JP2011000841A - 流体噴射装置 - Google Patents

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JP2011000841A JP2009147334A JP2009147334A JP2011000841A JP 2011000841 A JP2011000841 A JP 2011000841A JP 2009147334 A JP2009147334 A JP 2009147334A JP 2009147334 A JP2009147334 A JP 2009147334A JP 2011000841 A JP2011000841 A JP 2011000841A
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Abstract

【課題】回転体に設けたワイパー部材でノズル面を払拭する際に、ワイパー部材をノズル
面に均一な力で押し当てる。
【解決手段】ワイパー部材を回転体の半径方向に移動可能に設けておく。回転体が回転し
てワイパー部材がノズル面を払拭する際には、回転体の回転に伴ってワイパー部材が半径
方向の位置を変えながらノズル面を払拭する。こうすれば、ワイパー部材の位置が回転体
の回転軸を中心とする一定半径の円周上に拘束されることがないので、ワイパー部材をノ
ズル面に沿ってほぼ並行に動かすことも可能となる。これにより、ノズル面に対するワイ
パー部材の当り量をほぼ均一に保ちながらワイパー部材を動かすことが可能となり、その
結果、ワイパー部材をノズル面にほぼ均一な力で押し付けながらノズル面を払拭すること
が可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、噴射ヘッドから流体を噴射する技術に関する。
印刷媒体上にインクを吐出して画像を印刷するプリンター(いわゆるインクジェットプ
リンター)は、高品質の画像を簡便に印刷可能であることから、今日では、画像の出力手
段として広く使用されている。また、この技術を応用して、インクの代わりに、適切な成
分に調製した各種の流体(例えば、機能材料の微粒子が分散された液体や、ジェルなどの
半流動体など)を、基板上に噴射すれば、電極や、センサ、バイオチップなど、各種の精
密な部品を、簡便に製造することも可能と考えられる。
これらインクジェットプリンターあるいは流体噴射装置では、微細な噴射ノズルが設け
られた専用の噴射ヘッドを搭載しており、噴射ヘッドの対面に設けられたプラテンで印刷
媒体を支えながら、噴射ノズルから印刷媒体に向かって流体を噴射することが可能となっ
ている。また、吸引ポンプに接続されたキャップを備えており、噴射ノズル内の流体の性
状が悪化した場合には、噴射ヘッドをプラテンの位置からキャップの位置に移動させ、キ
ャップを噴射ヘッドに押し付けて吸引ポンプを駆動することにより、性状が変化した流体
を噴射ノズルから吸い出して排出することが可能となっている。流体を排出した後は、ゴ
ム製のワイパーを噴射ヘッドの表面に押し付けた状態で噴射ヘッドを水平に移動させるこ
とにより、噴射ヘッドの表面に付着した流体をワイパーで拭き取ることが可能である。
また、流体噴射装置に大型の噴射ヘッドを搭載した場合などには、噴射ヘッドをプラテ
ンの位置から移動させることが困難になることがある。このため、噴射ヘッドの対面に設
けた回転体の表面にプラテンやキャップを備えておき、回転体を回転させることによって
、噴射ヘッドを移動させることなくプラテンやキャップを切り替え可能とする技術が考案
されている(特許文献1)。そこで、この回転体の表面にワイパーを取り付けておき、回
転体を回転させることによってワイパーを動かせば、噴射ヘッドを水平に移動させること
なく付着した流体を拭き取ることも可能と考えられる。
特表2003−534165号公報
しかし、回転体に取り付けたワイパーを回転させて流体を拭き取る場合、噴射ヘッドの
表面に対してワイパーを均一な力で押し付けることができないという問題があった。すな
わち、ワイパーは噴射ヘッドの表面に対して並行に動くのではなく円弧を描くように動く
ので、噴射ヘッドの表面に対するワイパーの当り量が均一にならない。このため、ワイパ
ーを噴射ヘッドに押し付ける力が均一にならず、その結果、ワイパーが強く当たって噴射
ヘッドの表面が傷んでしまう箇所や、逆に、当りが弱くて表面を十分に拭き取れない箇所
が生じる虞がある。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、
回転体に設けたワイパーを噴射ヘッドの表面に均一な力で押し付けながら噴射ヘッドの表
面を拭き取り可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の流体噴射装置は次の構成を
採用した。すなわち、
噴射ノズルから流体を噴射する流体噴射装置であって、
前記噴射ノズルが設けられたノズル面に対向して設けられ、該ノズル面と並行な軸を中
心に回転する回転体と、
前記回転体から該回転体の半径方向に突出して設けられ、該回転体とともに回転するこ
とにより、前記ノズル面に当接して該ノズル面を払拭するワイパー部材と
を備え、
前記ワイパー部材は、前記回転体の少なくとも半径方向に移動可能に設けられており、
前記回転体の回転に伴って該半径方向の位置を変えながら該ノズル面を払拭する部材であ
ることを要旨とする。
かかる本発明の流体噴射装置では、噴射ノズルが設けられたノズル面に対向して回転体
が設けられており、回転体を回転させることによって回転体上に設けられたワイパー部材
を動かしてノズル面を払拭する。ここで、ワイパー部材は、回転体の半径方向に移動可能
に設けられており、回転体の回転に連動してワイパー部材が半径方向の位置を変えながら
ノズル面を払拭する。
回転体を回転させた時にワイパー部材が回転体の半径方向の位置を変えることができれ
ば、ワイパー部材の位置は回転体の回転軸を中心とする一定半径の円周上に拘束されるこ
とがなく、ワイパー部材をノズル面に沿ってほぼ並行に動かすことも可能となる。このた
め、ノズル面に対するワイパー部材の当り量をほぼ均一に保ちながらワイパー部材を動か
すことができるので、ワイパー部材をノズル面にほぼ均一な力で押し付けながらノズル面
を払拭することが可能となる。
また、上述した本発明の流体噴射装置では、ワイパー部材の傾きを回転体に対して可変
に設けておき、回転体の回転に連動してワイパー部材が傾きを変えることにより、ワイパ
ー部材がノズル面に対して一定の傾きを保ちながらノズル面を拭き取るものとしてもよい
こうすれば、ノズル面に対してワイパー部材を押し付ける力だけでなく、ワイパー部材
を押し付ける角度も均一にすることができる。ノズル面の拭き取りには、ワイパー部材を
押し付ける力だけでなくワイパー部材の角度も影響を与えることから、このようにワイパ
ー部材の角度も均一にすれば、より好適である。
いわゆるラインヘッド型のインクジェットプリンターを例にとって本実施例の流体噴射装置の構成を示した説明図である。 第1実施例の回転ユニットを示した説明図である。 第1実施例の回転ユニットを回転させて噴射ヘッドの表面をワイパーで拭き取る様子を示した説明図である。 ワイパー部材が軸部材に固定された回転ユニットを用いて噴射ヘッドの表面を拭き取る様子を示した説明図である。 レール状の部材によってワイパーを半径方向に移動させる第2実施例の回転ユニットを示した説明図である。 第2実施例の回転ユニットを用いて噴射ヘッドの表面をワイパーで拭き取る様子を示した説明図である。 ワイパーをヒンジ部材によって保持することにより噴射ヘッドに対してワイパーを垂直に保ちながら拭き取り可能とした第3実施例の回転ユニットを示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.流体噴射装置の構成:
B.第1実施例の回転ユニット:
C.第2実施例の回転ユニット:
D.第3実施例の回転ユニット:
A.流体噴射装置の構成 :
図1は、いわゆるラインヘッド型のインクジェットプリンターを例にとって、本実施例
の流体噴射装置の構成を示した説明図である。図示されている様に、インクジェットプリ
ンター1は、大まかには箱型の形状をしており、上面にはユーザーがインクジェットプリ
ンター1を操作するための操作パネル2やモニター画面3などが備えられている。また、
向かって右側の側面には、画像が印刷された印刷媒体が排出される排紙口4が設けられて
いる。
インクジェットプリンター1の内部には、各種の機能を実行する複数のユニットあるい
は部品が搭載されている。先ず、インクジェットプリンター1のほぼ中央の位置には、印
刷媒体にインクを噴射するヘッドユニット30が設けられている。ヘッドユニット30の
内部には、インクを収納したインクカートリッジが搭載されており、また、ヘッドユニッ
ト30の底面側(印刷媒体に向かい合う側)には、微細な噴射ノズルが設けられた噴射ヘ
ッド32が搭載されている。そして、インクカートリッジ内のインクを噴射ヘッド32へ
と導いて、噴射ヘッド32の噴射ノズルからインクを正確に噴射することが可能となって
いる。
図1の紙面上でヘッドユニット30の左方には、印刷媒体が装填される給紙カセット1
0が設けられており、給紙カセット10の印刷媒体が給紙ローラー20によって取り出さ
れて、ヘッドユニット30の下部に搬送される。そして、ヘッドユニット30の下面を通
過する際に、ヘッドユニット30内の噴射ヘッド32からインクが噴射されることにより
、印刷媒体上に画像が印刷される。図1では、印刷媒体の搬送経路が太い破線で示されて
いる。こうして画像が印刷された印刷媒体は、排紙口4から排出される。
ヘッドユニット30の下方には、長尺の略筒形状をした回転ユニット40がヘッドユニ
ット30に対面して設けられている。回転ユニット40の詳細な構造については後述する
が、回転ユニット40には、画像の印刷時に印刷媒体を背面側から支えるプラテンと、噴
射ヘッド32の表面に押し付けて噴射ヘッド32内のインクの乾燥を防いだり、噴射ヘッ
ド32に押し付けた状態で噴射ヘッド32からインクを吸い出すキャップなどが備えられ
ている。そして、回転ユニット40を回転させてプラテンを噴射ヘッド32の側に向けれ
ば、印刷媒体を支えるプラテン機構として回転ユニット40を機能させることが可能であ
り、キャップを噴射ヘッド32の側に向ければ、キャップを噴射ヘッド32に押し付けて
噴射ヘッド32内のインクの乾燥を防いだり、噴射ヘッド32からインクを吸い出すキャ
ップ機構として機能させることが可能である。
また、噴射ヘッド32からインクを吸い出した後などには、噴射ヘッド32の表面にイ
ンクが付着していることがあり、こうした場合、付着したインクが乾燥して噴射ヘッド3
2の表面に固着する等の不都合が生じる虞がある。このため、本実施例のインクジェット
プリンター1では、回転ユニット40にゴム製のワイパーが備えられており、回転ユニッ
ト40を回転させることにより、噴射ヘッド32の表面に付着したインクをワイパーによ
って拭き取ることが可能となっている。
もっとも、前述した様に、回転ユニット40を回転させると、ワイパーが円弧を描くよ
うに動くので、噴射ヘッド32に対するワイパーの当り量を均一にすることができない。
このため、噴射ヘッド32の表面上の場所によっては、ワイパーの当りが強すぎて噴射ヘ
ッド32の表面に傷がついてしまったり、あるいは逆に、ワイパーの当りが弱すぎてイン
クが拭き取られずに残ってしまう虞がある。そこで、本実施例のインクジェットプリンタ
ー1では、回転ユニット40を次のような構成とすることにより、噴射ヘッド32に対す
るワイパーの当り量を均一に保って、ワイパーを均一な力で噴射ヘッド32に押し当てる
ことを可能としている。
B.第1実施例の回転ユニット :
図2は、第1実施例の回転ユニットを示した説明図である。図示されている様に、回転
ユニット40は、略筒状の軸部材42と、軸部材42の表面に設けられたプラテン44や
キャップ46などから構成されている。軸部材42には、図示しない駆動モーターが接続
されており、駆動モーターを駆動して軸部材42を回転させることにより、プラテン44
とキャップ46とを切り替えることが可能となっている。また、軸部材42にはゴム製の
ワイパー48が設けられており、軸部材42を回転させることにより、ワイパー48を回
転させて噴射ヘッド32の表面をワイパー48で拭き取ることが可能となっている。
ここでワイパー48は、図示されている様に、軸部材42の側面に差し込まれた状態で
設けられており、更に、バネ部材50を介して軸部材42に接続されている。このため、
ワイパー48は、軸部材42に対して半径方向に移動可能となっている。このような構成
の回転ユニット40を用いることにより、本実施例のインクジェットプリンター1では、
ワイパー48が噴射ヘッド32の表面に押し付けられる力が不均一となることを大幅に抑
制可能としている。この点について、図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施例の回転ユニットを回転させて噴射ヘッドの表面をワイパーで拭き取る
様子を示した説明図である。図3(a)に示されている様に、回転ユニット40を図中の
白抜きの矢印の向きに回転させると、ワイパー48が噴射ヘッド32の表面に接近して当
接する。この状態から回転ユニット40を更に回転させると、ワイパー48が図3(a)
の左の方向に移動していき、それに伴って噴射ヘッド32の表面を拭き取っていく。
ここで、ワイパー48が移動して噴射ヘッド32の中央付近に近づいていくと(図3(
b)を参照)、軸部材42のワイパー48の取り付け箇所(図中「A」と示した箇所を参
照)が噴射ヘッド32の表面に次第に接近していくので、それに伴い、ワイパー48が噴
射ヘッド32の表面によって軸部材42の中心方向に押されていく。すると、本実施例の
回転ユニット40では、ワイパー48が軸部材42の半径方向に移動可能に設けられてい
ることから、図3(b)にハッチングを付した矢印で示されている様に、噴射ヘッド32
に押されたワイパー48が軸部材42の中心方向へと移動していく。このため、ワイパー
の取り付け箇所が噴射ヘッド32の表面に接近しても、噴射ヘッド32に対するワイパー
48の当り量が増えてしまうことがなく、ワイパー48の当り量を、噴射ヘッド32の端
の部分での当り量(図3(a)を参照)とほぼ同じ量に保つことができる。こうしてワイ
パー48の当り量を保つことにより、噴射ヘッド32の中央付近においても、噴射ヘッド
32の端の部分とほぼ同じ強さの力でワイパー48を噴射ヘッド32に押し付けることが
可能となる。
回転ユニット40が更に回転してワイパー48が噴射ヘッド32の端に近づいていくと
(図3(c)を参照)、今度は、ワイパー48の取り付け箇所が噴射ヘッド32の表面か
ら次第に遠ざかっていく。ここで、ワイパー48にはバネ部材50が接続されているので
、噴射ヘッド32の表面から遠ざかると、それに連れてバネ部材50が伸びてワイパー4
8を軸部材42の外側に押し出していく(図3(c)にハッチングを付して示した矢印を
参照)。このため、ワイパー48の取り付け箇所が噴射ヘッド32の表面から遠ざかって
も、ワイパー48の当り量が減ってしまうことがなく、ワイパー48の当り量を保って噴
射ヘッド32の他の部分とほぼ同じ強さの力で噴射ヘッド32に押し付けることが可能と
なる。
このように、本実施例の回転ユニット40では、ワイパー48が軸部材42の半径方向
に移動可能となっていることから、ワイパー48の取り付け箇所が噴射ヘッド32の表面
に近づく噴射ヘッド32の中央付近では、ワイパー48が軸部材42の中心方向に移動す
ることでワイパー48の当り量を均一に保つことが可能となっており、また、噴射ヘッド
32から遠ざかる噴射ヘッド32の端付近においては、ワイパー48が軸部材42の外側
に移動することでワイパー48の当り量を保つことが可能となっている。このため、噴射
ヘッド32の表面上のどの位置においても、噴射ヘッド32に対するワイパー48の当り
量を比較的均一に保つことができ、その結果、ワイパー48をほぼ均一な力で噴射ヘッド
32の表面に押し付けながら噴射ヘッド32の表面を拭き取ることが可能となっている。
尚、参考のために、ワイパー48が軸部材42の半径方向に移動せずに軸部材42に固
定されている場合に、ワイパー48を噴射ヘッド32に適切な力で押し付けることができ
なくなる様子を簡単に説明しておく。
図4は、ワイパー部材が軸部材に固定された回転ユニットを用いて噴射ヘッドの表面を
拭き取る様子を示した説明図である。ワイパー48が軸部材42に固定されている場合、
図4(a)に破線で示されているように、ワイパー48は軸部材42の回転軸を中心とし
て円弧を描くように動く。このため、図4(b)に示されている様に、噴射ヘッド32の
中央付近では、ワイパー48が噴射ヘッド32に押されて大きく曲がった状態となる。こ
のような状態では、噴射ヘッド32の表面にワイパー48が強く押し付けられるので、噴
射ヘッド32の表面に傷が付いてしまったり、噴射ヘッド32の表面に形成されたメッキ
層などの保護層が磨耗してしまう等の不都合が生じる虞がある。かといって、ワイパー4
8の当りを弱めるために、回転ユニット40を噴射ヘッド32から離して設けたり、ワイ
パー48の高さを低くしたりすると、今度は、噴射ヘッド32の端の部分を拭き取る際(
図4(a)を参照)のワイパーの当り量が小さくなり、噴射ヘッド32の表面に付着した
インクを十分に拭き取れなくなる虞が生じる。
これに対して、本実施例の回転ユニット40では、上述した様に、ワイパー48が軸部
材42の半径方向に移動可能になっていることから、噴射ヘッド32の表面上のどの部分
においても、ワイパー48の当り量を均一に保つことが可能となっており、その結果、ワ
イパー48を噴射ヘッド32に均一な強さで押し当てながら噴射ヘッド32の表面を拭き
取ることが可能となっている。したがって、本実施例の回転ユニット40では、ワイパー
48が噴射ヘッド32の表面に強く当って傷をつけてしまう虞がなく、また、ワイパー4
8の当りが弱くてインクを十分に拭き取れなくなる虞もない。更には、ワイパー48が噴
射ヘッド32に必要以上に強い力で押し付けられることがないことから、ワイパー48や
噴射ヘッド32の磨耗を抑えてワイパー48や噴射ヘッド32の寿命をより長期化するこ
とも可能となっている。
尚、本実施例の回転ユニット40では、軸部材42の周上でキャップ46とプラテン4
4との間にワイパー48が設けられていることから(図2を参照)、キャップ46の使用
後に印刷を迅速に再開することも可能となっている。すなわち、キャップ46を噴射ヘッ
ド32に向けた状態から、回転ユニット40を回転させてプラテン44を噴射ヘッド32
に向けた状態に切り替えると、キャップ46とプラテン44との間に設けられたワイパー
48が噴射ヘッド32を通過するので(図3を参照)、プラテン44に切り替わった時点
では、噴射ヘッド32の表面に付着していたインクの拭き取りが完了している。このため
、回転ユニット40をプラテン44に切り替えた後は、直ちに印刷を開始することが可能
となっている。
また、回転ユニット40をキャップ46からプラテン44に切り替えるのに連動して、
ワイパー48が駆動して噴射ヘッドの表面を拭き取るので、ワイパー48を駆動させる機
構を別途設ける必要がない。このため、インクジェットプリンター1の装置構成を簡素化
することが可能となっている。加えて、ワイパー48の駆動機構を制御する必要もないこ
とから、インクジェットプリンター1の制御回路や制御プログラムを簡素化することも可
能となっている。
以上に説明した様に、本実施例の回転ユニット40では、ワイパー48を軸部材42の
半径方向に移動させながら噴射ヘッドの表面を拭き取れることにより、噴射ヘッド32に
対するワイパー48の当り量を均一に保ちながら噴射ヘッド32の表面を拭き取ることが
可能となっている。その結果、回転ユニット40を回転させることでワイパー48を簡便
に駆動可能としながらも、ワイパー48を噴射ヘッドに対して均一な力で押し当てて、噴
射ヘッド32の表面に付着した流体を的確に拭き取ることが可能となっている。
C.第2実施例の回転ユニット :
前述した第1実施例の回転ユニット40では、ワイパー48が噴射ヘッド32の表面に
押されて軸部材42の半径方向に移動するものとして説明した。しかし、噴射ヘッド32
の表面によってワイパー48を移動させるのではなく、別の部材でワイパー48を移動さ
せるものとしてもよい。以下では、回転ユニット40の端面側にレール状の部材を設けて
おき、このレール状の部材によってワイパー48を軸部材42の半径方向に移動させる第
2実施例の回転ユニットについて説明する。
図5は、レール状の部材によってワイパーを半径方向に移動させる第2実施例の回転ユ
ニットを示した説明図である。図示されている様に、第2実施例の回転ユニット40では
、軸部材42の外側に互いに並行に設けられた2本のレール部材100が設けられている
。また、ワイパー48の両端面には、略円柱形状のスライダー部材60が突設されており
、回転ユニット40が回転すると、スライダー部材60が回転してレール部材100の下
面に当接するようになっている。
図6は、第2実施例の回転ユニットを用いて、噴射ヘッドの表面をワイパーで拭き取る
様子を示した説明図である。図6(a)に示されている様に、回転ユニット40を回転さ
せると、ワイパー48が回転して噴射ヘッド32に当接するとともに、スライダー部材6
0が軸部材42の軸を中心に回転してレール部材100の下面に当接する。その状態から
回転ユニット40を更に回転させると、スライダー部材60がレール部材100の下面を
摺動していく(図中に示した黒色の矢印を参照)。このとき、スライダー部材60は、レ
ール部材100によって軸部材42の半径方向の外側への動きを規制されているので、回
転ユニット40が回転していくと、スライダー部材60は次第に軸部材42の中心方向へ
と移動していく(図6(b)にハッチングを付した矢印を参照)。したがって、スライダ
ー部材60に接続されたワイパー48も、軸部材42の中心方向へと移動していく。こう
してワイパー48が軸部材42の中心方向へと移動することにより、前述した第1実施例
の回転ユニット40と同様に、噴射ヘッド32の中央付近においてもワイパー48の当り
量が増えてしまうことがなく、ワイパー48の当り量を均一に保つことが可能となってい
る。
回転ユニット40が回転してワイパー48が更に移動していくと、今度は、図3(c)
に示されている様に、ワイパー48の取り付け箇所が噴射ヘッド32の表面から遠ざかり
、それに伴って、バネ部材50がワイパー48を軸部材42の外側に押し出していく。こ
れにより、前述した第1実施例の回転ユニット40と同様に、ワイパー48の当り量を保
ったまま噴射ヘッド32の表面を拭き取ることが可能となる。この様に、第2実施例の回
転ユニットにおいても、ワイパー48が軸部材42の半径方向に移動可能なことから、ワ
イパー48の当り量を均一に保つことが可能となっており、その結果、ワイパー48を均
一な力で押し当てながら噴射ヘッド32の表面を拭き取ることが可能となっている。
また、第2実施例の回転ユニット40では、ワイパー48を軸部材42の中心方向に移
動させる際に、レール部材100がワイパー48を押しており、噴射ヘッド32はワイパ
ー48を押していない。一般に、噴射ヘッド32は、表面に設けられた噴射ノズルや、内
部に設けられた微細なインク経路などの精密な機構を備えているので、噴射ヘッド32に
かかる力は過大とならないことが望まれる。そこで、このように噴射ヘッド32以外の部
材でワイパー48を移動させてやれば、噴射ヘッド32にかかる力を低減させることがで
きるので、より好適である。
更に、第2実施例の回転ユニット40では、バネ部材50の弾性力をレール部材100
で受けており、バネ部材50の弾性力が噴射ヘッド32に直接及ぶことがない。したがっ
て、回転ユニット40の回転につれてバネ部材50の縮み量が変化し、それに応じてバネ
部材50の弾性力が変化しても、ワイパー48を噴射ヘッド32に押し当てる力が変わる
ことがないので、ワイパー48を押し当てる力をより均一にすることが可能となっている
。これにより、噴射ヘッド32の表面に傷をつけてしまう虞やインクを拭き残す虞をより
確実に回避して、噴射ヘッド32の表面を的確に拭き取ることが可能となっている。
D.第3実施例の回転ユニット :
前述した第1実施例の回転ユニットおよび第2実施例の回転ユニットでは、ワイパー4
8を軸部材42の半径方向に移動可能に設けておくことにより、ワイパー48の当り量を
均一にしていた。しかし、ワイパー48を軸部材42の半径方向に移動可能としておくだ
けでなく、軸部材42の半径方向に対するワイパー48の角度を可変にしておけば、ワイ
パーの当り量に加えて、ワイパー48が噴射ヘッド32に当たる角度(当り角)を均一に
保つことも可能である。
図7は、ワイパーをヒンジ部材によって保持することにより、噴射ヘッドに対してワイ
パーを垂直に保ちながら拭き取り可能とした第3実施例の回転ユニットを示した説明図で
ある。図7(a)に示されているように、第3実施例の回転ユニット40では、ワイパー
48がヒンジ部材62によって保持されており、ワイパー48が軸部材42の半径方向に
対して角度を変えることが可能となっている。また、ヒンジ部材62の上端面は平面形状
になっており、平面形状の上端面をレール部材100の下面に押し付けることにより、ワ
イパー48を噴射ヘッド32の表面に対して垂直な状態(あるいは一定角度を保つ状態)
にすることが可能となっている。
回転ユニット40を回転させてワイパー48を動かしていくと、図7(b)に示されて
いる様に、ヒンジ部材62がレール部材100の下面を摺動するとともに、ヒンジ部材6
2が角度を変えていくことにより、ワイパー48が噴射ヘッド32に対して垂直な状態を
保ちながら噴射ヘッド32の表面を拭き取っていく。また、ヒンジ部材62はバネ部材5
0によって保持されているので、バネ部材50が縮んでヒンジ部材62が軸部材42の中
心方向に移動することにより、噴射ヘッド32に対するワイパー48の当り量が均一に保
たれる。そして、回転ユニット40が回転してワイパー48が噴射ヘッド32の端に来る
と(図7(c)を参照)、今度はバネ部材50が伸びてワイパー48を軸部材42の外側
に押し出すことにより、ワイパー48の当り量を均一に保ちながら噴射ヘッド32の端の
部分を拭き取ることができる。もちろんこの時も、ヒンジ部材62は角度を変えながらレ
ール部材100の下面を摺動しているので、ワイパー48を噴射ヘッド32の表面に対し
て一定角度(ここでは垂直)を保った状態で押し当てることが可能である。
この様に、第3実施例の回転ユニット40では、ワイパー48の当り量を均一に保ちな
がら噴射ヘッド32の表面を拭き取ることができるだけでなく、ワイパー48を噴射ヘッ
ド32に対して一定の角度(図7の例では垂直)に保ちながら拭き取ることが可能となっ
ている。こうすれば、ワイパー48を押し当てる力だけでなく、ワイパーを押し当てる角
度も均一にすることができるので、噴射ヘッド32の表面を拭き取る際のムラをいっそう
低減して、付着したインクをより確実に拭き取ることが可能となる。
また、図7に示したように、ワイパー48を噴射ヘッド32の表面に対して傾けずに垂
直に保ったまま噴射ヘッド32の表面を拭き取れば、拭き取ったインクが傾いたワイパー
48によって再び噴射ノズル内に押し戻されてしまう虞を回避することも可能となる。こ
うすれば、噴射ヘッド32の表面をワイパー48で拭き取った後に、噴射ノズル内のイン
クに一度排出したインクが混入している虞がないので、噴射ヘッド32の表面を拭き取っ
た後に、噴射ノズル内のインクを噴射して排出する動作(いわゆるフラッシング動作など
)を省いて直ちに印刷を再開することが可能となる。
以上、本実施例の流体噴射装置を、インクジェットプリンターを例にとって説明したが
、本発明は上記すべての実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上述した実施例およ
び変形例では、噴射ヘッドが固定された状態でインクを噴射するタイプのインクジェット
プリンター(いわゆるラインヘッド型のインクジェットプリンター)を例にとって説明し
たが、噴射ヘッドが往復動しながらインクを噴射するタイプのインクジェットプリンター
(いわゆるシリアル型のインクジェットプリンター)であってもよい。こうした場合も、
上述した本実施例の回転ユニットを用いれば、回転ユニットを回転させることによりワイ
パーを簡便に駆動させることができるとともに、ワイパーを噴射ヘッドに均一な力で押し
当てて付着したインクを的確に拭き取ることが可能となる。
1…インクジェットプリンター、 2…操作パネル、 3…モニター画面、
4…排紙口、 10…給紙カセット、 20…給紙ローラー、
30…ヘッドユニット、 32…噴射ヘッド、 40…回転ユニット、
42…軸部材、 44…プラテン、 46…キャップ、
48…ワイパー、 50…バネ部材、 60…スライダー部材、
62…ヒンジ部材、 100…レール部材

Claims (2)

  1. 噴射ノズルから流体を噴射する流体噴射装置であって、
    前記噴射ノズルが設けられたノズル面に対向して設けられ、該ノズル面と並行な軸を中
    心に回転する回転体と、
    前記回転体から該回転体の半径方向に突出して設けられ、該回転体とともに回転するこ
    とにより、前記ノズル面に当接して該ノズル面を払拭するワイパー部材と
    を備え、
    前記ワイパー部材は、前記回転体の少なくとも半径方向に移動可能に設けられており、
    前記回転体の回転に伴って該半径方向の位置を変えながら該ノズル面を払拭する部材であ
    る流体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置であって、
    前記ワイパー部材は、前記回転体の回転方向に対する傾きが可変に設けられており、前
    記ノズル面にする傾きを略一定に保ちながら該ノズル面を払拭する部材である流体噴射装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108621581A (zh) * 2017-03-21 2018-10-09 富士施乐株式会社 擦拭装置及排出装置
CN113263837A (zh) * 2021-05-14 2021-08-17 深圳市辉鹏达科技有限公司 一种路由器外壳加工用具有防印花损伤功能的印花设备

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