JP2010523477A - 線維芽細胞活性化タンパク質の阻害剤、およびそれを使用する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の一態様は、線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP)の活性を阻害する合成ペプチド誘導体に関する。本発明の別の態様は、FAP活性を阻害する合成ペプチド誘導体を治療に有効な量で投与することによって、癌を患っている哺乳動物を治療する方法に関する。

Description

本出願は、2007年3月20日に出願された米国仮特許出願第60/895,787号の優先権の利益を主張する。
線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP)は、通常のヒト上皮癌の90%以上に、創傷治癒の肉芽に、硬変ヒト肝細胞に、および骨および軟組織の肉腫において、新たに形成された血管周囲の反応性間質線維芽細胞上に発現されるプロテアーゼである。FAPは、細胞外マトリックスの再構築、腫瘍増殖、および転移に関係している。このプロテアーゼを可能な治療標的にしてFAPの阻害により腫瘍増殖を減衰させうることが、複数の研究により示唆されている。
FAPは、プロリルオリゴペプチダーゼファミリーに属するII型膜貫通セリンプロテアーゼ(セプラーゼ)である。FAPは、N−末端ジペプチドをポリペプチドから開裂する能力があることを意味するインビトロでのジペプチジルペプチダーゼ活性、ならびにゼラチンおよびI型コラーゲンを分解する能力があることを意味する膠原溶解活性の双方を有する。興味深いことに、双方の機能とも、FAPの通常の活性部位を利用する。しかしながら、酵素の正確なインビボ作用および腫瘍増殖と侵襲におけるその具体的な役割は、依然として不明瞭である。さらに、ジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−IV)のような他のプロリルペプチダーゼからFAPを識別する阻害剤が最近開発されたばかりであることを主な理由として、この酵素が利用する正確な分子機構の大部分は未知のままである。
実際、DPP−IVは、FAPの最も類似した同族体であり、およそ50%の配列同一性を共有する。DPP−IVにより示された細胞外折りたたみ部分のように、FAPの各サブユニットは、位相的に異なった8枚のブレード状のN−末端β−プロペラドメインおよびC−末端α/β−ヒドロラーゼドメインを特徴としていることがAertgeertsらの非特許文献1により示されている。このβ−プロペラは、N−結合グリコシル化の可能性のある部位を幾つか有しており、それに続いて20のアミノ酸膜貫通ドメインおよび6つのアミノ酸細胞質尾部がある。FAPおよびDPP−IV双方に関する結晶学的データにより、β−プロペラドメインおよびα/β−ヒドロラーゼドメインは、重要な基質結合部位を含有し、双方のプロテアーゼにおける重要な基質結合残基は同様の位置にあることが示唆されている。しかしながら、DPP−IVとは対照的に、FAP中のSポケット近くに置かれたAla残基(A657)により、FAPは、ジペプチジルペプチダーゼおよびエンドペプチダーゼの双方として機能することができる。
FAPのエンドペプチダーゼの特異性についての全容は、未だ解明されていない。最近、前記特異性をより狭く決定し、引き続きこれらの特性をFAP選択的阻害剤の設計に活用するために、ペプチドモチーフを同定する取り組みが行なわれている。例えば、Edosadaらの非特許文献2では、FAP P−P’ の特異性をさらに解明するため、α−抗プラスミン(TSGP−NQ)のFAP開裂部位に基づいた分子内消光蛍光基質セットが合成された。この分析により、FAPは、PではPro;PではGly、D−Ala、またはD−Serを有する基質を必要とし;また、FAPは、Pでは小型の非荷電性のアミノ酸を選択するが、P、P’、およびP’では大抵のアミノ酸を許容することが判明した。これら基質の選択により、FAPを阻害するが、DPP−IVを阻害しない、ペプチジルクロロメチルケトンの設計が可能になる。
このように、FAPは、PPro残基を有する基質に最も良く適合する、十分明確に境界された疎水性S結合ポケットを含有する。Edosadaら(非特許文献2)はさらに、「P以上に、[それらの]モデルは、プロテアーゼ[との]立体的衝突を避けるために、基質がラマチャンドランプロットにおける正のφ値を採ることが可能な小型のアミノ酸を含まなければならないことが予測される」と述べているが、これは上記のFAP活性についての彼らの知見を説明するものである。しかしながら、FAP活性部位およびFAP基質結合部位の彼らの構造解析に基づいて、Aertgeertsら(非特許文献1)は、「FAP[α]におけるS’サブサイトは平坦であり、大抵のアミノ酸に適合しうる」と述べている。
Edosadaらの非特許文献3ではまた、FAPが、DPP−IVでの開裂が不十分であるホルミル−、ベンジルオキシカルボニル−(Z)、ビオチニル、およびペプチジル−Gly−Pro基質を開裂することが示されており、N−アシル−Xaa−Proモチーフが阻害剤設計にとって有利である可能性が示唆されている。したがって、彼らは、FAP選択的阻害剤としてAc−Gly−boroProを同定し、N−アシル−Gly−Proをベースとした阻害剤が、FAPを治療標的とした試験を可能にすることを示唆した。
Aertgeertsら(2005)、J.Biol.Chem.280(20):19441頁 Edosadaら(2006)FEBS Letters580(6):1581頁 Edosadaら(2006)J.Biol.Chem.281(11):7437頁
本発明の一態様は、FAP活性を阻害する合成ペプチド誘導体に関する。特定の実施の形態では、前記化合物は、C−末端ジェミナルビス−アミノまたはボロン酸官能基を含んでなる。
別の態様では、本発明は、癌を患っている哺乳動物を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、本発明の化合物を治療に有効な量で投与するステップを含んでなる方法に関する。
本発明のこれらの実施形態、他の実施形態、およびそれらの特色および特性は、以下の説明、図面および特許請求の範囲から明らかとなろう。
X位におけるD−アミノ酸の官能基として、N−末端が保護されていないC−末端gem−アミノ修飾P−P’ヘキサペプチド誘導体[XP−YSWS(NH)]のライブラリーの個々のFAPによりインビトロ開裂された画分を示す図である。 X位におけるD−アミノ酸の官能基として、N−末端がアセチル化されているC−末端gem−アミノ修飾P−P’ヘキサペプチド誘導体[XP−YSWS(NH)]のライブラリーの個々のFAPによりインビトロ開裂された画分を示す図である。 本発明のオキソカルボニル化合物によるFAP活性化プロテアソーム阻害に関する一般的なスキームを示す図である。 本発明のチオカルボニル化合物によるFAP活性化プロテアソーム阻害に関する一般的なスキームを示す図である。
定義
明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲に使用されている特定の用語を、便宜上、ここに集める。
用語「アミノ酸」は、天然であろうと合成であろうとアミノ官能基および酸官能基の双方を含む全ての化合物を包含することが意図されており、アミノ酸の類似体および誘導体を含む。特定の実施の形態では、本発明に考慮されているアミノ酸は、タンパク質に見られる天然アミノ酸、またはアミノ基およびカルボキシル基を含有するこのようなアミノ酸の天然の同化産物または異化産物である。
天然アミノ酸は、全体を通して、以下のリストに従って、アミノ酸の慣用名に相当する3文字略号および/または1文字略号によって特定されている。これらの略号は、ペプチド業界において受け入れられており、また、生化学的命名法におけるIUPAC−IUB委員会によって推奨されている。
Figure 2010523477
用語「アミノ酸残基」は、本明細書で記述されている任意の特定のアミノ酸の類似体、誘導体、および同族体、ならびにC−末端またはN−末端を保護されたアミノ酸誘導体(例えば、N−末端またはC−末端保護基で修飾された)をさらに含む。
本明細書で用いられる用語「ペプチド」とは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合により一緒に結合されたアミノ酸残基の配列のことである。用語「ペプチド」は、ペプチド類似体、ペプチド誘導体、ペプチド模倣体およびペプチド変異体を包含することが意図されている。用語「ペプチド」は、任意の長さのペプチドを含むものと解される。本明細書に示されたペプチド配列は、一般的に受け入れられた慣例に従って記載され、N−末端アミノ酸は左側に、C−末端アミノ酸は右側に置かれる。
本明細書で用いられる用語「ペプチド類似体」とは、1つまたは複数の非天然アミノ酸を含んでなるペプチドのことである。非天然アミノ酸の例としては、限定はしないが、D−アミノ酸(すなわち、天然の形態とは逆のキラリティーを持つアミノ酸)、N−α−メチルアミノ酸、C−α−メチルアミノ酸、β−メチルアミノ酸、β−アラニン(β−Ala)、ノルバリン(Nva)、ノルロイシン(Nlc)、4−アミノ酪酸(γ−Abu)、2−アミノイソ酪酸(Aib)、6−アミノヘキサン酸(ε−Ahx)、オルニチン(orn)、ヒドロキシプロリン(Hyp)、サルコシン、シトルリン、システイン酸、シクロヘキシルアラニン、α−アミノイソ酪酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、3−アミノプロピオン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸(2,3−diaP)、D−またはL−フェニルグリシン、D−またはL−2−ナフチルアラニン(2−Nal)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic)、D−またはL−2−チエニルアラニン(Thi)、D−またはL−3−チエニルアラニン、D−またはL−1−、2−、3−または4−ピレニルアラニン、D−またはL−(2−ピリジニル)−アラニン、D−またはL−(3−ピリジニル)−アラニン、D−またはL−(2−ピラジニル)−アラニン、D−またはL−(4−イソプロピル)−フェニルグリシン、D−(トリフルオロメチル)−フェニルグリシン、D−(トリフルオロメチル)−フェニルアラニン、D−p−フルオロフェニルアラニン、D−またはL−p−ビフェニルアラニン、D−またはL−p−メトキシビフェニルアラニン、メチオニンスルホキシド(MSO)およびホモアルギニン(Har)が挙げられる。他の例としては、アルキルが、置換または非置換のメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ−ブチル、またはイソ−ペンチルである、D−またはL−2−インドール(アルキル)アラニンおよびD−またはL−アルキルアラニン、ならびにホスホノ−または硫酸化(例えば、−SOH)非カルボキシレートアミノ酸が挙げられる。
非天然アミノ酸の他の例としては、3−(2−クロロフェニル)−アラニン、3−クロロ−フェニルアラニン、4−クロロ−フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−ブロモ−フェニルアラニン、3−ブロモ−フェニルアラニン、4−ブロモ−フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、2−メチル−フェニルアラニン、3−メチル−フェニルアラニン、4−メチル−フェニルアラニン、2,4−ジメチル−フェニルアラニン、2−ニトロ−フェニルアラニン、3−ニトロ−フェニルアラニン、4−ニトロ−フェニルアラニン、2,4−ジニトロ−フェニルアラニン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、1,2,3,4−テトラヒドロノルハルマン−3−カルボン酸、1−ナフチルアラニン、2−ナフチルアラニン、ペンタフルオロフェニルアラニン、2,4−ジクロロ−フェニルアラニン、3,4−ジクロロ−フェニルアラニン、3,4−ジフルオロ−フェニルアラニン、3,5−ジフルオロ−フェニルアラニン、2,4,5−トリフルオロ−フェニルアラニン、2−トリフルオロメチル−フェニルアラニン、3−トリフルオロメチル−フェニルアラニン、4−トリフルオロメチル−フェニルアラニン、2−シアノ−フェニルアラニン、3−シアノ−フェニルアラニン、4−シアノ−フェニルアラニン、2−ヨード−フェニルアラニン、3−ヨード−フェニルアラニン、4−ヨード−フェニルアラニン、4−メトキシフェニルアラニン、2−アミノメチル−フェニルアラニン、3−アミノメチル−フェニルアラニン、4−アミノメチル−フェニルアラニン、2−カルバモイル−フェニルアラニン、3−カルバモイル−フェニルアラニン、4−カルバモイル−フェニルアラニン、m−チロシン、4−アミノ−フェニルアラニン、スチリルアラニン、2−アミノ−5−フェニル−ペンタン酸、9−アントリルアラニン、4−t−ブチル−フェニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、4,4’−ジフェニルアラニン、ベンゾイルフェニルアラニン、α−メチル−フェニルアラニン、α−メチル−4−フルオロ−フェニルアラニン、4−チアゾリルアラニン、3−ベンゾチエニルアラニン、2−チエニルアラニン、2−(5−ブロモチエニル)−アラニン、3−チエニルアラニン、2−フリルアラニン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニン、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、アリルグリシン、2−アミノ−4−ブロモ−4−ペンテン酸、プロパルギルグリシン、4−アミノシクロペンテ−2−エンカルボン酸、3−アミノシクロペンタンカルボン酸、7−アミノ−ヘプタン酸、ジプロピルグリシン、ピペコリン酸、アゼチジン−3−カルボン酸、シクロプロピルグリシン、シクロプロピルアラニン、2−メトキシ−フェニルグリシン、2−チエニルグリシン、3−チエニルグリシン、α−ベンジル−プロリン、α−(2−フルオロ−ベンジル)−プロリン、α−(3−フルオロ−ベンジル)−プロリン、α−(4−フルオロ−ベンジル)−プロリン、α−(2−クロロ−ベンジル)−プロリン、α−(3−クロロ−ベンジル)−プロリン、α−(4−クロロ−ベンジル)−プロリン、α−(2−ブロモ−ベンジル)−プロリン、α−(3−ブロモ−ベンジル)−プロリン、α−(4−ブロモ−ベンジル)−プロリン、α−フェネチル−プロリン、α−(2−メチル−ベンジル)−プロリン、α−(3−メチル−ベンジル)−プロリン、α−(4−メチル−ベンジル)−プロリン、α−(2−ニトロ−ベンジル)−プロリン、α−(3−ニトロ−ベンジル)−プロリン、α−(4−ニトロ−ベンジル)−プロリン、α−(1−ナフタレニルメチル)−プロリン、α−(2−ナフタレニルメチル)−プロリン、α−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−プロリン、α−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−プロリン、α−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−プロリン、α−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−プロリン、α−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−プロリン、α−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−プロリン、α−(2−シアノ−ベンジル)−プロリン、α−(3−シアノ−ベンジル)−プロリン、α−(4−シアノ−ベンジル)−プロリン、α−(2−ヨード−ベンジル)−プロリン、α−(3−ヨード−ベンジル)−プロリン、α−(4−ヨード−ベンジル)−プロリン、α−(3−フェニル−アリル)−プロリン、α−(3−フェニル−プロピル)−プロリン、α−(4−t−ブチル−ベンジル)−プロリン、α−ベンズヒドリル−プロリン、α−(4−ビフェニルメチル)−プロリン、α−(4−チアゾリルメチル)−プロリン、α−(3−ベンゾ[b]チオフェニルメチル)−プロリン、α−(2−チオフェニルメチル)−プロリン、α−(5−ブロモ−2−チオフェニルメチル)−プロリン、α−(3−チオフェニルメチル)−プロリン、α−(2−フラニルメチル)−プロリン、α−(2−ピリジニルメチル)−プロリン、α−(3−ピリジニルメチル)−プロリン、α−(4−ピリジニルメチル)−プロリン、α−アリル−プロリン、α−プロピニル−プロリン、γ−ベンジル−プロリン、γ−(2−フルオロ−ベンジル)−プロリン、γ−(3−フルオロ−ベンジル)−プロリン、γ−(4−フルオロ−ベンジル)−プロリン、γ−(2−クロロ−ベンジル)−プロリン、γ−(3−クロロ−ベンジル)−プロリン、γ−(4−クロロ−ベンジル)−プロリン、γ−(2−ブロモ−ベンジル)−プロリン、γ−(3−ブロモ−ベンジル)−プロリン、γ−(4−ブロモ−ベンジル)−プロリン、γ−(2−メチル−ベンジル)−プロリン、γ−(3−メチル−ベンジル)−プロリン、γ−(4−メチル−ベンジル)−プロリン、γ−(2−ニトロ−ベンジル)−プロリン、γ−(3−ニトロ−ベンジル)−プロリン、γ−(4−ニトロ−ベンジル)−プロリン、γ−(1−ナフタレニルメチル)−プロリン、γ−(2−ナフタレニルメチル)−プロリン、γ−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−プロリン、γ−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−プロリン、γ−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−プロリン、γ−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−プロリン、γ−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−プロリン、γ−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−プロリン、γ−(2−シアノ−ベンジル)−プロリン、γ−(3−シアノ−ベンジル)−プロリン、γ−(4−シアノ−ベンジル)−プロリン、γ−(2−ヨード−ベンジル)−プロリン、γ−(3−ヨード−ベンジル)−プロリン、γ−(4−ヨード−ベンジル)−プロリン、γ−(3−フェニル−アリル−ベンジル)−プロリン、γ−(3−フェニル−プロピル−ベンジル)−プロリン、γ−(4−t−ブチル−ベンジル)−プロリン、γ−ベンズヒドリル−プロリン、γ−(4−ビフェニルメチル)−プロリン、γ−(4−チアゾリルメチル)−プロリン、γ−(3−ベンゾチエニルメチル)−プロリン、γ−(2−チエニルメチル)−プロリン、γ−(3−チエニルメチル)−プロリン、γ−(2−フラニルメチル)−プロリン、γ−(2−ピリジニルメチル)−プロリン、γ−(3−ピリジニルメチル)−プロリン、γ−(4−ピリジニルメチル)−プロリン、γ−アリル−プロリン、γ−プロピニル−プロリン、トランス−4−フェニル−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−クロロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−クロロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−クロロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−メチル−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−メチル−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−メチル−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−ニトロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−ニトロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−ニトロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(1−ナフチル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−ナフチル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2,5−ジクロロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−シアノ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−シアノ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−シアノ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−メトキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−メトキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−ヒドロキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−ヒドロキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−ピリジニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−ピリジニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(4−ピリジニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−チエニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(3−チエニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−(2−フラニル)−ピロリジン−3−カルボン酸、トランス−4−イソプロピル−ピロリジン−3−カルボン酸、4−ホスホノメチル−フェニルアラニン、ベンジル−ホスホトレオニン、(1’−アミノ−2−フェニル−エチル)オキシラン、(1’−アミノ−2−シクロヘキシル−エチル)オキシラン、(1’−アミノ−2−[3−ブロモ−フェニル]エチル)オキシラン、(1’−アミノ−2−[4(ベンジルオキシ)フェニル]エチル)オキシラン、(1’−アミノ−2−[3,5−ジフルオロ−フェニル]エチル)オキシラン、(1’−アミノ−2−[4−カルバモイル−フェニル]エチル)オキシラン、(1’−アミノ−2−[ベンジルオキシ−エチル])オキシラン、(1’−アミノ−2−[4−ニトロ−フェニル]エチル)オキシラン、(1’−アミノ−3−フェニル−プロピル)オキシラン、(1’−アミノ−3−フェニル−プロピル)オキシラン、および/またはそれらの塩および/または保護基による変異体が挙げられる。
本明細書で用いられる用語「ペプチド誘導体」とは、通常は天然ペプチドの一部ではない追加の化学的または生化学的部分を含んでなるペプチドのことである。ペプチド誘導体としては、アミノ末端および/またはカルボキシ末端および/または1つまたは複数のアミノ酸側鎖が、好適な化学的置換基により誘導体化されているペプチド、ならびに環式ペプチド、デュアルペプチド、ペプチドの多量体、他のタンパク質または担体と融合したペプチド、グリコシル化ペプチド、リン酸化ペプチド、親油性部分(例えば、カプロイル部分、ラウリル部分、ステアロイル部分)に結合したペプチド、および抗体または他の生体リガンドに結合したペプチドが挙げられる。ペプチドを誘導するために使用することのできる化学的置換基の例としては、限定はしないが、アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基;アルカノイル基およびアロイル基などのアシル基;エステル;アミド;ハロゲン;ヒドロキシル;カルバミルなどが挙げられる。置換基はまた、Fmoc(フルオレニルメチル−O−CO−)、カルボベンゾキシ(ベンジル−O−CO−)、モノメトキシスクシニル、ナフチル−NH−CO−、アセチルアミノカプロイルおよびアダマンチル−NH−CO−などのブロック基でありうる。他の誘導体としては、C−末端ヒドロキシメチル誘導体、O−修飾誘導体(例えば、C−末端ヒドロキシメチルベンジルエーテル)ならびにアルキルアミドおよびヒドラジドなどの置換アミドを含むN−末端修飾誘導体が挙げられる。置換基は、本明細書で詳述される「保護基」でありうる。
本明細書で用いられる用語「ペプチド模倣体」とは、構造的にペプチドと類似しており、ペプチドの機能を模倣する化学的部分を含有する化合物のことである。例えば、ペプチドが官能活性を有する2つの荷電した化学的部分を含む場合、この荷電した化学官能基が三次元空間に維持されるように、模倣体の2つの荷電化学的部分は空間配向性および拘束された構造になる。したがってペプチド模倣体という用語は、等価体(アイソスター)を含むことが意図されている。本明細書で用いられる用語「等価体」とは、例えば、構造がペプチドに特異的な結合部位に適合するなど、化学的構造の立体配座が類似していることから、ペプチドの代わりができる化学的構造のことである。ペプチド模倣体の例としては、当技術分野でよく知られている1つまたは複数の主鎖修飾(すなわち、アミド結合模倣体)を含んでなるペプチドが挙げられる。アミド結合模倣体の例としては、限定はしないが、−CHNH−、−CHS−、−CHCH−、−CH=CH−(シスおよびトランス)、−COCH−、−CH(OH)CH−、−CHSO−、−CS−NH−および−NH−CO−(すなわち逆向きのペプチド結合)が挙げられる(例えば、Spatola、Vega Data 1巻、3版、(1983);Spatolaの「Chemistry and Biochemistry of Amino Acids Peptides and Proteins」、Weinstein編、Maecel Dekker、ニューヨーク、267頁(1983);Morley,J.S.、Trends Pharm.Sci.463−468頁(1980);Hudsonら、Int.J.Pept.Prot.Res.14:177−185頁(1979);Spatolaら、Life Sci.38:1243−1249頁(1986);Hann,J.;Chem.Soc.Perkin Trans.1、307−314頁(1982);Almquistら、J.Med.Chem.23:1392−1398頁(1980);Jennings−Whiteら、Tetrahedron Lett.23:2533頁(1982);Szelkeら、欧州特許第45665号明細書(1982);Holladayら、Tetrahedron Lett.24:4401−4404頁(1983);およびHruby、Life Sci.31:189−199(1982)を参照されたい)。ペプチド模倣体の他の例としては、1つまたは複数のベンゾジアゼピン分子で置換されたペプチド(例えば、James,G.L.ら、(1993)Science 260:1937−1942頁を参照されたい)およびラクタムまたは他の環式構造を形成するために架橋された主鎖を含んでなるペプチドが挙げられる。
本明細書で用いられる用語「変異ペプチド」とは、そのペプチドが対応するアミノ酸配列と比較して、1つまたは複数のアミノ酸残基が、削除、付加または置換されたペプチドのことである。典型的には、変異が1つまたは複数のアミノ酸置換を含む場合、それらは「同類」置換である。同類置換は、類似の側鎖の性質を有する別の残基による1つのアミノ酸残基の置換を含む。当技術分野で知られているように、20の天然アミノ酸は、それらの側鎖の物理化学的性質によって分類することができる。好適な分類としては以下が挙げられる:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、フェニルアラニンおよびトリプトファン(疎水性側鎖);グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミン(極性の非荷電側鎖);アスパラギン酸およびグルタミン酸(酸性側鎖)およびリシン、アルギニンおよびヒスチジン(塩基性側鎖)。アミノ酸の別の分類は、フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシン(芳香族側鎖)である。同類置換には、同じグループの別のアミノ酸によるアミノ酸の置換が含まれる。
参照ポリペプチドに関連して本明細書において用いられる「アミノ酸配列の同一性パーセント(%)」または「アミノ酸配列の相同性パーセント」という用語は、同類置換を配列同一性の一部とみなさずに、最大パーセントの配列同一性を達成するために、必要に応じて、配列の位置合わせおよびギャップ導入後の参照ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一の、候補ペプチド配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列の同一性のパーセントを判定する目的のための位置合わせは、例えば、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR社製)などの公的に利用できるコンピュータソフトウェアを用いた、当技術分野で既知の種々の技法によって、達成することができる。当業者は、比較に用いられるペプチド配列の完全長に亘って最大の位置合わせを達成させるために必要とされる任意のアルゴリズムなど、位置合わせを測定するための適切なパラメータを決定することができる。前記化合物のアミノ酸配列が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、比較の対象配列と同一である場合に、類似体は「実質的な相同性」を共有するという。
本明細書において用いられる「保護基」とは、潜在的に反応性の官能基を望ましくない化学的変換から保護する一時的な置換基を意味する。
用語「アミノ保護基」または「N−末端保護基」とは、合成手順の間の望ましくない反応に対して、アミノ酸またはペプチドのα−N−末端を保護するか、あるいはアミノ酸またはペプチドのアミノ基を保護することが意図された基のことである。通常、使用されるN−保護基は、参照することにより本明細書に援用されるGreeneの「Protective Groups In Organic Synthesis」、(John Wiley & Sons、ニューヨーク(1981))に開示されている。さらに、保護基は、例えば酵素加水分解などにより、インビボで容易に開裂して生物学的に活性な親化合物を放出することができる、プロドラッグとして用いることができる。α−N−保護基としては、ホルミル、アセチル(「Ac」)、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチルなどの低級アルカノイル基;2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o−ニトロフェノキシアセチル、−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルなどの他のアシル基;ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルなどのスルホニル基;ベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−エトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニリル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなどのカルバメート形成基;ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)などのアリールアルキル基およびトリメチルシリルなどのシリル基が挙げられる。さらに他の例としては、チエニル、スクシニル、メトキシスクシニル、スベリル、アジピル、アゼラオイル、ダンシル、ベンジルオキシカルボニル、メトキシアゼラオイル、メトキシアジピル、メトキシスベリル、および2,4−ジニトロフェニルが挙げられる。
用語「カルボキシ保護基」または「C−末端保護基」とは、化合物の他の官能性部位に関与する反応が行なわれる間、カルボン酸官能基をブロックするかまたは保護するために使用されるカルボン酸保護用エステル基またはアミド基のことである。カルボキシ保護基は、参照することにより本明細書に援用されるGreeneの「Protective Groups In Organic Synthesis」、152−186頁(1981))に開示されている。さらに、カルボキシ保護基は、例えば酵素加水分解により、インビボで容易に開裂して生物学的に活性な親化合物を放出することができる、プロドラッグとして用いることができる。このようなカルボキシ保護基は当技術分野で周知であり、米国特許第3,840,556号明細書および米国特許第3,719,667号明細書に記載されているようにペニシリンおよびセファロスポリンの分野におけるカルボキシル基の保護に広く用いられており、それらの開示は、参照することにより本明細書に援用される。代表的なカルボキシ保護基は、C〜C低級アルキル(例えば、メチル、エチルまたはt−ブチルなど);フェネチル基またはベンジル基などのアリールアルキルおよびアルコキシベンジル基またはニトロベンジル基などのそれらの置換誘導体;フェニルエテニルなどのアリールアルケニル;アリールおよび5−インダニルなどのその置換誘導体;ジメチルアミノエチルなどのジアルキルアミノアルキル;アセトキシメチル、ブチリルオキシメチル、バレリルオキシメチル、イソブチリルオキシメチル、イソバレリルオキシメチル、1−(プロピオニルオキシ)−1−エチル、1−(ピバロイルオキシル)−1−エチル、1−メチル−1−(プロピオニルオキシ)−1−エチル、ピバロイルオキシメチル、プロピオニルオキシメチルなどのアルカノイルオキシアルキル基;シクロプロピルカルボニルオキシメチル、シクロブチルカルボニルオキシメチル、シクロペンチルカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチルなどのシクロアルカノイルオキシアルキル基;ベンゾイルオキシメチル、ベンゾイルオキシエチルなどのアロイルオキシアルキル;ベンジルカルボニルオキシメチル、2−ベンジルカルボニルオキシエチルなどのアリールアルキルカルボニルオキシアルキル;メトキシカルボニルメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルメチル、1−メトキシカルボニル−1−エチルなどのアルコキシカルボニルアルキルまたはシクロアルコキシカルボニルアルキル;メトキシカルボニルオキシメチル、t−ブチルオキシカルボニルオキシメチル、1−エトキシカルボニルオキシ−1−エチル、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチルなどのアルコキシカルボニルオキシアルキルまたはシクロアルキルオキシカルボニルオキシアルキル;2−(フェノキシカルボニルオキシ)エチル、2−(5−インダニルオキシカルボニルオキシ)エチルなどのアリールオキシカルボニルオキシアルキル;2−(1−メトキシ−2−メチルプロパン−2−オイルオキシ)エチルなどのアルコキシアルキルカルボニルオキシアルキル;2−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)エチルなどのアリールアルキルオキシカルボニルオキシアルキル;2−(3−フェニルプロパン−2−イルオキシカルボニルオキシ)エチルなどのアリールアルケニルオキシカルボニルオキシアルキル;t−ブチルオキシカルボニルアミノメチルなどのアルコキシカルボニルアミノアルキル;メチルアミノカルボニルアミノメチルなどのアルキルアミノカルボニルアミノアルキル;アセチルアミノメチルなどのアルカノイルアミノアルキル;4−メチルピペラジニルカルボニルオキシメチルなどのヘテロシクリクカルボニルオキシアルキル;ジメチルアミノカルボニルメチル、ジエチルアミノカルボニルメチルなどのジアルキルアミノカルボニルアルキル;(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルなどの(5−低級アルキル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)アルキル;および(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルなどの(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)アルキルである。代表的なアミドカルボキシ保護基は、アミノカルボニル基および低級アルキルアミノカルボニル基である。例えば、アスパラギン酸は、α−C−末端を酸不安定基(例えば、t−ブチル)により保護し、β−C−末端を水素化不安定基(例えば、ベンジル)により保護してから合成中に選択的に脱保護することができる。上記のとおり、カルボキシ保護基はまた、低級アルキル、シクロアルキルまたはアリールアルキルエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、s−ブチルエステル、イソブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、オクチルエステル、シクロヘキシルエステル、フェニルエチルエステルなど、またはアルカノイルオキシアルキル、シクロアルカノイルオキシアルキル、アロイルオキシアルキルもしくはアリールアルキルカルボニルオキシアルキルエステルでありうる。
用語「電子求引性基」は当技術分野で認識されており、隣接原子から価電子を求引する置換基の傾向を意味する。すなわち、この置換基は、隣接原子に関して電気的陰性である。電子求引性能力レベルの定量化は、ハメットシグマ(σ)定数により得られる。この周知の定数は、多数の引用文献、例えば、J.Marchの「Advanced Organic Chemistry」、McGraw Hill Book社、ニューヨーク、(1977年版)251−259頁に記載されている。ハメット定数値は、一般に電子供与性基に対しては陰性であり(NHに関してσ[P]=−0.66)、また電子求引性基に対しては陽性であり(ニトロ基に関してσ[P]=0.78)、σ[P]はパラ置換を示す。代表的な電子求引性基としては、ニトロ、アシル、ホルミル、スルホニル、トリフルオロメチル、シアノ、クロリドなどが挙げられる。代表的な電子供与性基としては、アミノ、メトキシなどが挙げられる。
用語「ルイス塩基」および「ルイス酸」は当技術分野で認識されており、一定の反応条件下、電子対を供与できる化学部分のことである。ルイス塩基部分の例としては、アルコール、チオール、オレフィン、およびアミンなどの非荷電化合物、ならびにアルコキシド、チオレート、カルバニオン、および種々の他の有機アニオンなどの荷電部分が挙げられる。
用語「ルイス酸」および「ルイス酸性」は当技術分野で認識されており、ルイス塩基からの電子対を受け入れることができる化学的部分のことである。
用語「位置異性体」とは、同じ分子式を有するが、原子の結合性が異なる化合物のことである。したがって、「位置選択的処理」は、他のものよりも特定の位置異性体の生成に好都合な処理であり、例えば、この反応は、一定の位置異性体の統計学的に有意な優位性を生じる。
用語「脂肪族」は当技術分野で認識された用語であり、線状、分枝状、および環式アルカン、アルケン、またはアルキンが含まれる。特定の実施の形態では、本発明の脂肪族基は、線状または分枝状であり、1個から約20個の炭素原子を有する。
用語「アルキル」は当技術分野で認識されており、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基などの飽和脂肪族基が挙げられる。特定の実施の形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その主鎖に約30以下の炭素原子(例えば、直鎖に関してはC〜C30、分枝鎖に関してはC〜C30)を有するか、あるいは約20以下の炭素原子を有する。同様に、シクロアルキルは、それらの環構造に約3個から約10個の炭素原子を有するか、あるいは環構造において約5個、6個または7個の炭素を有する。
炭素数が他に規定されない限り、「低級アルキル」とは、上に定義されたとおりであるが、その主鎖構造に1個から10個の炭素、あるいは1個から約6個の炭素原子を有するアルキル基のことである。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有する。
用語「アラルキル」は当技術分野で認識されており、アリール基(例えば、芳香族基または複素環式芳香族基)で置換されたアルキル基が含まれる。
用語「アルケニル」および「アルキニル」は当技術分野で認識されており、上記のアルキルと長さおよび置換の可能性が類似であるが、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含有する不飽和脂肪族基が含まれる。
用語「ヘテロ原子」は当技術分野で認識されており、炭素または水素以外の任意の構成原子が含まれる。ヘテロ原子の例としては、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄およびセレンが挙げられ、あるいは酸素、窒素または硫黄が挙げられる。
用語「アリール」は当技術分野で認識されており、ゼロから4個のヘテロ原子を含みうる5員環、6員環および7員環の単環芳香族基、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが含まれる。環構造にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、「ヘテロアリール」または「複素環式芳香族」とも称されうる。芳香族環は、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素環式芳香族部分、フルオロアルキル(トリフルオロメチルなど)、シアノなどで1つまたは複数の位置で置換することができる。用語「アリール」にはまた、2個以上の炭素が2つの隣接環(環は「縮合環」である)に共通である2つ以上の環式環を有する多環式環系が含まれ、環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリルでありうる。
用語オルト(o−)、メタ(m−)およびパラ(p−)は当技術分野で認識されており、それぞれ1,2−、1,3−および1,4−ジ置換ベンゼンに適用される。例えば、1,2−ジメチルベンゼン、オルト−ジメチルベンゼンおよびo−ジメチルベンゼンという名称は同義語である。
用語「複素環式」および「複素環式基」は当技術分野で認識されており、環構造が1個から4個のヘテロ原子を含む3員環から約7員環などの3員環から約10員環構造が含まれる。ヘテロシクリルは多環でもありうる。ヘテロシクリル基としては、例えば、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、アゼチジノンおよびピロリジノンなどのラクタム、スルタム、スルトンなどが挙げられる。複素環式環は、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素環式芳香族部分、フルオロアルキル(トリフルオロメチルなど)、シアノなどにより1つまたは複数の位置で置換することができる。
用語「多環式」および「多環式基」は当技術分野で認識されており、2個以上の炭素が2つの隣接環に共通である2つ以上の環(例えば、それらの環は「縮合環」である)を有する構造(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)が含まれる。非隣接原子を介して結合する環、例えば、3個以上の原子が双方の環に共通である環は、「架橋」環と呼ばれる。多環の環の各々は、上記の置換基、例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素環式芳香族部分、フルオロアルキル(トリフルオロメチルなど)、シアノなどで置換することができる。
用語「炭素環式」は当技術分野で認識されており、環の各々の原子が炭素である芳香族環または非芳香族環が含まれる。以下の当技術分野で認識されている用語は、以下の意味を有する:「ニトロ」は−NOを意味し;用語「ハロゲン」は−F、−Cl、−Brまたは−Iを示し;用語「スルフヒドリル」は−SHを意味し;用語「ヒドロキシル」は−OHを意味し;用語「スルホニル」は−SO を意味する。
用語「アシル」は当技術分野で認識されており、Rが任意の有機基であるRCO−の形態をした任意の基またはラジカルのことである。代表的なアシル基としては、アセチル、ベンゾイル、およびマロニルが挙げられる。
用語「アシルオキシ」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分のことであり、式中R’11は、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、または−(CH−Rを表し、式中mは、1〜30であり、Rは、原子価の規則によって許容される基を表す。
用語「アミン」および「アミノ」は当技術分野で認識されており、非置換および置換双方のアミン、例えば、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、R50、R51およびR52は各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−R61を表すか、またはR50とR51は、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造に4個から8個の原子を有する複素環を完成させ;R61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環または多環を表し;mは、ゼロまたは1から8の範囲の整数である。特定の実施の形態では、R50またはR51の1つだけがカルボニルであってもよく、例えば、R50、R51および窒素は一緒になってイミドを形成しない。他の実施形態において、R50およびR51(および任意にR52)は各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH−R61を表す。したがって、用語「アルキルアミン」は、それに結合した置換または非置換のアルキルを有する、すなわち、R50およびR51の少なくとも1つがアルキル基である、上に定義したアミン基を含む。
用語「アシルアミノ」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中R50は上記のとおりであり、R54は、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH−R61を表し、式中mおよびR61は、上に定義されたとおりである。
用語「アミド」は、アミノ置換カルボニルとして当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中R50およびR51は上に定義されたとおりである。本発明におけるアミドの特定の実施の形態は、不安定でありうるアミドを含まない。
用語「アルキルチオ」は当技術分野で認識されており、硫黄ラジカルの結合した上に定義されたアルキル基が挙げられる。特定の実施の形態では、「アルキルチオ」部分は、−S−アルキル、−S−アルケニル、−S−アルキニル、および−S−(CH−R61のうちの1つによって表され、式中mおよびR61は上に定義されたとおりである。代表的なアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。
用語「カルボニル」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中X50は、結合であるかまたは酸素もしくは硫黄を表し、R55は、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−R61または薬学的に許容できる塩を表し、R56は、水素、アルキル、アルケニルまたは−(CH−R61を表し、式中mおよびR61は上に定義されたとおりである。X50が酸素であり、R55が水素でない場合、この式は「エステル」を表す。X50が酸素であり、R55が最初に上に定義されたとおりである場合、この部分は本明細書においてカルボキシル基と称され、特にR55が水素である場合、この式は、「カルボン酸」を表す。X50が酸素であり、R55が水素である場合、この式は「ホルメート」を表す。一般に、上記式の酸素原子が、硫黄により置換される場合、この式は「チオカルボニル」基を表す。X50が硫黄であり、R55またはR56が水素でない場合、この式は「チオエステル」を表す。X50が硫黄であり、R55が水素である場合、この式は「チオカルボン酸」を表す。X50が硫黄であり、R56が水素である場合、この式は「チオホルメート」を表す。一方、X50が結合であり、R55が水素でない場合、上記式は「ケトン」基を表す。X50が結合であり、R55が水素である場合、上記式は「アルデヒド」基を表す。
用語「オキシム」および「オキシムエーテル」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分のことであり、式中R75は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、または−(CH−R61である。この部分は、RがHである場合「オキシム」であり;Rがアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、または−(CH−R61である場合「オキシムエーテル」である。
用語「アルコキシル」または「アルコキシ」は当技術分野で認識されており、酸素ラジカルの結合し、上に定義したアルキル基が含まれる。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。「エーテル」は、酸素により共有結合した2つの炭化水素である。したがって、そのアルキルをエーテルにするアルキル置換基は、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、mおよびR61が上記のとおりである−O−(CH−R61のうちの1つにより表すことができるようなアルコキシルであるか、またはそれに類似したものである。
用語「スルホネート」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、R57は、電子対、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである。
用語「スルホネート」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、R57は上に定義したとおりである。
用語「スルホンアミド」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、R50およびR56は上に定義したとおりである。
用語「スルファモイル」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、R50およびR51は上に定義したとおりである。
用語「スルホニル」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、R58は、以下の:水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールのうちの1つである。
用語「スルホキシド」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、R58は上に定義されている。
用語「ホスホリル」は当技術分野で認識されており、一般に式:
Figure 2010523477
によって表すことができ、式中、Q50はSまたはOを表し、R59は、水素、低級アルキルまたはアリールを表す。例えば、アルキルを置換するために用いる場合、ホスホリルアルキルのホスホリル基は、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことができ、式中、Q50およびR59は各々独立して、上に定義されたとおりであり、Q51は、O、SまたはNを表す。Q50がSである場合、ホスホリル部分は、「ホスホロチオエート」である。
用語「ホスホルアミダイト」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、Q51、R50、R51およびR59は、上に定義されたとおりである。
用語「ホスホンアミダイト」は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2010523477
によって表すことのできる部分が含まれ、式中、Q51、R50、R51および59は、上に定義されたとおりであり、R60は、低級アルキルまたはアリールを表す。
用語「セレノアルキル」は当技術分野で認識されており、置換セレノ基の結合したアルキル基のことである。アルキル上で置換されうる代表的な「セレノエーテル」は、−Se−アルキル、−Se−アルケニル、−Se−アルキニル、および−Se−(CH−R61のうちの1つから選択され、式中mおよびR61は上に定義されたとおりである。
用語トリフリル、トシル、メシル、およびノナフリルは当技術分野で認識されており、それぞれトリフルオロメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、およびノナフルオロブタンスルホニル基のことである。用語トリフレート、トシレート、メシレート、およびノナフレートは当技術分野で認識されており、それぞれ前記基を含有するトリフルオロメタンスルホネートエステル、p−トルエンスルホネートエステル、メタンスルホネートエステル、およびノナフルオロブタンスルホネートエステルの官能基および分子のことである。
略語Me、Et、Ph、Tf、Nf、Ts、およびMsは、それぞれメチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p−トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルを表す。当技術分野において通常の有機化学者により利用されている略号のより包括的なリストは、Journal of Orgamic Chemistryの各巻の創刊号に記載されており;このリストは一般に、表題が「Standard List of Abbreviations」である表に示されている。前記リストに含まれる略号、および当技術分野において通常の有機化学者により利用されている全ての略号は、参照することにより本明細書に援用される。
本発明の組成物に含まれる一定の化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体で存在しうる。さらに、本発明の化合物はまた、光学活性でありうる。本発明は、シス−およびトランス−異性体、(R)−および(S)−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、および本発明の範囲内に入る他のそれらの混合物など、このような全ての化合物を考慮している。さらなる不斉炭素原子が、アルキル基などの置換基に存在しうる。このような異性体の全て、ならびにそれらの混合物は、本発明に含まれることが意図されている。
例えば、本発明の化合物の特定の鏡像異性体が望まれる場合、不斉合成またはキラル補助剤を用いた誘導によってその化合物を調製することができ、生じたジアステレオマー混合物を分離し、補助基を開裂して純粋な所望の鏡像異性体を提供する。あるいは、分子が、アミノなどの塩基性官能基、またはカルボキシルなどの酸性官能基を含む場合、適切な光学活性な酸または塩基を用いてジアステレオマー塩を形成し、次いでこのように形成されたジアステレオマーを、当技術分野で既知の分別結晶またはクロマトグラフィーの手段により分割し、その後、純粋な鏡像異性体を回収する。
当然のことながら、「置換」または「〜で置換された」は、このような置換が置換される原子および置換基の許容原子価に従っていること、およびこの置換により、例えば、転位、閉環、開裂、または他の反応などによる変換を自然に受けない安定な化合物がもたらされるという暗黙の条件を含む。
用語「置換」は、有機化合物の全ての許容できる置換基を含むことも考慮されている。広範な態様において、許容できる置換基としては、有機化合物の非環式および環式、分枝状および非分枝状、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基が挙げられる。置換基の例としては、例えば、本明細書の上記のものが挙げられる。許容できる置換基は、適切な有機化合物に関して1つまたは複数であっても、また同じでも異なっていてもよい。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/または、ヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載された有機化合物の任意の許容できる置換基を有することができる。本発明は、任意の方式で有機化合物の許容できる置換基によって限定されることは意図されていない。
例えば、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、イミノアルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル置換アルケニルまたはアルキニルを生成するために、アルケニル基およびアルキニル基に対して類似の置換をなすことができる。
例えば、アルキル、m、nなどの各表現の定義は、いずれの構造においてもその表現が2回以上出てくる場合、明白にまたは文脈によって別様に指定されない限り、同じ構造の他の位置でのその定義とは独立していることが意図されている。
本発明の目的のために、化学元素は、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第67版、1986〜87年、内表紙の元素の周期律表に従って同定される。
本明細書中の他の化学用語は、参照することにより本明細書に援用される、The McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(Parker,S.編、1985年、McGraw−Hill、サンフランシスコ)によって例示されているように、当技術分野における慣例的な使用法に従って用いられる。別に定義されていない限り、本明細書に用いられる全ての専門用語および科学的用語は、本発明に係わる当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
FAP基質の特異性
酵素特異性ポケットに基づいた基質セットを指定するために用いられる専門用語は、当技術分野で用いられるものに従っており、P−P’は、切断可能な結合(例えば、FAP開裂部位)を表し、Pn+1は、切断可能な結合までのN−末端残基を表し、P’n+1は、切断可能な結合までのC−末端残基を表す:
Figure 2010523477
Edosadaらは、D−Alaなどの小型のアミノ酸をグリシンと置き換えることができ、FAP活性に関しては、Serは、小型の側鎖を有する点でAlaと類似していることを主張している(上記参照)。D−Alaのメチル基は酵素内に突出していることが実証されているように、実際、酵素−阻害剤複合体の利用できるモデルの予備分析では、立体的な衝突のため、比較的大型のD−アミノ酸が排除されると考えられたであろう。しかしながら、Aertgeertsらは、厳密な構造解析に基づいて、FAP活性部位は「大部分のアミノ酸を受け入れる」はずであると示唆している(上記参照)。これらの矛盾する報告を解決するための取組みにおいて、前記特性を活用する一連の治療剤の開発に注目して、さらにFAP基質の特異性を探索する研究が着手された。
図1および2は、基質ライブラリーにおけるP−P’ヘキサペプチド誘導体XP−YSWSのFAP開裂に関する結果を示す図であり、P置換(Xにより表された)の有効性についてスクリーニングされたアミノ酸残基は、全てD−配置にある。図1に示されたライブラリーでは、前記ヘキサペプチドのN−末端は無保護であり;図2に示されたライブラリーでは、前記ヘキサペプチドのN−末端はアセチル化されている。双方のライブラリーにおいて、全てのヘキサペプチドは、ジェミナルアミノ官能性を含むようにC−末端カルボキシレートが修飾されている。両方のライブラリーにおいて、P残基はProである。
試験基質を、FAPと共に37℃で24時間インキュベートした。基質の加水分解は、P(Pro)とP’(Tyr)との間の切断可能な結合において生じる。この反応を、1.2NのHClによりクエンチし、サンプルをLC/MSにより分析することによって、ライブラリーと比較した、インタクトペプチド残存量を測定した。各アミノ酸残基Xの開裂画分を示す。全ての分析データをまとめると、N−末端保護の有無にかかわらず、D−トリプトファンが最良のP残基であることが示されている。これらの結果により、随意的にN−末端を保護したD−Trp−L−boroProは良好であり、より重要なことには、FAPの選択的阻害剤になるはずであることが示唆されている。
Figure 2010523477
末端修飾
しかしながら、保護基の使用は有利と考えられる。N−末端修飾のさらなる例としては、グリコシル化(例えば、N−グルシトール)、N−ピログルタミル、N−アセチル、N−メチル化(N−Me、α−Me)、脱アミノ化、およびイミダゾール−乳酸による置換が挙げられる。
本発明の特定の実施の形態では、末端残基において随意的にかつ独立して誘導体化されうる合成ペプチド類似体が提供される。本発明の1つの実施形態では、随意的に誘導体化され、それによってそれぞれ存在ごとに独立して対応するC−末端カルボキシレートが、ジェミナルアミノ官能基またはボロン酸官能基により置換され、安定で生物学的に活性なFAP阻害剤を与える、上記のペプチド類似体が考慮されている。
ジペプチジルボロン酸は、pHに応じて、環式もしくは線状のモノマー体、またはトリマーの環式無水体(ボロキシン)で存在しうる。実際、ジペプチジルボロン酸は、対応する環式モノマー形成のためpH>7でそれらの活性プロファイルを変化させることが知られている(スキーム1)。
スキーム1
Figure 2010523477
チオカルボニル基を含んでなる一定のジペプチジルボロン酸は、線状の活性化形態と脱ボロン化した非活性化形態との間の平衡状態で存在する。エントロピーの増大に起因して、この平衡状態は、かなり非活性化形態よりになる(スキーム2)。
Figure 2010523477
C−末端修飾は、必須とされるカルボキシレートが、ホスホネート、スルホンアミド、スルホネート、フルオロアルキルケトン、アルファケトン、N−ペプチオリル−O−(アシルヒドロイルアミン)、アザペプチド、アゼチジン、フルオロオレフィン、ジペプチド等価体、ペプチジル(アルファ−アミノアルキル)ホスホネートエステル、アミノアシルピロリジン−2−ニトリル、または4−シアノチアゾリジドによって置換されているものなど、他の構造を含んでもよい。
上記の各事例において、前記修飾官能基(例えば、ボロン酸)に結合したC−末端炭素が、L−配置であるとして記載されている場合、その炭素の絶対配置がL−アミノ酸のものと同様であることを意味する。例えば、−B(OH)基は、L−アミノ酸の−COOR基が有するであろう関係と同じ関係を有するであろう。
Figure 2010523477
本明細書に用いられる本発明の化合物を含むFAP阻害剤は、記載された前記化合物の薬学的に許容できる塩もまた含む。本発明の化合物は、酸性官能基、塩基性官能基、または双方を有することができ、塩を形成する多くの無機塩基ならびに無機酸および有機酸のいずれとの反応も可能である。通常、酸付加塩を形成するために使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ならびにp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニル−スルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などの有機酸である。このような塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ガンマ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などが挙げられる。塩基付加塩としては、アンモニウムまたはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などの無機塩基から誘導されたものが挙げられる。したがって本発明の塩を調製するのに有用なこのような塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
本発明の選択された具体的な実施形態を表す式では、具体的に示されないことが多いが、アミノ末端基およびカルボキシ末端基は、別に規定されない限り、当然のことながら生理学的pH値でとりうる形態で存在するものと解されよう。このように、生理学的pHでのN−末端−NH およびC−末端−CO は、必ずしも特定され、示されているとは限らないが、当然のことながら具体例または一般式で存在しうる。
中性pHでの末端状態を前述したが;当然のことながら、ペプチドの酸付加塩または塩基性塩もまた本発明の範囲内に含まれるものと解される。高pHにおいて、C−末端およびカルボキシル含有側鎖の塩基性塩は、非毒性の薬学的に許容できる塩基から形成することができ、好適な対イオンとしては、例えば、Na、K、Ca2+などが挙げられる。好適な薬学的に許容できる非毒性の有機カチオンもまた対イオンとして使用することができる。さらに本明細書で示したように、ペプチドは、対応するアミドとして調製することができる。N−末端またはアミノ基含有側鎖に関して好適な酸付加塩としては、塩酸、硫酸、またはリン酸などの無機酸から形成された塩、酢酸、クエン酸、または他の薬学的に許容できる非毒性の酸などの有機酸から形成された塩が挙げられる。
本発明の化合物
1つの実施形態では、本発明は、式A:
Figure 2010523477
により表される化合物またはそれらの薬学的に許容できる塩に関するものであって、式中、それぞれ存在ごとに独立して、
Xは、O、S、またはNRを表し;
Yは、H、天然L−アミノ酸残基、天然D−アミノ酸残基、またはN−末端保護基を表し;
Zは、−COR’、−SOH、−SONH、−B(OH)、−PO、または5−テトラゾリルを表し;
Rは、それぞれ存在ごとに独立して、H、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ニトロ、アジド、アルキルセレノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、シリル、シリルオキシ、(アルキルオキシ)カルボニル、(アリールオキシ)カルボニル、(アリールアルキルオキシ)カルボニル、(アルキルアミノ)カルボニル、(アリールアミノ)カルボニル、(アリールアルキルアミノ)カルボニル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルを表し;
は、H、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ニトロ、アジド、アルキルセレノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、シリル、シリルオキシ、(アルキルオキシ)カルボニル、(アリールオキシ)カルボニル、(アリールアルキルオキシ)カルボニル、(アルキルアミノ)カルボニル、(アリールアミノ)カルボニル、(アリールアルキルアミノ)カルボニル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルを表し;
は、H、天然アミノ酸の側鎖、または非天然アミノ酸の側鎖を表し;
は、H、天然アミノ酸の側鎖、または非天然アミノ酸の側鎖を表し;
およびRは一緒になって、随意的に置換されうる3〜8員環を形成してもよく;
R’は、それぞれ存在ごとに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し;
mは、1から約10の範囲の整数であり;
nは、0から6の範囲の整数である。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOである前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、Zが、−COR’または −B(OH)を表す前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、Zが−COR’を表し、R’がHを表す前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、Zが−B(OH)を表す前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、RおよびRが、一緒になって5員環を形成してアミノ酸残基のプロリンを与える前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHまたはN−末端保護基であり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがN−末端保護基であり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSである前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHまたはN−末端保護基であり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがN−末端保護基であり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0である前述の化合物に関する。
別の態様では、本発明は、
式B:
Figure 2010523477
により表される化合物またはそれらの薬学的に許容できる塩に関するものであって、式中、それぞれ存在ごとに独立して、
Xは、O、S、またはNRを表し;
Yは、H、天然L−アミノ酸残基、天然D−アミノ酸残基、またはN−末端保護基を表し;
Zは、−COR’、−SOH、−SONH、−B(OH)、−PO、または5−テトラゾリルを表し;
Rは、それぞれ存在ごとに独立して、H、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ニトロ、アジド、アルキルセレノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、シリル、シリルオキシ、(アルキルオキシ)カルボニル、(アリールオキシ)カルボニル、(アリールアルキルオキシ)カルボニル、(アルキルアミノ)カルボニル、(アリールアミノ)カルボニル、(アリールアルキルアミノ)カルボニル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルを表し;
は、H、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ニトロ、アジド、アルキルセレノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、シリル、シリルオキシ、(アルキルオキシ)カルボニル、(アリールオキシ)カルボニル、(アリールアルキルオキシ)カルボニル、(アルキルアミノ)カルボニル、(アリールアミノ)カルボニル、(アリールアルキルアミノ)カルボニル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルを表し;
は、Hまたは天然アミノ酸の側鎖を表し;
は、Hまたは非天然アミノ酸の側鎖を表し;
およびRは一緒になって、随意的に置換されうる3〜8員環を形成してもよく;
R’は、それぞれ存在ごとに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し;
mは、1から約10の範囲の整数であり;
nは、0から6の範囲の整数である。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOである前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、Zが、−COR’または −B(OH)を表す前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、Zが−COR’を表し、R’がHを表す前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、Zが−B(OH)を表す前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、RおよびRが、一緒になって5員環を形成してアミノ酸残基のD−プロリンを与える前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHまたはN−末端保護基であり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがN−末端保護基であり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSである前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHまたはN−末端保護基であり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがN−末端保護基であり;nが0である前述の化合物に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0である前述の化合物に関する。
本発明の方法
本発明のFAP阻害剤は、腫瘍としての特徴が明白でありうる哺乳動物の異常な細胞増殖を特徴とするものなど、このような薬剤によって改善されやすい病態を治療するための治療剤として有用であることが想定される。前記FAP阻害剤はまた、反応性間質線維芽細胞の存在をさらに特徴とする上記の病態を治療するために有用でありうる。前記FAP阻害剤は、癌、肉腫、または黒色腫など、異常な哺乳動物の細胞増殖が、上皮細胞にある上記の病態を治療するために有用でありうる。前記FAP阻害剤はまた、上皮起源の転移をさらに特徴とする上記の病態を治療するために有用でありうる。本発明のFAP阻害剤は、乳癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、腎臓癌、肺癌、黒色腫、線維肉腫、骨および結合組織の肉腫、腎細胞癌、巨細胞癌、扁平上皮癌、および腺癌などの病態の治療に有用となりうる。前記FAP阻害剤はまた、前述の疾患のいずれかに関連する血管新生の抑止に有用でありうる。
1つの実施の形態では、本発明は、哺乳動物のFAPと、式AもしくはBの化合物またはそれらの任意の種々のさらなる実施形態による化合物とを接触させることを含んでなる、FAPを阻害する方法に関する。
別の実施の形態では、本発明は、癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、式AもしくはBの化合物、またはそれらのさらなる種々の実施形態のいずれかの治療に有効な量を投与することを含んでなる方法に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、化合物が式Bの化合物であり、式中、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0である前述の方法に関するものである。
さらなる実施の形態では、本発明は、化合物が式Bの化合物であり、式中、XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0である前述の方法に関するものである。
さらなる実施の形態では、本発明は、化合物が式Bの化合物であり、式中、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0である前述の方法に関するものである。
さらなる実施の形態では、本発明は、化合物が式Bの化合物であり、式中、XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0である前述の方法に関するものである。
別の実施の形態では、本発明は、癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、D−Trp−L−boroProまたはそれらの薬学的に許容できる塩を治療に有効な量で投与することを含んでなる方法に関する。
別の実施の形態では、本発明は、癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、Ac−D−Trp−L−boroProまたはそれらの薬学的に許容できる塩を治療に有効な量で投与することを含んでなる方法に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、前記癌が、乳癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、腎臓癌、肺癌、黒色腫、線維肉腫、骨および結合組織の肉腫、腎細胞癌、巨細胞癌、扁平上皮癌、または腺癌である、前述の方法に関する。
さらなる実施の形態では、本発明は、哺乳動物が霊長類、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、齧歯類、ネコ、またはイヌである前述の方法に関する。好ましい実施の形態では、哺乳動物はヒトである。
医薬組成物
別の実施の形態では、本発明は、1つまたは複数の薬学的に許容できる担体(添加剤)および/または希釈剤と共に製剤化した上記の1つまたは複数の化合物を治療に有効な量で含んでなる薬学的に許容できる組成物を提供する。下記に詳述したように、以下を目的に適合させたものを含む固体または液体における投与用に具体的に製剤化することができる。:(1)経口投与、例えば飲薬(水性または非水性液剤または懸濁剤)、錠剤、例えば、口腔、舌下、および全身的吸収用のもの、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌へ適用するためのペースト剤;(2)例えば、滅菌液剤または懸濁剤、または持続放出性製剤としての、例えば皮下、筋内、静脈内または硬膜外注射による非経口投与;(3)例えば、クリーム剤、軟膏剤、または放出制御パッチ剤または皮膚に適用されるスプレー剤としての局所適用;(4)例えば、膣座剤、クリーム剤またはフォーム剤としての膣内または直腸内;(5)舌下;(6)眼;(7)経皮;(8)経鼻;(9)肺;または(10)髄腔内。
本明細書において用いられている「治療に有効な量」という語句は、動物における少なくとも亜集団の細胞において、何らかの医療処置に適用可能な妥当な利益/危険性の比率で、何らかの所望の治療的効果を生じさせるために有効な本発明の化合物を含んでなる化合物、材料、または組成物の量を意味する。
本明細書において、「薬学的に許容できる」という語句は、堅実な医学的判断の範囲内において、妥当な利益/危険性の比率に相応した過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織に接触させる使用に好適な化合物、材料、組成物、および/または剤形のことをいう。
本明細書において用いられている「薬学的に許容できる担体」という語句は、対象の化合物を、1つの臓器、または身体の一部から、他の臓器、または身体の一部へと運搬することまたは輸送することに関与する液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、製造補助剤(例えば、滑剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸)、または溶媒封入材料などの薬学的に許容できる材料、組成物または媒体を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、患者に対して有害ではないという意味で「許容できる」ものでなければならない。薬学的に許容できる担体として役立ちうる材料のいくつかの例としては、(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;(2)トウモロコシ澱粉およびジャガイモ澱粉などの澱粉;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロース、およびその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオ脂および座薬用ワックス;(9)落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)無パイロジェン水;(17)等張生理食塩水;(18)リンガー液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;および(22)医薬製剤に用いられる他の非毒性の適合性物質が挙げられる。
上記に挙げたように、当該化合物の特定の実施の形態は、アミノまたはアルキルアミノなどの塩基性の官能基を含んで差し支えなく、したがって、薬学的に許容できる酸と薬学的に許容できる塩を形成することができる。この点で、「薬学的に許容できる塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機の酸付加塩のことをいう。これらの塩は、投与媒体中で、または剤形製造工程中に、もしくは、遊離塩基形態における本発明の精製化合物を好適な有機酸または無機酸と別個に反応させ、このようにして形成した塩を、その後の精製の間に単離することによって、その場で(in situ)調製することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリル硫酸塩などが挙げられる(例えば、Bergeら、(1977)「Pharmaceutical Salts」J.Pharm.Sci.66:1−19頁を参照)。
対象化合物の薬学的に許容できる塩としては、例えば、非毒性の有機酸または無機酸からの化合物の慣例的な非毒性の塩または第四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、このような慣例的な非毒性の塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導されたもの;ならびに、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタン二スルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸などの有機酸から調製された塩が挙げられる。
他の事例では、本発明の化合物は、1つ又は複数の酸性官能基を含んでもよく、したがって、薬学的に許容できる塩基を有する薬学的に許容できる塩を形成することができる。これらの場合の用語「薬学的に許容できる塩」とは、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機の塩基付加塩のことである。これらの塩は同様に、投与媒体中、または剤形製造工程中に、もしくは、その遊離酸形態における精製化合物を、薬学的に許容できる金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩などの好適な塩基、アンモニア、または薬学的に許容できる有機第一級、第二級または第三級のアミンと別個に反応させることによって、その場で(in situ)調製することができる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる(例えば、Bergeら、上記を参照)。
ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤および滑剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味料、芳香剤、保存剤および抗酸化剤もまた当該組成物中に存在しうる。
薬学的に許容できる抗酸化剤の例としては以下が挙げられる:(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロールなどの油溶生抗酸化剤;および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート化剤。
本発明の製剤としては、経口、経鼻、局所(口腔および舌下など)、経直腸、経膣投与および/または非経口投与に好適なものが挙げられる。これらの製剤は、単位投薬形態において簡便に提供でき、製薬業界に周知の任意の方法によって調製できる。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることのできる活性成分の量は、治療を受ける宿主、投与の具体的な方式に応じて変わる。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることのできる活性成分の量は一般に、治療効果を生じさせる化合物の量である。一般に、100パーセント中、この量は、活性成分の約0.1パーセントから約99パーセント、好ましくは、約5パーセントから約70パーセント、最も好ましくは、約10パーセントから約30パーセントの範囲である。
特定の実施の形態では、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば胆汁酸、およびポリマー担体、例えば、ポリエステルおよびポリ酸無水物よりなる群から選択される賦形剤;ならびに本発明の化合物を含んでなる。特定の実施の形態では、前述の製剤は、本発明の化合物を経口的に生体適合性にする。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を担体、および任意に1つまたは複数の補助的成分と結合させるステップを含む。一般に該製剤は、本発明の化合物を液体担体、または微細に分割された固体担体、または双方と均一に密接に結合させ、次いで、必要ならば製品を造形することによって調製される。
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸薬、錠剤、菓子錠剤(風味基剤、通常はスクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントゴムを用いて)、散剤、顆粒剤の形態で、または水性または非水性液体中の液剤または懸濁剤として、または水中油または油中水の液体乳剤として、またはエリキシル剤またはシロップ剤として、またはパステル剤(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴムなどの不活性基剤を用いて)として、および/または口腔洗浄剤として存在して差し支えなく、各々が、活性成分として、本発明の化合物の予め決められた量を含有する。本発明の化合物はまた、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤としても投与できる。
経口投与用の本発明の固体の投薬形態(カプセル剤、錠剤、丸薬、糖衣錠、散剤、顆粒剤、トローチ剤など)において、活性成分を、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または以下のうちのいずれかの1つまたは複数の薬学的に許容できる担体と混合させる:(1)澱粉、乳糖、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの充填剤または増量剤;(2)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアラビアゴムなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ澱粉またはタピオカ澱粉、アルギン酸、一定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、およびポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤;(7)セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、および非イオン性界面活性剤などの湿潤剤;(8)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびそれらの混合物などの滑剤;(10)着色剤;および(11)クロスポビドンまたはエチルセルロースなどの放出制御剤。カプセル剤、錠剤および丸薬の場合、医薬組成物は緩衝剤も含みうる。同様なタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟殻および硬殻ゼラチンカプセルにおける充填剤としても使用できる。
錠剤は、任意に1つまたは複数の補助的成分と共に、圧縮または成形によって作製できる。圧縮錠剤は結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシメチルセルロース)、滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、澱粉グリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を用いて調製できる。成形錠剤は、好適な機械において、不活性希釈剤で湿潤化させた粉末化合物の混合物を成形することによって作製できる。
糖衣錠、カプセル剤、丸薬および顆粒剤など、本発明の医薬組成物の錠剤および他の固体の投薬形態は、任意に刻みをつけるか、製薬業界で周知の腸溶コーティングおよび他のコーティングなどのコーティングおよび殻と共に調製することができる。それらはまた、所望の放出特性を提供するために、割合を変化させて、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを用いて、内の活性成分の徐放または放出制御を提供するために製剤化することもできる。それらは、急速放出用に、例えば凍結乾燥して製剤化できる。それらは、例えば、細菌保持フィルターを介したろ過、または、使用直前に滅菌水または他のいくつかの滅菌注射用媒体中に溶解できる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌できる。これらの組成物には、随意的に乳白剤を含めることもでき、また、胃腸管の特定の部分にのみ、またはそこに優先的に、随意的に遅延させる方式で、活性成分を放出する組成物でありうる。使用できる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。活性成分はまた、適切な場合は1つまたは複数の上記賦形剤と共に、マイクロカプセル形態でもありうる。
本発明の化合物の経口投与用の液体の投薬形態としては、薬学的に許容できる乳剤、ミクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエレキシル剤が挙げられる。液体の投薬形態は、活性成分の他に、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実ユニット、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤など、当技術分野で一般的に用いられる不活性希釈剤を含みうる。
経口組成物は、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、風味剤、着色剤、香料および保存剤などのアジュバントも含みうる。
懸濁剤は、活性化合物の他に、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガントゴム、ならびにそれらの混合物として、懸濁化剤を含みうる。
直腸投与または膣投与のための本発明の医薬組成物の製剤は、1つまたは複数の本発明の化合物を、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、座薬用ワックスまたはサリチル酸塩を含んでなり、室温では固体だが、体温では液体であり、したがって直腸腔または膣腔では融解して活性化合物を放出する、1つまたは複数の好適な非刺激性の賦形剤または担体と混合することによって、座薬として提供できる。
膣投与に好適な本発明の製剤としてはまた、当技術分野で適切であることが知られている担体を含有する膣座薬、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤またはスプレー剤が挙げられる。
本発明の化合物の局所投与または経皮投与のための投薬形態としては、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤および吸入剤が挙げられる。活性化合物を、薬学的に許容できる担体と、および必要とされうる任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と、滅菌条件下で混合できる。
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、活性化合物の他に、動物脂肪または植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカントゴム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含みうる。
散剤およびスプレー剤は、本発明の化合物の他に、乳糖、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含みうる。スプレー剤は、クロロフルオロ炭化水素ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素などの慣例的な噴射剤をさらに含みうる。
経皮パッチ剤は、身体への本発明の化合物の制御送達を提供するさらなる利点を有する。このような投薬形態は、適切な媒体中に該化合物を溶解または分散させることによって作製できる。皮膚にわたる該化合物の流動を増大させるために、吸収増強剤もまた使用できる。このような流動速度は、速度制御膜を提供すること、またはポリマーマトリックスまたはゲル内に該化合物を分散することによって制御することができる。
眼科用製剤、眼用の軟膏剤、散剤、液剤などもまた、本発明の範囲内にあることが考慮されている。
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、本発明の1つまたは複数の化合物を、1つまたは複数の薬学的に許容できる滅菌等張性の水性または非水性の液剤、分散剤、懸濁剤または乳剤、あるいは使用前に滅菌注射用の溶液または分散液で再構成されうる滅菌散剤と組み合わせて含み、それらは、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、該製剤を意図する受容者の血液と等張にする溶質、あるいは懸濁化剤または増粘剤を含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物中に使用できる好適な水性および非水性の担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用により、分散剤の場合は必要な粒径の維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントも含みうる。対象化合物の対する微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを包含することによって確実にできる。該組成物中に、糖、塩化ナトリウムなどの等張化剤を含めることが望ましい場合がある。さらに、アルミニウムモノステアレートおよびゼラチンなど、吸収を遅延させる薬剤の包含によって、注射用医薬形態の吸収持続をもたらすことができる。
一部の事例では、薬剤の効果を持続させるために、皮下注射または筋内注射からの薬剤の吸収を遅延させることが望ましい。この結果は、水溶性の低い、結晶質または非結晶質の材料の懸濁液の使用によって達成することができる。次に薬剤の吸収速度は、その溶解速度に依存し、言い換えれば、結晶サイズおよび結晶形態に依存しうる。あるいは、非経口投与剤形の吸収遅延は、該薬剤を油媒体中に溶解または懸濁させることによって達成される。
注射用デポー形態は、ポリアクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に対象化合物のマイクロカプセル・マトリックスを形成することによって作製される。薬剤対ポリマー比、および使用される具体的なポリマーの性質に依って、薬剤放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、身体組織に適合性であるリポソームまたはミクロエマルジョン中に薬剤を封じ込めることによって調製することもできる。
本発明の化合物がヒトおよび動物に対する医薬品として投与される場合、それらは、薬学的に許容できる担体と組み合わせて、例えば0.1%から99%(より好ましくは、10%から30%)の活性成分を含有する医薬組成物としてそれ自体で投与することができる。
本発明の製剤は、経口で、非経口で、局所に、または経直腸で投与できる。それらは当然ながら、各投与経路に好適な形態で投与される。例えばそれらは、錠剤またはカプセル剤の形態で、注射、吸入、眼用ローション、軟膏、座薬、注射、注入または吸入による投与により;ローションまたは軟膏により局所に;および座薬により経直腸で投与される。
本明細書において用いられる語句「非経口投与」および「非経口的に投与された」とは、経腸投与および局所投与以外の、通常は注射による投与方式を意味し、限定はしないが、静脈内、筋内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮内、関節内、嚢下、クモ膜下、脊髄内および胸骨内の注射および注入が挙げられる。
本明細書において用いられる語句「全身投与」、「全身に投与された」、「末梢投与」および「末梢に投与された」とは、患者の系に入り、代謝および類似の過程に供されるような、化合物、薬剤または他の物質の中枢神経系内に直接的でない投与、例えば皮下投与などを意味する。
化合物は、経口、例えばスプレーなどによる経鼻、経直腸、膣内、非経口、大槽内および局所を含む、任意の好適な投与経路(口腔および舌下を含む)により、散剤、軟膏剤または点滴剤などによって、治療のためにヒトおよび他の動物に投与されうる。
選択される投与経路に関わらず、好適な水和形態で使用できる本発明の化合物、および/または本発明の医薬組成物は、当業者に知られた慣例的な方法によって、薬学的に許容できる投薬形態へと製剤化される。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与レベルは、患者に対して毒性ではなく、具体的な患者、組成物および投与方式に関して所望の治療応答を達成するために有効な活性成分の量を得る目的で、変化させて差し支えない。
選択される投与レベルは、用いられる本発明の具体的な化合物、またはそのエステル、塩またはアミドの活性、投与経路、投与時間、用いられる具体的な化合物の排泄または代謝の速度、吸収の速度および程度、治療の継続時間用いられる具体的な化合物と併用される他の薬剤、化合物および/または物質、年齢、性別、体重、状態、治療を受ける患者の全身の健康状態および以前の病歴など、医療業界で周知の種々の要因に依る。
当技術分野の通常の技術を有する医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し処方することができる。例えば、医師または獣医師は、医薬組成物中において用いられる本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を達成するために必要な用量よりも低いレベルで始め、所望の効果が達成されるまで徐々に用量を増加させることができる。
一般に、本発明の化合物の好適な毎日の用量は、治療効果を生じさせる上で有効な最低用量の化合物量である。このような有効用量は一般に上記の要因に依存する。一般に、指示された鎮痛効果を目的として用いられる場合、患者に対する本発明の化合物の経口、静脈内、脳室内および皮下の用量は、体重1kg当たり1日約0.0001mgから約100mgの範囲になる。
所望の場合、該活性化合物の1日の有効量は、任意に単位投薬形態において、一日を通して適切な間隔で、個々に2、3、4、5、6またはそれ以上のサブ用量として投与できる。用量は、1日当たりの1投与である。
本発明の化合物を単独で投与することは可能であるが、この化合物を医薬製剤(組成物)として投与することが好ましい。
本発明による化合物は、他の医薬品と類似させて、ヒトまたは獣医学用医療における使用を目的に、簡便な方法で投与するために製剤化できる。
別の態様において、本発明は、1つまたは複数の薬学的に許容できる担体(添加剤)および/または希釈剤と共に製剤化された、上記のとおり1つまたは複数の対象化合物を治療に有効な量で含んでなる薬学的に許容できる組成物を提供する。下記に詳述されるように、本発明の医薬組成物は、以下のために適合させたものを含めて固体形態または液体形態における投与のために具体的に製剤化できる:(1)経口投与、例えば、飲薬(水性または非水性の液剤または懸濁剤)、錠剤、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌に適用されるペースト剤;(2)非経口投与、例えば、滅菌の液剤または懸濁剤として、例えば、皮下、筋内または静脈内の注射によるもの;(3)局所適用、例えば、皮膚、肺または粘膜に適用されるクリーム剤、軟膏剤またはスプレー剤;(4)膣内または直腸内、例えば膣座薬、クリーム剤またはフォーム剤;(5)舌下または口腔;(6)眼;(7)経皮;または(8)経鼻。
用語「治療」は、予防、療法および医療も包含することが意図されている。
この治療を受ける患者は、霊長類、特にヒト、ならびにウマ、ウシ、ブタおよびヒツジなどの他の哺乳動物;および家禽および一般のペットなど、必要としている任意の動物である。
本発明の化合物はそれ自体で、または薬学的に許容できる担体と混合して投与することができ、また、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシドおよび糖ペプチドなどの抗生剤と組み合わせて投与することもできる。したがって、引き続く活性化合物が投与される際に、先に投与された活性化合物の治療効果が完全に消失しない方法で、組み合わせ療法には、活性化合物の連続投与、同時投与および個別投与が含まれる。
担体の非限定例としては、ポリマーおよびコポリマー、ミセル、逆ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、乳濁液、ヒドロゲル、微粒子、ナノ粒子、および固体表面が挙げられる。一態様において、担体は生体適合性である。
(i)ポリマーおよびコポリマー
特定の実施の形態では、対象組成物のポリマーまたはコポリマー、例えば対象処方のいずれかに示された反復要素を含むものは、約2000ダルトン以下から約1,000,000ダルトン以上の範囲、または約10,000ダルトン、20,000ダルトン、30,000ダルトン、40,000ダルトン、または50,000ダルトン、より具体的には、少なくとも約100,000ダルトン、さらに具体的には少なくとも約250,000ダルトンまたはさらに少なくとも500,000ダルトンの分子量を有する。数平均分子量(Mn)もまた広範囲で変化しうるが、一般に、約1,000ダルトンから約200,000ダルトンの範囲、またはさらに、約1,000ダルトンから約100,000ダルトンの範囲、さらに約1,000ダルトンから約50,000ダルトンの範囲に入りうる。1つの実施の形態では、Mnは約8,000ダルトンと45,000ダルトンの間で変化する。対象ポリマーの所与のサンプル内で、広範囲の分子量が存在しうる。例えば、サンプル内の分子は、2、5、10、20、50、100またはそれ以上の倍数で異なる分子量、または2、5、10、20、50、100またはそれ以上の倍数で平均分子量と異なる分子量を有しうる。
分子量を判定する一方法は、ゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)、例えば、混合ベッドカラム、CHCl溶媒、光散乱検出器、およびオフラインdn/dcによる。他の方法も当技術分野で知られている。
特定の実施の形態では、ポリマーの固有の粘度は、クロロホルム中、40℃で約0.01dL/gから約2.0dL/g、あるいは、約0.01dL/gから約1.0dL/g、時には、約0.01dL/gから約0.5dL/gの変動が一般にある。
対象ポリマーのガラス転移温度(Tg)は広範囲で変化して差し支えなく、ポリマー成分における分枝の程度、ポリマーの作製に用いられるリン含有モノマーの相対的比率などの種々の要因に依存する。本発明の製品が硬い固体である場合、Tgはしばしば、約−10℃から約80℃の範囲、具体的に、約0℃と50℃との間、さらに具体的に、約25℃と約35℃との間である。別の実施の形態では、Tgは、本発明の組成物を体温で流動性に保持する上で十分低い。したがって、本発明に用いられるポリマーのガラス転移温度は通常、約0℃から約37℃、あるいは約0℃から約25℃である。
別の実施の形態では、本発明のポリマー組成物は、可撓性または流動性の材料でありうる。使用されるポリマーがそれ自体流動性である場合、本発明のポリマー組成物はたとえ粘稠であっても、流動性にするための生体適合性溶媒を含む必要はないが、微量または残留量の生体適合性溶媒が存在したままでもよい。
可撓性ポリマーは、固体製品の組立てに使用できる。可撓性は、反復的に屈曲され、その元の形状に復元される能力を有することを伴う。可撓性ポリマーから作製された固体製品は、隣接した器官または体壁の移動にそれらが遭遇する解剖学的領域における配置のために適合化される。したがって、可撓性の固体製品は、それらの移動している組織によって十分に変形されうるため、組織損傷を生じさせない。固体製品がその元の位置から移動し、そのために予想しない運動構造に遭遇する可能性がある場合、可撓性は特に有利であり;固体製品は可撓性により、移動構造を損傷させる代わりに、そこから離れて屈曲することが可能となりうる。このような可撓性製品は、首の頚動脈などの拍動性血管の被覆、または、やはり局所の動きに影響されうる頚静脈血管のような首のより繊細な構造の被覆に好適でありうると考えられる。同様に可撓性固体製品は、頚部切開時に曝露される脊髄副神経などの神経を防御するために使用でき、ここで、固体製品の可撓性により、移動に遭遇した際に、神経内に侵食したり神経を損傷したりせずに、該固体製品を屈曲または変形させることが可能になりうる。本発明による固体担体を前述の方法で使用することにより、機能にとって重要である構造を外科的に保存して範囲のより狭い切開を実施することが可能になりうる。固体製品は、特定の解剖学的領域における移植に好適な三次元構造として構成できる。固体製品は、フィルム、メッシュ、シート、チューブ、または特定の解剖学的領域の寸法および機能的要件にとって適切な他の任意の形状として形成しうる。ポリマーの物理的性質は、望ましい程度の可撓性を達成するために、通常の当業者が精通した方法を用いて、化学的成分の修飾およびその架橋により調整できる。
ポリマー担体の例としては、カルボキシル化またはカルボキシメチル化線状ポリ−1−リシン(PL)またはポリ−D−リシン;カルボキシル化またはカルボキシメチル化ポリ−アルファ,ベータ−(2−アミノエチル)−D,L−アスパラギン酸アミド;ポリ−1−アスパラギン酸;ポリ−グルタミン酸、ヒスチジンと正電荷または負電荷アミノ酸とのコポリマー、カルボキシル化ポリエチレンイミン、すなわち、炭酸誘導体と反応させたポリエチレンイミン;天然多糖類、またはガラクツロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸、ヒアルロン酸、ペクチン酸、ノイラミン酸、アルギン酸によって例示することができるカルボキシル基を有しているそれらの化学的に誘導された生成物;カラゲナン;酸化デキストラン;例えば、結合アミノ基を含有する線状または分枝状のアミノ化多糖類またはオリゴ糖、;例えば、合成結合のカルボキシル基、アミノカルボキシル基、カルボキシメチル基、硫酸基、アミノ基またはリン酸基を有する炭酸、ジ炭酸、硫酸、アミノ硫酸、リン酸の誘導体と反応させたカルボキシル化、カルボキシメチル化、硫酸化またはリン酸化多糖類またはオリゴ糖が挙げられる。このようなオリゴ糖は、例えば、デキストラン、マンナン、キシラン、プルラン、セルロース、キトサン、アガロース、フコイダン、ガラクタン、アラビナン、フルクタン、フカン、キチン、プスツラン、レバンまたはペクチンの化学的改変によって得ることができる。これらの多糖類またはオリゴ糖に加えて、グルコースなどの単糖のヘテロポリマーまたはホモポリマー、ガラクトース、マンノース、ガラクトース、デオキシグルコース、リボース、デオキシリボース、アラビノース、フコース、キシロース、キシルロース、リブロース、線状または分枝状のポリアミドアミン;ポリアクリル酸;ポリアルコール、例えば、カルボン酸基またはアミノ基が化学的に結合したポリビニルアルコールおよびポリキシリトールによって表されうる。ポリアミノ酸の分子量は、1000より大きく、かつ100000より小さいことが好ましい。分子量(MW)分布の広いポリアミノ酸よりも、MW分布の狭いポリアミノ酸が好ましい。ポリアミノ酸はペプチド結合と結合している。ポリアミノ酸は、化学的合成または遺伝子工学などの組換え技法によって調製される。本発明における使用に好適なポリマーのさらなる例に関しては、米国特許第6,509,323号明細書;米国特許第6,492,560号明細書;米国特許第6,468,532号明細書;米国特許第6,521,736号明細書;米国特許第6,348,069号明細書;米国特許第5,871,710号明細書;および米国特許第6,051,549号明細書を参照されたい。
(ii)ミセル、逆ミセル、リポソームおよびミクロスフェア
疎水性ドメインと親水性ドメインの双方を含有する両親媒性化合物は一般に、リポソーム、ミセル構造または逆ミセル構造などの小胞性構造へと構成される。リポソームは、脂質分子(通常はリン脂質)からなる膜によって完全に包まれた水性容量を含みうる。ミセルおよび逆ミセルは、両親媒性分子を含有するが、膜によって完全に包まれた水性容量を含有しない微視的な小胞である。ミセルでは、両親媒性化合物の親水性の部分が外側(小胞の表面)にあるが、逆ミセルでは、両親媒性化合物の疎水性部分が外側にある。したがって逆ミセルは、水と逆ミセル内の高分子の双方に溶解できる極性のコアを含有する。コアの水性プールの容量が増加するにつれて、水性環境はバルク水の物理的および化学的な特徴に合致し始める。得られた逆ミセルは、油中水のミクロエマルジョンと呼ぶことができる。
水中では、ミセルを構成する2つ以上の成分の十分な濃度が存在する場合、これらの成分は自然に、熱力学的に安定なポリマーミセルへと凝集する。ミセル粒子はミクロ球状体の形状をとり、本質的に二重層を有する。このコア「層」は、例えば疎水性ポリエステル間の疎水性相互作用により形成される。同様に、表面「層」は、例えば親水性ポリカチオンと水との対応する親水性相互作用により形成される。第1の成分の親水性セグメントがポリカチオンであるため、正味の正電荷がミセルの表面付近に存在する。
ミクロエマルジョン化技法により、いくつかの親油性(水不溶性)医薬製剤の生物学的利用能が改善される。例としては、トリメトリン(Dordunoo,S.K.ら、Drug Development and Industrial Pharmacy、17(12)、1685〜1713頁、1991年)およびREV 5901(Sheen.P.C.ら、J Pharm Sci 80(7)、712〜714頁1991年)が挙げられる。他のものの中でもとりわけ、ミクロエマルジョン化は、循環系ではなく、リンパ系への吸収を優先的に指向することにより、生物学的利用能の増大を提供し、そのことにより、肝臓をバイパスして、肝胆循環における化合物の破壊を防止する。
好適な両親媒性担体を全て考慮しているが、当該担体は一般に、概して安全と認識される(GRAS)状態を有するもの、および本発明の化合物を溶解し、溶液が複雑な水相(ヒトの胃腸管に見られるような)に接触する後の段階でそれをミクロエマルジョン化することができるものである。通常、これらの要件を満たす両親媒性成分は、2〜20のHLB(親水性対新油性バランス)値を有し、それらの構造は、C6からC20の範囲の直鎖脂肪族基を含有する。例には、ポリエチレングリコール化脂肪族グリセリドおよびポリエチレングリコールがある。
市販入手できる両親媒性担体は、Gelucireシリーズ、Labrafil、Labrasol、またはLauroglycol(全てGattefosse社(仏国Saint Priest所在)によって製造および流通されている)PEG−モノ−オレエート、PEG−ジ−オレエート、PEG−モノ−ラウレートおよびジ−ラウレート、レシチン、ポリソルベート80など(米国および世界中の多数の会社によって製造および流通されている)などが特に考慮されている。
本発明によるミセルは、生分解性、生体適合性のコポリマーを含んでなり得、非免疫原性および非毒性がもたらされる。一態様において、本明細書に開示されたコポリマーは、腎臓排泄に対して非毒性、小型分子対象物へと分解し、必要な治療期間中、不活性である。分解は、単純な加水分解的および/または酵素的な反応を介して生じうる。コポリマーの主鎖がエステル結合を含む場合、単純な加水分解を介した分解が優勢となりうる。リポソームなどの一定の細胞小器官の存在下では、酵素分解が顕著となりうる。分解時間は、異なる種類および分子量のポリマーを用いることによって、数日から数ヶ月と変わりうる。一例において本発明は、安全で生体適合性の分解経路を有する生分解性のポリエステルまたはポリペプチドを使用しうる。また、樹状ポリアミドアミンなどの分枝状ポリカチオンは、線状ポリカチオンよりも細胞毒性が低いと考えられるため、本発明の高分枝状ミセル構造は細胞毒性をさらに減少させうる。したがって、細胞毒性の低下を考慮すると、本発明によるポリマーミセルの成分および構造の有利さを認めることができる。本発明に好適なミセル、逆ミセル、リポソーム、およびミクロスフェアのさらなる例に関しては、米国特許第6,338,859号明細書;米国特許第5,631,018号明細書;米国特許第6,162,462号明細書;米国特許第6,475,779号明細書;米国特許第6,521,211号明細書;および米国特許第6,443,898号明細書を参照されたい。
(iii)乳剤およびヒドロゲル
本発明の担体としての乳剤は、水性および非水性、または水性−有機連続相および有機不連続相の乳剤に関連しており、後者は、水に非混和性の有機溶媒を含有する。ヒドロゲルは類似しており、分散相が水と組み合わされて半固体物質を生じるゲルのタイプのことをいう。本発明に用いられる乳剤およびヒドロゲルは、アルキレンオキシドと、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族アミン、脂肪酸、フェノール、アルキルフェノール、カルボキシミドおよびロジン酸、好ましくは、バルサムレジンおよび/またはアビエチン酸などのアルキル化されうる化合物との反応産物の群からの有機化合物を含みうる。
水に非混和性の有機溶媒としては、例えば、脂肪族、環式脂肪族または芳香族炭化水素またはアセテートタイプの溶媒が挙げられる。有機溶媒として好適なものは、好ましくは、天然化合物、完全合成または半合成の化合物であり、適切な場合は、20℃から130℃の温度範囲で他の乳剤化合物と完全に混和性であるか、可溶性であるこれらの溶媒の混合物である。1つの実施の形態では、好適な溶媒は、例えば、鉱油、パラフィン、イソパラフィンなどの油、シリコン油などの完全合成油、例えば、中鎖長の不飽和脂肪酸のグリセリドに基づく半合成油、精油、天然または合成の飽和または不飽和脂肪酸、例えば、C〜C22−脂肪酸、C〜C18−脂肪酸のエステル、特に好ましくは、ナタネ油のメチルエステルまたは2−エチルヘキシルラウレート、アルキル化芳香族化合物およびそれらの混合物、アルキル化アルコール、特に脂肪族アルコール、ヒドロホルミル化により得られた線状の第一級アルコール、テルペン炭化水素および、例えば、Enertheneなどのナフテンタイプの油など、室温で液体である脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素の群からのものである。さらなる有機溶媒としては、例えば、1,2−プロパンジオールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチルアセテートなどのアセテートタイプの溶媒の群からのものが挙げられる。溶媒は個々に、または互いの混合物として使用できる。
本発明による活性剤含有乳剤またはミクロエマルジョンの連続水性または水性−有機相は、水、水に可溶性または混和性の有機溶媒を含有し、さらに、20℃で水中、>10g/L、特に>100g/Lの溶解度を有する少なくとも1種の天然または合成の界面活性剤、および適切な場合は、さらにアジュバントを含有する。水に可溶性または混和性の有機溶媒は、20℃で、水中、>5.0g/L、特に>15g/Lの溶解度を有する。
好適な有機溶媒の例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどの脂肪族C〜C−アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはジアセトンアルコールなどの脂肪族ケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、100から4000g/molまたは200から1500g/molの平均グラム分子量を有するポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、またはグリセロールなどのポリオール、モノヒドロキシアルキルエーテルなどのモノヒドロキシエーテル、またはエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、チオジグリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはトリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのモノ−C〜C−アルキルグリコールエーテル、さらに2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−ピロリドン、N−ビニルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリドン、ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドである。
水性連続相に用いられる溶媒の量は一般に、連続相に基づいて、60重量%未満または40重量%未満である。
界面活性剤は、水性相に可溶性または完全に可溶性の乳化剤、湿潤剤、分散剤、消泡剤、または可溶化剤を意味するものとして理解される。特にそれらは、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性またはモノマー、オリゴマーまたはポリマーの性質でありうる。界面活性剤の選択は、本発明によって限定されず、乳剤の所望のタイプ(例えば、ミニエマルジョンまたはミクロエマルジョン)および該乳剤の安定性、特に、沈殿および/または分散相のクリーミングに関して安定化させるために非連続相に合わせる必要がある。
好適な界面活性剤の例としては、以下のものが挙げられる:a)フェノール性OH含有芳香族化合物の縮合体とホルムアルデヒドおよびNH官能基とのエチレン−オキシドアルキル化またはプロピレン−オキシドアルキル化によって得ることのできるアルキル化産物;b)ホウ酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、セレン酸塩、塩化物、フッ化物、リン酸塩、硝酸塩、アルカリ金属およびアルカリ土類金属および他の金属のアルミニウム塩、およびアンモニウムなどの水溶性の無機塩;c)反復サクシニル単位からなるポリマー、特にポリアスパラギン酸;d)アルキレンオキシドと、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族アミン、脂肪酸、フェノール、アルキルフェノール、カルボキシイミドおよびロジン酸などのアルキル化されうる化合物との反応産物など、アルコキシレート、アルキロールアミド、エステル、アミンオキシドおよびアルキルポリグリコシドの群からの非イオン性またはイオン修飾化合物。例えば、エチレンオキシドと以下のものとの反応産物のクラスからのエチレンオキシド付加体がある:1)6から25のC原子を有する飽和および/または不飽和脂肪族アルコール、2)アルキル基中に4から12のC原子を有するアルキルフェノールまたは3)14から20のC原子を有する飽和および/または不飽和脂肪族アミンまたは4)14から22のC原子を有する飽和および/または不飽和脂肪酸または5)水素化および/または非水素化ロジン酸、または6)任意に水素化した天然または修飾ヒマシ油脂質体から調製され、適切な場合はジカルボン酸とのエステル化により結合して反復構造単位を与えるエステル化産物および/またはアリール化産物;e)アルキレンオキシドとソルビタンエステル、オキザルキル化アセチレンジオ−ルおよびアセチレングリコール、およびオキザルキル化フェノールとの反応産物の群からのイオン性または非イオン性化合物;f)ホモポリマーおよびコポリマー、グラフトおよびグラフトコポリマーならびにランダムおよび線状ブロックコポリマーの群からのイオン性または非イオン性ポリマー界面活性剤。このような好適なポリマー界面活性剤の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシメチレン、ポリトリメチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリアリールアミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミド、ポリ−N,N−ジメチル−アクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N−アクリルグリシンアミド、ポリ−N−メタクリルグリシンアミド、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルメチルオキサゾリドンが挙げられる;g)例えば、硫酸アルキル、硫酸エーテル、エーテルカルボキシレート、リン酸エステル、スルホサクシネートアミド、パラフィンスルホネート、オレフィンスルホネート、サルコシネート、イソチオネートおよびタウレートなどのアニオン性界面活性剤;h)分散剤として知られている群からのアニオン性界面活性剤、特に、ナフトールとアルカノールとを反応させ、アルキレンオキシドを付加反応に供し、少なくとも末端ヒドロキシル基を、マレイン酸、フタル酸またはコハク酸、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホネート、ならびにポリアクリル酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリメタクリル酸、ポリリン酸のスルホ基またはモノエステルに部分的に変換することによって得られる縮合体;i)リグニンタイプの化合物、特にリグノスルホネート、例えば、亜硫酸塩またはクラフト法によって得られたもの。それらには、部分的に加水分解、酸化、プロポキシル化、スルホン化、スルホメチル化または二スルホン化されており、例えば、分子量またはスルホン化の程度によって、公知の方法により分別されている産物が含まれる。亜硫酸塩およびクラフトリグノスルホネートの混合物もきわめて有効である。約1,000超から100,000の平均分子量、少なくとも80%の活性リグノスルホネート含量および低含量の多価カチオンを有するリグノスルホネートが好適である。スルホン化の程度は広範囲で変わりうる。
別の実施の形態では、連続水相はまた、上記の界面活性剤に加えて、水溶性のブロックまたはブロックコポリマーも含有でき;これらのブロックまたはブロックコポリマーとしては、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドに基づいた水溶性ブロックおよびブロックコポリマーおよび/または二官能価アミン上のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの水溶性ブロックおよびブロックコポリマーが挙げられる。ポリスチレンとポリアルキレンオキシド、ポリ(メト)アクリル酸とポリアルキレンオキシド、さらにポリ(メト)アクリレートとポリ(メト)アクリル酸に基づいたブロックコポリマーもまた好適である。
さらに、連続水相は、例えば、水溶性湿潤剤、消泡剤および/または保存剤などの慣例的なアジュバントをさらに含有することもできる。
挙げることのできる本発明の乳剤タイプは:マクロエマルジョン:>2μmの小滴(顕微鏡的)を含有する;ミニエマルジョン:小滴の直径は0.1μmから2μm、混濁;およびミクロエマルジョン:小滴の直径<0.1μm;透明。本発明に好適な乳剤およびヒドロゲルのさらなる例に関しては、米国特許第6,458,373号明細書および米国特許第6,124,273号明細書を参照されたい。
(iv)ナノ粒子およびミクロ粒子
本発明における担体として使用できるナノ粒子およびミクロ粒子の例としては、1.0g/cm未満,または約0.4g/cm未満の質量密度を有する多孔性粒子が挙げられる。多孔性構造により、比較的大きな直径、例えば、平均直径が5μm超の治療的エアロゾルの、例えば肺深部送達が可能になる。
多孔性粒子は、好ましくは、生分解性で生体適合性であり、任意に薬物送達のために制御された速度で生分解することができる。該多孔性粒子は、約0.4g/cm未満の質量密度を有する多孔性粒子を形成することのできる任意の材料から作製できる。無機材料と有機材料の双方が使用できる。例えばセラミックが使用できる。本明細書で定義された多孔性粒子を形成することのできる他の非ポリマー材料が使用できる。
該粒子は、約0.4g/cm未満の質量密度を有する多孔性粒子を形成することのできる任意の生体適合性、かつ好ましくは、生分解性のポリマー、コポリマー、または混合物から形成できる。
多孔性粒子を形成するために、ポリ酸無水物などの表面侵食ポリマーが使用できる。例えば、ポリ[(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサン無水物](「PCPH」)が使用できる。生分解性ポリ酸無水物は、例えば、米国特許第4,857,311号明細書に記載されている。
別の実施の形態では、ポリ(ヒドロキシ酸)などのポリエステルに基づいたものなどのかさ高の侵食ポリマーが使用できる。多孔性粒子を形成するために、例えば、ポリグリコール酸(「PGA」)またはポリ乳酸(「PLA」)またはそれらのコポリマーが使用でき、ここで、該ポリエステルは中に、下記のアミノ酸などの荷電した、または官能化された基を組み込んでいる。
他のポリマーとしては、約0.4g/cm未満の質量密度を有する多孔性粒子を形成することのできるポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリアルキレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、およびポリビニルエステルなどのポリビニル化合物、アクリル酸およびメタクリル酸のポリマー、セルロース、多糖類、およびペプチドまたはタンパク質、またはそれらのコポリマーあるいはブレンドが挙げられる。種々の制御された薬物送達適用のために、インビボで適切な安定性および分解速度を有するポリマーを選択できるか、または修飾できる。
別の例として、それらの開示が参照することにより本明細書に援用される、Hrkachら、Macromolecules,28:4736−4739頁(1995);およびHydrogel and Biodegradable Polymers for BioapplicationsにおけるHrkachらの「Poly(L−Lactic acid−co−amino acid)Graft Copolymers:A Class of Functional Biodegradable Biomaterials」、ACSシンポジウムシリーズ627号、Raphael M.Ottenbriteら編、American Chemical Society、8章、93−101頁、1996年に記載されているような官能化ポリエステルグラフトコポリマーから、多孔性粒子が形成できる。官能化グラフトコポリマーは、ポリ(グリコール酸)またはポリ(乳酸)などのポリエステルと、ポリ(アミノ酸)などの官能化しうる、またはイオン化しうる基を含む他のポリマーとのコポリマーである。別の実施の形態では、中にアミノ酸を組み込んだ線状ポリエステル主鎖、およびポリエステル主鎖から伸びているポリ(アミノ酸)側鎖を含む櫛様グラフトコポリマーが使用される。該ポリエステルは、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸および吉草酸などのα−ヒドロキシ酸、またはそれらの誘導体または組み合わせのポリマーでありうる。ポリマーにおいて、ポリリシンなどのイオン化可能な側鎖の包含により、当技術分野で既知の溶媒蒸発などのミクロ粒子を作製する技法を用いて、より高多孔性の粒子形成が可能になることが分かっている。多孔性を増大させるために、アミノ基またはカルボキシル基などの他のイオン化可能な基を、共有的または非共有的にポリマー内に組み込むことができる。例えば、ポリアミンをポリマー内に組み込むことができよう。
多孔性ポリマー粒子の形成に使用できる代表的なポリエステルグラフトコポリマーは、ポリ(L−乳酸−コ−Z−L−リシン)(PLAL)からなるポリエステル主鎖、およびグラフトされたリシン鎖を有するグラフトコポリマーであるポリ(乳酸−コ−リシン−グラフト−リシン)(「PLAL−Lys」)である。PLAL−Lysは、例えば、98モル%の乳酸および2モル%のリシンからなる主鎖組成物および主鎖のリシン部位から伸びているポリ(リシン)側鎖を有する櫛様グラフトコポリマーである。
ポリ(乳酸)コポリマーは、生体によって処理できる乳酸とリシンに生分解されるため、この使用は有利である。主鎖に既存のリシン基は、ポリ(アミノ酸)側鎖の成長のための出発部位として用いられる。
合成において、グラフトコポリマーは、i)送達の際に、送達される薬剤の安定性および活性の保持を提供するための該薬剤とコポリマーとの間の相互作用;ii)ポリマー分解速度、およびそれによる薬物放出速度プロファイル;iii)化学的修飾を介した表面特性およびターゲティング能力;およびiv)粒子の多孔性、などの多孔性粒子の異なる特徴を最適化するために調整できる。本発明に好適なナノ粒子およびミクロ粒子のさらなる例に関しては、米国特許第6,447,753号明細書および米国特許第6,274,175号明細書を参照されたい。
(v)固体表面
特定の実施の形態では、本発明に用いられる担体は、固体支持体、例えば、ポリマービーズまたは樹脂、例えばワン(Wang)樹脂でありうる。支持体は、シリコン、プラスチックのような硬度を有する固体でありうる。また支持体は、プラスチックまたは合成材料(ナイロンなど)、天然ポリマー(セルロースまたは絹)から作製された材料またはそれらの誘導体(ニトロセルロースなど)などの可撓性材料でありうる。特定の実施の形態では、支持体は、硬い、または可撓性でありうる多孔性材料、織物などのかみ合い線維などである。いくつかの実施形態において、固体支持体は、多孔性でありうるビーズまたはペレットである。
反応性部位を有する固体支持体を作出するための他の選択肢は、固体支持体が化合物と結合できるように、固体支持体を直接誘導体化することである。これに用いられる化学は、制御細孔ガラス(cpg)ビーズおよびポリマービーズの誘導体化に用いられる化学と同じか、または類似したものでありうる。一般に、この過程の最初のステップは、支持体上に、ヒドロキシル基(支持体上にすでに存在していない場合)またはアミノ基を作出することである。ヒドロキシル基が存在するか、または作出されている場合、それらは一般に、例えば、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシランと反応させることによって、アミノ基へと変換される。MBDsは、環式酸無水物、活性化エステル、重合アルキレンオキシドとの反応、および当技術分野に知られた他の方法によってアミノ基へ付加することができる。
固体支持体の反応性表面の面積を増加させるための他の方法は、例えばSiOの熱蒸発により、一酸化シリコンの柱状構造を増加させることである。他のこのような方法は、不織ガラスまたはプラスチック(好ましくは、ガラス繊維またはポリプロピレン繊維)の布などの反応セル布に挿入し、この布をプラズマ処理して反応性の部位を作出することである。さらに別の方法では、熱酸化によりシル−セスキオキサンのはしご状ポリマー構造からほぼ化学量論的なSiOの薄膜を作出する塗布ガラスが用いられる。ゾル−ゲル処理では、先ず混合アルコールプラス水中にポリマー有機金属構造を形成し、次いで慎重な乾燥および焼付けにより、有機金属の出発材料からガラス様組成の薄膜を作出する。ゾル−ゲル系を溶液の臨界の温度と圧力以上で乾燥するとエーロゲルが生じる。エーロゲルは、ガラス(例えばSiO)と同様の化学組成を有するが、きわめて多孔性の微構造を有する。それらの密度は比較的低く、一部の事例では、わずか約1パーセントから約3パーセントの固体組成物を有するのみであり、残りは空気である。
参照としての援用
本明細書に引用した全ての米国特許および米国特許出願の刊行物は、参照することにより本明細書に援用される。
等価物
当業者は、ルーチンの実験のみを用いて、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または確認できるであろう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。

Claims (52)

  1. 式A:
    Figure 2010523477
    により表される化合物またはそれらの薬学的に許容できる塩であって、式中、それぞれ存在ごとに独立して、
    Xは、O、S、またはNRを表し;
    Yは、H、天然L−アミノ酸残基、天然D−アミノ酸残基、またはN−末端保護基を表し;
    Zは、−COR’、−SOH、−SONH、−B(OH)、−PO、または5−テトラゾリルを表し;
    Rは、それぞれ存在ごとに独立して、H、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ニトロ、アジド、アルキルセレノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、シリル、シリルオキシ、(アルキルオキシ)カルボニル、(アリールオキシ)カルボニル、(アリールアルキルオキシ)カルボニル、(アルキルアミノ)カルボニル、(アリールアミノ)カルボニル、(アリールアルキルアミノ)カルボニル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルを表し;
    は、H、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ニトロ、アジド、アルキルセレノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、シリル、シリルオキシ、(アルキルオキシ)カルボニル、(アリールオキシ)カルボニル、(アリールアルキルオキシ)カルボニル、(アルキルアミノ)カルボニル、(アリールアミノ)カルボニル、(アリールアルキルアミノ)カルボニル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルを表し;
    は、H、天然アミノ酸の側鎖、または非天然アミノ酸の側鎖を表し;
    は、H、天然アミノ酸の側鎖、または非天然アミノ酸の側鎖を表し;
    およびRは一緒になって、随意的に置換されうる3〜8員環を形成してもよく;
    R’は、それぞれ存在ごとに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し;
    mは、1から約10の範囲の整数であり;
    nは、0から6の範囲の整数である、
    化合物。
  2. XがOであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. Zが、−COR’または −B(OH)を表すことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
  4. Zが−COR’を表し、R’がHを表すことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
  5. Zが−B(OH)を表すことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
  6. およびRが、一緒になって5員環を形成してアミノ酸残基のプロリンを与えることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
  7. XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHまたはN−末端保護基であり;nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  8. XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  9. XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがN−末端保護基であり;nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  10. XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  11. XがSであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  12. Zが−COR’または −B(OH)を表すことを特徴とする請求項11に記載の化合物。
  13. Zが−COR’を表し、R’がHを表すことを特徴とする請求項11に記載の化合物。
  14. Zが−B(OH)を表すことを特徴とする請求項11に記載の化合物。
  15. およびRが、一緒になって5員環を形成してアミノ酸残基のプロリンを与えることを特徴とする請求項11に記載の化合物。
  16. XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHまたはN−末端保護基であり;nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  17. XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  18. XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがN−末端保護基であり;nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  19. XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  20. 式B:
    Figure 2010523477
    により表される化合物またはそれらの薬学的に許容できる塩であって、式中、それぞれ存在ごとに独立して、
    Xは、O、S、またはNRを表し;
    Yは、H、天然L−アミノ酸残基、天然D−アミノ酸残基、またはN−末端保護基を表し;
    Zは、−COR’、−SOH、−SONH、−B(OH)、−PO、または5−テトラゾリルを表し;
    Rは、それぞれ存在ごとに独立して、H、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ニトロ、アジド、アルキルセレノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、シリル、シリルオキシ、(アルキルオキシ)カルボニル、(アリールオキシ)カルボニル、(アリールアルキルオキシ)カルボニル、(アルキルアミノ)カルボニル、(アリールアミノ)カルボニル、(アリールアルキルアミノ)カルボニル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルを表し;
    は、H、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ニトロ、アジド、アルキルセレノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、シリル、シリルオキシ、(アルキルオキシ)カルボニル、(アリールオキシ)カルボニル、(アリールアルキルオキシ)カルボニル、(アルキルアミノ)カルボニル、(アリールアミノ)カルボニル、(アリールアルキルアミノ)カルボニル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルを表し;
    は、Hまたは天然アミノ酸の側鎖を表し;
    は、Hまたは非天然アミノ酸の側鎖を表し;
    およびRは一緒になって、随意的に置換されうる3〜8員環を形成してもよく;
    R’は、それぞれ存在ごとに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し;
    mは、1から約10の範囲の整数であり;
    nは、0から6の整数である
    化合物。
  21. XがOであることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  22. Zが、−COR’または −B(OH)を表すことを特徴とする請求項20または21に記載の化合物。
  23. Zが−COR’を表し、R’がHを表すことを特徴とする請求項20または21に記載の化合物。
  24. Zが−B(OH)を表すことを特徴とする請求項20または21に記載の化合物。
  25. およびRが、一緒になって5員環を形成してアミノ酸残基のD−プロリンを与えることを特徴とする請求項20または21に記載の化合物。
  26. XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHまたはN−末端保護基であり;nが0であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  27. XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  28. XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがN−末端保護基であり;nが0であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  29. XがOであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  30. XがSであることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  31. Zが、−COR’または −B(OH)を表すことを特徴とする請求項30に記載の化合物。
  32. Zが−COR’を表し、R’がHを表すことを特徴とする請求項30に記載の化合物。
  33. Zが−B(OH)を表すことを特徴とする請求項30に記載の化合物。
  34. およびRが、一緒になって5員環を形成してアミノ酸残基のD−プロリンを与えることを特徴とする請求項30に記載の化合物。
  35. XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHまたはN−末端保護基であり;nが0であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  36. XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがHであり;nが0であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  37. XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがN−末端保護基であり;nが0であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  38. XがSであり;Zが−B(OH)であり;RがHであり;Rがアミノ酸残基トリプトファンの側鎖であり;RがHであり;mが1であり;YがAcであり;nが0であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
  39. 哺乳動物のFAPを、請求項1から38のいずれか1項に記載の化合物と接触させる工程を有してなる、FAPを阻害する方法。
  40. 前記化合物が、請求項2から19および請求項21から38のいずれか1項記載の化合物であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 前記化合物が、請求項27、29、36、または38のいずれか1項記載の化合物であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  42. 癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、請求項1から38のいずれか1項記載の化合物を治療に有効な量で投与することを含んでなる、方法。
  43. 前記化合物が、請求項2から19および請求項21から38のいずれか1項記載の化合物であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
  44. 前記化合物が、請求項27、29、36、または38のいずれか1項記載の化合物であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
  45. 前記癌が、乳癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、腎臓癌、肺癌、黒色腫、線維肉腫、骨および結合組織の肉腫、腎細胞癌、巨細胞癌、扁平上皮癌、または腺癌であることを特徴とする請求項42から44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記哺乳動物が、霊長類、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、げっ歯類、ネコまたはイヌであることを特徴とする請求項42から45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記哺乳動物がヒトであることを特徴とする請求項42から45のいずれか1項に記載の方法。
  48. 癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、D−Trp−L−boroProまたはそれらの薬学的に許容できる塩を治療に有効な量で投与することを含んでなる方法。
  49. 癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、Ac−D−Trp−L−boroProまたはそれらの薬学的に許容できる塩を治療に有効な量で投与することを含んでなる方法。
  50. 前記癌が、乳癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、腎臓癌、肺癌、黒色腫、線維肉腫、骨および結合組織の肉腫、腎細胞癌、巨細胞癌、扁平上皮癌、または腺癌であることを特徴とする請求項48または49に記載の方法。
  51. 前記哺乳動物が、霊長類、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、げっ歯類、ネコまたはイヌであることを特徴とする請求項48から50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記哺乳動物がヒトであることを特徴とする請求項48から50のいずれか1項に記載の方法。
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