JP2010530842A

JP2010530842A - 防水成分を含む半永久毛髪染色剤組成物

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Publication number: JP2010530842A
Application number: JP2009550813A
Authority: JP
Inventors: ボン−リムジョ; ヒェ−ジンムン
Original assignee: ドンスンファームカンパニーリミテッド
Priority date: 2007-06-26
Filing date: 2008-06-24
Publication date: 2010-09-16
Also published as: WO2009002077A2; AU2008269856A1; CN101583344A; EP2157965A2; US20090300858A1; KR100863324B1; WO2009002077A3; RU2403009C1

Abstract

防水被膜剤を使用した半永久毛髪染色剤組成物、特に、防水被膜剤として水溶性染料、酸性染料、アクリレートコポリマーを含み、溶媒としてＮ−メチルピロリドンを特定量含有する半永久毛髪染色剤組成物に関する。本発明の半永久毛髪染色剤組成物は、毛髪に塗布した後、洗い流さなくとも、毛髪表面に染着された水溶性染料が雨や汗により溶けないため、染料による肌及び服の汚染を防ぐことができる。
【選択図】図４

Description

本発明は防水被膜剤を利用した半永久毛髪染色剤組成物に関する。特に、本発明は、酸性染料、防水被膜剤としてのアクリレートコポリマー、溶媒としてのＮ−メチルピロリドンを特定量含有することを特徴とする水溶性染料を利用した半永久毛髪染色組成物に関する。本発明の半永久毛髪染色剤組成物は、毛髪に塗布した後、洗い流さなくとも、毛髪表面に染着した水溶性染料が雨や汗により流れ落ちず、それ故、染料による肌及び服の汚染を防ぐことができるという長所を有する。

毛髪染色剤組成物は一般的に、毛髪に染料が定着される程度によって、一時的毛髪染色、半永久的毛髪染色及び永久的毛髪染色の３種類に分けられる。

半永久毛髪染色剤組成物は酸性染毛剤とも呼ばれる。染料が酸性水溶液に溶解する場合、染料が負電荷に帯電される。酸性水溶液を毛髪に塗布した場合、毛髪の表面（即ち、キューティクル層）のアミノ酸が正電荷に帯電される。従って、半永久毛髪染色剤組成物は、陰イオンを帯びる染料と毛髪の表面の陽イオンがイオン結合して染色するように作られる。

半永久毛髪染色剤は、使用される染料によって酸性染毛剤、塩基性染毛剤、分散染毛剤などに分けられる。最も広く使用される染毛剤は酸性染毛剤であり、本発明の毛髪染色剤組成物も酸性染毛剤を使用する。

一般に、酸性染料は、分子内にスルホン、カルボキシル及びニトロのような酸性基を有する水溶性染料の総称であり、アゾ、アントラキノン、トリフェニルメタン、キサンチンなどを含む。酸性染料の種類は１，０００種類以上に至るが、主にアゾ染料である。酸性染料は通常、羊毛及び人毛を染色するのに使用され、皮革、紙、セルロイド、レーキ顔料、インク、食用着色料、指示薬などを含む様々な染色分野で適用される。一般に、酸性染料は、塩基性染料に比べて色堅牢度が高い。酸性染料はクエン酸、グリコール酸または乳酸を含む酸性溶液で染色するように使用されることができ、溶液の酸性度、即ち、水素イオンの濃度が高いほど染色がうまくいく。

しかし、酸性毛髪染色剤は、毛髪の内部（即ち、毛皮質）に浸透するのではなく、イオン結合により毛髪の表面に染着する形態であるため、染料が雨や汗により容易に溶けて肌や服を汚染させるという問題点がある。

半永久毛髪染色剤は、分子量と分子サイズが毛小皮との隙間より大きいため毛髪内部に浸透できないが、水溶液で陰イオンまたは陽イオンを帯びる染料を使用しているという特徴を持つ。このような特性が、毛髪を構成する主な線維性タンパク質であるケラチンのアミン基またはカルボキシル基と半永久毛髪染色剤が結合するため、コーティングするように毛髪表面に定着して毛髪が染まる。酸化性永久染毛剤とは異なり、半永久染毛剤はｐＨ３〜５の酸性であるため、毛髪を膨らますことにより生じる毛髪損傷が起きない。また、アンモニア臭がないため、毛髪がすでに損傷している場合、毛髪を更に損傷させることなく染めることができる。しかし、これらのイオン結合型染料は、水またはその他の水溶性溶媒への溶解性が優れている。従って、毛髪塗布後、染料を完全に洗い流さなかったり、染色した毛髪が長期間汗で濡れていたり、雨に露出された場合、毛髪表面に染着した染料が溶けてしまうため、肌及び服を汚染させてしまう。

一般的に、疎水性高分子は強力な防水被膜を形成し易い。しかし、その名の通り、水を含む水溶液と相溶性がないため、不透明で粘着性のある膜を形成し、水溶性染料を含有する組成物には適しない。更に、酸性染料は、色堅牢度が優れ、色が多様であるため、半永久毛髪染料剤として最も広く使用されている。しかし、酸性染料は、分子内にスルホン、カルボキシル及びニトロのような陰イオンを含むため、これらの陰イオンが疎水性高分子の陽イオンと結合して、最終的に、水溶性組成物に沈殿されるため、染色効果が低下する。従って、疎水性高分子は、酸性染料を使用する半永久毛髪染色剤に適さないことで知られている。

従って、本発明者らは、前記酸性半永久毛髪染色剤組成物による問題点を解決するために努力した結果、アクリレートコポリマーが、酸性半永久毛髪染色剤組成物中に防水被膜を形成する疎水性高分子として使用され、同時に、Ｎ−メチルピロリドンがアクリレートコポリマー溶媒として使用される場合、毛髪表面に染着された染料は疎水性防水被膜剤で取り囲まれるため、雨や汗により染料が溶けるのを防ぐことを発見した。

従って、本発明の目的は、疎水性高分子と水との相溶性に対する問題点を解決し、疎水性高分子を含有する水溶液を酸性染料に添加しても沈殿が起きず、染色効果が優れ、強力な防水被膜の形成を通して雨や汗による影響がない新概念の半永久毛髪染色剤組成物を提供することにある。

本発明は、以下に示す半永久毛髪染色剤組成物を提供するものである。
１．防水被膜剤としてアクリレートコポリマー及び溶媒としてＮ−メチルピロリドンを含む酸性染料を使用する半永久毛髪染色剤組成物。
２．前記アクリレートコポリマーが、メタクリロイルエチルベタイン／アクリレートコポリマーである、上記１記載の半永久毛髪染色剤組成物。
３．メタクリロイルエチルベタイン／アクリレートコポリマー１．０〜４０．０質量％及びＮ−メチルピロリドン０．２〜２０．０質量％を含む、上記１記載の半永久毛髪染色剤組成物。

本発明による酸性染料を使用した前記半永久毛髪染色剤組成物は、疎水性防水被膜形成剤及び独特な高分子溶媒を含有し、水と疎水性防水被膜形成剤との相溶性の問題を解決することができ、酸性染料を疎水性高分子を含有する水溶液に添加するが沈殿を起こさず、強力な防水被膜を形成しながら優れた染色効果を表す。従って、本発明の半永久毛髪染色剤組成物は、毛髪表面に染着した前記染料は雨や汗により溶けないため、肌及び服に汚染されることなく、優れた毛髪保護効果を表すという長所がある。

液状の半永久毛髪染色剤組成物を製造する過程を表したものである。クリーム状の半永久毛髪染色剤組成物を製造する過程を表したものである。防水被膜形成剤の使用可否による２４時間放置した毛髪写真（図３ａ）とガラス板写真（図３ｂ）を表したものである。防水被膜形成剤の使用可否による水に浸した毛髪写真（図４ａ）、人口汗溶液に浸した毛髪写真（図４ｂ）と水で洗浄した後のガラス板写真（図４ｃ）を表したものである。

本発明による酸性染料を使用する半永久毛髪染色剤組成物は、アクリレートコポリマーの防水被膜剤及びＮ−メチルポロリドンの溶媒を含むことを特徴とする。

以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明は、強力な防水被膜を形成することができる疎水性高分子を更に含有することで、酸性溶液で正電荷に帯電する毛髪のアミノ酸と結合した染料が雨や汗により溶けないため、肌及び服の汚染を防ぐことができる、酸性染料を使用した新概念の半永久毛髪染色剤組成物に関する。また、本発明の半永久毛髪染色剤組成物は、強力な疎水性物性とその構造中に陰イオンを含む疎水性高分子と水溶性溶液との相溶性の問題点を解決し、陰イオンを含む酸性染料の沈殿を防ぎ、その他の毛髪染毛剤の機能的特性を低下させない。

防水被膜形成用高分子としてアクリレートコポリマーを、水溶液とアニオン染料との相溶性の問題を解決するために、溶媒としてＮ−メチルピロリドンを使用することが好ましい。

疎水性防水被膜用形成剤としては、酸と塩基の２つの性質を有する両性アクリル樹脂を使用することが好ましい。特に、両性アクリル樹脂としてメタクリロイルエチルベタイン／アクリレートコポリマーを使用することが好ましく、メタクリロイルエチルベタイン高分子にメタクリル酸が混合された強力な疎水性高分子である。前記メタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマーは、水を含んでいないアルコール及び有機溶媒を含む製剤に強力な防水被膜を形成しやすいが、水との相溶性がないため、水を含む水溶液には不透明の粘着性のある膜を形成する。従って、水溶性染料を含有する製剤には適合しないことが知られている。更に、堅牢度が高く、色が多様であるため、半永久毛髪染色剤組成物として最も広く使用される酸性染料は、分子内にスルホン、カルボキシル及びニトロのような陰イオンを含むため、酸性染料の陰イオンとメタクリロイルエチルベタイン高分子の陽イオンがイオン結合をすることで、前記酸性染料が水溶性組成物内で沈殿し、その結果、染色効果を低下させてしまう。従って、前記メタクリロイルエチルベタイン高分子は、酸性染料を使用する半永久毛髪染色剤として適合しないことが知られている。

しかし、疎水性防水被膜剤として使用されるアクリレートコポリマーと水を含む水溶性半永久毛髪染色剤組成物との相溶性の問題を解決するために、本発明は、潤滑油の香りを抽出したり、高分子用溶媒として使用しているＮ−メチルピロリドン（ＣＡＳＮｏ.：８７２−５０−４）を使用する。Ｎ−メチルピロリドンは、水及びアルコール、エーテル、クロロホルムなどの有機溶媒両方に完全に溶解されないが、部分的に両方と混ざるという特有の溶解性を持っている。また、Ｎ−メチルピロリドンは、メタクリロイルエチルベタイン／アクリレートコポリマーのように粘性が高い高分子の表面張力を下げる機能を有するため、本発明はこのようなＮ−メチルピロリドンの機能を使用している。

半永久毛髪染色剤は使用される染色の種類によって、酸性染毛剤、塩基性染毛剤、分散染毛剤及びＨＣ染毛剤の４種類に分けられる。これらのうち酸性半永久毛髪染色剤は、染色された色が最も長期間持続するため、広く使用されている。

本発明で使用される酸性半永久毛髪染色剤は、酸化型永久染毛剤とは異なり、毛髪内部（即ち、毛皮質）で染料の重合による分子量及び物性の変化がない。反対に、染色過程で分子量及び物性を維持し、毛髪表面のアミノ酸とイオン結合することで染色が行われる。一般的に、毛髪タンパク質は約１９種の異なるアミノ酸で構成される。酸性半永久毛髪染色剤は、毛髪を構成するアミノ酸の両性電解質の特性を利用し、前記アミノ酸は下記式１で表される。

（式１）

一般的に、前記酸性毛髪染色剤組成物はｐＨ３．０〜４．０である。ｐＨが酸性である毛髪染色剤は毛髪に塗布する場合、毛髪染色剤組成物内の水素イオン濃度の増加によりアミノ酸のカルボキシル基は減少するため、アミノ基がより更にイオン化される。その結果、毛髪のアミノ酸が更に正電荷に帯電するようになり、毛髪を陽イオンとする。このとき、毛髪に塗布された毛髪染色剤組成物に負電荷に帯電した染料が存在すると、染料が正電荷に帯電した毛髪と結合した後、毛髪表面が染色される。この過程は、酸性染料としてAcid Orange 3を例示して下記反応式１で表される。

反応式１

一般的に、半永久毛髪染色剤において、毛髪表面に着色した染料は少しずつ流れ落ち、シャンプーを４〜８回した後には完全に除去される。酸性染色は、オキシル基（−ＯＨ）、カルボキシル（−ＣＯＯＨ）、スルホン酸（−ＳＯ₃Ｈ）などの酸性基を有する水溶性染料である。酸性染料として通常使用される染料はアゾ系染料である。アゾ系染料は１つ以上のアゾ基（−Ｎ＝Ｎ−）を有し、その種類は多数あり、市販の全合成染料の過半数を占める。アゾ系染料を毛髪に染色すると色鮮やかで明るく、染色された色を長期間持続する。アゾ系染料の代表例は下記式２〜４である。

式２ Acid Orange 3

式３ Acid Violet 43

式４ Acid Blue 7

酸性染料を使用した半永久毛髪染色剤はｐＨ３．０〜５．０である。このような半永久毛髪染色剤は毛髪を膨らまさず、酸性染料を毛髪内部の毛皮質層に浸透させず、毛髪表面、即ち、キューティクル層のみに作用するため、毛髪損傷なく染色することができる長所がある。しかし、酸性染料はキューティクル層のみに染色されるため、日常生活のうち汗を流したり、雨が降った場合、水溶性が強い酸性染料が溶けて、肌を着色したり、服を汚染する恐れがある。

本発明の酸性半永久毛髪染色剤組成物は、疎水性防水被膜形成剤（防水被膜剤）としてアクリレートコポリマー及び高分子用溶媒としてＮ−メチルピロリドンを含み、水、染料と疎水性防水被膜剤を十分に混ぜ合わせ、毛髪表面に結合した染料が雨や汗により溶けて落ちるのを防ぐことができる。これらの特徴は、高分子を溶解するためにＮ−メチルピロリドンを使用することで達成することができ、水と疎水性アクリレートコポリマーとの相溶性及び水溶液中の負電荷に帯電する染料とアクリレートコポリマーとの相溶性の問題を解決する。これらを基盤として、アクリレートコポリマーが、毛髪が半永久毛髪染色剤で染色されて乾燥された後、毛髪表面に強力な防水被膜を形成することを発見した。

前記防水被膜剤は、総毛髪染色剤組成物に対して１．０〜４０．０質量％の量で使用することが好ましく、Ｎ−メチルピロリドンは、総毛髪染色剤組成物に対して０．２〜２０．０質量％の量で使用することが好ましい。防水被膜剤の量が前記範囲を超過すると、毛髪染色剤組成物の粘性が非常に高くなり、毛髪に染料を均一に塗布することが困難である。Ｎ−メチルピロリドンの量が前記範囲を超過すると、毛髪染色剤組成物の油相と水相が互いに分離される。

本発明による半永久毛髪染色剤組成物は、通常的に酸性半永久毛髪染色剤に使用される成分を更に含むことができ、液状であろうとクリーム状であろうと、半永久毛髪染色剤組成物の種類は限定されない。

本発明の半永久毛髪染色剤組成物に適用される成分は次に例示すると、液状の場合、酸性染料０．１〜１０．０質量％、低級アルコール１．０〜５０．０質量％、芳香族アルコール０．１〜１０．０質量％、精製水５．０〜４０．０質量％、高分子溶媒０．２〜２０．０質量％、疎水性防水被膜形成剤１．０〜４０．０質量％及びｐＨ調節剤０．５〜２０．０質量％が使用され得る。

一方、クリーム状の場合、酸性染料０．１〜１０．０質量％、界面活性剤１．０〜２０．０質量％、脂肪アルコール２．０〜２５．０質量％、芳香族アルコール０．１〜１０．０質量％、高分子溶媒０．２〜２０．０質量％、疎水性防水被膜形成剤１．０〜４０．０質量％及びｐＨ調節剤０．５〜２０．０質量％が使用され得る。

酸性染料としては、分子内にスルホン、カルボキシル及びニトロのような酸性官能基を有する水溶性染料が使用され得る。好ましくは、前記酸性染料は、紫色４０１号（ＡｃｉｄＶｉｏｌｅｔ４３、ＣＡＳＮｏ．４４３０−１８−６）、黒色４０１号（ＡｃｉｄＢｌａｃｋ１、ＣＡＳＮｏ．１０６４−４８−８）、橙色２０５号（ＡｃｉｄＯｒａｎｇｅ７、ＣＡＳＮｏ．６３３−９６−５）、黄色４０６号（ＫＩ４０６、ＣＡＳＮｏ．５８７−９８−４）、赤色２２７号（ＣＩ１７２００、ＣＡＳＮｏ．３５６７−６６−６）、及び黄色４号（Ｙｅｌｌｏｗ５、ＣＡＳＮｏ．１９３４−２１−０）からなる群から選択される少なくとも１種の染色であり得る。

本発明で使用される低級アルコールは、炭素数２〜３のアルコールであり、特に、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどを含む。

本発明に適合する芳香族アルコールは、炭素数１４〜２２を有する芳香族アルコールであり、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール及びベヘニルアルコールからなる群から選択される１種またはそれ以上であり得る。

本発明に適合する界面活性剤は、通常的に毛髪染色剤に使用される非イオン性界面活性剤であり、代表的な例としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテルなどを含む。

前述した芳香族アルコールは、好ましくはベンジルアルコールである。

本発明で使用されるｐＨ調節剤は、グリコール酸、乳酸、クエン酸などを含む。

本発明による前記成分を使用して製造した半永久毛髪染色剤組成物は、水と疎水性防水被膜形成剤との相溶性の問題を解決することができ、酸性染料を疎水性高分子を含有する水溶液に添加するが沈殿を起こさず、強力な防水被膜を形成しながら優れた染色効果を表す。従って、本発明の半永久毛髪染色剤組成物は、毛髪表面に染着した前記染料は雨や汗により溶けないため、肌及び服に汚染されることなく、優れた毛髪保護効果を表すという長所がある。

本発明を下記実施例を参照して更に詳しく説明するが、本発明の範囲を限定しない。

実施例１
図１に表される工程によると、酸性染料として、紫色４０１号（ＡｃｉｄＶｉｏｌｅｔ４３、ＣＡＳＮｏ．４４３０−１８−６）０．４質量％、黒色４０１号（ＡｃｉｄＢｌａｃｋ１、ＣＡＳＮｏ．１０６４−４８−８）０．６質量％、橙色２０５号（ＡｃｉｄＯｒａｎｇｅ７、ＣＡＳＮｏ．６３３−９６−５）０．５質量％、黄色４０６号（ＫＩ４０６、ＣＡＳＮｏ．５８７−９８−４）０．４質量％、黄色４号（Ｙｅｌｌｏｗ５、ＣＡＳＮｏ．１９３４−２１−０）０．３質量％及び赤色２２７号（ＣＩ１７２００、ＣＡＳＮｏ．３５６７−６６−６）０．１質量％を、イソプロピルアルコール３４．０質量％、ベンジルアルコール１．０質量％及び精製水２０．０質量％の混合液に溶解させた。前記混合液に、高分子溶媒としてＮ−メチルピロリドン１０．０質量％、疎水性防水被膜形成剤としてメタクリロイルエチルベタイン／アクリレートコポリマー樹脂（商標名：ユカフォーマー２０２、三菱化学社製）３０．０質量％及びｐＨ調節剤としてグリコール酸３．０質量％を攪拌しながら加えた後、液状の毛髪染色剤組成物を製造した。

実施例２
図２に表される工程によると、脂肪族アルコールとしてセチルアルコール５．０質量％、ステアリルアルコール５．０質量％及びオレイルアルコール２．０質量％、及び界面活性剤としてポリエチレンセトステアリルエーテル１５．０質量％を７５〜８５℃で加熱しながら溶解した。酸性染料として、紫色４０１号（ＡｃｉｄＶｉｏｌｅｔ４３、ＣＡＳＮｏ．４４３０−１８−６）０．４質量％、黒色４０１号（ＡｃｉｄＢｌａｃｋ１、ＣＡＳＮｏ．１０６４−４８−８）０．６質量％、橙色２０５号（ＡｃｉｄＯｒａｎｇｅ７、ＣＡＳＮｏ．６３３−９６−５）０．５質量％、黄色４０６号（ＫＩ４０６、ＣＡＳＮｏ．５８７−９８−４）０．４質量％、黄色４号（Ｙｅｌｌｏｗ５、ＣＡＳＮｏ．１９３４−２１−０）０．３質量％及び赤色２２７号（ＣＩ１７２００、ＣＡＳＮｏ．３５６７−６６−６）０．１質量％を、ベンジルアルコール１．０質量％及び精製水２７．０質量％の混合液に７５〜８５℃の温度で加熱しながら溶解させた。前記混合液をしばらくの間攪拌して、５０〜５５℃まで冷却した。前記混合液に、高分子溶媒としてＮ−メチルピロリドン１０．０質量％、疎水性防水被膜形成剤としてメタクリロイルエチルベタイン／アクリレートコポリマー樹脂（商標名：ユカフォーマー２０２、三菱化学社製）３０．０質量％及びｐＨ調節剤としてグリコール酸３．０質量％を攪拌しながら加えた後、クリーム状の毛髪染色剤組成物を製造した。

試験例：防水被膜の形成
実施例１及び２で製造した毛髪染色剤組成物の防水被膜形成能力を観察するために、各組成物を毛髪ときれいなガラス板上に塗布して、２０℃で１０分間乾燥した。毛髪とガラス板を２０℃で６０％の相対湿度の条件で２４時間放置した後、きれいな水と人口汗溶液に各々浸し、染料が水に溶解されるかどうかを観察した。ここで、防水被膜形成剤が含まれない組成物が対照として使用された。前記人口汗溶液は塩化ナトリウム１．０質量％、乳酸０．１質量％、リン酸二水素ナトリウム０．１質量％、塩酸ヒスチジン０．０２質量％及び精製水９８．７８質量％を使用して製造された。

図３ａ及び３ｂに表されるように、２０℃で６０％の相対湿度の条件で２４時間放置した毛髪とガラス板は、防水被膜形成剤の有無に関係なく同一であった。

しかし、各試料を水と人口汗溶液に漬けた場合、図４ａ、４ｂ及び４ｃに表されるように、防水被膜形成剤を含まない組成物では即座に染料が溶解されたが、本発明の組成物では、１時間経っても染料が溶解されなかった。

前述した通り、本発明による酸性染料を使用した前記半永久毛髪染色剤組成物は、疎水性防水被膜形成剤及び独特な高分子溶媒を含有し、水と疎水性防水被膜形成剤との相溶性の問題を解決することができ、酸性染料を疎水性高分子を含有する水溶液に添加するが沈殿を起こさず、強力な防水被膜を形成しながら優れた染色効果を表す。従って、本発明の半永久毛髪染色剤組成物は、毛髪表面に染着した前記染料は雨や汗により溶けないため、肌及び服が汚染されることなく、優れた毛髪保護効果を表すという長所がある。

Claims

防水被膜剤としてアクリレートコポリマー及び溶媒としてＮ−メチルピロリドンを含む酸性染料を使用する半永久毛髪染色剤組成物。
前記アクリレートコポリマーが、メタクリロイルエチルベタイン／アクリレートコポリマーである、請求項１記載の半永久毛髪染色剤組成物。
メタクリロイルエチルベタイン／アクリレートコポリマー１．０〜４０．０質量％及びＮ−メチルピロリドン０．２〜２０．０質量％を含む、請求項１記載の半永久毛髪染色剤組成物。