JP2010528151A - フルオロエラストマーの凝固法 - Google Patents

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Abstract

フルオロエラストマーの製造のための方法において、ポリエチレンイミンまたはそのコポリマーの水溶液である水溶性ポリマー凝固剤が用いられる。

Description

ある種のクラスの水溶性ポリマーが凝固剤として用いられる、より具体的にはこのクラスの水溶性ポリマーがポリエチレンイミンおよびポリエチレンイミンのコポリマーを含む、フルオロエラストマーの新規凝固法に関する。
優れた耐熱性、耐油性、および耐化学薬品性を有するフッ化ビニリデンの弾性コポリマーは、シーリング材、容器およびホース用に広く使用されてきた。
乳化重合法によるかかるフルオロエラストマーの製造は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第4,214,060号明細書および米国特許第4,281,092号明細書を参照されたい。重合の結果は、ポリマーの分散物またはラテックスである。一般に、フルオロエラストマーは次に、スラリーを形成するための凝固剤の添加によって分散物から分離される。スラリーは次に洗浄され、乾燥され、次に商業用途向けの最終形態へ造形される。
これまで用いられた凝固剤は典型的には無機多価陽イオンである。A.L.Logothetis、Prog.Polym.Sci.14,251−296(1989)。これらには、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩、硫酸カリウムアルミニウムなどのミョウバン、塩化カルシウムおよび硝酸カルシウムなどのカルシウム塩、ならびに塩化マグネシウムおよび硝酸マグネシウムなどのマグネシウム塩が含まれる。これらの塩は凝固剤として非常にうまく働くが、残留量のこれらの塩がポリマー中に残存する。これらの塩の存在により、これらのポリマーが、半導体製造におけるシールなどの汚染感受性用途での使用に適さなくなる。従って、フルオロエラストマーの乳化重合での使用に有効な他の凝固剤を見いだすことは望ましいであろう。
塩化ナトリウムなどの、1価陽イオンの塩が、フルオロエラストマーの製造のための凝固剤として提案されてきた。残留量のこれらの塩は、幾つかの最終使用用途において比較的無害と考えられる。しかしながら、過度に大量の1価陽イオンの塩が、フルオロエラストマーを完全に凝固させるために必要とされる。生じたポリマーは完全に乾燥させるのが困難である。加えて、ポリマーを凝固させるために必要とされる大量のこれらの塩は、コストの高い大きな水処理設備を必要とする。
有機凝固剤の使用は、ポリマー汚染を回避するための別の方法である。残留量の有機凝固剤は、半導体プロセスを汚染せず、いずれの場合も硬化プロセス中にポリマーから揮発し得る。米国特許第3,598,794号明細書は、フルオロエラストマー用の凝固剤としてポリアミンを開示している。フルオロエラストマー分散物へのポリアミンの添加は、水相から分離し得るゲルを形成する。しかしながら、このゲルの洗浄は困難であり、フルオロエラストマー中に残存する残留ポリアミンは、硬化操作の妨げになる。
米国特許第3,997,705号明細書は、加硫促進剤として働く有機塩基または塩でのフルオロエラストマーの凝固を開示している。しかしながら、かかる凝固剤の使用は、早期の硬化、すなわち、スコーチを被りやすいフルオロエラストマーをもたらす。加えて、かかる凝固剤の使用は、顧客が入手した状態のポリマー中に促進剤が既に存在するので、フルオロエラストマーのその後の配合の選択肢を制限する。
パーフルオロエラストマーは、オルガノオニウム化合物で凝固させられてきた(米国特許出願公開第2005/0143523号明細書)。しかしながら、生じたエラストマーゴム中の残留オルガノオニウム化合物の存在により、加工がしにくくなり、早期の加硫(すなわち、スコーチ)が引き起こされ得る。
同時係属中の米国仮特許出願第60/900,264号明細書(2007年2月8日出願)は、ポリマー鎖当たり少なくとも2つの第四級オニウム中心を有する水溶性ポリマーであるフルオロエラストマー凝固剤を開示している。
意外にも、ある種のポリアミンがゲルをもたらすことなく、およびエラストマーを早期に硬化させることなくフルオロエラストマーを凝固させるために使用されてもよいことが分かった。本発明の一態様は、
(A)少なくとも2つの共重合性モノマーの共重合単位を含むフルオロエラストマーを含む水性分散物であって、第1モノマーが、前記フルオロエラストマーの総重量を基準として、25〜70重量パーセントの量で存在し、前記第1モノマーがフッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンからなる群から選択される分散物を提供する工程と、
(B)ポリエチレンイミンおよびポリエチレンイミンのコポリマーからなる群から選択される水溶性の凝固剤ポリマーを前記水性分散物に加え、それによって前記フルオロエラストマーを凝固させる工程と
を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーの製造のための凝固法を提供する。
本発明は、フルオロエラストマーゴムまたは小片を製造するための凝固法に関する。「フルオロエラストマー」とは、非晶質の弾性フルオロポリマーを意味する。フルオロポリマーは、少なくとも53重量パーセントのフッ素、好ましくは少なくとも64重量パーセントのフッ素を含有する限り、部分フッ素化かまたは過フッ素化であってもよい。本発明の方法に用いられてもよいフルオロエラストマーは、フルオロエラストマーの重量を基準として、25〜70重量パーセントのフッ化ビニリデン(VF2)またはテトラフルオロエチレン(TFE)であってもよい第1モノマーの共重合単位を含有する。フルオロエラストマー中の残りの単位は、フッ素含有オレフィン、フッ素含有ビニルエーテル、炭化水素オレフィンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、前記第1モノマーとは異なる、1つ以上の追加の共重合モノマーを含んでなる。
第1モノマーと共重合できるフッ素含有オレフィンには、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1−HPFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびフッ化ビニルが含まれるが、それらに限定されない。
第1のモノマーと共重合できるフッ素含有ビニルエーテルには、パーフルオロ(アルキルビニル)エーテルが含まれるが、それらに限定されない。モノマーとしての使用に好適なパーフルオロ(アルキルビニル)エーテル(PAVE)には、式
CF2=CFO(Rf'O)n(Rf''O)mf (I)
(式中、Rf'およびRf''は、2〜6個の炭素原子の異なる線状または分岐のパーフルオロアルキレン基であり、mおよびnは独立して0〜10であり、そしてRfは1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)
を有するものが含まれる。
好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルには、式
CF2=CFO(CF2CFXO)nf (II)
(式中、XはFまたはCF3であり、nは0〜5であり、そしてRfは1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)
の組成物を含む。
最も好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルには、nが0または1であり、そしてRfが1〜3個の炭素原子を含有するそれらのエーテルが含まれる。かかる過フッ素化エーテルの例には、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)およびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)が挙げられる。他の有用なモノマーには、式
CF2=CFO[(CF2mCF2CFZO]nf (III)
(式中、Rfは、1〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、m=0または1、n=0〜5、そしてZ=FまたはCF3である)
の化合物が含まれる。このクラスの好ましいメンバーは、式中RfがC37であり、m=0、そしてn=1であるものである。
追加のパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルモノマーには、式
CF2=CFO[(CF2CF{CF3}O)n(CF2CF2CF2O)m(CF2p]Cx2x+1 (IV)
(式中、mおよびnは独立して=0〜10、p=0〜3、そしてx=1〜5である)
の化合物が含まれる。
このクラスの好ましいメンバーには、式中n=0〜1、m=0〜1、そしてx=1である化合物が含まれる。
有用なパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の他の例には、
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2O)mn2n+1 (V)
(式中、n=1〜5、m=1〜3、そして式中、好ましくは、n=1である)
が挙げられる。
PAVEの共重合単位が本発明の方法に用いられるフルオロエラストマー中に存在する場合、PAVE含有率は一般に、フルオロエラストマーの総重量を基準として、25〜75重量パーセントの範囲である。パーフルオロ(メチルビニル)エーテルが使用される場合、フルオロエラストマーは好ましくは30〜55重量%の共重合PMVE単位を含有する。
本発明に用いられるフルオロエラストマーで有用な炭化水素オレフィンは、エチレン(E)、およびプロピレン(P)を含むが、それらに限定されない。炭化水素オレフィンの共重合単位がフルオロエラストマー中に存在する場合、炭化水素オレフィン含有率は一般に4〜30重量パーセントである。
本発明の凝固法に用いられるフルオロエラストマーはまた、任意選択的に、1つ以上の硬化部位モノマーの単位を含んでもよい。好適な硬化部位モノマーの例には、i)臭素含有オレフィン、ii)ヨウ素含有オレフィン、iii)臭素含有ビニルエーテル、iv)ヨウ素含有ビニルエーテル、v)ニトリル基を有するフッ素含有オレフィン、vi)ニトリル基を有するフッ素含有ビニルエーテル、vii)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(2−HPFP)、viii)パーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテル、およびix)非共役ジエンが挙げられる。
臭素化硬化部位モノマーは、他のハロゲン、好ましくはフッ素を含有してもよい。臭素化オレフィン硬化部位モノマーの例は、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Br、ブロモトリフルオロエチレン、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB)、ならびに臭化ビニル,1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン、臭化パーフルオロアリル、4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン−1、4−ブロモ−1,1,3,3,4,4−ヘキサフルオロブテン、4−ブロモ−3−クロロ−1,1,3,4,4−ペンタフルオロブテン、6−ブロモ−5,5,6,6−テトラフルオロヘキセン、4−ブロモパーフルオロブテン−1および臭化3,3−ジフルオロアリルなどの他のものである。本発明で有用な臭素化ビニルエーテル硬化部位モノマーには、2−ブロモ−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルおよびCF2BrCF2O−CF=CF2などのクラスCF2Br−Rf−O−CF=CF2(Rfはパーフルオロアルキレン基である)のフッ素化化合物、ならびにCH3OCF=CFBrまたはCF3CH2OCF=CFBrなどのグラスROCF=CFBrまたはROCBr=CF2(式中、Rは低級アルキル基またはフルオロアルキル基である)のフルオロビニルエーテルが含まれる。
好適なヨウ化硬化部位モノマーには、式:CHR=CH−Z−CH2CHR−I(式中、Rは−Hまたは−CH3であり、Zは線状もしくは分岐の、任意選択的に1つまたは複数のエーテル酸素原子を含有するC1〜C18の(パー)フルオロアルキレン基、または米国特許第5,674,959号明細書に開示されているような(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である)のヨウ化オレフィンが含まれる。有用なヨウ化硬化部位モノマーの他の例は、米国特許第5,717,036号明細書に開示されているように、式:I(CH2CF2CF2nOCF=CF2およびICH2CF2O[CF(CF3)CF2O]nCF=CF2など(式中、n=1〜3である)の不飽和エーテルである。加えて、ヨードエチレン、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB)、3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン、2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニルオキシ)エタン、2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエチレン、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)プロパン、2−ヨードエチルビニルエーテル、3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン、およびヨードトリフルオロエチレンをはじめとする好適なヨウ化硬化部位モノマーが米国特許第4,694,045号明細書に開示されている。ヨウ化アリルおよび2−ヨード−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルもまた有用な硬化部位モノマーである。
有用なニトリル含有硬化部位モノマーには、下に示される式
CF2=CF−O(CF2n−CN (VI)
(式中、n=2〜12、好ましくは2〜6である)
CF2=CF−O[CF2−CF(CF3)−O]n−CF2−CF(CF3)−CN (VII)
(式中、n=0〜4、好ましくは0〜2である)
CF2=CF−[OCF2CF(CF3)]x−O−(CF2n−CN (VIII)
(式中、x=1〜2、そしてn=1〜4である)、および
CF2=CF−O−(CF2n−O−CF(CF3)CN (IX)
(式中、n=2〜4である)
を有するものが含まれる。
式(VIII)を有するものが好ましい。特に好ましい硬化部位モノマーは、ニトリル基とトリフルオロビニルエーテル基とを有する過フッ素化ポリエーテルである。最も好ましい硬化部位モノマーは、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN (X)
すなわちパーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)または8−CNVEである。ニトリル含有硬化部位モノマーは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(メチルビニルエーテル)とをまた含有するコポリマーで特に有用である。
非共役ジエン硬化部位モノマーの例には、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジエン、ならびにカナダ国特許第2,067,891号明細書および欧州特許出願公開第0784064A1号明細書に開示されているものなどの他のものが挙げられるが、それらに限定されない。好適なトリエンは8−メチル−4−エチリデン−1,7−オクタジエンである。
上に挙げた硬化部位モノマーのうち、フルオロエラストマーが過酸化物で硬化させられる状況に好ましい化合物には、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB)、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB)、ヨウ化アリル、ブロモトリフルオロエチレンおよび8−CNVEが含まれる。フルオロエラストマーがポリオールで硬化させられるとき、2−HPFPまたはパーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテルが好ましい硬化部位モノマーである。フルオロエラストマーがテトラアミン、ビス(アミノフェノール)またはビス(チオアミノフェノール)で硬化させられるとき、8−CNVEが好ましい硬化部位モノマーである。
硬化部位モノマーの単位は、本発明の凝固法に用いられるフルオロエラストマー中に存在するとき、典型的には0.05〜10重量%(フルオロエラストマーの総重量を基準として)、好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.05〜3重量%のレベルで存在する。
本発明の方法に用いられてもよい具体的なフルオロエラストマーには、少なくとも58重量%フッ素を有し、かつ、i)フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレン;ii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレン;iii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;iv)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;v)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;vi)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;vii)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン;viii)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびエチレン;ix)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、エチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;x)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、エチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;xi)テトラフルオロエチレン、プロピレンおよびフッ化ビニリデン;xii)テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(メチルビニル)エーテル;xiii)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびパーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン);xiv)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;xv)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;ならびにxvi)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびパーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテルの共重合単位を含むものが含まれるが、それらに限定されない。
さらに、ヨウ素含有末端基、臭素含有末端基またはそれらの混合物が任意選択的に、フルオロエラストマーの製造中に連鎖移動剤または分子量調整剤の使用の結果としてフルオロエラストマー・ポリマー鎖端の片方または両方に存在してもよい。用いられるとき、連鎖移動剤の量は、0.005〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲でフルオロエラストマー中のヨウ素または臭素レベルをもたらすように計算される。
連鎖移動剤の例には、ポリマー分子の片方または両方で結合ヨウ素の組み入れをもたらすヨウ素含有化合物が挙げられる。ヨウ化メチレン、1,4−ジヨードパーフルオロ−n−ブタン、および1,6−ジヨード−3,3,4,4−テトラフルオロヘキサンがかかる試剤を代表するものである。他のヨウ素化連鎖移動剤には、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,2−ジ(ヨードジフルオロメチル)−パーフルオロシクロブタン、モノヨードパーフルオロエタン、モノヨードパーフルオロブタン、2−ヨード−1−ヒドロパーフルオロエタンなどが含まれる。欧州特許出願公開第0868447A1号明細書に開示されているシアノ−ヨウ素連鎖移動剤もまた含まれる。ジヨウ素化連鎖移動剤が特に好ましい。
臭素化連鎖移動剤の例には、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ヨード−2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタンおよび米国特許第5,151,492号明細書に開示されているなどの他のものが挙げられる。
本発明の方法での使用に好適な他の連鎖移動剤には、米国特許第3,707,529号明細書に開示されているものが含まれる。かかる試剤の例には、イソプロパノール、マロン酸ジエチル、酢酸エチル、四塩化炭素、アセトンおよびドデシルメルカプタンが挙げられる。
硬化部位モノマーおよび連鎖移動剤は、ニートでまたは溶液として反応器に加えられてもよい。重合の開始近くに反応器へ導入されることに加えて、製造中のフルオロエラストマーの所望の組成、用いられている連鎖移動剤、および全反応時間に依存して、多量の連鎖移動剤は、全重合反応期間の全体にわたって加えられてもよい。
本発明の凝固法に用いられてもよいフルオロエラストマーは典型的には、連続法、半回分式法または回分式法であってもよい本発明の乳化重合法で製造される。
半回分式乳化重合法では、所望の組成のガス状モノマー混合物(初期のモノマー装入物)が、水溶液を含有する反応器へ導入される。水溶液は、任意選択的に界面活性剤を含有してもよい。反応器は典型的には、蒸気空間が残るように、水溶液で完全には満たされない。任意選択的に、水溶液は、重合反応のpHを調節するためのリン酸塩または酢酸塩緩衝剤などの、pH緩衝剤を含有してもよい。緩衝剤の代わりに、NaOHなどの塩基がpHを調節するために使用されてもよい。一般に、pHは、製造中のフルオロエラストマーのタイプに依存して、1〜7に調節される。あるいはまた、またはさらに、pH緩衝剤または塩基は、単独で、あるいは重合開始剤、液体硬化部位モノマー、追加の界面活性剤または連鎖移動剤などの他の原料と組み合わせて重合反応の全体にわたって様々な時間に反応器に加えられてもよい。また任意選択的に、初期の水溶液は、水溶性の無機過酸化物重合開始剤を含有してもよい。加えて、初期の水溶液は、フルオロエラストマーラテックス粒子形成を促進し、こうして重合プロセスを加速させるために、前に製造されたフルオロエラストマー種ポリマーなどの核形成剤を含有してもよい。
初期のモノマー装入物は、ある量のTFEかVF2かのどちらかの第1モノマーと、第1モノマーとは異なる1つ以上の追加のモノマーとを含有する。初期の装入物に含有されるモノマー混合物の量は、0.5〜10MPaの反応器圧力をもたらすように設定される。
モノマー混合物は水性媒体中に分散され、そして、任意選択的に、連鎖移動剤がまた、反応混合物が典型的には機械撹拌によってかき混ぜられながら、この時点で加えられてもよい。初期のガス状モノマー装入物において、各モノマーの相対的な量は反応速度論によって決定され、共重合モノマー単位の所望の比を有するフルオロエラストマーをもたらすように設定される(すなわち、非常に遅く反応するモノマーは、製造されるべきフルオロエラストマーの組成物中で望まれるより、他のモノマーに対して高い量で存在しなければならない)。
半回分式反応混合物の温度は25℃〜130℃、好ましくは50℃〜120℃の範囲に維持される。重合は、開始剤が熱分解するか、還元剤と反応するかのいずれかを経て、生じたラジカルが分散されたモノマーと反応するときに開始する。
ガス状のモノマーと任意選択の硬化部位モノマーとの追加量(増分フィード)は、調節された温度で一定の反応器圧力を維持するために、重合の間中調節された速度で加えられる。増分フィード中に含有されるモノマーの相対的な比は、生じるフルオロエラストマー中の共重合モノマー単位の所望の比とおおよそ同じものであるように設定される。従って、増分フィードは、モノマー混合物の総重量を基準として、25〜70重量パーセントの、TFEかVF2かのどちらかの第1モノマーと、第1モノマーとは異なる75〜30重量パーセントの1つ以上の追加のモノマーとを含有する。連鎖移動剤もまた、任意選択的に、重合のこの段階中の任意の時点で反応器へ導入されてもよい。典型的には、追加の重合開始剤もまた、重合のこの段階中に反応器にフィードされる。形成されるポリマーの量は、増分モノマーフィードの累積量におおよそ等しい。当業者は、初期の装入物の組成が正確には、選択される最終フルオロエラストマー組成物について必要とされるものではないかもしれないので、または増分フィード中のモノマーの一部が反応することなく既に形成されたポリマー粒子中に溶解するかもしれないので、増分フィード中のモノマーのモル比が生じたフルオロエラストマー中の所望の(すなわち、選択される)共重合モノマー単位組成物のものと必ずしも正確に同じものではないことを認めるであろう。2〜30時間の範囲の重合時間が本半回分式重合法で典型的には用いられる。
フルオロエラストマーの製造のための連続乳化重合法は、次のように半回分式法とは異なる。反応器は、蒸気空間が全くないように水溶液で完全に満たされる。ガス状モノマーと、水溶性モノマー、連鎖移動剤、緩衝剤、塩基、重合開始剤、界面活性剤などのような他の原料の溶液とが、一定の速度で別々の流れで反応器に供給される。供給速度は、反応器中の平均ポリマー滞留時間が一般に0.2〜4時間であるように調節される。短い滞留時間は、反応性モノマーに対して用いられるが、パーフルオロ(アルキルビニル)エーテルなどの反応性のより低いモノマーはより多くの時間を要する。連続法反応混合物の温度は、25℃〜130℃、好ましくは80℃〜120℃の範囲に維持される。また、フルオロエラストマーラテックス粒子は、核形成剤が重合反応を始めるために典型的に必要とされないように連続法でより容易に形成される。
重合圧力は、0.5〜10MPa、好ましくは1〜6.2MPaの範囲に調節される。半回分式プロセスで、所望の重合圧力は初期には、初期の装入物中のガス状モノマーの量を調節することによって達成され、そして反応が開始した後は、圧力は増分ガス状モノマーフィードを調節することによって調整される。連続法では、圧力は、分散物流出ラインの背圧調整弁によって調節される。重合圧力は、それが1MPaより下である場合、重合反応系中のモノマー濃度が満足できる反応速度を得るためには低すぎるので、上記の範囲に設定される。加えて、分子量も十分に増加しない。圧力が10MPaより上である場合、必要とされる高圧設備のコストが非常に高い。
形成されたフルオロエラストマーコポリマーの量は、装入された増分フィードの量におおよそ等しく、水性媒体の100重量部当たり10〜30重量部のコポリマーの範囲、好ましくは20〜25重量部のコポリマーの範囲にある。それが10重量部未満である場合には、生産性が不適切なほど低いので、一方、それが30重量部より上である場合には、固形分含有率が満足できる撹拌にとって余りにも高くなるので、コポリマー形成の程度は上記の範囲に設定される。
本発明で重合を開始させるために使用されてもよい水溶性の過酸化物には、例えば、過硫酸水素のアンモニウム、ナトリウムまたはカリウム塩が含まれる。レドックス−タイプ開始剤では、亜硫酸ナトリウムなどの還元剤が過酸化物に加えて存在する。これらの水溶性の過酸化物は、単独でかまたは2つ以上のタイプの混合物として使用されてもよい。使用されるべき量は、ポリマーの100重量部当たり0.01〜0.4重量部、好ましくは0.05〜0.3重量部の範囲で一般に選択される。重合中にフルオロエラストマー・ポリマー鎖端の一部は、これらの過酸化物の分解によって発生した断片でキャップされる。
界面活性剤、典型的には陰イオン性界面活性剤が、これらの方法に任意選択的に用いられる。界面活性剤の例には、パーフルオロオクタン酸(およびその塩)、オクチルスルホン酸ナトリウム、およびパーフルオロヘキシルエチルスルホン酸(およびその塩)が挙げられるが、それらに限定されない。しかしながら、界面活性剤は必ずしも必要とされない。
フルオロエラストマーゴムまたは小片は、分散物への水溶性ポリマー凝固剤の添加によってフルオロエラストマー分散物から単離される。この凝固剤は、エチレンイミンのホモポリマーまたはコポリマー(CH2CH2NH−)を含む。コポリマーは、エチレンジアミンなどの少量の分岐剤を含む。凝固剤の、光散乱によって測定される、重量平均分子量(Mw)は、600〜2,000,000に変わることができる。ポリエチレンイミンは、水溶液として分散物に添加される。この溶液は、調製されたまま使用するか、または酸性化してそのpHを下げることができる。酸性化は、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢酸、またはリン酸を含むが、それらに限定されない通常の酸を用いて成し遂げることができる。当業者は、他の酸も同様に使用されてもよいことを容易に認めるであろう。凝固剤溶液のpHは、2.0、最も好ましくは3.0の最小値を有する。凝固剤溶液のpHが2.0より下に下げられたとき、過度の量の凝固剤がポリマーを完全に凝固させるために必要とされる。
任意選択的に、ポリエチレンイミンまたはそのコポリマーによって凝固させられたフルオロエラストマーの特性は、ポリマー小片を、いかなる硬化剤も存在せずに、高温にかけることによって高めることができる。この加熱プロセスは、当該技術分野で公知の典型的なポリヒドロキシまたはポリアミン硬化剤と配合した後にポリマーがより迅速に硬化することを可能にする。ポリマーは、休止状態で(すなわち、剪断の不存在下に)、少なくとも200℃に1時間以上加熱されてもよい。しかしながら、厄介なオーブン熟成プロセスを回避するために、ポリエチレンイミンまたはそのコポリマーで凝固させられたポリマーは好ましくは、熱処理を行うために押出機に通される。好ましくは、押出機でのポリマー温度は、少なくとも150℃に達し、より好ましくはポリマー温度は少なくとも250℃に達する。押出機は、単軸スクリュー、二軸スクリュー、またはBuss(登録商標)混練機型であってもよい。好ましくは、押出機は、二軸スクリュー押出機かまたはBuss Kneaderであり、より好ましくは押出機は真空脱蒸気(devolatization)セクションを含む。
本発明の方法によって製造されたフルオロエラストマーは、シール、ワイヤ−コーティング、チューブ材料およびラミネートをはじめとする多くの工業用途で有用である。
試験方法
ムーニー(Mooney)粘度、ML(1+10)は、1分の予熱時間および10分の回転子運転時間を用いて、121℃でL(大きい)タイプ回転子を使ってASTM D1646に従って測定した。
硬化特性は、Monsanto MDR 2000移動ディスクレオメーター(Moving Disc Rheometer)(MDR)でASTM D5289に従って測定した。
本発明は以下の実施例によってさらに例示されるが、それらに限定されない。
実施例に用いられるポリエチレンイミンは、2000の重量平均分子量(Mw)および1800の数平均分子量(Mn)を有した(水中50重量%溶液としてAldrichから入手可能)。
実施例1
VF2/HFPコポリマーフルオロエラストマーを、十分に撹拌される2.0リットルのステンレススチール液体満杯反応容器中115℃で実施される、本発明の連続乳化重合法によって製造した。脱イオン水中の2.18g/時(g/h)の過硫酸アンモニウム開始剤、0.87g/hの水酸化ナトリウム、1.88g/hのオクチルスルホン酸ナトリウム、および2.10g/hのイソプロパノール連鎖移動剤からなる水溶液を、5.0L/時の速度で反応器に供給した。流出ラインの背圧調整弁を用いて反応器を6.2MPaの圧力で液体満杯レベルに維持した。30分後に、ダイアフラム圧縮機によって供給される769g/hのフッ化ビニリデン(VF2)と575g/hのヘキサフルオロプロピレン(HFP)とからなるガス状モノマー混合物の導入によって重合を開始させた。2.0時間後に、流出した分散物の収集を始め、収集を7.0時間続行した。4.69のpHを有し、かつ、19.96重量%の固形分を含有する流出ラテックスを、大気圧の脱ガス容器で残留モノマーから分離した。
ラテックスの3つの10.0kg部分を量り取り、次に表Iに従って水性凝固剤溶液中に滴下することによって凝固させた。サンプル1は、本発明の方法に従って凝固させた。対照サンプルAおよびBは、先行技術の方法に従って凝固させた。
Figure 2010528151
実施例2
VF2/HFP/TFEコポリマーフルオロエラストマーを、十分に撹拌される2.0リットルのステンレススチール液体満杯反応容器中110℃で実施される、本発明の連続乳化重合法によって製造した。脱イオン水中の2.16g/時(g/h)の過硫酸アンモニウム開始剤、0.87g/hの水酸化ナトリウム、1.31g/hのオクチルスルホン酸ナトリウム、および0.98g/hのイソプロパノール連鎖移動剤からなる水溶液を、5.0L/時の速度で反応器に供給した。流出ラインの背圧調整弁を用いて反応器を6.2MPaの圧力で液体満杯レベルに維持した。30分後に、ダイアフラム圧縮機によって供給される395g/hのフッ化ビニリデン(VF2)と、507g/hのヘキサフルオロプロピレン(HFP)と、309g/hのテトラフルオロエチレン(TFE)とからなるガス状モノマー混合物の導入によって重合を開始させた。2.0時間後に、流出した分散物の収集を始め、収集を5時間続行した。2.67のpHを有し、かつ、18.5重量%の固形分を含有する流出ポリマーラテックスを、大気圧の脱ガス容器で残留モノマーから分離した。
本発明の凝固法を利用してフルオロエラストマーを単離した。凝塊は、硝酸でpH5に酸性化した0.5重量%のポリエチレンイミン(PEI)溶液をポリマーラテックスに、14グラムのPEI溶液対1kgのラテックスの比で添加することによって形成した。水相をスラリーから除去し、生じた湿潤小片を、1重量%未満の含水率まで約50℃〜65℃の空気オーブン中で乾燥させた。36重量%のVF2単位と、36.5重量%のHFP単位と、27.5重量%のTFE単位とからなる生成物は、示差走査熱量測定法(加熱モード、10℃/分、転移の変曲点)によって測定した際に、−7.3℃のガラス転移温度を有する非晶質エラストマーであった。エラストマーの固有粘度は、メチルエチルケトン中30℃で測定した際に、0.47dL/gであり、ムーニー(Mooney)粘度、121℃でのML(1+10)は、55.5であった。
実施例3
VF2/PMVE/TFEコポリマーフルオロエラストマーは、十分に撹拌される2.0リットルのステンレススチール液体満杯反応容器中105℃で実施される、連続乳化重合法によって製造した。1.98g/時(g/h)の過硫酸アンモニウム開始剤および0.79g/hの水酸化ナトリウムからなる水溶液を、4L/時の速度で反応器に供給した。流出ラインの背圧調整弁を用いて反応器を6.2MPaの圧力で液体満杯レベルに維持した。30分後に、ダイアフラム圧縮機によって供給される569g/hのフッ化ビニリデン(VF2)と、393g/hのパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)と、101g/hのテトラフルオロエチレン(TFE)とからなるガス状モノマー混合物の導入によって重合を開始させた。重合が始まった15分後に、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン(BTFB)を10.0g/hの速度で反応器へ供給した。さらなる1.75時間後に、流出した分散物の収集を始め、収集を5時間続行した。8.88のpHを有し、かつ、21.3重量%の固形分を含有する流出ポリマーラテックスを、大気圧の脱ガス容器で残留モノマーから分離した。
本発明の凝固法を利用してフルオロエラストマーを単離した。凝塊は、硝酸でpH5に酸性化した0.5重量%のポリエチレンイミン溶液をポリマーラテックスに、19グラムのPEI溶液対1kgのラテックスの比で添加することによって形成した。水相をスラリーから除去し、生じた湿潤小片を、1重量%未満の含水率まで約50℃〜65℃の空気オーブン中で乾燥させた。56.4重量%のVF2単位と、35.5重量%のPMVE単位と、6.5重量%のTFE単位と、1.6重量%のBTFB単位とからなる生成物は、示差走査熱量測定法(加熱モード、10℃/分、転移の変曲点)によって測定した際に、−31.7℃のガラス転移温度を有する非晶質エラストマーであった。エラストマーの固有粘度は、メチルエチルケトン中30℃で測定した際に、1.35dL/gであり、ムーニー(Mooney)粘度、121℃でのML(1+10)は、168.5であった。
実施例4
以下の実施例は、ポリエチレンイミンで凝固させたフルオロエラストマーの、硬化剤の導入前の、任意の熱処理を例示する。用いるフルオロエラストマーは、60重量%のVF2、36重量%のHFP、および4重量%のTFEの共重合単位を含み、硝酸を使用してpH5に調整したポリエチレンイミン溶液で凝固させた。生じた小片を熱風オーブン中70℃で24時間乾燥させた。小片を次に機械的に顆粒化し、下に示すような条件で運転する28mm共回転二軸スクリューへ供給した。
Figure 2010528151
未処理小片(すなわち、熱処理していない)、押出ポリマーA(条件A)、および押出ポリマーB(条件B)を次に、別々にミルで混合して、それぞれ、ビスフェノール硬化性組成物1、2および3を生成した。硬化性組成物を下の表IIに示す。
硬化性組成物を次に、6分の試験時間の間177℃で操作する、移動ダイレオメーター、3度アークを用いて硬化特性について試験した。硬化データもまた表IIに示す。
Figure 2010528151
熱処理したフルオロエラストマーを含有する組成物の両方(サンプル2および3)は、より短いt’50およびt’90時間から明らかなように、未処理小片(サンプル1)よりはるかに速く硬化した。加えて、260℃のポリマー温度で押し出したフルオロエラストマーをベースとする、サンプル3は、150℃で押し出したフルオロエラストマーを含有するサンプル2が硬化するよりもわずかに速く硬化した。

Claims (6)

  1. (A)少なくとも2つの共重合性モノマーの共重合単位を含むフルオロエラストマーを含む水性分散物であって、第1モノマーが、前記フルオロエラストマーの総重量を基準として、25〜70重量パーセントの量で存在し、前記第1モノマーがフッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンからなる群から選択される分散物を提供する工程と、
    (B)ポリエチレンイミンおよびポリエチレンイミンのコポリマーからなる群から選択される水溶性の凝固剤ポリマーの水溶液を前記水性分散物に加え、それによって前記フルオロエラストマーを凝固させる工程と
    を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーの製造のための凝固法。
  2. 水溶性凝固剤ポリマーの前記水溶液が2以上のpHを有する請求項1に記載の凝固法。
  3. 水溶性凝固剤ポリマーの前記水溶液が3〜9のpHを有する請求項2に記載の凝固法。
  4. 押出機中少なくとも150℃の温度で、硬化剤の不存在下に、凝固されたフルオロエラストマーを熱処理する工程をさらに含む請求項1に記載の凝固法。
  5. 硬化剤の不存在下での、凝固されたフルオロエラストマーの前記熱処理工程が押出機中で少なくとも250℃の温度において行われる請求項4に記載の凝固法。
  6. 剪断の不存在下に少なくとも1時間少なくとも200℃の温度で、硬化剤の不存在下に、凝固されたフルオロエラストマーを熱処理する工程をさらに含む請求項1に記載の凝固法。
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