JP2003113085A - 神経栄養因子様作用剤 - Google Patents

神経栄養因子様作用剤

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JP2003113085A
JP2003113085A JP2002282694A JP2002282694A JP2003113085A JP 2003113085 A JP2003113085 A JP 2003113085A JP 2002282694 A JP2002282694 A JP 2002282694A JP 2002282694 A JP2002282694 A JP 2002282694A JP 2003113085 A JP2003113085 A JP 2003113085A
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neurotrophic factor
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JP2002282694A
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Masaomi Miyamoto
政臣 宮本
Hironori Kato
浩紀 加藤
Yuji Ishihara
雄二 石原
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた神経栄養因子様作用剤を提供する。 【解決手段】式 【化1】 [式中、Arは置換基を有していてもよく、縮合していて
もよいフェニル、nは1ないし10の整数、Rは水素原子又
は置換基を有していてもよい炭化水素基、Yは置換基を
有していてもよいアミノ又は置換基を有していてもよい
含窒素飽和複素環基を示す]で表される化合物又はその
塩を含有してなる神経栄養因子様作用剤。 【効果】本発明の製剤は神経変性疾患(例、老年期痴
呆、アルツハイマー病、ダウン症、パーキンソン病、ク
ロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、
糖尿病性ニューロパシー等)、(2)脳血管障害(例、脳梗
塞、脳出血、脳動脈硬化に伴う脳循環不全等)時、頭部
外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時又は脳性麻痺時の神経
障害、(3)記憶障害(例、老年期痴呆、健忘症等)、(4)精
神疾患(例、うつ病、恐慌性障害、精神分裂病等)等の予
防及び(又は)治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた性質を有す
る神経栄養因子様作用剤等に関する。
【0002】
【従来の技術】神経栄養因子(neurotrophic factor; N
TF)としては、神経成長因子(nervegrowth factor;NG
F)、毛様体神経栄養因子、インシュリン様成長因子−
I、脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic
factor;BDNF)等の蛋白質が知られており、これらは
生体内において神経細胞のホメオスタシスに深く関与
し、(1)神経細胞の生存・維持作用、(2)シナプス
の形成促進作用、(3)神経細胞死保護作用、(4)海
馬での長期増強作用等を担っている。また、NGF、B
DNF等はコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChA
T)活性を上昇させること、ChAT活性を上昇させる
化合物が神経保護作用及び神経栄養因子様作用を有する
ことが知られている〔ザ ジャーナル オブ ニューロサ
イエンス(TheJournal of Neuroscience),16巻,21
号,6665-6675頁,1996年、ニューロサイエンス(Neuro
science),55巻,3号,629-641頁,1993年等〕。この
ため、神経栄養因子と同様の作用を有する薬物は、上記
作用を介して、(1)神経変性疾患(例、老年期痴呆、
アルツハイマー病、ダウン症、パーキンソン病、クロイ
ツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症(AL
S)、糖尿病性ニューロパシー等)、(2)脳血管障害
(例、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化に伴う脳循環不全
等)時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時又は脳性
麻痺時の神経障害、(3)記憶障害(例、老年期痴呆、
健忘症等)、(4)精神疾患(例、うつ病、恐慌性障
害、精神分裂病等)等の予防及び(又は)治療に有用で
ある。ChAT活性賦活作用を有するとして、特開平2
−169569号公報に、式
【化5】 〔式中、Jは(a)置換若しくは無置換の次に示す基;
フェニル基、ピリジル基、ピラジル基、キノリ
ル基、シクロヘキシル基、キノキサリル基又はフ
リル基、(b)フェニル基が置換されていてもよい次の
群から選択された一価又は二価の基;インダニル、
インダノニル、インデニル、インデノニル、イン
ダンジオニル、テトラロニル、ベンズスペロニル、
インダノリル、式
【化6】 で示される基、(c)環状アミド化合物から誘導される
一価の基、(d)低級アルキル基、又は(e)式 R
−CH=CH−(式中、Rは水素原子又は低級アルコ
キシカルボニル基を意味する)で示される基を意味す
る。Bは式 −CO−(C(R)H)n− で示される基等
(式中、nは0又は1ないし10の整数を意味する。R
は式 −(C(R)H)n− で示されるアルキレン基が
置換基を持たないか、又は1つ又は1つ以上のメチル基
を有しているような形で水素原子又はメチル基を意味す
る。)を意味する。Tは窒素原子又は炭素原子を意味す
る。Qは窒素原子、炭素原子又は式 >N→Oで示され
る基を意味する。Kは水素原子、置換若しくは無置換の
フェニル基、フェニル基が置換されてもよいアリールア
ルキル基、フェニル基が置換されてもよいシンナミル
基、低級アルキル基、ピリジルメチル基、シクロアルキ
ルアルキル基、アダマンタンメチル基、フリルメチル
基、シクロアルキル基、低級アルコキシカルボニル基又
はアシル基を意味する。qは1ないし3の整数を意味す
る。式中、・・・・ は単結合若しくは二重結合を意味す
る。〕で表される環状アミン誘導体及びその薬理学的に
許容できる塩が記載されている。環状アミン誘導体とし
ては、特開平5−140149号公報に、コリンエステ
ラーゼ阻害作用を有する式
【化7】 〔式中、Xは R−N<(Rは水素原子、置換基を
有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していても
よいアシル基を示す)、酸素原子又は硫黄原子を示し、
は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素
基を示し、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環
を、kは0ないし3の整数を、mは1ないし8の整数
を、nは1ないし6の整数を示す。〕で表される縮合複
素環誘導体又はその塩が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】神経栄養因子そのもの
を神経変性疾患、神経障害、記憶障害の治療に用いる試
みはなされているが、巨大な蛋白質のため、経口投与が
困難、脳内移行性が悪い等の欠点を有する。従って、低
分子で安全に投与されうる上記疾患の予防・治療剤の開
発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この様な
現状に鑑み、神経栄養因子様作用を有する化合物の探索
研究を進め、鋭意検討した結果、式
【化8】 〔式中、Arは置換基を有していてもよく、縮合してい
てもよいフェニル基、nは1ないし10の整数、Rは水
素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基、及び
Yは置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有
していてもよい含窒素飽和複素環基を示す。〕で表され
る化合物又はその塩〔以下、化合物(I)と略記するこ
ともある。〕が、有している置換基の有無あるいは種類
にかかわらず、その特異な基本骨格の化学構造に基づい
て予想外にも優れた神経栄養因子様作用等の優れた医薬
用としての性質を有していることを見い出し、これに基
づいて本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)化合物(I)を含有してなる神経栄養因子様作用
剤; (2)Arが式
【化9】 〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環及
びB環は置換基を有していてもよい複素環を示す。〕で
表される基である前記(1)記載の神経栄養因子様作用
剤、 (3)Arが式
【化10】 〔式中、Xは酸素原子、硫黄原子又は式 R−N<
(Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素
基又はアシル基を示す)で表される基、A環は置換基を
有していてもよいベンゼン環、kは0ないし3の整数、
及びmは1ないし8の整数を示す。〕で表される基、n
が1ないし6の整数、Rが水素原子、及びYが式
【化11】 〔式中、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい
炭化水素基を示す。〕で表される基である前記(1)記
載の神経栄養因子様作用剤; (4)3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニ
ル]−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1
−ベンズアゼピン−8−イル)−1−プロパノンフマル
酸塩を含有してなる前記(1)記載の神経栄養因子様作
用剤; (5)コリンアセチルトランスフェラーゼ活性賦活剤で
ある前記(4)記載の神経栄養因子様作用剤; (6)パーキンソン病又は筋萎縮性脊髄側索硬化症の予
防又は/及び治療剤である前記(1)記載の神経栄養因
子様作用剤等に関する。
【0006】上記式中、Arで示される「置換基を有し
ていてもよく、縮合していてもよいフェニル」の「置換
基」としては、例えば、(i)ハロゲン化されていても
よい低級アルキル、(ii)ハロゲン原子(例えば、フル
オロ,クロロ,ブロモ,ヨード等)、(iii)低級アル
キレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ、エチレン
ジオキシ等のC1−3アルキレンジオキシ等)、(iv)
ニトロ、(v)シアノ、(vi)ヒドロキシ、(vii)ハロ
ゲン化されていてもよい低級アルコキシ、(viii)シク
ロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3−6シクロア
ルキル等)、(ix)ハロゲン化されていてもよい低級ア
ルキルチオ、(x)アミノ、(xi)モノ−低級アルキル
アミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピ
ルアミノ等のモノ−C1−6アルキルアミノ等)、(xi
i)ジ−低級アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ
等)、(xiii)5ないし7員環状アミノ(例えば1個の
窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選
ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい、ピ
ロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオ
モルホリノ等の5ないし7員環状アミノ等)、(xiv)
低級アルキルカルボニルアミノ(例えば、アセチルアミ
ノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1−6
アルキル−カルボニルアミノ等)、(xv)アミノカルボ
ニルオキシ、(xvi)モノ−低級アルキルアミノカルボ
ニルオキシ(例えば、メチルアミノカルボニルオキシ、
エチルアミノカルボニルオキシ等のモノ−C1−6アル
キルアミノ−カルボニルオキシ等)、(xvii)ジ−低級
アルキルアミノカルボニルオキシ(例えば、ジメチルア
ミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキ
シ等のジ−C1−6アルキルアミノ−カルボニルオキシ
等)、(xviii)低級アルキルスルホニルアミノ(例え
ば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミ
ノ、プロピルスルホニルアミノ等のC1−6アルキルス
ルホニルアミノ等)、(xix)低級アルコキシカルボニ
ル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル等
のC1−6アルコキシ−カルボニル等)、(xx)ホルミ
ル、(xxi)カルボキシ、(xxii)低級アルキルカルボ
ニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等の
1−6アルキル−カルボニル等)、(xxiii)シクロ
アルキルカルボニル(例えば、シクロプロピルカルボニ
ル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニ
ル、シクロヘキシルカルボニル等のC3−6シクロアル
キル−カルボニル等)、(xxiv)カルバモイル、チオカ
ルバモイル、(xxv)モノ−低級アルキルカルバモイル
(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、
プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル等のモノ−
1−6アルキル−カルバモイル等)(xxvi)ジ−低級
アルキルカルバモイル(例えば、ジエチルカルバモイ
ル、ジブチルカルバモイル等のジ−C1−6アルキル−
カルバモイル等)、(xxvii)低級アルキルスルホニル
(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロ
ピルスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル等)、
(xxviii)シクロアルキルスルホニル(例えば、シクロ
ペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル等のC
3−6シクロアルキルスルホニル等)、(xxix)アリー
ル(例えば、フェニル、ナフチル、アンスリル等のC
6−14アリール等)、(xxx)アラルキル(例えば、
ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニ
ルメチル、ナフチルメチル、ジフェニルエチル、フェニ
ルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル等C
7−19アラルキル等)、(xxxi)アラルキルカルボニ
ルオキシ(例えばフェニルメチルカルボニルオキシ、フ
ェニルエチルカルボニルオキシ、ジフェニルメチルカル
ボニルオキシ、ジフェニルエチルカルボニルオキシ等の
7−19アラルキル−カルボニルオキシ等)、(xxxi
i)アリールオキシ(例えば、フェノキシ、ナフチルオ
キシ等のC6−14アリールオキシ等)、(xxxiii)ア
ラルキルカルボニル(例えば、フェニルメチルカルボニ
ル、フェニルエチルカルボニル、ジフェニルメチルカル
ボニル、ジフェニルエチルカルボニル等のC7−19
ラルキル−カルボニル等)、(xxxiv)アリールオキシ
カルボニル(例えば、フェノキシカルボニル等のC
6−14アリールオキシ−カルボニル等)、(xxxv)ア
ラルキルカルバモイル(例えば、フェニルメチルカルバ
モイル等のC7−19アラルキル−カルバモイル等)、
(xxxvi)アリールカルバモイル(例えば、フェニルカ
ルバモイル等のC6−14アリール−カルバモイル
等)、(xxxvii)アラルキルカルボニルアミノ(例え
ば、フェニルメチルカルボニルアミノ等のC7−19
ラルキル−カルボニルアミノ等)、(xxxviii)アラル
キルアミノ(例えば、フェニルメチルアミノ等のC
7−19アラルキルアミノ等)、(xxxix)アラルキル
スルホニル(例えば、フェニルメチルスルホニル等のC
7−19アラルキルスルホニル等)、(xxxx)アリール
スルホニル(例えば、フェニルスルホニルのC6−14
アリールスルホニル等)、(xxxxi)アラルキルスルフ
ィニル(例えば、ベンジルスルフィニル等のC7−19
アラルキルスルフィニル等)、(xxxxii)アラルキルス
ルホニルアミノ(例えば、ベンジルスルホニルアミノ等
のC7−19アラルキルスルホニルアミノ等)、(xxxx
iii)アリールスルホニルアミノ(例えば、フェニルス
ルホニルアミノ等のC6−14アリールスルホニルアミ
ノ等)等が挙げられる。前記のアリール、アラルキル、
アラルキルカルボニルオキシ、アリールオキシ、アラル
キルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキ
ルカルバモイル、アリールカルバモイル、アラルキルカ
ルボニルアミノ、アラルキルアミノ、アラルキルスルホ
ニル、アリールスルホニル、アラルキルスルフィニル、
アラルキルスルホニルアミノ及びアリールスルホニルア
ミノは、更に、例えば、低級アルキル(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブ
チル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6
アルキル等)、低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1−6
アルコキシ等)、ハロゲン原子(例えば、クロロ、ブロ
モ、ヨード等)、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミ
ノ、モノ−低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1−6
アルキルアミノ等)、ジ−低級アルキルアミノ(例え
ば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1−6
アルキルアミノ等)、ニトロ、低級アルキルカルボニル
(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等のC
1−6アルキル−カルボニル等)及びベンゾイルから選
ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよい。
【0007】上記「ハロゲン化されていてもよい低級ア
ルキル」としては、例えば、1ないし3個のハロゲン原
子(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード等)を有していて
もよい低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6アルキル等)等が
挙げられ、具体例としては、メチル、クロロメチル、ジ
フルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチ
ル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフル
オロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロ
ピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオ
ロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペ
ンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−ト
リフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフル
オロヘキシル等が挙げられる。上記「ハロゲン化されて
いてもよい低級アルコキシ」としては、例えば、1ない
し3個のハロゲン原子(例えば、クロロ、ブロモ、ヨー
ド等)を有していてもよい低級アルコキシ(例えば、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等
のC1−6アルコキシ等)等が挙げられ、具体例として
は、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオ
ロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,
4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられ
る。上記「ハロゲン化されていてもよい低級アルキルチ
オ」としては、例えば、1ないし3個のハロゲン原子
(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード等)を有していても
よい低級アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチ
オ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イ
ソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等の
1−6アルキルチオ等)等が挙げられ、具体例として
は、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロ
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピル
チオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチ
オ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチ
オ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
【0008】該「置換基を有していてもよく、縮合して
いてもよいフェニル基」の「フェニル基」が縮合する例
としては、(1)置換基を有していてもよい単環式複素
環と縮合する場合、(2)置換基を有していてもよい2
環式複素環と縮合する、あるいは2つの同一又は異なっ
た単環(但し、少なくとも一方の環が単環式複素環であ
る)と縮合する場合、及び(3)置換基を有していても
よい3環式複素環と縮合する場合等が挙げられる。該
「フェニル基」が置換基を有していてもよい複素環と縮
合する場合の具体例としては、式
【化12】 〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環及
びB環は置換基を有していてもよい複素環を示す。〕で
表される基等が挙げられる。A環で示される「置換基を
有していてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、
上記「置換基を有していてもよく、縮合していてもよい
フェニル基」の「置換基」等が挙げられる。B環で示さ
れる「置換基を有していてもよい複素環」の「複素環」
としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子
及び酸素原子から選ばれる1又は2種、1ないし4個の
ヘテロ原子を含む5ないし14員(単環、2環又は3環
式)複素環、好ましくは(i)5ないし14員(好まし
くは5ないし10員)芳香族複素環、(ii)5ないし1
0員非芳香族複素環又は(iii)7ないし10員複素架
橋環等が挙げられる。上記「5ないし14員(好ましく
は5ないし10員)の芳香族複素環」としては、例え
ば、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベ
ンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾ
ール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チ
オフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロール、イミ
ダゾール、ピラゾール、オキサゾール、1,2,4−オ
キサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,
2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾー
ル、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、イ
ンドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリ
ン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタ
ラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シ
ンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナント
リジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチ
アゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザ
ン、フェノキサジン、フタルイミド等の芳香族複素環、
又はこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個
(好ましくは1又は2個)の芳香環(例、ベンゼン環
等)と縮合して形成された環等が挙げられる。上記「5
ないし10員非芳香族複素環」としては、例えば、ピロ
リジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピ
ペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、
ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロオキサゼピン等が挙げられ
る。上記「7ないし10員複素架橋環」としては、例え
ば、キヌクリジン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン等が挙げられる。このうち、5ないし10員非芳
香族複素環が好ましい。
【0009】B環で示される「置換基を有していてもよ
い複素環」の「置換基」としては、例えば(i)ハロゲ
ン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード
等)、(ii)ニトロ、(iii)シアノ、(iv)オキソ、
(v)ヒドロキシ、(vi)低級アルキル(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、tert-ブチル、sec-ブチル等のC1−6アルキル
等)(vii)低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エト
キシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオ
キシ等のC1−6アルコキシ等)、(viii)低級アルキ
ルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ等のC1−6アルキルチオ等)、(ix)アミノ、
(x)モノ−低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1−6
アルキルアミノ等)、(xi) ジ−低級アルキルアミノ
(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C
1−6アルキルアミノ等)、(xii)5ないし7員環状
アミノ(例えば、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素
原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3
個有していてもよいピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジ
ノ、モルホリノ、チオモルホリノ等の5ないし7員環状
アミノ等)、(xiii)低級アルキルカルボニルアミノ
(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチ
リルアミノ等のC1−6アルキル−カルボニルアミノ
等)、(xiv)低級アルキルスルホニルアミノ(例え
ば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ
等のC1−6アルキル−スルホニルアミノ等)、(xv)
低級アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等のC
1−6アルコキシ−カルボニル等)、(xvi)カルボキ
シ、(xvii)低級アルキルカルボニル(例えば、メチル
カルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル等
のC1−6アルキル−カルボニル等)、(xviii)カル
バモイル、(xix)モノ−低級アルキルカルバモイル
(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等
のモノ−C1−6アルキル−カルバモイル等)、(xx)
ジ−低級アルキルカルバモイル(例えば、ジメチルカル
バモイル、ジエチルカルバモイル等のジ−C1−6アル
キル−カルバモイル等)、(xxi)低級アルキルスルホ
ニル(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、
プロピルスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル
等)等から選ばれる1ないし5個が用いられる。中で
も、オキソ、低級アルキル(例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-
ブチル、sec-ブチル等のC1−6アルキル等)等が好ま
しく、オキソ等が汎用される。
【0010】B環が環中に窒素原子を有する時、例えば
B環は環中に、式 R−N<〔式中、Rは水素原
子、置換基を有していてもよい炭化水素基又はアシル基
を示す。〕で表される基を有していてもよい。Rで示
される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭
化水素基」は、炭化水素化合物から水素原子を1個除い
た基を示し、その例としては、例えばアルキル、アルケ
ニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラル
キル等の鎖状又は環状炭化水素基が挙げられる。このう
ち、鎖状又は環状あるいはそれらの組み合わせからなる
1−16炭化水素基等が好ましい。かかる「炭化水素
基」としては、以下のものが挙げられる。 (1)直鎖又は分枝状低級アルキル(例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、tert-ブチル、sec-ブチル、ペンチル、ヘキシル等
のC1−6アルキル等); (2)直鎖又は分枝状低級アルケニル(例えば、ビニ
ル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニ
ル、sec-ブテニル等のC2−6アルケニル等); (3)直鎖又は分枝状低級アルキニル(例えば、プロパ
ルギル、エチニル、ブチニル、1−ヘキシニル等のC
2−6アルキニル等); (4)シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3−6シクロアルキル等); (5)架橋環式飽和炭化水素基(例えば、ビシクロ〔3.
2.1〕オクト−2−イル、ビシクロ〔3.3.1〕ノン
−2−イル、アダマンタン−1−イル等の架橋環式C
8−14飽和炭化水素基; (6)アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2
−ナフチル、ビフェニリル、2−インデニル、2−アン
スリル等のC6−14アリール等、好ましくはフェニル
等); (7)アラルキル(例えば、フェニル−C1−10アル
キル(例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプ
ロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル、フェニル
ヘキシル等)、ナフチル−C1−6アルキル(例えば、
α−ナフチルメチル等)、ジフェニル−C1−3アルキ
ル(例えばジフェニルメチル、ジフェニルエチル等)等
のC7−16アラルキル等); (8)アリールアルケニル(例えば、スチリル、シンナ
ミル、4−フェニル−2−ブテニル、4−フェニル−3
−ブテニル等のC6−10アリール−C2−6アルケニ
ル等); (9)アリールアルキニル(例えば、フェニルエチニ
ル、3−フェニル−2−プロピニル、3−フェニル−1
−プロピニル等のC6−10アリール−C2−6アルキ
ニル等); (10)シクロアルキル−アルキル(例えば、シクロプロ
ピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチ
ル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シ
クロプロピルエチル、シクロブチルエチル、シクロペン
チルエチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルエ
チル、シクロプロピルプロピル、シクロブチルプロピ
ル、シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルプロピ
ル、シクロヘプチルプロピル、シクロプロピルブチル、
シクロブチルブチル、シクロペンチルブチル、シクロヘ
キシルブチル、シクロヘプチルブチル、シクロプロピル
ペンチル、シクロブチルペンチル、シクロペンチルペン
チル、シクロヘキシルペンチル、シクロヘプチルペンチ
ル、シクロプロピルヘキシル、シクロブチルヘキシル、
シクロペンチルヘキシル、シクロヘキシルヘキシル等の
3−7シクロアルキル−C1−6アルキル等); (11)アリールアリール(例えばビフェニリル等のC
6−10アリール−C6− 10アリール等); (12)アリール−アリール−低級アルキル(例えば、ビ
フェニリルメチル、ビフェニリルエチル等C6−10
リール−C6−10アリール−C1−6アルキル等)。 Rで示される「置換基を有していてもよい炭化水素
基」の「炭化水素基」の好ましいものとしては、例え
ば、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C
7−16アラルキル等である。
【0011】Rで示される「置換基を有していてもよ
い炭化水素基」の「置換基」としては、例えば、(i)
ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨ
ード等)、(ii)ニトロ、(iii)シアノ、(iv)オキ
ソ、(v)ヒドロキシ、(vi)ハロゲン化されていても
よい低級アルキル(例えば、1ないし3個のハロゲン原
子(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード等)を有していて
もよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチ
ル、sec-ブチル等のC1−6アルキル等)、具体例とし
ては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリ
クロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロ
モエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピ
ル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピ
ル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブ
チル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチ
ル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル
等)、(vii)ハロゲン化されていてもよい低級アルコ
キシ(例えば、1ないし3個のハロゲン原子(例えば、
クロロ、ブロモ、ヨード等)を有していてもよい低級ア
ルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキ
シ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ等のC1−6
ルコキシ等)、具体例としては、例えばメトキシ、ジフ
ルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、
2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブト
キシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、
ヘキシルオキシ等)、(viii)ハロゲン化されていても
よい低級アルキルチオ(例えば、1ないし3個のハロゲ
ン原子(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード等)を有して
いてもよい低級アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エ
チルチオ、プロピルチオ等のC1−6アルキルチオ
等)、具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチル
チオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピル
チオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−ト
リフルオロブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチ
オ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ
等)、(ix)アミノ、(x)モノ−低級アルキルアミノ
(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ等のモノ−C1−6アルキルアミノ等)、(xi) ジ
−低級アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、ジエ
チルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ等)、(xi
i)5ないし7員環状アミノ(例えば、1個の窒素原子
以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘ
テロ原子を1ないし3個有していてもよいピロリジノ、
ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ
等の5ないし7員環状アミノ等)、(xiii)低級アルキ
ルカルボニルアミノ(例えば、アセチルアミノ、プロピ
オニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1−6アルキル−
カルボニルアミノ等)、(xiv)低級アルキルスルホニ
ルアミノ(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルス
ルホニルアミノ等のC 1−6アルキルスルホニルアミノ
等)、(xv)低級アルコキシカルボニル(例えば、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカル
ボニル等のC −6アルコキシ−カルボニル等)、(xv
i)カルボキシ、(xvii)低級アルキルカルボニル(例
えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピル
カルボニル等のC1−6アルキル−カルボニル等)、
(xviii)カルバモイル、チオカルバモイル、(xix)モ
ノ−低級アルキルカルバモイル(例えば、メチルカルバ
モイル、エチルカルバモイル等のモノ−C1−6アルキ
ル−カルバモイル等)、(xx)ジ−低級アルキルカルバ
モイル(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカル
バモイル等のジ−C1−6アルキル−カルバモイル
等)、(xxi)低級アルキルスルホニル(例えば、メチ
ルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル
等のC1−6アルキルスルホニル等)、(xxii)低級ア
ルコキシカルボニル−低級アルキル(例えば、メトキシ
カルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、tert-
ブトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチ
ル、メトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニル
(ジメチル)メチル、エトキシカルボニル(ジメチル)
メチル、tert-ブトキシカルボニル(ジメチル)メチル
等のC −6アルキル−カルボニル−C1−6アルキル
等)、(xxiii)カルボキシ−低級アルキル(例えば、
カルボキシルメチル、カルボキシルエチル、カルボキシ
ル(ジメチル)メチル等のカルボキシ−C1−6アルキ
ル等)、(xxiv)置換基を有していてもよい複素環基、
(xxv)スルホ等から選ばれる1ないし5個(好ましく
は1ないし3個)が挙げられる。該「置換基を有してい
てもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば炭
素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ば
れるヘテロ原子1ないし6個を含有する単環式又は2な
いし4環式等の多環式複素環から水素原子を1個除去し
てできる基等が挙げられ、上記B環で示される「置換基
を有していてもよい複素環」の「複素環」から水素原子
を1個除去してできる基等が挙げられる。このうち単環
式複素環又は2環式複素環から水素原子を1個除去して
できる基等が好ましい。また、「置換基を有していても
よい複素環基」の「置換基」としては上記B環で示され
る「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」
(i)ないし(xxiii)及び(xxv)等が1ないし5個挙
げられる。Rで示される「アシル基」としては、例え
ば、ホルミル、ハロゲン化されていてもよいC1−6
ルキル−カルボニル(例えば、アセチル、トリフルオロ
アセチル等)、5ないし6員複素環カルボニル(例え
ば、ピリジルカルボニル、チエニルカルボニル、フリル
カルボニル等)、C1−4アルキル及び(又は)C
−4アルコキシで置換されていてもよいC6−10アリ
ール−カルボニル(例えば、ベンゾイル、メチルベンゾ
イル、メトキシベンゾイル等)、C6−10アリールス
ルホニル(例えば、ベンゼンスルホニル、ナフチルスル
ホニル等)、5ないし6員複素環スルホニル(例えば、
チエニルスルホニル等)等が挙げられる。Rとして好
ましくは水素原子である。
【0012】Arで示される「置換基を有していてもよ
く、縮合していてもよいフェニル基」として好ましく
は、式
【化13】 〔式中、kは0ないし3の整数、mは1ないし8の整
数、Xは酸素原子、硫黄原子又は式 R−N<(R
は前記と同意義を示す)で表される基、A環は前記と同
意義を示す。〕で表される基である。特に好ましくは、
【化14】 〔式中、Rは前記と同意義を示す。〕で表される基で
ある。Rとして好ましくは水素原子である。
【0013】nは、好ましくは1ないし6の整数、更に
好ましくは2ないし6、特に好ましくは2である。Rは
水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示
し、nの繰り返しにおいて異なっていてもよい。また、
RはAr又はArの置換基と結合してもよい。Rで示さ
れる「置換基を有していてもよい炭化水素基」として
は、上記Rで示される「置換基を有していてもよい炭
化水素基」等が挙げられる。Rとしては水素原子が好ま
しい。
【0014】Yで示される「置換基を有していてもよい
アミノ基」としては、例えば式
【化15】 〔式中、R及びRはそれぞれ水素原子、置換基を有
していてもよい炭化水素基又はアシル基を示す。〕で表
される基等が挙げられる。R又はRで示される「置
換基を有していてもよい炭化水素基」としては、上記R
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」
等が挙げられる。好ましい例としては、例えば(1)ハ
ロゲン原子、低級アルコキシ及びヒドロキシから選ばれ
る置換基を1ないし3個有していてもよい低級アルキル
(好ましくはC1−6アルキル)、(2)ハロゲン原
子、低級アルコキシ及びヒドロキシから選ばれる置換基
を1ないし3個有していてもよいアラルキル(好ましく
はC −16アラルキル)等が挙げられる。R又はR
で示される「アシル基」としては、上記Rで示され
る「アシル基」等が挙げられる。Yで示される「置換基
を有していてもよい含窒素飽和複素環基」の「含窒素飽
和複素環基」としては、炭素原子及び1個の窒素原子以
外に、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等のヘテ
ロ原子を1ないし3個を含有していてもよい5ないし9
員含窒素飽和複素環基等が挙げられる。これらの含窒素
飽和複素環基は環構成窒素原子に結合手を有する基であ
ってもよいし、あるいは環構成炭素原子に結合手を有す
る基であってもよい。具体例としては、式
【化16】 で表される含窒素飽和複素環基等が挙げられる。特に好
ましくは
【化17】 等である。該「置換基を有していてもよい含窒素飽和複
素環基」の「置換基」としては、例えば、Rで示され
る「置換基を有していてもよい炭化水素基」等が1ない
し3個挙げられる。Yとして好ましくは、式
【化18】 〔式中、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい
炭化水素基を示す。〕で表される基等である。Yとして
より好ましくは、例えば、式
【化19】 〔式中、Rは前記と同意義を示す。〕で表される基等
である。Rで示される「置換基を有していてもよい炭
化水素基」としては、上記Rで示される「置換基を有
していてもよい炭化水素基」等が挙げられる。好ましく
は置換基を有していてもよいC7−16アラルキル(例
えば、フェニル−C1−10アルキル(例えば、ベンジ
ル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチ
ル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル等)、ナフチ
ル−C1−6アルキル(例えば、α−ナフチルメチル
等)、ジフェニル−C1−3アルキル(例えばジフェニ
ルメチル、ジフェニルエチル等)等のC7−16アラル
キル等)等である。特に好ましくはベンジルである。
【0015】化合物(I)中、好ましくはArが式
【化20】 〔式中、Xは酸素原子、硫黄原子又は式 R−N<
(Rは前記と同意義を示す)で表される基、A環は置
換基を有していてもよいベンゼン環、kは0ないし3の
整数、mは1ないし8の整数を示す。〕で表される基、
nが1ないし6の整数、Rが水素原子、Yが式
【化21】 〔式中、Rは前記と同意義を示す。〕で表される基で
ある。特に好ましくは、3−[1−(フェニルメチル)
−4−ピペリジニル]−1−(2,3,4,5−テトラ
ヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−8−イル)−1−
プロパノン又はその塩である。
【0016】化合物(I)の塩としては、例えば無機塩
基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸と
の塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩等
が挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例
えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カ
ルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ
土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基
との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、
トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジ
シクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレン
ジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な
例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リ
ン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例と
しては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマー
ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハ
ク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩
基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギ
ニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性ア
ミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン
酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。このうち、薬
学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物(I)
内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、
ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩
(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)
等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物(I)内
に塩基性官能基を有する場合には塩酸塩、硫酸塩、リン
酸塩、臭化水素酸塩等の無機塩又は、酢酸塩、マレイン
酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等の
有機塩が挙げられる。化合物(I)は水和物であっても
無水和物であってもよい。
【0017】化合物(I)は公知の製造法によって製造
することができる。例えば、特開平3−173867
号、特開昭64−79151号(EP−A−02965
60)、特開平5−140149号(EP−A−048
7071)、特開平6−166676号(EP−A−0
560235号)、特開平6−206875号(EP−
A−0567090号)、特開平2−169569号
(USP 4,895,841号)、特開平7−2068
54号(EP−A−0607864)、特開平7−30
9835号(EP−A−0655451号)公報等に記
載の方法又はそれに準じた方法により製造される。化合
物(I)は、優れた神経栄養因子様作用、神経栄養因子
活性化作用等を有する。化合物(I)の中でも、特に式
【化22】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
合物又はその塩等は、優れたChAT活性賦活作用等も
有する。これより、化合物(I)は、例えば神経栄養因
子が関与する(1)神経変性疾患(例、老年期痴呆、ア
ルツハイマー病、ダウン症、パーキンソン病、クロイツ
フェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病
性ニューロパシー等)、(2)脳血管障害(例、脳梗
塞、脳出血、脳動脈硬化に伴う脳循環不全等)時、頭部
外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時又は脳性麻痺時の神経
障害、(3)記憶障害(例、老年期痴呆、健忘症等)、
(4)精神疾患(例、うつ病、恐慌性障害、精神分裂病
等)等の予防及び(又は)治療に有用である。化合物
(I)は上記の疾患の予防治療において、例えば抗パー
キンソン薬(例えばカルビドパ+レボドパ、ペルゴライ
ド、ロピニロール、カベルゴリン、プラミペキソール、
エンタカプロン、ラザベミド等)、筋萎縮性脊髄側索硬
化症治療薬(例えばリルゾール、メカセルミン、ガバペ
ンチン等)、抗うつ薬(例えばフルオキセチン、サート
ラリン、パロキセチン、ベンラファキシン、ネファゾド
ン、レボキセチン、塩酸イミプラミン、デュロキセチン
等)、精神分裂病治療薬(例えばオランザピン、リスペ
リドン、クエチアピン、イロペリドン等)等と組合わせ
て用いることもできる。更に、化合物(I)は毒性も低
いため、安全に、哺乳動物(例、ヒト、ウシ、ウマ、イ
ヌ、ネコ、サル、マウス、ラット等、特にヒト)の前記
疾患等の予防及び(又は)治療に用いられる。化合物
(I)は、自体公知の手段に従って製剤化することがで
き、化合物(I)そのままあるいは薬理学的に許容され
る担体を、製剤化工程において適宜、適量混合すること
により医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコー
ティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソ
フトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等
として、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、静脈投
与等)に安全に投与することができる。本発明の製剤
中、化合物(I)の含有量は、剤全体の約0.1ないし
約100重量%である。投与量は、投与対象、投与ルー
ト、疾患、症状等により異なるが、例えば、パーキンソ
ン病治療剤として、成人(体重約60kg)に対し、経口
剤として投与する場合、1日当たり、有効成分(化合物
(I))として約0.1ないし約200mg、好ましくは
約1ないし約100mg、更に好ましくは約2ないし約5
0mgであり、1日1ないし数回に分けて投与することが
できる。
【0018】本発明の製剤の製造に用いられる薬理学的
に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種
有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば固形製剤
における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤に
おける溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝
剤、無痛化剤等が挙げられる。また、必要に応じて、防
腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の
添加物を用いることもできる。賦形剤としては、例えば
乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスタ
ーチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられ
る。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ
等が挙げられる。結合剤としては、例えば結晶セルロー
ス、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼ
ラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば
デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリ
ウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒド
ロキシプロピルセルロース等が挙げられる。溶剤として
は、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコー
ル、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油等が挙げら
れる。溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息
香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレ
ステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、
クエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤として
は、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル
硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチ
ン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノ
ステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙
げられる。等張化剤としては、例えばブドウ糖、D−ソ
ルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニ
トール等が挙げられる。緩衝剤としては、例えばリン酸
塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げら
れる。無痛化剤としては、例えばベンジルアルコール等
が挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息
香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコー
ル、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸
等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、
アスコルビン酸等が挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、更に以下の実施例、実
験例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる
実例であって、本発明を限定するものではなく、また本
発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【実施例】実施例1 3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−
1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベン
ズアゼピン−8−イル)−1−プロパノン フマル酸塩
(以下、化合物Aと略記)含有フィルム錠 処方:
【表1】 流動層造粒乾燥機(FD−5S,(株)パウレック)中
で、化合物A(440g)、D−マンニトール(407
0g)及びトウモロコシデンプン(605g)を均一に
混合後、機内で、ヒドロキシプロピルセルロース(HP
C−L)(165g)を溶解した水溶液を噴霧して造粒
し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られた造
粒物を、パワーミルを用い、1.5mmφパンチングス
クリーンで解砕して整粒末とした。得られた整粒末(4
704g)に、トウモロコシデンプン(161.7g)
及びステアリン酸マグネシウム(34.3g)を加え、
タンブラー混合機で混合し打錠用顆粒とし、この顆粒を
打錠機で6.5mmφの杵を用いて重量100mgで打
錠し、裸錠とした。ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス2910(TC−5(商品名)信越化学工業製)を溶
解し、酸化チタン及び黄色三二酸化鉄を水に分散した液
と混合した。コーティング機中(DRC-500)で得られた裸
錠に噴霧し、1錠当り化合物Aを8mg含有するフィル
ム錠約42000錠を得た。
【0020】実施例2 化合物A含有フィルム錠 処方:
【表2】 実施例1に準じ、8mmφの杵を用いて重量200mg
で打錠して、裸錠とし、1錠当り化合物Aを16mg含
有するフィルム錠約21000錠を得た。
【0021】実験例1 (方法)ファーマコロジー オブ ニューロトロフィック
ファクターズ アニュアル レビュー オブ ファーマコ
ロジー アンド トキシコロジー(Pharmacology of neur
otrophic factors, Ann. Rev.Pharmacol. Toxico
l.),37巻,239-267頁,1997年に記載の方法に準じて
行った。生後1ないし2日のSDラットより海馬を摘出
し、トリプシン処理により細胞を単離して血清を含む培
養液でフラスコにて培養した。コンフルエントになった
アストロサイトをトリプシン処理により剥がし、96ウ
ェルプレートに50000細胞/ウェルの密度でまい
て、10μMのシトシンアラビノシドで処理して増殖を
止めた後にフィーダーとした。胎生17日のSDラット
胎児より中隔野を主とした前脳基底部を取り、トリプシ
ン処理により神経細胞を単離して無血清培地に分散し、
75000細胞/ウェルの密度でアストロサイトのフィ
ーダー上にまいた。被検物を3ng/mlの組み替えヒ
トNGF(rhNGF)存在下又は非存在下にそれぞれ
添加し、7日間培養した後、5mMトリス塩酸緩衝液/
0.1%トリトンX−100で細胞を可溶化し、フォン
ナムのラジオアイソトープ法によりChAT活性を定量
した。 (結果) 1)rhNGF非存在下における被検物単独添加の結果
を〔図1〕に示す。化合物Aは10ないし1000nM
で明確なChAT活性上昇作用を示した。一方アセチル
コリンエステラーゼ阻害剤であるタクリン及びフィゾス
チグミンはChAT活性上昇作用を示さなかった。 2)rhNGF3ng/ml存在下における被検物添加
の結果を〔図2〕に示す。化合物Aは10ないし100
0nMで顕著なChAT活性上昇作用を示した。一方、
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤であるタクリン及び
フィゾスチグミンはChAT活性上昇作用を示さなかっ
た。この結果より、化合物Aは10nMの低濃度より、
明らかな神経栄養因子様作用及び神経栄養因子活性化作
用を有することがわかる。 実験例2 (方法)9週齢のJcI:Wistar系ラットを用
い、ストローク(Stroke),Pulsinelliら,10巻,267-
272頁,1979年に記載の方法に準じて10分間の四血管
閉塞を行った。化合物A(10mg/kg)は、虚血処
置1時間前及び4時間後、更に翌日より1日1回6日間経
口投与した。ラットは虚血処置7日後(最終投与翌日)
にペントバルビタール麻酔下に心臓より生理食塩水を還
流することにより屠殺し、取り出した脳をFAM(ホル
マリン:酢酸:メタノール=1:1:8)に浸け固定し
た。固定した脳はトリミングの後、パラフィン包埋し、
ブレグマより後方3.8ないし4.3mmの位置におい
て厚さ6μmの前頭断を作成した。切片はヘマトキシリ
ン・エオジン染色を施した後、顕微鏡下においてCA1
領域250μm幅中の生存細胞数を数えた。左右の細胞
数を平均した値を各個人のデータとし、群間の差をStud
entt-検定を用いて検定した。 (結果)結果を図3に示す。偽手術群における錐体細胞
数は約30個/250μmであった。これに対し、10
分間虚血対照群(四血管閉塞溶媒投与群)において顕著
な細胞数の減少(平均−75.9%)が認められた(P
<0.01)。一方、化合物A10mg/kg投与群に
おける生存細胞数は対照群(四血管閉塞溶媒投与群)と
比較して有意に多かった(P<0.05)。この結果よ
り、化合物Aが虚血に対する保護作用を有することがわ
かる。
【0022】
【発明の効果】化合物(I)は、栄養因子様作用剤とし
て有用であり、神経栄養因子が関与する(1)神経変性
疾患(例、老年期痴呆、アルツハイマー病、ダウン症、
パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮
性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー等)、
(2)脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化に
伴う脳循環不全等)時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後
遺症時又は脳性麻痺時の神経障害、(3)記憶障害
(例、老年期痴呆、健忘症等)、(4)精神疾患(例、
うつ病、恐慌性障害、精神分裂病等)等の予防及び(又
は)治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】NGF非存在下における、化合物A、タクリン
及びフィゾスチグミン単独添加によるChAT活性の結
果を示すグラフ。図中、―●― は化合物A、−□− は
タクリン、及び ―▲― はフィゾスチグミンを示す
【図2】NGF3ng/ml存在下における、化合物
A、タクリン及びフィゾスチグミン単独添加によるCh
AT活性の結果を示すグラフ。図中、―●― は化合物
A、−□− はタクリン、及び ―▲― はフィゾスチグ
ミンを示す。
【図3】四血管閉塞化合物A10mg/kg投与群、偽
手術群、及び四血管閉塞溶媒投与群群におけるCA1錐
体細胞数を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 101 A61P 9/10 101 17/02 17/02 25/00 25/00 25/16 25/16 25/18 25/18 25/24 25/24 25/28 25/28 Fターム(参考) 4C086 AA02 BC32 GA07 MA01 MA04 ZA01 ZA12 ZA15 ZA16 ZA18 ZA36 ZA45 ZA53 ZA54 ZA89

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 〔式中、Arは置換基を有していてもよく、縮合してい
    てもよいフェニル基、nは1ないし10の整数、Rは水
    素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基、及び
    Yは置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有
    していてもよい含窒素飽和複素環基を示す。〕で表され
    る化合物又はその塩を含有してなる神経栄養因子様作用
    剤。
  2. 【請求項2】 Arが式 【化2】 〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環及
    びB環は置換基を有していてもよい複素環を示す。〕で
    表される基である請求項1記載の神経栄養因子様作用
    剤。
  3. 【請求項3】 Arが式 【化3】 〔式中、Xは酸素原子、硫黄原子又は式 R−N<
    (Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素
    基又はアシル基を示す)で表される基、A環は置換基を
    有していてもよいベンゼン環、kは0ないし3の整数、
    及びmは1ないし8の整数を示す。〕で表される基、n
    が1ないし6の整数、Rが水素原子、Yが式 【化4】 〔式中、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい
    炭化水素基を示す。〕で表される基である請求項1記載
    の神経栄養因子様作用剤。
  4. 【請求項4】 コリンアセチルトランスフェラーゼ活性
    賦活剤である請求項3記載の神経栄養因子様作用剤。
  5. 【請求項5】 パーキンソン病又は筋萎縮性脊髄側索硬
    化症の予防治療剤である請求項1記載の神経栄養因子様
    作用剤。
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