JP2010508265A - G−csfを含有する、糖尿性末梢神経病予防および治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
G−CSF(Granulocyte−Colony Stimulating Factor)を有効成分として含む糖尿性末梢神経病予防および治療剤と末梢神経再生剤を提供することを課題とする。
【解決手段】
末梢神経組織から血管を再生し破壊された神経組織を修復することによって、神経伝達速度および痛みの敏感度を好転させる顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony stimulating factor, G−CSF)を有効成分として含む糖尿性末梢神経病の予防および治療剤を開示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony stimulating factor, G−CSF)を有効成分として含む糖尿性末梢神経病予防および治療剤に関するものである。
糖尿病は、全世界的に重要な生活習慣病の中の一つで、最近は韓国でも急速な経済成長とともに糖尿病有病率が7〜10%に達し60〜70歳代の場合重要な死亡原因となっている。糖尿病は葡萄糖を体内細胞へ運ぶインシュリン(ホルモン)の分泌が正常になされない、あるいは作用しないことにより、葡萄糖が細胞内に移動されなくなることによって発生する病気である。この時細胞の中まで運搬されなかった葡萄糖はそのまま血液中に残っており、血液は糖の多い高血糖状態となり、葡萄糖は小便として排出される。このような高血糖の持続は体内の蛋白質、脂質代謝に異常を起こし、体内組織の生理学的、生化学的異常反応を招き合併症を誘発する。
糖尿性末梢神経病は、網膜病症、腎臓病症とともに糖尿病の三大合併症の一つである。この病気は症状がないこともあるが、下肢に深刻な痛みや感覚消失、筋力低下、自律神経障害を起こしうる非常に治療が難しい神経障害である。
このような糖尿性末梢神経病の有病率は5−60%であり、報告者によって非常に差が大きく、糖尿病との診断を受けた際、約12%がこのような状態にあり、発病から25年後には約60%の患者に生じる可能性があるという。
糖尿性末梢神経病症の症状としては主に感覚異常が現われるが、手と足、主に足にひどくびりびりする感じ、かっかとほてる痛み、刺すような痛み、砂を踏んだような、あるいは足の底が何かで覆われているような感じ、感覚がなくなる、足が冷えて夏でも掛け布団をかけて寝なければならないなどの異常感覚を訴える場合が多い。
発病の初期には皮膚感覚の変化はなく、感覚神経刺激現象による異常感覚症状だけを示すが、病気の進行にしたがってさらに感覚神経が損傷すれば、感覚神経支配領域の皮膚での温度覚、痛覚、振動覚、位置覚、触覚などが同時に現われる。
糖尿性末梢神経病症の原因としては、血糖が高くなることによる神経細胞内での生化学的変化と形態的変化(軸索萎縮、結節浮腫、微細血管変化など)が指摘されているが、詳しいことはまだ確実ではない。
このような糖尿性末梢神経病症の治療方法として神経遮断療法、代謝調節療法、薬物療法などがあるが、薬物療法ではどの薬品も根本的な治療を施せないことはもちろんのこと、症状に優れた好転をもたらす治療法が存在しないことが今の状況である。
したがって、糖尿性末梢神経病の病因機転研究およびこれに基づいた根本的な薬剤開発が切実に求められている状況である。
一方、G−CSF(glanulocyte−colony stimulating factor, 顆粒球コロニー刺激因子)は、好中球先祖細胞(neutrophil progenitor cell)に特異的に作用し、好中球の増殖と分化を促進し、好中球の抗体依存性細胞殺生能力を増加させる。また、IgA−媒介性食作用(phagocytosis)を促進してスーパーオキサイド(superoxide)生成能力を増加させる作用がある。
したがって、G−CSFは走化性ペプチド(chemotactic peptide)に対する反応能力を向上させ、感染症発生を抑制し発熱頻度を下げる役割をなすと知られている。また、G−CSFはGM−CSF(granulocyte−macrophage CSF)等の他のCSFに比べより分化した骨髄細胞に作用するので、生体内で白血病母細胞に対する影響が少ないと期待されている。
したがって、G−CSFは坑癌化学療法、抗癌剤の大量療法、放射線療法との併合療法、骨髓移植後の好中球の回復を促進させる薬品として広く使われている(Julie M. Vores et al., Clinical Applications of Hematopoietic Grouth Factors, Journal of Clinical Oncology, 13:1023−1035, 1995)。
G−CSFは好中球の増殖と分化に主に作用する造血剤(hematopoietic agent)であり、主に骨髄移植(bone−marrow transplantation)と抗癌剤投与による好中球減少症(Neurotropenia)に使う。また脊髄異形性症候群(Myelodysplastic syndromes)、再生不良性貧血(aplastic anemia)や先天性、周期性、特発性好中球減少症(congenitial. cyclic, idiopathic neutropenia)のような激しい慢性好中球減少症およびHIV感染患者において,好中球を増加させることにより好中球減少による感染を予防するために使われている。
好中球は、防御機転(host diffence mechanism)に重要な役割をする食細胞(phagocytic cells)で、正常な免疫機能と造血機能(hematopoietic status)を持っている場合は、感染時好中球の数が増加する。好中球の数(neutrophil count)が1500cells/mm3以下に減少した状態を好中球減少症(neutropenia)といい、好中球数が500cells/mm3以下の場合は、正常な防御機転が大きく損傷した状態で菌感染の危険性が非常に増すと知られている。
最近ではG−CSFを前記のような好中球減少症に臨床的に使用する以外にも,G−CSFが好中球の生成を促進して機能を強化させることが肺炎、敗血症などの色々な感染疾患の予防と治療に有効である、という期待とともに、感染疾患にG−CSFの単独投与または抗生剤との併用投与に関する研究が進行中である。
成熟したG−CSF蛋白質は、4個のアルファ-へリックス(alpha−helix)で構成され、分子量約20,000程度の2個の二硫化結合を有するが、この結合中、位置番号133のトレオニン置換基は、O-リンクされた(O−linked)炭水化物が付加される唯一の位置である。顆粒球(granulocyte)の表面に存在するG−CSF受容体の分子量は概略150,000程度で、一つのペプチド鎖で構成されておりN−糖化(N−glycosylated)となっている。これらは細胞が成熟して受用体の数字が増加し細胞当たり数百個に達すると知られている。
G−CSFを利用した薬品として、韓国特許出願第10−2005−7019543号(公開第2005−0114275号)は、G−CSFのような1種または2種以上の幹細胞動員因子を有効成分とする糖尿病治療剤を開示している。
韓国特許出願第10−2004−7007275号(公開第2005−0044444号)は、単球またはマクロファージを活性化するサイトカイン、活性化した単球またはマクロファージから分泌されるサイトカインおよびG−CSF受用体を発現している造血界細胞から分泌されるサイトカインからなる群より選択されるサイトカインを有効成分として含有する多分化能幹細胞を組織から末梢血に動員する薬剤を開示している。しかし、G−CSFの新しい用途として糖尿性末梢神経病症の治療を明らかにした研究はまだない。
本発明の目的は、G−CSF(granulocyte colony stimulating factor)を有効成分として含む糖尿性末梢神経病予防および治療剤を提供することにある。
本発明の他の目的はG−CSF(granulocyte colony stimulating factor)を有効成分として含む末梢神経再生剤を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明は、G−CSF(granulocyte colony stimulating factor)を有効成分として含む糖尿性末梢神経病予防および治療剤を提供する。また、G−CSF(granulocyte colony stimulating factor)を有効成分として含む末梢神経再生剤を提供する。
本発明では、G−CSFが末梢神経組織で血管を再生し破壊された神経組織を修復することによって、神経伝達速度を向上させ、痛みの敏感度を改善する効果があるため、本発明は糖尿性末梢神経病予防および治療に有用に使用することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明者らは顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony stimulating factor, 以下‘G−CSF’という。)の多様な生理活性を研究しているなかで、G−CSFが末梢神経組織で血管を再生し破壊された神経組織を修復することによって神経伝達速度および痛みの敏感度を改善することにより、糖尿性末梢神経病の予防および治療剤として有用に使用できる可能性があることを発見し、これを基に本発明を完成することとなった。
本発明に伴う治療剤はG−CSFを有効成分として含有する。また、末梢神経を再生することを特徴とする。
本発明の治療剤を第二型糖尿モデル動物のOLETF(Otsuka Long Evans Tokushima Fatty)ラットに投与した際、神経伝達速度が向上して痛みの敏感度が好転した。臨床実験で対象患者に本発明の治療剤を投与し、糖尿性末梢神経症の評価方法であるToronto Clinical Neuropathy Scoring Systemで評価した際、糖尿性末梢神経症の程度が全て改善されて神経伝達速度が向上した。
また、第二型糖尿モデル動物のOLETFラットを利用した動物実験で、G−CSF投与群の尻尾神経から末梢神経再生の証拠となる再生した神経繊維(nerve fiber)および再髄鞘化(remyelination)された軸索(axon)を観察することができた(図3および図4、図5および図6参照)。
が骨髄中にある機能性幹細胞を末梢血液に放出し放出された細胞を分化誘導することによって、末梢神経組織で神経細胞と血管を再生し破壊された神経組織を修復して神経の血液供給を円滑にすることで末梢神経を再生して糖尿性末梢神経病症を治療することと思われる。
一般的に、本発明に使用できるG−CSFは好ましくは、天然型G−CSFまたは再調合G−CSFである。また本発明に使用できるG−CSFは天然型のようなアミノ酸序列を有するG−CSFである。
本発明のG−CSFは、哺乳動物の有機体から分離したり、化学合成したり、ゲノムまたはcDNAクローニングによってのみDNA合成によって収得した外因性DNA序列を原核または真核宿主細胞から遺伝工学的な方法で発現させ製造することができる。
この時、適合した原核宿主は多様なバクテリア(例えばE. coli)を含み、適合した真核宿主は酵母(例えばS. Serevisiae)および哺乳動物細胞(例えば、中国ハムスター卵巣細胞、猿細胞)を含む。
再調合G−CSF、特にイー・コリ(E.coli)から誘導されたG−CSFが商業的な面で最大に望ましいとはいえ、本発明は前記G−CSF形態の中で任意のG−CSFおよびすべてのG−CSFの使用を含む。この時G−CSFおよびその類似体は多様な供給源から得られ精製されて使用することができる。最も好ましくは再調合ヒト顆粒球コロニー刺激因子(rhG−CSF)を使う。
本発明のG−CSFを有効成分として含む治療剤は治療剤組成物の総重量に対し前記有効成分を0.0001ないし50重量%で含むことができる。また、本発明の治療剤は前記有効成分の他に追加で同一または類似した機能を示す有効成分を1種以上含有することができる。
本発明のG−CSFを有効成分として含む治療剤は、投与のために前記記載した有効成分以外に追加で薬剤学的に許容可能な担体を1種以上含み、薬剤学的組成物として好ましく製剤化することができる。
液状溶液として製剤化される組成物において、許容可能な薬剤学的担体としては、滅菌および生体に適合したものとして食塩水、滅菌数、点滴液、緩衝食塩水、アルブミン注射溶液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノールおよびこれら成分を混合して使用でき、必要によって抗酸化剤、緩衝液、静菌剤など、他の通常の添加剤を添加することができる。
また希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤および潤滑剤を付加的に添加し、水溶液、懸濁液、乳濁液などのような注射用液剤、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤として製剤化することができ、標的器官に特異的に作用できるよう、標的器官特異的抗体またはその他リガンドを前記担体と結合させて使うことができる。さらに、該当分野の適切な方法でRemington’s Pharmaceutical Science, Mack Publishing Company, Easton PA.に開示されている方法を利用して各疾患によりまたは成分により好ましく製剤化することができる。
本発明のG−CSFを有効成分として含む治療剤の薬剤の製剤形態は顆粒剤、散剤、被覆錠、錠剤、カプセル剤、座薬、シロップ、液剤、懸濁剤、乳剤、点滴剤または注射可能な液剤および活性化合物の徐放出型製剤などがある。
本発明のG−CSFを有効成分として含む治療剤は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、胸骨内、硬皮、鼻側内、吸入、局所、直腸、経口、眼球内または皮下内経路を通じて、通常の方式で投与することができる。投与方法は特別にこれに制限されないが、非経口投与が好ましく、皮下内投与がより好ましい。
本発明治療剤の投与量は、疾患の種類、疾患の重症度、組成物に含まれた有効成分および他の成分の種類および含有量、剤形の種類および患者の年齢、体重、一般健康状態、性別および食餌、投与時間、投与経路および組成物の分泌率、治療期間、同時に使われる薬品をはじめとする多様な因子により調節されることができる。成人の場合、G−CSFを1日1回1日乃至一週間連続で投与する時、0.01μg/kg/day〜100μg/kg/day、好ましくは0.01μg/kg/day〜10μg/kg/dayの容量で投与することができる。
本発明の治療剤は単独で、または神経遮断治療療法、代謝調節療法などの方法と並行して使用することができる。本発明の治療剤は、末梢神経組織から神経細胞と血管を再生し破壊された神経組織を修復して神経組織に血液供給を円滑にすることで神経伝達速度および痛みの敏感度を好転させる。
このように、本発明の治療剤は末梢神経組織から神経細胞と血管を再生し破壊された神経組織を修復して神経組織の血液供給を円滑にすることで神経伝達速度および痛みの敏感度を向上させることができるので、糖尿性末梢神経病の予防または治療に有用に使用することができる。
以下本発明の好ましい実施例および比較例を記載する。下記実施例および比較例は、本発明をより明確に表現するための目的で記載するだけであり、本発明の内容が下記実施例および比較例に限定されるものではない。
[実施例]
実施例1:G−CSFの糖尿性末梢神経病の治療効果を確認するための動物実験
文献[Nakamura Jなど,Diabetes Research Clinical Practice, 2001 Jan;51(1):9−20]に記述されたものと類似の方法を使い、糖尿性末梢神経症動物モデルを作った。
つまり、遺伝子操作で第二型糖尿モデル動物のOLETFラットを20ないし24℃と湿度40〜70%が維持され、採光と通風の良いところで飼育した。飼育期間中、plain solid laboratory chowと水道水を自由給与させた。10週頃から水道水の代わりに30w/v%の砂糖が含まれた砂糖水を投与した。砂糖水の総投与期間は24週で、5週間隔で体重と血糖を測定した。34週頃のG−CSF投与群と対照群の体重および血糖を測定して下記の表1に示した。
34週頃OLETFラットをG−CSF投与群と対照群に分けて、G−CSF投与群の場合腹部皮下にG−CSF(東亜製薬、Leucostim)を100μg/kg/day1日1回皮下に5日間連続投与し、対照群の場合、生理食塩水(Saline)0.2mlを1日1回5日間連続皮下投与した。
G−CSF投与前に尻尾神経を通じて、二つのグループの神経伝導速度の差異を測定し、痛みの敏感度を測定した。そしてG−CSFを投与した4週後に神経伝達速度(Nerve Conduction Velocity)と痛みの敏感度を測定した。
その結果は、下記の表2および表3と図1および図2に示した。薬品投与後4週目にG−CSF投与群と対照群ラット尻尾神経組織を摘出した後、トルイジンブルーに染めて顕微鏡で観察し図3および図4で示し、G−CSF投与群と対照群ラット尻尾神経組織を摘出した後免疫染色をして電子顕微鏡で微細構造変化を観察して図5および図6に示した。
[表1] 34週頃OLETFラットの体重および血糖
Figure 2010508265
[表2]
神経伝達速度(m/s)
Figure 2010508265
[表3]
痛みの敏感度(s)
Figure 2010508265
表2および図1からわかるように、G−CSF投与群の場合、投与前よりも神経伝達速度が向上しsaline投与群の対照群に比べ神経伝達速度が向上することを確認した。表3および図2からわかるように、G−CSF投与群の場合、投与前よりも痛みの敏感度が好転しsaline投与群の対照群に比べ痛みの敏感度が好転することを確認した。
また、図3および図4からわかるように、対照群ラット尻尾神経のトルイジンブルー染色写真の図3の場合、再生した神経繊維(nerve fiber)に比べ破壊された神経繊維が多いが、G−CSF投与群ラットのトルイジンブルー染色写真の図4の場合、破壊された神経繊維に比べ再生した神経繊維がはるかに多くあることを観察することができた。
図5および図6からわかるように、対照群ラットの尻尾神経TEM写真の図5の場合、髄鞘脱落(demyelinate)された軸索(axon)および破壊されたミエリン(Myelin)が観察される反面、G−CSF投与群ラットの尻尾神経TEM写真の図6の場合、神経再生の証拠の再髄鞘化(remyelinate)された軸索(axon)が観察された。
実施例2:G−CSFの糖尿性末梢神経病治療効果確認のための臨床実験
本発明の糖尿性末梢神経病の治療効果を把握するために、糖尿性末梢神経病患者を対象として臨床実験を実施した。
内分泌内科で対象患者5人を選定し糖尿病に関する基本検査など(HOMA,HgA1C,C−peptide,網膜病症(Retinopathy),24時間微細蛋白尿(microalbuminuria),cystatine Cおよび内分泌器系の検査)を実施した。対象患者5人の性別、年齢、背、体重、血糖および診断病名は下記の表4に示した。
[表4]
Figure 2010508265
また、すべての実験群で特殊検査神経学的なscoring検査およびNCV(Nerve conduction velocity、神経伝達速度)を測定した。
G−CSF投与3日前に入院してmacrovascular complication(CAG,IMT,ECHO)およびその他の血管と関連した検査などを施行した。引き続き、G−CSF投与1日前に血腫内科に転科した後、血液学的な検査を実施した。
続いて、対象患者にG−CSF(東亜製薬、Leucostim)を1日1回、連続4日間10μg/kg皮下注射した。G−CSF投与後、血液学的な検査確認後副作用がないと神経学的な検査だけを施行して退院するようにした。
G−CSF投与1週、15日、1ヶ月、2ヶ月、3ケ月ごとに外来訪問して血液検査と神経学的な検査を施行し、NCV(Nerve conduction velocity、神経伝達速度)を測定した。
A:神経伝達速度
[表5]
神経伝達速度(m/s)
Figure 2010508265
前記の表5からわかるように、G−CSF投与によって投与後90日目まで神経伝達速度が向上することを確認した。
B:糖尿性末梢神経症の程度評価
本評価は、下記の表6に示したToronto Clinical Neuropathy Scoring Systemに記載された項目などを測定し評価した。この時各項目に対して点数を合算し示すことによって、最高の点数は19点、最低の点数は0点であって、この時点数が高いほど糖尿性末梢神経症の程度が激しいことを意味する。得られた結果は下記の表7および図7に示した。
[表6]
Toronto Clinical Neuropathy Scoring Systemの評価方法
Figure 2010508265
[表7]
Toronto Clinical Neuropathy Scoring System評価結果
Figure 2010508265
前記の表7および図7からわかるように、G−CSF投与によってToronto Clinical Neuropathy Scoring Systemの評価点数が投与後90日目まで改善され、本発明の治療剤の糖尿性末梢神経病の治療効果を臨床的に確認した。前記の結果から、G−CSFが糖尿性末梢神経病予防および治療に有用に使われることが分かる。
G−CSF投与群と対照群(saline投与群)の投与前後の神経伝達速度を測定して示すグラフである。 G−CSF投与群と対照群(saline投与群)の投与前後の痛みの敏感度を測定して示すグラフである。 対照群(saline投与群)ラット尻尾神経のトルイジンブルー染色(toluidine blue staining)の写真である。 G−CSF投与群ラット尻尾神経のトルイジンブルー染色(toluidine blue staining)の写真である。 対照群(saline投与群)ラット尻尾神経の透過電子顕微鏡(TEM)の写真である。 G−CSF投与群ラット尻尾神経の透過電子顕微鏡(TEM)の写真である。 G−CSF投与1週、15日、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月目の対象患者の糖尿性末梢神経症程度をToronto Clinical Neuropathy Scoring Systemで評価しその結果を示すグラフである。

Claims (6)

  1. G−CSF(Glanulocyte−Colony Stimulating Factor)を有効成分として含む糖尿性末梢神経病予防および治療剤。
  2. 前記G−CSFが天然または再調合起源から収得し分離されることを特徴とする請求項1に記載の糖尿性末梢神経病予防および治療剤。
  3. 前記G−CSFは再調合ヒト顆粒球コロニー刺激因子(rhG−CSF)であることを特徴とする請求項1に記載の糖尿性末梢神経病予防および治療剤。
  4. G−CSF(Glanulocyte−Colony Stimulating Factor)を有効成分として含む末梢神経再生剤。
  5. 前記G−CSFが天然または再調合起源から収得し分離されることを特徴とする請求項4に記載の末梢神経再生剤。
  6. 前記G−CSFは再調合ヒト顆粒球コロニー刺激因子(rhG−CSF)であることを特徴とする請求項に4記載の末梢神経再生剤。
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