JP6713980B2 - ルイボス飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不発酵ルイボス抽出液を有効成分とするルイボス飲料の清涼感付与剤、甘香強化剤及び劣化抑制剤、これらを含有するルイボス飲料並びにその製造方法に関する。
ルイボス(学名:Aspalathus linearis)は、南アフリカ共和国ケープタウン北部のセダルバーグ山脈に自生するマメ科植物であり、その茶葉を乾燥させて抽出したものは古くから飲用に供されてきたことが知られている。例えば、南アフリカ共和国のコイサン人は、ルイボス茶を薬草として飲用していた。また、発酵乾燥したルイボス茶葉の抽出液は紅茶のように赤色であるため、南アフリカに入植したオランダ人は、紅茶の代用品としてルイボス茶を飲用してきたことが知られている。
しかしながらルイボスは、とりわけ我が国においては、広く一般に普及している飲用品として地位を獲得するまでに至っておらず、限られた嗜好者の間で根強い人気を獲得しているのが実情である。その理由は幾つか考えられるが、いわゆるルイボスティーが特有の匂いを有するため、日本人の嗜好に十分に適合しておらず、いわゆる愛好家を除いては寧ろ他の飲用品が選ばれる傾向にあった。
それにも関わらず、近年の健康志向の流れから、ルイボスを飲用しようという機運も見受けられるようになっている。ルイボスに含まれる成分が各種健康性に寄与することは様々な場で報告されており、なかでもフラボノイド等の多数のフェノール系化合物は、抗酸化作用を有することが知られている。また、ルイボスは、カフェインを含まないため、世代や性差を超えて幅広く受容される素地を有しているといえる。
そこで、日本人にとって飲用しやすい、ルイボスの飲用形態が求められていた。とりわけ近年の動向から、長期保存が可能であって、いつでもどこでも手軽に飲用できる容器詰飲料の形態で提供することが求められていた。
特許文献1には、ポリフェノール含量が高く、色調や風味が改善されて嗜好性に優れたルイボスティーエキスの製法が記載されており、具体的には、pH7乃至12の範囲内において水抽出処理する方法が開示されている。
特許文献2には、ルイボスティー葉とルイボスティー葉抽出残渣とを併用する、又はこれらをルイボスティー葉の抽出液と混合し、浸漬処理したものを凍結乾燥または真空乾燥したものを例えばティーバッグ等に封入することが開示されている。
特許文献3には、ルイボスティーの食後高血糖および血中尿酸低下作用が記載されている。
しかし、特許文献1乃至3は、いずれも容器詰飲料における飲用適性の向上を志向するものではない。より具体的には、特許文献1は、ルイボスティーエキスに関するものであって容器詰飲料に関するものではない。また、特許文献2は、凍結乾燥又は真空乾燥して得られる乾燥物であって容器詰飲料に関するものではない。さらに、特許文献3は、ルイボスティーの機能性に関するものであって容器詰飲料に関するものではない。したがって、特許文献1乃至3は、いずれも本願発明の技術課題、解決手段及び発明の効果のいずれについても性質を異にするものである。
特開平7−393397 特開2006−246817 特開2008−156264
本発明は、ルイボス飲料に清涼感を付与し、甘香を強化することにより、飲用し易いルイボス抽出液含有飲料(ルイボス飲料)を提供することを目的とする。
本発明者らは、不発酵ルイボス抽出液を添加することにより、ルイボス飲料に清涼感を付与し、甘香を強化し、劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 不発酵ルイボス抽出液を有効成分とする、ルイボス飲料の清涼感付与剤。
[2] 不発酵ルイボス抽出液を有効成分とする、ルイボス飲料の甘香強化剤。
[3] 不発酵ルイボス抽出液を有効成分とする、ルイボス飲料の劣化抑制剤。
[4] 前記[1]に記載の清涼感付与剤、前記[2]に記載の甘香強化剤、又は前記[3]に記載の劣化抑制剤を含有することを特徴とするルイボス飲料。
[5] 前記ルイボス飲料が容器詰めしたものであることを特徴とする、前記[4]に記載のルイボス飲料。
[6] 20〜110ppmのアスパラチンを含有することを特徴とする容器詰ルイボス飲料。
[7] 不発酵ルイボス抽出液の含有量が、飲料全体に対して10〜60重量%であることを特徴とする容器詰ルイボス飲料。
[8] 不発酵ルイボス抽出液を添加することを特徴とする、ルイボス飲料に清涼感を付与する方法。
[9] 不発酵ルイボス抽出液を添加することを特徴とする、ルイボス飲料の甘香を強化する方法。
[10] 不発酵ルイボス抽出液を添加することを特徴とする、ルイボス飲料の劣化を抑制する方法。
[11] 発酵ルイボスを抽出して得た抽出液に不発酵ルイボスを抽出して得た抽出液を配合し、得られた抽出液を容器充填することを特徴とする容器詰ルイボス飲料の製造方法。
[12] 発酵ルイボス葉と不発酵ルイボス葉とのルイボス葉混合物を調製し、該混合物を抽出することにより抽出液を調製し、該抽出液を容器に充填することを特徴とする容器詰ルイボス飲料の製造方法。
に関する。
本発明により、清涼感を付与し、甘香を強化し、劣化を抑制したルイボス飲料が提供できる。
本発明の実施態様を以下に詳説するが、本発明の技術的範囲を逸脱しない限りにおいて、本発明は下記の態様に限定されるものではない。
(発酵ルイボス)
本発明において「発酵ルイボス」とは、ルイボス茶葉が発酵したものをいう。ルイボス茶葉は、もともと緑色であるが、ルイボス葉中の酵素の働きにより時間が経過すると徐々に赤色に変化する。一般的にルイボス茶と称されるものは、発酵ルイボスに相当するものであり、ルイボス茶が赤色であるという一般的な印象が普及していることからも裏付けられる。
本発明において「発酵ルイボス」は、ルイボス葉中それ自身に含まれる酵素の働きにより発酵したものを用いるのが簡便である。
(不発酵ルイボス)
本発明において「不発酵ルイボス」とは、ルイボス葉に含まれる酵素を失活させることにより前記「発酵ルイボス」の状態にまで至らなかったものをいう。ルイボス葉に含まれる酵素は、例えば蒸気等の熱処理により酵素失活させることができるが、本発明においてはルイボス葉に含まれる酵素の働きを抑制できる限りにおいて、他の手段を用いてもよい。
また、本発明において「不発酵ルイボス」は、ルイボス葉が発酵状態にまで至らなかったものを指すものであって、発酵工程を全く経なかったルイボス葉が含まれるのは勿論のこと、いわゆる弱発酵や中発酵などの発酵工程が完了しなかった途中段階のものも含む。
(発酵ルイボス抽出液)
本発明において「発酵ルイボス抽出液」とは、前記発酵ルイボス葉を溶媒で抽出して得た抽出液をいう。溶媒としては熱水等を用いるのが好ましいが、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されるものではない。また、抽出方法については、公知の手段を用いることができる。
なお、溶媒の各種条件については、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されるものではないが、水を用いた場合の抽出温度は、高温抽出(70〜100℃のいずれか)、低温抽出(0℃〜70℃のいずれか)であってよい。また、高温抽出して得た抽出液と低温抽出して得た抽出液とを混合して併用してもよい。
(不発酵ルイボス抽出液)
本発明において「不発酵ルイボス抽出液」とは、前記不発酵ルイボス葉を溶媒で抽出して得た抽出液をいう。溶媒としては熱水等を用いるのが好ましいが、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されるものではない。また、抽出方法については、公知の手段を用いることができる。
なお、溶媒の各種条件については、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されるものではないが、水を用いた場合の抽出温度は、高温抽出(70〜100℃のいずれか)、低温抽出(0℃〜70℃のいずれか)であってよいが、低温抽出(0℃〜70℃のいずれか)であるのが好ましい。また、高温抽出して得た抽出液と低温抽出して得た抽出液とを混合して併用してもよい。
(ルイボス飲料)
本発明においてルイボス飲料とは、前述の発酵ルイボス抽出液及び/又は不発酵ルイボス抽出液を飲料化したものをいう。また、本発明において容器詰ルイボス飲料とは、発酵ルイボス抽出液及び/又は不発酵ルイボス抽出液を飲料化したものを容器に充填したものをいう。
容器詰飲料は、製造後に一定程度の長期に亘って保存可能なものをいう。なお、容器は、PET容器、アルミ容器、スチール容器、紙容器等の公知のものを用いることができるが、ルイボス抽出液由来の色調を楽しむ観点からは、開栓前であっても内容液の色調が目視できる透明又は半透明のものが好ましい。
また、不発酵ルイボスを抽出して得た抽出液の配合割合は、飲料全体に対して1〜60重量%で用いるのが好ましく、10〜50重量%で用いるのがより好ましく、10〜40重量%で用いるのがさらに好ましく、10〜20重量%で用いるのが最も好ましい。
なお、本発明における容器詰ルイボス飲料は、発酵ルイボスを抽出して得た抽出液に不発酵ルイボスを抽出して得た抽出液を配合し、得られた抽出液を容器充填することにより得られる他、発酵ルイボスと不発酵ルイボスの混合物を調製し、該混合物を抽出することにより抽出液を調製し、該抽出液を容器に充填することによっても得られる。
(アスパラチン)
本発明における飲料は、アスパラチンを含むものであってよく、その含有量は、20〜110ppmが好ましく、30〜100ppmがより好ましく、30〜80ppmがさらに好ましく、30〜50ppmが最も好ましい。
不発酵ルイボス抽出液は、発酵ルイボス抽出液と比較してアスパラチンを多く含むものであるから、両抽出液におけるアスパラチンの含有量を公知の方法で分析測定すれば、所望のとおり調整することができる。また、アスパラチンは、製剤などを使用することもできるが、ルイボス飲料の健康性を鑑みると、製剤を極力使用せずに調整することが好ましい。
なお、不発酵ルイボスに含まれるアスパラチン量は、ルイボス茶葉の栽培環境や収穫時期、加工工程等の諸条件による影響を受けるため、不発酵ルイボスを抽出することでアスパラチンを所望の量に調整するためには、アスパラチンの調整に適した原料を選定することが好ましい。
(ポリフェノール)
本発明における飲料は、ポリフェノールを含むものであってよく、その含有量は、60.5〜63.5mg/100gが好ましく、60.5〜62.5mg/100gがより好ましく、60.5〜62.0mg/100gがさらに好ましく、60.5〜61.5mg/100gが最も好ましい。
不発酵ルイボス抽出液は、発酵ルイボス抽出液と比較してポリフェノールを多く含むものであるから、両抽出液におけるポリフェノールの含有量を公知の方法で分析測定すれば、所望のとおり調整することができる。また、ポリフェノールは、製剤などを使用することもできるが、ルイボス飲料の健康性を鑑みると、製剤を極力使用せずに調整することが好ましい。
本発明における飲料は、カルシウムを含むものであってよく、0.40〜0.70mg/100mLが好ましく、0.40〜0.68mg/100mLがより好ましく、0.42〜0.59mg/100mLがさらに好ましく、0.44〜0.46mg/100mLが最も好ましい。
また、本発明における飲料は、マグネシウムを含むものであってよく、0.83〜1.15mg/100mLが好ましく、0.84〜1.11mg/100mLがより好ましく、0.85〜1.01mg/100mLがさらに好ましく、0.87〜0.92mg/100mLが最も好ましい。
不発酵ルイボス抽出液は、発酵ルイボス抽出液と比較してミネラル類を多く含むものであるから、両抽出液における各種ミネラル類の含有量を公知の方法で分析測定すれば、所望のとおり調整することができる。また、各種ミネラル類は、製剤などを使用することもできるが、ルイボス飲料の健康性を鑑みると、製剤を極力使用せずに調整することが好ましい。
(ルイボス飲料の清涼感付与剤)
本発明における不発酵ルイボス抽出液は、これを含有しないルイボス飲料に清涼感を付与することができる。よって、本発明における不発酵ルイボス抽出液は、これを含有しないルイボス飲料の清涼感付与剤として用いることができる。かかる不発酵ルイボス抽出液は、本発明の効果を奏する限りにおいて、その製法には限定されるものではないが、例えば、不発酵ルイボス葉を低温抽出することにより得ることができる。
(ルイボス飲料の甘香強化剤)
本発明における不発酵ルイボス抽出液は、これを含有しないルイボス飲料の甘香を強化することができる。よって、本発明における不発酵ルイボス抽出液は、これを含有しないルイボス飲料の甘香強化剤として用いることができる。かかる不発酵ルイボス抽出液は、本発明の効果を奏する限りにおいて、その製法には限定されるものではないが、例えば、不発酵ルイボス葉を低温抽出することにより得ることができる。
(ルイボス飲料の劣化抑制剤)
本発明における不発酵ルイボス抽出液は、これを含有しないルイボス飲料の劣化を抑制することができる。よって、本発明における不発酵ルイボス抽出液は、これを含有しないルイボス飲料の劣化抑制剤として用いることができる。かかる不発酵ルイボス抽出液は、本発明の効果を奏する限りにおいて、その製法には限定されるものではないが、例えば、不発酵ルイボス葉を低温抽出することにより得ることができる。
また、本発明における不発酵ルイボス抽出液は、前記発酵ルイボス抽出液との混合液全体に対して10〜60重量%で用いるのが好ましく、10〜50重量%で用いるのがより好ましく、10〜40重量%で用いるのがさらに好ましく、10〜30重量%で用いるのがより好ましく、10〜20重量%で用いるのが最も好ましい。
また、不発酵ルイボス抽出液を発酵ルイボス抽出液に添加して得た混合液は、後述のとおり飲料化することができる。
本発明につき実施例を用いて以下に詳説するが、本発明は以下に記載の実施例により限定されるものではない。
試験1:ルイボス葉抽出液の調製
(1)原料及び抽出
200gの発酵ルイボス葉(南アフリカ共和国産)と、200gの不発酵ルイボス葉(南アフリカ共和国産)を用意して、それぞれを100gずつ2群に分けた。
発酵ルイボス葉の第1群については、90℃の熱水(2000mL)を用いて攪拌操作をしながら720秒抽出した。なお、前記攪拌操作は、1秒に2回転の速さの回転速度で抽出開始時及び抽出開始から2分毎に10秒間実施した。なお、得られた抽出液は、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、この濾液を10℃に冷却した後に遠心分離を行い、発酵ルイボス抽出液を得た(高温抽出)。
発酵ルイボス葉の第2群については、50℃の温水(2000mL)を用いて攪拌操作をしながら720秒抽出した。なお、前記攪拌操作は、1秒に2回転の速さの回転速度で抽出開始時及び抽出開始から2分毎に10秒間実施した。なお、得られた抽出液は、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、この濾液を10℃に冷却した後に遠心分離を行い、発酵ルイボス抽出液を得た(低温抽出)。
不発酵ルイボス葉の第1群については、90℃の熱水(2000mL)を用いて攪拌操作をしながら720秒抽出した。なお、前記攪拌操作は、1秒に2回転の速さの回転速度で抽出開始時及び抽出開始から2分毎に10秒間実施した。なお、得られた抽出液は、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、この濾液を10℃に冷却した後に遠心分離を行い、発酵ルイボス抽出液を得た(高温抽出)。
不発酵ルイボス葉の第2群については、50℃の温水(2000mL)を用いて攪拌操作をしながら720秒抽出した。なお、前記攪拌操作は、1秒に2回転の速さの回転速度で抽出開始時及び抽出開始から2分毎に10秒間実施した。なお、得られた抽出液は、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、この濾液を10℃に冷却した後に遠心分離を行い、発酵ルイボス抽出液を得た(低温抽出)。
(2)試料の調製
次に、得られた発酵ルイボス抽出液と不発酵ルイボス抽出液の各々に純水を加えてBxが0.20となるように調整した後、表1に記載の割合で混合して複数のルイボス抽出液を調整した。この抽出液に、アスコルビン酸を300ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、複数のルイボス調合液を調製した。
なお、得られたルイボス調合液は、高温短時間殺菌処理(137.5℃,30秒)の後、25℃に冷却し、ペットボトルに無菌環境で充填し、プラスチックキャップにて巻き締め、密封することにより容器詰ルイボス飲料を得た。
(3)各成分の測定方法
得られた容器詰ルイボス飲料における各成分の測定を実施した。なお、各成分の測定方法は、下記に記載のとおりである。
・ポリフェノールの定量方法
フォーリンデニス法にてポリフェノール量を定量した(「分析実務者が解説 栄養表示のための成分分析のポイント」,「分析実務者が書いた 五訂日本食品標準成分表分析マニュアルの解説」参照)。
・アスパラチンの定量方法
公知の定量方法(Muller 2012 Phytomedicine 20(1) 32-39)に従い、試料中のアスパラチンを定量した。ルイボス茶葉については、茶葉0.11gをアセトニトリル(0.1%リン酸)に30分間溶解し、下記条件によるHPLCで定量した。また、液体については、そのままで下記条件によるHPLCで定量した。
HPLC条件:
カラム:Waters XBridge Shield RP18 3.5μm 3.0×150mm
流速:0.35ml/min 温度:40℃ 検出:340nm
A液:0.1%ギ酸水溶液、B液:100%MeOH
グラジェント:0-3min(A75%)→13min(A40%)→15min(A20%)
・カリウム量の測定
各実施例試料、比較例試料の調製で得られた容器詰ルイボス飲料を秤取し、1%塩酸で抽出し、ろ過をした。その濾過液を定容し、原子吸光法により測定した。
・マグネシウム量の測定
各実施例試料、比較例試料の調製で得られた容器詰ルイボス飲料を秤取し、1%硝酸で抽出し、ろ過をした。その濾過液を定容し、ICP発光分析法により測定した。
・ブリックス(Bx):屈折計法
測定装置の温度を所定の温度に調整し、測定装置(屈折計)を校正し、各実施例試料、比較例試料の調製で得られた容器詰ルイボス含有飲料を糖度光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX-DD7α-Tea)を用いて測定した。
・pH:ガラス電極法
pHメーターをpH標準溶液による校正を実施し、各実施例試料、比較例試料の調製で得られた容器詰ルイボス飲料をビーカーに採取し、pHメーターのガラス電極をサンプル中に挿入し、測定 (機器の表示値を記録)した。
(4)評価
訓練を受けたパネラー9名が、得られた各容器詰ルイボス飲料につき評価を実施した。なお、評価方法としては、発酵ルイボス抽出液のみを用いて調製した飲料を基準サンプルとして、各ルイボス飲料について評価した。
なお、評価項目は下記のとおりであり、
<発酵ルイボスらしい甘みのある香り(甘香)>
・基準サンプルと比較して
5点:強く感じられる。
4点:やや感じられる。
3点:同程度に感じられる。
2点:やや感じられない。
1点:ほとんど又は全く感じられない。
<すっきりとした後味(清涼感)>
・基準サンプルと比較して
5点:強く感じられる。
4点:やや感じられる。
3点:同程度に感じられる。
2点:やや感じられない。
1点:ほとんど又は全く感じられない。
各試料における不発酵ルイボス抽出液の添加量、各種成分値及び上記官能評価の結果を表1に示す。なお、表1中の「抽出液」は調合および加熱殺菌前のルイボス抽出液を、「殺菌後(常温)」は加熱殺菌して容器詰めした後の常温状態のルイボス飲料を、「殺菌後(コールド)」は加熱殺菌して容器詰めした後の冷やした状態のルイボス飲料を、「経時」は長期保存による劣化を想定して60℃で4日間加温保管して劣化を加速させたルイボス飲料をそれぞれ意味する。
Figure 0006713980
(5)考察
表1が示すとおり、不発酵ルイボス抽出液を、これを含有しないルイボス飲料に添加することにより、基準品(発酵ルイボス葉を高温抽出したもの)と比較して、ルイボス飲料の清涼感(すっきりとした後味)が向上した。この効果は、加熱殺菌後にとりわけ顕著に認められた。
また、かかる効果は、加熱殺菌処理後のルイボス飲料を冷却して飲用した場合においても同様に認められた。
さらに、長期保存を想定しての経時劣化試験後においても、同様の効果が認められた。
また、表1は、発酵ルイボス抽出液に不発酵発酵ルイボス抽出液(低温抽出と高温抽出とにかかわらず)を添加することにより、基準品と比較してルイボス飲料に清涼感(すっきりとした後味)を付与できたことを示している。
また、表1は、発酵ルイボス抽出液に所定量の不発酵発酵ルイボス抽出液(低温抽出と高温抽出とにかかわらず)を添加することにより、基準品と比較してルイボス飲料の甘香が強化できたことを示している(発酵ルイボスらしい甘みのある香り)。
さらに、これらの効果は、長期保存を想定しての経時劣化試験後においても、同様に認められた。
試験2:混合ルイボス茶葉
(1)原料、抽出及び評価
試験1(1)原料に記載と同様、発酵ルイボス葉不発酵ルイボス葉を用意し、表2に記載の割合で発酵ルイボス葉不発酵ルイボス葉を混合し、複数のルイボス葉混合物を調製した。90℃の熱水(2000mL)を用いて攪拌操作をしながら、得られたルイボス葉混合物を720秒抽出した。なお、前記攪拌操作は、1秒に2回転の速さの回転速度で抽出開始時及び抽出開始から2分毎に10秒間実施した。なお、得られた抽出液は、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、この濾液を10℃に冷却した後に遠心分離を行い、ルイボス抽出液を得た。なお、評価方法については、試験1と同様の方法にて実施した。
Figure 0006713980
(2)考察
試験1の結果と同様、発酵ルイボス葉に少量の不発酵ルイボス葉を添加することにより、ルイボス飲料の清涼感(すっきりとした後味)が向上した。また、発酵ルイボス葉に少量の不発酵ルイボス葉を添加することにより、発酵ルイボス抽出液らしい甘みのある香り(甘香)が向上した。いずれの効果についても、不発酵ルイボス葉の配合量が1〜60重量%である場合に顕著に見られた。
本発明により、ルイボス飲料に清涼感を付与し、甘香を強化し、劣化を抑制することにより、日本人にとって飲用しやすいルイボスの飲用形態、とりわけ、長期保存が可能であっていつでもどこでも手軽に飲用できる容器詰飲料の形態によりルイボス飲料が提供できる。

Claims (1)

  1. 不発酵ルイボス抽出液を有効成分とする、ルイボス飲料の清涼感付与剤。
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