JP2011006604A - 制電性樹脂組成物及び制電性樹脂成形体、並びに、制電性樹脂積層体 - Google Patents

制電性樹脂組成物及び制電性樹脂成形体、並びに、制電性樹脂積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】制電性に優れるのみならず、擦傷時に削りカスが生じ難い、制電性樹脂組成物及び制電性樹脂成形体、並びに、制電性樹脂積層体等を提供すること。
【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が60〜95質量%である少なくとも1種のブロック共重合体(a)、スチレン系樹脂(b)、ゴム粒子の平均粒子径が0.5〜5μmである耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c)、並びに、ポリオキシエチレン鎖を有する帯電防止剤(d)を含有し、これら(a)、(b)、(c)、(d)の質量比(a)/(b)/(c)/(d)が20〜90/0〜70/0〜20/5〜80であることを特徴とする、制電性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、制電性樹脂組成物及び制電性樹脂成形体、並びに、制電性樹脂積層体に関する。
一般に、熱可塑性樹脂で成形されたシートや成形体は、表面固有抵抗値が高く、非常に帯電し易いため、レンズモジュール、ディスプレイ用パネル、半導体や電子部品の包装材料(例えば、これらの光学或いは電子材料を搬送するためのエンボスキャリアテープ、トレー、マガジン等の容器やシート)として用いると、静電気によるホコリの付着や、静電気による電子材料の障害や破壊が発生する。したがって、少なくとも帯電防止レベルまで、これらの包装材料に制電性を付与する必要がある。
従来、制電性を付与する手段としては、例えば、ポリエーテルエステルアミド等の帯電防止剤を熱可塑性樹脂にブレンドする技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。特に実施例において、ABS樹脂に帯電防止剤をブレンドすることで、カーボンの付着が抑制され、安定した制電性能が得られることが開示されている。
また、スチレン量が6〜60質量%であるスチレン系熱可塑性エラストマーにゴム用軟化材、パーオキサイド分解型ポリオレフィン樹脂、オレフィン成分を主体とするブロックと親水性成分を主体とするブロックとを有する帯電防止剤を含む、熱可塑性エラストマー組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平7−10989号公報 特開2002−146212号公報 特開2006−15741号公報 特開2003−306584号公報
しかしながら、上記従来技術においては、制電性を高めることにより外部からのホコリの付着を抑制し得るが、その一方で、包装材料として用いた場合、搬送時に製品と擦れる等した際に傷付き易く、削り取られた樹脂(削りカス)がホコリとなって製品に付着し易いという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、制電性に優れるのみならず、擦傷時に削りカスが生じ難い制電性樹脂組成物及び制電性樹脂成形体、並びに、制電性樹脂積層体を提供するものである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の構造を有するブロック共重合体と帯電防止剤とを所定割合で配合した樹脂組成物を用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下[1]〜[9]を提供する
[1]ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が60〜95質量%である少なくとも1種のブロック共重合体(a)、スチレン系樹脂(b)、ゴム粒子の平均粒子径が0.5〜5μmである耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c)、並びに、ポリオキシエチレン鎖を有する帯電防止剤(d)を含有し、これら(a)、(b)、(c)、(d)の含有量が(a)/(b)/(c)/(d)=20〜90質量%/0〜70質量%/0〜20質量%/5〜80質量%であることを特徴とする、
制電性樹脂組成物。
[2]前記ブロック共重合体(a)において、ビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックの割合がブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の60質量%以上である、
上記[1]に記載の制電性樹脂組成物。
[3]前記スチレン系樹脂(b)は、ビニル芳香族炭化水素からなる少なくとも1個の重合体ブロックCとビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の共重合体ブロックDとからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が60〜95質量%である少なくとも1種のブロック共重合体成分(b−B)である、
上記[1]又は[2]に記載の制電性樹脂組成物。
[4]前記帯電防止剤(d)は、ポリエーテルエステルアミドである、
上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物。
[5]前記帯電防止剤(d)は、ポリオレフィンのブロックとポリオキシエチレン鎖を有するブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーである、
上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物。
[6]さらに、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物、及び/又は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物が上記(a)、(b)、(c)及び(d)からなる樹脂組成物100質量部に対して3〜30質量部含まれる、
上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物からなる、
制電性樹脂成形体。
[8]熱可塑性樹脂(B)からなる基材層と、前記基材層の片面に形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物(A)からなる表層と、を有することを特徴とする、
制電性樹脂積層体。
[9]前記表層(A)の厚みが、5μm〜0.2mmである、
上記[8]に記載の制電性樹脂積層体。
本発明によれば、制電性に優れるのみならず、削りカスが生じ難い制電性樹脂組成物及び制電性樹脂成形体、並びに、制電性樹脂積層体が実現される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
本実施形態の制電性樹脂組成物は、特定のブロック共重合体(a)、スチレン系樹脂(b)、ゴム粒子の平均粒子径が0.5〜5μmである耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c)、並びに、ポリオキシエチレン鎖を有する帯電防止剤(d)を含有し、これら(a)、(b)、(c)、(d)の含有量が(a)/(b)/(c)/(d)=20〜90質量%/0〜70質量%/0〜20質量%/5〜80質量%であることを特徴とする。
本実施形態で用いるブロック共重合体(a)は、ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が60〜95質量%であるブロック共重合体である。
ここで、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAとは、ビニル芳香族炭化水素含有量を50質量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック、及び/又は、ビニル芳香族炭化水素の単独重合体ブロックを意味する。
重合体ブロックBとは、共役ジエン化合物を50質量%を超えて含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック、及び/又は、共役ジエン化合物の単独重合体ブロックを意味する。
本実施形態で用いるブロック共重合体(a)において、ビニル芳香族炭化水素含有量の割合は60〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜80質量%である。60〜95質量%の範囲では、得られる樹脂成形体が擦られた際に削りカスが出難く、包装容器等として使用した際に樹脂成形体の削りカスが製品に付き難くなる。また、60質量%以上では、剛性に優れる樹脂成形体が得られ易く、例えば、包装容器等として使用した際につぶれ難くなる。さらに、95%以下では、強度に優れる樹脂成形体が得られ易く、例えば、包装容器等として使用した際に、変形が生じ難く、また、落下時に割れ難くなる。70〜80質量%では、剛性と強度の良好なバランスが得られる。
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックA又は共役ジエンを主体とする重合体ブロックB中に、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのランダム共重合体部分が存在する場合、ランダム共重合体部分は、共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、ランダム重合体部分は、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存してもよい。
ブロック共重合体(a)が複数個の重合体ブロックA(又はB)を有する場合、それらは分子量、組成、種類等が異なっていてもよい。
ブロック共重合体(a)は、従来公知の手法で製造することができ、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11446号公報等に記載された手法を適用することができる。上記の公知の手法はすべて、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物等のアニオン開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素をブロック共重合する手法である。本実施形態で用いるブロック共重合体(a)のポリマー構造は、例えば、
A−(B−A)、A−(B−A)−B、B−(A−B)n+1 ・・・(I)
〔上記(I)式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。nは1以上の整数であり、一般的には1〜5である。〕
で表される線状ブロック共重合体、或いは、
[(A−B)m+2−X、[(A−B)−A]m+2−X、[(B−A)m+2−X ・・・(II)
[(B−A)−B]m+2−X ・・・(III)
〔上記(II)式及び(III)において、A及びBは上記(I)と同じであり、k及びmは1以上の整数であり、一般的には1〜5である。Xは、例えば四塩化ケイ素や四塩化スズ等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。〕
で表されるラジアルブロック共重合体である。また、上記のブロック共重合体(a)を2種類以上混合して使用することもできる。
ビニル芳香族炭化水素の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、スチレン、p−メチルスチレンが好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
共役ジエンは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、その具体例としては、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
共役ジエンとして1,3−ブタジエンとイソプレンを併用する場合、1,3−ブタジエンは10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。1,3−ブタジエンが10質量%以上であると、成形時等に熱分解を起こさず分子量が低下しないため、スチレン系樹脂シートとして好ましく用いることができる。
炭化水素溶媒の具体例としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
有機リチウム化合物としては、例えば、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物等が挙げられ、より具体的には、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
ブロック共重合体(a)を製造する際に、重合速度の調整、重合した共役ジエン部のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の調整、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の反応比の調整等の目的で、極性化合物やランダム化剤を使用することができる。極性化合物やランダム化剤の具体例としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
ブロック共重合体(a)を製造する際の重合温度は、一般的には、−10〜150℃、好ましくは40〜120℃の範囲である。重合時間は、条件によって異なるが、通常は、48時間以内であり、好ましくは1〜10時間の範囲である。また、重合系の雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス等で置換されていることが望ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液層に維持するに充分な範囲で行えばよく、特に制限されるものではない。なお、重合時は、重合系内に触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば、水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意する必要がある。
ブロック共重合体(a)において、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの割合は全ビニル芳香族炭化水素の60質量%以上とされる(以降、ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの割合をブロック率とする)。60質量%以上では、耐熱性に優れる樹脂成形体が得られ易く、例えば、包装容器等として使用した際に真夏の輸送時の高温下でも変形し難い。
ビニル芳香族炭化水素ブロックのブロック率は、ブロック共重合体(a)の製造時において、少なくとも一部のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンが共重合する工程におけるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの質量比や重合反応性比等を変えることにより、コントロールすることができる。具体的には、例えば、(イ)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合する、(ロ)極性化合物或いはランダム化剤を使用してビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合する、等の方法を適宜採用することとができる。
尚、ブロック共重合体(a)中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率は、四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法〕により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し、平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を定量し、下記の式から求めた値を云う。

ブロック共重合体のビニル芳香族
炭化水素重合体ブロックの質量%
ブロック率(質量%)= ――――――――――――――――― ×100
ブロック共重合体の全ビニル
芳香族炭化水素の質量%
ブロック共重合体(a)の好ましい配合量は、20〜90質量%であり、より好ましくは30〜75質量%である。20〜90質量%では、剛性に優れる樹脂成形体が得られ易い。また、30〜75質量%とすることで、強度に優れる樹脂成形体が得られ易い。
スチレン系樹脂(b)は、スチレン又はこれと共重合可能なモノマーを重合して得られるものである。スチレンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸等が挙げられるが、これらに特に限定されない。スチレン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、ポリスチレン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート共重合体が好ましい。
スチレンと共重合可能なモノマーには、共役ジエン化合物も含まれる。この場合のスチレン系樹脂(b)は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素からなる重合体ブロックCと少なくとも1個のビニル芳香族ビニル芳香族炭化水素を主体とする共重合体ブロックDからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が60〜95質量%であるブロック共重合体(b−B)である。ブロック共重合体(b)は、共重合体(a)の製法に示した方法と同様の手法をもちいて合成することができる。
スチレンと共重合可能なモノマーが共役ジエン化合物の場合には、成形加工性に優れるため好ましい。
スチレン系樹脂(b)の好ましい配合量は、0〜70質量%であり、より好ましくは20〜60質量%である。スチレン系樹脂を配合することにより、得られる樹脂成形体の剛性を適宜調整することができる。0〜70質量%の範囲では、得られる樹脂成形体が擦られた際に削りカスが出難く、例えば、包装材料として用いた場合、搬送時に製品と擦れる等した際に傷付き難く、樹脂の削りカスが製品に付き難くなる。
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c)は、ブタジエン系ゴム状重合体をスチレンに溶解後、スチレンの重合を開始して、ゴム状重合体にスチレンがグラフト重合させたものであり、グラフトされたゴム状重合体が形成するゴム粒子の平均粒子径が0.5μm〜5μmの範囲のものが、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c)として用いられる。0.5μm〜5μmの範囲では、得られる樹脂成形体がブロッキングし難く、また、薄肉に成形した際の透明性が阻害され難い。ゴム粒子の平均粒子径は1.5μm〜4μmが好ましく、この範囲では、耐衝撃性やの耐折曲げ性に優れる樹脂成形体や樹脂成形シートが得られ易い。ゴム粒子の平均粒子径は、コールターカウンターにより測定できる。
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c)の好ましい配合量は、0〜20質量%であり、より好ましくは1.5〜15質量%である。0〜20質量%の範囲では、薄肉に成形した際の透明性が損なわれ難い。また、1.5〜15質量%とすることで、ブロッキングが抑制され、透明性、耐衝撃性、耐折曲げ性に優れる樹脂成形体や樹脂成形シートが得られ易い。
帯電防止剤(d)としては、ポリエーテルエステルアミド及びポリオレフィンのブロックとポリオキシエチレン鎖を有するブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーが好ましく用いられる。
ポリエーテルエステルアミドは、ポリオキシエチレン鎖を親水性セグメントとして有するブロック型ポリマーであり、例えば、特開昭49−8472号公報、特開平6−287547号公報に記載の方法で得ることができる。
ポリオレフィンのブロックとポリオキシエチレン鎖を有するブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーは、例えば、特開2001−278985号公報に記載の方法で得ることができる。ポリオキシエチレン鎖は、親水性セグメントとして機能し、ポリオキシエチレン鎖を有することで、帯電防止性能を発現する。
帯電防止剤(d)の好ましい配合量は、5〜80質量%であり、より好ましくは15〜30質量%である。5〜80質量%の範囲では、良好な制電効果が得られ易い。また、15〜30質量%とすることで、安定な制電効果が得られるとともに薄肉成形時に透明性が得られ易い。
帯電防止性をさらに向上させる目的で、必要により、上述した帯電防止剤(d)以外の他の帯電防止剤(e)を併用してもよい。
帯電防止剤(e)には、界面活性剤(e1)[アニオン界面活性剤(e11)、カチオン界面活性剤(e12)、ノニオン界面活性剤(e13)、両性界面活性剤(e14)等]、(e1)中の塩以外のその他の塩(e2)及びイオン性液体(e3)が含まれる。
アニオン界面活性剤(e11)としては、例えば、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
アニオン界面活性剤(e11)を構成するカチオンとしては、塩を形成するものであれば特に制限されず、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム等が挙げられる。
カルボン酸塩としては、例えば、C8〜20の高級脂肪酸(オクタン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エイコサン酸等)の塩等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
硫酸エステル塩としては、例えば、C8〜20の高級アルコール(オクチルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール等)の硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル[上記の高級アルコールのエチレンオキサイド(EO)(1〜50モル)付加物]の硫酸エステル塩、ロート油、ヒマシ油、硫酸化油(硫酸化牛油、硫酸化落花生油、硫酸化マッコー鯨油等の硫酸化油等)、硫酸化脂肪酸エステル(硫酸化オレイン酸ブチル、硫酸化リシノレイン酸ブチル等)の塩及びC8〜20の硫酸化オレフィンの塩等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
スルホン酸塩としては、例えば、C8〜20のアルキル(オクチル、ラウリル、オクタデシル、エイコシル等)基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、C8〜20のアルキル(上記のもの)スルホン酸塩、C10〜20の(アルキル)ナフタレン(ジ)スルホン酸塩(1−ナフタレンスルホン酸塩、1,4−ナフタレンジスルホン酸塩、2−メチル−1−ナフタレンスルホン酸塩、2−メチル−1、4−ナフタレンジスルホン酸塩等)、C8〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、イゲポンT型スルホン酸塩、C8〜20のアルキル基を有するスルホコハク酸塩ジアルキルエステル(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム等)、ポリビニルスルホン酸塩(ポリスチレンスルホン酸の塩等)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
リン酸エステル塩としては、例えば、C8〜20の高級アルコール(前記のもの)のリン酸モノ−、ジ−エステル塩等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
これらのアニオン界面活性剤(e11)うち、帯電防止性の観点から、高級脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩及びこれらの混合物が好ましく、より好ましくは、ステアリン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは、ステアリン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム及びこれらの混合物である。
カチオン界面活性剤(e12)としては、例えば、第4級アンモニウム塩及び/又はホスホニウム塩等が挙げられ、例えば、下記式で表される化合物等が例示されるが、これに特に限定されない。カチオン界面活性剤(e12)は、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
式中、Jは、窒素原子又はリン原子(好ましくは窒素原子);R及びR10は、C1〜20のアルキル基又はC6〜20の(置換)フェニル基;R及びRは、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合又はウレア結合を有していてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよいC1〜20のアルキレン基又は(置換)フェニレン基;M−はアニオン;vは1〜10(好ましくは1〜6)の整数である。
カチオン界面活性剤(e12)を構成するアニオンとしては、空気中での熱減量開始温度[JIS K7120(1987年)の8.項に記載のTG曲線の解析方法に準じて測定される値]が200℃以上であるものが使用でき、例えば、超強酸[Hammettの酸度関数(−H0)が少なくとも12]の共役塩基及びそれ以外のアニオン等が挙げられる。
なお、式中、R、R、R及びR10にβ水素がない場合(例えば、テトラメチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム)は、ホフマン分解が起こり得ないので、超強酸の共役塩基及びそれ以外のアニオンのいずれも使用できるが、R、R、R及びR10にβ水素が有る場合(例えば、トリメチルエチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム)は、超強酸の共役塩基が好ましい。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、例えば、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素等)イオン、アルキル(C1〜12)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等)イオン及びポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(ウンデカフルオロペンタンスルホン酸等)イオン等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
超強酸としては、例えば、プロトン酸及びプロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、及びこれらの混合物等が挙げられる。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[メタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸等)、ホウフッ素酸及び四フッ化ホウ素酸等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えば、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
ルイス酸としては、例えば、IIIA族元素(ホウ素、タリウム等)のフッ化物(三フッ化ホウ素、五フッ化タリウム等)、VA族元素(リン、アンチモン、ヒ素等)のフッ化物(五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素等)、VB族元素(タンタル等)のフッ化物(五フッ化タンタル等)及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらのうち、帯電防止性の観点から、三フッ化ホウ素及び五フッ化リン好ましい。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であり、特に限定されない。プロトン酸とルイス酸の組み合わせからなる超強酸としては、例えば、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タリウム酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タリウムスルホン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸及び六フッ化ヒ素酸等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは1種単独でも2種以上の混合物でもよい。
カチオン界面活性剤(e12)を構成するアニオンのうち、帯電防止性の観点から、超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸及びプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸の共役塩基)が好ましく、より好ましくは、プロトン酸からなる超強酸及びプロトン酸とルイス酸のうちの三フッ化ホウ素及び/又は五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
以下、カチオン界面活性剤(e12)のうち、第4級アンモニウム塩の具体例を、(1)超強酸の共役塩基以外のアニオンとの塩と、(2)超強酸(プロトン酸、プロトン酸とルイス酸との組み合わせ)の共役塩基との塩に分けて例示する。
(1)超強酸の共役塩基以外のアニオンとの塩
第4級アンモニウム、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム等と、超強酸の共役塩基以外のアニオン、例えば、フルオライド、クロライド、ブロマイド、p−トルエンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸等とを組み合わせた塩等が挙げられる。
(2−1)超強酸(プロトン酸)の共役塩基との塩
上述した第4級アンモニウムと、超強酸(プロトン酸)の共役塩基、例えば、メタンスルホン酸、過塩素酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸等とを組み合わせた塩等が挙げられる。
(2−2)超強酸(プロトン酸とルイス酸の組み合わせ)の共役塩基との塩
上述した第4級アンモニウムと、超強酸(プロトン酸とルイス酸の組み合わせ)の共役塩基、例えば、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タリウム酸、六フッ化アンチモン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化タリウムスルホン酸等とを組み合わせた塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(e12)のうち、ホスホニウム塩の具体例を、(3)超強酸の共役塩基以外のアニオンとの塩と、(4)超強酸(プロトン酸、プロトン酸とルイス酸の組み合わせ)の共役塩基との塩に分けて例示する。
(3)超強酸の共役塩基以外のアニオンとの塩
ホスホニウム、例えば、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、トリメチルベンジルホスホニウム、トリメチルドデシルホスホニウム、ジデシルジメチルホスホニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルホスホニウム等と、超強酸の共役塩基以外のアニオン、例えばフルオライド、クロライド、ブロマイド、p−トルエンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸等とを組み合わせた塩等が挙げられる。
(4−1)超強酸(プロトン酸)の共役塩基との塩
上述したホスホニウムと、超強酸(プロトン酸)の共役塩基、例えば、メタンスルホン酸、過塩素酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸等とを組み合わせた塩等が挙げられる。
(4−2)超強酸(プロトン酸とルイス酸の組み合わせ)の共役塩基との塩
上述したホスホニウムと、超強酸(プロトン酸とルイス酸の組み合わせ)の共役塩基、例えば、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タリウム酸、六フッ化アンチモン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化タリウムスルホン酸等とを組み合わせた塩等が挙げられる。
上記(1)〜(4)のうち、帯電防止性の観点から、超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸及びプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸の共役塩基)が好ましく、より好ましくは、プロトン酸からなる超強酸及びプロトン酸とルイス酸のうち三フッ化ホウ素及び/又は五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。これらは1種単独でも2種以上の混合物でもよく、超強酸の共役塩基以外のアニオンと超強酸の共役塩基との混合物であってもよい。
超強酸の共役塩基以外のアニオンと超強酸の共役塩基との混合物の場合、その割合(質量比)は、帯電防止性の観点から、好ましくは95/5〜5/95であり、より好ましくは70/30〜30/70である。
ノニオン界面活性剤(e13)としては、例えば、ポリエチレングリコール型[高級アルコール(前記に同じ)のエチレンオキサイド(EO)(1〜50モル)付加物、高級脂肪酸(前記に同じ)のEO(1〜30モル)付加物、高級アルキルアミン(C8〜18、例えば1−オクチルアミン、1−ドデシルアミン等)のEO(1〜50モル)付加物、ポリプロピレングリコール(Mn1,000〜3,000)のEO(5〜150モル)付加物等];多価アルコール型[ポリエチレンオキシド(重合度n=3〜300)、グリセリンの脂肪酸(C4〜30、例えばカプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸(上記のもの)エステル、ソルビトール若しくはソルビタンの脂肪酸(上記のもの)エステル、多価アルコール(C3〜12、例えばグリセリン、ソルビタン等)のアルキル(C1〜30)エーテル、アルカノールアミン(C2〜20)の脂肪酸(上記のもの)アミド等]等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
両性界面活性剤(e14)としては、例えば、アミノ酸型[高級アルキル(C8〜18)アミノプロピオン酸塩等]、ベタイン型[高級アルキル(C8〜18)ジメチルベタイン、高級アルキル(C8〜18)ジヒドロキシエチルベタイン等]等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
その他の塩(e2)としては、例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)と、プロトン酸との塩等が挙げられる。ここで、プロトン酸としては、上述したルイス酸との組み合わせで例示したもの等が挙げられる。
その他の塩(e2)の具体例としては、例えば、フッ化物(フッ化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、塩化物(塩化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、臭化物(臭化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、ヨウ化物(ヨウ化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、過塩素酸塩(過塩素酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、フッ化スルホン酸塩(フルオロスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、ペンタフルオロエタンスルホン酸塩(ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、ノナフルオロブタンスルホン酸塩(ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸塩(ウンデカフルオロペンタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸塩(トリデカフルオロヘキサンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウム、−カルシウム等)等が挙げられる。これらのうち、帯電防止性の観点から、塩化物及び過塩素酸塩が好ましく、より好ましくは、塩化リチウム、塩化カリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム、および過塩素酸ナトリウムである。
イオン性液体(e3)は、上述した界面活性剤(e1)及びその他の塩(e2)を除く化合物であり、室温以下の融点を有し、イオン性液体(e3)を構成するカチオン又はアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンで、初期電導度が1〜200ms/cm(好ましくは10〜200ms/cm)である常温溶融塩であって、例えば、WO95/15572公報に記載の常温溶融塩が挙げられる。
イオン性液体(e3)を構成するカチオンとしては、例えば、アミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン、3級アンモニウムカチオン等が挙げられる。
アミジニウムカチオンとしては、例えば、イミダゾリニウムカチオン[1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウムカチオン[1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]、及びジヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
グアニジニウムカチオンとしては、例えば、イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]、及びジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
3級アンモニウムカチオンとしては、例えば、メチルジラウリルアンモニウム等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
上記のアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン及び3級アンモニウムカチオンは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらのうち、初期電導度の観点から、アミジニウムカチオンが好ましく、より好ましくは、イミダゾリウムカチオンであり、さらに好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
イオン性液体(e3)において、アニオンを構成する有機酸又は無機酸としては、下記のものが例示される。
有機酸としては、例えば、カルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸及びリン酸エステル等が挙げられる。
無機酸としては、例えば、超強酸(例えば、ホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒ素酸)、リン酸及びホウ酸等が挙げられる。
上記有機酸及び無機酸は、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
上記有機酸及び無機酸のうち、イオン性液体(e3)の初期電導度の観点から、イオン性液体(e3)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸の共役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸及びこれらの混合物が好ましい。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、上述したのと同様に、例えば、ハロゲンイオン、アルキル(C1〜12)ベンゼンスルホン酸イオン、ポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸イオン等が挙げられる。
超強酸としては、上述したのと同様に、例えば、プロトン酸、プロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、及びこれらの混合物等が挙げられる。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えば、上述したのと同様のものが挙げられる。これらのうち、合成の容易さの観点から、ホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸が好ましい。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、前記のものが挙げられる。これらのうち、イオン性液体(e3)の初期電導度の観点から、フッ化水素が好ましい。
ルイス酸としては、例えば、上述したのと同様のものが挙げられる。これらのうち、イオン性液体(e3)の初期電導度の観点から、三フッ化ホウ素及び五フッ化リンが好ましい。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であり、特に限定されない。これらの組み合わせからなる超強酸としては、上述したのと同様のものが挙げられる。
上記のアニオンのうち、イオン性液体(e3)の初期電導度の観点から、超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸及びプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸)が好ましく、より好ましくは、プロトン酸からなる超強酸及びプロトン酸と三フッ化ホウ素及び/又は五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
イオン性液体(e3)の製造法としては、例えば、ジメチルカーボネート等で4級化して得られるアミジニウムカチオン及び/又はグアニジニウムカチオンのジメチルカーボネート塩に、酸[イオン性液体(e3)においてアニオンを構成する前記の有機酸又は無機酸]を加えて酸交換を行う方法、アミジニウムカチオン及び/又はグアニジニウムカチオンを一旦加水分解してモノアミドアミンを生成した後、そのモノアミドアミンを酸(前記の有機酸又は無機酸に同じ)で中和する方法等が挙げられる。
帯電防止剤(e)の配合量は、樹脂物性の観点から、制電性樹脂組成物の総量に対し、0.001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3質量%である。
帯電防止剤(e)を添加する方法は、特に限定されず、例えば、予め(d)に(e)を添加する方法、(a)〜(d)及び(e)を一括して混合する、或いは、(a)〜(c)から選ばれた1成分と混合した後、再度、残りの(a)〜(d)から選ばれた複数又は一つの成分と混合する方法、或いは、(a)〜(d)から選ばれた複数の成分と混合した後、再度、残りの(a)〜(d)から選ばれた複数又は一つの成分と混合する方法等、任意に行うことができる。制電性樹脂組成物中への効果的な分散の観点から、(d)中に予め分散させておく方法が好ましく、とりわけ、(d)の製造時[(d)の原料中、(d)の製造途中及び/又は(d)の製造後]に(e)を予め添加し分散させておく方法が好ましい。
制電性樹脂組成物は、各種目的に応じて任意の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の種類は、特に限定されず、例えば、無機充填剤、酸化鉄等の顔料、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤、離型剤、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、難燃剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤、着色剤、その他添加剤或いはこれらの混合物等、樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものが挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
制電性樹脂組成物は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物を含むことが好ましい。スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックCと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックDとを含み、その共役ジエン部分の80%以上が水素添加されたブロック共重合体である。スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物は、(a)、(b)、(c)、(d)からなる樹脂組成物100質量部に対して3〜30質量部含まれることが好ましい。
スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物は、ブロック共重合体(a)と同様の手法で、得られた共重合体の共役ジエン部分を水素添加することによって得ることができる。
スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物を得るための水添触媒は、特に限定されず、例えば、従来公知である下記の水添触媒を用いることができる。
(ア)NI、Pt、Pd、Ru等の金属をカ−ボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(イ)NI、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いた、いわゆるチーグラー型水添触媒、(ウ)TI、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒、具体的な水添触媒としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報等に記載されたものが挙げられる。
好ましい水添触媒としては、例えば、チタノセン化合物及び/又はチタノセン化合物と還元性有機金属化合物との混合物が挙げられるが、これらに特に限定されない。
チタノセン化合物としては、例えば、特開平8−109219号公報に記載された化合物等が例示される。より具体的には、例えば、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格或いはフルオレニル骨格を有する、配位子を少なくとも1つ以上もつ化合物等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
還元性有機金属化合物としては、例えば、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
ここで、水添反応は、一般的に0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。また、水添反応に使用される水素の圧力は、通常は0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、さらに好ましくは0.3〜7MPaが推奨される。さらに、水添反応時間は、通常は3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
なお、水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも行うことができる。また、水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知ることができる。
ブロック共重合体(b)において、共役ジエンに基づく不飽和二重結合の水素添加率は、40%以上であることが好ましい。水素添加率が40%以上であると、安定した制電効果が得られ易く、また、薄肉成形時の透明性がより良好になる傾向にある。
なお、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物を使用する場合、その水添物中のビニル芳香族炭化水素重合体成分の含有量は、水添前のブロック共重合体を前述の酸化分解する方法で把握することができる。
また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物の共役ジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、特に制限されない。シス、トランス、ビニルの比率は、前述の極性化合物等の使用により任意に変えることが可能である。
一般に、ビニル結合量は5〜90%の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜80%、さらに好ましくは15〜75%である。なお、本明細書において、ビニル結合量とは、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量(但し、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合量)を意味する。このビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)により把握することができる。
スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物の添加量は、制電性樹脂組成物の総量に対して、3〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。この範囲で、安定した制電効果と薄肉成形した際の良好な透明性が得られ易い傾向にある。
制電性樹脂組成物は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物を含むことが好ましい。スチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックCと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックDとを含むブロック共重合体である。スチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物は、(a)、(b)、(c)及び(d)からなる樹脂組成物100質量部に対して3〜30質量部含まれることが好ましい。
スチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物は、ブロック共重合体(a)と同様の手法で、得られた共重合体と酸無水物基含有化合物をパーオキサイド化合物の存在下、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等の混練機、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機等で調製した樹脂組成物を1軸又は2軸押出機に供給し、加熱溶融混練りすることによって得ることができる。
酸無水物基含有化合物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、無水ハイミツク酸等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらのなかでも、無水マレイン酸が好ましい。
なお、スチレン−ブタジエンブロック共重合体への酸無水物基の付加量は、例えば、赤外分光分析法により、1790cm−1付近の酸無水物基由来の吸収に基づいて検量線法によって求めることができる。より具体的には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体と所定量の無水マレイン酸をクロロホルム溶液にした後、キャスト法によりフィルムを作成し、赤外線吸光度から検量線を作成することで、酸無水物基の付加量を求めることができる。
本明細書では、押し出し機を用いて作製したスチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物をトルエン溶液とした後、トルエンに対して5倍量のメタノールで沈殿ろ過して得られた固形物を乾燥した後、キャスト法によってフィルムを作成し、赤外線吸光度を測定し、検量線から無水マレイン酸付加量を求めた。
酸無水物基の好ましい付加量は、0.5〜5質量%である。0.5〜5質量%の範囲において、制電性樹脂組成物及びその成形体の色目が損なわれ難い傾向にある。
スチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物の添加量は、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分からなる制電性樹脂組成物100質量部に対して、3〜30質量部であることが好ましい。この範囲で、安定した制電効果と薄肉成形した際の良好な透明性が得られ易い傾向にある。
制電性樹脂組成物は、一般に熱可塑性樹脂の成形に用いられている公知の方法、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、インフレーション成形、フィルム成形、シート成形等の方法によって成形することができる。制電性樹脂成形体の形状は、特に制限されず、例えば、フィルム状、シート状であっても構わない。
制電性樹脂積層体は、熱可塑性樹脂からなる基材層の片面に制電性樹脂組成物からなる表層を形成することにより、得ることができる。制電性樹脂組成物からなる表層を熱可塑性樹脂の基材層の片面に形成する方法は、特に制限されず、一般の多層成形に用いられる方法、例えば、射出成形における2色成形法、多層Tダイを用いる方法、予め表層となるフィルムやシートを作成してこれを貼り合わせる或いは熱融着する方法、接着層を介して接着する方法等が挙げられる。このように制電性樹脂組成物からなる表層を形成することにより、制電性を付与できるとともに、例えば、製品輸送時に製品と擦れた際に削りカスが出難くなる。そのため、レンズ部品、ディスプレイパネル等の光学部材やICチップ等の電子部品の容器・搬送容器等として、好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂からなる基材層の片面に制電性樹脂組成物からなる表層を有する制電性樹脂積層体において、表層の厚みは、5μm〜0.2mmであることが好ましい。この範囲において、透明性に優れるものが得られ易い傾向にある。
表層の厚みが5μm〜0.2mmの制電性樹脂積層体を得る方法は、特に制限されない。例えば、Tダイ押出し機を用いて表層が所望の厚みを有する多層シートを作る方法、表層が目的の厚み或いは0.2mmを越える多層シートをTダイ押出し機等により作成した後、ストレッチャー、ロール延伸機等の延伸装置を用いて延伸して、表層の厚みを5μm〜0.2mmに調整する方法、インフレーション成形やストレッチャー等により予め薄いフィルムを作成したのち、熱融着や接着剤等を用いて、熱可塑性樹脂に貼り合わせる方法等が挙げられる。
なお、制電性樹脂成形体及び制電性樹脂積層体は、圧空成形(押出圧空成形、熱板圧空成形、真空圧空成形等)、自由吹込成形、真空成形、折り曲げ加工、マッチモールド成形、熱板成形等の慣用の技術により、簡便に二次成形品に成形することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いる評価法は、以下の通りである。
(A)評価
(a)ブロック率
四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法〕により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分を定量し、下記の式から求めた。
ブロック共重合体のビニル芳香族
炭化水素重合体ブロックの質量%
ブロック率(質量%)= ――――――――――――――――― ×100
ブロック共重合体の全ビニル
芳香族炭化水素の質量%
(b)スチレン含有量
スチレン含有量は、紫外分光光度計(装置名:UV−2450;島津製作所)を用いて測定した。
(c)水添率
水添率は、核磁気共鳴装置(装置名:DPX−400;ドイツ国、BRUKER社製)で測定した。
(d)表面抵抗値
表面抵抗値は、SIMCO JAPAN.INC製の表面抵抗測定器(TRUSTAT ST−3)を用いて測定した。
(e)削り試験
縦横14mm×20mm、64ピンのICチップの4隅のピンのみを残して平板サンプルの上に乗せ、これを、篩振蕩器(フリッチュ社製、SPARTAN)を用いて垂直振動を与え、2時間振動させた後、ピンに付着した削りカスの様子をレーザー顕微鏡を用いて観察した。
ピンに削りカスが付着していないものを〇、付着しているものを×とした。
(f)引張り強さ
ASTM D638に準拠し、ミネベア株式会社製TG−5KN型試験機を用いて、試験速度5mm/minでMDについて測定した。
(g)ビカット軟化温度
ISO306に準拠し、東洋精機株式会社製HDT−TESTER ST−3を用いて、荷重10N、昇温速度50K/hにて測定した。
(h)耐折り曲げ性試験
JIS P8115−2001に準拠し、荷重1.0kgf、折り曲げ角度135℃の条件にて破断に至る折り曲げ回数をシートの押出し方向(MD)について測定した。
(i)全光線透過率
JIS K7105に準拠し、日本電色株式会社製ヘイズメータ(1001DP)を用いた。測定においては、流動パラフィン塗布により行った。
(j)延伸薄膜化性
厚さプレス成形にて、0.2mmのシートを作成した後、ストレッチャー(東洋精機株式会社製)を用いて、140℃にて一軸方向に6倍延伸を行った。
10枚延伸した内、10枚共フィルムが作成できたものを◎とした。延伸中の応力によりチャック部位でシートが破断したサンプルがあるものは、10枚中1枚〜3枚破断するものを〇、3枚〜5枚破断するものを△、6枚以上破断するものを×とした。
(k)ブロッキング性
縦10cm、横5cmのシートを5枚重ねて、40℃、7日間、100g/cmの圧力を掛けたのち、シートを引き剥がした。すべるように剥がれるものを5点、わずかな抵抗があるものを4点、抵抗があるものを3点、剥がすときに破れるものを2点、剥がれないものを1点として評価した。
(B)使用した原材料
(1)ブロック共重合体(a−1)
攪拌機付きオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、i)スチレン25質量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.080質量部を添加し、80℃で20分間重合した。
次に、ii)スチレン3質量部と1,3−ブタジエン30質量部を含むシクロヘキサン溶液を60分間連続的に添加して80℃で重合した。
次いで、iii)スチレン42質量部を含むシクロヘキサン溶液を25分間連続的に添加して80℃で重合した後、80℃で10分間保持した。その後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して0.9倍モル添加して重合を停止し、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートをブロック共重合体100質量部に対して0.5質量部を加えた後、脱溶媒してブロック共重合体(a−1)を得た。
得られたブロック共重合体(a−1)は、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0質量比である重合体ブロックA、スチレン/1,3−ブタジエン=9/91質量比である重合体ブロックB、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0質量比である重合体ブロックAよりなるA−B−A型ブロック重合体である。このブロック共重合体(a−1)は、数平均分子量85000、スチレン含有量は70質量%、ブロック率は95質量%であった。また、メルトフローレートは、7g/10分(ASTM D1238に準拠、200℃、荷重5kg)であった。
(2)ブロック共重合体(a−2〜a−8、b−B−1)
ブロック共重合体(a−1)と同様の手法を用い、(a−1)のi)、ii)、iii)にて添加するスチレン、1,3−ブタジエンの添加量及び、n−ブチルリチウムの添加量を適宜コントロールすることで、ブロック共重合体(a−2〜a−8、b−B−1)を作製した。なお、i)、iii)で添加するスチレン量に対し、ii)で添加するスチレン量を増やすとスチレンブロック率は低下する。
(3)ポリスチレン系樹脂
ポリスチレン:HF77(PSジャパン株式会社製、MI=7.7g/10min)
スチレンメチルメタクリレート樹脂:エスチレンMS200(新日鐵化学株式会社製、MI=1.6g/10min)
ブロック共重合体:b−B−1
をポリスチレン系樹脂として用いた。
(4)耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIPS)
市販のHIPSのうち、平均ゴム粒子径2.8μm、ゴム量7.0%のHIPSを(c−1)として用いた。
(5)帯電防止材
d−1(ポリエーテルエステルアミド):Polynox MB−67(Nano Chem Tech社製)
d−2(ポリオレフィンのブロックとポリオキシエチレン鎖を有するブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー):ペレスタットHC250(三洋化成株式会社製)
を帯電防止剤として用いた。
(7)スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物
水添触媒として、窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させることで、水添触媒を作製した。
このようにして得られる水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。
その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加した後、脱溶媒してブロック共重合体水添物を得た。
ブロック共重合体水添物の水添率は、水添率が50%になるように水素量で調整した。
水添前のブロック共重合体を、ブロック共重合体(a−1)に示した手法と同様に作成した後、水添反応を行い、(f−1)スチレン65質量%とブタジエン35質量%とからなるブロック共重合体の水添物を得た。
(8)スチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物
タフプレン126(旭化成ケミカルズ株式会社製)と無水マレイン酸とを95/5質量%の割合で2軸押し出し機(株式会社池貝製、PCM−30)を用いて180℃にて押し出しし、無水マレイン酸付加量3質量%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物を得た。
(9)ABS樹脂
ABS191(旭化成ケミカルズ株式会社製)を用いた。
[実施例1〜6及び比較例1〜4]
ユニオンプラスチックス株式会社製Tダイ装着押し出し機(USV型/バレル径40mmφ、L/D=28、幅400mmTダイ装着)のホッパーに、表3に示す配合にて各原料ペレットを投入した。押し出し機のシリンダー内樹脂温度とTダイの温度を調整し、厚さ約0.3mmのシートを押し出し成形した。
得られたシートについて、(評価)の項目で記載した手法に基づいて、表面抵抗値、削り試験、引っ張り強さ、ビカット軟化温度を測定した。表3に、結果を示す。
[実施例7〜12、比較例5〜7]
株式会社池貝製2軸押し出し機(PCM30)を用いて、表4で示す配合にてペレットを作成した後、実施例1と同様に、厚さ0.3mmのシート及び、厚さ0.2mmのシートを押し出し成形した。
得られた厚さ0.3mmのシートについて、表面抵抗値、削り試験、耐折り曲げ性、ブロッキング性を測定した。表4に、結果を示す。
また、得られた厚さ0.3mmのシートを、プレス成形機を用いて、厚さ10μmのフィルム(表層)を作製し、共重合体a−2を用いて厚さ2mmのプレート(基材層)をプレス成形機にて予め作成した。この厚さ2mmのプレート(基材層)上に上記厚さ10μmのフィルム(表層)を載せ、200℃、5kg/cmの荷重をかけて張り合わせた後、全光線透過率を測定した。
さらに、厚さ0.2mmのシートについて、評価法の項で説明した手法に基づいて、延伸薄膜化性を評価した。
本発明の制電性樹脂組成物及び制電性樹脂成形体、並びに、制電性樹脂積層体は、良好な制電性を有し、製品と擦り合わされた際に削りカスが製品に付着しないため、静電気とゴミの付着を嫌う用途、特に、光学部品や電気電子部品の搬送容器等において広く且つ有効に利用可能である。また、薄膜の成形性が良く、薄膜の透明性も優れるため、樹脂の表層に積層させることで、制電性、ゴミの付着防止、透明性に優れた成形体を提供することができるため、キャリアテープ等の透明性を要求される容器等において広く且つ有効に利用可能である。

Claims (9)

  1. ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が60〜95質量%である少なくとも1種のブロック共重合体(a)、スチレン系樹脂(b)、ゴム粒子の平均粒子径が0.5〜5μmである耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c)、並びに、ポリオキシエチレン鎖を有する帯電防止剤(d)を含有し、これら(a)、(b)、(c)、(d)の含有量が(a)/(b)/(c)/(d)=20〜90質量%/0〜70質量%/0〜20質量%/5〜80質量%であることを特徴とする、
    制電性樹脂組成物。
  2. 前記ブロック共重合体(a)において、ビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックの割合がブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の60質量%以上である、
    請求項1に記載の制電性樹脂組成物。
  3. 前記スチレン系樹脂(b)は、ビニル芳香族炭化水素からなる少なくとも1個の重合体ブロックCとビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の共重合体ブロックDとからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が60〜95質量%である少なくとも1種のブロック共重合体成分(b−B)である、
    請求項1又は2に記載の制電性樹脂組成物。
  4. 前記帯電防止剤(d)は、ポリエーテルエステルアミドである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物。
  5. 前記帯電防止剤(d)は、ポリオレフィンのブロックとポリオキシエチレン鎖を有するブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物。
  6. さらに、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物、及び/又は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の酸無水物基変性物が上記(a)、(b)、(c)及び(d)からなる樹脂組成物100質量部に対して3〜30質量部含まれる、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物からなる、
    制電性樹脂成形体。
  8. 熱可塑性樹脂(B)からなる基材層と、前記基材層の片面に形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の制電性樹脂組成物(A)からなる表層と、を有することを特徴とする、
    制電性樹脂積層体。
  9. 前記表層(A)の厚みが、5μm〜0.2mmである、
    請求項8に記載の制電性樹脂積層体。
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