JPH1053529A - 固形製剤 - Google Patents

固形製剤

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JPH1053529A
JPH1053529A JP14955897A JP14955897A JPH1053529A JP H1053529 A JPH1053529 A JP H1053529A JP 14955897 A JP14955897 A JP 14955897A JP 14955897 A JP14955897 A JP 14955897A JP H1053529 A JPH1053529 A JP H1053529A
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JP
Japan
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group
solid preparation
compound
lactose
preparation
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP14955897A
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English (en)
Inventor
Hiroki Ito
弘樹 伊藤
Masato Fukuda
誠人 福田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Priority to JP14955897A priority Critical patent/JPH1053529A/ja
Publication of JPH1053529A publication Critical patent/JPH1053529A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コリンエステラーゼ阻害作用を有する化合物の
安定な固形製剤を提供する。 【解決手段】式 【化1】 〔式中、XはR1−N<(R1は水素原子、置換されてい
てもよい炭化水素基または置換基を有していてもよいア
シル基を示す)、酸素原子または硫黄原子を示し、R2
水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示
し、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を、k
は0〜3の整数を、mは1〜8の整数を、nは1〜6の
整数を示す。〕で表されるコリンエステラーゼ阻害作用
を有する化合物またはその有機酸塩およびマンニトール
を含有し、乳糖の配合量がマンニトールの30W/W%
以下である固形製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コリンエステラー
ゼ阻害剤、特に老年期痴呆、アルツハイマー病等におけ
る老年期痴呆症治療・予防剤として有用である化合物ま
たはその有機酸塩およびマンニトールを含有する固形製
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】社会の高齢化が進む中で、種々の老年期
痴呆治療・予防作用を有する化合物が提案されている。
コリンエステラーゼ阻害剤である天然物のフィゾスチグ
ミンが老年期痴呆症治療・予防作用を有することが見い
出されて〔インターナショナルジャーナル オブ クリ
ニカル ファーマコロジー,セラピー アンド トキシ
コロジー(International Journal of Clinical Pharma
cology, Therapy andToxicology,)29巻,No.1,2
3−37頁(1991)等〕以来、種々のコリンエステラ
ーゼ作用を有する異項環化合物が合成され、老年期痴呆
症予防・治療剤として提案されている。老年期痴呆症が
増加する今日、老年期痴呆症治療・予防作用を有する化
合物として、より強い作用を有し、作用時間が長く、し
かも毒性が少い優れた老年期痴呆症治療・予防剤の開発
が常に望まれており、その一つとして優れた老年期痴呆
症治療・予防作用を有する化合物として、式
【化2】 〔式中、XはR1-N<(R1は水素原子、置換基を有し
ていてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよ
いアシル基を示す)、酸素原子または硫黄原子を示し、
2は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
素基を示し、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン
環を、kは0〜3の整数を、mは1〜8の整数を、nは
1〜6の整数を示す。〕で表わされる化合物およびその
塩が提案されている(特開平5−140149号公
報)。上記式(I)で表わされる化合物およびその塩
は、哺乳動物の中枢神経系において、強いコリンエステ
ラーゼ阻害活性を有し、各種健忘誘発作用に対し優れた
抗健忘作用を示し、かつフィゾスチグミンと比較して、
中枢神経に対する作用と末梢神経に対する作用との分離
が極めてよいため、抗健忘作用を示す用量では、痙攣作
用、流涎作用、下痢などの末梢神経作用は無いか、もし
くは極めて軽微で、作用持続時間が長く、毒性が低い特
徴を有し、経口投与により著効を奏することが、またそ
の急性毒性(LD50)は100mg/kg以上である等、医
薬として優れた化合物であることが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記化合物
を医薬品として開発していく過程で該化合物、とりわけ
ベンゾアゼピン誘導体およびその有機酸塩は製剤によっ
ては安定性が悪く、医療分野での通常の保存状態でも、
活性が充分な期間維持できないという製剤上の問題点が
あることが判明した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記化合
物の安定な製剤化を図るべく種々検討を続けた結果、賦
形剤の適切な配合により優れた製剤が得られることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、(1)
【化3】 〔式中、XはR1-N<(R1は水素原子、置換基を有し
ていてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよ
いアシル基を示す)、酸素原子または硫黄原子を示し、
は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
素基を示し、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン
環を、kは0〜3の整数を、mは1〜8の整数を、nは
1〜6の整数を示す。〕で表わされるコリンエステラー
ゼ阻害作用を有する化合物またはその有機酸塩およびマ
ンニトールを含有し、乳糖の配合量がマンニトールの3
0W/W%以下である固形製剤、(2)乳糖を実質的に
含有しない上記(1)記載の固形製剤、(3)XがR1
−N<(R1は上記(1)記載と同意義を示す)であ
り、kとmとの和が2〜6の整数である上記(1)記載
の固形製剤、(4)R1が水素原子、直鎖状もしくは分
枝状C1-7アルキル基、C7-10アラルキル基またはC2-8
アルキルカルボニル基、R2が水素原子、またはC1-4
ルキル、ハロゲン、ニトロもしくはC1-4アルコキシで
置換されていてもよいC7-10アラルキル基、kとmとの
和が4、nが1〜3の整数である上記(1)記載の固形
製剤、(5)化合物(I)またはその有機酸塩が8−
〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジ
ン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−1−ベンズアゼピンまたはそのフマル酸塩で
ある上記(1)記載の固形製剤、および(6)コーティ
ングしてなる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の固
形製剤に関する。
【0005】前記式(I)において、R1およびR2で示
される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭
化水素基」としては、例えば、鎖状、環状、飽和、不飽
和、さらにはこれらの種々の組み合わせからなる炭化水
素基が挙げられる。鎖状飽和炭化水素基としては、例え
ば、直鎖状もしくは分枝状の炭素数1〜11(C1-11
のアルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イ
ソプロピル,ブチル,イソブチル,tert−ブチル,ペン
チル,ヘキシル)が挙げられる。鎖状不飽和炭化水素基
としては、直鎖状もしくは分枝状のC2-4のアルケニル
基(例えば、ビニル,アリル,2−ブテニル,イソプロ
ペニル)およびC2-4のアルキニル基(例、エチニル,
2−プロピニル,2−ブチニル,3−ブチニル)が挙げ
られる。環状飽和炭化水素基としては、C3-7の単環シ
クロアルキル基(例えば、シクロプロピル,シクロブチ
ル,シクロペンチル,シクロヘキシル)およびC8-14
架橋環式飽和炭化水素基(例えば、ビシクロ[3.2.
1]オクト−2−イル,ビシクロ[3.3.1]ノン−2
−イル,アダマンタン−1−イル)が挙げられる。環状
不飽和炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基な
どが用いられる。
【0006】また、前記の「炭化水素基」としては、先
に例示した鎖状、環状、飽和、不飽和の炭化水素基の種
々の組み合わせからなる炭化水素基でもよく、例えば、
7-18アラルキル(例えば、トリル,キシリル;ベンジ
ル,フェネチル,フェニルプロピル,フェニルブチル,
フェニルペンチル,フェニルヘキシルなどのフェニル−
1-12アルキル;α−ナフチルメチルなどのα−ナフチ
ル−C1-8アルキル)、C8-18アリールアルケニル(例え
ば、スチリル,シンナミル,4−フェニル−2−ブテニ
ル,4−フェニル−3−ブテニルなどのフェニル−C
2-12アルケニル)、C8-18アリールアルキニル(例え
ば、フェネチル,3−フェニル−2−プロピニル,3−
フェニル−1−プロピニルなどのフェニル−C2-12アル
キニル)、C3-7シクロアルキル−C1-6アルキル(例え
ば、シクロプロピルメチル,シクロブチルメチル,シク
ロペンチルメチル,シクロヘキシルメチル,シクロヘプ
チルメチル,シクロプロピルエチル,シクロブチルエチ
ル,シクロペンチルエチル,シクロヘキシルエチル,シ
クロヘプチルエチル,シクロプロピルブチル,シクロブ
チルブチル,シクロペンチルブチル,シクロヘキシルブ
チル,シクロヘプチルブチル,シクロプロピルペンチ
ル,シクロブチルペンチル,シクロペンチルペンチル,
シクロヘキシルペンチル,シクロヘプチルペンチル,シ
クロプロピルヘキシル,シクロブチルヘキシル,シクロ
ペンチルヘキシル,シクロヘキシルヘキシル,シクロヘ
プチルヘキシル)等が挙げられる。
【0007】R1で表わされる「置換基を有していても
よい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、上記の中
でも直鎖状もしくは分枝状C1-7アルキル基(例えば、
メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イ
ソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イ
ソペンチル,ヘキシル,ヘプチル)またはC7-10アラル
キル基(例えば、フェニルメチル,フェニルエチル,フ
ェニルプロピル)などが好ましい。R2で表わされる
「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素
基」としては、上記の中でもC7-10アラルキル(例え
ば、ベンジル,フェネチル,フェニルプロピル)などが
好ましい。R1,R2で表わされる上記の炭化水素は置換
可能な位置に置換基を有していてもよい。R1,R2で表
わされる上記したような鎖状飽和、鎖状不飽和および環
状飽和炭化水素基が有していてもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子(例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨ
ウ素)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アル
コキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキ
シ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシ)、C1-4アルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ,エチルチオ,プロピル
チオ)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキルアミノ基
(例 えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピルア
ミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ)、環状アミノ
基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ)、モルホリノ、
1-4アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチル
アミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノ等のアル
キル部分がC1-4であるアルキルカルボニルアミノ)、C
1-4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスル
ホニルアミノ,エチルスルホニルアミノ)、C1-4アルコ
キシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル,エト
キシカルボニル,プロポキシカルボニル)、ヒドロキシ
カルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基(例えば、
アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレリル,ヘプタ
ノイル)、カルバモイル基、モノまたはジC1-4アルキル
カルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル,N
−エチルカルバモイル,N−プロピルカルバモイル,N
−ブチルカルバモイル)、C1-6アルキルスルホニル基
(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロ
ピルスルホニル)等が挙げられ、これらから選ばれた1
ないし5個を有していてもよい。
【0008】前記式(I)において環Aで表わされる
「置換基を有していてもよいベンゼン環」の置換基、R
1,R2で表わされる環状不飽和炭化水素基の置換基とし
ては、例えば、C1-4アルキル基(例えば、メチル,エ
チル,プロピル,ブチル)、ハロゲン原子(例えば、フ
ッ素,塩素,臭素,ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、ヒ
ドロキシ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,
エトキシ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピ
ルオキシ)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブ
チルチオ)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキルアミ
ノ基(例えば、N−メチルアミノ,N−エチルアミノ,
N−プロピルアミノ,N,N−ジメチルアミノ,N,N−
ジエチルアミノ)、環状アミノ基(例えば、ピロリジ
ノ,ピペリジノ)、モルホリノ、C1-4アルキルカルボニ
ルアミノ基(例えば、アセチルアミノ,プロピオニルア
ミノ,ブチリルアミノ)、アミノカルボニルオキシ基、
モノまたはジC1-4アルキルカルバモイルオキシ基(例
えば、N−メチルカルバモイルオキシ,N−エチルカル
バモイルオキシ,N,N−ジメチルカルバモイルオキ
シ,N,N−ジエチルカルバモイルオキシ)、C1-4アル
キルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルア
ミノ、エチルスルホニルアミノ,プロピルスルホニルア
ミノ)、C1-4アルコキシカルボニル基(例えばメトキシ
カルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニ
ル,イソブトキシカルボニル)、カルボキシ基、C1-6
ルキルカルボニル基(例えば、アセチル,プロピオニ
ル,ブチリル,シクロヘキシルカルボニル)、カルバモ
イル基,モノまたはジC1-4アルキルカルバモイル基
(例えば、N−メチルカルバモイル,N−エチルカルバ
モイル,N−プロピルカルバモイル,N−ブチルカルバ
モイル,N,N−ジエチルカルバモイル,N,N−ジブチ
ルカルバモイル)、C1-6アルキルスルホニル基(例え
ば、メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルス
ルホニル,シクロペンチルスルホニル,シクロヘキシル
スルホニル)、1〜4個の置換基を有していてもよいフ
ェニル、ナフチル、フェノキシ、ベンゾイル、フェノキ
シカルボニル、フェニルC1-4アルキルカルバモイル、
フェニルカルバモイル、フェニルC1-4アルキルカルボ
ニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルC1-4アルキ
ルスルホニル、フェニルスルホニル、フェニルC1-4
ルキルスルフィニル、フェニルC1-4アルキルスルホニ
ルアミノまたはフェニルスルホニルアミノ基(それぞれ
のフェニル基またはナフチル基における置換基として
は、例えば上記に例示したようなC1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、塩素,臭素,ヨウ素などのハロゲン
原子、水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、モノまた
はジC1-4アルキルアミノ基、ニトロ基、C1-4アルキル
カルボニル基などが用いられる。)などが挙げられる。
これら芳香族基の置換の数は1〜3個程度が適当であ
る。
【0009】R1,R2で表わされる「鎖状、環状、飽
和、不飽和炭化水素基の種々の組み合わせからなる炭化
水素基」の置換基としては、例えば、C1-4アルキル基
(例えば、メチル,エチル,プロピル,ブチル)、ハロ
ゲン原子(例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)、ニ
トロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基
(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,ブチ
ルオキシ,イソプロピルオキシ)、C1-4アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,イ
ソプロピルチオ,ブチルチオ)、アミノ基、モノまたは
ジC1-4アルキルアミノ基(例えば、N−メチルアミ
ノ,N−エチルアミノ,N−プロピルアミノ,N,N−
ジメチルアミノ,N,N−ジエチルアミノ)、環状アミノ
基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ)、モルホリノ、
1-4アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチル
アミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノ)、カル
バモイルオキシ基、モノまたはジC1-4アルキルカルバ
モイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキ
シ,N−エチルカルバモイルオキシ,N,N−ジメチル
カルバモイルオキシ,N,N−ジエチルカルバモイルオ
キシ)、C1-4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メ
チルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ,プロ
ピルスルホニルアミノ)、C1-4アルコキシカルボニル基
(例えばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プ
ロポキシカルボニル,イソブトキシカルボニル)、ヒド
ロキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基(例
えば、アセチル,プロピオニル,ブチリル,シクロヘキ
シルカルボニル)、カルバモイル基、モノまたはジC1-4
アルキルカルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモ
イル,N−エチルカルバモイル,N−プロピルカルバモ
イル,N−ブチルカルバモイル,N,N−ジエチルカル
バモイル,N,N−ジブチルカルバモイル)、C1-6アル
キルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチル
スルホニル,プロピルスルホニル,シクロペンチルスル
ホニル,シクロヘキシルスルホニル)、1〜4個の置換
基を有していてもよいフェニル、ナフチル、フェノキ
シ、ベンゾイル、フェノキシカルボニル、フェニルC
1-4アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フ
ェニルC1-4アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルア
ミノ、フェニルC1-4アルキルスルホニル、フェニルス
ルホニル、フェニルC1-4アルキルスルフィニル、フェ
ニルC1-4アルキルスルホニルアミノまたはフェニルス
ルホニルアミノ基(それぞれの環状基上の置換基として
は、例えばメチル,エチル,プロピル,ブチル,イソプ
ロピルなどのC1-4アルキル基、メトキシ,エトキシ,
プロピルオキシ,イソプロピルオキシ,ブチルオキシな
どのC1-4アルコキシ基、塩素,臭素,ヨウ素などのハ
ロゲン原子、水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、上
記のごときモノまたはジC1-4アルキル置換アミノ基、
ニトロ基、上記のごときC1-4アルキルカルボニル基な
どが挙げられる。)などが挙げられる。これらの炭化水
素基の置換の数は1〜5個程度が適当である。
【0010】R1で示される「置換基を有していてもよ
いアシル基」の「アシル基」としては、カルボン酸アシ
ル基(例えばホルミルや、アセチル,プロピオニル,ブ
チリル,ベンゾイルなどのC2-8アルキルカルボニルま
たはフェニルカルボニル)、スルホン酸アシル基(例え
ばメタンスルホニル,エタンスルホニル,プロパンスル
ホニル、ベンゼンスルホニル,p−トルエンスルホニル
などのC1-7アルキルスルホニルまたはフェニルスルホ
ニル)、ホスホン酸アシル基(例えばメタンホスホニ
ル,エタンホスホニル,プロパンホスホニル,ベンゼン
ホスホニルなどのC1-7アルキルホスホニルまたはフェ
ニルホスホニル)、置換オキシカルボニル基(例えば、
エトキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル,ベン
ジルオキシカルボニルなどのC1-8アルキルオキシカル
ボニル又はC7-8アラルキルオキシカルボニル)が挙げ
られる。なかでも、C2-8アルキルカルボニル基が好ま
しい。これらアシル基が有していてもよい置換基として
は、ハロゲン原子(例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素)、アミノ基、C1-6アルキル基(例えば、メチル,エ
チル,プロピル,ヘキシル)を有するモノ−またはジ−
アルキルアミノ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メト
キシ,エトキシ,プロポキシ)などが挙げられ、これら
の基を置換可能な位置に1〜3個好ましくは1〜2個有
していてもよい。
【0011】本発明製剤の適用対象として好ましい式
(I)で表される化合物(本明細書中、単に化合物
(I)と略記することもある)の実施態様を以下に述べ
る。Xとしては、R1−N<が好ましく、なかでもR1
水素原子、直鎖状もしくは分枝状C1-3アルキル基(例
えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル)、ベ
ンジル、フェニル、C1-4アルキルカルボニル(例え
ば、アセチル,プロピオニル,ブチリル)、ベンゾイ
ル、C1-4アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカ
ルボニル,エトキシカルボニル)などの場合がより好ま
しい。R2としては、無置換あるいは1ないし2個のハ
ロゲン原子(例えば、フッ素、塩素)、メチル、ニトロ
および/またはメトキシで置換されたベンジルまたはα
−ナフチルメチル基が好ましく、特に無置換ベンジル基
が好ましい。環A上の置換基としては、フッ素、塩素、
トリフルオロメチル、メチル、メトキシなどが好まし
く、特にフッ素が好ましい。また、kとmの和(k+
m)が2〜6の整数のとき、すなわち
【化4】 が5〜9員環を形成する場合が好ましく、なかでもk+
mが4の場合が好ましい。さらにk,mの組み合わせと
しては、kが0のときmとしては2,3,4または5
が、kが1のときmとしては1,2または3が、またk
が2のときはmは2が好ましい。すなわち、
【化5】 で表される含窒素縮合複素環としては、2,3−ジヒド
ロ−1H−インドール、1,2,3,4−テトラヒドロキ
ノリン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベン
ズアゼピン、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドー
ル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン、2,
3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン、
1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1−ベンズアゾシ
ン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−2−ベンズア
ゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−3−ベン
ズアゾシン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H
−1−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒ
ドロ−1H−2−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7
−ヘキサヒドロ−1H−3−ベンズアゾニン、2,3,
4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−4−ベンズアゾニ
ンが好ましい。
【0012】
【化6】 で表される含酸素縮合複素環としては、2,3−ジヒド
ロベンゾフラン、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン、
3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン、3,4−ジ
ヒドロ−1H−2−ベンゾピラン、2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1−ベンゾオキセピン、1,3,4,5−テト
ラヒドロ−2−ベンゾオキセピン、1,2,4,5−テト
ラヒドロ−3−ベンゾオキセピン、3,4,5,6−テト
ラヒドロ−2H−1−ベンゾオキソシン、3,4,5,6
−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾオキソシン、1,4,
5,6−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾオキソシン、
2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1−ベンゾオキソ
ニン、1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−ベンゾ
オキソニン、1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−3−
ベンゾオキソニン、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ
−4−ベンゾオキソニンなどが好ましい。
【化7】 で表される含硫黄縮合複素環としては、2,3−ジヒド
ロ[b]チオフェン、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオ
フェン、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾチオピラ
ン、3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン、
2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾチエピン、1,
3,4,5−テトラヒドロ−2−ベンゾチエピン、1,2,
4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン、3,4,5,
6−テトラヒドロ−2H−1−ベンゾチオシン、3,4,
5,6−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾチオシン、1,
4,5,6−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾチオシン、
2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1−ベンゾチオニ
ン、1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−ベンゾチ
オニン、1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−3−ベン
ゾチオニン、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−4−
ベンゾチオニンなどが好ましい。
【化8】 [式中、R3は水素原子またはC1-3アルキル基を示
す。]で表わされる含窒素縮合複素環などであり、とり
わけベンズアゼピン環が好ましい。上記式中、R3で示
されるC1-3アルキル基はメチル,エチル,プロピル,
イソプロピルである。nは、1、2または3、特に2が
好ましい。より具体的には、特開平5−140149号
公報に記載された種々の化合物およびその有機酸塩とり
わけベンズアゼピン誘導体が好ましい対象である。本発
明の化合物(I)の有機酸塩としては、例えば、酢酸、
ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク
酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸との塩等が例示さ
れる。この発明に用いる化合物(I)またはその有機酸
塩は特開平5−140149号公報に記載の公知法に準
じて製造されうる。
【0013】本発明製剤に用いられるマンニトールにつ
いては、通常製剤賦形剤として用いられているいずれの
マンニトールを用いてもよく、その形状もα,β,δ型
のいずれの結晶あるいはアモルファスでもよい。マンニ
トールの配合量としては、化合物(I)またはその有機
酸塩(以下、単に活性成分と略記することもある)の5
0w/w%以上が好ましく、さらに好ましくは活性成分
と等量以上、とりわけ4倍以上添加することが好まし
い。マンニトールの配合量の上限は、特に限定されない
が、通常、活性成分の2000重量倍、好ましくは80
0重量倍、さらに好ましくは100重量倍程度である。
乳糖は、マンニトールの30w/w%以下で用いてもよ
いが、本発明の活性成分は乳糖の存在下で不安定である
ので、本発明製剤としては乳糖を実質的に含有しない製
剤、すなわち乳糖の含量が実質的に0w/w%である製
剤が望ましい。また、乳糖を配合する場合にはその割合
は少ないほど良いが、その添加割合がマンニトールの配
合量に対して0.001〜30w/w%、好ましくは
0.001〜1w/w%であり、かつ製剤中でマンニト
ールと共存していれば、マンニトールの安定化作用によ
り実質的に影響しない。
【0014】本発明製剤には、特に支障のない限り、固
形医薬製剤の製造に用いられる慣用の添加剤を配合して
よく、該添加剤としては、例えば結合剤(例えばα化デ
ンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン、結晶セルロース、デキストリン、プル
ランなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ
など)、崩壊剤(例えば乳糖、白糖、カルボキシメチル
セルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセ
ルロース(ヒドロキシプロポキシ基の含量:約7〜16
%)、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデ
ンプンなど)、軽質無水ケイ酸、クロスカルメロースナ
トリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カル
ボキシメチルセルロースカルシウムなど)等が用いられ
る。その他、さらに安定化剤、抗酸化剤(例、L−アス
コルビン酸、L−システイン等)、着色剤、矯味剤、吸
着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤、崩壊延長剤、無機
塩(例、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)等を加
えてもよい。
【0015】本発明製剤は、例えば上述のような諸成分
を均一に混合したのち、混合物を公知の手段に従い、例
えば錠剤、カプセル剤、散剤、ドライシロップ剤、顆粒
剤、細粒剤、丸剤などの経口投与に適した各種固形製剤
に製剤化することができる。ここにおいて、顆粒剤の粒
径分布は、例えば500〜1410μmの粒子90重量
%以上、177μm以下の粒子5重量%以下である。ま
た、細粒剤の粒径分布は、例えば10〜500μmの粒
子75重量%以上、500μm以上の粒子5重量%以
下、10μm以下の粒子10重量%以下である。好まし
い細粒剤の粒径分布は、105〜500μmの粒子75
重量%以上、500μm以上の粒子5重量%以下、74
μm以下の粒子10重量%以下である。
【0016】錠剤、顆粒剤、細粒剤に関しては耐光性を
持たせる遮光のため、腸溶性あるいは持続性の目的のた
め公知の方法でコーティングしてもよい。コーティング
剤としては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ア
クリル系樹脂(メタアクリル酸・アクリル酸コポリマ
ー、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー等)、
シェラック、ポリビニルアセテートフタレート、ポリエ
チレングリコール、タルク、軽質無水ケイ酸、白糖、ア
ラビアゴム、セルロースアセテートフタレート、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシ
メチルエチルセルロース、可塑剤としてポリエチレング
リコール、および遮光剤として酸化チタン、ベンガラ
(黄色三二酸化鉄)等の色素等が用いられる。コーティ
ング剤の被覆量は、固形製剤の種類に応じて選択すれば
よい。固形製剤に対するコーティング量は、例えば錠剤
では0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量
%程度であり、顆粒剤および丸剤では0.1〜50重量
%、好ましくは1〜20重量%程度であり、細粒剤では
0.1〜100重量%、好ましくは1〜50重量%程度
である。
【0017】コーティングに際しては、必要に応じて、
一般的に用いられる前記添加剤をコーティング剤に添加
して被覆してもよく、コーティング剤と前記添加剤をそ
れぞれ別々に用いて被覆してもよい。この際、添加剤の
使用量は、例えばコーティング剤の固形分に対して約
0.1〜70重量%、好ましくは約1〜50重量%、さ
らに好ましくは約20〜50重量%である。コーティン
グ方法としては、自体公知の方法、例えばパンコーティ
ング法、流動コーティング法、転動コーティング法など
が採用できる。コーティング剤が、水または有機溶媒を
含む溶液または分散液である場合には、スプレーコーテ
ィング法も採用できる。有機溶媒の種類は特に限定され
ず、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等アルコール類;アセトン等のケトン類;クロロ
ホルム、ジクロロメタン、トリクロロンメタン等のハロ
ゲン化炭化水素類等が使用できる。コーティングの際の
温度は、通常25〜60℃、好ましくは25〜40℃で
ある。また、コーティングに要する時間は、コーティン
グ方法、コーティング剤の特性や使用量、固形製剤の特
性などを考慮して適宜選択できる。
【0018】具体的には、本発明製剤は、例えばフィル
ム錠を得る場合の1例を挙げると、次の方法によって製
造することができる。化合物(I)またはその有機酸塩
をマンニトール、トウモロコシデンプンと共に結合剤で
あるヒドロキシプロピルセルロースで造粒し、乾燥す
る。得られた造粒物を解砕して整粒末とする。この整粒
末に滑沢剤であるステアリン酸マグネシウムを加え、混
合して打錠用顆粒とする。この顆粒を打錠し裸錠とす
る。得られた裸錠に、ヒドロキシメチルセルロースを溶
解、酸化チタン、黄色三二酸化鉄を分散した液を噴霧し
フィルム錠を得る。
【0019】このような本発明製剤は、例えば老年性痴
呆、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、運動過多
病、躁病などの疾病の予防または治療において、これら
疾病に著効を示す化合物(I)またはその有機酸塩の変
質しにくい安定な製剤として有用に用いることができ
る。本発明製剤は、対象疾患の種類、症状、剤形などに
応じて主薬成分の投与量が一般的に成人(体重60k
g)において一日につき約0.01mg〜100mg、好ま
しくは0.1〜30mg、より好ましくは0.3〜10mgと
なる範囲で、1回または2〜3回に分けて投与される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下において、参考例、実施例お
よび試験例により、本発明をより具体的にするが、本発
明はこれらに限定されるものではない。 参考例1 3−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−1−(1−
アセチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベ
ンズアゼピン−8−イル)−1−プロパノンの合成 1−アセチル−4−ピペリジンプロパン酸14.0gを
ジクロロメタン80mlに懸濁し、15〜25℃に保ちな
がら塩化チオニル6mlを滴下して、同温で約10分撹拌
した。1−アセチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1
H−1−ベンズアゼピン13.3g及び塩化アルミニウ
ム30gを添加し、溶媒を加熱留去して90〜100℃
で約3時間反応した。その後冷却し、反応生成物をジク
ロロメタン140mlを加えて溶解した。溶解液を氷水1
40mlに添加し分液した後、水層をジクロロメタンで抽
出し、有機層を合わせて純水で洗浄した。溶媒を濃縮
後、酢酸エチルにより再結晶して、3−(1−アセチル
ピペリジン−4−イル)−1−(1−アセチル−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−8
−イル)−1−プロパノンを得た。 収量 17.0g 融点 133〜134℃1 H−NMR(300MHz,CDCl3)単位:ppm 7.82(1H,dd,J=7.85,1.72Hz), 7.74(1H,d,J=1.65Hz), 7.
36(1H,d,J=7.87Hz), 4.73(1H,d,J=13.56Hz), 4.62(1H,
d,J=13.10Hz), 3.82(1H,d,J=13.44Hz), 3.04(1H,td,J=1
3.08,2.02Hz), 2.99(2H,t,J=7.43Hz), 2.80(2H,t,J=5.3
6Hz), 2.56(2H,q,J=14.18Hz), 2.10-1.52(8H,m), 2.09
(3H,s), 1.87(3H,s), 1.48-1.30(1H,m), 1.28-1.07(2H,
m)
【0021】参考例2 3−(ピペリジン−4−イル)−1−(2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−8−イル)−1
−プロパノン2塩酸塩の合成 参考例1で得た3−(1−アセチルピペリジン−4−イ
ル)−1−(1−アセチル−2,3,4,5−テトラヒドロ
−1H−1−ベンズアゼピン−8−イル)−1−プロパ
ノン14.0gに6N塩酸60mlを加えて、加熱還流下
約26時間反応した。反応液を冷却して析出する結晶を
ろ取しアセトンで洗浄して、3−(ピペリジン−4−イ
ル)−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベ
ンズアゼピン−8−イル)−1−プロパノン2塩酸塩を
得た。 収量 13.2g1 H−NMR(300MHz,D2O+DMSO)単位:p
pm 8.09(1H,dd,J=7.93,1.68Hz), 8.00(1H,d,J=1.59Hz), 7.
62(1H,d,J=7.97Hz), 3.51(2H,t,J=5.59Hz), 3.47(2H,d,
J=15.75Hz), 3.20(2H,t,J=7.24Hz), 3.10(2H,t,J=5.86H
z), 3.01(2H,td,J=15.69,0.01Hz), 3.10(2H,quintet,J=
5.23Hz), 2.04(2H,d,J=13.47Hz), 1.86(2H,quintet,J=
5.26Hz), 1.74(2H,t,J=5.85Hz), 1.77-1.71(1H,brs),
1.46(2H,quartet doublet,J=13.06,3.80Hz)
【0022】参考例3 3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕−
1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズア
ゼピン−8−イル)−1−プロパノンの合成 参考例2で得た3−(ピペリジン−4−イル)−1−(2,
3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−
8−イル)−1−プロパノン2塩酸塩12.0gをアセト
ン120mlに懸濁し、炭酸カリウム10.2gを添加し
た。還流下、純水20ml及びベンジルクロライド4.7
gを滴下し、約2時間反応した。反応液に水を加え、室
温まで冷却して析出する結晶をろ取し、水−アセトンで
洗浄、酢酸エチルから再結晶して、3−〔1−(フェニ
ルメチル)ピペリジン−4−イル〕−1−(2,3,4,5
−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−8−イ
ル)−1−プロパノンを得た。 収量 12.2g 融点 117〜118℃1 H−NMR(300MHz,CDCl3)単位:ppm 7.38(1H,dd,J=7.73,1.66Hz), 7.32(1H,d,J=1.69Hz), 7.
32-7.20(5H,m), 7.15(1H,d,J=7.74Hz), 3.91(1H,brs),
3.48(2H,s), 3.05(2H,t,J=5.06Hz), 2.91(2H,t,J=7.45H
z), 2.88(2H,d,J=14.50Hz), 2.80(2H,t,J=5.60Hz), 1.9
3(2H,t,J=11.26Hz), 1.86-1.76(2H,m), 1.76-1.58(6H,
m), 1.40-1.20(3H,m)
【0023】参考例4 3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕−
1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズア
ゼピン−8−イル)−1−プロパノンフマレートの合成 参考例3で得た3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン
−4−イル〕−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H
−1−ベンズアゼピン−8−イル)−1−プロパノン1
1.3g及びフマル酸3.7gをエタノール110mlに懸
濁し、加熱還流下純水6mlを滴下し溶解した。溶解液を
活性炭脱色後、冷却晶出して析出する結晶をろ取し、エ
タノールで洗浄し減圧乾燥して、3−〔1−(フェニル
メチル)ピペリジン−4−イル〕−1−(2,3,4,5−
テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−8−イル)
−1−プロパノンフマレートを得た。 収量 13.3g 融点 177〜178℃1 H−NMR(300MHz,DMSO)単位:ppm 7.41(1H,d,J=1.59Hz), 7.37-7.23(5H,m), 7.29(1H,dd,J
=8.13,1.73Hz), 7.14(1H,d,J=7.81Hz), 6.59(2H,s), 3.
61(2H,s), 2.97-2.84(6H,m), 2.70(2H,t,J=4.87Hz), 2.
10(2H,t,J=11.49Hz), 1.73-1.63(4H,m), 1.62-1.48(4H,
m), 1.40-1.15(3H,m)
【0024】実施例1 流動層造粒乾燥機(FD−5S,(株)パウレック)中で
8−〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリ
ジン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1H−1−ベンズアゼピンフマレート(以下、化
合物Aと略記する)440g、マンニトール4070g
およびトウモロコシデンプン605gを均一に混合後、
機内で、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)
165gを溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで流
動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られた造粒物を、パワ
ーミルを用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕
して整粒末とした。この整粒末を4704gとり、これ
にトウモロコシデンプン161.7gとステアリン酸マ
グネシウム34.3gを加え、タンブラー混合機で混合
して打錠用顆粒とする。この顆粒を打錠機で6.5mmφ
の杵を用いて重量100mgで打錠し裸錠とした。得られ
た裸錠に、ドリアコーターコーティング機中でヒドロキ
シプロピルメチルセルロース2910(TC−5)を溶
解、酸化チタン、黄色三二酸化鉄を分散した液を噴霧
し、1錠当たり化合物Aを8mg含有する下記処方のフィ
ルム錠約42000錠を得た。
【表1】 錠剤処方: 成 配合量(mg) 化合物A 8.0 D−マンニトール 74.0 トウモロコシデンプン 14.3 ヒドロキシプロピルセルロース 3.0 ステアリン酸マグネシウ 0.7 計(裸錠) 100.0 裸錠 100.0 (フィルム成分) ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 3.592 酸化チタン 0.4 黄色三二酸化鉄 0.008 合 計 104.0
【0025】実施例2 実施例1に準じて、1錠当たり化合物Aを4mg含有する
下記処方のフィルム錠約42000錠を得た。
【表2】 錠剤処方: 成 配合量(mg) 化合物A 4.0 D−マンニトール 78.0 トウモロコシデンプン 14.3 ヒドロキシプロピルセルロース 3.0 ステアリン酸マグネシウ 0.7 計(裸錠) 100.0 裸錠 100.0 (フィルム成分) ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 3.592 酸化チタン 0.4 黄色三二酸化鉄 0.008 合 計 104.0
【0026】実施例3 実施例1に準じて、1錠当たり化合物Aを16mg含有す
る下記処方のフィルム錠約42000錠を得た。
【表3】 錠剤処方: 成 配合量(mg) 化合物A 16.0 D−マンニトール 148.0 トウモロコシデンプン 28.6 ヒドロキシプロピルセルロース 6.0 ステアリン酸マグネシウ 1.4 計(裸錠) 200.0 裸錠 200.0 (フィルム成分) ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.136 酸化チタン 0.8 黄色三二酸化鉄 0.064 合 計 208.0
【0027】試験例1 実施例1に準じて、下記処方のフィルム錠をそれぞれ製
造した。
【表4】 錠剤処方: 成 対照錠剤 本発明錠剤 化合物A 2.0 mg 2.0 mg 乳 糖 80.0 mg − マンニトール − 80.0 mg トウモロコシデンプン 14.7 mg 14.5 mg ヒドロキシプロピルセルロース 3.0 mg 3.0 mg ステアリン酸マグネシウム 0.3 mg 0.5 mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 3.592 mg 3.592 mg 酸化チタン 0.4 mg 0.4 mg 黄色三二酸化鉄 0.008 mg 0.008 mg 合 計 104.0 mg 104.0 mg 得られた錠剤を40℃ 相対湿度(RH)75%で24週
間保存し、錠剤中の化合物Aの安定性を、その分解物量
を測定することにより確認した。結果を〔表5〕に示
す。
【表5】 総分解物量(%) 条件 本発明錠剤 対照錠剤 イニシャル 0.00 0.18 8週間 0.0 0.37 16週間 0.0 0.37 24週間 0.0 0.37 また、得られた錠剤の光に対する安定性を同様に確認し
た(蛍光灯、120万ルックス・時間)ところ、本発明
錠剤では化合物Aの総分解物量が0.0%とほとんど分
解がみられなかった。一方、対照錠剤では、化合物Aの
総分解物量が0.27%であった。
【0028】
【発明の効果】本発明の固形製剤は、例えば老年性痴
呆、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、運動過多
病、躁病などの疾病の予防または治療において、これら
疾病に著効を示す化合物(I)またはその有機酸塩の変
質しにくい安定な製剤として有用に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/26 A61K 47/26 B C07D 401/06 223 C07D 401/06 223 405/06 211 405/06 211 409/06 211 409/06 211 // C12N 9/99 C12N 9/99 (C07D 401/06 211:22 223:16)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、XはR1-N<(R1は水素原子、置換基を有し
    ていてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよ
    いアシル基を示す)、酸素原子または硫黄原子を示し、
    2は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
    素基を示し、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン
    環を、kは0〜3の整数を、mは1〜8の整数を、nは
    1〜6の整数を示す。〕で表わされるコリンエステラー
    ゼ阻害作用を有する化合物またはその有機酸塩およびマ
    ンニトールを含有し、乳糖の配合量がマンニトールの3
    0W/W%以下である固形製剤。
  2. 【請求項2】乳糖を実質的に含有しない請求項1記載の
    固形製剤。
  3. 【請求項3】XがR1−N<(R1は請求項1記載と同意
    義を示す)であり、kとmとの和が2〜6の整数である
    請求項1記載の固形製剤。
  4. 【請求項4】R1が水素原子、直鎖状もしくは分枝状C
    1-7アルキル基、C7-10アラルキル基またはC2-8アルキ
    ルカルボニル基、R2が水素原子、またはC1-4アルキ
    ル、ハロゲン、ニトロもしくはC1-4アルコキシで置換
    されていてもよいC7-10アラルキル基、kとmとの和が
    4、nが1〜3の整数である請求項1記載の固形製剤。
  5. 【請求項5】化合物(I)またはその有機酸塩が8−
    〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジ
    ン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒド
    ロ−1H−1−ベンズアゼピンまたはそのフマル酸塩で
    ある請求項1記載の固形製剤。
  6. 【請求項6】コーティングしてなる請求項1〜5のいず
    れかに記載の固形製剤。
JP14955897A 1996-06-07 1997-06-06 固形製剤 Withdrawn JPH1053529A (ja)

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JP14955897A JPH1053529A (ja) 1996-06-07 1997-06-06 固形製剤

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JP8-145260 1996-06-07
JP14526096 1996-06-07
JP14955897A JPH1053529A (ja) 1996-06-07 1997-06-06 固形製剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6534496B1 (en) * 1997-04-17 2003-03-18 Takeda Chemical Industries, Inc. Thermogenic composition and benzazepine thermogenics
JP2008543894A (ja) * 2005-06-21 2008-12-04 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (r)−(−)−2−[5−(4−フルオロフェニル)−3−ピリジルメチルアミノメチル]クロマンを含有する固体医薬組成物

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