JP2010505653A - 改良型プラスチック・プリフォーム - Google Patents

Abstract

ブロー成形プロセスによって中空体を製造するためのプラスチック材料のプリフォーム（１）であって、開放端（２）、及び閉鎖端（４）を有する実質的に円筒形の中心体（３）を含むプリフォーム（１）。前記閉鎖端（４）の中心領域に相当する箇所に、前記プリフォーム（１）から外側へ突出する中空の突起（５）であって、前記プリフォーム（１）の引き伸ばし棒の先端を内部に収容可能な中空の突起（５）を備える。前記中空の突起（５）と、前記プリフォームの閉鎖端（４）の残りの側部は、球形、円錐形、楕円形、又は放物線形であってよい。
【選択図】図１

Description

本発明は、中空体を製造するための改良型プリフォームに関し、特に、ブロー成形プロセスによって任意のタイプ、及びサイズのボトルを製造するための改良型プリフォームに関する。

当業者には周知のように、プラスチック材料のボトルや広口瓶の製造は現在、専ら、厳密にはプリフォーム、又はパリゾンと呼ばれるほぼ円筒形の中空の半製品の製造、及び使用からなる２ステッププロセスで実施されている。従って、こうしたプロセスの第１のステップにおいて、中空プリフォームの製造は、非常に中央集中的な形で実施され、すなわち、少数の特別な製造業者によって実施され、前記プリフォームは、完成品のボトルに比べて約１：２から１：４の比率を成す非常に大きな厚み、長さ、横方向サイズを有する。一方、プロセスの第２のステップ（このステップは一般に、液体をボトルに封入する工場と同じ工場で実施される）では、中空体プリフォームをモールドに注入し、中空体プリフォームを必要に応じて軟化させるために十分な温度まで加熱し、中空体プリフォームに差し込まれた引き伸ばし棒を使用して、中空体プリフォームをボトルの最終的な長さにまで引き伸ばし、その後、加熱し、引き伸ばされた中空体プリフォームに１以上の圧縮空気のフローを流し込むことによって、中空体プリフォームをブロー成形する。

この製造システムによれば、製造チェーン全体において種々の非常に大きな利点が得られるが、そうした利点は、当業者にとって周知であるため、ここで思い起こす必要はない。先に述べたように、そうした利点から、この製造システムは、任意のタイプ、形、及びサイズの中空体、特に、ボトルを実現するために、全世界規模でほぼ一般的に採用されることになった。

特に、上記のプロセスは、例えばＰＥＴ（ポリエチレンテフレタレート）のような透明プラスチック材料を使用する場合に特に適した応用形態であることが分かっており、そのような材料は、たとえ材料の最終的な厚み値が非常に小さくなるとしても、ブローイングプロセスにおいて、特に満足な物理的特性がボトルに付与されるような結晶構造の向きにさせられる。

このタイプのボトルに関しては、厳密には、最終的なボトル体積を一定に保ちながら、使用されるプラスチック材料の量、従って、ボトルの最終コストを低減するために、製造プロセスを最適化するための絶え間ない研究が展開されている。つい最近まで、そうした研究は、一方では、（大きな形状安定性を得るための）完成品ボトルの形状変更を主たる目標とし、他方では、種々の成形パラメータ（プリフォームの伸縮率、加熱温度、ブローエアの圧力など）の調節を目標としていた。

一方、プリフォームの形は、時が経過してもほとんど変わることなく、上記のように、一定、又は可変の厚みを有する中空の円筒体から構成され、円筒体の開放端の形状は、既にボトルの首部の最終形状になっており、従って、ねじ式キャップを取り付けるためのスレッドも形成され、大抵の場合、円筒体の閉鎖端は、半球形になっている。

その後、完成品ボトルにおいてプラスチック材料のボトルの中心部分に残るプラスチック材料、すなわち直接的に有用ではないプラスチック材料の量を減らすために、球形でないヘッド、特に、円錐形、楕円形、又は放物線形のヘッドを有するプリフォームが提案され、一部は使用されている。しかしながら、この種のプリフォームは、プリフォームの成形において幾つかの利点を実際に有するものの、融解されたプラスチック材料（これは、実際には、プリフォームの閉鎖端の頂点に当たる箇所に注入される）のフローパスの合理化による僅かな成形時間の短縮しか実現せず、この種のプリフォームは、プリフォーム重量の低減に関しては、あまり効果がなかった。なぜなら、完成品ボトルにおける材料分布が、半球形ヘッドを有するプリフォームから得られるボトルのものに比べて、最終的にあまり変わらないことが分かったからである。

従って、本発明の目的は、プリフォームから得られるボトルの寸法、及び物理的特性を同一に維持しながらも、現在使用されている既知のタイプのプリフォームに比べて大幅に低減された重量の改良型プリフォームを提供することにある。

本発明の他の目的は、プリフォームから得られるボトルの重量低減をボトル底の中心領域に対応する箇所に集中させることが可能な改良型プリフォームを提供することにある。

本発明によれば、それらの目的は、添付の請求項１に規定される特徴を有するプリフォームによって達成される。本発明のプリフォームの他の特徴は、従属項に規定される。

本発明の他の特徴、及び利点は、添付の図面に示した本発明の好ましい実施形態に関する下記の説明から更に明らかになるであろう。

本発明による改良型プリフォームの略側面図である。

図面から明らかなように、本発明によるプリフォーム１は、ボトルねじ式キャップのハウジング、及び接合部に対応するスレッド、及びリブを有するように既知の態様で形成される開放端２の形状に関しても、プリフォームの本体３の細長い円筒形状に関しても、完全に従来の構造を有する。

実際のところ、本発明のプリフォームの先進的箇所は、専ら、プリフォームの閉鎖端、すなわちヘッド４の形状にあり、ヘッドの中心部に相当する箇所には、ヘッド４の残りの側部に向けて適当に放射状に拡がる軸方向突起５が形成される。ヘッド４の前記残りの側部は、上に記載した既知の形のうちのいずれか一つを有し、好ましくは、半球形の形を有する。

突起５の形、及びサイズに関して特に制限はない。なぜなら、突起の内径は、成形工程の最初の時点で、突起の内部にプリフォーム（図示せず）の引き伸ばし棒の先端を収容するだけの大きさを有していれば十分であるからである。図示の実施形態では、突起５は、半径Ｒの半球形形状をさらに有し、好ましくは、外から見て凹状に湾曲した同一半径Ｒの表面によって、閉鎖端４の側部まで放射状に拡がることが好ましい。

本発明のプリフォームの特徴は、突起５の半径Ｒ、並びに完全な半球形のヘッド（図面に点線で示されている）の理論上の先端に対する接平面からの突起５の全高ｈによって決まる。上記のように、Ｒがとり得る最小値Ｒ＝Ｒ_ｍｉｎは、プリフォームの引き伸ばし棒を突起５の中にぴったりと挿入することが可能な、突起５の内径に対応する。これに対し、Ｒがとり得る最大値Ｒ＝Ｒ_ｍａｘは、プリフォームの円筒の中心部３の直径をＤとして、Ｄ／２に対応する。プリフォームの全高Ｈを一定にした場合、プリフォームの重量低減効果は、当然ながら、Ｒ＝Ｒ_ｍｉｎのときに最大になり、逆に、Ｒ＝Ｒ_ｍｉｎのとき、すなわち、本発明のプリフォームのヘッド４が、完全な半球形のヘッドを有する従来のモールドのものと同じ形であるときに、その効果は最小に、すなわち厳密にはゼロになる。

同様の事項は、突起５の高さｈについても当てはまる。なぜなら、この場合も、プリフォームの全高Ｈは、同じであるからである。プリフォームの重量低減効果は、本発明のプリフォームのヘッド４の形が、完全な半球形のヘッド４を有する従来のプリフォームのものに等しくなるときの値ｈ_ｍｉｎ＝０から開始し、高さｈが高くなるほど大きくなる。

当然ながら、突起５の寸法や形は、上記の可変範囲内で、所望の結果に応じて自由に変更することができる。例えば、プリフォームの重量低減をそのプリフォームを使用して形成されるボトル底の中心部分に対応する箇所に集中させるために、あるいは、種々の個々の用途において時々有用になる、すなわち便利になることがある他の目的のために、それらは変更される場合がある。

本発明のプリフォームの上記の特定の形状によれば、本発明のプリフォームの表面全体は、完全な半球形ヘッドを有する同じ高さの対応する従来のプリフォームに比べて、明らかに小さな延伸しか受けないことから、同じ厚み、及び高さを有する既知のタイプのプリフォームに比べて小さい重量のプリフォームという素晴らしい結果が得られる。その結果得られるプリフォームの重量低減は、約３〜５％に達することもあり、また、この注目に値する結果は、プリフォームの他の特性を全く変更することなく達成され、特に、軸方向におけるプリフォームの伸縮率を変更することなく達成される。引き伸ばし棒は、その終端部が、突起５の内側の形状に合わせて構成されることもあり、突起５の中に突き刺すことができる。従って、本発明のプリフォームの長さは、引き伸ばし棒によって、半球形ヘッドを有する同じ全長Ｈの従来のプリフォームの長さに一致するように、引き延ばし棒によって決定される。また、突起５が既にプリフォームの変形後の形状の先端面取り部を有していることから、この引き伸ばし動作はより均一、且つ一様になる。

従って、本発明のプリフォームは、ブロー成形プロセスの新たな較正を実施する必要なく、従来のプリフォームの代わりとして使用することができ、それによって、単純かつ分かりやすい方法でプリフォームの、従って、完成品ボトルの大幅な重量低減を達成し、それによって、本発明の第１の目的を達成する。突起５の寸法パラメータを適当に調節することにより、前記プリフォームをブロー成形することにより得られるボトル底の中心部に相当する箇所に重量低減を集中させることができ、それによって、さらに、本発明の第２の目的が達成される。この目的は特に重要である。なぜなら、衝撃に対するボトルの物理的耐久性を向上させることができ、従来のボトルにおけるボトル底の環状帯からなる脆弱な領域を無くし、又は大幅に低減することができるからである。前記脆弱な領域は、厚みの薄い周辺領域と、厚みの厚い中心領域との間の遷移領域に発生する。

本発明の好ましい実施形態を参照し、本発明について説明したが、当然ながら、本発明の原理を使用する多数の他の実施形態は、前記実施形態とは異なる場合もある。従って、本発明が、記載した実施形態の特徴によって制限されることは全くなく、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載する発明の定義によってのみ制限される。

Claims (8)

1. ブロー成形プロセスによって中空体を製造するための、プラスチック材料のプリフォーム（１）であって、開放端（２）、及び閉鎖端（４）を有する実質的に円筒形の中心体（３）を含み、前記閉鎖端（４）の中心部に相当する箇所に、前記プリフォーム（１）から外側へ突出する中空の突起（５）を備える、プリフォーム（１）。
2. 前記中空体は、ボトル、又は広口瓶であり、前記開放端（２）は、完成品のボトル、又は広口瓶の首部、及びその土台を形成する、請求項１に記載のプリフォーム。
3. 前記突起（５）の少なくとも中心部が、球形、楕円形、又は放物線形である、請求項１、又は請求項２に記載のプリフォーム。
4. 前記突起（５）は、前記プリフォーム（１）の前記閉鎖端（４）の残りの側部に向けて放射状に拡がる、請求項３に記載のプリフォーム。
5. 前記突起（５）は球形である、請求項４に記載のプリフォーム。
6. 前記突起（５）の半径（Ｒ）は、前記突起（５）を前記プリフォーム（１）の前記閉鎖端（４）の残りの側部に接続する外部から見て凹状の表面の半径に等しい、請求項５に記載のプリフォーム。
7. 前記中心部の突起（５）に隣接する前記閉鎖端（４）の前記側部は、半球形、楕円形、又は放物線形を有する、請求項５、又は請求項６のプリフォーム。
8. 前記中心部の突起（５）は、少なくとも、前記プリフォームの引き伸ばしの開放端を収容するのに十分なだけの内部的隙間を有する、請求項１〜７のうちの何れか一項に記載のプリフォーム。

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