JP2011006636A - 水溶性中性無機塩を含有するα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物及びその製造方法 - Google Patents

水溶性中性無機塩を含有するα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水中でのゲル化を抑制したα−SF塩固形物を提供すること。
【解決手段】混練することにより、a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩にb)水溶性中性無機塩を含ませたα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物を得る。固形物の全量を基準として、a)が30〜90質量%、b)が8〜60質量%の量で存在し、a)とb)との合計量が80〜98質量%である。
【選択図】図2

Description

本発明は、水溶性中性無機塩を含有するα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物及びその製造方法に関する。詳しくは、特定量の水溶性中性無機塩を含有する、水への溶解性に優れたα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物及びその製造方法に関する。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(α−SF塩)は、衣料用の粉末洗剤組成物を製造するための界面活性剤として広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2004/111166号パンフレット
粉末洗剤組成物は通常水に溶解させて使用するが、α−SF塩自身が水中でゲル状に固まってしまうという問題があった。従って、本発明は、水中でのゲル化を抑制したα−SF塩固形物を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、特定量の水溶性中性無機塩をα−SF塩に練りこんだα−SF塩固形物は水中でゲル状に固まることがなく、そのようなα−SF塩固形物の粉粒体は水への分散性に非常に優れていることを見出した。本発明は係る知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、
a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に、
b)水溶性中性無機塩が含まれてなるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物であって、
該固形物の全量を基準として、a)が30〜90質量%、b)が8〜60質量%の量で存在し、
該固形物の全量を基準として、a)とb)との合計量が80〜98質量%であることを特徴とする前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物を提供する。
本発明はまた、水分5.0質量%以下のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩量と、水溶性中性無機塩とを均一になるまで混練することを含む、上記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物の製造方法を提供する。
本発明はまた、水分10〜30質量%のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と、水溶性中性無機塩とを混合し、均一混合物を得、次いで水分を除去することを含む、上記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物の製造方法を提供する。
本発明により、水中でのゲル化を抑制したα−SF塩固形物を提供することができる。本発明の固形物は、長期保存後も固結しにくい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩含有固形物のSEM画像(120倍) α−スルホ脂肪酸エステル塩含有固形物のSEM画像(80倍)
1.α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物
本発明における「α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物」は、a)α−SF塩中に、b)水溶性中性無機塩が均一に分布しているような固形物である。換言すれば、例えば水溶性中性無機塩を核とし、その周りをα−SF塩が包んでいるような固形物でもないし、水溶性中性無機塩がα−SF塩の中の一部に集中的に存在しているような固形物でもない。
このことは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて本発明の固形物を観察すれば明らかである(図1、図2参照)。本発明の固形物として、α−SF塩70質量%と水溶性中性無機塩30質量%を含む固形物を使用した。SEM画像を基に、本発明の固形物表面に存在する水溶性中性無機塩の割合を画像処理ソフト(アドビ システムズ社製、フォトショップ(Photoshop))により算出したところ、α−SF塩:水溶性中性無機塩=93:7となった(5回の平均値)。また、5枚のSEM画像から一枚を抽出し、画像をA−1〜A−9に9分割し、それぞれのa)とb)の比率を上記画像処理ソフトにより算出すると、
A−1: a):b)=93:7
A−2: a):b)=94:6
A−3: a):b)=90:10
A−4: a):b)=96:4
A−5: a):b)=95:5
A−6: a):b)=88:12
A−7: a):b)=97:3
A−8: a):b)=93:7
A−9: a):b)=94:6
となった。この結果からも、均一に分散していることがわかる。
如何なる理論にも拘束されるものではないが、α−SF塩粒子が水中でゲル化してしまっていたのは、α−SF塩粒子の表面が溶解し、表面付近のα−SF塩濃度が高くなり、その結果高粘度となってゲル化したために粒子同士が凝集してしまっていたが、水溶性中性無機塩がα−SF塩の表面及び内部に存在することで、水中でα−SF塩が溶解した際に、同時に水溶性中性無機塩も溶解し、α−SF塩粒子の表面付近の粘度が高くなることを抑制したと考えられる。水溶性中性無機塩が表面及び内部に存在することで、α−SF塩がヘキサゴナル液晶構造をとらず、等方性相とラメラ相に分離した2相状態となっており、3次元構造を連続的に形成する前者よりも、分離した後者の方が流動性が高くなったため、ゲル化を防ぎ分散性が向上したものだと思われる。
他方、α−SF塩の表面を水溶性中性無機塩で覆っただけの粒子は、α−SF塩が水中で溶解するのに合わせて水溶性中性無機塩を連続的に供給できないため、所期の効果が得られなかったものと思われる。
このように、α−SF塩中に、水溶性中性無機塩が局在化せず均一に分布している本発明のα−SF塩固形物は、ペースト状のα−SF塩と水溶性中性無機塩とを混練ないし混合することによって、α−SF塩に水溶性中性無機塩を含ませることにより製造することができる。本発明の固形物の製造方法は後述する。
本発明の固形物の形状は特に限定されず、例えば、フレーク、粉粒体、ペレット、ブロック、ブリケット、タブレット、ヌードルがあげられる。
2.b)水溶性中性無機塩
α−SF塩は、通常、原料となる脂肪酸エステルを、SO3ガス、発煙硫酸等のスルホン化ガスを用いてスルホン化し、次いでエステル化し、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を用いて中和することにより製造するため、スルホン化ガスとアルカリ剤とから形成される硫酸ナトリウム等の水溶性中性無機塩を通常2〜6質量%含む。本発明の固形物は、製造工程で発生する水溶性中性無機塩の通常含まれる量を超える量の水溶性中性無機塩を含む。
本発明の固形物は、α−SF塩を30〜85質量%、水溶性中性無機塩を10〜55質量%含むのが好ましい。α−SF塩を40〜80質量%、水溶性中性無機塩を10〜52質量%含むのがより好ましい。α−SF塩を50〜80質量%、水溶性中性無機塩を10〜50質量%含むのが更に好ましい。α−SF塩の量が30質量%未満のとき、本発明の固形物を含む粉末洗剤組成物を製造したとき、該組成物中に含まれる界面活性剤量が少なくなるため、所望の洗浄力を発揮できないことがある。α−SF塩の量が90質量%を超えるとき、分散効果が弱くなるので好ましくない。本発明の固形物中の水溶性中性無機塩の量が8質量%未満のとき、分散効果が弱くなるので好ましくない。
本発明で用いることができる水溶性中性無機塩は、25℃の水1000gに対して50g以上溶解する無機塩であって、25℃の水1Lに50g溶解させたときの水溶液のpHが5.0以上8.0以下のものである。pHがこの範囲を外れると、α−SF塩が加水分解することがあるので好ましくない。具体例としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、ヨウ化カリウム等があげられる。硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウムが好ましい。硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムがより好ましい。
3. a)α−SF塩
本発明で用いるα−SF塩としては以下の式(I)で表されるものを使用することができる。
式(I)中、R1は炭素数10〜18、好ましくは14〜16の直鎖又は分岐、好ましくは直鎖アルキル又はアルケニル基であり、
R2は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1の直鎖又は分岐、好ましくは直鎖アルキル又はアルケニル基であり、
Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属イオンであり、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウム又はカリウムイオンであり、
Xはアルカリ金属イオンの場合1、アルカリ土類金属イオンの場合1/2である。
上記式(I)においてR1が炭素数14〜16の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり、R2がメチル基であり、Mがナトリウムである化合物であるのが特に好ましい。
本発明の固形物に含まれるα−SF塩の量は、30〜90質量%であるのが好ましく、35〜80質量%であるのがより好ましく、40〜80質量%であるのが更に好ましく、50〜80質量%であるのが特に好ましい。α−SF塩の量が30質量%未満のとき、本発明の固形物を含む粉末洗剤組成物を製造したとき、該組成物中に含まれる界面活性剤量が少なくなるため、所望の洗浄力を発揮できないことがある。α−SF塩の量が90質量%を超えるとき、分散効果が弱くなるので好ましくない。本発明の固形物中の水溶性中性無機塩の量が8質量%未満のとき、分散効果が弱くなるので好ましくない。なお、本明細書において、α−SF塩が未反応の脂肪酸アルキルエステルやメチルサルフェート等の不純物を含む場合、α−SF塩の量は、それら不純物を除いた量、即ち純物質としてのα−SF塩を指す。
本発明で用いるα−SF塩は公知の方法で製造することができる。
3.1 原料
α−SF塩を得る原料としては、脂肪酸エステルが使用できる。脂肪酸アルキルエステルは一種単独を使用することもできるし、二種以上の混合物として使用することもできる。経済性および溶解性の観点から、混合物であるのが好ましい。
脂肪酸アルキルエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数8〜22、好ましくは8〜18、より好ましくは14〜18の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐脂肪酸、例えば、カプリン酸(炭素数10)、ラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)、パルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)、アラキジン酸(炭素数20)があげられる。ヨウ素価が低いほうが、より白色度の高いα−SF塩固形物が得られるので好ましい。具体的には0.5以下であるのが好ましく、0.2以下であるのがより好ましい。なお、ヨウ素価は、JIS K 0070 「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」 により測定することができる。
脂肪酸アルキルエステルを構成するアルコールとしては、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1の直鎖又は分岐鎖状の一価アルコールがあげられる。
脂肪酸アルキルエステルとして好ましいのは、炭素数8〜18の直鎖状の飽和脂肪酸と炭素数1〜3の直鎖アルコールとのエステルである。特に好ましいのは、炭素数16〜18の直鎖状の飽和脂肪酸のメチルエステルである。
3.2 α−SF塩の製造
3.2.1 スルホン化及びエステル化
まず、薄膜式反応装置などを使用して、原料の脂肪酸エステルを無水硫酸等に接触させてスルホン化し、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル(α−SF)を得る。通常、SO3と脂肪酸アルキルエステルとの反応モル比は1:1〜2:1、反応時間は5〜180秒(薄膜式反応装置を使用する場合)、反応温度は融点から融点より70℃高い温度である。
その後、所定時間熟成させる。通常、熟成は70〜100℃において1〜120分間放置することにより行う。熟成中、攪拌してもよい。
3.2.2 中和
次いで、得られたα−SFをアルカリにより中和すると、スルホン酸部分で塩を形成してα−SF塩のペーストが得られる。中和は、通常、30〜140℃で10〜60分間行う。中和に用いるアルカリとしては、アルカリ金属水酸化物、アンモニア又はアミン、好ましくはアルカリ金属水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、さらに好ましくは水酸化ナトリウムを使用することができる。中和後のペーストの固形分量は、アルカリ水溶液の濃度に依存する。例えば、15〜50質量%のアルカリ水溶液を作用させると、固形分量60〜80質量%のペーストが得られる。中和の前後に、過酸化水素などで漂白を行ってもよい。なお、本明細書において、固形分量は、全体量から水分含有量およびアルコール含有量を差し引くにより測定することができる。
3.2.3 濃縮
本発明の製造方法において用いることができるペースト状のα−SF塩としては、既述のようにして得られたペースト状のα−SF塩をそのまま使用しても良いし、メタノール分などの溶媒分をフラッシュ蒸留などで除去してもよいし、水分を蒸発させて濃縮状態にして使用してもよい。
既述のようにして得られたペースト状のα−SF塩をそのまま使用する場合、α−SF塩に含まれる水分量が10〜35質量%となるようにする。濃縮させたα−SF塩を使用する場合、α−SF塩に含まれる水分量が5.0質量%以下となるようにする。水分量は、濃縮条件を適宜変更することにより調節することができる。なお、本明細書において、水分含有量は、カールフィッシャー水分計(例えば、京都電子工業(株)製、モデル:MKC−210)を用いて測定することができる。
ペーストを濃縮状態にする装置は特に限定されないが、90〜130℃程度の比較的低温でも濃縮を効率的に行えることから、真空薄膜蒸発装置が好ましい。比較的低温で濃縮すれば、α−SFの加水分解を抑制することができる。真空薄膜蒸発装置としては、耐圧性を備え内壁が伝熱面となっている筒状処理部の内部に、軸を中心として回転する羽根板状の掻き取り手段(撹拌羽根)が設置された構成の装置などが挙げられる。濃縮条件としては、撹拌羽根の先端周速は5〜30m/sが好ましく、より好ましくは5〜25m/sである。先端周速が5m/s以上であると、装置壁面に存在するペースト状α−SF塩の薄膜化と液交換とが円滑に行われる。30m/s以下であると、装置壁面とペースト状α−SF塩との間に摩擦熱がほとんど発生せず、得られる濃縮物の温度が上昇することもないし、真空薄膜蒸発装置への機械負荷が大きくなることもない。伝熱面の温度は100〜160℃、処理部内の圧力は0.004MPa〜大気圧であるのが好ましい。このような濃縮条件で処理することにより、水分含有量が5質量%以下にまで低減された濃縮状態のペーストを効率的に得ることができる。
4. 本発明の固形物の製造方法
α−SF塩は、その構造中にエステル部分を含むため加水分解する可能性がある。それを防ぐ観点から、また、取り扱いを容易にする観点から、α−SF塩は通常固体状としている。本発明の固形物を得るのに使用するペースト状のα−SF塩は、
(i)固体状のα−SF塩を混練機を用いて混練することにより;又は
(ii)固体状のα−SF塩に適量の水を加えてのばすことにより
得ることができる。ペースト状のα−SF塩として、
(iii)原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、次いでエステル化及び中和して得られた、固体状とする前のα−SF塩をそのまま使用してもよい。
(i)固体状のα−SF塩を混練機を用いて混練する場合、水溶性中性無機塩と混練する前のα−SF塩の水分が5.0質量%であるのが好ましい。より好ましくは4.5質量%以下、さらに好ましくは4.0質量%以下、特に好ましくは3.5質量%以下である。水分量が5.0質量%を超えると、α−SF塩のべたつきが大きくなるため、固化等の問題が発生する場合がある。
α−SF塩及び水溶性中性無機塩の使用量はそれぞれ、最終品中でのα−SF塩量及び水溶性中性無機塩量が上に記載の範囲となる量である。
混練は、混練機を用いて行う。本発明において用いることのできる混練機はとくに限定されるものではないが、連続式ニーダー(KRCニーダー:(株)栗本鉄工所製)や、バッチ式ニーダー(縦型ニーダー:(株)ダルトン製)等が用いられる。
混練は、水溶性中性無機塩と固体状のα−SF塩とを混練機に投入した後に開始しても良いし、水溶性中性無機塩を先に投入し、混練機を作動させた後、固体状のα−SF塩を徐々に又は一度に投入して行ってもよいし、固体状のα−SF塩を先に投入して混練し、ペーストになった後に水溶性中性無機塩を投入して行ってもよい。
固体状α−SF塩を混練するのに必要な混練エネルギーは、好ましくは1〜500kJ/kgであり、より好ましくは5〜400kJ/kg、特に好ましくは10〜300kJ/kgである。
混練エネルギーは以下のようにして求めることが出来る。
(1)バッチ式の場合
混練エネルギー=P×t÷M
P:撹拌所要動力[kW]
t:混練時間[s]
M:α−SF塩の質量[kg]
(2)連続式の場合
混練エネルギー=P÷v
P:撹拌所要動力[kW]
v:混練機へのα−SF塩の供給速度(能力)[kg/s]
上記(1)及び(2)いずれの場合も、P:撹拌所要動力は以下のようにして測定可能である。
例1)発動機(電動機、内燃機関等)と混練回転軸の間に回転トルク計を設置し、回転トルクと回転数を測定する場合
P=T×2π×n÷1000
T:回転トルク[J]
n:回転数[rps]
例2)発動機の負荷(電流値)を読み取る場合
2−1.単相電動機の場合
P=E×I×η×pf
E:電圧[V]
I:電流[A]
η:電動機効率[−]
pf:電動機力率[−]
2−2.三相電動機の場合
P=E×I×√3×η×pf
E:電圧[V]
I:電流[A]
η:電動機効率[−]
pf:電動機力率[−]
混練は、使用する混練機に合わせて前記の必要な混練エネルギーの範囲となるように回転数を調整し、10〜60秒間程度行うのがよい。
混練機の攪拌エネルギーが熱に転換するので、外部から熱を加えなくても容易にα−SF塩の温度を上昇させてペースト状にすることができるが、加熱してもよい。
外部から熱を加える手段としては、混練機のジャケット等に温水やスチーム等の熱媒体を用いることができる。混練中の混合物のα−SF塩を40〜90℃のペーストとすることが好ましい。加熱するタイミングは、混練開始前でもよいし、混練中でもよい。
(ii)固体状のα−SF塩に適量の水を加えてのばす場合、水溶性中性無機塩と混合する前のα−SF塩に含まれる水分量が10〜35質量%、好ましくは13〜35質量%、より好ましくは15〜32質量%、特に好ましくは18〜32質量%となる量の水を添加する。この範囲から外れると、α−SF塩の粘度が上昇し、水溶性中性無機塩を均一に含ませるのが困難になる。このとき加熱しても良い。加熱は上に記載したとおりにして行うことができる。
混合ないし混練は、使用する混練機に合わせて前記の必要な混練エネルギーの範囲となるように回転数を調整し、10〜60秒間程度行うのがよい。
α−SF塩及び水溶性中性無機塩の使用量はそれぞれ、最終品中でのα−SF塩量及び水溶性中性無機塩量が上に記載の範囲となる量である。
混合ないし混練後、必要により乾燥する。
(iii)原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、次いでエステル化及び中和して得られた、固体状とする前のα−SF塩をそのまま使用してもよい。具体的には、上記3.3.3の欄に記載した、水分量を所定範囲に調節したペースト状のα−SF塩又は濃縮したα−SF塩を使用することができる。
ペースト状のα−SF塩又は濃縮したα−SF塩を混練するのに必要な混練エネルギーは、好ましくは0.1〜50kJ/kgであり、より好ましくは0.3〜30kJ/kg、特に好ましくは0.5〜20kJ/kgである。
水溶性中性無機塩は、上記ペースト状のα−SF塩又は濃縮したα−SF塩に、徐々に又は一度に添加する。その後、混合物が均一になるまで撹拌する。撹拌は、使用する混練機に合わせて前記の必要な混練エネルギーの範囲となるように回転数を調整し、10〜60秒間程度行うのがよい。このとき加熱してもよい。加熱は上に記載したとおりにして行うことができる。
α−SF塩及び水溶性中性無機塩の使用量はそれぞれ、最終品中でのα−SF塩量及び水溶性中性無機塩量が上に記載の範囲となる量である。
撹拌後、必要により乾燥する。
5. α−SF塩固形物の成形
上記で得られた混練物は冷却前に、ペレット(円筒状物)、フレーク、粉粒体、ヌードル、ブロック、ブリケット、タブレット等の形状に成形してもよい。ハンドリングし易さの観点からペレット、フレーク、粉粒体であるのが好ましい。
ペレットにするには、ペレッター又はプロッダーに連続的に供給し、φ0.3mm〜15mmの太さで押出せばよい。ペレッターとしては例えば、(株)ダルトン製ペレッターダブルEXDF-100型を使用することができる。
フレークにするには、ドラム式冷却機(ドラムフレーカー;(株)楠木機械製作所製、ダブルドラムドライヤー;カンソーン社製等)や、ベルトクーラー(日本ベルティング(株)製ダブルベルト式ベルトクーラー、NR3-Lo.クーラー)を使用すれば良い。ベルトクーラーがより効率的である。その場合、ベルトクーラーに連続的に供給し、冷却し、排出されて得られたシートを排出プーリー付近に設置された付属の解砕機にて200rpm程度の回転数で解砕すればフレークが得られる。
粉粒体にするには、フレーク、ヌードル、ペレットなどの固形物を粉砕すればよい。粉砕機には特に制限はないが、一般に内部に回転体とスクリーンを装着した破砕機が使用でき、好ましくは、ハンマーミル、アトマイザー、パルペライザー等の衝撃式破砕機、カッターミル、フェザーミル等の切断・剪断式破砕機等が挙げられる。このうち、衝撃破砕による微粉の発生が少ないことから、カッターミル、フェザーミル、スピードミル、破砕式造粒機パワーミル等の切断・剪断式破砕機等を使用することが好ましい。また、その際には、長時間運転してもカッターの刃が摩耗しにくいため、ステライトやタングステンカーバイド等で処理されたカッターを採用することが好ましい。粉砕された粉砕品を所定孔径のスクリーンから排出するものもまた好ましい。具体的には、フィッツミル(ホソカワミクロン(株)製)、スピードミル(岡田精工(株)製)、破砕式造粒機パワーミル((株)ダルトン製)、アトマイザー(不二パウダル(株)製)、パルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)、コミニューター(不二パウダル(株)製)等が挙げられる。スクリーンは、金網タイプ、ヘリンボンタイプ、パンチングメタルタイプ等、特に限定されないが、スクリーンの強度、破砕物の形状を考慮すると、パンチングメタルタイプが好ましい。
粉砕の際には、破砕熱により破砕物が軟化して破砕機に付着することを防止するために、破砕機内へ冷風を導入することが好ましい。この場合、冷風温度は5〜30℃が好ましく、より好ましくは5〜25℃である。また、冷風は脱湿して使用することが好ましい。さらに、冷風としては、空気を窒素で希釈したものを用いてもよい。
粉粒体の平均粒径は、100〜1,500μmであり、200〜800μmが好ましい。粒径が大きいと洗濯中での溶解性が遅くなり、布付着、洗浄力低下の問題が生じる場合がある。一方、小さすぎると微粉の増加による発塵量の増大と破砕収率の低下、流動性の悪化につながる場合がある。嵩密度は一般的に0.2〜1.4g/cm3であり、好ましくは0.3〜1.0g/cm3、より好ましくは0.4〜0.8g/cm3である。嵩密度は、JIS K 3362:1998に準じて測定することができる。
ヌードルにするには、あらかじめ混練機で混練したものを、次いで押出機など(例えば押出ダイ)に通過させてヌードル状に成形する、もしくは、濃縮物や固形物を混練操作と押出成形操作を同時に行える押出機などに投入して混練・押出を同時に行い、ヌードル状に成形すればよい。
ヌードルを得るのに使用できる押出機としては、日本粉体工業技術協会編「造粒ハンドブック」(オーム社発行)第3章 押出し造粒 に記載の押出し造粒機が使用でき、スクリュー型、ロール型、ブレード型、自己成型型、ラム型等を使用することができる。なかでも、高い製造能力が得られる観点から、スクリュー型が好ましい、特に、内部に一以上のパドルと固定爪とオリフィスプレートとが備えられており、内部で剪断作用が受けられる構造を有するのが好ましい。押出線速度は、通常0.1mm/s〜100mm/s、好ましくは1mm/s〜70mm/sである。押出速度がこのような範囲にあると、生産性を低下させることなく、押出しダイへの付加も過大にならないので好ましい。押出機内部及び先端に取り付けるオリフィスプレートの孔の形状は、円形、正三角形、正方形等何れでも良いが、押出しダイの強度を高く保つ観点から円形が好ましい。押出ダイの押出面積は、好ましくは0.1〜3mm2/本、より好ましくは0.15〜2mm2/本である。押出面積がこのような範囲にあると、生産性を低下させることなく、押出しダイへの付加も過大にならないので好ましい。
本発明のα−SF塩固形物は、他のアニオン界面活性剤、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩や高級脂肪酸塩;ノニオン界面活性剤、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル;ビルダー、例えばゼオライトやアクリル酸誘導体;酵素、色素等と一緒にして衣料用粉末洗剤を製造するのに利用することができる。
[製造例]
<1.α−SF塩ペーストの調製>
原料としてパルミチン酸メチル(ライオン(株)製、商品名:パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン(株)製、商品名:パステルM−180)とを準備した。パルミチン酸メチルとステアリン酸メチルとを8:2の質量比となるように混合した。
攪拌機を備えた容量1kLの反応装置に、前記脂肪酸メチルエステル混合物330kgを注入し、撹拌しながら、着色抑制剤として、無水硫酸ナトリウムを脂肪酸メチルエステルの5質量%となる量で投入した後、攪拌を継続しながら、反応温度80℃で、窒素ガスで4容量%に希釈したSO3ガス(スルホン化ガス)110kg(原料メチルエステルに対して1.2倍モル)をバブリングしながら3時間かけて等速で吹き込んだ。更に80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
エステル化槽に移送後、メタノール14kgを供給し、80℃においてエステル化反応を行った。更に80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
更に、反応装置から抜き出したエステル化物を、ラインミキサーを用いて当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより連続的に中和した。
ついで、この中和物を漂白剤混合ラインに注入し、35%過酸化水素水を純分換算で、アニオン界面活性剤濃度(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)との合計濃度)に対して純分で1%となる量で供給し、80℃に保ちながら混合することにより漂白し、α−SF塩ペーストを得た。単位は、特に記載のない場合、質量%である。
なお、ペーストの組成は、以下のようにして測定した:
[アニオン界面活性剤濃度(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)との合計濃度)]
ペースト0.3gを200mLメスフラスコに正確に量り取り、イオン交換水(蒸留水)を標線まで加えて超音波で溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、この中から5mLをホールピペットで滴定瓶にとり、MB指示薬(メチレンブルー)25mLとクロロホルム15mLを加え、更に0.004mol/l 塩化ベンゼトニウム溶液を5mL加えた後、0.002mol/lアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液で滴定した。滴定は、その都度滴定瓶に栓をして激しく振とうした後静置し、白色板を背景として両層が同一色調になった点を終点とした。同様に空試験(漂白品を使用しない以外は上記と同じ試験)を行い、滴定量の差から濃度を算出した。
[アニオン界面活性剤中のdi−Na塩の割合]
di−Na塩の標準品0.02,0.05,0.1gを200mLメスフラスコに正確に量りとり、水約50mLとエタノール約50mLを加えて超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを標準液とした。
この標準液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、下記測定条件の高速液体クロマトグラフ分析を行い、ピーク面積から検量線を作成した。
(高速液体クロマトグラフ分析測定条件)
・ 装置:LC−6A(島津製作所製).
・ カラム:Nucleosil 5SB(ジーエルサイエンス社製).
・ カラム温度:40℃.
・ 検出器:示差屈折率検出器RID−6A(島津製作所製).
・ 移動相:0.7%過塩素酸ナトリウムのH2O/CH3OH=1/4(体積比)溶液.
・ 流量:1.0mL/min.
・ 注入量:100μL.
次に、ペースト1.5gを200mLメスフラスコに正確に量りとり、水約50mLとエタノール約50mLを加えて超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを試験溶液とした。
試験溶液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、上記と同じ測定条件の高速液体クロマトグラフィーで分析し、上記で作成した検量線を用いて、試料溶液中のdi−Na塩濃度を求めた。
算出したdi−Na塩濃度と、上記で求めたアニオン界面活性剤濃度とから、アニオン界面活性剤中のdi−Na塩の割合(質量%)を算出し、また、α−SF−Naペースト中のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩の割合(質量%)とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)の割合(質量%)をそれぞれ算出した。
[硫酸ナトリウム濃度およびメチルサルフェート濃度(質量%)]
メチルサルフェート及び硫酸ナトリウムの標準品をそれぞれ0.02,0.04,0.1,0.2gずつ、200mLメスフラスコに正確に量りとり、イオン交換水(蒸留水)を標線まで加え、超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、これを標準液とした。この標準液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、下記測定条件のイオンクロマトグラフ分析を行い、メチルサルフェート及び硫酸ナトリウム標準液のピーク面積から検量線を作成した。
(イオンクロマトグラフ分析測定条件)
・ 装置:DX−500(日本ダイオネックス社製).
・ 検出器:電気伝導度検出器CD−20(日本ダイオネックス社製).
・ ポンプ:IP−25(日本ダイオネックス社製).
・ オーブン:LC−25(日本ダイオネックス社製).
・ インテグレータ:C−R6A(島津製作所製).
・ 分離カラム:AS−12A(日本ダイオネックス社製).
・ ガードカラム:AG−12A(日本ダイオネックス社製).
・ 溶離液:2.5mM Na2CO3/2.5mM NaOH/5%(体積)アセトニトリル水溶液.
・ 溶離液流量:1.3mL/min.
・ 再生液:純水.
・ カラム温度:30℃.
・ ループ容量:25μL.
次に、ペースト0.3gを200mLメスフラスコに正確に量り、イオン交換水(蒸留水)を標線まで加え、超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、これを試験溶液とした。
試験溶液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、上記と同じ測定条件のイオンクロマトグラフで分析し、上記で作成した検量線を用いて、試料溶液中のメチルサルフェート濃度及び硫酸ナトリウム濃度を求め、試料中のメチルサルフェート濃度及び硫酸ナトリウム濃度(質量%)を算出した。
[メタノール濃度および未反応メチルエステル濃度(質量%)]
常法に従ってガスクロマトグラフ分析を行い、メタノールおよび未反応メチルエステルの試験品と標準品のピーク面積の比からメタノール濃度および未反応メチルエステル濃度を算出した。
得られたペーストの色調は30であった。尚、色調は、上で得られたペーストの5質量%エタノール溶液を調整し、40mm光路長、No.42ブルーフィルターを用いてクレット光電光度計により測定した。
<2.α−SF塩濃縮物の調製>
上で得られたα−SF−Naペーストを、回転数1,060rpm、羽根先端速度約11m/secで回転している真空薄膜蒸発機(伝熱面:0.5m2、筒状の処理部の内径:205mm、伝熱面と掻き取り手段である羽根先端とのクリアランス:3mm、商品名「エクセバ」、神鋼パンテック(株)製)に35kg/hrで導入し、内壁加熱温度(伝熱面の温度)135℃、真空度(処理部内の圧力)0.007〜0.014MPaの条件で濃縮を行った。
得られた濃縮物の温度は115℃であり、水分含有量は2.5%であった。なお、水分含有量は、カールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)製、モデル:MKC−210、Method:2、撹拌速度:4)を用いて測定した。サンプル量は約0.05gとした。
得られた濃縮物の組成は以下の通りである。
α−SF−Na 85.3質量%
水分 2.5質量%
メチルサルフェート 6.1質量%
硫酸ナトリウム 2.5質量%
α−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩 3.6質量%
メタノール trace
未反応メチルエステル trace
その他微量成分 trace
100.0質量%
<3.フレーク状のα−SF塩の調整>
投入プーリー間のクリアランスを3mmに設定したダブルベルト式ベルトクーラー(日本ベルティング(株)製、NR3−Lo.クーラー)に、上で得られたα−SF塩濃縮物を流量222kg/hで連続的に供給して冷却し、厚さ約3mmのシート状のα−SF塩を得た。この時、ベルト移動速度を6m/sとし、冷却水の流量を上ベルト側1500L/h(ベルト裏面上に向流方式で流下して冷却)、下ベルト側1800L/h(ベルト裏面に噴霧して冷却)とし、冷却水供給温度を5℃とした。
得られたシート状のα−SF塩を、ベルトクーラーの排出プーリー付近に設置された付属の解砕機にて200rpmの回転数で解砕しフレーク状のα−SF塩を得た。
[実施例1]
上で得られたフレーク状のα−SF塩に、水溶性中性無機塩として硫酸ナトリウムを添加した。
両者を均一に混合した後、連続式ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRCニーダー S−4型)の原料投入口に連続的に供給した。ジャケットには70℃(入口温度)の温水を通した。ニーダーの主軸回転数128rpmで30秒間混練した(混練エネルギー:75kJ/kg)。混練物をニーダー出口から排出した。能力は捏和混練物として225kg/hであった。得られた捏和混練物の温度は60℃であった。
捏和混練物が温かいうちにペレッターダブル((株)ダルトン製EXDF−100型、ダイス孔径5mmφ)の原料投入口に連続的に供給した。直径5mmφのペレット状のα−SF塩固形物を得た。得られたペレットの温度は55℃であり、これを30℃まで冷却した。
得られたペレット状のα−SF塩を、2段直列に配列した粉砕機(ホソカワミクロン(株)製、フィッツミル DKA−3型、1段目スクリーン径8mmφ、2段目スクリーン径3.5mmφ、ブレード回転数1段目:4700rpm、2段目2820rpm)に、15℃の除湿した冷風(露点:−5℃、風量:6Nm3/min)とともに導入した。
処理速度200kg/hrで粉砕し、平均粒子径500μmの粉粒体のα−SF−Na固形物を得た。平均粒子径は以下のようにして測定した。
(平均粒子径の測定)
目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μm、の9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行なった。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回の噴霧乾燥粒子サンプルを入れ、蓋をしてロータップ型ふるい振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、温度25℃、相対湿度40%の雰囲気条件化で、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収する操作を行った。
この操作を繰り返すことによって1410〜1680μm(1410μm.on)、1190〜1410μm(1190μm.on)、1000〜1190μm(1000μm.on)、1000〜710μm(710μm.on)500〜710μm(500μm.on)、350〜500μm(350μm.on)、250〜350μm(250μm.on)、149〜250μm(149μm.on)、皿〜149μm(149μm.pass)の各粒子径の分級サンプルを得、重量頻度(%)を算出した。
次に、算出した重量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、またaμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの重量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の重量頻度をd%として、次式によって平均粒子径(重量50%)を求めた。
平均粒子径(重量50%径)=10(50-(c-d/(log b-log a) x log b))/(d/(log b-log a))
得られた粉粒体形態の硫酸ナトリウムを含むα−SF−Naの組成を、<2.α−SF塩濃縮物の調製>の欄に記載したのと同様にして測定した。結果を表1に示す。
[実施例2−9]
硫酸ナトリウムの添加量を表1に示した通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして粉粒体のα−SF−Na固形物を得た。
[実施例10]
水溶性中性無機塩として、硫酸ナトリウムと塩化ナトリウムとの混合物を用い、その添加量を表1に示した通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして粉粒体のα−SF−Na固形物を得た。
[実施例11]
<1.α−SF塩ペーストの調製>で得られたα−SF塩濃縮物を、アンカー翼を供えた40L鏡板型底ベッセルに注入した。そこへ、水溶性中性無機塩として硫酸ナトリウムを添加した。
その後、100rpmの回転数で10分間攪拌し(混練エネルギー:3.5kJ/kg)、両者を均一に混合した。次いで、<2.α−SF塩濃縮物の調製>及び<3.フレーク状のα−SF塩の調整>に記載したのと同様にしてフレーク状のα−SF塩を得た。
このようにして得られたフレーク状のα−SF塩を用い、水溶性中性無機塩をフレーク状のα−SF塩に加えなかったこと以外は実施例1と同様にして粉粒体のα−SF−Na固形物を得た。
[比較例1]
<3.フレーク状のα−SF塩の調整>で得られたフレーク状のα−SF塩を用い、水溶性中性無機塩をフレーク状のα−SF塩に加えなかったこと以外は実施例1と同様にして粉粒体のα−SF−Na固形物を得た。
[比較例2]
硫酸ナトリウムの添加量を表1に示した通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして粉粒体のα−SF−Na固形物を得た。
[比較例3]
比較例1で得られたα−SF−Na固形物と、水溶性中性無機塩として硫酸ナトリウムとを粉粒体の形態で混合することにより、粉粒体のα−SF−Na固形物を得た。
〔評価方法〕
実施例及び比較例のα−SF塩固形物の水への溶解性を以下のようにして評価した。結果を表1及び表2に示す。
<α−SF塩固形物の分散性評価>
胴外径φ92mmの500mLビーカーの底に、JIS試験用ふるい(JIS Z 8801−1:2006、目開き3350μm、直径φ75mm)を置いた。
そこに5℃の硬水(71.2mgCaCO3/L、Ca/Mgのモル比7/3)500mLを入れ、次いで得られたα−SF塩固形物を、JIS K-3362記載のカサ比重測定器(東京 蔵持科学器機製作所 製)を用いて10g投入した。
1分静置後、篩を静かに持ち上げ、篩上に残存したα−SF塩固形物を乾燥させた。乾燥物の重さを測定し、残留量とした。この残留量と投入量とから下式によりα−SF塩の残留率を算出し、以下の基準で評価した。
残留率(%)=(残留量(g)/投入量(g))×100
◎:20%未満
○:20%以上40%未満
△:40%以上60%未満
×:60%以上

Claims (6)

  1. a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に、
    b)水溶性中性無機塩が含まれてなるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物であって、
    該固形物の全量を基準として、a)が30〜90質量%、b)が8〜60質量%の量で存在し、
    該固形物の全量を基準として、a)とb)との合計量が80〜98質量%であることを特徴とする前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物。
  2. 前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物が、ペースト状のα−SF塩と水溶性中性無機塩とを混練することにより得られる混練物であることを特徴とする請求項1記載のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物。
  3. 前記混練物が、1〜500kJ/kgの混練エネルギーで、a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とb)水溶性中性無機塩とを混練することにより得られるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物。
  4. b)水溶性中性無機塩が、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム及びヨウ化カリウムからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物。
  5. 水分5.0質量%以下のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩量と、水溶性中性無機塩とを、均一になるまで混練することを含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物の製造方法。
  6. 水分10〜30質量%のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と、水溶性中性無機塩とを混合し、均一混合物を得、次いで水分を除去することを含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩固形物の製造方法。
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