JP2010523629A - 多発性硬化症のためのバイオマーカー - Google Patents

多発性硬化症のためのバイオマーカー Download PDF

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Abstract

多発性硬化症(MS)は、若年成人では最も一般的な神経学的疾患であり、引き続いて罹病期間の10〜15%の後には慢性的な機能障害および能力障害のリスクがある。当該分野ではMSの改良された診断試験の必要性が大きい。種々の病態生理学的機構に特異的なバイオマーカーのパネルの開発は、MSの病原性のさらなる理解、ならびに診断、分類、疾患活性および治療の適用のために重要であろう。本発明は、神経学的障害の診断、さらに詳細には、多発性硬化症の診断に関する。被験体が多発性硬化症を有するか否かを見分けるために用いられ得るバイオマーカーパネルが提供される。また、このようなバイオマーカーの特定の方法も記載される。

Description

本発明は、神経学的障害の診断、さらに詳細には、多発性硬化症の診断に関する。被験体が多発性硬化症を有するか否かを見分けるために用いられ得るバイオマーカーパネルが提供される。また、このようなバイオマーカーの特定の方法も記載される。
多発性硬化症(MS)は、米国で350,000人、および世界で250万人を上回る人に罹患している。米国での有病率は100,000人あたり5〜119人の間で変化すると推定され、医療費は米国だけで毎年100億ドルを超えると推計される。多発性硬化症は、若年成人では最も一般的な神経学的疾患であり、引き続いて罹病期間の10〜15%の後には慢性的な機能障害および能力障害のリスクがある。この疾患は、患者の80〜90%において、CNS内の多発性病巣に起因し得る再発性の神経学的障害(再発)により最初に特徴づけられる。さらなる疾患の経過は、良性から古典的な再発−寛解(RR)、一次的(PP)および二次的(SP)慢性進行性に変化するか、またはまれな劇症の疾患経過をたどる。MSは自己免疫由来と考えられ、種々の程度の病巣性炎症、脱髄、軸索損傷、神経膠症瘢痕および萎縮の種々の程度によって、ただし、またCNSにおける再ミエリン化および再生によっても、神経病理学的に特徴づけられる。これによって、MSの概念は、臨床的な変動をともなう、脱髄の4つの病理学的機構に関する異種疾患としてもたらされる1,2。これらの病原性のサブタイプのうちの1つは、MS病変の形成に関与する抗体依存性の免疫機構によって神経病理学的に特徴付けられる1、3
過去数年間の間、自己反応性のB細胞および自己抗体の重要な役割が実証されている。近年の研究では、MSを有する患者のCNSおよび脳脊髄液(CSF)における抗体分泌B細胞のクローンの増殖が一様に示された5、6。さらに、神経学的疾患を有する患者のCSFにおける少クローン性の抗体の検出は、MSの存在に関連している。多くの研究で、MS患者のCSFおよび血清に、ただし、また他の炎症性神経学的疾患(OIND)および非炎症性神経学的疾患(NIND)を有する患者、ならびに健康な対照者にも存在する自己抗体による、中枢神経系(CNS)ミエリン自己抗原、例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドリポタンパク質、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質、ミエリン会合糖タンパク質の認識が報告されている7−11
内科医は、数例の患者では病気の発現の直後にMSを診断できる。しかし、他の例では、医師は、症状の原因を容易に特定することができない場合があり、これは数年の不確実性および複数の診断につながる。患者の大部分は軽い罹患であるが、最悪の場合には、MSによって人は書くことも、しゃべることも、歩くこともできないようになる場合がある。不幸なことに、MSを証明するかまたは妨げるために利用可能な単独の臨床検査はまだない。従って、当該分野ではMSの改良された診断試験の必要性が大きい。種々の病態生理学的機構に特異的なバイオマーカーのパネルの開発は、MSの病原性のさらなる理解、ならびに診断、分類、疾患活性および治療の適用のために重要であろう。
本発明では、本発明者らは、MS患者に極めて特異的である自己抗体結合ペプチド/タンパク質の特定を報告している。得られた結果はまた、罹病期間、能力障害および疾患の種々の臨床経過と相関する。これらの選択されたペプチドに対する自己抗体のプロフィールは、MSの特異的な検出のためのバイオマーカーのパネルとして用いられ得る。
正常な組織における新規の抗原性標的の発現プロフィール。発現パターンは、UH−CSF1.4およびUH−CSFP1.7に示される。下部のパネルは、アクチンプローブでのコントロールのハイブリダイゼーションを示している。レーン1:脳;レーン2:心臓;レーン3:骨格筋;レーン4:結腸;レーン5:胸腺;レーン6脾臓;レーン7:腎臓;レーン8:肝臓;レーン9:小腸;レーン10:胎盤;レーン11:肺;レーン12:末梢血リンパ球。 E.coliでのUH−CSFP1.7およびUH−CSFP1.8タンパク質発現。UH−CSFP1.7を抗原としてクローニングして(6.1kDa)、UH−CSFP1.8タンパク質を部分タンパク質(13.3kDa)および16,7kDaのチオレドキシン融合(Hisタグ)を有する全長タンパク質(20.3kDa)としてクローニングして、これによってUH−CSFP1.7については22,8kDaのタンパク質、およびUH−CSFP1.8(SPAG16タンパク質)については30kDaの部分的および37kDaの全長のバンドを、クマーシーブルー染色後のSDS−PAGEで得た。 SAS手順。a.ファージ提示されたMSのcDNAレパートリーをMS患者CSF抗体とともにプレインキュベートする。b.ファージ上で提示されたMS特異的抗原(黒)は、MS抗原特異的な患者のIgG(黒)に結合する。c.ファージ抗原−IgG複合体(黒)は、ポリクローナル抗ヒトIgG(チェックのもの)でコーティングされた表面上に捕獲される。d.無関係のファージが洗い流され、CSF−IgG特異的ファージが溶出される。e.選択されたファージを細菌の再感染のために用いる。f.選択されたファージを増幅して、さらなる回の選択に用いる。 溶液相アッセイによって、UH−CSFP1.1に対するCSF抗体の高い親和性および特異性が示される。UH−CSFP1.1ペプチドを、それぞれ、MS−CSF8およびMS−CSF26を用いる種々の希釈物とプレインキュベートして、引き続き、残りの免疫反応性をELISAで測定した。UH−CSFP1.1ペプチドによる競合が示される。ランダムなペプチドでは競合は測定されなかった。 ELISAアッセイによって試験される10個のランダムなクローンのうちUH−CSFP1.1ペプチドに対する反応性を示す棒グラフ。クローン7では陽性のシグナルが得られた。 UH−CSFP1.3およびUH−CSFP1.6(部分)のタンパク質発現。 UH−CSFP1.1、UH−CSFP1.2,UH−CSFP−1.4,UH−CSFP1.5および陰性コントロールに対する8個の各CSFサンプルの反応性。 16例の無作為に選択されたMS患者、15例のNIND/OIND患者および16例の健常対照者由来の血清における、UH−CSFP1.6に対する抗体反応性。水平の線は、カットオフ値を示す。
本発明の目的および詳細な説明
本発明では、本発明者らは、患者での多発性硬化症(MS)の検出のために用いられ得るバイオマーカーのセットを特定した。バイオマーカーは、血清学的抗原選択(SAS)の技術で単離し、ここで、多発性硬化症に罹患している患者での脳脊髄液(CSF)中に存在する抗体に結合する抗原(すなわち、バイオマーカー)を特定した。さらに詳細には、MSの脳プラーク由来のcDNA産物(繊維状ファージM13の小型コートタンパク質pVIに対する融合物として発現された)を含むcDNAファージディスプレイライブラリーをパンニングして、MS患者由来のCSF試料中の自己抗体に結合するcDNAクローンを特定した。MS患者および対照者を識別するのに86%の特異性および45%の感度を示す8つの抗原性cDNA標的のバイオマーカーパネルを読み取った。MSが疑われる患者の即時(初期)診断における役割以外に、バイオマーカーパネル(すなわち、抗原性cDNA標的)を用いて、MS患者の小分類を補助してもよい。
従って、第一の実施形態では、本発明は配列番号1〜8のいずれかによって提示される配列を含む少なくとも2つの異なるポリペプチド、または配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントを含む組成物を提供する。このような組成物は本明細書ではまた、バイオマーカーと、またはバイオマーカーパネルと命名される。配列番号1〜8は、MS患者の脳脊髄液(CSF)に対するファージディスプレイのMSのcDNA発現ライブラリーの選択によって読み出される抗原の翻訳されたアミノ酸配列と対応する。従って、UH−CSFP1.1の挿入の翻訳は、配列番号1に対応し、UH−CSFP1.8の挿入物の翻訳は配列番号8に相当する(表3を参照のこと)。配列番号1〜8をコードするヌクレオチド配列は、配列番号9〜16に示される(ここで配列番号9は配列番号1をコードし、かつ配列番号16は配列番号8をコードする)。従って、組成物は、少なくとも2つの種々のポリペプチドを含み、ここでこのようなポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7または8によって示されるような配列を含む。このことは、この組成物中に存在するポリペプチドはまたタンパク質であってもよいことを意味する。ある実施例のとおり、配列番号8は部分的な13.3kDaのタンパク質(SASを用いて検出されたタンパク質産物)としてクローニングされた。配列番号8(UH−CSFP1.8に相当)はSPAG16タンパク質(その全長は37kDaである)のフラグメントであるので、この組成物はまた、全長SPAG16タンパク質を含んでもよい。本発明の組成物はまた、少なくとも2つの異なるポリペプチドを含んでもよく、ここでこのポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7または8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントである。配列番号1〜8由来の5連続するアミノ酸は、例えば、血清またはCSFに存在する自己抗体によって抗原として認識されるのに十分であると想定される。
特定の実施形態では、この組成物は、配列番号1〜8から選択される配列を含む8つの異なるポリペプチド、または配列番号1〜8由来の少なくとも5連続するアミノ酸を含む8つの異なるフラグメントを含む。
別の特定の実施形態では、この組成物は、配列番号4、5、6および7によって示される配列を含む4つの異なるポリペプチド、または配列番号4、5、6および7由来の少なくとも5連続するアミノ酸を含む4つの異なるフラグメントを含む。
別の実施形態では、本発明は、この組成物に存在する少なくとも1つのポリペプチドに対する特異的な抗体(この抗体は哺乳動物の体液中に存在する)の存在を検出するための本発明の組成物の使用を提供する。
別の特定の実施形態では、本発明は、このような組成物に存在する少なくとも1つのポリペプチドに対する特異的な自己抗体(ここでこの自己抗体は哺乳動物の体液中に存在する)の存在を検出するための本発明の組成物の使用を提供する。特定の実施形態では、組成物のこの用途は、組成物の「インビトロ」の使用である。後者は患者との直接の関係なしの診断方法を意味する。「体液」という用語は、血液、血清、血漿、唾液、尿、涙液、骨髄液、脳脊髄液(CSF)、滑液、リンパ液、羊水、乳頭吸引液などを包含する。分析に好ましい体液とは、患者から簡便に得られる体液であり、とくに好ましい体液としては、血清、血漿およびCSFが挙げられる。
さらに別の実施形態では、本発明は哺乳動物での多発性硬化症を検出するための方法を提供し、この方法はi)この哺乳動物由来の体液中の少なくとも1つの抗体の存在を検出する工程であって、この抗体が配列番号1〜8からなる群より選択される配列を含むポリペプチドまたは配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントに対する特異性を有し、ここでii)この抗体の存在または質はこの哺乳動物が多発性硬化症に罹患していることを示す、工程を包含する。
さらに別の実施形態では、本発明の哺乳動物において多発性硬化症を検出するための方法を、米国特許出願公開第20040043431号に記載されているMSマーカー、詳細には、この出願の請求項5、6、7、8、9および10に記載のマーカーの検出と組み合わせる。
さらに別の実施形態では、本発明は、哺乳動物の多発性硬化症の予後/疾患を評価するための方法を提供し、この方法は、i)この哺乳動物由来の体液中の少なくとも1つの抗体の存在または量を検出する工程であって、この抗体が配列番号1〜8からなる群より選択される配列を含むポリペプチドまたは配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントに対する特異性を有する工程を包含し、ここでii)この抗体の濃度の減少または増大はこの哺乳動物における多発性硬化症の予後を示す。
さらに別の実施形態では、本発明は、多発性硬化症の特異的な治療処置のための哺乳動物を選択するか、または哺乳動物において多発性硬化症の治療処置を評価するための方法を提供し、この方法はi)この哺乳動物由来の体液中の少なくとも1つの抗体の存在または量を検出する工程であって、この抗体が配列番号1〜8からなる群より選択される配列を含むポリペプチドまたは配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントに対する特異性を有する工程を包含し、ここでii)この抗体の濃度の増大または減少によって、この哺乳動物における多発性硬化症の特異的な治療処置の選択がもたらされる。
好ましい実施形態では、この体液はCSFである。
さらに別の好ましい実施形態では、この体液は血清である。
別の好ましい実施形態では、この哺乳動物はヒトである。
さらに別の実施形態では、本発明は、配列番号1〜8からなる群より選択されるポリペプチド、または配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントを含む群より選択されるポリペプチドに対して特異的に結合する抗体を提供する。抗体を生成する方法は、当該分野で周知である。好ましい実施形態では、この抗体は、モノクローナル抗体である。抗体の生成の目的に関しては、本発明の組成物の一部を形成するポリペプチドが化学的に合成されてもよいし、または組み換え方法で作製されてもよい。それらはまた、合成後、または組み換え産生後に可溶性の担体に結合されてもよい。担体が用いられる場合、このような担体の性質は、5000を超える分子量を有するものでなければならず、かつ抗体によって認識されるべきではない。このような担体はタンパク質であってもよい。担体として高頻度に用いられるタンパク質は、キーホール・リンペット・ヘモシアニン、ウシγグロブリン、ウシ血清アルブミン、およびポリ−L−リジンである。担体に対してポリペプチドを結合するための十分記載された多くの技術がある。この結合はN末端で生じても、C末端で生じても、またはペプチドの内部で生じてもよい。このポリペプチドはまた、カップリングのために誘導されてもよい。このポリペプチドはまた、オリゴ−リジンコア上に直接合成されてもよく、ここではリジンのαアミノ基およびεアミノ基の両方をポリペプチドの成長点として用いる。コアを含むリジンの数は好ましくは3または7である。さらに、システインは、ホモ二量体またはヘテロ二量体の形成を容易にするために複合体のC末端にまたはその付近に含まれてもよい。
一般論として、本発明はMSに関連する抗体を、その抗体を含む可能性がある哺乳動物の生物学的サンプル中で検出するためのプロセスに関し、このプロセスは、この生物学的サンプルと、本発明による組成物とを、この組成物と抗体(この生物学的サンプル中に存在する可能性がある)との間の免疫学的反応を可能にする条件下で接触させる工程、および形成され得る抗原/抗体複合体の検出を包含する。この検出は、任意の古典的なプロセスで行うことができる。例えば、ELISA技術による免疫酵素的プロセス、または免疫蛍光もしくは放射性免疫学的(RIA)または等価なもの(例えば、LINEブロットまたはLINEアッセイ)を用いてもよい。従って、本発明はまた、適切な酵素型標識、蛍光型標識、ビオチン標識、放射性活性型標識によって標識された本発明のポリペプチドに関する。MSに関する抗体を検出するためのこのような方法は、例えば、以下の工程を包含する:支持体上へ(例えば、滴定マイクロプレートのウェル中へ)の所定の量の本発明によるポリペプチド組成物の沈着、診断されるべき体液(例えば、CSF)の希釈を増大するこのような支持体への(例えば、ウェルへの)導入、支持体(例えば、マイクロプレート)のインキュベーション、支持体(例えば、マイクロプレート)の反復リンス、体液中に存在する免疫グロブリンに特異的である支持体標識抗体への導入、少なくとも所定の波長で後者の照射の吸収を改善することにより基質を加水分解することが可能なものから選択される酵素の活性に基づいてこれらの抗体を標識すること、加水分解された基質の量のコントロールの標準と比較することによる検出。
さらに別の実施形態では、本発明はまた、MSの抗原を、それを含むおそれのある体液中で検出および特定するためのプロセスに関しており、このプロセスは:生物学的サンプルと本発明の適切な抗体(すなわち、組成物のポリペプチドに特異性を有する抗体)とを、この抗体とMSの抗原(生物学的サンプル中で存在する可能性がある)との間の免疫学的反応を可能にする条件下で接触させる工程と、形成され得る抗原/抗体複合体の検出をと包含する。
従って、本発明のポリペプチドを認識する抗体、特に自己抗体は、種々の方法で検出され得る。検出の一方法はさらに、この実施例に記載され、ファージによって提示される本発明のポリペプチドの酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いる(すなわち、ファージ−ELISA技術)。後者の技術は、Somers Vら(2005)J.of Autoimmunity 25:223〜228に詳細に記載され、この225ページの2.6段落が本明細書に特に援用される。ELISAでの検出における他の方法では、ポリペプチドまたはポリペプチドの混合物は、固体支持体に結合される。ある場合には、固体支持体はマイクロタイタープレートであるが、原則的には任意のいくらか不溶性の固相(例えば、ガラス、ニトロセルロース)であってもよい。一実施形態では、試験されるべき例えば、CSFまたは血清の適切な希釈物(単数または複数)を、固相と接触させて、ここにポリペプチドを結合させる。別の実施形態では、「溶液ハイブリダイゼーション」を行い、ここでは高い親和性の相互作用が生じる(例えば、組成物のビオチン化ポリペプチドをCSFとプレインキュベートする)。インキュベーションは、結合反応を生じさせるのに必要な時間行う。引き続き、未結合の成分を、固相を洗浄することによって除去する。免疫複合体(すなわち、本発明の少なくとも1つのポリペプチドに対して結合する例えばヒトCSFに存在する自己抗体)の検出は、ヒト免疫グロブリンに特異的に結合し、酵素(好ましくは、限定はしないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはβガラクトシダーゼ)(無色もしくはほぼ無色の基質または補基質を、高度に着色された生成物、または色素原と着色された複合体を形成し得る生成物に変換し得る)で標識されている抗体を用いて達成される。あるいは、この検出システムは適切な基質(単数または複数)の存在下で光を放射する酵素を使用し得る。形成される生成物の量は、視覚的に、分光光度的に、電気化学的に、蛍光的にまたは発光定量的に検出され、同様に処理されたコントロールと比較される。この検出システムはまた、放射性標識された抗体を使用してもよく、この場合、免疫複合体の量は、シンチレーションカウンティングまたはγカウンティングによって定量される。用いられ得る他の検出システムとしては、Staphylococcus aureusのCowan株I由来のプロテインA、C群のStaphylococcus sp.(株26RP66)由来のプロテインGに基づくシステム、または高い親和性のビオチン−アビジンもしくはストレプトアビジン結合反応を利用するシステムが挙げられる。
本発明のポリペプチドは、標識されても未標識であってもよい。使用され得る標識は、任意のタイプであってもよく、例えば、酵素標識、化学標識、蛍光標識、発光標識または放射性標識であってもよい。さらに、ポリペプチドは、表面または固相、例えば、マイクロタイタープレート、ナイロンメンブレン、ガラスもしくはプラスチックビーズ、およびクロマトグラフィー支持体、例えば、セルロース、シリカまたはアガロースなどに対する結合のために改変されてもよい。ポリペプチドが固体支持体または表面に対して固着または結合され得る方法は、当業者に周知である。
本発明のポリペプチドは、ペプチド合成の分野で古典的な技術に従って調製され得る。この合成は、均一溶液中で、または固相中で行われてもよい。例えば、用いられ得る均一溶液中の合成技術は、E.Wunsh編集、vol.15−l et II.THIEME,Stuttgart 1974「Methode der organischen chimie」(Method of organic chemistry)というタイトルの本でHoubenweylが記載した一技術である。本発明のポリペプチドはまた、「Solid phase peptide synthesis」というタイトルの本(Ed.IRL Press,Oxford,NY,Tokyo,1989)において、AthertonおよびShepardによって記載された方法に従い固相に調製されてもよい。当該分野の合成プロトコールは一般には、t−ブトキシカルボニルまたは9−フルオレニルメトキシ−カルボニル−保護活性化アミノ酸の使用を使用する。合成を行うための手順、側鎖保護のタイプ、および切断方法は、例えば、StewartおよびYoung,Solid Phase Peptide Synthesis,第2版、Pierce Chemical Company,1984;ならびにAthertonおよびSheppard,Solid Phase Peptide Synthesis,IRL Press,1989に十分に記載される。
さらに別の実施形態では、本発明のポリペプチド(または担体結合ポリペプチド)に対して惹起された抗体はまた、競合アッセイによって血清またはCSF中に存在する(自己)抗体の検出のために本発明の標識されたポリペプチドと組み合わせて用いられてもよい。この場合、ポリペプチドに対して惹起された抗体は、固体支持体に結合され、この支持体は、例えば、プラスチックビーズまたはプラスチックチューブであってもよい。次いで、標識されたポリペプチドを、試験されるべき液体(例えば、CSF)の適切な希釈物と混合して、その混合物を引き続き、固体支持体に結合された抗体と接触させる。適切なインキュベーション期間の後、その固体支持体を洗浄して、標識されたポリペプチドの量を定量する。固体支持体に対して結合された標識の量の減少は、もとのサンプル中の(自己)抗体の存在の指標である。同様に、このポリペプチドはまた、固体支持体に結合されてもよい。次いで、標識された抗体を、ポリペプチドの量が制限される条件下でサンプル(例えば、CSF)中に存在する(自己)抗体と競合させてもよい。以前の実施例と同様、測定されたシグナルの減少は、試験されたサンプル中の(自己)抗体の存在の指標である。
特定の実施形態では、本発明の組成物に存在する1つ以上のポリペプチドが、例えば、血清のCSFに存在する抗体(例えば、多発性硬化症患者のCSFに存在する自己−抗体)によって認識されるという事実の証拠を得るための試験はイムノブロッティング(またはウエスタンブロッティング)分析である。後者の場合、ポリペプチドは、化学的に合成されてもよいし、またはポリペプチド(またはタンパク質)は、組み換え技術を介して産生されてもよい。要するに、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動後、本発明のポリペプチドを,Towbin,Hら,1979,「Electrophoretic transfer of proteins from polyacrylamide gels to nitrocellulose sheets:procedure and some applications」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:4350〜4354に記載されるように、ニトロセルロースメンブレン(例えば、Hybond C.(Amersham))にブロットする。CSFによる本発明のポリペプチド(またはタンパク質)の選択的な認識を特定するために、ニトロセルロースシートを、これらのサンプル(例えば、1:50希釈)のお互いとともに一晩インキュベートする(a−特異的タンパク質結合部位をブロックした後)。ニトロセルロースシート上の反応性の領域を、4時間の間、例えば、ヤギ抗ヒト免疫グロブリンG抗体と結合されたペルオキシダーゼ(例えば、1:200希釈)とのインキュベーションによって明らかにし、繰り返し洗浄した後に、色の反応を、過酸化水素の存在下で、例えば、α−クロロナフトール(Bio−Rad Laboratories,Richmond,Calif.)を添加することによって発色する。
本発明のポリペプチドの構成の一部であるアミノ酸のいくつかに存在する遊離の反応性基、特に遊離のカルボキシル基(基GluおよびAspによって、または他方の上のC末端アミノ酸によって担持される)、および/または遊離のNH2基(N末端アミノ酸によって、または他方の上のペプチド鎖内のアミノ酸、例えば、Lysによって担持される)は、改変がポリペプチドの上述の特性を変化しない限り改変されてもよいことは言うまでもない。このように改変されるポリペプチドは通常は本発明の一部である。上述のカルボキシル基は、アシル化されても、またはエステル化されてもよい。他の改変も本発明の一部である。特に、アミンもしくはカルボキシル基、または両方の末端アミノ酸は、それ自体が他のアミノ酸との結合に含まれ得る。例えば、N末端アミノ酸は、1〜数個のアミノ酸を含む別のペプチドのC末端アミノ酸に連結されてもよい。
さらに、本発明によるポリペプチドの1つまたはいくつかのアミノ酸の置換による、および/または付加による、および/または欠失による改変から生じる任意のペプチド配列は、この改変が当該ポリペプチドの上述の特性を変更しない限り、本発明の一部である。本発明によるポリペプチドは、Asn−X−SerまたはAsn−X−Thr(Xは任意のアミノ酸に相当する)のタイプのそれらのグリコシル化部位の特にいくつかにおいて、グリコシル化されてもされなくてもよい。
本発明の組成物に含まれる有利な組み換えポリペプチドは配列番号6である、なぜなら、このポリペプチドは、MS患者のCSFにおいて最高頻度の抗体応答を示し、対照の患者では反応はないからである。
これらのポリペプチドのバリエーションも、その使用意図次第で可能である。例えば、ポリペプチドが抗血清を惹起するために用いられる場合、ポリペプチドは、付加される余分のシステイン残基で合成されてもよい。この余分のシステイン残基は好ましくは、アミノ末端に付加されて、小さいポリペプチドを免疫原性にさせるために必要である、担体のタンパク質に対するポリペプチドの結合が容易になる。ポリペプチドをラジオイムノアッセイでの使用のために標識する場合、アミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかにチロシンが結合されているタンパク質を合成してヨウ素化を容易にすることが有利である場合がある。従って、このポリペプチドは上述のポリペプチドの一次配列を保有し、ただしこのタンパク質の一次配列にはみられないアミノ酸が追加されており、その唯一の機能とは、ポリペプチドに対して所望の化学的特性を付与することである。
さらに別の実施形態では、本発明は、MSを診断するためのキットを提供する。MSの診断方法を行うために、以下の必需品またはキットを用いてもよく、この必需品またはキットは以下を含む:本発明による組成物(配列番号1〜8から選択される少なくとも1つのポリペプチドを含む)、または配列番号1〜8由来の少なくとも5連続するアミノ酸を含む少なくとも1つのフラグメント、免疫学的反応が生じるために適切な培地を作製するための試薬、免疫学的反応によって生成された抗原/抗体複合体を検出できる試薬(この試薬は可能性として標識を有するか、またはさらに詳細には、上述のポリペプチドが標識されていない場合、標識試薬によって認識されやすい)。
本発明の他の特徴および利点は、以下の実施例、および本発明を例示する図面にみられる。
1.MSのCSFによるファージディスプレイのMSのcDNAライブラリーの富化
MSのcDNAディスプレイライブラリーを作製するために、脱髄および炎症活性の程度が異なっている、活性な慢性MSプラーク由来の正規化cDNAライブラリー(もともとpT7T3−Pacベクター中にクローニングされた)を、M13繊維状ファージディスプレイベクターであるpSPA、BおよびC中にクローニングした。これらのベクターによって、MS脳プラーク由来のcDNA産物(ペプチド)を、タンパク質産物の正確な発現のための3つのリーディングフレーム中の繊維状ファージM13のマイナーなコートタンパク質pVIに対する融合物として発現可能である。1.1×10個のコロニー形成単位(cfu)という総ライブラリーサイズを得た。
MS患者の脳脊髄液に存在する自己抗体によって特異的に結合されるcDNA産物のMSのcDNAディスプレイライブラリー産物(提示されたペプチド)を富化するために、本発明者らは、10例の無作為に選択されたRRのMS患者のプールしたCSFで連続回の選択を行った(図3および表7を参照のこと)。各々4回の選択後、ファージクローンのレスキューの後に、MSのcDNAディスプレイライブラリー由来の単一の融合ペプチドを各々が保有する、富化されたファージクローンを、さらなる研究のために無作為に選択した。
2.富化されたファージクローンの特徴付け
富化されたクローンのうち、全部で52のクローンを選択した。cDNAインサートを配列決定して、翻訳されたタンパク質配列を決定した。配列分析によって、8つの抗原性標的が明らかになり、これを本発明者らは、UH−CSFP−ナンバー(University Hasselt−cerebrospinal fluid pool−number of the cloneの短縮である)によってアノテーションした。これらの配列は、正確なリーディングフレーム中で発現された公知のタンパク質に相当するだけでなく、発現された遺伝子の非翻訳領域、例えば、プロテオリピドタンパク質の3’UTR配列に対する相同性、またはフレーム配列外側に対する相同性も得られた(表3を参照のこと)。
最初の実験では、本発明者らは、8つの富化された抗原性cDNAに対する選択手順に用いられる個々のMSのCSF試料の反応性を評価した。RR−MS患者由来の10例のCSFサンプルのうち表4に示されるとおり、8つは、少なくとも2つのファージ−ペプチドクローンと反応した抗体を含んだ。これらのクローンを他のMS患者由来のCSF、ならびに他の炎症性の神経学的障害(OIND)および非炎症性の神経学的障害(NIND)を有する患者由来のCSFの大きいパネル上での引き続くスクリーニングに用いた。
選択手順に用いた10例のRR−MS患者のうち、対の血清サンプルも収集して、8つの富化された抗原性cDNAに対する抗体反応性についてスクリーニングするために用いた。CSFに存在する抗原特異的抗体を有する8例の患者のうち3例で、8つの抗原性cDNAのうち1つに対する反応性もまた対の血清で見出された。CSFで観察される陽性のシグナルと、血清で示される反応性との間には良好な関連があった。試験した個々のCSFに対するシグナルは、試験した個々の血清に対するものより高く、これは、抗体がクモ膜下腔内で産生されるとき、血清中に存在する抗原特異的抗体の希釈と一致している。CSF中で低い反応性が観察されるとき、同じ患者の血清では陽性のシグナルは見出されなかった。さらに、対の血清サンプルでは、抗体陰性のCSFを有する患者で反応性は示されなかった(データ示さず)。
3.MSパネルの詳細な血清学的分析
次に、クローンを選択手順に用いなかった個々のCSF試料の大きいパネルで試験した(MS患者についてはn=63(54例のRR−MS患者、3例のSP−MS患者および6例のPP−MS患者)、OIND患者についてはn=30、NIND患者についてはn=64)。167例の異なるCSF上の個々のファージcDNAクローンのファージELISAスクリーニングの結果を表5に示す。試験した全ての抗原は、コントロール群に比較したとき、MS群では排他的または優先的な反応性を示した。クローンUH−CSFP1.4−UH−CSFP1.7は、73のうち17例(23%)のMSのCSFで反応性を示したが、OINDおよびNINDのCSF試料に対して反応性は、観察されなかった。残りのクローン(UH−CSFP1.1−UH−CSFP1.3およびUH−CSFP1.8)は、コントロール群の13/94(14%)に比較した場合、MS群では25/73(34%)で高い反応性を示し、したがって、これらのクローンも、MS関連の血清学的プロフィールを有するクローンと定義された。
全体として、73例のうち33例(45%)のMS患者が、8つの抗原性標的のパネルのうちの少なくとも1つと反応性のCSF IgG抗体を示した。MSのCSFにおいては抗体応答の頻度が最高であって、コントロール群では反応がないことがUH−CSFP1.6で見出された。試験した全てのCSFサンプルが、等価な総CSFのIgG値を示した。高いIgG濃度を有するCSFサンプルを正常なCSF濃度範囲に正規化した。
4.新規なMSマーカーの発現パターン
コントロール群で反応性のない抗原性標的のノーザンブロット分析を種々の正常なヒト組織で行った。UH−CSFP1.4では、1.9kbの転写物が得られ、脳、心臓および胎盤で高度に、そして骨格筋、腎臓および肝臓ではそれより低い程度に発現された。UH−CSFP1.7では5,1kbという転写サイズが得られ、脳、心臓および骨格筋では高い発現が示された。転写物はUH−CSFP1.5およびUH−CSFP1.6では検出できなかった。
本発明者らはさらに、E.coliでのタンパク質発現について、4つの抗原性標的を選択した(UH−CSFP1.3、UH−CSFP1.6、UH−CSFP1.7、およびUH−CSFP1.8)。UH−CSFP1.7を抗原(6,1kDa)としてクローニングし、UH−CSFP1.8(SPAG16)タンパク質を、部分的(13,3kDa,SASを用いて検出されるタンパク質産物)および16,7kDaのチオレドキシン融合物(Hisタグ)を有する全長タンパク質(20,3kDa)としてクローニングし、これによってUH−CSFP1.7については22,8kDaのタンパク質、およびSPAG16タンパク質については30kDaの部分的および37kDaの全長バンドを、SDS−PAGEで、クマーシーブルー染色後に得た(図2を参照のこと)。
クローンUH−CSFP1.3およびUH−CSFP1.6の配列中のアンバー終止コドンの存在に起因して、部位指向性の突然変異誘発を行い、非抑制性のLMG194株での細菌タンパク質発現における使用のためのグルタミンコドン(単数または複数)を作製した。部位指向性の突然変異誘発後、UH−CSFP1.3を抗原としてクローニングして(6,11kDa)、チオレドキシンを含む22,8kDaのタンパク質を得た(図6を参照のこと)。毒性のせいで、UH−CSFP1.6全体は発現できなかった。従って、抗原のアミノ酸1〜52によってコードされるタンパク質の最初の部分(SASを用いて検出する場合)を産生して、これによってチオレドキシンを含む22,5kDaのタンパク質産物を得た(図6を参照のこと)。
5.自己抗体反応性および臨床のデータ
本発明者らは次に、本発明者らの抗原性パネルに対する反応性が、特定の疾患表現型と関連するか否かを決定した。8つの抗原性標的のうち少なくとも1つに対する自己抗体反応性が、RR−MS患者のうち30/64(47%)で、PP−MS患者のうち3/6(50%)で、SP−MS患者のうち0/3で示された。抗体陽性のMS患者および抗体陰性のMS患者における個体群統計学的変数およびEDSSスコアは表6に示される。抗体陽性患者と抗体陰性患者との間の年齢で相違は観察されなかった。抗体反応性は、診断の時点で数例の患者で観察可能で、罹病期間が短い(1年未満)患者だけでなく、罹病期間が10年より長い患者でも存在した。しかし、抗体反応性と罹病期間との間には相関は見出されなかった。
疾患重症度に対する抗体反応性の影響を評価するために、本発明者らは、抗体反応性とEDSSスコアとの間の関係を試験した。抗体反応性は、EDSSが3未満の患者のうち21/50(42%)で、EDSS=3または3,5の患者のうち6/11(54%)で、EDSS=4のMS患者のうち3/5(60%)で見出された。患者の大部分が8つの抗原性cDNAのパネルに対して反応性を示し、ここではEDSSスコアが増大していたが、相違は有意ではなかった。
6.液相アッセイ/競合ELISA
MSのCSFの観察された自己抗体の兆候がMSの脳プラーク由来のペプチドに起因するか否かを決定するために、UH−CSFP1.1について2つのMSのCSF試料(1つは陽性(MS−CSF8)および1つは陰性(MS−CSF26))を、クローンUH−CSFP1.1のcDNAインサートに相当する合成ペプチドUH−CSFP1.1(NH2−ASSRGYEDLRTF−COOH)と、および非特異的(ランダム)ペプチドとプレインキュベートした。図4に示されるとおり、UH−CSFP1.1ペプチドとのプレインキュベーションでは、MS−CSF8についての特異的なIgG抗体/ファージUH−CSFP1.1複合体の形成が明らかに阻害されたが、MS−CSF26については、阻害は見出されなかった。対照的に、クローンUH−CSFP1.1に対するCSF反応性は、ランダムなペプチドの付加によって阻害されなかった。
7.モノクローナル抗体産生
UH−CSFP1.1に対するマウスモノクローナル抗体は、KohlerおよびMilsteinによって開発されたハイブリドーマ技術に基づいて生成した(Kohler,GおよびMilstein,C.1973,Nature 256,495〜497)。図5は、ハイブリドーマ選択後のUH−CSFP1.1ペプチドに対する抗体反応性を示す。ハイブリドーマの10のランダムな試験したクローン由来の上清のODを、抗体産生のために最初のスクリーニングで開始する。陽性のELISAシグナルをクローン7について得た。このクローンのさらなるサブクローニングによって、UH−CSFP1.1ペプチドに対する抗体を産生するモノクローナルハイブリドーマ細胞株を得た。この産生されたモノクローナル抗体は、MS血清またはCSFサンプルについて以前に特定したのと同じエピトープ特異性を示した。これによって、UH−CSFP1.1抗原のさらなる分析が可能である。別のアプローチでは、本発明者らは、Balb/c雌性マウスの免疫のためのUH−CSFP抗原性標的を発現するファージ粒子を用いている。ファージディスプレイのペプチドを用いる利点は、それらが安価で、入手が容易であること、およびその抗原が、MS患者由来の血清またはCSF中で認識されるように、マウス免疫系で提示されることである。
8.ペプチド上のELISA
抗体反応性がまた、直鎖ペプチドに対しても観察されるか否かに取り組むため、本発明者らは、合成ペプチドに対してELISAを用いた(UH−CSFP1.1、UH−CSFP1.2、UH−CSFP1.4、およびUH−CSFP1.5)。図7に示されるとり、MS患者の4番は、クローンUH−CSFP1.1に対してCSF反応性を示したが、他のペプチドについては、反応性は見出されなかった。他のMS患者については、試験した任意のペプチドに対して反応性は示されなかった。これらの結果は、UH−CSFP1.1、UH−CSFP1.2、UH−CSFP1.4、およびUH−CSFP1.5についてのファージELISAの結果と一致した。
9.精製された組み換えタンパク質に対するELISA
UH−CSFP1.3、UH−CSFP1.6、UH−CSFP1.7、およびUH−CSFP1.8のタンパク質発現後(実施例4の第二段落に記載のとおり)、各々の精製された組み換えタンパク質の免疫反応性を血清中で測定した。図8は、16例の無作為に選択したMS患者、15例のNIND/OIND患者、および16例の健常対照者由来の血清中のUH−CSFP1.6に対する抗体反応性を示す。反応性は、MS患者では3/16で、NIND/OIND患者では1/15で示されたが、健康な対照者では反応性は見出されなかった。
10.免疫組織化学染色
モノクローナル抗体産生後(実施例7)、UH−CSFP1.1に対するマウスモノクローナル抗体を、実験的な自己免疫脳脊髄炎(EAE)ラット脳組織の免疫組織化学染色に用いた。UH−CSFP1.1に対するマウスモノクローナル抗体が血管の内皮層を染色し、大型ニューロンの細胞質染色を示したことが観察された。
材料および方法
1.患者および対照者
脳脊髄液サンプルは診断目的で腰椎穿刺を受けている、73例のMS患者、他の炎症(髄膜炎、多発性神経障害)を有する30例の患者、および非炎症性神経学的障害(ヘルニア、てんかん、痴呆、頭痛、アルツハイマー患者・・・)を有する64例の患者から入手した。MS患者は、McDonaldおよびPoserの基準14に従って診断した。研究集団の特徴は、表1に示す。73例のMS患者のうち28例から、対の血清サンプルを収集した。CSFおよび血清サンプルは、収集後、−80℃で保管した。この研究は、施設の倫理委員会で承認された。
2.pVIディスプレイのためのMSのcDNAライブラリーのクローニングおよびファージpVIディスプレイcDNAレパートリーの血清学的抗原選択(SAS)
種々の程度の脱髄および炎症性活性を有する、3つの活性な慢性MSプラーク由来の正規化cDNAライブラリー(1.0×10個の一次組み換え体)(Soares博士贈呈)を用いて、これを、繊維状ファージのマイナータンパク質pVIとの融合タンパク質としてクローニングすることによって、MSのcDNAディスプレイライブラリーを構築した。従って、そのライブラリーを、各々が3つのリーディングフレームのうちの1つをコードする、pSPVIA、pSPVIB、およびpSPVICと名づけられた、本発明者らのファージディスプレイベクターに移入した15。クローニングの手順の詳細は15に記載される。
SAS手順を、以前に記載のとおり行った(Somers,JI)15。要するに、10例の無作為に選択された未処理の再発寛解(RR)−MS患者のCSFサンプルをプールして、親和性選択に用いた。親和性選択に用いた患者の特徴は、表2に示す。選択手順の開始前に、15に記載されるとおり、Escherichia coli(E.coli)およびファージ抗体に対してCSFサンプルを吸収させた。吸着後、プールしたCSFを−20℃で保管した。引き続き、プールした事前吸収したCSFを選択手順に用いた。親和性選択を前記のとおり行った15。要するに、イムノチューブ(immunotube)(Nunc,Roskilde,Denmark)を、コーティング緩衝液(0.1Mの炭酸水素ナトリウムpH9.6)中のウサギ抗ヒトIgG(Dako,Glostrup,Denmark)を用いて37℃で2時間、コーティングした。イムノチューブを0.1%のTween20を含有するリン酸緩衝化生理食塩水で2回、およびPBSで2回洗浄した後、そのチューブを2%のMPBS(PBS中2%の粉乳)で2時間ブロックした。初回の選択手順のために、3つのファージディスプレイベクターpSP6A、BおよびC中にクローニングされたMSのcDNAライブラリーからファージを調製した。ファージは、以前に記載のとおり調製した16。ほぼ1013個のファージを、プールされた事前吸着されたCSF(4%のMPBS中で1:5希釈)に加えて、回転プラットフォーム上で、RTで1.5時間インキュベートした。コーティングしたイムノチューブをPBSTで2回、およびPBSで2回洗浄した後、プレインキュベートしたCSFおよびファージミックスを、このコートされたイムノチューブに移して、回転プラットフォーム上で30分間インキュベートして、室温に120分静置した。次いで、チューブをPBSTおよびPBSで排他的に洗浄して、非結合ファージを除去した。結合ファージを100mMのトリエチルアミンで溶出して、前記17のように1MのTris HClで中和した。E.coli TG1細胞を、インプットおよびアウトプットファージで感染させて、各回の選択でアンピシリンおよびグルコースを含有する2×TY寒天プレート(16g/lのバクト−トリプトン、10g/lの酵母エキス、5g/lのNaCl、15gのバクト−アガー/l、アンピシリンを100μg/mlおよびグルコースを2%)にプレートした。得られたコロニーをスクラップにして、ファージをそれ以上の回の親和性選択のためにレスキューした。特定のクローンの富化をモニターするために、選択の各々の回からのインプットファージおよびアウトプットファージを滴定して、アウトプット/インプットのファージの比を決定した。数回の選択後、個々のコロニーを選択して、その挿入サイズおよび配列を15に記載のように決定した。配列をBLAST相同性検索のためにGenBankに提出した。
3.ファージELISA
リガンド提示ファージのELISAは、15に記載のとおり行った。各々のファージペプチドの免疫反応性は、空のファージに対する抗体反応性によって検出された内部コントロールシグナルに関して測定した。競合ELISAについては、CSFを、0〜50pmol/50μlの合成ペプチドUH−CSFP1.1(NH2−ASSRGYEDLRTF−COOH)またはランダムなペプチドの存在下でプレインキュベートした。引き続き、ファージUH−CSFP1.1に対する免疫反応性を、標準的なファージELISA手順に従って決定した。
4.ノーザンブロット分析
プラスミドを、製造業者の指示に従ってQiagen Plasmid Midi Kitを用いて単離した。この単離したプラスミドをEcoRI/NotI消化して、切り出したDNAをゲル精製した(GFX(商標)PCR DNAおよびGel Band Purification Kit,GE Healthcare,Brussel,Belgium)。この切り出したDNAフラグメントをノーザンブロットのプローブとして用いた。プローブは、High Prime DNA Labeling Kit(Roche,Vilvoorde,Belgium)を用いて[α32P]で標識した。要するに、50ngの切り出したDNAを最初10分間、沸騰水中で変性して、氷上で直ちに冷却した。標識混合物をDNAに加え、37℃で45分インキュベーション後、その反応物を0,2MのEDTAの添加によって停止した。標識したDNAをSephadex G75カラムを用いて精製し、シンチレーションカウンターを用いて放射能を測定した。
ノーザンブロットは、Multiple Tissue Northern(MTN(商標))Blot(BD Biosciences,Erembodegem,Belgium)を用いて行った。要するに、標識したDNAまたはヒトβアクチンのcDNAコントロールプローブを97℃で5分間変性して、ただちに氷上で2〜3分間冷却した。ExpressHyb溶液でのブロッティング膜のプレハイブリダイゼーション後、放射性標識したプローブを添加し(2〜10ng/mlまたは1〜2×10cpm/ml)、ハイブリダイゼーションを68℃で一晩行った。3回の洗浄後、ブロッティング膜を−70℃でX線フィルムに曝し、Gevamatic60(Agfa Gevaert,Mortsel,Belgium)を用いて発色した。
5.pBAD/Thio−TOPOベクター中の抗原性cDNAのクローニングおよび組み換えタンパク質の発現
数個の抗原性cDNAをpBAD/Thio−TOPOベクター(Invitrogen Life Technologies,Merelbeke,Belgium)にクローニングして、製造業者の指示に従ってLMG194細胞中に形質転換した。アンピシリンを補充したLBブロス基本培地(Invitrogen Life Technologies,Merelbeke,Belgium)中でクローンを培養した。araBADプロモーター(pBAD)によって駆動されたE.coli中の発現を、0.2%のアラビノースの添加によって誘導した。組み換えタンパク質を、His−Patchチオレドキシンへの融合物として発現し、製造業者の指示に従ってNi−NTAビーズ(Qiagen,Venlo,the Netherlands)によって精製した。正確なサイズのタンパク質の発現は、SDS−PAGEによって確認した。タンパク質の同一性は、質量分析法によって確認した。
クローンUH−CSFP1.3およびUH−CSFP1.6のヌクレオチド配列におけるアンバー終止コドンの存在に起因して、部位指向性突然変異誘発(Quikchange Site−Directed Mutagenesis Kit,Stratagene)を、製造業者の指示に従って行い、非抑制LMG194株における細菌タンパク質発現での使用のためのグルタミンコドン(単数または複数)を作製した。UH−CSFP1.6については、抗原のアミノ酸1−52(SASを用いて検出される場合)によってコードされるタンパク質の最初の部分を生成した。
6.統計学的分析
統計学的分析はGraphPad Prismバージョン4.0を用いて行った。抗体陽性および抗体陰性の個体の定量的な個体群統計学的変数を、t検定を用いて比較し、カイ二乗検定を用いてカテゴリ変数を比較した。p値が0.05未満であることを統計学的に有意とみなした。種々のマーカーの間の相関を線形回帰分析によって決定した。
7.モノクローナル抗体産生
UH−CSFP1.1のマウスモノクローナル抗体を、KohlerおよびMilstein(Kohler,GおよびMilstein,C,1973,Nature 256,495〜497)によって開発されたハイブリドーマ技術にしたがって産生した。そのサイズが小さいせいで、UH−CSFP1.1ペプチドを、Balb/c雌性マウスの免疫のための担体(UH−CSFP1.1)(Eurogentec)としてキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に結合させた。150μgのUH−CSFP1.1−KLHを用いた3つの腹腔内免疫後、脾臓細胞を単離して、マウス骨髄腫細胞株(Sp2/0)と融合した。HAT培地中で培養することによって融合されたハイブリドーマの選択後、得られたハイブリドーマ細胞株のスクリーニングは、コーティングされたUH−CSFP1.1ペプチド(Eurogentec)および細胞株上清を用いるペプチドELISAによって行った。サブクローニング後、モノクローナルハイブリドーマ細胞株を得て、これによってUH−CSFP1.1ペプチドに対する抗体を産生させた。
8.ペプチドでのELISA
ELISA実験のために、96ウェルのELISAプレート(Greiner)をPBS中の1μg/mlのペプチド(UH−CSFP1.1、UH−CSFP1.2、UH−CSFP1.4、およびUH−CSFP1.5)の100μlを用いてコーティングして、RTで一晩保持する。次いで、PBS 0.05%Tween 20でウェルを3回洗浄して、ブロッキング緩衝液(PBS中の2%脱脂乳)を用いてRTでブロックした。PBSの0.05%Tween20を用いる3回の洗浄後、プレートを、100μlの希釈サンプル(CSF1:5希釈および血清、ブロッキング緩衝液中で1:100希釈)を用いてRTで2時間インキュベートする。PBS−Tを用いる数回の洗浄後、ウェルをブロッキング緩衝液中のHRP−結合体化抗ヒトIgGの1:2000希釈の100μlを用いて1時間インキュベートする。洗浄後、100μlのTMB−発色溶液を各々のウェルに添加し、次いでこれをRTでインキュベートする。この反応を、1MのHSOの添加によって終わらせ、450nmで読み取る。陰性のコントロールでは、ウェルをサンプルとインキュベートすることはなく、他のウェルは抗原ではコーティングされないが、サンプルとインキュベートされる。陰性コントロールの値については、両方の陰性コントロール値の平均を示す。
9.精製された組み換えタンパク質でのELISA
96ウェルのELISAプレート(Greiner)を、コーティング緩衝液中の1μg/mlの精製タンパク質(UH−CSFP1.3、UH−CSFP1.6、UH−CSFP1.7、およびUH−CSFP1.8)の100μlを用いてコーティングし、4℃で一晩維持したこと以外は、ELISA実験をペプチドについて記載のとおり行った。血清サンプルは、OD450が健常対照者の標準偏差よりも平均+3倍高いとき、精製タンパク質に対する抗体について陽性とみなした。図8の水平線はカットオフ値である。
参考文献

Claims (15)

  1. 配列番号1〜8のいずれかによって提示される配列を含む少なくとも2つの異なるポリペプチド、または配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントを含む、組成物。
  2. 哺乳動物の体液中における前記組成物の少なくとも1つのポリペプチドに対する特異的な抗体の存在および/または量を検出するための、請求項1に記載の組成物のインビトロの使用。
  3. 前記哺乳動物がヒトである、請求項2に記載の使用。
  4. 前記体液が、脳脊髄液である、請求項2および3に記載の使用。
  5. 前記検出が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光技術、放射性免疫アッセイ(RIA)、免疫ブロットおよびLINEブロットを含む、免疫酵素プロセスを介している、請求項2〜3に記載の使用。
  6. 少なくとも1つの特異的抗体の前記検出および/または量が、多発性硬化症の指標である、請求項2〜5に記載の使用。
  7. 哺乳動物において多発性硬化症を特異的に検出するための方法であって、i)該哺乳動物由来の体液中の少なくとも1つの抗体の存在または量を検出する工程であって、該抗体が配列番号1〜8からなる群より選択される配列を含むポリペプチドまたは配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントに対する特異性を有し、ここでii)該抗体の存在または量は該哺乳動物が多発性硬化症に罹患していることを示す、工程を包含する、方法。
  8. 前記哺乳動物がヒトである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記体液が脳脊髄液である、請求項7および8に記載の方法。
  10. 前記検出が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光技術、放射性免疫アッセイ(RIA)、および免疫ブロットおよびLINEブロットを含む、免疫酵素プロセスを介している、請求項7〜9に記載の方法。
  11. 少なくとも1つの特異的抗体の前記検出および/または量が、多発性硬化症の指標である、請求項7〜10に記載の方法。
  12. 患者において多発性硬化症の予後および/または疾患重症度を評価するための方法であって、i)該患者由来の体液中の少なくとも1つの抗体の存在または量を検出する工程であって、該抗体が配列番号1〜8からなる群より選択される配列を含むポリペプチドまたは配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントに対する特異性を有し、ここでii)該抗体の濃度の減少または増大は該患者における多発性硬化症の予後を示す、工程を包含する、方法。
  13. 多発性硬化症の特異的な治療処置のために患者を選択するか、または患者において多発性硬化症の治療処置を評価するための方法であって、i)該患者由来の体液中の少なくとも1つの抗体の存在または量を検出する工程であって、該抗体が配列番号1〜8からなる群より選択される配列を含むポリペプチドまたは配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメントに対する特異性を有し、ここでii)該抗体の存在または量が該患者における多発性硬化症の特異的な治療処置の選択をもたらす、工程を包含する、方法。
  14. 請求項1に記載の組成物、免疫学的反応が生じるために適切な培地を作製するための試薬、および該免疫学的反応によって生じた抗原/抗体複合体を検出可能な試薬を含む、多発性硬化症の検出のための診断キット。
  15. 配列番号1〜8からなる群より選択されるポリペプチドまたは配列番号1〜8由来の少なくとも5連続アミノ酸を含むフラグメント、を含む群から選択されるポリペプチドに対して特異的に結合する抗体。
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