JPWO2017138548A1 - 耐グリース性に優れたポリエステルエラストマー樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族ジオールとから構成される結晶性ポリエステルからなるハードセグメントと脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントが結合されてからなる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部と増粘剤(B)0〜5質量部とアミン価50eq/t以上の尿素化合物捕捉剤(C)0.1〜10質量部からなるポリエステルエラストマー樹脂組成物であり、140℃を超える環境下においてグリースと接触することで生じるポリエステルエラストマーの物性低下を改善することができるものである。

Description

本発明は、耐グリース性に優れたポリエステルエラストマー樹脂組成物に関する。
熱可塑性ポリエステルエラストマーは、射出成形性、押出成形性に優れ、機械的強度が高く、弾性回復性、耐衝撃性、柔軟性などのゴム的性質、耐寒性に優れる材料として、自動車部品、電気・電子部品、繊維、フィルムなどの用途に使用されている。
従来、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、溶融粘度が低いためブロー成形用には不適であったが、ポリエポキシ化合物やポリイソシアネート化合物などで増粘する方法が採用されるようになり、近年、自動車の等速ジョイントのような自在軸継手の防塵、グリース保持を目的としたフレキシブルブーツなどのブロー成形品にも熱可塑性ポリエステルエラストマーの特徴を生かして採用されている(特許文献1)。
フレキシブルブーツなどの機能性部品に対する要求特性としては、耐屈曲疲労性、耐熱老化性、耐油性、耐グリース性などがあるが、年々、より高いレベルが要求されるようになってきており、対処法として酸化防止剤の組み合わせ(特許文献2)、酸化防止剤とエポキシ化合物との組み合わせ(特許文献3)、エポキシ化合物類とカルボジイミド化合物との組み合わせ(特許文献4)などが提案されている。
特許文献4の方法では、多量のエポキシ化合物の配合が必要であるとともに、ブロー成形品の耐油性、耐グリース性などの特性に関しては全く記載がない。
特許文献2、3の方法では、確かに耐熱老化性、耐油性、耐グリース性などの改善効果が認められるものの、特に、耐グリース性に関し、140℃を超える、より過酷な環境下では、屈曲疲労性などの点で十分ではない場合があり、さらなる改善の余地があることがわかった。
特許第3714747号公報 特開平11−323109号公報 特開平11−323110号公報 特開2012−107155号公報
本発明の目的は、高温環境下での耐グリース性にも優れるポリエステルエラストマー樹脂組成物を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討し、グリース中に尿素化合物が配合されている場合、配合されている尿素化合物の作用によって、140℃を超える環境下においては、熱可塑性ポリエステルエラストマーの引張伸度が著しく低下することを見出し、以下の発明を提案するに至った。即ち本発明は、以下の通りである。
[1] 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族ジオールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントが結合されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、増粘剤(B)0〜5質量部とアミン価50eq/t以上の尿素化合物捕捉剤(C)0.1〜10質量部を含有することを特徴とするポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[2] 尿素化合物捕捉剤(C)が、アミン価50〜2000eq/tのアミノ基含有化合物であることを特徴とする[1]に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[3] ポリエステルエラストマー樹脂組成物の還元粘度が2.0〜3.5dl/g、酸価が0〜5eq/tであることを特徴とする[1]または[2]に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[4] 増粘剤(B)が、エポキシ基、酸無水物基、カルボジイミド基、及びイソシアネート基から選ばれる少なくとも一種の反応性基を有する多官能性化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[5] 尿素化合物捕捉剤(C)が、ポリアミドである[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[6] ポリエステルエラストマー樹脂組成物に尿素化合物含有グリースを塗布した状態での140℃、300時間熱処理後の引張伸度が、200%以上である[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[7] 前記熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂(A)のソフトセグメントが、脂肪族ポリエーテルである[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、高温環境下での耐グリース性にも優れるため、耐屈曲疲労性、耐熱老化性、耐油性、耐グリース性などが高いレベルで要求される用途で、140℃を超える過酷な環境下においても適用することができる。
[熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)]
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントからなる。ハードセグメントは、ポリエステルからなる。ハードセグメントのポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸は、通常の芳香族ジカルボン酸が広く用いられ、特に限定されないが、主たる芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸(異性体の中では2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい)であることが望ましく、ハードセグメントのポリエステルを構成する全ジカルボン酸中、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましい。その他のジカルボン酸成分としては、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは樹脂の融点を大きく低下させない範囲で用いられ、その量は全酸成分の30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは20モル%以下である。
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーにおいて、ハードセグメントのポリエステルを構成する脂肪族又は脂環族ジオールは、一般の脂肪族又は脂環族ジオールが広く用いられ、特に限定されないが、主として炭素数2〜8のアルキレングリコール類であることが望ましい。具体的にはエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する上でエチレングリコール、1,4−ブタンジオールのいずれかであることが好ましい。
上記のハードセグメントのポリエステルを構成する成分としては、ブチレンテレフタレート単位(テレフタル酸と1,4−ブタンジオールからなる単位)あるいはブチレンナフタレート単位(2,6−ナフタレンジカルボン酸と1,4−ブタンジオールからなる単位)よりなるものが物性、成形性、コストパフォーマンスの点より好ましい。
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)におけるハードセグメントを構成するポリエステルとして好適な芳香族ポリエステルを事前に製造し、その後ソフトセグメント成分と共重合させる場合、該芳香族ポリエステルは、通常のポリエステルの製造法に従って容易に得ることができる。また、かかるポリエステルは、数平均分子量10000〜40000を有しているものが望ましい。
本発明に用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントは、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種である。
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。これらの中では、弾性特性から、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペートなどが挙げられる。これらの中では、弾性特性から、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペートが好ましい。
脂肪族ポリカーボネートは、主として炭素数2〜12の脂肪族ジオール残基からなるものであることが好ましい。これらの脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどが挙げられる。特に、得られる熱可塑性ポリエステルエラストマーの柔軟性や低温特性の点より炭素数5〜12の脂肪族ジオールが好ましい。これらの成分は、以下に説明する事例に基づき、単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
本発明における熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントを構成する、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールとしては、融点が低く(例えば、70℃以下)かつ、ガラス転移温度が低いものが好ましい。一般に、熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントを形成するのに用いられる1,6−ヘキサンジオールからなる脂肪族ポリカーボネートジオールは、ガラス転移温度が−60℃前後と低く、融点も50℃前後となるため、低温特性が良好なものとなる。その他にも、上記脂肪族ポリカーボネートジオールに、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを適当量共重合して得られる脂肪族ポリカーボネートジオールは、元の脂肪族ポリカーボネートジオールに対してガラス転移点が若干高くなるものの、融点が低下もしくは非晶性となるため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。また、また、例えば、1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールからなる脂肪族ポリカーボネートジオールは融点が30℃程度、ガラス転移温度が−70℃前後と十分に低いため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。
熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントとしては、本発明の課題を解決する観点から、脂肪族ポリエーテルが好ましい。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)は、テレフタル酸、1,4−ブタンジオール、及びポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを主たる成分とする共重合体であることが好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)を構成するジカルボン酸成分中、テレフタル酸が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)を構成するグリコール成分中、1,4−ブタンジオールとポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの合計が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。
前記ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの数平均分子量が500〜4000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、エラストマー特性を発現しづらくなることがある。一方、数平均分子量が4000を超えると、ハードセグメント成分との相溶性が低下し、ブロック状に共重合することが難しくなる場合がある。ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの数平均分子量は、800以上3000以下であることがより好ましく、1000以上2500以下がさらに好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーにおいて、ハードセグメントとソフトセグメントの質量比は、一般に、ハードセグメント:ソフトセグメント=30:70〜95:5であることが好ましく、より好ましくは40:60〜90:10、さらに好ましくは45:55〜87:13、最も好ましくは50:50〜85:15の範囲である。
本発明に用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)は公知の方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、およびソフトセグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、あるいはジカルボン酸と過剰量のグリコールおよびソフトセグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、また、あらかじめハードセグメントのポリエステルを作っておき、これにソフトセグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法、ハードセグメントとソフトセグメントを鎖連結剤でつなぐ方法、さらにポリ(ε−カプロラクトン)をソフトセグメントに用いる場合は、ハードセグメントにε−カプロラクトンモノマーを付加反応させるなど、いずれの方法をとってもよい。
[増粘剤(B)]
本発明における増粘剤(B)は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の持つヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(以下、単に反応性化合物と称することがある)であり、反応し得る官能基としては、エポキシ基(グリシジル基)、酸無水物基、カルボジイミド基およびイソシアネート基から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、該官能基は1分子あたり2個以上含有する。該官能基は、エポキシ基(グリシジル基)、またはカルボジイミド基がより好ましい。
増粘剤(B)が、2つ以上のエポキシ基を持つ多官能エポキシ化合物の場合、具体的には、2つのエポキシ基を持つ1,6−ジハイドロキシナフタレンジグリシジルエーテルや1,3−ビス(オキシラニルメトキシ)ベンゼン、3つのエポキシ基を持つ1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンやジグリセロールトリグリシジルエーテル、4つのエポキシ基を持つ1−クロロ−2,3−エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7−ナフタレンジオール重縮合物やペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルが挙げられる。中でも、骨格に耐熱性を保有した多官能のエポキシ化合物であることが好ましい。特に、ナフタレン構造を骨格にもつ2官能、もしくは4官能のエポキシ化合物、またはトリアジン構造を骨格にもつ3官能のエポキシ化合物が好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の溶液粘度上昇の程度や、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の酸価を効率良く低下させることができる効果や、エポキシ自身の凝集・固化によるゲル化の発生程度を考慮すると、2官能または3官能のエポキシ化合物が好ましい。
増粘剤(B)が、カルボジイミド基を持つ化合物の場合、ポリカルボジイミド化合物を使用することができる。ポリカルボジイミド化合物は、効率良く酸価を低減させる点で有利である。
発明で用いることができるポリカルボジイミド化合物とは、1分子内にカルボジイミド基(−N=C=N−の構造)を2つ以上有するポリカルボジイミドであればよく、例えば、脂肪族ポリカルボジイミド、脂環族ポリカルボジイミド、芳香族ポリカルボジイミドやこれらの共重合体などが挙げられる。好ましくは脂肪族ポリカルボジイミド化合物又は脂環族ポリカルボジイミド化合物である。
ポリカルボジイミド化合物としては、例えば、ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素反応により得ることができる。ここで使用できるジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を共重合させて用いることもできる。また、分岐構造を導入したり、カルボジイミド基やイソシアネート基以外の官能基を共重合により導入したりしてもよい。さらに、末端のイソシアネートはそのままでも使用可能であるが、末端のイソシアネートを反応させることにより重合度を制御してもよいし、末端イソシアネートの一部を封鎖してもよい。
ポリカルボジイミド化合物としては、特に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどに由来する脂環族ポリカルボジイミドが好ましく、特に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートに由来するポリカルボジイミドがよい。
ポリカルボジイミド化合物は、1分子あたり2〜50個のカルボジイミド基を含有することが、安定性と取り扱い性の点で好ましい。より好ましくは1分子あたりカルボジイミド基を5〜30個含有するのがよい。ポリカルボジイミド分子中のカルボジイミドの個数(すなわちカルボジイミド基数)は、ジイソシアネート化合物から得られたポリカルボジイミドであれば、重合度に相当する。例えば、21個のジイソシアネート化合物が鎖状につながって得られたポリカルボジイミドの重合度は20であり、分子鎖中のカルボジイミド基数は20である。通常、ポリカルボジイミド化合物は、種々の長さの分子の混合物であり、カルボジイミド基数は、平均値で表される。前記範囲のカルボジイミド基数を有し、室温付近で固形であると、粉末化できるので、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)との混合時の作業性や相溶性に優れ、均一反応性、耐ブリードアウト性の点でも好ましい。なお、カルボジイミド基数は、例えば、常法(アミンで溶解して塩酸で逆滴定を行う方法)を用いて測定できる。
ポリカルボジイミド化合物は、末端にイソシアネート基を有し、イソシアネート基含有率が0.5〜4質量%であることが、安定性と取り扱い性の点で好ましい。より好ましくは、イソシアネート基含有率は1〜3質量%である。特に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートに由来するポリカルボジイミドであって、前記範囲のイソシアネート基含有率を有することが好ましい。なお、イソシアネート基含有率は常法(アミンで溶解して塩酸で逆滴定を行う方法)を用いて測定できる。
増粘剤(B)が、イソシアネート基を持つ化合物の場合、上記したイソシアネート基を含有するポリカルボジイミド化合物や、上記したポリカルボジイミド化合物の原料となるイソシアネート化合物を挙げることができる。
増粘剤(B)が、酸無水物基を持つ化合物の場合、1分子あたり、2〜4個の無水物を含有する化合物が、安定性と取り扱い性の点で好ましい。このような化合物として例えば、フタル酸無水物や、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。
増粘剤(B)の含有量は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、0〜5質量部であり、好ましくは0.1質量部以上、4質量部以下であり、より好ましくは0.3質量部以上、3質量部以下である。
後記するように、本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、還元粘度が2.0dl/g以上であることが好ましいので、増粘剤(B)を含有しなくても、還元粘度が2.0dl/g以上となるのであれば、増粘剤(B)の含有量は0でも良い。
増粘剤(B)を含有する場合、0.1質量部未満であると、目標とした分子鎖延長効果が不十分であり、5質量部を超えると、増粘効果が過剰となり成形性に悪影響を与えたり、成形品の機械的特性に影響を与える傾向がある。増粘剤(B)がエポキシ化合物の場合、5質量部を超えると、エポキシ化合物の凝集硬化によって成形品表面に凸凹が生じることがある。増粘剤(B)がカルボジイミド化合物の場合、5質量部を超えると、ポリカルボジイミド化合物の塩基性により熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の加水分解が生じ機械的特性に影響を与える傾向がある。
本発明におけるポリエステルエラストマー樹脂組成物は、還元粘度が2.0〜3.5dl/gであることが好ましい。より好ましくは、2.1〜3.0dl/gであり、より好ましくは、2.2〜2.9dl/gである。還元粘度が2.0dl/gよりも小さい場合、樹脂組成物としての耐熱老化性が不十分であり、目的とする耐グリース性能が得られない傾向がある。還元粘度が3.5dl/gより大きい場合は、成形加工性、特に射出成形時のフローマークなど成形品の外観不良が生じやすい傾向がある。
本発明におけるポリエステルエラストマー樹脂組成物は、酸価が0〜5eq/tであることが好ましい。酸価が5eq/tよりも大きい場合、130℃以上の高温環境下では、グリース中の尿素化合物の作用により加水分解し、機械特性を著しく低下させる傾向がある。
ポリエステルエラストマー樹脂組成物の溶液粘度および酸価を上記の範囲とするには、上記の増粘剤を用いる方法が簡便であるが、この方法には限定されず、例えば固相重合する方法も採用することができる。固相重合は公知の方法が採用されるが、例えば、熱可塑性ポリエステルエラストマーの融点より20〜40℃低い温度にて、不活性気体流通下もしくは減圧下で、ペレットを静置もしくは流動させつつ重縮合反応を進行させて高粘度化する方法が挙げられる。
[尿素化合物捕捉剤(C)]
本発明に用いる尿素化合物捕捉剤(C)とは、ポリエステルエラストマー樹脂組成物中に含有することによって、グリース中に配合されている尿素化合物を捕捉したり溶解したりして、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)中への侵入を抑制するなどして、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の骨格分子に対する作用を弱め、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の劣化を抑制できるものであれば限定されないが、尿素化合物による熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)への作用を弱めるためには、尿素化合物捕捉剤のアミン価は50eq/t以上である必要がある。尿素化合物捕捉剤のアミン価は、70eq/t以上であることが好ましく、100eq/t以上であることがより好ましい。
本発明に用いられる尿素化合物捕捉剤(C)は、アミノ基含有化合物であることが好ましく、脂肪族性または芳香族性の低分子アミノ基含有化合物であってもよいし、高分子アミノ基含有化合物であってもよい。また、アミノ基含有化合物は合成物質であってもよいし、生体物質(天然物質)であってもよい。
本発明に用いられるアミノ基含有化合物の低分子化合物の例としては、1,8−ジアミノナフタレート、3,4−ジアミノ安息香酸、2−アミノベンズアミド、ビウレット、マロンアミド、サリシルアミド、サリシルアニリド、o−フェニレンジアミン、o−メルカプトベンズアミド、N−アセチルグリシンアミド、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。高分子化合物の例としては、アミノ基末端ポリアミド、アミノ基末端ポリエーテル、アミノ基末端ポリエステル、アミノ基末端ポリウレタン、アミノ基末端ポリ尿素、アミノ基含有アクリル樹脂、アミノ基変性オレフィン樹脂、アミノ基含有オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
尿素化合物捕捉剤(C)としては、高分子アミノ基含有化合物が好ましく用いることができ、その場合のアミン価は50〜2000eq/tであることが好ましい。
本発明に用いられるアミノ基含有化合物としては、アミン価50〜2000eq/tのポリアミドであることが好ましい。
本発明の樹脂組成物における尿素化合物捕捉剤が、ポリアミド樹脂である場合について以下に説明する。
[ポリアミド樹脂]
本発明におけるポリアミド樹脂とは、分子鎖中にアミド結合を有する高分子化合物であり、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基またはその置換脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜16の芳香族炭化水素基またはその置換芳香族炭化水素基を有するジアミンと、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基またはその置換脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜16の芳香族炭化水素基またはその置換芳香族炭化水素基を有するジカルボン酸から得られるポリアミド、ラクタムから得られる重合体、ω−アミノカルボン酸から得られる重合体などが挙げられる。例えば、アジピン酸、セバシン酸、リノール酸、ドデカンジオン酸などとエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどとの反応により得られる塩の重合体が挙げられ、これらの共重合体または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。具体的には、ラクタム又はω−アミノカルボン酸から得られる、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド8、ポリアミド9、ポリアミド11、ポリアミド12、ジアミンとジカルボン酸から得られる、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド611、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミドMXD6、これらの共重合体である、ポリアミド6/66、ポリアミド6/610、ポリアミド6/6T、ポリアミド6I/6T、ポリアミド6/66/610、ポリアミド6/66/12等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物における熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)と尿素化合物捕捉剤(C)の含有比は、質量比で(A)/(C)=100/0.1〜100/10である。尿素化合物捕捉剤(C)が、10質量部より多いと、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の本来の特性が損なわれる虞があり、0.1質量部未満では尿素化合物捕捉効果が発揮されない虞がある。尿素化合物捕捉剤(C)の含有量は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、1〜8質量部が好ましく、2〜5質量部がより好ましい。
尿素化合物捕捉剤(C)は、アミン価が50eq/t以上である必要があり、アミン価50eq/t未満の場合、尿素化合物による熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)への作用を弱める効果が弱い。アミン価2000eq/tよりも大きい場合、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の加水分解が生じ機械的特性に影響を与えることがある。
尿素化合物捕捉剤(C)がポリアミドの場合、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部、特に好ましくは3質量部以下であり、アミン価は、70〜1000eq/tであることが好ましく、100〜700eq/tであることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物には、芳香族アミン系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系などの汎用の酸化防止剤を配合することが好ましい。これらは2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族アミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニルナフチルアミン、4,4’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、および4−イソプロポキシジフェニルアミンなどが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、汎用の化合物が使用可能であるが、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンのような分子量が500以上のものが、高温雰囲気下で揮散しにくいことから好ましい。
リン系酸化防止剤としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジホスファイト系化合物などのリンを含む化合物が挙げられる。具体例としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピオンエステル系などの硫黄を含む化合物が挙げられる。具体例としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジドデシルチオジプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルイソプロピルキサンテート、トリラウリルトリチオホスファイト等が挙げられる。特に、チオエーテル構造を有するチオエーテル系酸化防止剤は、酸化された物質から酸素を受け取って還元するため、好適に使用することが出来る。
上記の各酸化防止剤の配合量は、いずれも熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対し0.01〜3質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。
本発明に用いるポリエステルエラストマー樹脂組成物の組成、及び組成比を決定する方法としては、試料を重クロロホルム等の溶剤に溶解して測定するH−NMRのプロトン積分比から算出することも可能である。
さらに本発明の樹脂組成物に耐候性を必要とする場合は、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系化合物を添加することが好ましい。例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアゾール系、ニッケル系、サリチル系の光安定剤が使用可能である。添加量は、ポリエステルエラストマー樹脂組成物の質量基準で、0.1%以上5%以下が好ましい。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物には、その他各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、上記以外の樹脂、無機フィラー、安定剤、及び老化防止剤を本発明の特徴を損なわない範囲で添加することができる。また、その他の添加剤として、着色顔料、無機または有機系の充填剤、カップリング剤、タック性向上剤、クエンチャー、金属不活性化剤等の安定剤、難燃剤等を添加することもできる。これら各種添加剤は、合計で、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)、増粘剤(B)、及び尿素化合物捕捉剤(C)の合計で、70質量%以上を占めることが好ましく、80質量%以上を占めることがより好ましく、90質量%以上を占めることがさらに好ましい。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、後記する実施例の項に記載の耐グリース性を評価する熱老化試験において、140℃、300時間熱処理後の引張伸度が、200%以上を有する特徴がある。引張伸度は、実施例の項に記載の通り、JIS K6251:2010に準じて測定した切断時伸びである。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、後記する実施例の項に記載の耐グリース性を評価する屈曲疲労性試験において、130℃雰囲気下でのデマッチャ破断回数(破断に至るまでの回数)が、400万回以上である特徴がある。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例に記載された各測定値は次の方法によって測定したものである。
融点:
セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量分析計「DSC220型」にて、測定試料5mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、窒素中にて250℃で2分間溶融した後、降温速度20℃/分で50℃まで降温しさらに50℃から250℃まで20℃/分で昇温し、得られたサーモグラム曲線から融解による、吸熱ピークを融点とした。
還元粘度(dl/g):
充分乾燥したポリエステルエラストマー樹脂組成物0.02gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒10mlに溶解し、ウベローゼ粘度計にて30℃で測定した。
酸価(eq/ton):
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解し、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬にはフェノールフタレインを用いた。
アミン価(eq/ton):
試料3gを秤量し、m−クレゾール80mlに溶解させた溶液について、京都電子工業社製「AT−500N」を用い、滴定液として0.05mol/lの過塩素酸メタノール溶液を用いて電位差適定法により滴定して求めた。
実施例で使用した原料は下記の通りである。
熱可塑性ポリエステルエラストマー(A):
(ポリエステルエラストマーA1)
特開平9−59491号公報の0017段落の参考例1に記載の方法に準じて、テレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1500)が100/88/12(モル比)の熱可塑性ポリエステルエラストマーを製造した。
このポリエステルエラストマーA1の融点は197℃、還元粘度は1.86dl/g、酸価は38eq/tであった。
(ポリエステルエラストマーA2)
特開平9−59491号公報の0017段落の参考例1に記載の方法に準じて、テレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量2000)が100/90/10(モル比)の熱可塑性ポリエステルエラストマーを製造した。
このポリエステルエラストマーA2の融点は205℃、還元粘度は2.15dl/g、酸価は35eq/tであった。
(ポリエステルエラストマーA3)
ポリエステルエラストマーA1を真空状態にて190℃、20時間処理した。
このポリエステルエラストマーA3の融点は201℃、還元粘度は2.86dl/g、酸価は21eq/tであった。
増粘剤(B):
・トリアジン骨格含有3官能エポキシ化合物(B1):TEPIC−S(日産化学社製)
・脂環族ポリカルボジイミド化合物(B2):カルボジライトLA−1(日清紡社製)
尿素化合物補足剤(C):
・ポリアミド樹脂(C1):ポリアミド6(アミン価26eq/ton)
・ポリアミド樹脂(C2):ポリアミド6/66/610(59/24/17mol%)(アミン価25eq/ton)
・ポリアミド樹脂(C3):ポリアミドMXD6(アミン価136eq/ton)
・ポリアミド樹脂(C4):ポリアミド6/66/12(31/21/48mol%)(アミン価490eq/ton)
実施例1〜5、比較例1〜6
二軸スクリュー式押出機を用い、上記熱可塑性ポリエステルエラストマー100質量部に対して、各成分を表1に記載の比率で、240℃で溶融混練した後、ペレット化した。混練の際、その他の添加剤として、熱可塑性ポリエステルエラストマー100質量部に対して、離型剤である、リコワックスE(クラリアント社製)0.2質量部、酸化防止剤である、ノンフレックスDCD(大内新興化学社製)(4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン)0.8質量部、Irganox1010(BASF社製)0.2質量部、Irganox1098(BASF社製)0.2質量部を加えた。比較例2については、さらに酸化防止剤である、ラスミットLG(第一工業製薬社製)(ジラウリルチオジプロピオネート)0.2質量部を加えた。このポリエステルエラストマー樹脂組成物のペレットを用いて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
[耐グリース性評価試験方法]
増ちょう剤として尿素化合物を含有するグリース(レアマックスUBZ:協同油脂社製)を用いて、屈曲疲労試験および熱老化試験にて評価した。
[屈曲疲労性試験]
デマッチャ屈曲き裂試験機BE−102(テスター産業株式会社製)を用い、以下の所定の試験片について、130℃の雰囲気下で、チャック間を75mmと19mmにする繰り返し屈曲を300回/分の速度で実施し、破断に至るまでの回数にて耐屈曲疲労性を評価した。試験片は、シリンダー温度240℃、金型温度50℃にて作製した射出成形品(幅20mm、長さ100mm、厚さ3.6mm、長さ方向の中央部の20mm幅全体に、R2.4の溝部有り)を用いた。
耐グリース性を確認するために、試験片のR2.4の溝部の裏面にグリース3gを均一に塗布した状態で試験を行った。
[熱老化試験]
シリンダー温度240℃、金型温度50℃にて作製した射出成形品(幅100mm、長さ100mm、厚み2.0mm)の樹脂の流動方向に対し、直角方向にJIS3号ダンベル形状に打ち抜き試験片を作製した。試験片の片面の全面にグリース3gを均一に塗布した状態で、140℃の熱風乾燥機にて300時間アニールし、その後、JIS K6251:2010に準じ引張伸度(切断時伸び)を測定した。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は高温環境下での耐グリース性に優れており、本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物をブロー成形、射出成形することで、140℃を超える過酷な環境下においても、尿素化合物含有のグリースと接触する用途で使用可能な成形品を得ることができる。

Claims (7)

  1. 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族ジオールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントが結合されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、増粘剤(B)0〜5質量部とアミン価50eq/t以上の尿素化合物捕捉剤(C)0.1〜10質量部を含有することを特徴とするポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  2. 尿素化合物捕捉剤(C)が、アミン価50〜2000eq/tのアミノ基含有化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  3. ポリエステルエラストマー樹脂組成物の還元粘度が2.0〜3.5dl/g、酸価が0〜5eq/tであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  4. 増粘剤(B)が、エポキシ基、酸無水物基、カルボジイミド基、及びイソシアネート基から選ばれる少なくとも一種の反応性基を有する多官能性化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  5. 尿素化合物捕捉剤(C)が、ポリアミドである請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  6. ポリエステルエラストマー樹脂組成物に尿素化合物含有グリースを塗布した状態での140℃、300時間熱処理後の引張伸度が、200%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  7. 前記熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂(A)のソフトセグメントが、脂肪族ポリエーテルである請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
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