JP2011006519A - 高硬度ポリエステルエラストマー組成物及び樹脂被覆ワイヤロープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)ガラス転移温度が0℃以上であるポリエステルエラストマーブロック共重合体A−1及びガラス転移温度が0℃以上である結晶性ポリエステルA−2から選ばれる少なくとも1種の重合体Aと、
(b)ガラス転移温度が0℃未満であるポリエステルエラストマーブロック共重合体Bとを、75:25〜97.5:2.5となる割合で含有し、かつ、両者のガラス転移温度の差が20℃以上である熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物;並びにそれを被覆してなるワイヤロープ。
【選択図】図1
Description
(1)(a)芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とジオールから形成されるポリエステルからなる結晶性ハードセグメントとポリエーテル及び/又はポリエステルから形成される非晶性ソフトセグメントとのブロック共重合体であって、JIS K 7244−4に従って1Hzにおける動的粘弾性測定にて測定された動的損失正接(tanδ)極大温度又はDSCにて測定されたガラス転移温度が0℃以上であるポリエステルエラストマーブロック共重合体A−1、及び
芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とジオールから形成されるポリエステルからなる結晶性ポリエステルであって、JIS K 7244−4に従って1Hzにおける動的粘弾性測定にて測定された動的損失正接(tanδ)極大温度又はDSCにて測定されたガラス転移温度が0℃以上である結晶性ポリエステルA−2
から選ばれる少なくとも1種の重合体であって、それぞれの重合体の前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度と当該重合体全体に対する重量分率を乗じた値の総和が0℃以上48℃以下、かつそれぞれの重合体の非晶性ソフトセグメント共重合量と当該重合体全体に対する重量分率を乗じた値の総和が10重量%以上30重量%以下の重合体Aと、
(b)芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とジオールから形成されるポリエステルからなる結晶性ハードセグメントとポリエーテル及び/又はポリエステルから形成される非晶性ソフトセグメントとのブロック共重合体であって、JIS K 7244−4に従って1Hzにおける動的粘弾性測定にて測定された動的損失正接(tanδ)極大温度又はDSCにて測定されたガラス転移温度が0℃未満であるポリエステルエラストマーブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体であって、それぞれの重合体の前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度と当該重合体全体に対する重量分率を乗じた値の総和が−70℃以上0℃未満、かつそれぞれの重合体の非晶性ソフトセグメント共重合量と当該重合体全体に対する重量分率を乗じた値の総和が33.5重量%以上80重量%以下の重合体Bとを、
前記重合体Aと前記重合体Bの重量比が75:25〜97.5:2.5となる割合で含有し、
かつ、前記重合体Aと前記重合体Bの前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度の差が20℃以上で、非晶性ソフトセグメント共重合量が17.5重量%以上27.5重量%以下である熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物であって、
動的貯蔵弾性率(E´)が−50℃で320MPa以上2500MPa以下、−25℃で320MPa以上1800MPa以下、常用域の0℃で320MPa以上1250MPa以下、常用域の25℃で320MPa以上1000MPa以下、常用域の50℃で250MPa以上1000MPa以下、75℃で190MPa以上1000MPa以下、かつ100℃で150MPa以上1000MPa以下である熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
本発明に用いる重合体Aは、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とジオールから形成されるポリエステルからなる結晶性ハードセグメントとポリエーテル及び/又はポリエステルから形成される非晶性ソフトセグメントとのブロック共重合体であるポリエステルエラストマーブロック共重合体A−1及び芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とジオールから形成されるポリエステルからなる結晶性ポリエステルA−2から選ばれる。
本発明に用いる重合体Bは、JIS K 7244−4に従って1Hzにおける動的粘弾性測定にて測定された動的損失正接(tanδ)極大温度又はDSCにて測定されたガラス転移温度が0℃未満である。
前記重合体A及び前記重合体Bに用いられる芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体は、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4´−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成誘導体などであるが、低温特性に有利な前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度が低くできるテレフタル酸及び又はテレフタル酸ジメチルを用いるのが最も好ましい。
前記重合体A及び前記重合体Bに用いられるジオールは、分子量300以下のエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4´−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4´−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4´−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニルなどの芳香族ジオールであるが、低温特性に有利な前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度が低くできる1,4−ブタンジオールを用いるのが最も好ましい。
前記ポリエステルエラストマーブロック共重合体A−1及び前記重合体Bに用いられる非晶性ソフトセグメントのポリエーテル(ポリオキシアルキレン類)は、数平均分子量300から6000程度のポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドプロピレンオキシド共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドテトラヒドロフラン共重合体などであるが、耐熱性、耐水性、低温特性、弾性回復性、機械強度などの総合特性からポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを用いるのが最も好ましい。
本発明に用いるポリエステルエラストマーブロック共重合体A−1、結晶性ポリエステルA−2及び前記重合体Bの製造方法は特に限定されるものではなく公知の方法で製造することができる。例えば、結晶性ポリエステルA−2の製造方法としてジカルボン酸アルコールジエステルとグリコール及びポリオキシアルキレングリコールを触媒の存在下でエステル交換反応させ、反応生成物を重縮合させる方法、ジカルボン酸とグリコール及びポリオキシアルキレングリコールを触媒の存在下でエステル反応させ、反応生成物を重縮合させる方法などが挙げられ、ポリエステルエラストマーブロック共重合体A−1及び前記重合体Bの製造方法としてジカルボン酸又はジカルボン酸アルコールジエステルとグリコールをエステル反応又はエステル交換反応させ結晶性セグメントを作成し、ポリオキシアルキレングリコールを添加してエステル交換反応させ非晶性ソフトセグメントを共重合させる方法;結晶性セグメントと非晶性ソフトセグメントを付加反応させる方法、鎖連結剤で結合させる方法又はそれぞれの反応生成物を溶融混合させる方法などが挙げられる。
本発明に用いるポリエステルエラストマーブロック共重合体としては、ポリブチレンテレフタレートからなる結晶性ハードセグメントと、ポリアルキレンエーテルグリコールのテレフタル酸エステルからなる非晶性ソフトセグメントが交互に結合したブロック共重合体が好ましい。
[−COC6H4CO−O(CH2)4O−]n
(式中、−COC6H4CO−はテレフタロイル基を表す。)
で示され、非晶性ソフトセグメントが次式(II):
[−COC6H4CO−O{(CH2)p0}q−]m
(式中、−COC6H4CO−はテレフタロイル基を表す。)
で示される。
混合する前記重合体Aと前記重合体Bの組み合わせは、両者の前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度の差が20℃以上、好ましくは20℃以上118℃以下、更に好ましくは20℃以上84℃以下になるようにする。前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度の差が20℃未満であると動的貯蔵弾性率(E´)の温度依存性形態が類似し、118℃を超えると高温域では急に動的貯蔵弾性率(E´)が低下し柔らかすぎたり、べたついたりして混合による動的貯蔵弾性率(E´)の改善効果を満足することができない。
ポリエステルエラストマーブロック共重合体Aとして東レ・デュポン社製ハイトレルTM7277(ガラス転移温度(DSC)12℃、ショアD硬度(JIS K7215に準拠)72、曲げ弾性率(ASTM D790に準拠)539MPa、非晶性ソフトセグメント共重合量20重量%)94重量%、及びポリエステルエラストマーブロック共重合体Bとして東レ・デュポン社製ハイトレルTM4047(ガラス転移温度(DSC)−40℃、ショアD硬度(JIS K7215に準拠)40、曲げ弾性率(ASTM D790に準拠)70.6MPa、非晶性ソフトセグメント共重合量63重量%)6重量%をワイヤロープ被覆時にミキサーで予め混合し、バレル温度225℃で押出機による混練を加え、ダイ温度230℃で外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。JIS K7215に従って測定したショアD硬度は68であった。
三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリブチレンテレフタレート樹脂ノバデュランTM5010R8M(ガラス転移温度(DSC)51℃、ショアD硬度(JIS K7215に準拠)74、曲げ弾性率(ASTM D790に準拠)1500MPa、非晶性ソフトセグメント共重合量0重量%)を押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。JIS K7215に従って測定したショアD硬度は74であった。
ポリエステルエラストマーブロック共重合体として東洋紡績社製ペルプレンTMEN7000(ガラス転移温度(DSC)49℃、ショアD硬度(JIS K7215に準拠)71、曲げ弾性率(ASTM D790に準拠)700MPa)を押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。JIS K7215に従って測定したショアD硬度は71であった。
ポリエステルエラストマーブロック共重合体として東レ・デュポン社製ハイトレルTM7277(ガラス転移温度(DSC)12℃、ショアD硬度(JIS K7215に準拠)72、曲げ弾性率(ASTM D790に準拠)539MPa、非晶性ソフトセグメント共重合量20重量%)を押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。
ポリエステルエラストマーブロック共重合体として東レ・デュポン社製ハイトレルTM6377(ガラス転移温度(DSC)3℃、ショアD硬度(JIS K7215に準拠)63、曲げ弾性率(ASTM D790に準拠)353MPa、非晶性ソフトセグメント共重合量29重量%)を押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。
アルケマ社製PA11、リルサンTMBESN O TLを押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。
アルケマ社製PA12、リルサンTMAESN Bk P40 TLを押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。
ユニチカ社製PA6、EX−1030を押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。
アルケマ社製PVDF−HFPコポリマー、カイナーフレックスTM3120を押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。
旭硝子社製ETFE、フルオンTMC88AXPを押出機にて外径1.5mmの鋼線製7×7ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した。
(1)動的貯蔵弾性率(E´)の測定試験
JIS K 7244−4に従って、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製粘弾性測定装置DMS6100を用いて引張り変形モード、正弦波振動1Hzで動的貯蔵弾性率(E´)を測定した。−50℃で320MPa以上2500MPa以下、−25℃で320MPa以上1800MPa以下、常用域の0℃で320MPa以上1250MPa以下、常用域の25℃で320MPa以上1000MPa以下、常用域の50℃で250MPa以上1000MPa以下、75℃で190MPa以上1000MPa以下、そして100℃で150MPa以上1000MPa以下から外れるものを不適合とした。結果を表2に示す。
被覆樹脂を長手方向に1cmになるように前後部分をワイヤロープ芯線を残して切り取り、その一端を2mm程度の有穴クランプに通してオリエンテック社製テンシロンRTC−1210に固定して速度100mm/分で引張り強度を測定することによりワイヤロープ被覆樹脂の密着力を測定した。なお、測定時の室温は厳密には調温されていないが20℃程度であり、測定試料は測定室内に数日以上放置した被覆樹脂ワイヤロープを用いた。10kgf未満のものを不適合とした。結果を表3に示す。
本試験を説明するための参考図を図1に示す。図1に示すように、全長約18mの樹脂被覆ワイヤロープ(インナーロープ径1.5mm、7×7構成、外面樹脂被覆後外径約2.8mm)の両端は同一軸の直径90mmの溝付きドラムに別々に別方向に巻かれている。ワイヤロープはそのドラムから同一方向に平行に廷出し、ドラムから3mの位置にある直径50mmの1連プーリーをそれぞれ介して180°方向転換し、また同一方向に平行に廷出し、プーリーから3.5mの位置にある直径36.5mmの3連のプーリー(三連プーリー)を経て繋がり、ここが折り返し地点になっている。この三連プーリーに55kgの荷重(重り)が連続でかかり、ワイヤロープにテンションが負荷されている。負荷は一連のワイヤロープの中間に荷重していることになり、ワイヤロープに実質的にかかる荷重は27.5kgである。同一軸に固定されているドラムを回転させれば、ワイヤロープは直線運動することになり、往復のストロークは2.9m、往復速度は7.5分/往復(2.5分の静止時間を含む)とした。被覆樹脂の屈曲疲労性の状況はクラックの有無、樹脂密着の状況などを目視で確認した。なお、屈曲疲労耐久試験装置は大きさの関係で直射日光の当らない屋外に設置しており、耐屈曲疲労性に影響を及ぼす試験温度は厳密なコントロールは行っていないが、試験期間中の気温は最も近い気象庁小山気象観測所の記録として最低気温の極値−6℃から最高気温の極値31℃程度の範囲内で繰り返される日較差による任意の変動温度でその都度実施したものと考えられる。20000回未満でクラック、密着不良が見られるものを不適合とした。結果を表4に示す。
ワイヤロープ被覆樹脂の耐候性試験は、屈曲疲労耐久試験が比較的良好な樹脂について、樹脂被覆ワイヤロープ(外径1.25〜1.5mmの鋼線製ワイヤロープに外径2.8mmになるように被覆した、それぞれに着色した樹脂被覆ワイヤロープ)を約20cmに切断してステンレス板上にアルミ薄粘着テープで貼り付け、岩崎電気株式会社製アイスーパーUVテスター SUV−W151促進耐候性試験機に設置して行った。放射照度は750W/m2、ブラックパネル温度は83℃、降雨は照射60分中30秒で240時間実施した。144及び192時間での途中確認も行った。耐候性の評価は、耐候性試験後の樹脂被覆ワイヤロープを照射面が屈曲面になるように折り曲げ、発生したクラックを顕微鏡で観察しながらカッターでクラック発生分の厚みを切削して切削前後の外径を測定して劣化層厚みとして算出した。240時間での劣化層厚み0.225mm以上を不適合とした。結果を表5に示す。
Claims (6)
- (a)芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とジオールから形成されるポリエステルからなる結晶性ハードセグメントとポリエーテル及び/又はポリエステルから形成される非晶性ソフトセグメントとのブロック共重合体であって、JIS K 7244−4に従って1Hzにおける動的粘弾性測定にて測定された動的損失正接(tanδ)極大温度又はDSCにて測定されたガラス転移温度が0℃以上であるポリエステルエラストマーブロック共重合体A−1、及び
芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とジオールから形成されるポリエステルからなる結晶性ポリエステルであって、JIS K 7244−4に従って1Hzにおける動的粘弾性測定にて測定された動的損失正接(tanδ)極大温度又はDSCにて測定されたガラス転移温度が0℃以上である結晶性ポリエステルA−2
から選ばれる少なくとも1種の重合体であって、それぞれの重合体の前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度と当該重合体全体に対する重量分率を乗じた値の総和が0℃以上48℃以下、かつそれぞれの重合体の非晶性ソフトセグメント共重合量と当該重合体全体に対する重量分率を乗じた値の総和が10重量%以上30重量%以下の重合体Aと、
(b)芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とジオールから形成されるポリエステルからなる結晶性ハードセグメントとポリエーテル及び/又はポリエステルから形成される非晶性ソフトセグメントとのブロック共重合体であって、JIS K 7244−4に従って1Hzにおける動的粘弾性測定にて測定された動的損失正接(tanδ)極大温度又はDSCにて測定されたガラス転移温度が0℃未満であるポリエステルエラストマーブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体であって、それぞれの重合体の前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度と当該重合体全体に対する重量分率を乗じた値の総和が−70℃以上0℃未満、かつそれぞれの重合体の非晶性ソフトセグメント共重合量と当該重合体全体に対する重量分率を乗じた値の総和が33.5重量%以上80重量%以下の重合体Bとを、
前記重合体Aと前記重合体Bの重量比が75:25〜97.5:2.5となる割合で含有し、
かつ、前記重合体Aと前記重合体Bの前記動的損失正接(tanδ)極大温度又は前記ガラス転移温度の差が20℃以上で、非晶性ソフトセグメント共重合量が17.5重量%以上27.5重量%以下である熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物であって、
動的貯蔵弾性率(E´)が−50℃で320MPa以上2500MPa以下、−25℃で320MPa以上1800MPa以下、常用域の0℃で320MPa以上1250MPa以下、常用域の25℃で320MPa以上1000MPa以下、常用域の50℃で250MPa以上1000MPa以下、75℃で190MPa以上1000MPa以下、かつ100℃で150MPa以上1000MPa以下である熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。 - 重合体A及び重合体Bがポリブチレンテレフタレートからなる結晶性ハードセグメントと、ポリアルキレンエーテルグリコールのテレフタル酸エステルからなる非晶性ソフトセグメントが交互に結合したブロック共重合体である請求項1記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
- 請求項1又は2記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を溶融混合してなる熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
- 駆動用ワイヤロープを被覆するために用いられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
- 請求項1又は2記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を被覆してなるワイヤロープ。
- 主として施設園芸設備に設置される動作部材を駆動させるための請求項5記載のワイヤロープ。
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