JP2010529283A - ポリ(アリーレンエーテル)組成物、方法、および物品 - Google Patents

ポリ(アリーレンエーテル)組成物、方法、および物品 Download PDF

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Abstract

本発明は、特定量のポリ(アリーレンエーテル)、ポリスチレン、およびガラス繊維を含む熱可塑性組成物に関する。この組成物は、剛性、強度、およびメルトフロー特性の非常に望ましいバランスを示す。この組成物の調製方法、および組成物から調製された物品も記載する。

Description

本発明は、特定量のポリ(アリーレンエーテル)、ポリスチレン、およびガラス繊維を含む熱可塑性組成物に関する。この組成物の調製方法、および組成物から調製された物品も記載する。
ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、優れた耐水性、寸法安定性、および固有の難燃性で知られているプラスチックの1種である。強度、剛性、耐化学性、および耐熱性などの特性は、広範で多様な消費財(例えば、配管設備、電気ボックス、自動車部品、および被覆線)の要求に合わせるために、さまざまな他のプラスチックをブレンドすることによって調整することができる
ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとのブレンドは、いずれかの成分樹脂単独と比較して、改良された剛性および引張強度を有することが知られている。例えば、Cizekの米国特許第3,383,435号を参照されたい。しかし、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとの既知のブレンドは、特定の製品用途に求められる特性を有さない。例えば、水量計用圧力板は、非常に薄くなければならない(典型的には、約1〜2ミリメートル厚さ)にもかかわらず、かなりの圧力差に耐えるために十分な強度がなければならず、かつ、寸法安定性が非常に高くなければならない。これらの製品は、高流動性組成物でしか成型することができない複雑な形状をも有し得る。この特性の組合せは、公知のポリ(アリーレンエーテル)のブレンドでは実現されていなかった。
米国特許第3,383,435号
したがって、剛性、引張特性、およびメルトフロー特性の改良されたバランスを示すポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレンブレンドが求められている。
上述した解決課題および他の解決課題が、
約20〜約36質量%のポリ(アリーレンエーテル)、
約10〜約35質量%のポリスチレン、および
約30〜約50質量%のガラス繊維
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)であって、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも140メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも50メガパスカルのウェルドライン引張強度(tensile knitline strength)、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量(melt volume-flow rate)
を示す組成物によって解決される。
別の実施態様は、
約30〜約35質量%の、約50,000〜約60,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、
約20〜約25質量%の、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレン、
約0.2〜約2質量%の離型剤、および
約35〜約45質量%の、約10〜約20マイクロメートルの直径を有するガラス繊維
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)であって、
前記組成物が、前記ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、前記アタクチックホモポリスチレン、および前記離型剤以外のいかなるポリマーも含まず、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも145メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも55メガパスカルのウェルドライン引張強度(tensile knitline strength)、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量(melt volume-flow rate)
を示す組成物である。
別の実施態様は、
約30〜約35質量%の、約50,000〜約60,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、
約20〜約25質量%の、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレン、
約0.2〜約2質量%の離型剤、および
約35〜約45質量%の、約10〜約20マイクロメートルの直径を有するガラス繊維、ならびに
場合により最高で5質量%の、安定剤、加工助剤、ドリップ抑制剤、核形成剤、染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤、芳香剤、およびこれらの混合物から選択される添加剤
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)であって、
前記組成物が、前記ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、前記アタクチックホモポリスチレン、および前記離型剤以外のいかなるポリマーも含まず、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも145メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも55メガパスカルのウェルドライン引張強度、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
を示す組成物である。
別の実施態様は、
約20〜約36質量%のポリ(アリーレンエーテル)、
約10〜約35質量%のポリスチレン、および
約30〜約50質量%のガラス繊維
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)を含む物品であって、
前記組成物が、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも140メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも50メガパスカルのウェルドライン引張強度、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
を示す、物品である。
別の実施態様は、
約30〜約35質量%の、約50,000〜約60,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、
約20〜約25質量%の、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレン、
約0.2〜約2質量%の離型剤、および
約35〜約45質量%の、約10〜約20マイクロメートルの直径を有するガラス繊維
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)を含む物品であって、
前記組成物が、前記ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、前記アタクチックホモポリスチレン、および前記離型剤以外のいかなるポリマーも含まず、かつ、
前記組成物が、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも145メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも55メガパスカルのウェルドライン引張強度、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
を示す、物品である。
別の実施態様は、
約30〜約35質量%の、約50,000〜約60,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、
約20〜約25質量%の、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレン、
約0.2〜約2質量%の離型剤、および
約35〜約45質量%の、約10〜約20マイクロメートルの直径を有するガラス繊維、ならびに
場合により最高で5質量%の、安定剤、加工助剤、ドリップ抑制剤、核形成剤、染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤、芳香剤、およびこれらの混合物から選択される添加剤
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)を含む物品であって、
前記組成物が、前記ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、前記アタクチックホモポリスチレン、および前記離型剤以外のいかなるポリマーも含まず、かつ、
前記組成物が、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも145メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも55メガパスカルのウェルドライン引張強度、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
を示す、物品である。
別の実施態様は、
約20〜約36質量%のポリ(アリーレンエーテル)、
約10〜約35質量%のポリスチレン、および
約30〜約50質量%のガラス繊維
を溶融混練して組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)を形成させる工程を含む組成物の製造方法であって、
前記組成物が、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも140メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも50メガパスカルのウェルドライン引張強度、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
を示す、製造方法である。
本発明者らは、剛性、引張特性、および溶融流量特性のバランスの向上が、非常に特定の量のポリ(アリーレンエーテル)、ポリスチレン、およびガラス繊維を含むポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン組成物において達成され得ることを見出した。したがって、1つの実施態様は、
約20〜約36質量%のポリ(アリーレンエーテル)、
約10〜約35質量%のポリスチレン、および
約30〜約50質量%のガラス繊維
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)であって、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも140メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも50メガパスカルのウェルドライン引張強度(tensile knitline strength)、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量(melt volume-flow rate)
を示す組成物である。
より高い引張強度が可能である。すなわち、一部の実施態様では、引張強度は、少なくとも145メガパスカル、とりわけ少なくとも150メガパスカル、さらにとりわけ140〜約160メガパスカル、さらにとりわけ140〜約155メガパスカルである。
より高いウェルドライン引張強度も可能である。すなわち、一部の実施態様では、ウェルドライン引張強度は、少なくとも55メガパスカル、とりわけ少なくとも60メガパスカル、さらにとりわけ50〜約70メガパスカル、さらにとりわけ50〜約65メガパスカルである。
より高い曲げ強度も可能である。すなわち、一部の実施態様では、曲げ強度は、とりわけ180〜約230メガパスカル、さらにとりわけ180〜約225メガパスカルである。
より高い溶融体積流量も可能である。すなわち、一部の実施態様では、溶融体積流量は、10分当たり少なくとも20ミリリットル、とりわけ10分当たり少なくとも15〜約25ミリリットルである。
ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン組成物においてこのような特性の組合せを達成することができることは全く予想外であった。典型的には、高い強度および剛性は、コンパウンドされた樹脂におけるガラスの組み込み量およびガラスの長さを増加させることによって達成される。しかし、この結果、低い溶融流量がもたらされる。さらに、ガラスの組み込み量が増加し、溶融した組成物の溶融流量が同じに維持される場合には、ガラスの湿潤が典型的に低減され、低い接着性および低い強度がもたらされる。本発明者らが研究を行っていた時期には、組成における特定の変更によって重要な特性がどのような影響を受けるかについてはほとんど知られておらず、どのような特定の組成物が所望の特性の組み合わせをもたらすかを予想することは不可能であったのみならず、どのようなポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン組成物でも所望の特性の組み合わせを得ることができないのではないかとの疑いが高かった。
本組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)を含む。好適なポリ(アリーレンエーテル)は、下記式:
Figure 2010529283
〔式中、各構造単位に対し、各Zは、独立して、ハロゲン、非置換もしくは置換のC−C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基は、第三級ヒドロカルビルではない)、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、または、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;各構造単位に対し、各Zは、独立して、水素、ハロゲン、非置換もしくは置換のC−C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基は、第三級ヒドロカルビルではない)、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、または、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである〕
を有する反復構造単位を含む。本明細書において、用語「ヒドロカルビル」は、この語が単独で用いられるか否か、接頭辞、接尾辞、または別の用語の一部として用いられるか否かにかかわらず、炭素および水素のみを有する残基を意味する。この残基は、脂肪族または芳香族、直鎖状、環状、二環性、分岐状、飽和、または不飽和であってよい。この残基は、脂肪族または芳香族、直鎖状、環状、二環性、分岐状、飽和、および不飽和の炭化水素部分の組合せを有していてもよい。しかし、このヒドロカルビル基が置換されていると記載されている場合には、任意に、その置換基の炭素または水素上にヘテロ原子を有していてよい。置換されている場合、ヒドロカルビル基は、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、またはリンなどのヘテロ原子を1つ以上有していてよい。置換されている場合、ヒドロカルビル基は、その炭化水素基の骨格にペンダント状に、あるいは骨格の内部にヘテロ原子を有していてよい。1つの例として、Zは、1-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニレン基の末端のメチル基と、酸化的重合触媒のジ-n-ブチルアミン成分との反応によって形成されたジ-n-ブチルアンモニウムメチル基であってよい。
一部の実施態様では、ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル単位、2,3,6-トリメチル-1,4-フェニレンエーテル単位、またはこれらの組合せを含む。一部の実施態様では、ポリ(アリーレンエーテル)は、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)である。
上述したように、ポリ(アリーレンエーテル)は、典型的にヒドロキシ基のオルト位に位置する、アミノアルキル含有末端基を有する分子を含んでいてよい。2,6-ジメチルフェノールを含有する反応混合物(副生成物であるテトラメチルジフェニノキノンが存在する反応混合物)から典型的に得られるテトラメチレンジフェノキノン(TMDQ)末端基もしばしば存在する。ポリ(アリーレンエーテル)は、ホモポリマー、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、アイオノマー、またはブロックコポリマーの形態であっても、前述の形態の少なくとも1つを含む組合せであってもよい。
本発明者らは、流動特性、剛性、および引張特性のバランスが、ポリ(アリーレンエーテル)が、ポリスチレン標準を用いるゲル浸透クロマトグラフィーによって測定して、約40,000〜約50,000原子質量単位、とりわけ約43,000〜約47,000原子質量単位のコンパウンド前の質量平均分子量を有する場合に、特に向上することに注目した。本明細書において、用語「コンパウンド前の質量平均分子量」は、ポリ(アリーレンエーテル)が他の成分と一緒にコンパウンドされて組成物を形成する前のポリ(アリーレンエーテル)の分子量を意味する。本発明者らは、ポリ(アリーレンエーテル)が、かなりの量の高分子量成分および低分子量成分を含有する場合に、特性のバランスに特に優れることにも注目した。とりわけ、ポリ(アリーレンエーテル)が有するコンパウンド前の質量平均分子量の分布は、12,000原子質量単位以下の分子量を有する分子を約15〜約20質量%含み、かつ/あるいは、100,000原子質量単位以上の分子量を有する分子を約15質量%含むことができる。当業者であれば理解できるとおり、ポリ(アリーレンエーテル)の分子量は、溶融混合中にかなり増加し得る。したがって、一部の実施態様では、ポリ(アリーレンエーテル)は、約50,000〜約60,000原子質量単位、とりわけ約53,000〜約57,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有する。
本組成物は、組成物の総質量を基準として、約20〜約36質量%、とりわけ約27〜約34質量%、さらにとりわけ約30〜約34質量%の量のポリ(アリーレンエーテル)を含む。
ポリ(アリーレンエーテル)に加えて、本組成物は、ポリスチレンを含む。本明細書において用語「ポリスチレン」は、スチレンの重合によって誘導された繰り返し単位を少なくとも90質量%含むポリマーを意味する。一部の実施態様では、ポリスチレンは、スチレンの重合によって誘導された繰り返し単位を少なくとも95質量%、とりわけ少なくとも98質量%含む。一部の実施態様では、ポリスチレンは、スチレンホモポリマーである。スチレンホモポリマーは、アタクチックであっても、イソタクチックであっても、シンジオタクチックであってもよい。
ポリスチレンは、約10,000〜約200,000原子質量単位、とりわけ、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有していてよい。特定の実施態様では、ポリスチレンは、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレンである。
本組成物は、組成物の総質量を基準として、約10〜約35質量%、とりわけ約15〜約30質量%、さらにとりわけ約20〜約28質量%の量のポリスチレンを含む。
ポリスチレン成分を、スチレンの重合によって誘導された繰り返し単位を少なくとも90質量%含むものとして定義するため、重合されたスチレンが90質量%未満含まれるスチレンコポリマーは除外される。例えば、ポリスチレン成分から除外されるものは、10質量%より高いゴムを含むゴム変性ポリスチレンである。別の例としてポリスチレン成分から除外されるものは、スチレン以外のモノマーまたはモノマーの組合せから誘導される繰り返し単位を10質量%より高く含むスチレンブロックコポリマーである。これらのポリマーは、本明細書において定義されるポリスチレンではないが、場合により、本組成物に添加成分として含めることができる。しかし、これらの量を制限するか、あるいはこれらを排除することが好ましい場合がある。例えば、一部の実施態様では、本組成物は、ゴム変性ポリスチレンを5質量%以下の量で含む。一部の実施態様では、本組成物は、ゴム変性ポリスチレンを含まない。一部の実施態様では、本組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)およびポリスチレン以外の任意のポリマーを5質量%以下含む。一部の実施態様では、本組成物は、高分子離型剤を場合によりさらに含み、かつ、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリスチレン、および高分子離型剤以外のいかなるポリマーも含まない。
ポリ(アリーレンエーテル)およびポリスチレンに加えて、本組成物は、ガラス繊維を含む。好適なガラス繊維には、E型、A型、C型、ECR型、R型、S型、D型をベースとするガラス繊維、およびNEガラス、ならびに石英が含まれる。ガラス繊維は、約2〜約30マイクロメートル、とりわけ約5〜約25マイクロメートル、さらにとりわけ約10〜約15マイクロメートルの直径を有し得る。コンパウンド前のガラス繊維の長さは、約2〜約7ミリメートル、とりわけ約3〜約5ミリメートルであり得る。ガラス繊維は、場合により、熱可塑性組成物との相溶性を高めるための、いわゆる接着促進剤を含むことができる。接着促進剤には、クロム錯体類、シラン類、チタネート類、ジルコアルミネート類、プロピレンマレイン酸無水物コポリマー類、反応性セルロースエステル類などが含まれる。好適なガラス繊維は、例えば、Owens Corning社、Nippon Electric Glass社、PPG社、およびJohns Manville社を含む供給業者から商業的に入手可能である。本組成物は、組成物の総質量を基準として、約30〜約50質量%、とりわけ約35〜約45質量%の量のガラス繊維を含む。
一部の実施態様では、本組成物は、約30〜約35質量%のポリ(アリーレンエーテル)、約15〜約30質量%のポリスチレン、および約35〜約45質量%のガラス繊維を含む(質量%はいずれも組成物の総質量を基準とする)。
1つの実施態様は、
約30〜約35質量%の、約50,000〜約60,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、
約20〜約25質量%の、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレン、
約0.2〜約2質量%の離型剤、および
約35〜約45質量%の、約10〜約20マイクロメートルの直径を有するガラス繊維
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)であって、
前記組成物が、前記ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、前記アタクチックホモポリスチレン、および前記離型剤以外のいかなるポリマーも含まず、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも145メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも55メガパスカルのウェルドライン引張強度、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
を示す組成物である。とりわけ、本組成物は、145〜約160メガパスカルの引張強度、55〜約70メガパスカルのウェルドライン引張強度、180〜約230メガパスカルの曲げ強度、および10分当たり少なくとも15〜約25ミリリットルの溶融体積流量を示す。
1つの実施態様は、
約30〜約35質量%の、約50,000〜約60,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、
約20〜約25質量%の、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレン、
約0.2〜約2質量%の離型剤、および
約35〜約45質量%の、約10〜約20マイクロメートルの直径を有するガラス繊維、ならびに
場合により最高で5質量%の、安定剤、加工助剤、ドリップ抑制剤、核形成剤、染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤、芳香剤、およびこれらの混合物から選択される添加剤
を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)であって、
前記組成物が、前記ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、前記アタクチックホモポリスチレン、および前記離型剤以外のいかなるポリマーも含まず、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも145メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも55メガパスカルのウェルドライン引張強度、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
を示す組成物である。とりわけ、本組成物は、145〜約160メガパスカルの引張強度、55〜約70メガパスカルのウェルドライン引張強度、180〜約230メガパスカルの曲げ強度、および10分当たり少なくとも15〜約25ミリリットルの溶融体積流量を示す。
他の実施態様には、上述した組成物のいずれかを含む物品が含まれる。本組成物は、水量計の内部部品(例えば、水量計用圧力板など)、ポンプハウジング、およびポンプ用インペラブレードを含む物品の製造に有用である。好適な製造方法には、射出成形、圧縮成型、またはこれらの組合せが含まれる。他の実施態様には、組成物の調製方法が含まれる。したがって、1つの実施態様は、
約20〜約36質量%のポリ(アリーレンエーテル)、
約10〜約35質量%のポリスチレン、および
約30〜約50質量%のガラス繊維
を溶融混練して組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)を形成させる工程を含む組成物の製造方法であって、
前記組成物が、
ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも140メガパスカルの引張強度、
ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも50メガパスカルのウェルドライン引張強度、
ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
を示す、製造方法である。とりわけ、本組成物は、145〜約160メガパスカルの引張強度、55〜約70メガパスカルのウェルドライン引張強度、180〜約230メガパスカルの曲げ強度、および10分当たり少なくとも15〜約25ミリリットルの溶融体積流量を示す。特に効果的な溶融混練工程は、約333〜約360℃の温度で実施することができる。この温度は、押出機内部のプローブを介して測定される溶融温度である。一部の実施態様では、溶融混練工程は、約350〜約360℃の温度で組成物を押出す工程を含む。押出された組成物の温度は、例えば、赤外線温度モニター(ときには「RIガン」と称される)などを使用して測定することができる。溶融混練工程を、約290〜約320℃のダイ温度を有する押出機を使用して溶融混練する実施することも特に効果的である。
他の実施態様には、上述した方法によって製造された組成物が含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例によって本発明が限定されることはない。
[材料および方法]
表1に、本実施例において用いた材料を列記する。
組成物を、内径28ミリメートルの2軸押出機Werner & Pfleiderer ZSK-28でコンパウンドした。押出機の供給口からダイまでのバレル温度は、180、260、270、280、290、290および300℃であった。コンパウンドする前に、サイドフィーダを介して下流で添加するガラス繊維を除く全ての成分をドライブレンドし、押出機の供給口に加えた。
物理的な試験を、60、270、290、300、および290℃のバレル温度および100℃の成形温度を用いて射出成形した部品で実施した。メガパスカル(MPa)の単位で表す引張強度の値は、ISO 527-2に準拠して23℃で測定した。メガパスカル(MPa)の単位で表す曲げ強度の値は、ISO 178に準拠して23℃で測定した。10分当たりのミリリットル単位で表す溶融体積流量は、ISO 1133に準拠して300℃および10キログラムの荷重で測定した。メガパスカル(MPa)の単位で表すウェルドライン引張強度は、ISO 527-2に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定した。
Figure 2010529283
[比較例1〜7]
7種の組成物を、表2に示した配合を用いて調製した。全ての成分の量は、質量部による。組成物はいずれも、45質量%より多いポリ(アリーレンエーテル)を含有していた。これらの組成物は、基本的に、ポリ(アリーレンエーテル)の質量平均分子量、ならびに、ポリスチレンおよびゴム変性ポリスチレンの量において異なる。溶融体積流量(メルトボリュームフローレート:MVR)、曲げ強度(Flex. Str.)、および引張降伏強度(TYS)を、各組成物について測定した。特性値を、表2に示す。各組成物は所望の値を少なくとも1つの特性で示すが、試験した3種の特性の全てで所望の値を示す組成物はない。
Figure 2010529283
[実施例1、比較例8〜16]
10種の組成物を調製し、上述したとおりに試験した。組成および特性を表3に示す。比較例9、10、および11は、互いに同じ組成の再現であり、比較例13および14,比較例15および16も同様である。組成物はいずれも、40質量%より少ないポリ(アリーレンエーテル)を含有していた。これらの組成物は、基本的に、ポリ(アリーレンエーテル)の質量平均分子量、ならびに、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、およびガラスの量において異なる。これらの試料のうち1種(実施例1)だけが、試験した4種の特性の全てで所望の値を示す。
Figure 2010529283
Figure 2010529283
[実施例2〜5、比較例17〜19]
7種の組成物を調製し、商業的なスケールのコンパウンド装置で試験した。比較例17〜19および実施例2および3を、Werner & Pfleidererの92ミリメートル2葉押出機でコンパウンドした。実施例4および5は、Werner & Pfleidererの120ミリメートル2葉押出機でコンパウンドした。比較例17、18、および19は、互いに同じ組成の再現であり、実施例2および3,実施例4および5も同様である。実施例2および3と、実施例4および5とは、コンパウンドの装置および条件のみが異なる。
ダイから押出されたストランドの挙動は、目視で評価した。ストランドの挙動は、ストランドが落下して押出機の運転の継続が困難であった場合には「悪い」と特徴付け、ストランドの落下が数回あったが押出機の運転を継続させることが可能であった場合には「中程度」と特徴付け、ほとんどストランドの落下がない場合には「良好」と特徴付けた。
7種の組成物はいずれも、溶融体積流量、曲げ強度、引張降伏強度、およびウェルドライン強度について所望の特性値を示す。しかし、本発明の実施例だけが、許容可能なストランドの挙動を示した。
Figure 2010529283
Figure 2010529283
本説明は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、当業者が本発明を実施および使用することを可能にする。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の実施例をも包含する。このような他の実施例は、それが請求項の文字どおりの記載と異ならない構造要素を有する場合、あるいは、それが請求項に記載の文字どおりの記載から実質的に異ならない等価の構造要素を含む場合には特許請求の範囲内であることが意図されている。
引用した全ての特許、特許出願、および他の文献の全ての開示内容を参照により本明細書に含める。しかし、組み込んだ参照文献の用語と本出願の用語が矛盾するか対立する場合、本出願からの用語が、組み込んだ参照文献の対立する用語よりも優先する。
本明細書に開示の範囲は全て端点(複数)を含み、端点は、独立に、互いに組み合わせ可能である。
本発明を説明する文脈における(特に、特許請求の範囲の文脈における)“a“、“an“、“the“、および類似の指示語の使用は、本明細書において特に明記しない限り、あるいは文脈によって明確に否定されない限り、単数と複数の両方を含むものと解釈すべきである。さらに、留意しておかねばならないことは、本明細書における”第1の”および”第2の”などの用語は、順序、量、または重要性を示しているのではなく、むしろある要素を他の要素から区別するために使用されている、という点である。量に関して使用されている“約“という修飾語は、明記されている値を含み、文脈によって示されている意味を有する(例えば、この修飾語は、特定の量の測定に付きものの誤差程度を含む)。

Claims (20)

  1. 約20〜約36質量%のポリ(アリーレンエーテル)、
    約10〜約35質量%のポリスチレン、および
    約30〜約50質量%のガラス繊維
    を含む組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)であって、
    ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも140メガパスカルの引張強度、
    ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも50メガパスカルのウェルドライン引張強度、
    ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
    ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
    を示す、組成物。
  2. 140〜約160メガパスカルの引張強度、
    50〜約70メガパスカルのウェルドライン引張強度、
    180〜約230メガパスカルの曲げ強度、および
    10分当たり少なくとも15〜約25ミリリットルの溶融体積流量
    を示す、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリ(アリーレンエーテル)が、約40,000〜約50,000原子質量単位のコンパウンド前の質量平均分子量を有する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記ポリ(アリーレンエーテル)が有するコンパウンド前の質量平均分子量の分布が、12,000原子質量単位以下の分子量を有する分子を約15〜約20質量%含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記ポリ(アリーレンエーテル)が有するコンパウンド前の質量平均分子量の分布が、100,000原子質量単位以上の分子量を有する分子を約6〜約15質量%含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記ポリ(アリーレンエーテル)が、約50,000〜約60,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記ポリスチレンが、アタクチックホモポリスチレンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記ポリスチレンが、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記組成物が、5質量%以下の量のゴム変性ポリスチレンを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記組成物が、ゴム変性ポリスチレンを含まない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記組成物が、前記ポリ(アリーレンエーテル)および前記ポリスチレン以外の任意のポリマーを5質量%以下含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記組成物が、高分子離型剤を場合によりさらに含み、かつ、前記組成物が、前記ポリ(アリーレンエーテル)、前記ポリスチレン、および前記高分子離型剤以外のいかなるポリマーも含まない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 約30〜約35質量%のポリ(アリーレンエーテル)、
    約15〜約30質量%のポリスチレン、および
    約35〜約45質量%のガラス繊維
    を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記ポリ(アリーレンエーテル)が、約50,000〜約60,000原子質量単位のコンパウンド後の質量平均分子量を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)を含み、
    前記ポリスチレンが、約30,000〜約100,000原子質量単位の数平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレンを含み、
    前記ガラス繊維が、約10〜約20マイクロメートルの直径を有し、
    前記組成物が、前記ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、前記アタクチックホモポリスチレン、および前記離型剤以外のいかなるポリマーも含まず、
    前記引張強度が少なくとも145メガパスカルであり、前記ウェルドライン引張強度が少なくとも55メガパスカルであり、
    前記組成物が、
    約20〜約25質量%のアタクチックホモポリスチレンと、
    約0.2〜約2質量%の離型剤と
    を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 請求項14に記載の組成物と、
    場合により最高で5質量%の、安定剤、加工助剤、ドリップ抑制剤、核形成剤、染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤、芳香剤、およびこれらの混合物から選択される添加剤と
    からなる組成物。
  16. 145〜約160メガパスカルの引張強度、
    55〜約70メガパスカルのウェルドライン引張強度、
    180〜約230メガパスカルの曲げ強度、および
    10分当たり少なくとも15〜約25ミリリットルの溶融体積流量
    を示す、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物を含む物品。
  18. 約20〜約36質量%のポリ(アリーレンエーテル)、
    約10〜約35質量%のポリスチレン、および
    約30〜約50質量%のガラス繊維
    を溶融混練して組成物(質量%はいずれも前記組成物の総質量を基準とする)を形成させる工程を含む組成物の製造方法であって、
    前記組成物が、
    ISO 527に準拠して23℃で測定して少なくとも140メガパスカルの引張強度、
    ISO 527に準拠してダブルゲート型引張試験片について測定して少なくとも50メガパスカルのウェルドライン引張強度、
    ISO 178に準拠して23℃で測定して少なくとも180メガパスカルの曲げ強度、および
    ISO 1133に準拠して300℃にて10キログラムの荷重で測定して10分当たり少なくとも15ミリリットルの溶融体積流量
    を示す、製造方法。
  19. 前記溶融混練工程が、約350〜約360℃の温度で前記組成物を押出す工程を含む、請求項18に記載の製造方法。
  20. 前記溶融混練工程が、約290〜約320℃のダイ温度を有する押出機を使用して溶融混練する工程を含む、請求項18または19に記載の製造方法。
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