JP2010512977A

JP2010512977A - 神経刺激療法のための電極パッチおよび方法

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Publication number: JP2010512977A
Application number: JP2009543108A
Authority: JP
Inventors: ウォールグレン・スティーブン; ディウバルディ・アンソニー; ヤング・ジョン; フリーマン・マイケル
Original assignee: Ethicon Inc
Current assignee: Ethicon Inc
Priority date: 2006-12-19
Filing date: 2007-12-17
Publication date: 2010-04-30
Anticipated expiration: 2027-12-17
Also published as: US20080147146A1; BRPI0720490B1; WO2008079757A1; BRPI0720490B8; CN101626804B; AU2007337079B2; CN101626804A; CA2672987C; EP2094351A1; JP5254249B2; CA2672987A1; AU2007337079A1; EP2094351B1; BRPI0720490A2; US8175718B2

Abstract

患者内の単数または複数の神経を刺激するシステムは、中央のカソードと同心に囲むアノードをそれぞれ有して等しく離隔された同心電極のアレイを有する電極パッチを含んでいる。電極アレイパッチは、電気パルスによって刺激されるべき単数または複数の神経の位置を決定するために使用される。神経の位置がいったん決定すると、中央のカソードと同心に囲むアノードを有している同心電極パッチは、神経刺激療法を実施するために患者の皮膚上の最適な位置に置かれる。同心電極パッチは、接着剤または磁石によって、患者の皮膚に取り外し可能に取り付けることができる。

Description

開示の内容

〔発明の背景〕
〔発明の分野〕
本発明は、一般に、神経刺激療法（neurostimulation）用パッチに関し、より具体的には、複数の電極を有する外部の神経刺激療法用パッチに関する。

〔従来技術の説明〕
神経刺激療法（neurostimulation）は、人工の電気パルスを使用してニューロンを刺激する処理である。神経刺激療法のための従来の方法は、ある距離で離隔された１組の平坦電極の使用を含んでいる。１組の平坦電極からの電気力線は、神経を刺激するために使用される。一般に、２個の平坦電極は、等しい直径のものであり、そして、広い空間領域に亘って低い強度の電場を生成する。この低い強度の電場は、広い空間領域に亘って広がっているので、平坦電極の正確な位置にさほど依存していない。平坦電極は、接着剤で皮膚に固定されるか、または皮膚の下に埋め込むこともできる。

現状では、神経刺激療法に使用される利用可能な皮膚電極は、以下の制限の１つ以上を有している。皮膚電極の電場が広い空間領域に亘って広がっているので、より低い強度を有する電場をもたらす。したがって、神経を刺激できる電場を発生させるためには、より多くの電力が必要である。さらに、皮膚電極は、接着剤によって皮膚に固定されている。これらの皮膚電極の長期の歩行使用は、これらの電極を皮膚に固定するために使用される接着剤による、皮膚炎をもたらす。最終的に、刺激されるべき特定の神経は、非常に小さい領域に亘って刺激されうるのみであるので、皮膚電極の正確な配置は、電極が治療上のものであるためには不可欠である。

上記の議論の観点から、刺激されるべき神経を囲む神経が最も影響を受けないように、皮膚電極の正確で繰り返すことができる配置のための装置および方法に対する必要性が存在する。介護人のオフィスの外での患者による使い捨ての電極の正確で繰り返すことができる配置は、一般的に可能ではなく、そして、この装置および方法は、その問題を解決するであろう。さらに、長期使用の間における、最小限の皮膚刺激をもたらす、または、全くもたらさない、皮膚電極の必要性が存在する。さらに、現在利用可能な皮膚電極よりも、ニューロンを刺激するためにより少ない電力を必要とする皮膚電極の必要性が存在する。

本明細書に参照として組み込まれる、発明者Michael R. TraceyおよびAnthony DiUbaldi、名称「System and Method for Nerve Stimulation」で、２００５年６月７日に出願された、米国特許出願第11/146,522号明細書、および、２００５年１２月１５日にさらに公開され、付与された米国特許出願公開第2005/0277998(A1)号明細書に記載されているような技術は、非侵襲的で経皮的な神経刺激療法装置であり、制御され、振幅変調された波形を送信する。この波形は、搬送波信号とパルスエンベロープで構成される。キャリヤー波形は、組織インピーダンスによる減衰に打ち勝つために十分な周波数のものであるように設計されている。パルスエンベロープは、特定の神経を刺激するように設計された、特定のパルス幅、振幅、および形状情報を含んでいる。

パッチは、仙骨の神経の陰部枝（pudendal branch）に亘って、Ｓ２、Ｓ３のレベルで仙骨上に置かれることを意図されている。選択性は、波形に関する設計パラメータとパッチの空間的な位置によって達成される。すなわち、パッチに最も近い十分な直径のニューロンは、刺激され、パッチから最も離れた十分な直径のニューロンは、刺激されないであろう。したがって、標的の神経に空間的に最も近い位置でパッチが適用されることは、重要である。この空間的な位置における依存性は、電極設計によっていくらか緩和できる。すなわち、２つの等しい直径平面で離隔された電極は、広い空間領域に亘って低い強度の電場を生成する。逆に、同心電極形状は、狭い空間領域に亘って高い強度の電場を生成する。広い電場パターンは、配置位置においてより許容性があるが、標的の神経を刺激するためにより電力が必要であるだろう。同心の形状は、標的の神経を刺激するために、より少ないエネルギーを必要とするが、それほど配置誤差に許容性がないであろう。したがって、繰り返して理想的な配置位置を特定できる電極パッチまたは配置ツールを設計する必要性が存在する。

本明細書中に参照として組み込まれる、Philip C. CoryおよびJoan M. Coryに発行された、米国特許第６，５６４，０７９号明細書は、非侵略的に末梢神経を検出して皮膚表面でコンダクタンスを測定できる電場発生装置で使用するための、電極アレイおよび皮膚取り付けシステムを含むセンサーシステムを記述する。しかしながら、Cory他の特許は、繰り返して理想的な配置位置を特定できる、組織中の深い神経を検出するために、等しく離隔された同心電極アレイを記述していない。

〔発明の目的および概要〕
本発明の目的は、単数または複数の神経を刺激するために患者の上で神経刺激療法用電極パッチの理想的な配置位置を特定するために使用される電極パッチを提供することである。

神経刺激療法用電極パッチの付着によって患者の皮膚に引き起こされる皮膚刺激を最小限にする方法を提供することは、本発明の別の目的である。

電極パッチを患者の皮膚に非接着的に取り付けるための方法を提供することは、本発明のさらに別の目的である。

患者の皮膚に非接着的に取り付けることができる電極パッチを提供することは、更なる本発明の目的である。

患者の皮膚の上で電極パッチの理想的な配置位置を特定する方法を提供することもまた、更なる本発明の目的である。

電極パッチの配置および取付の公知の方法および神経刺激療法のための公知の電極パッチにおける固有の難点に打ち勝つ、電極パッチ、およびこのような電極パッチの理想的な配置位置を特定する方法を提供することは、更なる本発明の目的である。

本発明に従って形成された電極パッチは、反対のまたは負の電極から等しく離隔された複数の正の同心電極のアレイを含んでいる。すなわち、あらゆる正の電極は、同心の負の電極の間で等しく離隔されている。この構成は、複数の同心の電極アレイを生成する。これは、目標の神経に近接して電極アレイを配置することによって、配置依存性を減少させることができる。アレイ中の１つの電極が最適な位置である確率は、アレイ中の電極の数が増加するのに従って、増加する。目標位置がいったん特定されると、電極からなるより簡潔な同心のパッチは、意図している状態の処理のために、皮膚上に配置できる。

本発明は、皮膚の下への生体適合性ポリマー内に閉じ込められた単数または複数の金属円盤の配置、あるいは、単数または複数の磁石を組み込んで皮膚に内在する単数または複数のディスクに結合する外部皮膚電極アセンブリの配置といった、皮膚への炎症を最小化する皮膚ベースの電極のための非接着固定方法をさらに含んでいる。本発明の代換的な実施形態および方法は、外部の電極内と皮膚の下の生体適合性のパッケージ内とで対抗している極を有する磁石の利用を含んでいる。

本発明はまた、皮膚上における位置特定タトゥまたはマーク、および患者配置方法論を利用する、皮膚ベースの電極の正確で繰り返すことができる患者配置のための方法を含み、この方法は、皮膚の炎症を最小化するために回転スキームを組み込む。

本発明における、これらの特徴および利点、ならびにその他の特徴および利点は、添付の図面と組み合わせて読まれるべき以下の詳細な説明の例示的実施形態から容易に明らかとなるであろう。

〔好適な実施形態の詳細な説明〕
本発明は、ニューロンを刺激するためのシステムおよび方法を説明する。本発明で記載されていたシステムは、ニューロン４を刺激するために皮膚電極２を使用する。人工の電気パルスを使用して、ニューロン４が刺激される方法は、神経刺激療法として知られ、そして、前述のTracey他の特許出願第１１／１４６，５２２号明細書において詳細に記載され、そして、このような説明、および、前述のTracey他の特許において記述されているような、電気パルスを発生させるための回路、および、このようなパルスの形態は、本明細書中に参考として組み込まれる。これらの人工の電気パルスは、皮膚電極２によってニューロン４に移送され、この皮膚電極２は、アノード６およびカソード１０を備える。アノード６は、負に帯電した電極であり、そして、カソード１０は、正に帯電した電極である。

皮膚電極は、電場に関係する原理に作用する。源電荷（source charge）を囲む電場の強さは、源電荷の電荷量に直接関連する。さらに、電場の強さは、源電荷からの距離に反比例する。電場は、カソード１０からアノード６に広がっている。電場は、ベクトル量であり、ベクトル矢（vector arrow）によって表される。ベクトル矢は、電場の向きに向けられ、そして、ベクトル矢の長さは、電場の強さに比例している。電場の方向は、電場に置かれたときに陽電荷の粒子が加速する方向として定義される。ベクトル矢は、源電荷の表面に常に垂直に描かれる。源電荷の周りのベクトル矢の、より高い密度は、源電荷のより高い強さを示す。

図１は、本発明に従って形成された皮膚電極パッチ１２における複数の同心の皮膚電極２を示す。皮膚電極パッチ１２は、対応するカソード１０とアノード６の間に、等しい間隔を有する複数の同心の皮膚電極２のアレイを備え、電極２は、支持基板１３上に搭載されている。さらに、同心の皮膚電極２に通電する（energizing）ための電源として作動するバッテリー１４は、皮膚電極パッチ１２に取り付けられて、支持基板１３上に搭載される。皮膚電極パッチ１２は、それぞれの複数の皮膚電極２に供給された電力を制御するために使用される、例えば刺激発生器といった、電子機器１６も備える。

皮膚電極アレイ１８は、例えば銀／塩化銀、金、銀、チタニウム、または任意の導体材料といった、一般的な電極の材料から構成できるが、そうである必要はない。さらに、電極２は、導電性高分子、ファイバー、および同様のものから構成できる。電極アレイ１８は、ポリイミドフレキシブル回路の一部として作製でき、この回路は、業界において標準的なものの特有な、支持構造体１３として作用し、または、ケーブル（図示せず）を通して刺激発生器（図示せず）に取り付けられるスタンドアローンの部材であってもよい。このような刺激発生器の開示に関して、上述のTracey他の公開された特許出願第11/146,522号明細書が参照されるべきである。電極２がフレキシブル回路に組み入れられている場合において、フレキシブル回路は、刺激信号を発生させるために必要な電子機器のすべてを含むであろう。フレキシブル回路は、一次電池セルのための搭載特徴部も提供できる。

皮膚電極パッチ１２は、制御され振幅変調された波形を送信するために使用される非侵襲的で経皮的な神経刺激療法技術によって、ニューロン４を刺激する。この制御されて振幅変調された波形は、キャリヤー波形とパルスエンベロープで構成される。キャリヤー波形は、組織インピーダンスによる減衰に打ち勝つために十分な周波数を有している。パルスエンベロープは、ニューロン４を刺激するための、特定のパルス幅および振幅、ならびに、形状情報を有している。このような振幅変調波形の開示は、前述のTracey他の特許出願第１１／１４６，５２２号明細書で見つけられる。皮膚電極パッチ１２は、ニューロン４を覆う、適切な領域に亘って適用される。

図２Ａ〜図２Ｄに示されるように、バッテリー１４からの電力は、電極２を励起させるように連続したパターンでアレイ１８の各電極２に供給される。皮膚電極パッチ１２における複数の同心の皮膚電極２は、所望のパルス周波数を維持して、刺激されるべきニューロン４を検出して位置特定する（locate）ための刺激パターンを生成するために、連続的に励起されて、位相を異ならせている。結局、ニューロン４の最も近くにある特定の同心の皮膚電極２は励起され、そして、ニューロン４は刺激される。患者はこのような神経刺激を感じて、連続した神経刺激試験を管理する技術者にそう報告するであろう。この技術者は、患者の反応を記録して、連続した試験で励起された電極とそのような応答とを相関させるであろう。代換的に、患者は、例えば１週間などの、長期間、電極パッチ１２を身につけることができる。例えば、取り組まれている状態が過活動膀胱（ＯＡＢ）であると仮定する。それぞれの日で、電極の異なるパターンが、活性化される。この場合（すなわち、ＯＡＢを軽減するのを試みる際に）、患者は、神経刺激自体を感じるよりむしろ、排尿事象の頻度と強さ（intensity）に関して日誌に書くことができるであろう。そして、単数または複数の最適な電極位置を、日誌に記録された抑制されたＯＡＢ活動と相関させる。

この皮膚電極パッチ１２は、ニューロン４の最適位置を決定するための診療所での設定に特に有用である。診療所では、医師または技術者は、ニューロン４を覆いながらおおよその領域を包含するように、皮膚電極パッチ１２を患者に適用できる。皮膚電極パッチ１２におけるそれぞれの同心の皮膚電極２は、連続して励起され、そして、ニューロン４の最適位置は最終的に、決定される。標的の神経４の位置が一旦決定されると、患者は、最適位置に亘って配置されるべきより小さい皮膚電極パッチ２２を付与されうる。言い換えれば、ニューロン４がいったん位置特定されると、本発明に従って形成された単一の同心の皮膚電極パッチ２２は、さらにニューロン４を刺激するために使用できる。図４で示されるような、このより小さい電極パッチ２２は、以下でさらに詳細に説明されるであろう。さらに、ニューロン４の位置は、外来環境においてその後のパッチ２２の配置を容易にするために、皮膚タトゥまたはインクマーク２０として示されうる。

図３は、複数の神経４を同時に刺激するための刺激パターンを生成するための本発明の皮膚電極パッチ１２における、複数の同心の皮膚電極２の励起を示す。皮膚電極パッチ１２は、上述したように、複数の同心の皮膚電極２を含む。複数の同心の皮膚電極２からの複数の同心の皮膚電極は、神経刺激療法パターンを生成するために、同時に通電できる。この神経刺激療法パターンは、上述したように、複数の隣接したニューロン４を刺激するために使用され、また、神経４中の複数のファイバーを刺激するために使用できる。複数の隣接しているニューロン４が一旦位置特定されると、複数の隣接しているニューロンをさらに刺激するために、神経刺激療法パターンを生成するより小さい皮膚電極パッチ２２を使用できる。さらに、上述したように、ニューロン４の位置は、外来環境におけるその後のパッチの配置を容易にするために、皮膚タトゥまたは（例えばインクでの）マーク２０として示されうる。

図４は、本発明が以前に開示したより小さい同心の皮膚電極パッチ２２を示す。同心の皮膚電極２は、中心に位置しているカソード１０と、カソード１０を同心に囲む環状アノード６を備えることができ、上述したものからアノードとカソードの形と位置を逆にすることもできる。環状のアノード６とカソード１０は、同心の皮膚電極２を形成するために、皮膚電極ベースまたは支持構造体２３に搭載されうる。皮膚電極２は、例えば銀／塩化銀、金、銀、チタニウムまたは任意の導体材料といった、一般的な電極の材料から構成されることができるが、そうである必要はない。さらに、電極は、導電性高分子、ファイバー、および同様のものから構成できる。電極２は、上述したように、そして、上述のTracey他の特許出願第11/146,522号明細書に開示されているように、ポリイミドフレキシブル回路の一部として作製でき、この回路は、業界において標準的なものの特有な、支持構造体２３として作用し、または、ケーブルを通して刺激発生器に取り付けられるスタンドアローンの部材であってもよい。電極２がフレキシブル回路に組み込まれている場合、フレキシブル回路は、刺激信号を発生させるために必要な電子機器のすべてを含むこともできる。また、フレキシブル回路は、一次電池セルに対する搭載特徴部を提供することもできる。

同心の皮膚電極２は、カソード１０を３６０度に亘って包囲するアノード６を備える。アノード６とカソード１０は、図５Ａでの１つの構成に示されているような、取り外し可能に皮表２４に固定できる、経皮パッチ２２または同様のものの内側に、好適に含まれている。パッチ２２は、任意の適当な粘着包帯または同様のものであってもよい。

再び図４を参照すると、アノード６とカソード１０との間の間隔が増加するのに従って、同心の皮膚電極２のアノード６とカソード１０との間の電場は減少する。アノード６とカソード１０との間の間隔におけるこの増加のため、インピーダンスは増加して、アノード６とカソード１０との間の電流は減少する。アノード６とカソード１０との間の電流が減少するのに従って、アノード６とカソード１０における電場は減少する。電場の強さは、カソード直径とアノード直径との比率に関連する。カソード直径が減少するのに従って、アノード６における電場は減少し、そして、カソード１０における電場は増加する。アノード６の直径が減少するのに従って、カソード１０における電場は減少し、そして、アノード６における電場は増加する。増加した電気力線密度は、より大きい電場をもたらす。カソード直径とアノード直径との比率における変化から生じるこの電界の影響は、同心の形状で最大化される。同心の形状では、アノード６は、カソード１０を３６０度に亘って包囲する。

望ましくは、図４に示されているように、カソード１０の直径は、同心の形状におけるアノード６の直径よりもさらに小さい。より小さい直径を有するカソード１０における電気力線１は、より大きいアノード６での電気力線と比べて、互いにより近くにある。同心の形状の結果として、電気力線密度は、カソード１０で著しく高くなっている。同心の皮膚電極２は、狭い空間領域に亘って高い強度の電場を生成する。同心の形状は、目標神経またはニューロン４を刺激するために、より少ないエネルギーを必要とする。しかしながら、ただ一つの同心の皮膚電極２はそれほど配置誤差に許容性がない。したがって、配置誤差を避けるために、この同心電極パッチ２２を配置する前に、図１に示すように、そして上述したように、電極アレイを有するパッチ１２を用いて、ニューロン４の位置特定をすることは、重要である。

上述したように、カソード１０では電場の強さは、より高い。同心の皮膚電極２の同心形状は、平坦電極の場合における、電場の集中と比べると、より高い電場の集中をもたらす。狭い空間領域における電場のこの集中は、平坦電極に必要である電力と比べて、ニューロン４の刺激のための減少した所要電力をもたらす。さらに、同心の皮膚電極２の同心の形状は、放射状に左右対称の電場を生成する。放射状に対称の電場のため、同心の皮膚電極２は、ニューロン４の刺激に影響せずに、回転できる。

従来の皮膚電極の長期の歩行使用は、患者の皮膚にこれらの電極を固定するための接着剤の使用により皮膚炎をひきおこす。本発明の実施形態において、接着剤は、異なった粘着孔（adhesive wells）として同心の皮膚電極２に組み込まれ、パッチ２２の周縁周りに配置される。上述したように、同心の皮膚電極２は、ニューロン４の刺激に影響せずに、回転できる。

図５Ｂおよび図５Ｃは、２つの別々の構成において患者の皮膚に固定された同心の皮膚電極パッチ２２を示す。接着剤２６を含む粘着孔（adhesive wells）２５は、互いを直径方向に対向して位置していて、アノード６中または支持基板２３中に直接形成される。２つの別々の構成は、同心電極パッチ２２が適用される皮膚領域に対して接着剤２６の姿勢を変えることを可能にする。しかしながら、電気力線１は、それらのパターンを１つの構成から他方の構成には変えない。したがって、同心の皮膚電極パッチ２２は、刺激パターンを変えずに、皮膚での接着剤２６の接触領域を変えるために定期的に回転できる。同心の皮膚電極パッチ２２が回転する毎に、皮膚の異なった領域が接着剤２６と接触する。代換的に、皮膚電極パッチ２２は、接着剤２６がパッチ２２の異なる位置にあるように、製造できる。この様に、患者は、接着剤２６の位置にかかわらずパッチ２２を適用でき、そして、接着剤２６は、パッチ１２自体上での接着剤２６の異なった位置のため、皮膚上の異なる位置にあるであろう。

そして、上述したように、標的のニューロン４の位置が、電極アレイパッチ１２を使用していったん決定されると、より小さいパッチ２２を最適な位置で配置することができる。しかしながら、パッチ２２の繰り返すことができる正確な配置は、人為ミスのため困難であるかもしれない。この場合、パッチ２２の適正配置を示す皮膚タトゥまたは（例えばインクでの）マーク２０は、有用であるかもしれない。図６は、皮膚タトゥまたはマーク２０に亘るパッチを配置するための手段と同心の皮膚電極パッチ２２を示す。同心の皮膚電極パッチ２２は、同心の皮膚電極パッチ２２を皮膚に固定するために２つの固定手段２７を含んでいる。固定手段の例は、接着剤２６、金属ディスク３０、および磁石２８を含んでいる。接着剤２６は、皮膚に直接固定できる。さらに、同心の皮膚電極パッチ２２は、所望の位置における患者の皮膚上の同心の皮膚電極パッチ２２の正確で繰り返すことができる配置を助ける、皮膚タトゥまたはマーク２０を見るためにカソード１０（そして可能であれば任意の支持基板２３）の厚さを通して好適に形成される、中心の切抜き３２を含んでいる。

図７は、マーク２０が切抜き３２を通して位置合わせされそして見られるように、皮膚タトゥまたはマーク２０に亘る同心の皮膚電極パッチ２２の中心の切抜き３２の配置を示す。同心の皮膚電極パッチ２２の接着面は、皮膚の方に向いている。

図８に示されるような本発明の更なる実施形態において、１つ以上の金属ディスク３０は固定手段２７として使用されることができ、１つ以上の磁石３１は、患者の皮膚２４の下に配置される。望ましくは、磁石３１は、生体適合性ポリマーケーシング（図示せず）内に包み込まれる。金属ディスク３０と磁石３１との間の引き合いは、同心の皮膚電極パッチ２２を適所に保つ。このことは、同心の皮膚電極パッチ２２を患者の皮膚に固定するための接着剤２６の必要性を排除する。

図９に示されるような本発明のさらに別の実施形態において、１つ以上の磁石２８が固定手段２７として使用される場合、反対の極性の１つ以上の磁石３１は、患者の皮膚２４の下で配置される。望ましくは、皮膚下に配置された磁石３１は、生体適合性ポリマーケーシング（図示せず）の中に包み込まれる。パッチ磁石２８と埋め込まれた磁石３１の間の引き合いは、同心の皮膚電極パッチ２２を適所に保つ。このことは、同心の皮膚電極パッチ２２を患者の皮膚に固定するための接着剤２６の必要性を排除する。

図１０に示される本発明のさらに別の実施形態において、１つ以上の磁石２８が固定手段２７として使用されている場合、金属または他の磁気的に引きつけられる材料から作られる１つ以上のディスク３４は、患者の皮膚２４の下に配置される。望ましくは、金属ディスク３４は、生体適合性ポリマーケーシング（図示せず）中に包み込まれる。磁石２８と金属ディスク３４との間の引き合いは、同心の皮膚電極パッチ２２を適所に保つ。このことは、同心の皮膚電極パッチ２２を患者の皮膚に固定するための接着剤２６の必要性を排除する。

本発明の例示的の実施形態は本明細書の添付図面を参照して記載されてきたが、本発明はそれらの正確な実施形態に限定されず、本発明の範囲または趣旨から逸脱せずに他の様々な変化や修正が当業者によって本発明にもたらされうるということが、理解されるべきである。

図１は、単数または複数の神経を刺激するように患者の皮膚上での神経刺激療法用電極パッチの理想的な配置位置を特定するために使用される、本発明の１つの形態に従って構成された電極パッチの底面図である。図２Ａは、図１において示され、単数または複数の神経を刺激するために患者の皮膚上での神経刺激療法用電極パッチの理想的な配置位置を特定することにおける、電極パッチの同心の皮膚電極の連続した励起を示す、本発明の電極パッチの底面図である。図２Ｂは、図１において示され、単数または複数の神経を刺激するために患者の皮膚上での神経刺激療法用電極パッチの理想的な配置位置を特定することにおける、電極パッチの同心の皮膚電極の連続した励起を示す、本発明の電極パッチの底面図である。図２Ｃは、図１において示され、単数または複数の神経を刺激するために患者の皮膚上での神経刺激療法用電極パッチの理想的な配置位置を特定することにおける、電極パッチの同心の皮膚電極の連続した励起を示す、本発明の電極パッチの底面図である。図２Ｄは、図１において示され、単数または複数の神経を刺激するために患者の皮膚上での神経刺激療法用電極パッチの理想的な配置位置を特定することにおける、電極パッチの同心の皮膚電極の連続した励起を示す、本発明の電極パッチの底面図である。図３は、図１および図２Ａ〜図２Ｄにおいて示され、複数の神経の刺激のための神経刺激療法用電極パッチの理想的な配置位置を特定するために刺激パターンを生成するための、電極パッチの複数の同心の皮膚電極の励起を示す、本発明の電極パッチの底面図である。図４は、単数または複数の神経を刺激する使用のための、本発明の別の形態に従って構成された同心の皮膚電極パッチの底面図である。図５Ａは、本発明の更なる形態に従って構成され、神経刺激療法を影響させるための患者の身体上の電極パッチの配置を示す、電極パッチの断面図である。図５Ｂは、図５Ａに示され、異なる構成での電極パッチの固定手段を示す、本発明の電極パッチの底面図である。図５Ｃは、図５Ａに示され、異なる構成での電極パッチの固定手段を示す、本発明の電極パッチの底面図である。図６は、本発明のさらに別の形態に従って構成され、患者の皮膚上への電極パッチの適切な位置付けを容易にする手段を有している、同心の皮膚電極パッチの底面図である。図７Ａは、図６において示された本発明の同心の皮膚電極のパッチの底面図であり、患者の皮膚上へ電極パッチを適切に位置付けて取り付ける方法を示している。図７Ｂは、図６において示された本発明の同心の皮膚電極のパッチの平面図であり、患者の皮膚上へ電極パッチを適切に位置付けて取り付ける方法を示している。図８は、本発明のさらに別の形態において構成された同心の皮膚電極パッチの底面図であり、神経刺激療法のための、患者の皮膚上へのそのパッチの配置および取付を示している。図９は、本発明のさらに別の形態において構成された同心の皮膚電極パッチの底面図であり、神経刺激療法のための、患者の皮膚上へのそのパッチの配置と取付を示している。図１０は、本発明のさらに別の形態において構成された同心の皮膚電極パッチの底面図であり、神経刺激療法のための、患者の皮膚上へのそのパッチの配置と取付を示している。

Claims

神経を刺激するために患者の皮膚上に神経刺激療法用電極パッチを配置するための前記患者の皮膚上での位置を特定するために使用される電極パッチにおいて、
支持構造体と、
前記支持構造体上に搭載された電極アレイと、
を備え、
前記電極アレイにおける各電極は、カソードおよびアノードを有し、前記支持構造体上において互いに離隔されており、
前記パッチは、患者の皮膚上に配置可能であり、前記電極アレイにおける各電極は、前記神経を刺激するために前記患者の皮膚上に前記神経刺激療法用電極パッチを配置するための前記位置を決定するために、個々に通電可能である、電極パッチ。
請求項１に記載の電極パッチにおいて、
前記支持構造体上に搭載された電源と、
前記支持構造体上に搭載された刺激発生器と、
をさらに備え、
前記刺激発生器は、前記電極アレイの前記電極のそれぞれと電気的に結合されて信号を発生させ、前記電極アレイにおけるそれぞれの電極は、前記刺激発生器で発生させられた前記信号によって個別に通電可能である、電極パッチ。
請求項１に記載の電極パッチにおいて、
前記支持構造体は、フレキシブルプリント回路を含んでいる、電極パッチ。
請求項１に記載の電極パッチにおいて、
前記電極アレイにおける各電極は円形電極であり、
前記カソードは、前記電極の中心に位置していて、前記アノードは、前記カソードを同心に囲むように位置づけられている、電極パッチ。
請求項１に記載の電極パッチにおいて、
前記電極アレイにおける各電極は円形電極であり、
前記アノードは、前記電極の中心に位置していて、前記カソードは、前記アノードを同心に囲むように位置づけられている、電極パッチ。
神経を刺激するために患者の皮膚上に神経刺激療法用電極パッチを配置するための前記患者の皮膚上の位置を特定する方法において、
前記患者の皮膚上に電極パッチを配置するステップであって、前記電極パッチは、支持構造体および前記支持構造体上に搭載された電極アレイを含み、前記電極アレイにおける各電極は、カソードおよびアノードを有し、前記支持構造体上で互いから離隔されている、ステップと、
前記神経を刺激するために前記患者の皮膚上に前記神経刺激療法用電極パッチを配置するための前記位置を決定するため、前記電極アレイにおける各電極に連続して通電し、各電極が通電されるときの前記患者の応答に注意するステップと、
を含む、方法。
神経刺激療法用電極パッチにおいて、
支持構造体と、
前記支持構造体上に搭載された電極であって、前記電極は、カソードおよびアノードを含み、前記カソードおよび前記アノードは、患者の神経を刺激するために通電可能である、電極と、
前記電極パッチを前記患者の皮膚に取り外し可能に固定するための手段であって、前記固定する手段は、前記電極および支持構造体のうちの一方の上に位置する少なくとも１つの磁石を含む、手段と、
を備える、電極パッチ。
神経刺激療法用電極パッチにおいて、
支持構造体と、
前記支持構造体に搭載された円形電極であって、前記円形電極は、カソードおよびアノードを含み、前記カソードおよび前記アノードのうちの一方は、前記円形電極の中心に位置していて、前記カソードおよびアノードのうちの他方は、前記カソードおよび前記アノードのうちの前記一方を同心に囲むように位置づけられ、前記電極の中心に位置している前記カソードおよび前記アノードのうちの前記一方は、患者の皮膚上に配置されたマークを見ることができるように厚さを貫通して形成された孔を有する、円形電極と、
を備える、電極パッチ。
患者の皮膚上に神経刺激療法用電極パッチを位置づける方法において、
前記患者の皮膚上に前記神経刺激療法用電極パッチを配置するステップであって、前記神経刺激療法用電極パッチは、支持構造体および前記支持構造体上に搭載される電極を有し、前記電極は、カソードおよびアノードを有し、前記支持構造体および前記電極のうちの少なくとも一方は、その厚さを貫通して形成された孔を有する、ステップと、
神経を刺激するために前記患者の皮膚上で前記神経刺激療法用電極パッチを位置づけるため、前記支持構造体および前記電極のうち前記少なくとも一方において形成された前記孔と、前記患者の皮膚上のマークを整列させるステップと、
を含む、方法。
請求項９に記載の方法において、
前記神経刺激療法用電極パッチの前記電極が円形であり、
前記カソードは、前記電極の中心に位置していて、前記アノードは、前記カソードを同心に囲むように位置づけられ、
前記孔は、前記中心に位置しているカソードの厚さを貫通して形成されている、方法。
請求項９に記載の方法において、
前記神経刺激療法用電極パッチの前記電極が円形であり、
前記アノードは、前記電極の中心に位置していて、前記カソードは、前記アノードを同心に囲むように位置づけられ、
前記孔は、前記中心に位置しているアノードの厚さを貫通して形成されている、方法。
神経刺激療法用電極パッチを患者の身体に取り外し可能に固定する方法において、
少なくとも１つの磁石を患者の身体に取り付けるステップと、
前記患者の身体に神経刺激療法用電極パッチを配置するステップであって、前記神経刺激療法用電極パッチは、支持構造体、前記支持構造体上に搭載された電極、および前記患者の身体に前記電極パッチを取り外し可能に固定するための手段、を含み、前記電極は、カソードおよびアノードを含み、前記カソードおよび前記アノードは、前記患者の神経を刺激するために通電可能であり、前記固定する手段は、前記電極および前記支持構造体のうちの少なくとも一方の上に位置した少なくとも１つの磁石を含む、ステップと、
前記患者の身体に前記電極パッチを取り外し可能に固定するため、前記患者の身体に取り付けられた前記少なくとも１つの磁石に前記電極パッチの前記少なくとも１つの磁石が磁気的に引き付けられるように、前記神経刺激療法用電極パッチの前記少なくとも１つの磁石を、前記患者の身体に取り付けられた前記少なくとも１つの磁石と整列させるステップと、
を含む、方法。
請求項１２に記載の方法において、
前記少なくとも１つの磁石を前記患者の身体に取り付ける前記ステップは、前記患者の皮膚の下に前記少なくとも１つの磁石を埋め込むステップを含んでいる、方法。
神経刺激療法用電極パッチを患者の身体に取り外し可能に固定する方法において、
少なくとも１つの磁気的に引き付け可能な部材を患者の身体に取り付けるステップと、
前記患者の身体に神経刺激療法用電極パッチを配置するステップであって、前記神経刺激療法用電極パッチは、支持構造体、前記支持構造体上に搭載された電極、および前記患者の身体に前記電極パッチを取り外し可能に固定するための手段、を含み、前記電極は、カソードおよびアノードを含み、前記カソードおよび前記アノードは、前記患者の神経を刺激するために通電可能であり、前記固定するための手段は、前記電極および前記支持構造体のうちの少なくとも一方の上に位置している少なくとも１つの磁石を含む、ステップと、
前記患者の身体に前記電極パッチを取り外し可能に固定するため、前記患者の身体に取り付けられた前記少なくとも１つの磁気的に引き付け可能な部材に前記電極パッチの前記少なくとも１つの磁石が磁気的に引き付けられるように、前記神経刺激療法用電極パッチの前記少なくとも１つの磁石を、前記患者の身体に取り付けられた前記少なくとも１つの磁気的に引き付け可能な部材と整列させるステップと、
を含む、方法。
請求項１４に記載の方法において、
前記少なくとも１つの磁気的に引き付け可能な部材を前記患者の身体に取り付ける前記ステップは、前記患者の皮膚の下に前記少なくとも１つの磁気的に引き付け可能な部材を埋め込むステップを含んでいる、方法。
神経刺激療法用電極パッチを患者の身体に取り外し可能に固定する方法において、
少なくとも１つの磁石を患者の身体に取り付けるステップと、
前記患者の身体に神経刺激療法用電極パッチを配置するステップであって、前記神経刺激療法用電極パッチは、支持構造体、前記支持構造体上に搭載された電極、および前記患者の身体に前記電極パッチを取り外し可能に固定するための手段、を含み、前記電極は、カソードおよびアノードを含み、前記カソードおよび前記アノードは、前記患者の神経を刺激するために通電可能であり、前記固定するための手段は、前記電極および前記支持構造体のうちの少なくとも一方の上に位置した少なくとも１つの磁気的に引き付け可能な部材を含む、ステップと、
前記患者の身体に前記電極パッチを取り外し可能に固定するため、前記患者の身体に取り付けられた前記少なくとも１つの磁石に、前記電極パッチの前記少なくとも１つの磁気的に引き付け可能な部材が磁気的に引き付けられるように、前記神経刺激療法用電極パッチの前記少なくとも１つの磁気的に引き付け可能な部材を、前記患者の身体に取り付けられた前記少なくとも１つの磁石と整列させるステップと、
を含む、方法。
請求項１６に記載の方法において、
前記少なくとも１つの磁石を前記患者の身体に取り付ける前記ステップは、前記患者の皮膚の下に前記少なくとも１つの磁石を埋め込むステップを含んでいる、方法。