JP2010524842A - 表面積が広いガス−固体またはガス−液体の界面を用いた高純度シリコンの析出、および液体相からの回収 - Google Patents
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Abstract
固体シリコンは、混合され、かつプレートの全表面にわたって注入されたガス状のトリクロロシランおよび水素の還元反応によって、通電加熱された析出プレート上に析出される。プレートは、同心円筒、渦巻状、またはS字形の繰返しのような、表面積を拡張する多数の幾何学形状を有する。一旦必要量のシリコンが析出されると、析出プレートはシリコンの融点以上に加熱され、析出されたシリコンは、重力によってクラストの形状のままプレートから滑落する。プレートは、プレートから浸出した不純物を含む液体シリコンの薄膜で覆われたまま残される。この膜は、主要なシリコンが汚染されるのを避けるために、主要なシリコンのクラストとは別に溶融され、そして、次の析出サイクル用のプレートとして準備される。
Description
1.棒は、析出反応速度を決定する要因の1つである表面積が比較的小さい。
2.成長するシリコンの大きな塊を、長時間適正な温度に加熱された比較的小さい割合の表面積で維持するためには、大量の電気が必要である。
3.棒を取り出すために、大きな労働力を要する。棒に接近するためには、ベルのような形状のリアクタの上部全体のボルトを取り外して持ち上げなければならない。その後、棒を取り出し、さらに、切断および/または粉砕、または梱包するために、あるいはインゴットに融解するために、別の場所へ移送しなければならない。かかる煩雑な取扱いが必要であるために、各バッチ・サイクル間のリアクタの休止時間が長くなり、これによってさらにシリコンに不純物が混入する可能性が高くなる。
4.サイクルを再開するためには、新しい供給棒を製造し、リアクタ内に再度設置しなければならない。
1.製造されたシリコンの単位量当たりの電気使用量が著しく低減される。
2.製造されたシリコンの単位量当たりの労働力が著しく低減される。
3.製造されたシリコンの単位量当たりの工場設備コストが著しく低減される。すなわち、同量のシリコンを製造するために必要とされる水素析出リアクタの数をより少なくすることができる。
4.他の好適な実施例では、析出プレートから滑落したシリコンのクラスト(外殻)が析出リアクタの底部内で完全に溶融され、析出リアクタの内部で多重結晶のインゴットが鋳造されるか、あるいは、チョクラルスキ型結晶引上げ装置へポンプ輸送されるので、取出し、加工、梱包、移送、開梱、荷積、および他の場所でシリコンを再度融解する必要性およびコストが排除される。
5.他の好適な実施例では、液体シリコンの小滴がプレートから落下し、気体および/または液体のトリクロロシランおよび/または四塩化ケイ素と接触することによってビーズ状に凝固するので、回収されたシリコンを粉砕して同じ大きさの塊または小粒にする必要性およびコストが排除される。
6.他の好適な実施例では、気体の水素、トリクロロシラン、および/または四塩化ケイ素が、液体シリコンの中で発泡し、その後、液体シリコンは、多結晶シリコンのインゴットに凝固されるか、あるいは、適切な配管を通ってチョクラルスキ型結晶引上げ装置へポンプ輸送されるので、取出し、加工、梱包、移送、開梱、荷積、および他の場所でシリコンを再度融解する必要性およびコストが排除される。
この特許出願において定義されるように、用語「析出プレート」はシリコンが析出される表面を意味する。したがって、例えば、1枚の平坦な導電性を有するプレートから、以下で述べるように少なくとも2つの析出プレート(すなわち析出表面)が形成され、その間にガス流動領域を有する。しかしながら、2枚以上のプレートを使用して析出プレートを形成することを妨げるものではなく、例えば、2枚の鉛直の平坦な導電性プレートを使用し、それらを互いに隣接するように配置してガス流動路を形成してもよい。導電性プレートは、以下のような特性を有する必要がある。
1.優れた導電率
2.シリコンの融点を超える温度で長時間繰り返される暴露に対する優れた構造強度、および、析出されたシリコンの塊を支持する能力
3.製作が比較的容易
4.シリコンとの適合性(すなわち、プレート表面の材料は、シリコンの汚染を最小限度に留めるものでなければならない。)
例えば、以上の条件を満たす好適な材料としては、タングステン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、黒鉛、ならびに、それらの合金および合成物が含まれる。
析出リアクタは、以下の点を除き、従来のいわゆるシーメンス・リアクタとほぼ同様である。
1.析出が、通電加熱された純粋シリコン棒上ではなく、通電加熱された析出プレート上に生じる。プレートは、電流を直接流すか、または誘導加熱によって加熱される。
2.析出段階中にリアクタを2つのセクションに分離するための圧力プレートを有する。この段階において、リアクタの上部セクションは、流入する水素およびトリクロロシランのガス混合物によって加圧されるが、一方、油圧駆動式シリコン回収るつぼを含む下部セクションは使用されず、大気圧のままである。
3.シリコン回収段階において、圧力プレートが開かれ、油圧駆動式回収るつぼが析出プレートまで上昇する。プレートをシリコンの融解温度以上にさらに加熱することによって、析出されたシリコンは、るつぼ内に滑落するか、あるいは融解して落下する。
4.シリコン回収段階において、油圧駆動式回収るつぼは、それ自体がリアクタの底に接するまで降下する。その後、リアクタの底部が開錠され、油圧ピストンは、リアクタの底部およびるつぼの両方をリアクタの外まで下降させ、それによって、るつぼ内のシリコンを取り出すことができる。
析出−滴下リアクタは、以下の点を除き、従来のいわゆるシーメンス・リアクタとほぼ同様である。
1.析出は、通電加熱された純粋シリコン棒上ではなく、通電加熱された析出プレート上に生じる。
2.水素、トリクロロシラン、および/または四塩化ケイ素の混合物は、リアクタの下方のセクションに導入され、これによって、上方向へのガスの流れが生じる。
3.このガス流は、析出プレートから滴下するシリコンの小滴を冷却し、それらは固体のビーズ状になってリアクタの底部に蓄積される。
4.蓄積されたシリコンの固体ビーズは、ガスの流れを停止してシュートを開放することにより、リアクタから周期的に取り出される。
5.トリクロロシランおよび/または四塩化ケイ素は、液体の形で析出−滴下リアクタへ導入することができる。この液体は、その中に滴下するシリコンの液体の小滴に追加の冷却を提供し、それによって、それらがビーズ状に凝固し、リアクタの底部に沈降する。液体シリコンの小滴と接触した結果蒸発した液体は、液体の表面上で、リアクタに吸入された水素と混合される。その後、このガス混合物は、シリコンの融点以上に加熱された析出プレートと接触し、最初の場所に液体シリコンの小滴を形成する。
析出−発泡リアクタは、以下の点を除き、従来の通電加熱シリコン溶融るつぼに概ね類似する。
1.それは加圧および密封された容器である。
2.リアクタの底部に注入用アセンブリがあり、それによって、水素、トリクロロシランおよび/または四塩化ケイ素のガス混合物を、リアクタ内に既に存在する液体シリコンのプールにポンプ注入することができる。注入用アセンブリは、小さなノズル形状を含むので、ガスは、液体シリコン内に、小さく、均等に分散された気泡を形成する。あるいは、注入用アセンブリは、リアクタの上部から吊り下げられ、油圧ピストンによって液体シリコン内に降下される。
3.リアクタの上部に、液体シリコンを通過した気泡が有するガスを排出するための排出弁および配管がある。
4.リアクタの底部に、結晶化のために蓄積された液体シリコンを排出するための放出弁および配管がある。
Claims (20)
- 高純度シリコンを製造する方法において、
a.シリコンと適合性を有する少なくとも2つの鉛直析出プレートを形成する段階であって、前記鉛直析出プレートは、前記鉛直析出プレートによって占められる空間の大きさに対して、表面積を理論上最大限に近づくように拡張すべく選択された幾何学形状を有し、前記鉛直析出プレートは通電加熱され、前記鉛直析出プレートのそれぞれは表面を有する、段階と、
b.前記プレートをリアクタ容器内に設置する段階と、
c.還元されたシリコンを前記プレート表面上に析出させるために、加圧された析出ガス混合物を前記リアクタ容器内に流す段階であって、前記加圧された混合物は、前記鉛直析出プレート間の前記空間を通って流れ、前記鉛直析出プレートは、前記析出ガス混合物の還元反応を最適化する温度ではあるが、固体シリコンの構造特性に影響を与える温度を下回るような表面温度に加熱される、段階と、
d.前記還元されたシリコンが必要な量だけ析出した直後、前記プレートの材料と前記固体シリコンの析出層の残余との間に液体シリコンの薄膜を生成するために、前記プレートを加熱する段階と、
e.重力によって、前記液体シリコンの薄膜上で、前記鉛直析出プレートから前記析出されたシリコンの固体クラストを取り除く段階と、
f.前記液体シリコンの薄層を除去および廃棄するために、前記析出したシリコンの固体クラストが前記鉛直析出プレートから分離した後も前記鉛直析出プレートの加熱を継続する段階であって、前記プレートの表面は浄化され、別の析出サイクルのために使用することができる、段階と、
から構成されることを特徴とする方法。 - 前記シリコン析出ガス混合物は、水素、ならびに、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、他のシラン、およびそれらの混合物を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記少なくとも2つの鉛直析出プレートは、適切な構造、導電率、耐熱性、およびシリコンとの適合特性を有する材料で形成されることを特徴とする請求項1記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記少なくとも2つの鉛直析出プレートは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、タングステン、特定の黒鉛合成物、およびそれらの混合物を含むグループから選択された材料で形成される請求項3記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 高純度シリコンを製造する方法において、
a.シリコンとの適合性を有する少なくとも2つの鉛直析出プレートを形成する段階であって、前記鉛直析出プレートは、前記鉛直析出プレートによって占められる空間の大きさに対して、表面積を理論上最大限に近づくように拡張するために選択された幾何学形状を有し、前記鉛直析出プレートは通電加熱され、前記鉛直析出プレートのそれぞれは表面を有する、段階と、
b.前記プレートをリアクタ容器内に設置する段階と、
c.還元されたシリコンを前記プレート表面上に析出させるために、加圧された析出ガス混合物を前記リアクタ容器内に流す段階であって、前記加圧された混合物は、前記鉛直析出プレート間の前記空間を通って流れ、前記鉛直析出プレートは、シリコン・ベアリング・ガスの還元反応を最適化する温度ではあるが、前記固体シリコンの構造特性に影響を与える温度を下回るような表面温度に加熱される、段階と、
d.前記還元されたシリコンが必要な量だけ析出した直後、液体シリコンを生成するために前記プレートを加熱する段階と、
e.前記リアクタ内の適切なコンテナ内の前記液体シリコンを、必要な加熱を提供するために前記液体シリコン中に一部沈められた前記鉛直析出プレートを用いて収集する段階と、
f.制御された方法で液体シリコンを抽出する段階と、
g.前記液体シリコンの薄層を除去および廃棄するために、前記析出したシリコンが前記鉛直析出プレートから分離した後も前記鉛直析出プレートの加熱を継続する段階であって、前記プレートの表面は浄化され、別の析出サイクルのために使用することができる、段階と、
から構成されることを特徴とする方法。 - 前記シリコン析出ガス混合物は、水素、ならびに、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、他のシラン、およびそれらの混合物を含むグループから選択されることを特徴とする請求項5記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記少なくとも2つの鉛直析出プレートは、適切な構造、導電率、耐熱性、およびシリコンとの適合特性を有するが材料で形成されることを特徴とする請求項5記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記少なくとも2つの鉛直析出プレートは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、タングステン、特定の黒鉛合成物、およびそれらの混合物を含むグループから選択された材料で形成されることを特徴とする請求項7記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記液体シリコンを制御された方法で抽出する段階は、前記液体シリコンを多結晶シリコンのインゴットに結晶化させるために前記鉛直析出プレートの前記温度を低下させる段階を含む、前記鉛直析出プレートを制御された方法で取り出す段階を含むことを特徴とする請求項8記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記液体シリコンを制御された方法で抽出する段階は、前記液体シリコンを、コンテナおよびリアクタから、適切に構築された配管を通って、チョクラルスキ型結晶引上げ装置へポンプ輸送する段階を含むことを特徴とする請求項8記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 高純度シリコンを製造する方法において、
a.シリコンと適合性を有する少なくとも2つの鉛直析出プレートを形成する段階であって、前記鉛直析出プレートは、前記鉛直析出プレートによって占められる空間の大きさに対して、表面積を理論上最大限に近づくように拡張するために選択された幾何学形状を有し、前記鉛直析出プレートは通電加熱され、前記鉛直析出プレートのそれぞれは表面および鋸歯状の下端を有する、段階と、
b.前記プレートをリアクタ容器内に設置する段階と、
c.還元されたシリコンを被覆された表面上に析出させるために、加圧された水素ガスおよび液体シランを前記リアクタ容器内に流す段階であって、前記加圧された混合物は、前記鉛直析出プレート間の前記空間を通って充分に流れ、前記鉛直析出プレートは、トリクロロシランの還元反応を最適化する温度であって、還元されたシリコンの融点を超える表面温度に加熱される、段階と、
d.前記液体還元シリコンを前記鋸歯状の下端から滴下させて小滴を形成することによって、前記液体還元シリコンを前記鉛直析出プレートから取り除く段階と、
から構成されることを特徴とする高純度シリコンを製造する方法。 - 前記液体シランは、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、他のシラン、およびそれらの混合物を含む液体のグループから選択されることを特徴とする請求項11記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記少なくとも2つの鉛直析出プレートは、適切な構造、導電率、耐熱性、およびシリコンとの適合特性を有する材料で形成されることを特徴とする請求項11記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記少なくとも2つの鉛直析出プレートは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、タングステン、特定の黒鉛合成物、およびそれらの混合物を含むグループから選択された材料で形成されることを特徴とする請求項13記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記鋸歯状の下端は、均等な大きさの小滴を一定間隔で形成するために効果的な幾何学形状を有することを特徴とする請求項14記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記小滴は、個々のシリコン・ビーズを形成するために充分な時間を有し、このような冷却は、下方へ移動する前記小滴がシリコン析出水素ガス混合物と接触し、および/または、前記小滴が前記リアクタの底部において液体トリクロロシランおよび/または四塩化ケイ素のプールと接触することによって達成されることを特徴とする請求項14記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 高純度シリコンを製造する方法において、
a.電気的に加熱される電気ベース・ヒータをリアクタ容器に結合する段階と、
b.水素−液体シラン混合物を前記リアクタ容器内に流入させるための液体−ガス注入口を結合する段階と、
c.液体状態内で形成された気泡内で高純度シリコンを形成するために、水素−液体シラン混合物を、気化したシランおよび水素が反応する温度まで加熱する段階と、
d.前記水素−シラン混合物を停止する段階と、
e.前記高純度シリコンを取り出す段階と、
から構成されることを特徴とする方法。 - 前記高純度シリコンを取り出す段階は、多結晶シリコンの固体を形成し、その後それを前記リアクタ容器から取り出すために、液体シランの溜りを冷却することにより遂行されることを特徴とする請求項17記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記高純度シリコンを取り出す段階は、前記液体シリコンを、前記コンテナおよびリアクタから、適切に構築された配管を通って、単結晶シリコン製造用のチョクラルスキ型結晶引上げ装置へポンプ輸送することにより遂行されることを特徴とする請求項17記載の高純度シリコンを製造する方法。
- 前記液体シランは、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、他のシラン、およびそれらの混合物を含む液体のグループから選択されることを特徴とする請求項17記載の高純度シリコンを生産する方法。
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