JP2011006663A - ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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堅大郎 鈴木
Mariko Fujiwara
真理子 藤原
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武史 西村
Megumi Nagase
恵 長瀬
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Abstract

【課題】非水系でありながらアルミニウム等の金属に対して優れた接着性を発現する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物Aと、水溶性ポリオール化合物Bと、酸性リン系化合物又はその塩Cと、疎水性ポリオール化合物Dとで構成される。酸性リン系化合物として、下記式(1)
【化1】
Figure 2011006663

(式中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、又は炭化水素基を示す。nは、Rが水素原子又は炭化水素基の場合は1であり、Rがヒドロキシル基の場合は1以上の整数を示す)
で表される化合物を使用できる。水溶性ポリオール化合物Bとしては、炭素数2〜6の脂肪族多価アルコール、ジ又はトリエチレングリコール及びポリグリセリンから選択された少なくとも1種の化合物であるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、特にアルミニウムに対して高い接着性を有するウレタン樹脂組成物に関する。このウレタン樹脂組成物は接着剤、コーティング剤(塗料等)などとして有用である。
従来、接着剤やコーティング剤等はアルミニウム表面への接着性に劣るため、接着剤やコーティング剤等をアルミニウムに接着する方法として、予め、シランカップリング剤やキレート化剤を含むプライマーをアルミニウム表面に塗布し、その後、接着剤やコーティング剤等を上塗りする方法が知られていたが(特許文献1参照)、手間がかかることが問題であった。
キレート化剤としては様々な種類が知られている。そのうちリン酸系、亜リン酸系化合物はプライマーとして使用される他に、防錆効果や接着耐久性の向上を目的として使用されることも知られていた(非特許文献1参照)。しかしながら、リン酸系、亜リン酸系化合物は水には溶解するものの、通常、有機系化合物には溶解しないため、主に水性系の接着剤や塗料にのみ使用されていた。すなわち、非水系の接着剤等に簡便にアルミニウムに対する接着性を付与する方法が未だ見出されていないのが現状である。
特開平9−132752号公報
中前勝彦、「接着ハンドブック」、日刊工業新聞社、1996年、p.63
本発明の目的は、非水系でありながらアルミニウム等の金属に対して優れた接着性を発現する樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリイソシアネート化合物と水溶性ポリオール化合物と酸性リン系化合物又はその塩とで構成されるウレタン樹脂組成物は、非水系でありながらアルミニウム等の金属に対して高い接着性を発現することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリイソシアネート化合物Aと、水溶性ポリオール化合物Bと、酸性リン系化合物又はその塩Cと、疎水性ポリオール化合物Dとで構成されるウレタン樹脂組成物を提供する。
前記酸性リン系化合物として、下記式(1)
Figure 2011006663
(式中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、又は炭化水素基を示す。nは、Rが水素原子又は炭化水素基の場合は1であり、Rがヒドロキシル基の場合は1以上の整数を示す)
で表される化合物が挙げられる。
酸性リン系化合物の塩として、酸性リン系化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられる。
水溶性ポリオール化合物Bとしては、炭素数2〜6の脂肪族多価アルコール、ジ又はトリエチレングリコール及びポリグリセリンから選択された少なくとも1種の化合物を使用するのが好ましい。
前記疎水性ポリオール化合物Dとして、例えば、ひまし油系ポリオール、ビスフェノールA型骨格を有するポリオール化合物及び2以上のヒドロキシル基を有する炭化水素系ポリマーから選択された少なくとも1種の化合物を使用できる。
前記ウレタン樹脂組成物は、さらに、硬化触媒Eを含んでいてもよい。また、前記ウレタン樹脂組成物は、さらに、脱水剤Fを含んでいてもよい。脱水剤Fは粉体であるのが好ましい。
前記ウレタン樹脂組成物は2液型樹脂組成物であるのが好ましい。
本発明のウレタン樹脂組成物によれば、非水系でありながらアルミニウム等の金属に対して優れた接着性(密着性)を発現する。そのため、プライマー処理等を特に必要としない。本発明のウレタン樹脂組成物は、アルミニウム等の金属表面に適用する接着剤、コーティング剤(塗料等)などとして使用できる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物Aと、水溶性ポリオール化合物Bと、酸性リン系化合物又はその塩Cと、疎水性ポリオール化合物Dとで構成される。
[ポリイソシアネート化合物A]
ポリイソシアネート化合物Aは、多官能のイソシアネート化合物であればよい。ポリイソシアネート化合物Aとしては、2〜6官能のイソシアネート化合物が好ましく、2〜4官能のイソシアネート化合物(中でも2官能のイソシアネート化合物)が特に好ましい。
ポリイソシアネート化合物Aには、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが含まれる。ポリイソシアネート化合物Aは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネ−ト等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネ−ト、p−フェニレンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,4−ジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエ−テルジイソシアネ−ト、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネ−ト、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネ−ト、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシネ−ト、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネ−ト等の芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物Aとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼンを好適に用いることができる。特に、ポリイソシアネート化合物Aとして、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、中でも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−トなどの芳香族ポリイソシアネートが好ましい。
なお、本発明では、ポリイソシアネート化合物Aとしては、前記例示の脂肪族ポリイソシアネ−ト、脂環式ポリイソシアネ−ト、芳香族ポリイソシアネ−ト、芳香脂肪族ポリイソシアネ−トによる二量体や三量体、反応生成物又は重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの二量体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなど)なども用いることができる。
ポリイソシアネート化合物Aは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
[水溶性ポリオール化合物B]
水溶性ポリオール化合物Bとしては、水と任意の割合で混和する(溶液となる)ポリオールであればよく、2価のアルコール、3価以上のアルコールのいずれであってもよい。
代表的な水溶性ポリオール化合物Bとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン等のポリグリセリン、ブチレングリコール(1,2−ブタンジオール)、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンチレングリコール(1,2−ペンタンジオール)などが挙げられる。
これらの中でも、水溶性ポリオール化合物Bとして、炭素数2〜6の脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンチレングリコールなど)、ジ又はトリエチレングリコール及びポリグリセリンから選択された少なくとも1種の化合物を使用するのが好ましい。
水溶液ポリオールBの分子量は、通常60〜400、好ましくは60〜190程度である。水溶性ポリオール化合物Bは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
水溶性ポリオール化合物Bの配合量は、ポリイソシアネート化合物A100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは2〜30質量部程度である。水溶性ポリオール化合物Bの配合量が少なすぎる場合、多すぎる場合の何れの場合も、アルミニウム等の金属に対する接着性が低下しやすくなる。
[酸性リン系化合物又はその塩C]
酸性リン系化合物としては、リン系化合物であって酸性を呈するものであればよく、例えば、リン酸、ポリリン酸(ピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸等)、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、亜リン酸、亜リン酸モノエステル、有機ホスホン酸、有機ホスホン酸モノエステルなどが挙げられる。
酸性リン系化合物としては、特に、前記式(1)で表される化合物が好ましい。式(1)中のRは水素原子、ヒドロキシル基、又は炭化水素基を示す。nは、Rが水素原子又は炭化水素基の場合は1であり、Rがヒドロキシル基の場合は1以上の整数を示す。式(1)において、Rが水素原子である化合物は亜リン酸、Rがヒドロキシル基である化合物はリン酸又はポリリン酸(トリリン酸等)、Rが炭化水素基である化合物は有機ホスホン酸である。
Rにおける炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが2以上結合した基等が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル基などのアルキル基(C1-5アルキル基等)、アリル基などのアルケニル基(C2-5アルケニル基等)、エチニル基などのアルキニル基(C2-5アルキニル基等)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル、トリル、ナフチル、アントリル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基と脂肪族炭化水素とが結合した基として、ベンジル、2−フェニルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
前記炭化水素基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等のC1-5アルキル基;ビニル、アリル基等のC2-5アルケニル基;フェニル、ナフチル基等のアリール基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;メトキシ、エトキシ基等のC1-5アルコキシ基;フェニルオキシ、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;アミノ基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等のC1-5アルコキシ−カルボニル基;アセチル、ベンゾイル基等のC1-10アシル基;アセチルオキシ基等のC1-10アシルオキシ基;シアノ基;ニトロ基;フッ素、塩素原子等のハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
Rが炭化水素基である有機ホスホン酸の代表的な例として、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸等の脂肪族有機ホスホン酸;シクロヘキシルホスホン酸等の脂環式有機ホスホン酸;フェニルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、クロロフェニルホスホン酸、ジフルオロフェニルホスホン酸、メトキシフェニルホスホン酸、エトキシフェニルホスホン酸、カルボキシフェニルホスホン酸、ジカルボキシフェニルホスホン酸、トリカルボキシフェニルホスホン酸等の芳香族有機ホスホン酸などが挙げられる。これらの中でも、芳香族有機ホスホン酸が好ましい。
前記酸性リン系化合物の塩としては、酸性リン系化合物の無機塩基との塩、酸性リン系化合物の有機塩基との塩などが挙げられる。酸性リン系化合物の無機塩基との塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩など;例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等);アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩など;例えば、リン酸二水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、リン酸水素カルシウム等);アルミニウム塩、亜鉛塩などの金属塩(例えば、トリリン酸アルミニウム、トリリン酸亜鉛等);アンモニウム塩(例えば、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等)などが挙げられる。本発明における酸性リン系化合物の無機塩基との塩としては、なかでも、硬化性への影響がない点で、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましく、特に、リン酸水素カルシウムが好ましい。
酸性リン系化合物と塩を形成する有機塩基としては、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−アミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルピペラジンエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族アミン化合物;ピペラジン、モルホリン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピロリジン、DBU(ジアザビシクロウンデセン)等の環状アミン;アニリン、N,N−ジメチルアニリン、フェニレンジアミン等の芳香族アミン化合物;ピリジン、ピコリン、キノリン等の含窒素芳香族複素環化合物などが挙げられる。これらの中でも、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン、トリエタノールアミン等のトリアルコールアミン、DBU等の環状アミンが特に好ましい。また、酸性リン系化合物の有機塩基との塩は、それ自体酸性を呈するものが好ましい。
酸性リン系化合物又はその塩Cは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
酸性リン系化合物又はその塩Cの配合量は、ポリイソシアネート化合物A100質量部に対して、通常0.0001〜15質量部、好ましくは0.001〜8質量部程度、より好ましくは0.01〜5質量部程度である。酸性リン系化合物又はその塩Cの配合量が少なすぎると、アルミニウム等の金属に対する接着性が低下しやすくなる。また、逆に多すぎると、耐水性が低下しやすくなる。
[疎水性ポリオール化合物D]
本発明のウレタン樹脂組成物は、前記ポリイソシアネート化合物A、水溶性ポリオール化合物B、酸性リン系化合物又はその塩Cに加え、さらに疎水性ポリオール化合物Dを含んでいる。ウレタン樹脂組成物中に疎水性ポリオール化合物Dを含有させると、水溶性ポリオール化合物Bの分散安定性が向上し、水溶性ポリオール化合物Bの金属界面への移行がよりスムーズに行われ、接着性(接着強度)がより向上するとともに、耐久性(特に耐湿性)も向上する。
疎水性ポリオール化合物Dとしては、分子を構成する全原子中酸素原子の占める割合(以下、「酸素含有率」と称する場合がある)が20質量%以下(好ましくは18質量%以下)で、水と混和しない化合物(水と任意の割合で混和することのない化合物)、且つヒドロキシル基を2以上有する化合物であるのがよく、例えば、ひまし油系ポリオール、ビスフェノールA型骨格を有するポリオール化合物、2以上のヒドロキシル基を有する炭化水素系ポリマーなどが挙げられる。疎水性ポリオール化合物Dは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。なお、上記酸素含有率は、酸素元素分析により求めることができる。酸素元素分析は、例えば以下の条件で行うことができる。
<装置>CE Instruments社製、EA1110
<分析条件>
サンプル封入コンテナ材質:錫
GCカラム設定温度:60℃
GCキャリアガス:ヘリウム
燃焼炉設定温度:1080℃
燃焼ガス検知器:TCD
キャリアガス流速:120mL/min
ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油、ひまし油脂肪酸とポリオール(低分子ポリオール及び/又はポリエーテルポリオール)との線状又は分岐状ポリエステル(例えば、ひまし油脂肪酸のジグリセライド、モノグリセライド、ひまし油脂肪酸とトリメチロールプロパンとのモノ、ジ又はトリエステル等)などが挙げられる。なお、上記低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールAなどの2価の低分子ポリオール;ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸などのカルボキシル基を有する2価の低分子ポリオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの3価以上の低分子ポリオールなどが挙げられる。ひまし油系ポリオールの市販品として、豊国製油社製、商品名「TLM」(ひまし油系ポリエステルポリオール、水酸基価=168.3mg−KOH/g、酸素含有率15.92質量%)等がある。
ビスフェノールA型骨格を有するポリオール化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルにカルボキシル基を有する化合物(ロジン等)を付加して得られる化合物などのビスフェノールA型ポリオール化合物[例えば、ロジン構造含有ポリオール(荒川化学社製、商品名「パインクリスタルD−6011」、水酸基価=118.4mg−KOH/g、Mn=950、酸素含有率13.60質量%)]などが挙げられる。
2以上のヒドロキシル基を有する炭化水素系ポリマーとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、水添ポリイソプレンポリオールなどのポリオレフィン系ポリオールが挙げられる。これらの中でも、、水添ポリブタジエンポリオールが特に好ましい。ポリブタジエンポリオールの市販品として、出光興産社製、商品名「POLY bd R−45HT」(水酸基価=45.4mg−KOH/g、Mn=2470、酸素含有率2.57質量%)等がある。
疎水性ポリオール化合物Dのヒドロキシル基の数は1分子中、好ましくは2〜6であり、より好ましくは2〜4である。疎水性ポリオール化合物Dの水酸基価は、好ましくは1〜1200mg−KOH/gであり、より好ましくは5〜400mg−KOH/g程度である。疎水性ポリオール化合物Dの数平均分子量(GPC法)は、好ましくは200〜10000であり、より好ましくは500〜5000である。
疎水性ポリオール化合物Dを使用する場合の配合量は、ポリイソシアネート化合物A100質量部に対して、通常5〜300質量部、好ましくは30〜200質量部、さらに好ましくは50〜150質量部程度である。疎水性ポリオール化合物Dの配合量が少なすぎると、添加効果が小さくなる。また、逆に多すぎると、接着性が低下しやすくなる。
疎水性ポリオール化合物Dは予めポリイソシアネート化合物Aと反応させてプレポリマーとして使用することもできる。
前記のように、本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物Aと、水溶性ポリオール化合物Bと、酸性リン系化合物又はその塩Cと、疎水性ポリオール化合物Dとで構成されるため、アルミニウム等の金属に対する接着性が著しく向上する。この理由は次にように考えられる。すなわち、本発明のウレタン樹脂組成物をアルミニウム等の金属表面に塗布すると、ウレタン樹脂組成物中の水溶性ポリオール化合物Bは、疎水性の比較的高いポリイソシアネート化合物A及び疎水性ポリオール化合物Dよりも親和性の高い金属の界面付近へ移行する。この際、酸性リン系化合物又はその塩Cは水溶性ポリオール化合物Bに溶解又は分散するので、水溶性ポリオール化合物Bに伴って(水溶性ポリオール化合物Bに抱かれた状態で)、効率的に金属との界面へと移行し、金属表面を修飾する(被覆する)。この修飾がプライマーと同じような役割を果たし、その結果、ポリイソシアネート化合物Aと水溶性ポリオール化合物Bとの反応により生成するウレタン樹脂の金属表面に対する接着性が著しく向上するものと考えられる。なお、前記塗布層においては、A及びD成分を海とし、B及びC成分を島とする海島構造が形成されると考えられる。
[硬化触媒E、脱水剤F]
本発明のウレタン樹脂組成物は、上記成分のほか、必要に応じて、硬化触媒Eや脱水剤Fを含んでいてもよい。硬化触媒Eを添加することにより速硬化性が発現する。また、脱水剤Fを添加することにより、発泡を抑制することができる。
硬化触媒Eとしては、例えば、有機酸(例えば、蟻酸、酢酸、モノクロロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸等)、スズ系触媒[ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズビス(アセチルアセトネート)、ジブチルスズジラウレート等のアルキルスズ系化合物など]、アミン系触媒(トリエタノールアミン等)などを使用することができる。有機酸の中でも、クエン酸等のヒドロキシル基を有する有機酸が好ましい。硬化触媒Eとしては、スズ系触媒が特に好ましい。
硬化触媒Eを用いる場合、その使用量としては、特に制限されないが、例えば、ポリイソシアネート化合物A100質量部に対して0.001〜10質量部(好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.01〜2質量部)の範囲から選択することができる。
脱水剤Fとしては、脱水作用を有し且つ使用時の硬化性を損なわないものであれば特に制限はなく、例えば水に対して反応性を有するシラン化合物、水を結晶水として取り込む脱水剤、水を物理的に吸着する脱水剤などを使用できる。前記シラン化合物として、例えば、テトラメトキシシラン(メチルシリケート)、テトラエトキシシラン(エチルシリケート)等のアルコキシシラン化合物;グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、グリシドキシアルキルアルキルジアルコキシシランやグリシドキシアルキルジアルキルアルコキシシラン等のエポキシ基を有するシラン化合物などが挙げられる。
水を結晶水として取り込む脱水剤としては、無水塩化カルシウム、無水硫酸マグネシウムなどが挙げられる。水を物理的に吸着する脱水剤としては、ゼオライト(モレキュラーシーブ)、シリカゲルなどが挙げられる。また、モレキュラーシーブとしては、水のみを選択的に吸水する点で、モレキュラーシーブ3Aが好ましい。
脱水剤Fとしては、発泡防止性、接着性等の点で、ゼオライトなどの粉体が好ましい。
脱水剤Fを使用する場合、その使用量としては、特に制限されず、脱水剤の種類などに応じて適宜選択することができる。脱水剤Fの使用量は、例えば、ウレタン樹脂組成物(脱水剤Fを除く)に対して、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜20質量%程度、より好ましくは0.5〜5質量%程度である。
本発明に係るウレタン樹脂組成物には、更に、充填剤を添加してもよい。充填剤を添加することにより、硬化物の物性を調整することができる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、シリカや珪砂などを挙げることができる。本発明においては、なかでも、粘度調整が容易な点で炭酸カルシウムを使用することが好ましい。充填剤の使用量としては、例えば、ポリイソシアネート化合物A100質量部に対して0.001〜200質量部(好ましくは10〜150質量部、より好ましくは30〜100質量部)程度である。
本発明では、ウレタン樹脂組成物に、更に他の添加物[例えば、可塑剤、顔料(酸化チタン、カーボンブラックなど)、染料、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着付与剤、分散剤、揺変剤(又はチクソトロピー付与剤)(例えば、ヒュームドシリカ、アマイドワックス、植物油誘導体、ヒィブリル化繊維など)、反応性希釈剤、増量剤、改質剤、ポリマー粉(例えば、アクリル系ポリマー粉など)など]の他、潜在性硬化剤(例えば、ケチミン化合物、アルジミン化合物、オキサゾリジン化合物など)や粘度調整剤(例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素等の溶剤など)などが含まれていてもよい。これらの配合割合は、通常用いられる割合の中から適宜選択することができる。
例えば、ウレタン樹脂組成物にケチミン化合物を含有させると、速硬化性が発揮される。ただし、ケチミン化合物は水溶性ポリオール化合物Bに対して親和性を有するので、多量に添加すると、水溶性ポリオール化合物Bの金属界面への移行を阻害して、接着性の向上を妨げる場合がある。ケチミン化合物の添加量としては、例えば、ポリイソシアネート化合物A100質量部に対して30質量部以下(好ましくは5〜25質量部、より好ましくは10〜20質量部)程度である。
ケチミン化合物は、アミン化合物とケトン化合物とを脱水縮合させることにより得られる。アミン化合物として、例えば、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどの脂肪族ジアミン又はポリアミン;1,3−シクロペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−4−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−3−アミノメチルシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3−メチル−シクロヘキシルアミン)、メチル−2,3−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,4−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,6−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン{例えば、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなど}などの脂環式ジアミン又はポリアミン;m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ナフチレン−1,4−ジアミン、ナフチレン−1,5−ジアミン、4,4’−ジフェニルジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、2,4’−ジフェニルメタンジアミン、4,4’−ジフェニルエ−テルジアミン、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジアミン、4,4’−ジフェニルプロパンジアミン、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジアミンなどの芳香族ジアミン又はポリアミン;1,3−キシリレンジアミン、1,4−キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,4−キシリレンジアミン、ω,ω’−ジアミノ−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルアミノメチル)ベンゼンなどの芳香脂肪族ジアミン又はポリアミンなどが挙げられる。
一方、ケトン化合物としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルケトン、メチルs−ブチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチルブチルケトン、エチルイソブチルケトン、エチルt−ブチルケトン、エチルs−ブチルケトン、エチルペンチルケトン、エチルヘキシルケトンなどの脂肪族ケトン(例えば、C1-20アルキル−C1-20アルキルケトン);シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトンなどが挙げられる。
また、ウレタン樹脂組成物には、接着性や付着性を損なわない範囲で、例えば、変性シリコーン、シリル基末端ウレタンポリマー、シリル基を有し且つ主鎖がポリオキシアルキレン骨格を有しているポリマー、カルボン酸ビニルエステル系化合物などが添加されていてもよい。また、水溶性ポリオール化合物Bの金属界面への移行を阻害しない程度で、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等の前記以外のポリオールが添加されていてもよい。これらの配合割合は、通常用いられる割合の中から適宜選択することができる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、特に2液型樹脂組成物として有用である。2液型樹脂組成物とする場合、通常、ポリイソシアネート化合物AをI剤として1つの容器に入れ、水溶性ポリオール化合物Bと酸性リン系化合物又はその塩Cの混合液をII剤として別の容器に入れ、使用する際にこれらを混合する。疎水性ポリオール化合物Dは、これを水溶性ポリオール化合物Bと酸性リン系化合物又はその塩Cを含むII剤に配合してもよく、また予めポリイソシアネート化合物Aと反応させてプレポリマーを形成し、これをI剤とすることもできる。硬化触媒、脱水剤、他の添加剤を使用する場合、これらの成分は、望ましくない反応が生じたりしない限り、ポリイソシアネート化合物Aを含む液(I剤)、水溶性ポリオール化合物Bを含む液(II剤)のいずれの側に添加してもよく、また、ポリイソシアネート化合物Aを含む液(I剤)と水溶性ポリオール化合物Bを含む液(II剤)とを混合した後に添加してもよい。
本発明のウレタン樹脂組成物は、接着剤[例えば、自動車内装用接着剤、各種車両用接着剤(例えば、電車等の車両に用いられる接着剤)、建築内装工事用接着剤、建材用接着剤、電気・電子部品用接着剤、家具用接着剤、家庭用接着剤など]、コーティング剤[例えば、塗料(例えば、コンクリート用塗料、金属用塗料、木材用塗料、タイル用塗料、プラスチック用塗料、重防食塗料など)、トップコート剤、フロアポリッシュなど]、アンダーコート剤(下塗り剤)の他、バインダ(例えば、インキ、顔料プリント、セラミック材料、不織布、繊維収束剤、ゴム、木粉等におけるバインダ)、シーリング材、封止材(シーラー)、ポッティング材、パテ材、プライマー材、ラミネート材、サイジング剤等として用いることができる。特に、アルミニウム等の金属の表面に適用される接着剤、コーティング剤等として有用である。本発明のウレタン樹脂組成物をアルミニウム、銅、鉄、ステンレス等の金属表面に適用する場合には、プライマー処理をしなくても、高い接着性、密着性を示す。
本発明のウレタン樹脂組成物を上記適用基材(被塗布体)に適用する際には、刷毛やローラー等による塗布、噴霧、浸漬等の公知乃至慣用の方法を採用することができる。また、本発明の2液型ウレタン樹脂組成物を、適用基材(被塗布体)に塗布した後は、各種乾燥条件(自然乾燥、強制乾燥等)で乾燥を行うことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を示す。Mnは数平均分子量、Mwは重量平均分子量を示す。
実施例及び比較例で用いた材料は下記の通りである。
[ポリイソシアネート化合物A]
(1)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(商品名「ルプラネートMI」、BASF社製;「MI」と称する場合がある)
(2)クルードMDI(商品名「44V20」、住化バイエルウレタン社製;「44V20」と称する場合がある)
[水溶性ポリオール化合物B]
(1)エチレングリコール(「EG」と称する場合がある)
(2)ジエチレングリコール(「DEG」と称する場合がある)
(3)1,2−ペンタンジオール(「12−PD」と称する場合がある)
(4)グリセリン(「GLY」と称する場合がある)
(5)ジグリセロール(「DGLY」と称する場合がある)
[酸性リン系化合物又はその塩C]
(1)ホスホン酸(亜リン酸)
(2)フェニルホスホン酸(日産化学社製)
(3)リン酸
(4)リン酸一水素カルシウム・二水和物(「CaHPO4」と称する場合がある)
(5)トリリン酸アルミニウム(商品名「K−WHITE」、テイカ株式会社製)
(6)リン酸三マグネシウム・八水和物(「Mg3(PO42」と称する場合がある)
(7)リン酸三ナトリウム(「Na3PO4」と称する場合がある)
(8)リン酸二水素カリウム(「KH2PO4)」と称する場合がある)
(9)リン酸一水素二カリウム(「K2HPO4)」と称する場合がある)
[疎水性ポリオール化合物D]
(1)ひまし油ポリオール(商品名「TLM」、豊国製油社製、平均官能基数=2.7、水酸基価=168.3mg−KOH/g、Mn=約900、酸素含有率15.92質量%;「TLM」と称する場合がある)
(2)ビスフェノールA型ポリオール(商品名「パインクリスタルD−6011」、荒川化学社製、水酸基価=118.4mg−KOH/g、Mn=950、酸素含有率13.60質量%;「D−6011」と称する場合がある)
(3)ポリブタジエンポリオール(商品名「POLY bd R−45HT」、出光興産社製、水酸基価=45.4mg−KOH/g、Mn=2470、酸素含有率2.57質量%;「R−45HT」と称する場合がある)
[硬化触媒E]
(1)ジブチルスズジラウレート(商品名「ネオスタンU−100」、日東化成社製;「U−100」と称する場合がある)
[脱水剤F]
(1)ゼオライト(商品名「ゼオスターCA−110P」、日本化学工業社製;「CA−110P」と称する場合がある)
(2)メチルシリケート(商品名「MS−51」、三菱化学社製;「MS−51」と称する場合がある)
(3)ゼオライト(商品名「モレキュラーシーブ3A POWDER」、ユニオン昭和社製;「MS3A」と称する場合がある)
[充填剤]
(1)重質炭酸カルシウム(商品名「NS1000」、日東粉化工業社製;「NS1000」と称する場合がある)
[ケチミン化合物]
(1)イソホロンジアミンとジエチルケトンとの反応により得られるケチミン化合物(常法により調製した)(「IPDEK」と称する場合がある)
[ポリオール化合物]
(1)ポリエステルポリオール(商品名「NS2400」、旭電化工業社製、水酸基価=54.9mg−KOH/g、Mn=2000、酸素含有率28.12質量%;「NS2400」と称する場合がある)
実施例1〜29、比較例1、2
表1〜3に示す各成分を用いてI剤及びII剤を調製し、I剤とII剤とを混合してウレタン樹脂組成物を得た。なお、実施例12では、ポリイソシアネート化合物(MI)と疎水性ポリオール化合物(TLM)とを、70℃で3時間反応させてプレポリマーを合成し、これをI剤として用いた。また、実施例18では、ポリイソシアネート化合物(MI)と疎水性ポリオール化合物(R−45HT)とを、70℃で3時間反応させてプレポリマーを合成し、これをI剤として用いた。得られたウレタン樹脂組成物について、以下の方法により、接着強度、発泡性を評価した。なお、実施例15では、ポリイソシアネート化合物Aとして、「MI」と「44V20」を1:1の割合(質量比)で混合して用いた。
実施例及び比較例で得られたウレタン樹脂組成物について、下記方法により接着強度、及び発泡性を評価した。結果を表1〜3に示す。
[接着強度]
被着体として、アルミニウム/アルミニウム(それぞれ、100mm×25mm×1.6mm)を用い、実施例及び比較例の各ウレタン樹脂組成物を両方の被着体の片面に塗布し、直ちに貼り合わせ、温度23℃、50%RHの条件下で7日間養生させた。養生後の貼着されている被着体について、引張剪断試験(引張速度:5mm/min)を行って、接着強さを求め、該接着強さを常態接着強さ(単位:N/mm2)とした。また、その際の破壊状態を観察し、以下の基準で評価した。
A:界面破壊
C:凝集破壊
AC:薄層凝集破壊
M:材破
[発泡性]
実施例及び比較例において得られたウレタン樹脂組成物を、アクリル板上に1mm厚で塗布し、24時間、温度23℃、50%RHで静置して硬化物を得た。得られた硬化物を目視で観察し、発泡の有無を下記基準に従って評価した。
◎:発泡が全く見られなかった
○:発泡がわずかに見られた
△:発泡が少し見られた
×:発泡が多数見られた
なお、硬化速度は、ケチミン化合物を用いた実施例18及び19が最も速かった。
Figure 2011006663
Figure 2011006663
Figure 2011006663

Claims (9)

  1. ポリイソシアネート化合物Aと、水溶性ポリオール化合物Bと、酸性リン系化合物又はその塩Cと、疎水性ポリオール化合物Dとで構成されるウレタン樹脂組成物。
  2. 酸性リン系化合物が、下記式(1)
    Figure 2011006663
    (式中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、又は炭化水素基を示す。nは、Rが水素原子又は炭化水素基の場合は1であり、Rがヒドロキシル基の場合は1以上の整数を示す)
    で表される化合物である請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
  3. 酸性リン系化合物の塩が、酸性リン系化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である請求項1又は2に記載のウレタン樹脂組成物。
  4. 水溶性ポリオール化合物Bが、炭素数2〜6の脂肪族多価アルコール、ジ又はトリエチレングリコール及びポリグリセリンから選択された少なくとも1種の化合物である請求項1〜3の何れかの項に記載のウレタン樹脂組成物。
  5. 疎水性ポリオール化合物Dが、ひまし油系ポリオール、ビスフェノールA型骨格を有するポリオール化合物及び2以上のヒドロキシル基を有する炭化水素系ポリマーから選択された少なくとも1種の化合物である請求項1〜4の何れかの項に記載のウレタン樹脂組成物。
  6. さらに、硬化触媒Eを含む請求項1〜5の何れかの項に記載のウレタン樹脂組成物。
  7. さらに、脱水剤Fを含む請求項1〜6の何れかの項に記載のウレタン樹脂組成物。
  8. 脱水剤Fが粉体である請求項7記載のウレタン樹脂組成物。
  9. 2液型樹脂組成物である請求項1〜8の何れかの項に記載のウレタン樹脂組成物。
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