JP2011000598A - 圧延用複合スリーブロール - Google Patents

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Abstract

【課題】スリーブロールとシャフトディスクとの滑りによるスリーブロールの摩耗を低減させて、安定した圧延を行える圧延用複合スリーブロールを提供する。
【解決手段】駆動力の伝達を受けるシャフトディスク3から与えられる摩擦力により回転し、熱間圧延を行う3ロール圧延機10に用いられる圧延用複合スリーブロール1であって、シャフトディスク3よりも先端側に突出している外層部5と、シャフトディスク3と接触する内層部6の側面1aの一部が、硬度80〜90Hsのハイス材7からなり、シャフトディスク3と接触する内層部6の内面1bの少なくとも一部が硬度65Hs以上である。
【選択図】図3

Description

本発明は、鉄鋼線材や棒鋼等の熱間圧延に用いられる3ロール圧延機に使用される圧延用複合スリーブロールに関するものである。
近年、圧延製品の高級化に伴い、圧延ロールに対する品質要求が厳しくなっている。線材や棒鋼の圧延においても、鉄鋼製品の高級化、製品形状の寸法精度向上および生産性の向上が求められている。
製品形状を決める仕上げミルでは、図1に示すように、3つのスリーブロール1を120度の等角度間隔で配設して3方向から被圧延材を圧延する3ロール圧延機10による圧延方法が広く行われている。3ロール圧延機10による圧延においては、駆動軸2に直結されたシャフトディスク3がスリーブロール1の側面に一定の荷重で押圧し、摩擦力を利用して駆動力をスリーブロール1に伝達する方法が採用されている。
3ロール圧延に使用されるロールとしては、設備構造面から、幅狭の圧延スリーブロールが広く使用されている。一般に、圧延用スリーブロールとしては、超硬合金一体型、超硬合金組立型、ハイス系一体型、ハイス系複合型、ダクタイル鋳鉄系一体型等が使用されている。超硬合金一体型、超硬合金組立型は、耐摩耗性に優れるものの、耐事故性の面で課題がある。また、超硬合金は比重が大きく、ロール重量が他のロールの2倍近くなり、ハンドリング性等の面で劣る。さらに、価格が高いという問題がある。一方、ダクタイル鋳鉄一体型は安価であるが、耐摩耗性に劣るため、圧延量が増えると製品形状を確保できなくなり、ロール交換が頻繁になるという問題を有している。
ハイス系一体型およびハイス系複合型には、静置鋳造、遠心鋳造製、HIP製(熱間等法プレス法)、連続鋳掛肉盛製があるが、静置鋳造、遠心鋳造製は、HIP製、連続鋳掛肉盛製と比較して、圧延後の肌が粗くなるため、表面品質要求の厳しい品種等には適用が難しく、使用範囲が限定されている。一方、HIP製、連続鋳掛肉盛製は、耐摩耗性の面では、超硬合金一体型、超硬合金組立型と比較して劣るものの、大径サイズでの製造安定性と使用面で耐事故性に優れており、価格面でも超硬合金よりも安価であるという利点がある。なお、HIP製および連続鋳掛肉盛製は、製造プロセスおよびロール品質の面から、内層部を鋼系にした複合構造となっている。
近年の圧延は、圧延サイズの多様化、圧延鋼種の高合金化に伴い、圧延時の駆動トルクが増大する傾向にある。特に被圧延材の噛み込み時は圧延トルクが大きく、図2に示すように、ドライブディスク12の外側に設けられたスリーブロール1の側面1aとシャフトディスク3との間でスリップが起こりやすくなる。殊に大径の被圧延材11を圧延する際には、圧延荷重も相対的に大きくなるため、一定サイズ以上の鋼種の圧延において、スリーブロール1の側面1aとシャフトディスク3との接触面がスリップする現象が認められる。スリップが発生すると、シャフトディスク3との接触面であるスリーブロール1の側面1aおよび内面1bが摩耗する。そして、スリップが頻繁に発生すると、この摩耗量が大きくなり、スリーブロール1が偏芯することで圧延製品の寸法にばらつきが出たり、さらに摩耗が進行すると圧延が不可能になる等の問題が生じる。
特許文献1には、鉄鋼線材や棒鋼等の圧延に用いられる複合スリーブロールにおいて、スリーブロールと周辺部材との機械的結合によって、応力集中によるスリーブロールの欠損を防ぐ発明が開示されている。
また、特許文献2には、耐摩耗性に優れた熱間圧延ロールの成分や熱処理条件に関する発明が開示されている。
特開2000−210706号公報 特開平8−246059号公報
ところが、前記特許文献1は、機械的結合方式によってスリーブロールの欠損を防ぐものであり、スリーブロール自体の耐摩耗性を向上させたものではない。また、前記特許文献2は、外層部の耐摩耗性を向上させるための成分範囲および熱処理条件に関するものであり、シャフトディスクとの摩擦による摩耗を防ぐものではない。
本発明の目的は、スリーブロールとシャフトディスクとの滑りによるスリーブロールの摩耗を低減させて、安定した圧延を行える圧延用複合スリーブロールを提供することにある。
上記問題を解決するため、本発明は、駆動力の伝達を受けるシャフトディスクから与えられる摩擦力により回転し、熱間圧延を行う3ロール圧延機に用いられる圧延用複合スリーブロールであって、前記シャフトディスクよりも先端側に突出している外層部と、前記シャフトディスクと接触する内層部の側面の一部が、硬度80〜90Hsのハイス材からなり、前記シャフトディスクと接触する前記内層部の内面の少なくとも一部が硬度65Hs以上であることを特徴とする圧延用複合スリーブロールを提供する。シャフトディスクと接触して摩擦力を受けるスリーブロールの側面の一部を高硬度のハイス層にするとともに内面の少なくとも一部を高硬度にすることによって、耐摩耗性を向上させ、スリーブロールの変形を抑制して安定した圧延を行うことができる。
前記ハイス層の成分は、質量%で、C:1.5〜2.5%、Si:0.3〜1.5%、Mn:0.3〜1.5%、Cr:3.0〜10.0%、Mo:3.0〜10.0%、W:1.0〜5.0%、V:3.0〜10.0%と、残部Feおよび不可避元素からなることが好ましい。
前記ハイス層は、質量%で、Niを1.0%以下、Coを3.0%以下含有してもよい。
前記内層部の内面が、高周波誘導加熱焼き入れにより高硬度化されていることが好ましい。
前記内層部を構成する内層材とハイス材とからなるスリーブロールの素材鋳造が、連続肉盛法により製造されてもよい。
本発明によれば、シャフトディスクとスリーブロールとの滑りによるスリーブロールの側面および内面の摩耗を低減し、スリーブロールの寿命を延ばすとともに安定した圧延を行うことができる。
3ロール圧延機の構造の概略を示す図である。 圧延用複合スリーブロールとシャフトディスクとの接触部を説明する断面図である。 本発明のスリーブロールを示す断面図である。 従来のスリーブロールを示す断面図である。 スリーブロールの摩耗を示す部分断面図である。 実施例のスリーブロールを示す断面図であり、(a)は本発明の実施例、(b)は従来例のうち境界が外層部側に位置する例を示す。 スリーブロール内面に高周波焼入れを行う方法を示す断面図である。 連続鋳掛肉盛法の概略を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の圧延スリーブロールが設けられた3ロール圧延機の構造を示す。3ロール圧延機10は、図示のように3つのスリーブロール1が120度の等角度間隔で配設され、駆動軸2に直結したシャフトディスク3をスリーブロール1の側面に一定の荷重で押圧し、摩擦力を利用して、3方向から被圧延材を圧延するものである。
図4は、従来のスリーブロールを示す。スリーブロール1は、通常カリバーロールと呼ばれる形状の圧延ロールであり、先端の溝部4で被圧延材11を圧延する。スリーブロール1の、シャフトディスク3よりも先端側へ突出した部分が、ハイス材7からなる外層部5、シャフトディスク3に囲まれた部分が、内層材8からなる内層部6であり、ハイス材7と内層材8との境界9は、シャフトディスク3の先端3aとほぼ同じか、スリーブロール1の先端寄りの位置になっている。従来、駆動力の伝達を受けるシャフトディスク3と接触するスリーブロール1の側面1aは、鋼系材質で構成され、硬度は通常35〜45Hsであった。そのため、圧延する鋼種によっては、側面1aがスリップして使用寿命(使用径/有効径)が30%程度になり、圧延できなくなる場合があった。なお、ここでいう使用寿命とは、スリーブロール1の有効径に対する使用可能な径(使用径/有効径)の割合を示す。
このように使用寿命が低下したスリーブロール1を取り外して調査したところ、図5に示すように、駆動力の伝達を受けるシャフトディスク3と接触するスリーブロール1の側面1aが摩耗しており、摩耗深さaは0.1〜0.15mmであった。さらに、シャフトディスク3がはめ込まれているスリーブロールの内面1bも、摩耗深さbが最大0.6mmであった。また、スリーブロール1の側面1aと内面1bは、シャフトディスク3との相対滑りにより摩擦発熱が生じ、これにより摩耗していることが確認された。そこで、本発明は、スリーブロール1の側面1aと内面1bの摩耗を抑制することにより、安定した圧延を可能とし、圧延スリーブロール1の使用寿命を100%に近づけることとした。
本発明は、図3に示すように、被圧延材11の圧延を行う溝部4を含む外層部5に加えて、駆動力の伝達を受けるシャフトディスク3と接触するスリーブロール1の側面1aの一部を、硬度80〜90Hsのハイス材7で構成した。すなわち、ハイス材7と内層材8との境界9を、シャフトディスク3の先端3aよりも内面1b寄りの位置とし、内層部6の側面1aの先端寄りの部分をハイス材7とした。さらに、内面1bの外周部の、シャフトディスク3の凸部3bがはめ込まれる部分を焼入れ処理して、65Hs以上の硬度の焼入硬化部8hとした。なお、「ハイス」は高速度鋼のことである。
本発明では、ハイス材7は、質量%で、C:1.5〜2.5%、Si:0.3〜1.5%、Mn:0.3〜1.5%、Cr:3.0〜10.0%、Mo:3.0〜10.0%、W:1.0〜5.0%、V:3.0〜10.0%と、残部Feおよび不可避元素からなる成分で構成されるものとした。更に、Niを1.0%以下、Coを3.0%以下含有してもよい。
Cは、耐摩耗性を向上させるために必要な元素であり、硬質炭化物を形成させるとともに、焼入れ性を向上させて基材を硬化させる。Cの割合が1.5%未満では、炭化物の量が不足し、耐摩耗性が低くなる。一方、2.5%を超えると、粗大な炭化物が多くなり、表面の肌荒れが起こりやすくなる。したがって、1.5〜2.5%に限定した。
Siは、溶湯の流動性に寄与する他、酸素と化合して溶湯の脱酸効果があり、不可欠な元素である。0.3%未満では効果がなく、1.5%を超えると靭性を劣化させる。したがって、0.3〜1.5%に限定した。
Mnは、溶湯の脱硫効果があり、不可欠な元素である。0.3%未満では効果がなく、1.5%を超えると残留オーステナイトを生成し易くなり、靭性を劣化させたり低硬度になる。したがって、0.3〜1.5%に限定した。
Crは、Cと結合して、共晶のM7C3型炭化物を生成したり、基材の焼入れ性を向上させ、耐摩耗性を向上させる。3.0%未満では、目標硬度を確保できなくなり、耐摩耗性が低くなる。また、含有量が増え過ぎると、共晶のM7C3型炭化物が増えてクラックが生じやすくなるため、10%以下が好ましい。したがって、3.0〜10.0%に限定した。
Moは、Cと結合して、共晶のM2C型炭化物を生成したり、基材の焼入れ性を向上させ、耐摩耗性を向上させる。3.0%未満では、目標硬度を確保できなくなり、耐摩耗性が低くなる。また、含有量が増え過ぎると、共晶のM2C型炭化物が増えてクラックが生じやすくなるため、10%以下が好ましい。したがって、3.0〜10.0%に限定した。
Wは、Moと同様にCと結合して共晶のM2C型炭化物を生成し、耐摩耗性を向上させる。1.0%未満では効果がなく、含有量が増え過ぎると、共晶のM2C型炭化物が増えてクラックが生じやすくなるため、5.0%以下が好ましい。したがって、1.0〜5.0%に限定した。
Vは、Cと結合して硬質のMC炭化物を生成し、耐摩耗性を向上させる最も重要な元素である。3.0%未満では、MC炭化物の生成量が少なく、耐摩耗性の面で不十分である。一方、10.0%を超えると、基材のC含有量が不足するため軟化したり、MC炭化物が粗大になって耐摩耗性が低下する。したがって、3.0〜10.0%に限定した。
Ni、Coは炭化物を形成せず、基材に固溶して焼入れ性を向上させ、焼入れ処理を行うと基材を硬化させて耐摩耗性を向上させる。ところが、Niは1.0%、Coは3.0%を超えると、残留オーステナイトが生成されやすくなり、十分な硬度が得られなくなるので、それぞれ1.0%以下、3.0%以下に限定した。
一方、内層材8は、高周波誘導加熱焼入れで硬度が65Hs以上確保できるクロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、または他の合金鋼や炭素鋼でもよい。
本発明では、スリーブロール1の側面1aの一部を高硬度のハイス材7で構成するという摩耗対策に加えて、スリーブロール1の内面1bを焼入れ処理して高硬度化させ、摩耗を防ぐ。焼入れ処理の方法としては、急速冷却が可能な局部焼入れである高周波誘導加熱焼入れ法が好ましい。その第一の理由は、内層部6全体を65Hs以上に高硬度化することは、内層材質の焼入性能面から不可能なためであり、第二の理由は、調質したハイス層の硬度低下やスリーブロール1の熱変形を起こさないためである。本実施例における高周波誘導加熱焼入れは、スリーブロール1を製品形状あるいはそれに近い形状(余肉0.5mm程度)まで加工仕上げした状態で、図7に示すように、スリーブロール専用の高周波誘導コイル21を配設して、滑り摩耗するスリーブロール1の内面1bおよび側面1aの一定範囲を例えば900〜950℃に加熱後急冷する。片面を焼入れした後、反転して反対面も同じ方法で焼入れする。
このとき、加熱範囲が広すぎると、冷却速度が小さくなるため、目標硬度を確保できなかったり、変形が大きく仕上げ加工で正確な製品形状が得られなくなる。本発明を実施するにあたり、焼入硬化部8hの範囲がスリーブロール1の幅方向、径方向ともに25mm以内の場合には、品質を劣化させる影響がないことを確認した。一方、焼入れ範囲が小さすぎると効果がないので、シャフトディスク3と接触する径方向の焼入深さは、最低10mm以上必要である。
このようなスリーブロール1の製作工程は、ハイス材7を有するスリーブロールの素材鋳造、一次加工、硬化熱処理(焼入れ、焼戻し)、二次加工、スリーブロール1の内面1bの硬化熱処理(高周波誘導加熱による局部焼入れ、焼戻し)、仕上げ加工、の順で行われる。ハイス材7と内層材8との複合材料からなるスリーブロールの素材鋳造は、連続肉盛法によって製造することができる。連続肉盛法は、図8に示すように、軸方向の上端側が予熱コイル22によって加熱される固相芯材23と、その周囲に予熱コイル22よりも下方に同軸的に配置された水冷モールド24、およびその上部に配置され加熱コイル25で加熱されるタンディッシュ26との空隙に、外層となる溶湯27を注入して肉盛部28を形成させ、肉盛部28を下方へ引き抜いて、固相芯材23の上部へ肉盛部28を順次形成させていく鋳造方法である。このようにして製造された鋳造素材から、スリーブロールが加工採取される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明を適用した圧延用複合スリーブロールの形状寸法諸元を表1に示す。また、本実施例および従来品である比較例に関して、ハイス材7に関する諸元を表2に、内層材8に関する諸元を表3に示す。
Figure 2011000598
Figure 2011000598
なお、表2中、外径とは、外層部5の溝部4の底の位置における径である。ハイス材厚は、図6に示すように、溝部4の底からハイス材7と内層材8との境界9までをS、シャフトディスク3の先端3aから境界9までをS2とし、図6(b)に示すように境界9がシャフトディスク3の先端3aよりも溝部4寄りの位置にある場合には、S2を負の値で表示した。
Figure 2011000598
表3中、焼入幅w、焼入深さdは、それぞれ図6に示すように、焼入硬化部8hの幅方向および径方向の寸法である。
表2〜3に示す各実施例A、B、Cおよび比較例D、E、Fに関して圧延を行った結果を、表4に示す。
Figure 2011000598
表2および表3に示すように、実施例Aは、硬度86Hsのハイス材と、42〜43Hsのクロムモリブデン鋼からなる内層材で、ハイス材7の厚さS=28mm、S2=10.5mmのスリーブロール1を仕上加工した状態で、内面1bを高周波焼入れした。加熱温度は、加熱部が900℃に到達した後、空気により強制冷却した。反対面も、同じ方法で焼入れを行った。焼入れ後、200℃、15時間で焼戻し処理を行った。焼戻し温度は、焼入れ部の軟化や変形を防止するとともに、焼入れ部の残留応力除去のために最適な温度を設定した。なお、この焼戻し温度は、300℃以下であれば十分である。
焼戻し処理後、焼入れ部を調査したところ、1/4円状で幅方向寸法の焼入幅wが最大16mm、径方向寸法の焼入深さdが最大15mmの範囲で、硬度は68〜70Hsであった。さらに、焼入硬化部8hを手動グラインダで軽く研磨して完成させた。このスリーブロールをφ45サイズの実機圧延に供したところ、問題なく有効径100%を使用できた。
圧延後に、実施例Aの側面1aと内面1bの摩耗を調査したところ、表4に示すように、側面1aの摩耗量aは、比較例の約1/3、内面1bの摩耗量bは、約1/10に減少したことが確認された。実施例Bは、内層材にニッケルクロムモリブデン鋼を使用して、実施例Aと同じ方法で高周波焼入れ処理を行った。焼入硬化部8hを調査したところ、焼入れ範囲は実施例Aとほぼ同じであり、硬度は72〜75Hsと、少し高くなった。実機圧延に使用したところ、実施例Aと同様に、有効径100%を使用できた。また、側面1aと内面1bの摩耗量a、bは、実施例Aとほぼ同程度であることが確認された。
実施例Cは、内層材がクロムモリブデン鋼であり、高周波焼入れ時の加熱時間を長くした。したがって、焼入れ範囲は、実施例A,Bと比較して、幅方向および径方向それぞれについて、約5mm大きくなり、硬度は65〜68Hsであった。実施例Cについても、実施例A,Bと同様に、実機圧延に使用して、有効径100%を問題なく使用できた。
本発明の実施例A〜Cは、いずれも、表4に示すように、累計圧延量が45,000t以上、使用率が100%となり、側面および内面の摩耗が極めて少なく、廃棄径となるまで問題なく使用できた。なお、使用率とは、有効径(φ10mm)に対する使用径(使用開始径−最終使用径)の割合であり、下式により求められる。また、廃棄径とは、有効径が100%使用済みとなり、それ以下の径では使用出来ずにロールを廃棄する際の径のことである。
使用率(%)=((使用開始径−最終使用径)/有効径)×100
また、表2および表3に示すように、比較例Dは、ハイス材7の硬度を88Hs、内層材8の硬度を42〜43Hsに調質したものであり、ハイス材7の厚さSは15mm、シャフトディスク3と接触する内層部6は全て硬度42〜43Hsの内層材8とした、図6(b)に示すタイプのスリーブロールである。このスリーブロールをφ45サイズの鋼種の圧延に使用した結果、表4に示すように、累計圧延量が14,360t、使用率が31%で、圧延中にシャフトディスク3とのスリップが激しくなり、継続圧延ができなくなった。この比較例Dを調査したところ、側面1aの摩耗量a(図5参照)は0.14mm、内面1bの摩耗量bは0.5mmであった。
比較例Eは、側面1aの摩耗対策として、ハイス材7の厚さSを増して25mmとし、ハイス材7がシャフトディスク3と接触する長さS2を7.5mmとしたものである。比較例Fは、ハイス材7の厚さをさらに42mmに増やし、且つ、内層材8にSNCM材を使用して、内層部6の硬度を45〜47Hsにした。この比較例E、Fを、比較例Dと同様に、φ45サイズの鋼種の圧延に使用した結果、比較例Dよりも側面1aの摩耗が減少して、表4に示すように、それぞれ使用率が68%、79%、圧延量が29,260t、36,820tと改善できたものの、側面1aおよび内面1bの摩耗により、有効径を100%使用することはできなかった。
本発明は、鋳掛け肉盛鋳造法で製造したハイス系複合スリーブロールの他、内層材が鋼系のHIPハイス材、超硬材他の複合構造のスリーブロールにも適用できる。
1 スリーブロール
1a 側面
1b 内面
2 駆動軸
3 シャフトディスク
4 溝部
5 外層部
6 内層部
7 ハイス材
8 内層材
8h 焼入硬化部
9 境界
10 3ロール圧延機
11 被圧延材
12 ドライブディスク
21 高周波誘導コイル

Claims (5)

  1. 駆動力の伝達を受けるシャフトディスクから与えられる摩擦力により回転し、熱間圧延を行う3ロール圧延機に用いられる圧延用複合スリーブロールであって、
    前記シャフトディスクよりも先端側に突出している外層部と、前記シャフトディスクと接触する内層部の側面の一部が、硬度80〜90Hsのハイス材からなり、前記シャフトディスクと接触する前記内層部の内面の少なくとも一部が硬度65Hs以上であることを特徴とする、圧延用複合スリーブロール。
  2. 前記ハイス材の成分は、質量%で、C:1.5〜2.5%、Si:0.3〜1.5%、Mn:0.3〜1.5%、Cr:3.0〜10.0%、Mo:3.0〜10.0%、W:1.0〜5.0%、V:3.0〜10.0%と、残部Feおよび不可避元素からなることを特徴とする、請求項1に記載の圧延用複合スリーブロール。
  3. 前記ハイス材は、質量%で、Niを1.0%以下、Coを3.0%以下含有していることを特徴とする、請求項2に記載の圧延用複合スリーブロール。
  4. 前記内層部の内面が、高周波誘導加熱焼き入れにより高硬度化されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧延用複合スリーブロール。
  5. 前記内層部を構成する内層材とハイス材とからなるスリーブロールの素材鋳造が、連続肉盛法により製造されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の圧延用複合スリーブロール。
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