌処理における香気香味に影響を及ぼすためである。
このようにして得られる抹茶の抽出液は、グリセロ糖脂質が茶飲料全体に対して0.2μg/ml以上、好ましくは0.4μg/ml以上の割合となるように配合するとよい。
以下の実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、配合割合などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:抽出温度の影響
碾茶(福寿園)の乾燥重量に対して30重量部の水を抽出溶媒として用いた。抽出溶媒の温度を30℃(実施例1)、40℃(実施例2)、45℃(実施例3)及び50℃(比較例1)とし、8分間抽出した後、茶葉を分離し、さらに遠心分離処理(6000rpm、10分)により粗大な粉砕茶組織や茶粒子などの固形分を除去して、碾茶の冷水抽出液を得た。これに重曹及びアスコルビン酸を混合しpHを6〜7に調整した後、缶容器に充填し、加熱殺菌(130℃、2分)して容器詰茶飲料を得た。
この茶飲料について、専門パネラー8名で官能評価した。評価は、コク味、旨味、後味のスッキリ感、雑味、ボディ感(飲み応え)、好ましい香気(青々しい香り)について、5段階で行い、平均値を求めた。評価基準は以下のとおりである。5点:強く感じる、4点:感じる、3点:少し感じる、2点:ほとんど感じない、1点:感じない。
結果を表1に示す。表1から明らかなように、抽出温度が低くなると雑味が少なくなる傾向があった。碾茶を50℃で抽出して得た茶飲料(比較例1)ではスッキリ感がなく、雑味があるのに対し、45℃以下の冷水で抽出して得た茶飲料(実施例1〜3)では、コク味や旨味、飲み応え、青々しい香りは保持しながらも、雑味がなく、すっきり飲めるという評価であった。
Figure 2011010640
実験2:アミノ酸およびカテキン類の影響
実施例1と同様にして、碾茶を40℃以下の各温度帯で抽出し、表2に示すカテキン類及びアミノ酸含量となるように適宜水を配合して、pH調整、加熱殺菌を行い、容器詰茶飲料を製造した。
この茶飲料について、実験1と同様に官能評価を行った。カテキン類及びアミノ酸の測定方法は以下のとおりである。
<カテキン類の測定>
カテキン類は、試料となる茶飲料をメンブレンフィルター(孔径0.45μm、十慈フィールド株式会社 水系未滅菌13A)で固形分を除去した後、HPLC分析に供して測定した。
(HPLC分析条件)
・分析装置:東ソー株式会社、TOSOH HPLCシステム LC8020 model II
[マルチステーション:LC−8020、ポンプ:CCMC−II、オートサンプラ:AS−8021、検出器:UV−8020、カラムオーブン:CO−8020、オンラインデガッサ:SD−8023]
・分析条件:[カラム:TSKgel ODS−80Ts QA(TOSOH社、内径4.6mm×長さ150mm)、溶離液A:[10%アセトニトリル/水]+0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)、溶離液B:[80%アセトニトリル/水]+0.05%TFA、流速:1.0ml/min、温度40℃、検出:UV275nm]
・グラジエント条件:
Figure 2011010640
<アミノ酸の測定>
アミノ酸は、飲料中のアミノ態窒素を測定した。アミノ態窒素は、TNBS法(trinitro benzen sulfanic acid法)で測定した。まず、試料となる茶飲料に、リン酸緩衝溶液及び0.1% 2,4,6-Trinitro Benzenesulfanic acid Na塩水溶液を混合し、45℃で90分間反応させた後、蛍光強度(OD340nm)を測定した。グリシン標準液から検量線を作成し、資料中のアミノ態窒素の含有量をグリシン相当として算出した。
表3に、結果を示す。アミノ態窒素が20ppm以上、カテキン類が120ppm〜380ppmである(実施例4〜7)と、コク味や旨味、飲み応え、青々しい香りは保持しながらも、雑味がなく、すっきり飲めるという評価であった。
Figure 2011010640
実験3:碾茶以外の冷水抽出液とのブレンド
煎茶(福寿園)またはかぶせ茶(福寿園)を用いて40℃の水を用いて茶抽出液を調製した。この煎茶抽出液・かぶせ茶抽出液を、実験1と同様の方法で抽出した碾茶抽出液(抽出温度:40℃、5℃)と混合し、表4に示すカテキン類及びアミノ酸含量となるように適宜水を配合して、pH調整、加熱殺菌して、茶飲料を製造した。
カテキン類及びアミノ態窒素の測定と官能評価の結果を表4に示す。碾茶の冷水抽出液に、煎茶やかぶせ茶の冷水抽出液を混合した場合も、好ましい茶飲料を得ることができた。特に、茶飲料に含まれるアミノ態窒素が20ppm以上、カテキン類が120ppm〜380ppmである(実施例11〜14)と、コク味や旨味、飲み応え、青々しい香りは保持しながらも、雑味がなく、すっきり飲めるという評価であった。
Figure 2011010640
実験4:加熱臭の評価
40℃で抽出した碾茶の抽出液(実施例4)、40℃で抽出した碾茶の抽出液75%と40℃で抽出した煎茶の抽出液25%の混合液(実施例11)、20℃抽出した碾茶の抽出液75%と20℃で抽出した煎茶25%の抽出液25%の混合液(実施例17)、5℃抽出した碾茶の抽出液75%と5℃で抽出した煎茶25%の抽出液混合液(実施例18)を、それぞれ実験1と同様にして、pH調整、加熱殺菌して容器詰茶飲料を得、それぞれ官能評価を行った。
いずれもコク味、旨味、スッキリ感、飲み応えがあり、雑味は少なかったが、加熱臭は、碾茶のみで製造した茶飲料(実施例4)と比べ、碾茶に煎茶の抽出を混合して製造した茶飲料(実施例11)の方が少なかった。また、抽出温度を比較すると、5℃抽出して製造した茶飲料(実施例18)に比べ、20℃(実施例17)または40℃抽出して製造した茶飲料(実施例の方が少なかった。これより、碾茶の抽出温度は20〜40℃程度が加熱臭の抑制に適当であること、碾茶に煎茶等を組み合わせると加熱臭が抑制されることが示唆された。
実験5:粉砕碾茶の冷水抽出液
碾茶を石臼挽きした抹茶(福寿園、粒度:10,000±2,000cm2/g)を、80倍倍量の30℃の水に懸濁し、この懸濁液を高圧ホモジナイザーにより15MPaの圧力で処理し、遠心分離処理(6000rpm、2分)して粗大な粉砕茶組織や茶粒子などの固形分を除去して、抹茶の冷水抽出液を調製した。
この抹茶の冷水抽出液を、実験1と同様に調製した碾茶の冷水抽出液(抽出温度:40℃)に、種々の割合で混合した後、容器に充填して加熱殺菌し、容器詰飲料とした。碾茶抽出液と抹茶抽出液とは、茶飲料中のグリセロ糖脂質が0μg/ml,0.1μg/ml,0.2μg/ml,0.4μg/ml,0.8μg/mlとなるように混合した。得られた茶飲料について、抹茶の冷水抽出液を混合していない本発明品4を基準(対照)に、6段階(5点:対照より著しく強く感じる、4点:対照より十分感じる、3点:対照より感じる、2点:対照より少し感じる、1点:対照よりわずかに感じる、0点:対照と同等)で評価した。
グリセロ糖脂質の測定方法は以下のとおり。
<グリセロ糖脂質の測定方法>
グリセロ糖脂質の定量分析条件は以下の通りである。
・逆相カラム:TSKgel ODS−80Ts QA (TOSOH社、内径4.6mm×長さ150mm)
・サンプル注入量:10μl
・流量:1.0ml/min.
・RI検出器:SHIMADZU社 RIA-10A
・溶離液:95%メタノール
・温度:40℃
定量分析の標品としては、Lipid Products社のMGDG、DGDGを使用した。MGDGの標品を分析すると大きく二つのピークに分かれ、茶飲料中にみられるピークが保持時間が後ろのピークだったので、標品のピーク面積の比率に基づいて濃度を比例配分し、分析濃度とした。なお、本明細書におけるグリセロ糖脂質の濃度は、特に示した場合を除き、MGDG、DGDGの合計値として表した。
結果を表5に示す。グリセロ糖脂質を0.2μg/ml以上含有させることで、スッキリ感、雑味を変えずに、コク味・旨味・飲み応えをより一層増強できることがわかった。
Figure 2011010640

Claims (7)

  1. 碾茶を45℃以下の水で抽出して碾茶抽出液を得る工程と、前記抽出液に加熱殺菌処理を行う工程とを含む、容器詰茶飲料の製造方法。
  2. 碾茶の抽出が、20〜45℃の水で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 碾茶の抽出液の割合が、茶飲料全体に対して10〜90重量%である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 抹茶の抽出液を混合する工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 碾茶を45℃以下の水で抽出して得られる碾茶抽出液を含有し、20ppm以上のアミノ酸と120〜380ppmのカテキン類とを含有する、容器詰茶飲料。
  6. 碾茶抽出液の割合が、茶飲料全体に対して10〜90重量%である、請求項5に記載の容器詰茶飲料。
  7. 碾茶を45℃以下の水で抽出して得られる碾茶抽出液を含有する容器詰茶飲料に、煎茶及び/又はかぶせ茶の抽出液を含有させることを特徴とする、加熱臭の抑制方法。
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