JP2010506017A - シリルテレケリックポリマーの製造方法 - Google Patents

シリルテレケリックポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、原子移動ラジカル重合によって製造されたポリマー鎖のin situでのシリル末端基官能基化及びポリマー溶液からの遷移金属の同時除去に関する。

Description

本発明は、シリル末端基を有し、原子移動ラジカル重合(以下、略してATRPと呼ぶ)によって製造されたポリマー合成に関する。特定の態様は、シリルテレケリックポリメタクリレート、シリルテレケリックポリアクリレート、又はシリルテレケリックポリスチレンの製造である。
本発明のきわめて特定の態様は、一段階工程において、試薬の添加により、同時に遷移金属化合物を沈殿させてポリマー溶液から除去し、事前に遷移金属に配位結合していた配位子の塩を形成させ、それによって、それらの簡単な除去を可能にするものである。
ATRPは、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はポリスチレンなどの多くのポリマーの製造において重要な方法である。この種類の重合法では、所望するポリマーの目標にかなり近づくことができる。ATRP法は、1990年代に、Prof.Matyjaszewskiによっておおよそ開発された(Matyjaszewski et al.,J.Am.Chem.Soc.,1995,117,p.5614;国際特許公開公報第97/18247号;Sceience、1996,272,p.866)。ATRPでは、Mn=5000〜120000g/molのモル質量の範囲の狭い分布を有する(ホモ)ポリマーを得ることができる。特に有利な点は、分子量と分子量分布の両方を制御できるということである。また、リビング重合のように、例えば、ランダムコポリマー構造や、又はブロックコポリマー構造など、ポリマー構造を制御して形成することも可能である。さらに、適切な開始剤により、例えば、珍しいブロックコポリマーや星型ポリマーを得ることもできる。重合メカニズムの理論的基礎は、特に、Hans Georg Ellas,Makromolekuele[Macromolecules],Volume 1,6th Edition,Weinheim 1999,p.344において説明されている。
同時に、ポリマーの鎖末端のハロゲンが除去され、遷移金属が完全に沈殿し、配位子が容易に除去することができるイオン形へと変換され、有機シリル基によってポリマー鎖末端が官能基化されるようなATRPの工程段階の開発は、全く従来技術にはない。このことは、単に、同時に遷移金属の沈殿とポリマー鎖末端のシリル官能基化だけの組み合わせについても、既にあてはまる。
さらに、本発明は、末端基の官能基化、ハロゲン除去、遷移金属の沈殿に関して、それぞれに対しても、従来技術に対して著しい向上に貢献するものである。3つ全ての機能の組み合わせは、従来技術ではこれまで記載されていない。したがって、以下において、この文書は、末端基の官能基化及びシリル官能基化ATRP生成物の態様に限定される。
ATRP工程は、ドーマント種と活性種の間の酸化還元平衡に基づいている。活性種は、低濃度にてのみ存在する成長フリーラジカルポリマー鎖と、比較的高い酸化状態にある遷移金属化合物(例えば、銅(II))である。好ましく存在するドーマント種は、ハロゲン又は擬ハロゲンによって反応終了状態にあるポリマー鎖と、比較的低い酸化状態にある対応する遷移金属化合物(例えば、銅(I))の組み合わせである。このことは、(擬)ハロゲン置換された開始剤によって開始される実際の形態のATRPと、平衡が確立されるまでハロゲンがポリマー鎖に結合しない逆ATRP(後述する)の両方に対してあてはまる。ハロゲン原子は、選択した方法に関係なく、反応が終了した後も特定のポリマー鎖末端に残っている。これらの末端ハロゲン原子は、何かと有用な場合がある。多くの文献には、精製後、又はブロック構造を形成するためのさらなるモノマー部分を逐次添加することによる、このようなポリマーの高分子開始剤としての使用について記載されている。代表的な例として、逐次重合に関しては米国特許第5,807,937号を、高分子開始剤に関しては米国特許第6,512,060号を参照のこと。
しかしながら、問題はこのようなハロゲン官能基化ポリマーが熱的に不安定であるということであり、そのことは、当業者に周知である。特に、ポリメタクリレート又はポリアクリレートは、末端ハロゲン原子の存在下では解重合をかなり受けやすいことがわかっている。したがって、これら末端ハロゲン原子を除去する方法は、非常に関心を持たれている。広く知られた方法の1つは、金属アルコキシドによるハロゲンの置換反応に基づいており、置換反応で形成されたハロゲン化金属が沈殿する。そのような方法は、例えば、米国特許出願公開第2005/0900632号に記載されている。この方法の欠点は、金属アルコキシドの入手可能性が限られていること、それらのコスト、そしてこの方法が、ポリマーの精製後に別々の工程段階でのみ実施することができるということである。さらに、この方法では、シリル基によって直接官能基化することはできない。
欧州特許第0976766号及び同第1179567号には、ハロゲンを含まないシリル末端化ポリマーを合成するための3段階工程について記載されている。この文献では、適切な生成物の精製を伴うATRP後に、第二段階として不飽和金属アルコキシドによる末端ハロゲン原子の置換を実施している。そして、生成物を再び精製した後、対応する二重結合をヒドロシリル化する。特定の前駆体生成物の徹底的な精製を行わずしては、これら3段階工程が可能でないことは当業者に容易に明らかになる。この方法により、本発明のポリマーとほぼ同様のポリマーが得られる場合でさえ、ポリマー鎖へとさらに組み入れられ得るが置換又はヒドロシリル化のいずれかにおいて崩壊する官能基の数が少ない点において、この生成物は本発明のポリマーと異なっている。米国特許出願公開第2005/0113543号では、1つの変法において、不飽和ATRP開始剤を用い、上記に記載の方法と同様に、第二段階でアリル基が有機スズ化合物によりハロゲン原子と置換されることによって第二のポリマー鎖末端に移動する。この2つの基は、化学的環境において容易にお互いに区別することができるだけであり、簡単にヒドロシリル化することができる。
末端ハロゲン基を置換する他の方法でも状況は似ており、すなわち、アジド(Matyjaszewski et al.,Macromol.Rapid Commun,18,1057−66,1997を参照)及びホスフィン(Coessens,Matyjaszewski,Macromol.Sci.Pure Appl.Chem.,36,653−666,1999を参照)の両方とも、不完全な変換をもたらすだけで、毒物学的にも非常に賛否両論があり、直接的なシリル官能基化に対する適性も不十分であり、なおかつ高価である。その上、これらの方法は、生成物の後処理後のポリマー類似反応においてのみ用いることができる。
ヒドロシリル化に必要なプレポリマーの合成のための、2段階重合とそれに続く末端ハロゲン原子の置換反応の代替手段としては、いわゆる末端封鎖法が挙げられる。この方法では、モノマーのように鎖の末端でフリーラジカルによって組み込まれるが、依然としてハロゲン官能基化された重合に非活性な鎖末端を新しく形成する化合物を、最大変換の時点で重合溶液に添加する。欧州特許第1085027号及び同第1024153号には、そのような末端封鎖剤として、様々な非共役ジエンについて記載されている。特にオクタジエンは、オレフィン末端基を提供するために特に好適な化合物として示されている。また、欧州特許第1158006号では、シクロオクタジエンについて、非常に好適な試薬として言及されている。2つの同じ末端基を有するテレクリックは、二官能基化開始剤を用いたATRPによって得ることができる。
この方法の利点は、置換反応の場合のように、事前に生成物の精製を行う別個の工程段階が省かれ、鎖の末端が重合の終わりにオレフィンで直接官能基化されることである。しかしながら、置換反応と比較した場合、すなわち本発明と比較した場合の欠点は、ハロゲン原子が鎖の末端に残ってしまうため、さらなる工程段階によって別個に除去しなければならないか、又は生成物の熱不安定性を受け入れなければならない点である。さらに、この方法でも、上記に記載されている置換法のようにオレフィン性末端生成物のみが得られ、このオレフィン性末端は、まず複雑な精製後にヒドロシリル化しなければならない。遷移金属化合物を溶媒和するためにATRPにおいて必要とされる配位子が、一般的に白金化合物上に担持されたヒドロシリル化触媒(例えば、標準的な触媒であると思われるカールシュテット触媒など)を不活性化するため、この精製は、特に、非常に徹底的に行わなければならない。ATRPは特に効率的であり、また、例えば多座配位アミン配位子を使用する場合、以下により詳細に説明しているように、経済的な面からも興味深い。しかしながら、これらの化合物は、特に、非常に低濃度でのみ使用される白金金属触媒を定量的に不活性化するため、事前にポリマーから完全に除去しておかなければならない。これらの特徴は、ポリマーの完全なシリル官能基化を困難にするか、又は工程をさらに時間のかかる非経済的なものにする。ポリマーのヒドロシリル化については、欧州特許第1153942号又は同第1498433号に記載されている。
本発明によると、末端ハロゲン原子は、さらなるシラン官能基を有するメルカプタンを使用することによって置換される。そのようなATRP生成物のメルカプタンによる置換反応については、Snijder達による文献(J.of Polym.Sci.:Polym.Chem.)に簡潔に記載されているのみである。この置換反応は、メルカプトエタノールにより排他的に実施されている。しかし、本発明のシリルメルカプタンに対するこの方法の適用は記載されていない。
本発明とのさらなる相違点は、ポリマー類似の手順である。記載された文献では、置換反応は、第二反応段階において、ATRP生成物の精製後にのみ実施されている。このことがまさに、本発明との第二の重要な違いを生じさせる。したがって、メルカプタン試薬を添加することによってATRP溶液から遷移金属化合物を沈殿させる本発明の効果について、これらの文献には全く記載されていない。さらに、本発明では、上記に列挙した文献と異なり、鎖の両端の末端基において官能基化された新規のタイプのトリブロックコポリマー及びペンタブロックコポリマーについて説明する。
従来技術の接着剤におけるバインダーの重大な欠点は、処理中に問題となる高い粘性である。そのため、接着剤又は溶融状態の反応性ホットメルト接着剤の処理は、特に多孔質基板への用途において非常に複雑である。場合によっては、接着剤配合物のゲル化が非常に早すぎる場合もある。
さらなる欠点は、硬化した接着剤中の抽出可能な含有物量がかなり高いことである。他の要因の中でも、このことは、接着剤組成物の溶媒への安定性を低下させる原因である。
さらなる欠点としては、接着剤や、例えば、130℃での溶融状態にある反応性ホットメルト接着剤の粘度安定性がしばしば不十分なだけであるが、このことは、特に、加工性を複雑にする。
さらなる欠点としては、フリーラジカル重合で得られた材料が、架橋反応に寄与せず、抽出可能な成分に対応する配合組成を構成する低分子量成分を比較的高い割合で含むということである。
上記の問題は、ATRPという形態において、制御された重合方法を用いることにより、非常に狭い分子量分布を有するバインダーを提供することが可能となる程度においては、国際特許公開公報第05/047359号において解決されており、フリーラジカル重合による(メタ)アクリレートと比較して高分子量成分は少ない割合しか含まれない。これらの成分は、特にポリマー混合物において粘度の増加を引き起こす。その上、これらのポリマーは、低分子量の抽出可能な成分をかなり少ない割合でしか含まない。そのような成分の割合が少ないほど耐候安定性が増し、生成物の劣化を遅らせ、化学安定性の著しい向上につながる。
しかしながら、従来技術に従って製造された接着剤の欠点は、後の硬化に必要な官能基がバインダーのポリマー鎖にランダムに分布していることである。これは、緊密に絡み合った架橋の原因となり、したがって、接着剤組成物の弾性を低下させることになる。また、基材との結合を劣化させる原因になり得る。テレケリックバインダーを使用する利点、すなわち本発明の利点は、得られる高分子網目構造において、1種の成分が鎖の末端基を介してのみ組み込まれており、この高分子網目構造が例外的な柔軟性を有しているということである。この高い安定性と同時に柔軟性を増加させることは、他の応用分野、例えば密封剤などにおいて、非常に重要である。
本発明の目的は、原子移動ラジカル重合(ATRP)により、反応前に重合活性だった鎖末端の90%以上においてシリル基を有するポリマーを製造することである。
本発明のさらなる目的は、せいぜい痕跡においてしかハロゲン又は擬ハロゲンを含まないポリマーをATRPにより製造することである。したがって、これらのポリマーの熱安定性を、ハロゲン化生成物よりも向上させることも目的である。
特に、本発明の目的は、末端基を除いて、ATRPにより従来技術に従って製造され得る材料と完全に対応するポリマーを提供することである。これには、特に、ポリマーアーキテクチャ、分子量、及び分子量分布が含まれる。
分子量及び分子量分布は、以下において、ゲル透過クロマトグラフィー(略して、GPC又はSEC)によって決定された分子量及び分子量分布の値を意味するものと理解される。
「ポリマーアーキテクチャ」なる用語は、以下において、全てのポリマー構造を含む。例として、ブロックコポリマー、星型ポリマー、テレケリック、グラジエントコポリマー、ランダムコポリマー、くし形コポリマーなどが挙げられる。
特に、本発明の目的は、シリル官能基化及びハロゲンの同時除去を、簡単で、工業規模において経済的に実行可能な工程で実施することにある。とりわけ、実際のATRP工程の後に生成物のさらなる後処理を行わずに、同じ反応容器中で(ワンポット反応)、官能基化を直接実施することが目的である。
本発明の並行する目的は、遷移金属錯体をポリマー溶液から除去するための工業規模で実行可能な方法を、同じ工程段階で、同時に提供することである。新規の方法は、同時に、安価で迅速に実施できなければならない。その上、本発明の目的は、溶液重合に好適な公知のプラントに複雑な変更を加えなくても実施可能な方法を提供することである。濾過段階後でも、遷移金属錯体の低い残留濃度を達成することもさらなる目的であった。
この目的は、重合後又は重合中に、好適なヒドロキシ官能基化硫黄化合物を加えることにより達成される。硫黄化合物を用いたATRPよって合成されたポリマーの末端活性基を置換することにより、特定の鎖末端がシリル官能基化される。同時に、末端ハロゲン原子がポリマーから除去され、触媒として使用される遷移金属配位化合物がクエンチされ、したがって、その金属がほぼ完全に沈殿する。続いて、それらは濾過などの簡単な方法で除去することができる。
詳細には、ATRP工程中又はATRP工程後にハロゲン化末端ポリマーにメルカプタンを添加することにより、ハロゲン化末端ポリマー鎖のハロゲンを置換する。したがって、硫黄ベースの調整剤を用いたフリーラジカル重合において既に公知であるように、ポリマーの鎖末端において、チオエーテル基が形成される。また、除去生成物として、ハロゲン化水素が形成される。
本発明のきわめて特定の態様では、一段階工程における試薬の添加の結果として、同時に末端のハロゲン原子がポリマー鎖から除去され、これに関連して、ポリマー末端がシリル官能基化されて、遷移金属化合物が沈殿により除去され、事前に遷移金属に配位していた配位子から塩が形成され、これによって遷移金属から配位子を容易に除去することが可能になる。
詳細には、上記の硫黄化合物が添加されたときに、おそらく以下のようなことが生じている。使用される開始剤は、一般的に、1つ以上の原子又は原子団Xを有しているATRP化合物であり、このX基は、ATRP工程の重合条件下でフリーラジカル的に移動することができる。ポリマーの特定の鎖末端の活性X基が置換されると、X−Hの形態の酸が放出される。形成されたハロゲン化水素は、有機重合溶液中では加水分解され得ず、したがって、特に著しい反応性を有しており、それが、以下に記載されているような、遷移金属化合物の通常は塩基性である配位子のプロトン化を引き起こす。遷移金属錯体のこのクエンチは、非常に急速に進行し、配位されていない遷移金属化合物が直接沈殿する。
遷移金属は、一般的に、重合の開始時に使用された形態、例えば、銅であれば、CuBr、CuCl、又はCu2Oとして沈殿する。例えば、空気を導入したり又は硫酸を添加したりすることによって遷移金属が同時に酸化されるような条件下では、遷移金属化合物は、さらにより高い酸化状態で沈殿する。本発明では、さらに、前記硫黄化合物の添加によって、この酸化関連沈殿とは異なり、遷移金属は実質的に定量的に沈殿する。例えば、濾過段階後においてさえ、5ppm未満の特に低い遷移金属錯体の残留濃度を実現することが可能である。
これを達成するために、本発明において、前記硫黄化合物の使用は、ポリマーの鎖末端の活性X基に対して過剰な量(例えば、1.1当量)においてのみ実施されなければならない。同じことが配位子Lに対しても適用される。すなわち、遷移金属と配位子が1:1の比率で存在するような錯体の場合、遷移金属錯体を完全にクエンチするために、同様に非常にわずかな過剰量の硫黄化合物が必要である。そのような配位子の例としては、後述するN,N,N’,N’’、N’’−ペンタメチルジエチレン−トリアミン(PMDETA)、及びトリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)が挙げられる。配位子が錯体中において遷移金属の2倍当量で存在する場合、本発明は、その遷移金属が、例えば活性X基に対して1:2など、著しく欠乏して使用される場合のみ適用することができる。そのような配位子の例としては、2,2’−ビピリジンが挙げられる。
本発明のさらなる一部は、使用される硫黄化合物が、ほぼ完全にポリマー鎖に結合し得ること、及び簡単な変更による濾過において残留硫黄分を完全に、そして非常に簡単に除去し得ることである。この方法では、この硫黄化合物に由来する不快な臭気を有さない生成物が得られる。
本発明の優れた利点は、遷移金属錯体を溶液から効率的に除去できることである。本発明による方法を用いることにより、濾過によって遷移金属含有量を、少なくとも80%、好ましくは95%、及び最も好ましくは少なくとも99%減らすことが可能になる。特定の実施形態では、本発明による方法を用いることにより、遷移金属含有量を99.9%以上減らすことさえも可能である。
本発明に従って、重合中又は重合終了後にポリマー溶液に加えられる試薬は、好ましくは、有機結合形態で硫黄を含む化合物である。特に好ましくは、遷移金属イオン又は遷移金属錯体の沈殿に使用されるこれらの硫黄化合物は、SH基を有し、同時にシリル基を有する。非常に特に好ましい有機化合物は、シリル官能基化メルカプタン及び/又は1つ以上のチオール基及び同時にシリル基を有する他の官能基化された、もしくは官能基化されていない化合物である。
本発明のこれらのシリル官能基化メルカプタン、又は略してメルカプトシランは、一般的に、
HS−R1−((SiR2 o(OR3py(SiR2 n(OR3mzx
[式中、R1は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であって、直鎖状、環状、又は分岐鎖状であってもよい]
の形態の化合物である。
好ましくは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基R1である。
特に好ましい化合物は、R1が二価の−CH2−基、−CH2CH2−基、又は−(CH23−基のものである。
xは1〜10であり、したがってアルキル基R1に結合しているシリル基の数である。好ましくは、x≦3、すなわち最高3つまでのシリル基を有するアルキル基である。特に好ましいのは、x=1の単官能性アルキル基である。
2及びR3は、それぞれ、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり、このアルキル基は直鎖状、環状、又は分岐鎖状であってもよい。R2及びR3は、好ましくは、それぞれ1〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
2及びR3は、お互いに同一又は異なっていてもよい。また、R2とR3の両方は、メルカプトシランの同じ基であってもよいし、又は各場合において異なる基であってもよい。特に、R2及びR3は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、エチルヘキシル、ノニル、デシル、イコシル、イソボルニル、ラウリル、又はステアリル、並びに、1つ以上のアルキル基で置換されたシクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロアルカン(例えば、メチルシクロヘキシル又はエチルシクロヘキシル)、と定義してもよい。
別の実施形態において、R2及び/又はR3は、エーテル酸素を有する炭化水素基又は短いポリエーテル配列であってもよい。そのような化合物は、例えば、独国特許第102005057801号に記載されている。
好ましい実施形態において、R3は直鎖アルキル基である。特に好ましい実施形態において、R3は、メチル基又はエチル基である。
o及びpは、それぞれ、0〜2の数を意味し、二価のシリル基の場合は加えて2までであり、三価のシリル基の場合は加えて1までであり、四価のシリル基の場合は加えて0までである。yは0〜20の任意の数である。好ましいのは、yが1〜3の任意の数、より好ましくは、y=0の場合の実施形態である。zは、R1と末端基の間の三価又は四価(すなわち、分岐している)のシリル基の数に依存しており、そして少なくとも1である。好ましいのは、z=1の場合の実施形態である。
m及びnは、それぞれ、0〜3までの数を意味し、加えて3までである。好ましいのは、特に、m≧2の化合物である。
特に好ましい化合物は、容易に入手可能な市販の化合物であり、このことは、例えば、接着促進剤として、産業上重要な意味がある。これらの化合物の利点は、簡単に入手でき、低コストであるという点である。そのような化合物の1つの例は、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランであり、これは、DYNALYSAN(登録商標)−MTMOの名称でDegussa AGによって販売されている。さらに利用可能なシランは、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン又は3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(ABCR)である。特に反応性であるシランは、いわゆるα−シランである。これらの化合物の場合、メルカプト基及びシラン基は、同じ炭素原子に結合している(したがって、R1は一般的に−CH2−である)。そのようなタイプの対応するシラン基は、特に反応性であり、したがって、後述の配合組成において、幅広い用途に用いられ得る。そのような化合物の一例は、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン(ABCR)であろう。
しかしながら、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。代わりに、重要なことは、第一に、使用される沈殿剤が−SH−を有しているか、又はポリマー溶液の本条件下においてin situでSH−基を形成することである。第二に、前記化合物がシリル基を有していなければならないということである。
フリーラジカル重合において、調整剤の量は、重合されるポリマーに基づいて、通常は、0.05質量%〜5質量%である。本発明において、使用される硫黄化合物の量は、モノマーに基づいてはおらず、ポリマー溶液中の重合活性鎖末端の濃度に基づいている。重合活性鎖末端は、ドーマント鎖末端と活性鎖末端の合計を意味する。本発明の硫黄含有沈殿剤は、この目的のために、1.5モル当量、好ましくは1.2モル当量、より好ましくは1.1モル当量未満、最も好ましくは1.05モル当量未満で用いられる。硫黄の残留量は、続く濾過段階を変更することで容易に除去できる。
上記メルカプタンが、重合中又は重合終了後にポリマー溶液に加えられた場合、上記置換反応を除いて、そのポリマーにそれ以上影響を及ぼすことができないということは、当業者にとって容易に明らかである。これは、半結晶性ポリマー及びポリマーアーキテクチャの場合において、分子量分布範囲、分子量、さらなる官能基、ガラス遷移温度、及び融点について特にあてはまる。
その上、対応する方法(装置については、排他的にポリマー溶液の濾過に基づいている)は、工業的規模の工程において、既存の溶液重合用プラントに大きな変更を加えることなく容易に実施することができるということは、当業者にとって容易に明らかである。
本発明のさらなる利点は、1つ又は最大2つの濾過段階を省くことができ、多くの従来の系に比べ、ポリマー溶液を非常に迅速に後処理することが可能となることである。
さらに、置換、沈殿、及びそれに続く濾過は、0℃〜120℃の温度範囲で、一般的な範囲の工程パラメーターにおいて実施される。
硫黄化合物の最終的な残量を減少させるために、吸着剤又は吸着剤混合物を使用できる。これは、同時に、又は続く後処理段階において行うことができる。吸着剤は、従来技術により公知であり、好ましくは、酸化ケイ素及び/又は酸化アルミニウム、有機ポリ酸、及び活性炭(例えば、NoritのNorit SX plus)から成る群から選択される。
また、活性炭の除去は、別個の濾過段階か、又は遷移金属の除去と同時の濾過段階において行うこともできる。特に効率的な変法では、活性炭を固体としてポリマー溶液に加えず、市販されている活性炭を充填したフィルター(例えば、Pall Seitz SchenkのAKS 5など)によって濾過を行う。また、上記酸性の補助剤と活性炭の添加を組み合わせて使用することも可能であり、上記補助剤と活性炭の添加を充填したフィルターによる濾過とを組み合わせて用いることも可能である。
本発明は、シリル基によるポリマー末端基の官能基化、末端ハロゲン原子の除去、及びATRP法により製造された全てのポリマー溶液からの遷移金属錯体の除去に関する。ATRPから生じる可能性については、以下において簡単に概説する。しかしながら、これらの列挙は、ATRPを説明できず、引いては本発明を制限するものではない。代わりに、ATRPを用いること、引いては、対応するATRP生成物の後処理に対する本発明の使用の重要性と様々な可能性について示す役割を果たす。
ATRPによって重合可能なモノマーは、周知である。本発明をなんら制限することのない例を以下に挙げる。「(メタ)アクリレート」という表記は、(メタ)アクリル酸のエステルを意味するものであり、本明細書において、メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなど)、及びアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレートなど)、並びにその2つの混合物を意味する。
重合に用いられるモノマーは、(メタ)アクリレート、例えば、1〜40個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状、又は脂環式アルコールのアルキル(メタ)アクリレート、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなど;アリール(メタ)アクリレート、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート又はフェニル(メタ)アクリレートなど(なお、それぞれは、非置換であっても、又は一置換〜四置換アリール基を有していてもよい);他の芳香族置換(メタ)アクリレート、例えば、ナフチル(メタ)アクリレートなど;エーテルのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又は5〜80個の炭素原子を有するそれらの混合物、例えば、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシメトキシエチルメタクリレート、1−ブトキシドプロピルメタクリレート、シクロヘキシルオキシメチルメタクリレート、ベンジルオキシメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、1−エトキシブチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、及びポリ(プロピレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレートなど、から成る群から選択される。また、モノマーの選択には、特定のヒドロキシ官能基化及び/又はアミノ官能基化及び/又はメルカプト官能基化及び/又はオレフィン官能基化アクリレート又はメタクリレート、例えば、アリルメタクリレート又はヒドロキシメチルメタクリレートが含まれ得る。
重合用の組成物は、上記に挙げられた(メタ)アクリレートに加えて、他の不飽和モノマーから構成されているか、又はそれらを含み得る。そのようなものとしては、1−アルケン、例えば、1−ヘキセン、1−ヘプテンなど、分枝アルケン、例えば、ビニルシクロヘキセン、3,3−ジメチル−1−プロペン、3−メチル−1−ジイソブチレン、4−メチル−1−ペンテンなど、アクリロニトリル、ビニルエステル、例えば、酢酸ビニルなど、特に、スチレン、ビニル基上にアルキル置換基を有する置換スチレン、例えば、α−メチルスチレン及びα−エチルスチレンなど、環上に1つ以上のアルキル置換基を有する置換スチレン、例えば、ビニルトルエン及びp−メチルスチレンなど、ハロゲン化スチレン、例えば、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレン、及びテトラブロモスチレンなど;複素環式化合物、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾール、ビニルオキサゾール、及びイソプレニルエーテル;マレイン酸誘導体、例えば、マレイン酸無水物、マレイミド、メチルマレイミドなど、並びにジエン、例えば、ジビニルベンゼンなど、加えて特定のヒドロキシ官能基化及び/又はアミノ官能基化及び/又はメルカプト官能基化及び/又はオレフィン官能基化化合物が挙げられる。さらに、これらのコポリマーは、その置換基にヒドロキシ及び/又はアミノ及び/又はメルカプト官能基並びに/あるいはオレフィン性官能基を有するような方法で製造することもできる。そのようなモノマーとしては、例えば、ビニルピペリジン、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、水素化ビニルチアゾール、及び水素化ビニルオキサゾールが挙げられる。
この方法は、ハロゲンを含まない任意の溶媒中で実施することができる。好ましくは、トルエン、キシレン、酢酸(好ましくは、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル)、ケトン(好ましくは、エチルメチルケトン、アセトン)、エーテル、脂肪族化合物(好ましくは、ペンタン、ヘキサン)、アルコール(好ましくは、シクロヘキサノール、ブタノール、ヘキサノール)、並びにバイオディーゼルである。
AB組成のブロックコポリマーは、逐次重合により製造してもよい。ABA組成又はABCBA組成のブロックコポリマーは、逐次重合により二官能性開始剤を用いて重合を開始することによって製造される。
重合は、標準気圧、減圧、又は高圧下で実施することができる。重合温度も厳密ではない。しかしながら、一般的に、−20℃〜200℃の範囲、好ましくは0℃〜130℃の範囲、より好ましくは50℃〜120℃の範囲である。
本発明において得られるポリマーは、好ましくは、5,000g/mol〜120,000g/mol、より好ましくは、7,500g/mol〜50,000g/molの数平均分子量を有する。
分子量分布は、1.8未満、好ましくは1.6未満、より好ましくは1.4未満、理想的には1.2未満であることが分かっている。
分子量分布は、ゲル透過クロマトグラフィー(略してGPC)によって決定する。
使用される開始剤は、ATRP法の重合条件下においてフリーラジカルに移動可能な1つ以上の原子又は原子団Xを有する任意の化合物であってもよい。活性X基は、一般的に、Cl、Br、I、SCN、及び/又はN3である。
一般的に、好適な開始剤としては、以下の式:
123C−X
1C(=O)−X
123Si−X
1NX2
12N−X、(R1nP(O)m−X3-n
(R1O)nP(O)m−X3-n並びに
(R1)(R2O)P(O)m−X
[式中、Xは、Cl、Br、I、OR4、SR4、SeR4、OC(=0)R4、OP(=O)R4、OP(=0)(OR42、OP(=O)OR4、O−N(R42、CN、NC、SCN、NCS、OCN、CNO、及びN3から成る群から選択され(ここで、R4は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基(それぞれの水素原子は、独立して、ハロゲン原子、好ましくはフッ素又は塩素で置換されていてもよい)、あるいは2〜20個の炭素原子を有するアルケニル(好ましくは、ビニル)、2〜10個の炭素原子を有するアルケニル、好ましくはアセチレニル、フェニル(1〜5個のハロゲン原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい)、又はアラルキルである)、並びに、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、シリル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、アミン基、アミド基、COCl、OH、CN、2〜20個、好ましくは2〜6個の炭素原子、より好ましくは、アリル又はビニルを有するアルケニル又はアルキニル、オキシラニル、グリシジル、2〜6個の炭素原子を有し、オキサニル又はグリシジルで置換されているアルケニル基及びアルキニル基、アリール、ヘテロシクリル、アラルキル、アラルケニル(アリール置換アルケニルであり、アリールは上記において定義された通りであり、アルケニルは、1つ又は2つのC1〜C6アルキル基(1個から全部までの水素原子、好ましくは1個の水素原子が、ハロゲン(1個以上の水素原子が置換されている場合は、好ましくは、フッ素又は塩素、1個の水素原子が置換されている場合はフッ素、塩素、又は臭素)で置換されている)で置換されたビニルである)、1〜6個の炭素原子を有し、C1〜C4−アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル、ケチル、アセチル、アミン、アミド、オキシラニル、及びグリシジルから成る群から選択される1〜3つの置換基(好ましくは、1つの置換基)で置換されているアルケニル基から成る群から選択され、m=0又は1であり、m=0、1、又は2である。好ましくは、R1基、R2基、及びR3基の最高2つまでが水素であり、より好ましくは、R1基、R2基、及びR3基の最高1つまでが水素である]を含む。
特に開始剤としては、ベンジルハロゲン化物、例えば、p−クロロメチルスチレン、ヘキサキス(α−ブロモメチル)ベンゼン、ベンジルクロリド、臭化ベンジル、1−ブロモ−i−フェニルエタン及び1−クロロ−i−フェニルエタンなどが挙げられる。さらに、特に好ましいのは、α位でハロゲン化されたカルボン酸誘導体、例えば、2−ブロモプロピオン酸プロピル、2−クロロプロピオン酸メチル、2−クロロプロピオン酸エチル、2−ブロモプロピオン酸メチル、又は2−ブロモイソ酪酸エチルである。また、ハロゲン化トシル(例えば、p−トルエンスルホニルクロリドなど)、ハロゲン化アルキル(例えば、テトラクロロメタン、トリブロモエタン、1−ビニルエチルクロリド、又は1−ビニルエチルブロミドなど)、及びリン酸エステルのハロゲン誘導体(例えば、ジメチルホスホニルクロリド)も好ましい。
ブロックコポリマーの合成に好適な開始剤としての特定の群は、高分子開始剤の群である。これらは、R1、R2、及びR3の群からの1〜3つの基、好ましくは1〜2つの基、より好ましくは1つの基における巨大分子基を特徴とする。これらのマクロラジカルは、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなど)、ポリシロキサン、ポリエーテル(例えば、ポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドなど)、ポリエステル(例えば、ポリ乳酸など)、又は他の公知の末端基が官能基化可能な巨大分子から成る群から選択され得る。この巨大分子基は、それぞれ、500から100,000、好ましくは1,000から50,000、より好ましくは1,500から20,000の分子量を有する。ATRPを開始するために、両端に開始剤として好適な基を有する、例えば、ブロモテレケリック形態の上記の巨大分子を用いることも可能である。このタイプの高分子開始剤では、特に、ABAトリブロックコポリマーを形成することが可能である。
開始剤のさらに重要な群は、二官能性又は多官能性開始剤の群である。多官能性開始剤分子によって、例えば、星型ポリマーの合成が可能である。二官能性開始剤分子では、トリブロックコポリマー及びペンタブロックコポリマー並びにテレケリックなポリマーの製造が可能である。用いられる二官能性開始剤は、RO2C−CHX−(CH2n−CHX−CO2R、RO2C−C(CH3)X−(CH2n−C(CH3)X−CO2R、RO2C−CX2−(CH2n−CX2−CO2R、RC(O)−CHX−(CH2n−CHX−C(O)R、RC(O)−C(CH3)X−(CH2n−C(CH)3X−C(O)R、RC(O)−CX2−(CH2n−CX2−C(O)R、XCH2−CO2−(CH2n−OC(O)CH2X、CH3CHX−CO2−(CH2−OC(O)CHXCH3、(CH32CX−CO2−(CH2−OC(O)CX(CH32、X2CH−CO2−(CH2n−OC(O)CHX2、CH3CX2−CO2−(CH2n−OC(O)CX2CH3、XCH2C(O)C(O)CH2X、CH3CHXC(O)C(O)CHXCH3、XC(CH32C(O)C(O)CX(CH32、X2CHC(O)C(O)CHX2、CH3CX2C(O)C(O)CX2CH3、XCH2−C(O)−CH2X、CH3−CHX−C(O)−CHX−CH3、CX(CH32−C(O)−CX(CH32、X2CH−C(O)−CHX2、C65−CHX−(CH2n−CHX−C65、C65−CX2−(CH2n−CX2−C65、C65−CX2(CH2n−CX2−C65、o−、m−、又はp−XCH2−Ph−CH2X、o−、m−、又はp−CH3CHX−Ph−CHXCH3、o−,m−、又はp−(CH32CX−Ph−CX(CH32、o−、m−、又はp−CH3CX2−Ph−CX2CH3、o−、m−、又はp−X2CH−Ph−CHX2、o−、m−、又はp−XCH2−CO2−Ph−OC(O)CH2X、o−、m−、又はp−CH3CHX−CO2−Ph−OC(O)CHXCH3、o−、m−、又はp−(CH32CX−CO2−Ph−OC(O)CX(CH32、CH3CX2−CO2−Ph−OC(O)CX2CH3、o−、m−、又はp−X2CH−CO2−Ph−OC(O)CHX2、又はo−、m−、又はp−XSO2−Ph−SO2X(Xは、塩素、臭素又はヨウ素であり、Phは、フェニレン(C64)であり、Rは、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族基であり、この脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状構造であってもよく、飽和あるいはモノ不飽和又はポリ不飽和であってもよく、かつ1つ以上の芳香族を有していてもよいし、又は芳香族を有していなくてもよく、並びにnは0〜20である)。好ましいのは、1,4−ブタンジオール−ジ(2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸)、1,2−エチレングリコール−ジ(2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸)、ジエチル−2,5−ジブロモアジピン酸、又はジエチル−2,3−ジブロモマレイン酸を用いることである。使用したモノマーの全てが変換される場合、後の分子量は、開始剤のモノマーに対する比率によって決まる。
ATRPの触媒については、Chem.Rev.2001,101,2921に詳細に記載されている。大部分が銅錯体について記載しており、また、用いられる他の化合物として、鉄、コバルト、クロム、マンガン、モリブデン、銀、亜鉛、パラジウム、ロジウム、プラチナ、ルテニウム、イリジウム、イッテルビウム、サマリウム、レニウム、及び/又はニッケルの化合物が挙げられている。一般的に、開始剤又は移動可能な原子団を有するポリマー鎖と、還元サイクルを形成することのできる全ての遷移金属化合物が使用可能である。この目的のために、銅を、例えば、Cu2O、CuBr、CuCl、CuI、CuN3,CuSCN、CuCN、CuNO2,CuNO3,CuBF4、Cu(CH3COO)、又はCu(CF3COO)から出発して系に供給することができる。
説明されたATRPの別法の1つは、その変法であり、すなわち、いわゆる逆ATRPにおいて、より高い酸化状態で化合物を使用することが可能である(例えば、CuBr2、CUCl2、CuO、CrCl3、Fe23、又はFeBr3)。この場合、重合反応は、従来のフリーラジカル発生剤、例えばAIBNなどにより、開始することができる。この場合、最初のうちは、遷移金属化合物が減少するが、これは、従来のフリーラジカル発生剤によって得られるフリーラジカルと反応するためである。また、逆ATRPについても、特に、Wang及びMatyjaszewskiによって、Macromolecules(1995),Vol.28,p.7572ffに記載されている。
さらに、逆ATRPの変法は、ゼロ酸化状態で金属をさらに使用する方法である。より高い酸化状態の遷移金属化合物の酸化状態が釣り合わされると想定され、それによって反応速度が促進される。この方法は、国際特許公開公報第98/40415号に詳細に記載されている。
遷移金属と単官能性開始剤とのモル比は、一般的に、0.01:1〜10:1の範囲内、好ましくは1:1〜3:1の範囲内、より好ましくは0.5:1〜2:1の範囲内であるが、ただし、これに限定されると意図するものではない。
遷移金属と二官能性開始剤とのモル比は、一般的に、0.02:1〜20:1の範囲内、好ましくは0.2:1〜6:1の範囲内、より好ましくは1.1:1〜4:1の範囲内であるが、ただし、これに限定されると意図するものではない。
有機溶剤中の金属の溶解性を増加させ、同時に、安定であるために重合不活性オルガノ金属化合物の形成を回避するため、系に配位子を添加する。さらに、この配位子は、遷移金属化合物による移動可能な原子団の引き抜きを容易にする。公知の配位子は、例えば、国際特許公開公報第97/18247号、同第97/47661号、又は同第98/40415号に挙げられている。配位成分として、配位子として使用される化合物は、通常、1個以上の窒素原子、酸素原子、リン原子、及び/又は硫黄原子を有する。これに関して、特に好ましくは、窒素化合物である。非常に特に好ましいのは、窒素含有キレート配位子である。例としては、2,2’−ビピリジン、N、N、N’、N’’、N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、又は1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンが挙げられる。個々の成分の選択と組み合わせについての有益な情報は、当業者においては、国際特許公開公報第98/40415号に見出し得る。
これらの配位子は、in situで金属化合物と配位化合物を形成することもできる、又は最初に配位化合物として製造され、反応混合物中に添加することもできる。
配位子(L)と遷移金属との比は、配位子の配座数、及び遷移金属(M)の配位数に応じて変わる。一般的に、このモル比は、100:1〜0.1:1の範囲、好ましくは6:1〜0.1:1の範囲、より好ましくは3:1〜1:1であるが、ただし、これに限定されると意図するものではない。
本発明において重要なことは、この配位子がプロトン付加可能であるということである。
好ましいのは、遷移金属に対して1:1の比率で配位化合物中に存在する配位子である。2,2’−ビピリジンのような錯体中において遷移金属に対して2:1の比で結合している配位子を使用する場合、遷移金属が著しく欠乏している状態で使用される場合のみ(例えば、遷移金属の活性鎖末端Xに対する比が1:2など)、プロトン付加を完全に行うことができる。しかしながら、そのような重合は、錯体−Xが当量比の場合に比べて、反応の進行が非常に遅い。
本発明のシリル官能基化生成物は、幅広い分野での応用が可能である。使用についての実施例の選択は、本発明のポリマーの使用を何ら制限するものではない。実施例は、単に、ランダムな例によって、このポリマーの幅広い応用範囲を示すためだけのものである。例えば、ATRPによって合成されたポリマーは、ホットメルト、接着剤、弾性接着剤、密封剤、ヒートシール性材料、硬性発泡材もしくは軟性発泡材、塗料もしくはワニス、成形材料、注形材料、床材、又は梱包材などの配合組成において、バインダーとして使用される。また、分散剤、ポリマー添加剤、あるいはポリマー類似反応又はブロックコポリマーの形成のためのプレポリマーとしても使用できる。好ましくは、この新規のバインダーによって接着剤及び密封剤を製造することが可能である。
これらの新規のバインダーは、一成分及び二成分の配合組成の両方において使用することができる。二成分系では、例えば、シリル化ポリウレタンとの同時配合組成などが考えられる。
そのような配合組成の別の通例の成分は、バインダーと同様に、溶媒、充填剤、顔料、可塑剤、安定化剤、水捕捉剤、接着促進剤、チキソトロープ剤、架橋触媒、粘着付与剤、及び当業者に周知のさらなる成分である。
以下に示す実施例は、本発明の良い例証を目的として示すものであって、本明細書で開示した特徴に対して本発明を制限するものではない。
実施例
本実施例は、ATRP法に基づいている。重合パラメーターは、特に高い銅濃度:低分子量、50%溶液、及び二官能性開始剤で行うことを必要とするように選択した。
実施例1
最初に、撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、及び滴加漏斗を備えたジャケット付容器に、N2雰囲気下で、メチルメタクリレート10g、酢酸ブチル15.8g、酸化銅(I)0.2g、及びPMADETA0.5gを入れた。この溶液を、60℃で15分間攪拌する。続いて、同じ温度で、1,4−ブタンジオールジ(2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸)0.47gを加える。この混合物を、4時間の重合時間中70℃で攪拌する。反応を終了させるために大気酸素を約5分間導入した後、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.25gを加える。最初は緑色がかっている溶液が自然に赤色に変わり、赤色固体が沈殿する。これを加圧濾過する。続いて、GPC測定により平均分子量及び分子量分布を決定する。続いて、濾液の乾燥試料の銅含有量をAASによって決定する。
残った溶液を、8gのTonsil Optimum 210FF(Suedchemie)と混合して、30分間攪拌し、続いて活性炭フィルター(Pall Seitz SchenkのAKS 5)を通して加圧下で濾過する。最初、無色の沈殿物の生成を観察することができた。さらなる分析のために、この固体の試料を単離する。また、第二の濾液の乾燥試料の銅含有量をAASによって決定し、そしてGPC測定を行う。
実施例2
最初に、撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、及び滴加漏斗を備えたジャケット付容器に、N2雰囲気下で、メチルメタクリレート7.5g、酢酸ブチル15.8g、酸化銅(I)0.2g、及びPMADETA0.5gを入れた。この溶液を、60℃で15分間攪拌する。続いて、同じ温度で、1,4−ブタンジオールジ(2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸)0.47gを加える。この混合物を2.5時間の重合時間中70℃で攪拌し、次いで、GPC測定用に試料を採取する。その後、n−ブチルアクリレート2.5gを加え、その混合物を70℃でさらに90分間攪拌する。反応を終了させるために大気酸素を約5分間導入した後、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.25gを加える。最初は緑色がかっている溶液が自然に赤色に変わり、赤色固体が沈殿する。これを加圧濾過する。続いて、GPC測定により平均分子量及び分子量分布を決定する。続いて、濾液の乾燥試料の銅含有量をAASによって決定する。
残った溶液を、8gのTonsil Optimum 210FF(Suedchemie)と混合して、30分間攪拌し、続いて活性炭フィルター(Pall Seitz SchenkのAKS 5)を通して加圧下で濾過する。最初、無色の沈殿物の生成を観察することができた。さらなる分析のために、この固体の試料を単離する。また、第二の濾液の乾燥試料の銅含有量をAASによって決定し、そしてGPC測定を行う。
比較例1
最初に、撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、及び滴加漏斗を備えたジャケット付容器に、N2雰囲気下で、メチルメタクリレート10g、酢酸ブチル15.8g、酸化銅(I)0.2g、及びPMADETA0.5gを入れた。この溶液を、60℃で15分間攪拌する。続いて、同じ温度で、1,4−ブタンジオールジ(2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸)0.47gを加える。この混合物を、4時間の重合時間中70℃で攪拌する。反応を終了させるために大気酸素を約5分間導入した後、8gのTonsil Optimum 210 FF(Suedchemie)及び4質量%の水をこの溶液に加えて、60分間攪拌する。活性炭フィルター(Pall Seitz SchenkのAKS 5)を通して加圧濾過により、濾過を行う。続いて、GPC測定により平均分子量及び分子量分布を決定する。続いて、濾液の乾燥試料の銅含有量をAASによって決定する。
表1
Figure 2010506017
MMA=メチルメタクリレート;Alox=酸化アルミニウム
吸着剤を用いてポリマー溶液から遷移金属(この場合は銅錯体)を除去する方法では既に良い結果が得られているが、硫黄化合物で予め沈殿させる方法により明確に改良できることが実施例から明らかである。
末端基の置換は、後処理後のポリマー溶液の様々な成分を評価することにより、いくつかの方法おいて示される。
1.)銅の沈殿物:硫黄試薬の添加により形成される赤色の沈殿物は、<10ppmと非常に低い硫黄含有量であり、したがって、硫化物としての金属の沈殿は除外できる。
2.)ポリマー:ポリマー溶液の元素分析は、第二の除去(無色の沈殿物)の後でさえ、非常に高い硫黄含有量を示す。系に加えた硫黄のほとんどが、この溶液中又は乾燥生成物中に再び確認できる。これは、使用された硫黄含有量の65%、又は、事前の停止反応を完全に避けることができた場合の理論上完全な末端基置換反応において予想される硫黄含有量の90%に相当する。
3.)第二の無色の沈殿物:1H NMR分析とIR分析の両方が、この沈殿物がモノプロトン化されたトリアミンPMDETAのアンモニウム塩であることを示している。元素分析は、この沈殿物が硫黄を含有していないことを示している。イオンクロマトグラフィーにより、サンプルから32質量%〜37質量%の間の臭化物含有量を検出できた。この値は、純粋なPMDETA臭化アンモニウムにおける含有量に相当している。
4.)NMR解析において、元のチオール基のα位に存在するメチレンプロトンのシフトが検出可能であった。これは、チオエーテル基が生成されていることを明確に示している。
実施例1の結果から、対応する硫黄化合物は、遷移金属化合物に対して非常にわずかの過剰量で使用されても、非常に効率良く沈殿を生じさせ、高い割合で官能基化を引き起こすことが明確である。また、実施例から、吸収剤を用いた既に最適化された後処理によって可能な除去より、チオ官能基化試薬によって溶液から遷移金属化合物をより効率的に除去することが可能であるということが明らかである。
後処理の前後での分子量と分子量分布の比較から、末端基の置換を除いて、用いられた方法が重合体特性に全く影響を及ぼさないことは明白である。実施例2では、GPC測定によって、さらなる高分子量の信号が検出できた。これは、Si−O−Si結合を形成する鎖の二量化によるものであり、首尾よく置換反応が起こっていることをさらに示すものである。乾燥状態での保存では、そのような二量化は回避可能である。

Claims (35)

  1. 適切なシリル官能基化硫黄化合物を添加することにより、ポリマー鎖末端のハロゲン原子を置換することを特徴とする、シリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  2. 硫黄化合物を添加することにより、遷移金属化合物を沈殿させ、それを濾過によって除去することによって、該遷移金属化合物をポリマー溶液から除去することを特徴とする、請求項1に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  3. 前記硫黄化合物を添加することにより、ハロゲン原子を90%を超える程度にまで置換することによって該ハロゲン原子をポリマーから同時に除去することを特徴とする、請求項1に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  4. 前記硫黄化合物を添加することにより、ハロゲン原子を95%を超える程度にまで置換することによって該ハロゲン原子をポリマーから同時に除去することを特徴とする、請求項3に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  5. 請求項1から3までのいずれか1項の前記硫黄化合物が同じ硫黄化合物であり、3つ全ての工程段階が同時に進行することを特徴とする、シリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  6. 前記硫黄化合物が、メルカプタン又はチオール基を有する他の有機化合物であることを特徴とする、請求項5に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  7. 前記硫黄化合物がさらなる官能基を有することを特徴とする、請求項6に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  8. 前記さらなる官能基がシリル末端基であることを特徴とする、請求項7に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  9. 前記硫黄化合物が、式:
    HS−R1−((SiR2 o(OR3py(SiR2 n(OR3mzx
    [式中、
    1は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり、
    xは1〜10であり、
    2及びR3は、それぞれ、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり、
    o及びpは、それぞれ、0〜2の数を意味し、二価のシリル基の場合は加えて2までであり、三価のシリル基の場合は加えて1までであり、四価のシリル基の場合は加えて0までであり、
    yは0〜20の任意の数であり、
    zは、R1と末端基の間の三価又は四価の(すなわち、分岐している)シリル基の数に依存しており、少なくとも1であって、その場合、m及びnは、それぞれ、0〜3までの数であり、加えて3までである]で表されるシリル官能基化メルカプタンであることを特徴とする、請求項8に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  10. 前記硫黄化合物が、式:
    HS−R1−((SiR2 o(OR3py(SiR2 n(OR3m))x
    [式中、
    1は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、
    xは1〜3であり、
    2及びR3は、それぞれ、1〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、
    o及びpは、それぞれ、0〜2の数を意味し、二価のシリル基の場合は加えて2までであり、三価のシリル基の場合は加えて1までであり、四価のシリル基の場合は加えて0までであり、
    yは0〜3であり、m及びnは、それぞれ、0〜3までの数であり、mは2又は3である]で表されるシリル官能基化メルカプタンであることを特徴とする、請求項8に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  11. 前記硫黄化合物が、式:
    HS−R1−(SiR2 n(OR3m
    [式中、
    1は、−CH2−、−CH2CH2−、又は−(CH23−であり、
    Xは1であり、
    2及びR3は、それぞれ、メチル基及び/又はエチル基であり、
    m及びnは、それぞれ、0〜3までの数を意味し、mは2又は3である]で表されるシリル官能基化メルカプタンであることを特徴とする、請求項8に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  12. 前記硫黄化合物が、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、又は3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランであることを特徴とする、請求項11に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  13. 前記硫黄化合物が、重合の終了後又は重合中に添加されることを特徴とする、請求項1に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  14. 前記重合が、ATRP工程によってなされることを特徴とする、請求項1に記載のシリル末端基を有するポリマーの製造方法。
  15. 前記重合において、触媒として使用される前記遷移金属化合物が、銅、鉄、コバルト、クロム、マンガン、モリブデン、銀、亜鉛、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、イッテルビウム、サマリウム、レニウム、及び/又はニッケルの化合物であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記重合において、触媒として使用される前記遷移金属元素が、銅化合物であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 前記銅化合物(Cu2O、CuBr、CuCl、CuI、CuN3,CuSCN、CuCN、CuNO2、CuNO3、CuBF4、Cu(CH3COO)、及び/又はCu(CF3COOなど)が、前記重合の開始前に系に加えられていることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 活性基Xを有する開始剤が、前記事前の重合において使用されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  19. 前記活性X基が、Cl、Br、I、SCN、及び/又はN3であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 前記開始剤が、活性基に関して単官能性、二官能性、又は多官能性であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ポリマーの前記鎖末端の活性X基が、請求項1から13までのいずれか1項に記載の硫黄化合物によって置換され、X−H形態の酸を放出してチオエーテルが得られることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  22. 前記触媒が、前記重合の前に、遷移金属元素との1つ以上の配位結合に組み入れられて金属−配位子錯体を形成し得る窒素、酸素、硫黄、又はリンの化合物と組み合わされていることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  23. 使用される前記配位子が、N原子含有キレート配位子であることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
  24. 前記配位子が、酸性X−Hによってプロトン化されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
  25. 前記配位子が、プロトン化されることによって前記配位した遷移金属から除去されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  26. 前記遷移金属が、前記配位子の除去によって沈殿することを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 前記ポリマー溶液中の前記金属含有量が、前記沈殿と続く前記濾過とによって少なくとも80%減少することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
  28. 前記ポリマー溶液中の前記金属含有量が、前記沈殿と続く前記濾過とによって少なくとも95%減少することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
  29. 前記ポリマーが、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、フマレート、マレエート、イタコネート、アクリロニトリル、及び/又はATRPによって重合可能な他のモノマー、並びに/あるいはアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルエステル、ビニルエーテル、フマレート、マレエート、イタコネート、スチレン、アクリロニトリル、及び/又はATRPによって重合可能な他のモノマーの混合物の重合によって得られることを特徴とする、請求項1から28までのいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記ポリマーが、スチレン、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタクリレート、並びに/あるいは、主にスチレン、アルキルアクリレート、及び/又はアルキルメタクリレートから成る混合物の重合によって得られることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
  31. ATRPによって製造され、1.5未満の分子量分布を有し、0.1質量%未満のハロゲン含有量を有し、鎖末端の1つに少なくとも1つのシリル基を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法によって製造することができるポリマー。
  32. 二官能性開始剤によって製造され、0.1質量%未満のハロゲン含有量を有し、両方の鎖末端にシリル基を有することを特徴とする、請求項31に記載の直鎖ポリマー。
  33. 二官能性開始剤によって製造され、0.01質量%未満のハロゲン含有量を有し、両方の鎖末端にシリル基を有することを特徴とする、請求項32に記載の直鎖ポリマー。
  34. 二官能性開始剤によって製造され、0.01質量%未満のハロゲン含有量を有し、ABAトリブロック構造を有し、両方の鎖末端にシリル基を有することを特徴とする、請求項33に記載の直鎖ポリマー。
  35. ホットメルト、接着剤、密封剤、ヒートシール性材料、硬性又は軟性発泡材、ポリマー類似反応用、化粧品用途、塗料又はワニス、成形材料、注型材料、床材、分散剤、ポリマー添加剤、あるいは梱包材における、請求項1から34までのいずれか1項に従って後処理されたシリルテレケリックポリマーの使用。
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