JP2011002003A - ロック装置付き回転バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性が良く、しかも、バルブ開度の変動を確実に防止することができ、同時に、バルブ開度を変える場合にも容易にロック状態を解除することのできるロック装置付きの回転バルブを提供する。
【解決手段】回転バルブ100における回転ハンドル101の回転操作を不可とするロック装置10は、回転ハンドル101と一体に取り付けられた歯車部材110と、回転バルブ100のケーシングに取り付けられる基板20と、基板20の上に移動自在に載置され、歯車部材110に係合可能な係止部材43を備えた作動部材40と、を有し、作動部材40は、係止部材43が歯車部材110に係合して回転ハンドル101の回転操作を不可とするロック位置と、係止部材43が歯車部材110と係合せず回転ハンドル101の回転操作を可能とするロック解除位置と、回転ハンドル101の回転操作を可能とするロック解除状態を維持するロック解除維持位置と、のいずれかの位置へと移動可能とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に流体移送配管に設置されて作動されるゲートバルブ、ベローズバルブなどのようなバルブ開閉のための回転ハンドルを備えた手動式の回転バルブに関し、特に、所定のバルブ開度に回転操作された回転ハンドルをロックするためのロック装置を備えた回転バルブに関するものである。
従来、ゲートバルブ、ベローズバルブなどのような、バルブ開閉のための回転ハンドルを備えた手動式の回転バルブは、例えば、バルブに一体に設置されている開閉表示装置に従ってハンドルを回転させることにより、所定のバルブ開度とすることが行われている。
一般に、流体移送配管内を流体が移送されると、配管内に乱流が発生したり、或いは、L字配管等ではキャビテーション等が発生することが知られている。これら乱流やキャビテーションに起因して、移送配管に振動が発生する。
高周波の小刻みな振動が発生すると、特に、枝管にある回転バルブ等においてバルブの開度が変動することがある。
そのために、例えば、特許文献1には、弁の開度を規定する弁棒に可動側噛合部材を設け、バルブケーシングのヨークに固定側噛合部材を取り付け、可動側噛合部材と固定側噛合部材とをロックナット或いはスプリングにより相互に噛合させることにより、弁棒を所定の開度に固定する構成を開示している。
特開平8−296764号公報
しかしながら、上記特許文献1にて開示する構成では、弁開度を変更するには、ロックナットを緩め、弁開度を調整し、その後、再度、ロックナットの締め付けを行わなければならず、また、スプリングを使用した場合には、弁開度の調整時のスプリング力を解放するために、スプリングを押圧しているハンドル自体の調整回転が必要となる。これらの操作は、煩雑である。
本発明の目的は、操作性が良く、しかも、バルブ開度の変動を確実に防止することができ、同時に、バルブ開度を変える場合にも容易にロック状態を解除することのできるロック装置付きの回転バルブを提供することである。
上記目的は本発明に係るロック装置付き回転バルブにて達成される。要約すれば、本発明は、回転操作によりバルブ開度を調整する回転ハンドルと、前記回転ハンドルの回転操作を不可とするロック装置とを備えた回転バルブにおいて、
前記ロック装置は、
前記回転ハンドルと一体に取り付けられた歯車部材と、前記回転バルブのケーシングに取り付けられる基板と、前記基板の上に移動自在に載置され、前記歯車部材に係合可能な係止部材を備えた作動部材と、を有し、
前記作動部材は、前記係止部材が前記歯車部材に係合して前記回転ハンドルの回転操作を不可とするロック位置と、前記係止部材が前記歯車部材と係合せず前記回転ハンドルの回転操作を可能とするロック解除位置と、前記回転ハンドルの回転操作を可能とするロック解除状態を維持するロック解除維持位置と、のいずれかの位置へと移動可能とされることを特徴とするロック装置付き回転バルブである。
本発明の一実施態様によると、前記基板は、縦方向孔と、前記縦方向孔に対して直角方向に形成された横方向孔とを有したL字状の係止孔が形成され、
前記作動部材は、前記基板側へと突出したガイド軸を有し、前記ガイド軸は、前記基板のL字状係止孔に沿って移動可能とされ、
前記ガイド軸が前記係止孔の縦方向孔に係合している時に、前記基板に設けた弾性部材により付勢されて前記係止部材を前記歯車部材の方向へと移動可能としており、
前記ガイド軸が前記係止孔の横方向孔に係合することにより、前記作動部材は、前記ロック解除維持位置に保持される。
本発明の他の実施態様によると、前記係止部材は、前記歯車部材に対向して開口したU字形状部材とされ、前記開口部を形成するU字形状部材の両端部が係止爪とされ、各係止爪は、前記作動部材が前記ロック位置に移動された時、前記歯車部材の歯と歯の間の空隙に突入して係合する。
本発明の他の実施態様によると、前記弾性部材は、コイルばねであり、前記ガイド軸の外周に巻き付き両端を前記基板に取り付けることにより、前記ガイド軸を前記歯車部材の方向へと付勢する。
本発明の他の実施態様によると、前記ガイド軸に操作板が固着されている。
本発明によれば、操作性が良く、しかも、バルブ開度の変動を確実に防止することができる。同時に、バルブ開度を変える場合にも容易にロック状態を解除することができ、利便性が極めて良好である。
本発明に係るロック装置付き回転バルブの一実施例の全体構成を示す斜視図である。 本発明を適用し得る従来構成の回転バルブの全体構成を示す斜視図である。 本発明に係るロック装置付き回転バルブの一実施例の分解斜視図である。 本発明に係るロック装置付き回転バルブのロック状態を説明する、回転ハンドルを除去した状態の斜視図である。 本発明に係るロック装置付き回転バルブのロック解除状態を説明する、回転ハンドルを除去した状態の斜視図である。 本発明に係るロック装置付き回転バルブのロック解除維持状態を説明する、回転ハンドルを除去した状態の斜視図である。
以下、本発明に係るロック装置付き回転バルブを図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
(回転バルブの全体構成)
図1に、本発明に係るロック装置付き回転バルブ100の一実施例の全体構成を示す。図2は、本発明を適用し得る、流体移送配管200に設置されて作動されるゲートバルブ、ベローズバルブなどのようなバルブ開閉のための回転ハンドル101を備えた、従来構成の手動式の回転バルブ1を示す。図3は、本実施例のロック装置付き回転バルブ100の分解斜視図である。
図1〜図3を参照すると理解されるように、本実施例のロック装置付き回転バルブ100は、従来構成の回転ハンドル101を備えた手動式の回転バルブ1において、特に、所定のバルブ開度に回転操作された回転ハンドル101をロックするためのロック装置10を備えた構成に特徴を有している。
従って、図2に示す回転バルブ1自体の構成は、当業者には周知であるので、詳しい説明は省略し、以下には、本願発明の特徴をなすロック装置10について詳しく説明する。
(ロック装置の構成)
本実施例にて、回転バルブ1は、これに限定されるものではないが、図2に示すように、弁体の開閉を行うスピンドル102を備えたスピンドルバルブとされる。スピンドル102は、スリーブ104に螺入されている。スリーブ104は、互いに対向して配置されたケーシングヨーク105の上部にて形成される中央支持部106に回転自在に取り付けられている。スリーブ104の外周(六角形状部)104b(図3参照)に回転ハンドル101が取り付けられ、スリーブネジ部104a(図3参照)にハンドル抑えナット103を螺入して、固定される。従って、ハンドル101を回転することにより、スピンドル102がハンドル101の中心部から出没自在に移動し、弁体の開度が調整される。
本実施例によれば、ロック装置10は、回転バルブケーシングの例えばヨーク105に取り付けられる基板20と、基板20の上を矢印A、B方向へと移動自在に載置された作動部材40と、を有している。また、本実施例の回転バルブ100は、従来の回転バルブ1と異なり、回転ハンドル101の下面に一体に歯車部材110が取り付けられる。
基板20は、図3に一部一点鎖線にて示すように、平板状の板金部材20Aとされ、板金部材20Aは、細長の略矩形状であって一端部21aが湾曲形状に形成された中央部材21と、中央部材21の両側面より対称配置にて中央部材21に対して垂直方向に延在した連結部材22と、連結部材22に対して直交して配置された矩形状の取付部材23とにて構成される。中央部材21は湾曲形状とされた側21aに取付穴24が形成され、他端側21bにL字状の係止孔25が形成される。L字状係止孔25は、中央部材21の長手方向に沿った縦方向孔25aと、この縦方向孔25aに対して直角方向に形成された横方向孔25bとにて形成される。
この板金部材20Aは、連結部材22が、中央部材21との連結部26及び取付部材23との連結部27において、図3にて下方へと山形に屈曲される。更に、各取付部材23は、対称配置された両端取付部23aが下方(内方)へとコ字状に屈曲される。
このようにして、図3にて実線で示されるような形状に成形された基板20は、取付穴24がヨーク105の円柱形状とされる中央支持部106の外周に嵌着される。コ字状に屈曲された取付部材23の両端取付部23aは、ヨーク105を挟持する形態とされており、両端取付部23aに形成した取付孔28を利用してヨーク105にボルト29、ナット30にて固着される(図4参照)。取付部材23のヨーク105への固定は、ビス等で固定しても構わない。
基板20の上に載置される作動部材40は、図3に示すように、細長の略矩形状であって一端部41aが湾曲形状に形成された基板41を有する。基板41は、湾曲形状とされた側41aに長円形状の取付ガイド穴42が形成され、他端側41bに係止部材43が一体に取り付けられる。係止部材43は、取付ガイド穴42に対向して開口したU字形状部材45とされる。開口部44を形成するU字形状部材45の両端部材が係止爪45aとされ、詳しくは後述するように、回転ハンドル101の下面に一体に取り付けた歯車部材110の歯と歯の間の空隙に突入し、係合可能とされる。
斯かる構成とされた作動部材40は、図3にて、長円形状の取付ガイド穴42がヨーク105の円柱形状とされる中央支持部106の外周に嵌着され、基板20の上に摺動自在に載置される。
作動部材40には、基板20側へと突出し、基板20のL字状の係止穴25を貫通して配置されたガイド軸46の上端46aが、係止部材43が取り付けられた近傍において、例えばカシメなどにより固着される。ガイド軸46の下端46bは、板金加工された操作板47の一端47aがねじ48にて止着されている。
従って,操作板47の摘み部47bを長円形取付ガイド穴42の長軸方向(図3の矢印A方向)に引っ張ることにより、作動部材40は、取付ガイド穴42が中央支持部106に案内されて長軸方向(矢印A方向))に移動される。
一方、基板20のL字孔25を貫通したガイド軸46は、基板20の連結部材22に形成した取付孔31により両端が係止された弾性部材、即ち、コイルばね32により、矢印A方向とは反対方向に付勢されている。
下面に歯車部材110、即ち、本実施例では、平歯車のような周面に多数の歯が形成された歯車部材110を一体に取り付けた回転ハンドル101が、スリーブ104の外周部(六角形状)104bに取り付けられ、ハンドル抑えナット103にてスリーブ104に固定される。勿論、回転ハンドル101の上面側には、図示してはいないが、開度表示板等を設置してもよい。
(ロック装置の作動)
次に、図4〜図6をも参照して、本実施例によるロック装置10の作動について説明する。
図4〜図6は、ロック装置10の作動を分かり易くするために、歯車部材110に一体に取り付けられている回転ハンドル101は除去されている。
本実施例にて、ロック装置10は、回転バルブ100のヨーク105を利用して、回転ハンドル101の下方位置にてヨーク中央支持部106に組み込まれる。
回転バルブ100において、ロック装置10は、通常は、図4に示すロック位置にセットされている。
つまり、作動部材40は、コイルばね32によりガイド軸46が矢印A方向とは反対の方向、即ち、歯車部材110の方へと付勢され、係止爪45aが歯車と歯車との間の隙間に突入している(ロック状態)。従って、歯車部材110及び回転ハンドル101は、ロック装置10によりロックされた状態となり、回転することはできない。
一方、回転バルブ100の弁開度を調整したい場合には、回転バルブ100の回転ハンドル101が回転操作可能とされねばならない。つまり、ロック装置10は、図5に示すロック解除位置へとセットされる。
そのために、作業者は、図4に示すロック位置にセットされているロック装置10において、操作板47を矢印A方向へと引っ張る。これにより、図5に示すように、作動部材40は、コイルばね32の付勢力に抗してガイド軸46が基板20の縦方向穴25aに沿って矢印A方向、即ち、歯車部材110から離間する方へと付勢され、係止爪45aが歯車と歯車との間の隙間から離脱する(ロック解除状態)。従って、歯車部材110及び回転ハンドル101は、ロック装置10によるロックが解除され、回転することが可能となる。
次いで、作業者は、図6に示すように、操作板47を矢印A方向へと引っ張った状態にて、矢印B方向に回転する。すなわち、ロック装置10をロック解除維持位置へと移動させる。
更に言えば、操作板47を矢印B方向に回転することにより、作動部材40もまた矢印B方向に回転し、ガイド軸46は、基板20の縦方向孔25aから横方向孔25bに沿って矢印B方向に進み、横方向孔25bの端部に当接して停止する(ロック解除維持状態)。この状態では、作業者が操作板47から手を放しても、ガイド軸46が横方向孔25bに係合した状態に維持され、従って、作動部材40の係止爪45aが歯車部材110の方へと移動することはなく、そのため歯車部材110に係合することはない。
従って、歯車部材110及び回転ハンドル101は自由に回転することができ、弁開度の調整が可能である。
弁開度の調整が終わると、操作板47を、図6にて矢印B方向へと逆方向に移動させる。これにより、作動部材40も同様に移動し、ガイド軸46が縦方向孔25aに至る。ガイド軸46及び作動部材40は、コイルばね32の付勢力により自動的に縦方向孔25aに沿って歯車部材110側、即ち、図5にて矢印A方向とは逆の方向へと移動し、係止爪45aが歯車部材110に係止する。つまり、ロック装置10は、図4に示すロック位置となる。
上述にて理解されるように、本実施例のロック装置10では、作動部材40は、係止部材43が歯車部材110に係合して回転ハンドル101の回転操作を不可とするロック位置(図4の状態)と、係止部材43が歯車部材110と係合せず回転ハンドル101の回転操作を可能とするロック解除位置(図5の状態)と、回転ハンドル101の回転操作を可能とするロック解除状態を維持するロック解除維持位置(図6の状態)と、のいずれかの位置へと移動可能とされる。
このように、本実施例のロック装置10を備えた回転バルブ100は、操作性が良く、しかも、バルブ開度の変動を確実に防止することができる。同時に、バルブ開度を変える場合にも容易にロック状態を解除することができ、利便性が極めて良好である。
1 回転バルブ
10 ロック装置
20 基板
24 取付穴
25 係止孔
25a 縦方向孔
25b 横方向孔
32 コイルばね(弾性部材)
40 作動部材
41 基板
42 取付ガイド穴
43 係止部材
45a 係止爪
46 ガイド軸
47 操作板
101 回転ハンドル
105 ケーシングヨーク
110 歯車部材

Claims (5)

  1. 回転操作によりバルブ開度を調整する回転ハンドルと、前記回転ハンドルの回転操作を不可とするロック装置とを備えた回転バルブにおいて、
    前記ロック装置は、
    前記回転ハンドルと一体に取り付けられた歯車部材と、前記回転バルブのケーシングに取り付けられる基板と、前記基板の上に移動自在に載置され、前記歯車部材に係合可能な係止部材を備えた作動部材と、を有し、
    前記作動部材は、前記係止部材が前記歯車部材に係合して前記回転ハンドルの回転操作を不可とするロック位置と、前記係止部材が前記歯車部材と係合せず前記回転ハンドルの回転操作を可能とするロック解除位置と、前記回転ハンドルの回転操作を可能とするロック解除状態を維持するロック解除維持位置と、のいずれかの位置へと移動可能とされることを特徴とするロック装置付き回転バルブ。
  2. 前記基板は、縦方向孔と、前記縦方向孔に対して直角方向に形成された横方向孔とを有したL字状の係止孔が形成され、
    前記作動部材は、前記基板側へと突出したガイド軸を有し、前記ガイド軸は、前記基板のL字状係止孔に沿って移動可能とされ、
    前記ガイド軸が前記係止孔の縦方向孔に係合している時に、前記基板に設けた弾性部材により付勢されて前記係止部材を前記歯車部材の方向へと移動可能としており、
    前記ガイド軸が前記係止孔の横方向孔に係合することにより、前記作動部材は、前記ロック解除維持位置に維持されることを特徴とする請求項1に記載のロック装置付き回転バルブ。
  3. 前記係止部材は、前記歯車部材に対向して開口したU字形状部材とされ、前記開口部を形成するU字形状部材の両端部が係止爪とされ、各係止爪は、前記作動部材が前記ロック位置に移動された時、前記歯車部材の歯と歯の間の空隙に突入して係合することを特徴とする請求項2に記載のロック装置付き回転バルブ。
  4. 前記弾性部材は、コイルばねであり、前記ガイド軸の外周に巻き付き両端を前記基板に取り付けることにより、前記ガイド軸を前記歯車部材の方向へと付勢することを特徴とする請求項2又は3に記載のロック装置付き回転バルブ。
  5. 前記ガイド軸に操作板が固着されていることを特徴とする請求項2〜3のいずれかの項に記載のロック装置付き回転バルブ。
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