JP2011004727A - 鳥類・小動物・魚類などに対する磁力妨害装置 - Google Patents

鳥類・小動物・魚類などに対する磁力妨害装置 Download PDF

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康雄 熊倉
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Abstract

【課題】 鳥類・小動物・魚類などに対し、磁力による忌避および排除を目的とする磁場拡大を経済的に実現すること。
【解決手段】 ループ状とした通磁体と永久磁石あるいは電磁石の組合せにより、ループ状通磁体が形成する面積全体に永久磁石あるいは電磁石が保持する磁力の磁場を発生させた。
永久磁石あるいは電磁石に接するループ状通磁体の角度を可変させることによる磁線の変化を可能とした。
さらに、本装置を連結させることにより、目的に応じた広範囲の磁場を形成可能としたことおよび目的に応じた磁石選択を簡易とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、鳩・カラスなどの鳥類、猫・ネズミなどの小動物、サメなどの魚類に対し、磁石と磁石の磁力伝達をするループ状の通磁体の組合せによる妨害装置ならびに撃退方法に関する。
従来の磁石による磁力を利用した鳥害防止器具に関するものとして、複数の永久磁石を用いて有効範囲を広げたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
また、永久磁石において最大エネルギーを有するネオジム磁石(希土類磁石)を複数個使用し、磁気に鈍感な鳥に対しても対応する鳥害防止器具がある(たとえば、特許文献2参照)。
岐阜県美濃地方には、古くから山作業に入った人達の作業中の弁当保護策として、針金・ワイヤーなどの金属をリング状とし、その中央部に弁当箱を置くことにより、カラス・鳶などの鳥類およびリス・イタチ・あらいぐまなどの小動物から弁当箱を守るという伝承的方法が存在する。
静岡県西部の一部農村においては、畑の周囲に約2m間隔に杭を立て、杭の先端に永久磁石を取り付け、害をおよぼす鳥からの作物を守る方法が行われている。
鳥類の頭内には方位磁石が存在し、地磁気による方向感覚を得ているとされているため、鳥類のほとんどは、局部的な異常および強力磁場を感じると忌避行動をとることとなる。
鳥類が異常および強力磁場に対して忌避行動をとることに着目し、鳩・カラス・カササギ・椋鳥などの鳥害に対し、今日まで様々な磁力による妨害装置の考案がなされている。
しかしながら、市場で入手可能な磁力による鳥害防止器具の有効範囲は、概ね1mと表示されているが、その表示された有効範囲においても妨害効果が現れない場合が多い。
また、一時的な効果があっても、その効果の持続性においては疑問視されるものも存在する。
市場で入手できる磁力による鳥害防止器具を磁力測定器具にて実際に計測を行ったところ、磁力の発生源から20cm離れた時点においては、有効磁場が形成されていないことが判明した。
前述の岐阜県美濃地方に伝わる弁当保護策に基づき針金・ワイヤーなどの金属をリング状とし、その中心部を磁力測定器具により計測をしてみると、磁石が存在しないにもかかわらず、周囲と異なる磁力を観測することができた。
特開平08−23863号 公報 特開平10−28511号 公報
特開平8−23863「鳥類飛来防止方法」では、図5が示すように、永久磁石を用いた装置を複数使用し、互いの磁力が干渉し合う間隔に設置することにより有効範囲を広げることになるが、磁力が干渉し合う妨害範囲を広げるためには、高価な磁石を数多く使用することとなり、経済的ではない。
また、特開平10−28511「屋外用街路照明灯などに好適な鳥類飛来防止装置」では、図6が示すように、永久磁石において最大エネルギーを有するネオジム磁石(希土類磁石)を複数個使用しているが、有効範囲は独立した個々の磁石からの磁力のおよぶ範囲に限定されることとなり、妨害範囲を拡大するためには、磁石の数量を増やさざるを得ない。
本発明は、このような従来から課題となっていた妨害範囲拡大の問題を解決するものであり、磁場拡大を経済的に実現することを目的とするものである。
磁石01と磁石の磁力を伝達することが可能な鉄などからなるループ状の通磁体02を組合せることにより磁場の拡大を図った。
ループの形態は、始点から終点までが磁石に帰結していることが条件であり、ループ状通磁体02の形状は円形・三角形・四角形・ハート型などであってもよい。ループ状通磁体02の太さは、直径4mm程度がよい。
ループ状通磁体02が形成する大きさは、磁石01との接点から最も離れたループ部分およびループに囲まれた中心部における磁力低下の少ないことが望ましい。
円形の場合であればループの直径100mm〜250mmが望ましいが、それ以上の場合においてもループ状の大きさが地磁気を上回る程度あれば、直径を拡大することが可能である。
図2が示すように、ループ状通磁体02は磁石01との接点を中心に360度回転が可能であり、自由に選択した角度で固定することを可能とした。
磁石のカバー部05の素材は、アルミニューム・ステンレスなどの非通磁体の金属であり、紫外線による劣化が少ない場所での使用であれば、プラスチックなどであってもよい。
広範囲の磁場を形成するときには、図4が示すように、1個の磁石01と1個または複数ループ状通磁体02からなる本装置を連結金具06にて連結し、広範囲の磁場を形成する。
磁石01は、永久磁石の中では最も強い磁力を有するネオジム磁石(希土類磁石)が望ましい。また、永久磁石に替えて電磁石を用いてもよい。
ループ状通磁体02の中心部および永久磁石01の接点から最も離れたループ状通磁体02の周囲において、永久磁石01の有する磁力と変わらない磁力を計測することができた。
永久磁石01の位置から離れているにもかかわらず、永久磁石01に接するループ状通磁体02の周辺全体に磁場が形成されたこととなる。
磁力強化を目的として、複数個の永久磁石01をループ状通磁体02の対角上または同接点周囲に配置しても、磁力数値の大きさは永久磁石01の数の倍数とはならない。
ループ状通磁体02に複数個の永久磁石01を配置しても、磁力は1割程度増えるにすぎないため、広範囲の効果を望む場合には、図4のように、通磁性を持つ鉄などの連結器具06により本装置を連結し、永久磁石01とループ状通磁体02が1接点を持つように配置し、広域の磁場を形成することが望ましい。
図4は一方向への連結例ではあるが、連結を縦横方向へ拡張してネット状とする場合は、永久磁石とループ状通磁体が1接点を持つように配置する。
通磁性を持つ鉄などの連結器具06を用いることにより、容易に必要に応じた磁場の拡大をおこなうことができる。
また、本装置多数を縦および横方向に配置し、多数連結ネット状にした場合には、永久磁石とループ状通磁体が1接点を持たないループが点在した場合であっても磁場は形成されている。
本装置は連結器具をもちいて容易に連結することが可能であるため、従来からの磁力による妨害装置よりも、高価である永久磁石01の使用数量を制限することができるため経済的である。
自然界に存在しない強力磁場を極めて忌避する動物は、多数存在する。これらの動物を排除することを目的とする場合には、永久磁石において最大エネルギーを有するネオジム磁石または電磁石による広範囲の強力磁場を形成し、さらにこの磁場から発生する磁線を複雑あるいは異常方向へ向かわせることにより、効果が増幅すると考えられる。
多数の鳩が常時存在する寺境内における本装置による実験においては、2本ループを持つ本装置のループを永久磁石01接点から左右に45度回転に可変させてV字状態とし、この本装置3個を2m間隔にて三角形に配置した。数分で効果があらわれ、1時間後には、鳩が進入しないエリアとなった。数分に一度の割合で進入する鳩もあったが、早急にこのエリアから脱出した。
同時に、図3が示す4本ループ保持型の本装置の4本ループ状通磁体の対角線上にある2本を永久磁石01接点から左右に45度の角度に回転可変させてV字状態とし、他の2本を水平に可変した実験においては、2本ループと同様以上の効果を得たが、これは本装置の磁力および磁線以外の地磁気要素も関係していると思われる。
数匹の徘徊する猫の進入および糞害のある庭における本装置による実験においては、2本ループ保持型の本装置4個のループ角度を可変し、猫の進入路を中心に1.5m間隔の平行四辺形に配置した。10日後には、猫の進入および糞害が解消した。
生簀にて泥抜き待ちのウナギに対して、2本ループ保持型本装置のループ部分だけを近付けたところ、ウナギの異常な忌避活動となった。観賞用として飼育されている熱帯魚水槽での実験においても同様の忌避を観測できた。
本発明の実施形態を示す磁力妨害器具(2本ループ)の平面図 同磁力妨害器具(2本ループ)の正面図・側面図 同磁力妨害器具(4本ループ)の正面図・側面図 同磁力妨害器具を連結した場合の平面図 従来の技術を示す斜視図 従来の技術を示す斜視図と設置斜視図
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1においては、01は永久磁石、02はループ状通磁体である。ループ状通磁体の永久磁石と接する部分は直線が望ましいため、円形であれば大文字D型に治具加工を行ない、ループ状通磁体には溶接・メッキ加工を行なう。
05は非通磁体からなる永久磁石ケース部であり、ケース部05b、ケース部05aで構成されている。永久磁石ケース部05の内部には、永久磁石01を固定する空間とループ状通磁体02を固定する溝状加工を施す。
ボルトおよびナット03は永久磁石ケース部05を貫通しており、ループ状通磁体02の可変時においては、ループ可変時の軌道07の自由な位置での締め付けによる固定が可能である。また、延長したボルトを使用することにより、本装置を柱・壁・床面などに固定することが可能となる。
開閉防止用ボルトおよびナット04は、分解を不可能とするため、ボルトの頭部をつぶし、はめ殺しとする。永久磁石01をネオジム磁石とした場合において、分解時の磁石飛散事故を防ぐ目的も持つ。
永久磁石ケース部05はアルミニュームあるいはステンレスなどの非通磁体の金属であり、ボルトおよびナット03、開閉防止用ボルトおよびナット04は、いずれもステンレスなどの非通磁体の金属である。
連結金具06は通磁体であり、メッキ加工を施す。
本装置を複数個用いての実験は前述の通りであるが、神社・寺院・工場などに住み着く鳩・蝙蝠に対しては全体的な対策を実施しなければ効果が薄いのであるから、本装置の連結による効果が期待できる。防止のために全体にネットを施しても、未処理の隙間を見つけて進入してくることは防ぐことが困難であったが、本装置を連結して使用することにより、広範囲の有効対策につながるものと推測される。
また、テレビ報道において、サメに対して磁石が有効である実験も報告されている。本装置は連結が可能であるため、ネット状の配置により、海水浴場におけるサメ防止も可能と推測される。
本発明は、本装置の単体使用においても効果があるが、本装置複数個および連結の使用においては、磁場と磁線だけではない複合的要素の磁力による効果が推測される。
01 永久磁石
02 ループ状通磁体
03 ボルトおよびナット
04 開閉防止用ボルトおよびナット
05 永久磁石のケース部
05a 永久磁石のケース部
05b 永久磁石のケース部
06 連結金具
07 ループ可変時の軌道

Claims (5)

  1. 磁石とループ状通磁体の組合せによる磁場拡大構造を特徴とする磁力による鳥類、小動物、魚類などに対する妨害装置。
  2. 磁石とループ状通磁体の接点部であるケース部に非通磁体を用い、ループ状通磁体の角度可変を可能とした請求項1の磁力による鳥類、小動物、魚類などに対する妨害装置。
  3. 磁石とループ状通磁体の接点部である磁石ケース部に、ループ状通磁体の角度可変を可能とする一本以上のボルトまたはネジなどを使用し、2部品からなる磁石ケース部の分解防止構造を有する請求項1の磁力による鳥類、小動物、魚類などに対する妨害装置。
  4. 請求項1記載の装置を通磁体連結金具により複数連結させ磁場面積拡大構造を特徴とする磁力による鳥類、小動物、魚類などに対する妨害方法。
  5. 請求項1記載の装置の1個あるいは複数ループ状通磁体の角度可変による磁線変更方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011030458A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Kumakura Industry Co Ltd 動物除け

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