JP2010504874A - 有機ホスホネート接着層を備えたコンポジット構造および調製方法 - Google Patents

有機ホスホネート接着層を備えたコンポジット構造および調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、表面を有し、そして電着された銅箔または銅合金箔を備える基体、接着を促進するために供され、上記表面に共有結合される少なくとも1つの有機ホスホン酸またはその塩を含む接着層、およびこの接着層に結合された少なくとも1つのポリマーを含む官能層を含む物品を提供する。本発明はさらに、熱供給源または電子構成要素および上記に記載の物品を備えるデバイスを提供し、ここで、この熱供給源は、上記基体と熱接触しており、そして上記電子構成要素は、上記基体と電気接触している。上記に記載の物品を生産する方法もまた提供される。

Description

(発明の分野)
本発明は、基体、有機ホスホネート接着層、および官能層を備える多層物品、およびそれらを調製する方法に関する。
(発明の背景)
金属基体へのポリマーコーティングおよびフィルムの付与は、多くの技術および製品で用いられている。自動車、建物およびエレクトロニクス産業は、コーティングおよびフィルムが市販の製品の製作で用いられ得るコンポジット物品を形成するために金属に付与されるほんの少しの代表的分野である。
コーティングは、代表的には、その他の利点のなかでも、熱および/または電気伝導性または熱および/または電気絶縁性、腐食からの保護、構造一体性、および審美的アピールを提供するために基体に付与される。
この基体へのコーティングの初期および持続する接着は、基体およびコーティングの個々の性質、および使用の間に最終産物が受ける条件に依存する事柄であり得る。スチールおよび銅合金基体は、それぞれ、自動車およびエレクトロニクス産業で共通して採用されており、それに付与される種々のポリマーコーティングおよびフィルムを有する。過去においては、腐食保護および接着促進のために、クロム含有コーティングがこれら基体上で用いられた。クロム含有コーティングは、優れた腐食保護を提供するが、それらは毒性であり、そして廃棄物処理問題を提示する。従って、引き続くポリマーコーティングの付与と組み合わせて金属基質を処理するためにクロムを含まない処理溶液に対する必要性が存在する。この処理溶液は、腐食耐性を提供すべきであり、そしてポリマーへの基体接触を維持する。
腐食耐性および接着を示し、その一方、先行技術の毒性欠点を避ける複数層でコーティングされた物品を提供することが所望され得る。
(発明の要旨)
本発明は、表面を有し、そして電着された銅箔または銅合金箔を備える基体;接着を促進するために供され、上記表面に共有結合される少なくとも1つの有機ホスホネートまたはその塩を含む接着層;およびこの接着層に結合された少なくとも1つのポリマーを含む官能層を含む物品を提供する。本発明はさらに、熱供給源または電子構成要素および上記に記載の物品を備えるデバイスを提供し、ここで、この熱供給源は、上記基体と熱接触しており、そして上記電子構成要素は、上記基体と電気接触している。
上記に記載の物品を生産する方法もまた提供され:
a)表面を有し、そして電着された銅箔または銅合金箔を備える基体を提供する工程;
b)上記基体の表面を、有機ホスホン酸、ホスホン酸、それらの共役塩基、それらの塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのホスホン酸部分を含む組成物と接触させる工程であって、上記表面に共有結合された少なくとも1つの有機ホスホネートまたはその塩を含む接着層を形成する工程;
c)上記接着層を少なくとも1つのポリマーと接触させる工程であって、このポリマーを上記接着層に共有結合し、そして官能層を形成する工程;および必要に応じて
d)上記接着層をポリマーと接触させる工程の後に、上記ポリマーを硬化する工程、上記ポリマーを乾燥する工程、上記ポリマーを加熱する工程、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の工程、を包含する。
(種々の実施形態の詳細な説明)
本発明の物品を調製するために用いられる基体は、表面を有し、そして例えば、銅箔または銅合金箔を備え得る。この銅または銅合金は、製造する表面上に堆積され得、そして次に除去されて遊離の箔を形成し得る。あるいは、上記銅または銅合金は、コア材料上に堆積され得、多層またはコンポジット基体を形成し得る。コアとして用いられ得る適切な基体は、任意の電気的に伝導性の材料である。例えば、適切な金属は、銅箔、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金、およびそれらの組み合わせを含む。特に適切な鉄−ニッケル合金は、約64重量%の鉄および36重量%のニッケルを含むInvar(Imphy S.A.、168 Rhe de Rivoli Paris、Franceによって所有される商標)である。この合金は、低い熱膨張の係数を有している。ニッケル−鉄合金が電気的に伝導性のコアとして用いられるとき、代表的には、銅金属の層がこの電気的に伝導性のコアのすべての表面に付与され、最適伝導性を確実にする。この銅金属の層は、電気メッキまたは金属蒸着のような従来手段によって付与され得る。この銅の層は、しばしば、1〜8ミクロンの厚みを有する。
上記基体の表面は、実質的に平坦、湾曲、均一、不均一、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
上記金属基体は、円滑、例えば、原子的に円滑であり得るか、またはそれは、粗く、例えば、ミクロンスケールの粗さを有するか、またはそれらの間のいずれかであり得る。本発明の特定の実施形態では、上記基体の表面は、化学的または機械的に粗くされる。表面を粗くすることは、いくつかの方法によって達成され得る。電着銅箔は、粗い表面を備えて電気鋳造され得る。この粗い表面の頂部上で、さらに粗くすることは、大きな表面積処理を適用することにより実施される。これらの処理は、銅がノジュラー状または粉末形態に電解的に堆積され得るか、またはとりわけ銅酸化物がノジュラー状または樹状に成長する。しばしば、巻かれた銅箔は、巻きの間、または引き続く摩耗によってそれに付与される機械的粗さを有する。巻かれた箔はまた、ノジュラー銅または酸化銅を増加する表面積を備えて処理され得る。表面粗さ、Raは、適切には0.01〜5μmの範囲であり得る。この範囲は、それらの間のすべての値、および小範囲を含み、0.01、0.025、0.05、0.075、0.1、0.25、0.5、0.75、1、2、3、4、5μm、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
上記金属基体は、巻かれた、キャスト、押し出された、鍛造、形状化、シートストック、パターン化、打ち抜き、細片、輪、航空機産業のため、装置のため、自動車産業のため、エレクトロニクス産業のため、飲料およびその他の食物コンテナのため、建築のためまたは工業技術のためのパーツのような、任意の形態であり得る。
上記金属基体は、構造的、絶縁性、半絶縁性、電気的に伝導性、半伝導性、熱伝導性、断熱性、照射吸収性、照射反射性、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
上記金属基体は、5mm以下の厚みを有し得る。この範囲は、それらの間のすべての値、および小範囲を含み、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01mm以下、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
上記基体の寸法は、必要に応じて適切に選択され得る。上記基体は、例えば、独立に1mm〜1000mmまたはより大きい、幅および/または長さを有する任意の寸法を有し得る。この範囲は、それらの間のすべての値、および小範囲を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、50、75、100、250、500、750、1000mm、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
上記に記載のように、上記基体は、銅の合金、またはその酸化物、および銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、亜鉛、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、マグネシウム、インジウム、ヒ素、アンチモン、ガリウム、ゲルマニウム、ビスマス、セレン、テルル、ロジウム、イリジウム、タリウム、シリコン、レニウム、スカンジウム、イットリウム、それらの酸化物、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つのその他の金属を含み得る。
上記基体の表面は、銅、その酸化物、その塩、そのハロゲン化物、その硫酸塩、そのリン酸塩、その水酸化物、そのカルコゲニド、そのアルコキシド、その硝酸塩、そのフッ化物、その塩化物、その臭化物、そのヨウ化物、その硫化物の1つ以上またはそれらの組み合わせを含み得る。
上記基体の表面は、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、亜鉛、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、それらの酸化物、それらのハロゲン化物、それらの硫酸塩、それらのリン酸塩、それらの水酸化物、それらのカルコゲニド、それらのアルコキシド、それらの硝酸塩、それらのフッ化物、それらの塩化物、それらの臭化物、それらのヨウ化物、それらの硫化物の1つ以上またはそれらの組み合わせを含み得る。
上記表面は、NiCr、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、ZnO、TiO、Fe、Al、SnO、Crの1つ以上またはそれらの組み合わせを含み得る。
本発明の物品の接着層で用いられる有機ホスホネートは、以下の式:
Figure 2010504874
を有するホスホン酸部分、またはその共役塩基、またはその塩由来であり得;
ここで、RはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pのような1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;
ここで、R’は水素またはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pのような1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;そして
R’’は水素またはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pのような1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有する。
上記有機ホスホン酸部分は、置換または非置換の、分岐または非分岐の、飽和または不飽和の有機ホスホン酸またはその塩であり得る。これらのいくつかの例は、アルキルホスホン酸、パーフルオロアルキルホスホン酸、ヒドロキシアルキルホスホン酸、ビニルアルキルホスホン酸、ホスホノアルキルホスホン酸、カルボキシアルキルホスホン酸、スルホノアルキルホスホン酸、アミノアルキルホスホン酸、アミドアルキルホスホン酸、シロキシアルキルホスホン酸、アルコキシアルキルホスホン酸、アリルアルキル−アリールホスホン酸、アリールアルキルホスホン酸、アルデヒドアルキルホスホン酸、トリフルオロメチルアルキルホスホン酸、チオアルキルホスホン酸、エポキシアルキルホスホン酸、ニトロアルキルホスホン酸、分岐C3−40ホスホン酸、非分岐C1−40ホスホン酸、置換C1−40ホスホン酸、非置換C1−40ホスホン酸、飽和C1−40ホスホン酸、不飽和C2−40ホスホン酸、芳香族C5−40ホスホン酸、脂肪族C1−40ホスホン酸、環状C3−40ホスホン酸、Sによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホン酸、Nによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホン酸、Oによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホン酸、Pによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホン酸、S、N、O、Pの2つ以上の組み合わせによって置換された1つ以上の炭素を有するC1−40ホスホン酸、それらの塩、またはそれらの組み合わせを含む。
上記有機ホスホン酸部分のその他の例は、11−ヒドロキシウンデシルホスホン酸、11−アセトキシウンデシルホスホン酸、1−アセトキシウンデシルホスホン酸、ウンデク−11−エンホスホン酸、p−アミノベンジルホスホン酸、p−ニトロベンジルホスホン酸、4−メルカプトブチルホスホン酸、ブタン−1,4−ビスホスホン酸、ブト−2−エン−1,4−ビスホスホン酸、o−フェノールホスホン酸、m−フェノールホスホン酸、p−フェノールホスホン酸、2メトキシ−4−プロプ−2−エニルフェノール−6−ホスホン酸、1−ホスホン酸−12−メルカプトドデカン、1−ホスホン酸−12−(N−エチルアミノ)ドデカン、1−ホスホン酸−12−ドデカン、p−キシリレンジホスホン酸、1,10−デカンジホスホン酸、1,12−ドデカンジホスホン酸、1,14−テトラデカンジホスホン酸、1−ホスホン酸−12−ヒドロキシドデカン、1−ホスホン酸−12−(N−エチルアミノ)ドデカン、1−ホスホン酸−12−ドデカン、1−ホスホン酸−12−メルカプトドデカン、1,10−デカンジホスホン酸、1,12−ドデカンジホスホン酸、1,14−テトラデカンジホスホン酸、p,p’−ビフェニルジホスホン酸、1−ホスホン酸−12−アクリロイルドデカン、1,8−オクタデカンジホスホン酸、1,6−ヘキサンジホスホン酸、1,4−ブタンジホスホン酸、1,8−オクタンジホスホン酸、1,6−ヘキサンジホスホン酸、1,4−ブタンジホスホン酸、アミントリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、またはそれらの組み合わせを含む。
上記有機ホスホネート、以下の式の1つ:
Figure 2010504874
またはその塩を有し得;
ここで、Rは分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族のC1−40基であり、必要に応じて、S、N、O、Pのような1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;
ここで、R’’は水素またはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pのような1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;
ここで、aは、上記基体への共有結合であり;そして
ここで、bは、少なくとも1つの表面、有機ホスホネート、有機ホスホン酸、ホスホネート、ホスホン酸、金属、イオン、隣接分子、またはそれらの組み合わせへの電子対または結合である。
上記有機ホスホネートは、置換または非置換の、分岐または非分岐の、飽和または不飽和の有機ホスホネート、またはその塩である。これらの例は、アルキルホスホネート、パーフルオロアルキルホスホネート、ヒドロキシアルキルホスホネート、ビニルアルキルホスホネート、ホスホノアルキルホスホネート、カルボキシアルキルホスホネート、スルホノアルキルホスホネート、アミノアルキルホスホネート、アミドアルキルホスホネート、シロキシアルキルホスホネート、アルコキシアルキルホスホネート、アリルアルキル−アリールホスホネート、アリールアルキルホスホネート、アルデヒドアルキルホスホネート、トリフルオロメチルアルキルホスホネート、チオアルキルホスホネート、エポキシアルキルホスホネート、ニトロアルキルホスホネート、分岐C3−40ホスホネート、非分岐C1−40ホスホネート、置換C1−40ホスホネート、非置換C1−40ホスホネート、飽和C1−40ホスホネート、不飽和C2−40ホスホネート、芳香族C5−40ホスホネート、脂肪族C1−40ホスホネート、環状C3−40ホスホネート、Sによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホネート、Nによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホネート、Oによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホネート、Pによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホネート、S、N、O、Pの2つ以上の組み合わせによって置換された1つ以上の炭素を有するC1−40ホスホネート、それらの塩、またはそれらの組み合わせを含む。
上記接着層はまた、有機ホスホン酸、ホスホン酸などのホスホン酸部分、それらの塩、それらの共役塩基、それらの金属酸化物、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含み得る。
1つの実施形態では、上記ホスホン酸部分は式:
Figure 2010504874
ここで、R、R’、R’’は、各々独立して、HまたはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pのような1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;
またはその塩、
またはその共役塩基、
またはその金属酸化物を有する。
共役塩基により、1つ以上のプロトンの損失を経由して形成されるアニオンが意味される。
塩により、共役塩基および1つ以上の非プロトン対イオンから形成される化合物が意味される。対イオンのいくつかの例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニア、トリエチルアンモニア、トリメチルアンモニア、EDTA、ジルコニウム、マグネシウムなどの対イオンを含む。対イオンの組み合わせが可能である。
金属酸化物により、1つ以上の金属−酸素結合を有する化合物が意味される。1つの例は、P−O−M結合を有するホスホン酸金属エステルを含み、ここで、Mが金属である。
芳香族基は、C〜C40の芳香族基であり得、ここで、1つ以上の炭素は、1つ以上のS、N、O、Pのようなヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立して、かつ必要に応じて置換され得る。この範囲は、それらの間のすべての値および小範囲を含み、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40を含む。上記芳香族基は、置換または非置換、分岐または非分岐であり得る。上記芳香族基は単環または複数の環であり得る。
環状基は、C〜C40の環状基であり得、ここで、1つ以上の炭素は、1つ以上のS、N、O、Pのようなヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立して、かつ必要に応じて置換され得る。この範囲は、それらの間のすべての値および小範囲を含み、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40を含む。上記環状基は、置換または非置換、分岐または非分岐であり得る。上記環状基は単独の環状環または複数の環状環であり得る。
脂肪族基は、C1−40の脂肪族基であり得、ここで、1つ以上の炭素は、1つ以上のS、N、O、Pのようなヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立して、かつ必要に応じて置換され得る。この範囲は、それらの間のすべての値および小範囲を含み、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40の脂肪族基を含む。脂肪族基は、置換または非置換、分岐または非分岐、飽和または不飽和であり得る。
置換される場合、上記C〜C40の芳香族基、C〜C40の環状基、および/またはC1−40の脂肪族基は、ヒドロキシル、ハロ、臭素、塩素、ヨウ素、フッ素、−OR’−NR’R’’、−NR’COR’’、−CONR’R’’、−CONR’、−COOR’、−OCOR’、−COR’、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’、−SOR’、−N、−CN、−NC、−SH、−NO、−NH、−PR’、−(O)PR’R’、−POR’R’、−OPOR’R’、−PO、(C〜C20)アルキル、フェニル、(C〜C20)シクロアルキル、(C〜C20)アルコキシ、(C〜C25)ヘテロアリール、(C〜C25)ヘテロシクリル、(C〜C20)アルケニル、(C〜C20)シクロアルケニル、(C〜C20)アルキニル、(C〜C20)シクロアルキニル、(C〜C25)アリール、ペルハロ(C〜C20)アルキル、それらの塩、またはそれらの組み合わせのような1つ以上の置換基で独立に置換され得る。これら置換基は、必要に応じて、分岐もしくは非分岐または飽和もしくは不飽和であり得る。
不飽和である場合、上記C〜C40の芳香族基、C〜C40の環状基、および/またはC1−40の脂肪族基およびそれらの置換基は、1つ以上の二重結合、三重結合、共役の部位、またはそれらの組み合わせを含み得る。
上記接着層は、上記基体と上記官能層との間の接着を促進するために供され、そして単層、二層、またはそれらの組み合わせであり得る。上記接着層は、混合された単層、混合された二層、またはそれらの組み合わせであり得る。「混合された」により、1つ以上の有機ホスホネート化合物が用いられることが意味される。
上記接着層は、自己集合される層であり得る。例えば、上記有機ホスホネート化合物および/またはそれから由来し得る上記有機ホスホネート部分は、1つが互いに平行または実質的に平行にそれら自体を組織化する自己集合する分子を形成する。接着層中の分子は、上記表面に垂直または実質的に垂直であり得るか、または上記分子は、上記表面に対して特定のその他の角度で配列され得る。これら分子は、しかし、上記接着層中でそのように配列されなくてもよい。上記接着層は均一であり得るか、または分子の島(island)のランダム分布であり得る。上記表面の全表面またはその部分は、接着層によって覆われ得る。Ω−官能性有機ホスホン酸は、自己集合された層の形成に特に適している。
上記ホスホン酸部分は上記表面に結合してもよいし、または上記表面に結合しなくてもよい;すなわち、ホスホン酸官能基は、上記基体表面と反応してもよいし、または反応しなくてもよい。上記有機ホスホネート分子に一体である、ヒドロキシル、アミノ、チオ、カルボキシル、メルカプトなどのような第2の官能基が、上記基体表面と反応され得、引き続き付与された官能層と自由に反応するホスホン酸部分を残す。基体表面に結合する場合、このホスホン酸部分は、共有結合、イオン結合、配位、Van der Waals相互作用、化学的吸着、物理的吸着、またはそれらの組み合わせのような結合で、上記表面に結合され得る。
上記接着層は、約0.5nm〜5000nmの範囲の厚みを有し得る。この範囲は、それらの間のすべての値、および小範囲を含み、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000nm、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
上記物品の官能層は、上記接着層に結合された少なくとも1つのポリマーを含み、この物品における少なくとも1つの物理的機能、例えば、熱伝導性または断熱性、電気伝導性または電気絶縁性、および/または腐食保護を供する。官能層中のポリマーは、例えば、熱可塑性、熱硬化性、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせであり得る。
上記ポリマーのいくつかの例は、エラストマー、エポキシ(ポリエポキシド)、ビスフェノール−Aエポキシ、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェノール、ポリメルカプタン、ポリエン、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリイミド、ポリスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリ(p−フェニレン)、ポリキノリン、ポリキノキサリン、ポリスルフィド、ポリ(p−キシリレン)、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリホスファジン、アルキド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。
上記官能層は、適切には、誘電性ポリマー、導電性ポリマー、半導体ポリマー、熱伝導性ポリマー、断熱性ポリマー、発光性ポリマー、接着性ポリマー、最小接着性ポリマー、耐腐食性ポリマー、防汚性ポリマー、照射反射性ポリマー、可溶性ポリマー、光分解性ポリマー、光硬化性ポリマー、フォトレジストポリマー、それらのコポリマー、ポリエポキシドコーティング、エポキシ−含浸ガラスファイバー、カーボンファイバーのようなポリマー−含浸コンポジット、またはシリカコンポジット層の1つ以上、または必要に応じてそれらの組み合わせを含み得る。
上記官能層の1つ以上のポリマーは、共有結合、イオン結合、配位、Van der Waals相互作用、化学的吸着、物理的吸着、またはそれらの組み合わせのような結合で、上記接着層に結合され得る。上記有機ホスホネートは、有機ホスホネートリンカーを通じて上記表面への官能性ポリマーの結合を確実にするように選択されるべきであり、そして最良の結果のためには、結合を確実にするために必要な官能基を考慮することが重要である。1つの実施形態では、複数のポリマーが、それ故、接着層に結合される。1つの実施形態では、1つ以上の官能層ポリマーが有機ホスホネートに結合される。
上記官能層は、約10nmから5mmまでの範囲の厚みを有し得る。この範囲はそれらの間のすべての値および小範囲を含み、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900nm、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、40、60、80、100、200、400、600、800μm、1、2、3、4、5mm、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
1つの実施形態では、上記官能層は、この官能層の重量を基に約0.1wt%未満の有機ホスホネート、有機ホスホン酸、ホスホン酸、ホスホネート、またはそれらの混合物を含む。この範囲はそれらの値のすべての値および小範囲を含み、約0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01wt%未満、またはそれより少なく、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
本発明によれば、上記に記載のような物品を生産する方法は:
a)表面を有し、そして電着された銅箔または銅合金箔を備える基体を提供する工程;
b)この基体の表面を、有機ホスホン酸、ホスホン酸、その共役塩基、その塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのホスホン酸部分を含む組成物と接触させる工程であって、上記表面に共有結合された少なくとも1つの有機ホスホネートまたはその塩を含む接着層を形成する工程;
c)この接着層を少なくとも1つのポリマーと接触させる工程であって、このポリマーを接着層に共有結合し、そして官能層を形成する工程;および必要に応じて
d)上記接着層をポリマーと接触させる工程の後、ポリマーを硬化する工程、ポリマーを乾燥する工程、ポリマーを加熱する工程、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの工程、を包含する。複数層の物品は、上記基体の第2の表面上で接触工程b)およびc)を繰り返すことにより、そして/または上記官能層を、少なくとも1つのホスホン酸部分を含む組成物と接触させ、さらなる物品、基体、またはポリマー官能層の引き続く取り付けのためのさらなる接着層を形成することにより、本発明に従って所望のように調製され得る。
上記基体の表面は、上記接着層を付与する前に清澄化および/または脱脂され得る。表面清澄化のいくつかの例は、表面をアルカリ溶液、溶媒、酸性溶液、またはそれらの任意の組み合わせと接触させることを含む。上記表面は、HSO溶液で清澄化され得る。上記表面は、上記接着層を形成する前に酸洗いされ得る。
上記接着層を調製するために、上記基体の表面は、有機ホスホン酸部分を含むコーティング溶液と、浸けること、沈めること、ロールコーティングすること、スキージをかけること(squeegeeing)、蒸着、ブラッシング、スプレーすること、またはそれらの任意の組み合わせによって接触させられ得る。
上記コーティング溶液は、0.01mmol〜10mmolの範囲の量のホスホン酸部分を含み得る。この範囲はそれらの間のすべての値および小範囲を含み、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10mmol、およびそれらの任意の組み合わせを含む。上記コーティング溶液、そしてこれ故、上記基体上に形成されて得られる接着層は、本質的にクロムを含まない。
上記表面は、上記コーティング溶液と、1秒から1時間までの範囲の時間の間接触され得る。この範囲は、これらの間のすべての値および小範囲を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60秒、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60分、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
上記表面は、上記コーティング溶液と、5〜60℃の範囲の温度で接触され得る。この範囲は、それらの間のすべての値および小範囲を含み、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60℃およびそれらの任意の組み合わせを含む。上記表面は、1つ以上のコーティング溶液と、任意の順序で接触され得るか、または所望に応じて繰り返され得る。
コーティングされた表面は、適切に、溶媒を含む1つ以上のすすぎ組成物と任意の順序で接触され得るか、または所望により繰り返され得る。
上記コーティング溶液および/または、所望であれば、上記すすぎ組成物は、独立に、水、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、酢酸、テトラヒドロフラン、アルコール、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールエーテル、n−プロピルグリコールエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−ブトキシエーテル、モノアルコキシグリコールエーテル、2−ブトキシエタノール、DOWANOLTM、フッ素化溶媒、脂肪族炭化水素、エーテル、エステル、ジメチルスルホン酸、トルエン、溶媒、共溶媒、極性溶媒、非極性溶媒、界面活性剤、有機酸、無機酸、塩基、シラン、アミン、ホスフェート、ホスホネート、消泡剤、安定剤、湿潤剤、緩衝液、腐食阻害剤、疎水性薬剤、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つを含み得る。所望であれば、ホスホン酸部分および溶媒のみが、このコーティング溶液中に存在し得る。
1つの実施形態では、上記コーティング溶液および/またはすすぎ組成物は、エタノール、3:1のエタノール:トルエン混合物、または9:1のエタノール:水を含み得る。このエタノールとトルエンおよび/またはエタノールと水との比は、10:1〜1:10の任意の範囲、そしてそれらの間の任意の値または小範囲の中で適切に変動され得、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、および1:10の比を含む。
上記コーティングされた表面は、20〜120℃の範囲の温度で乾燥または硬化され得る。この範囲はそれらの間のすべての値および小範囲を含み、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120℃、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
上記接着層のための乾燥時間または硬化時間は、5秒から2時間またはより長い範囲であり得る。この範囲はそれらの間のすべての値および小範囲を含み、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60秒、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、90、および120分、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
上記接着層を上記ポリマーと接触させ、官能層を形成する工程の前に、1つ以上のさらなる工程が実施され得る。これらの例は、上記接着層を加熱する工程、上記接着層からの上記コーティング溶液および/またはすすぎ組成物の過剰部分を除去する工程、上記接着層をさらなるすすぎ組成物と接触させる工程、上記接着層を乾燥する工程、上記接着層を硬化する工程、またはそれらの組み合わせを含む。
上記官能層は、上記接着層に、浸漬コーティング、浸漬、ロールコーティング、スキージをかけること、スプレーすること、ブラッシング、蒸着、電気泳動堆積(電着)、ドクターブレード、溶液からの重合、押し出し加工、接触、またはそれらの任意の組み合わせによって付与される。
上記接着層をポリマーと接触させる工程の後、上記ポリマーを硬化する工程、上記ポリマーを乾燥する工程、上記ポリマーを加熱する工程、またはそれらの任意の組み合わせのような1つ以上の工程が実行され得る。
所望であれば、上記ポリマーは、20〜200℃の範囲の温度で乾燥または硬化され得る。この範囲は、それらの間のすべての値および小範囲を含み、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、および200℃、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
1つの実施形態では、上記接着層および/または官能層は、室温から170℃まで2度/分でオーブンを上げることによって硬化され得る。上記物品は、その温度で90分間保持され得、その後、室温までゆっくりと冷却される。
上記官能層のための乾燥時間または硬化時間は、30秒〜48時間またはより長い範囲であり得る。この範囲は、それらの間のすべての値および小範囲を含み、30、40、50、60秒、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、90分、2、3、4、5、6、12、18、20、36、48時間、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
上記ポリマー、接着層、またはその両方の一部分は、適切に除去され得る。
本発明の物品は、熱供給源、電子構成要素、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つに連結され、デバイスを形成し得る。例えば、この物品は、ヒートシンクとして、またはその他の熱伝導性の用途において適切であり得る。本発明のその他のデバイスは、例えば、電子回路、半導体チップ、絶縁された電気ワイヤなどを含む。この物品は、接着剤として上記官能層または有機ホスホネート接着層を用いて、熱供給源または電子構成要素に接触され得る。熱供給が上記基体と熱接触していても良く、その一方、電子構成要素は、上記基体と電気接触していても良い。
1つの実施形態では、銅箔の表面は、5%HSOで清浄化され、DI水でリンスされ、次いで乾燥される。このように清浄化された銅箔は、次いで、2−ブトキシエタノール中に11−アセトキシウンデシルホスホン酸を含むコーティング組成物(「CRG270」)の0.1mM溶液に、10秒〜1分の間、浸され得る。この箔は組成物から除去され、そして室温(25℃)で約2〜3分間吊されることにより乾燥される。120℃で5分間加熱する硬化工程が実施され得る。有機ホスホネートの熱処理が、ホスホン酸と銅表面との反応が終了することをより良好に確実にするために実施され得る。適切な溶媒での任意のすすぎ工程が実施され得、その後、コーティングされた箔が乾燥される。接着層でコーティングされた表面を有する銅箔がこのようにして得られる。エポキシポリマー官能層が、次に、この接着層上にコーティングされ、そして硬化される。
本明細書中で引用される値および小範囲は、例示目的のみのために呈示され、そしてそうでないと明確に示されなければ、これらの値および小範囲をこの範囲内の点に制限する意図はない。
以下の実施例は、例示のみの目的のために提供され、そして制限することは意図されない。
(表面調製:)
ホスホン酸の1mM溶液を、エタノール(アニリンホスホン酸、ビスホスホネート、オレフィン末端ホスホン酸について)、3:1のエタノール:トルエン混合物(オクタデシルホスホン酸(ODPA)について)、9:1のエタノール:水(フルオロホスホン酸について)の溶液中で調製した。
銅表面を清浄化し、そしてエタノール中で30分間音波処理し、オーブン中で30分間乾燥し、そして適切な溶液中に2分の期間浸し、そしてその溶液から取り出した。一旦、取り出すと、表面を、熱銃で(6インチ距離から)直接加熱した。これら表面を、次いで、上記溶液を堆積するために用いられたのと同じ溶媒中ですすぎ、そして音波処理した。
接着試験されるべき表面のために、エポキシの小矩形を切断し、そして2つのコーティングされた銅の一片間に配置した。一旦、エポキシを、万力中の一片間に配置し、そして整列させると、サンプルを次いで加熱硬化した。オーブン上昇温度は、室温から170℃まで2度/分であった。サンプルを、170℃で90分間保持し、次いで、室温までゆっくりと冷却した。
(銅の界面接着:)
データは、一緒に接合された2つのコーティングされた銅表面を、Cytec Fiberite Epoxy FM 1000と接着することにより実施された。ASTM Test 1044は、この手順の書類内に陳述されたプロトコールに従って実施され、その全体の内容は、本明細書によって参考として援用される。以下の表(表1)はこの試験の結果を示す。
表1
基体構造/末端 鎖長さ 強度(平均)
非改変金属 −− 26.4MPa
ホスホネート 12 48.8MPa
ホスホネート
(鎖中に架橋されたオレフィンをもつ) 4 50.6MPa
アニリン n/a 48.5MPa
オレフィン末端 10 59.0MPa
(銅表面に対する接触角度:)
接触角度は、DropImageソフトウェアを備えたRame Hart Model 100 Contact Angle Goniometerを用いて収集された。
銅、非処理 54゜
銅、ODPAで改変 98゜
銅、C−10鎖フルオロホスホン酸で改変 102゜
銅、ビスホスホネートで改変 66゜
銅、アニリンホスホン酸で改変 74゜
(銅表面で収集された赤外データ:)
データは、Diffuse Reflectance Attachmentを装備したPerkin Elemer RX1 Infrared Spectrophotometer上で収集された。
2918cm−1および2845cm−1にあるピークは、アルコール、トルエンおよび水での連続したすすぎ、および音波処理に際して持続されたアルキル鎖の存在を示した。
本発明は、多くの異なる形態で具体化され得、そしていくつかの実施形態が本明細書中に詳細に記載されている。しかし、本明細書中に記載される実施形態は例示目的のためであり、そしてそうであると明記されなければ、限定することは意図されないことが理解される。自明な変化が、本発明の範囲から逸脱または超えることなくなされ得ることがまた理解される。

Claims (25)

  1. 物品であって:
    表面を有し、そして電着された銅箔または銅合金箔を備える基体;
    該表面に共有結合された少なくとも1つの有機ホスホネートまたはその塩を含む接着層;および
    該接着層に結合された少なくとも1つのポリマーを含む官能層、を備える物品。
  2. 前記有機ホスホネートが、式:
    Figure 2010504874
    を有する有機ホスホン酸部分あって;
    ここで、RはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;
    ここで、R’は水素またはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;そして
    ここで、R’’は水素またはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有する、有機ホスホン酸部分;またはその共役塩基、またはその塩由来である、請求項1に記載の物品。
  3. 前記有機ホスホン酸部分が、置換または非置換の、分岐または非分岐の、飽和または不飽和の有機ホスホン酸またはその塩であり、そして、アルキルホスホン酸、パーフルオロアルキルホスホン酸、ヒドロキシアルキルホスホン酸、ビニルアルキルホスホン酸、ホスホノアルキルホスホン酸、カルボキシアルキルホスホン酸、スルホノアルキルホスホン酸、アミノアルキルホスホン酸、アミドアルキルホスホン酸、シロキシアルキルホスホン酸、アルコキシアルキルホスホン酸、アリルアルキル−アリールホスホン酸、アリールアルキルホスホン酸、アルデヒドアルキルホスホン酸、トリフルオロメチルアルキルホスホン酸、チオアルキルホスホン酸、エポキシアルキルホスホン酸、ニトロアルキルホスホン酸、分岐C3−40ホスホン酸、非分岐C1−40ホスホン酸、置換C1−40ホスホン酸、非置換C1−40ホスホン酸、飽和C1−40ホスホン酸、不飽和C2−40ホスホン酸、芳香族C5−40ホスホン酸、脂肪族C1−40ホスホン酸、環状C3−40ホスホン酸、Sによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホン酸、Nによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホン酸、Oによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホン酸、Pによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホン酸、S、N、O、Pの2つ以上の組み合わせによって置換された1つ以上の炭素を有するC1−40ホスホン酸、それらの塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の物品。
  4. 前記有機ホスホン酸部分が、11−ヒドロキシウンデシルホスホン酸、11−アセトキシウンデシルホスホン酸、1−アセトキシウンデシルホスホン酸、ウンデク−11−エンホスホン酸、p−アミノベンジルホスホン酸、p−ニトロベンジルホスホン酸、4−メルカプトブチルホスホン酸、ブタン−1,4−ビスホスホン酸、ブト−2−エン−1,4−ビスホスホン酸、o−フェノールホスホン酸、m−フェノールホスホン酸、p−フェノールホスホン酸、2メトキシ−4−プロプ−2−エニルフェノール−6−ホスホン酸、1−ホスホン酸−12−メルカプトドデカン、1−ホスホン酸−12−(N−エチルアミノ)ドデカン、1−ホスホン酸−12−ドデカン、p−キシリレンジホスホン酸、1,10−デカンジホスホン酸、1,12−ドデカンジホスホン酸、1,14−テトラデカンジホスホン酸、1−ホスホン酸−12−ヒドロキシドデカン、1−ホスホン酸−12−(N−エチルアミノ)ドデカン、1−ホスホン酸−12−ドデカン、1−ホスホン酸−12−メルカプトドデカン、1,10−デカンジホスホン酸、1,12−ドデカンジホスホン酸、1,14−テトラデカンジホスホン酸、p,p’−ビフェニルジホスホン酸、1−ホスホン酸−12−アクリロイルドデカン、1,8−オクタンジホスホン酸、1,6−ヘキサンジホスホン酸、1,4−ブタンジホスホン酸、1,8−オクタンジホスホン酸、1,6−ヘキサンジホスホン酸、1,4−ブタンジホスホン酸、アミントリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、アニリンホスホン酸、ビスホスホン酸、オレフィン末端ホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フルオロホスホン酸、それらの塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の物品。
  5. 前記有機ホスホネートが、以下の式:
    Figure 2010504874
    であって、
    ここで、Rは分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族のC1−40基であり、必要に応じて、S、N、O、Pからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;
    ここで、R’’は水素またはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子、またはそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有し;
    ここで、aは、前記基体への共有結合であり;そして
    ここで、bは、表面、有機ホスホネート、有機ホスホン酸、ホスホネート、ホスホン酸、金属、イオン、隣接分子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1つへの電子対または結合である、
    式の1つ、またはその塩を有する、請求項1に記載の物品。
  6. 前記有機ホスホネートが、置換または非置換の、分岐または非分岐の、飽和または不飽和の有機ホスホネート、またはその塩であり、そしてアルキルホスホネート、パーフルオロアルキルホスホネート、ヒドロキシアルキルホスホネート、ビニルアルキルホスホネート、ホスホノアルキルホスホネート、カルボキシアルキルホスホネート、スルホノアルキルホスホネート、アミノアルキルホスホネート、アミドアルキルホスホネート、シロキシアルキルホスホネート、アルコキシアルキルホスホネート、アリルアルキル−アリールホスホネート、アリールアルキルホスホネート、アルデヒドアルキルホスホネート、トリフルオロメチルアルキルホスホネート、チオアルキルホスホネート、エポキシアルキルホスホネート、ニトロアルキルホスホネート、アニリンホスホネート、ビスホスホネート、オレフィン末端ホスホネート、オクタデシルホスホネート、フルオロホスホネート、分岐C3−40ホスホネート、非分岐C1−40ホスホネート、置換C1−40ホスホネート、非置換C1−40ホスホネート、飽和C1−40ホスホネート、不飽和C2−40ホスホネート、芳香族C5−40ホスホネート、脂肪族C1−40ホスホネート、環状C3−40ホスホネート、Sによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホネート、Nによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホネート、Oによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホネート、Pによって置換された1つ以上の炭素を有するC2−40ホスホネート、S、N、O、Pの2つ以上の組み合わせによって置換された1つ以上の炭素を有するC1−40ホスホネート、それらの塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の物品。
  7. 前記接着層が、有機ホスホン酸、ホスホン酸、それらの塩、それらの共役塩基、それらの金属酸化物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのホスホン酸部分をさらに含む、請求項1に記載の物品。
  8. 前記ホスホン酸部分が、式:
    Figure 2010504874
    であって、
    ここで、R、R’、R’’は、各々独立して、水素またはC1−40の分岐または非分岐の、置換または非置換の、飽和または不飽和の芳香族、環状、または脂肪族基であり、必要に応じて、S、N、O、Pからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子、およびそれらの組み合わせで独立に置換された1つ以上の炭素を有する、式;
    またはその塩、
    またはその共役塩基、
    またはその金属酸化物を有する、請求項7に記載の物品。
  9. 前記ホスホン酸部分が、前記表面に結合されていない、請求項7に記載の物品。
  10. 前記ホスホン酸部分が、前記表面に結合されている、請求項7に記載の物品。
  11. 前記基体が、銅の合金、またはその酸化物、および銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、亜鉛、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、マグネシウム、インジウム、ヒ素、アンチモン、ガリウム、ゲルマニウム、ビスマス、セレン、テルル、ロジウム、イリジウム、タリウム、シリコン、レニウム、スカンジウム、イットリウム、それらの酸化物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのその他の金属を含む、請求項1に記載の物品。
  12. 前記銅または銅合金が、コア材料上に電着され、該コア材料がFe−Ni箔を含む、請求項1に記載の物品。
  13. 前記基体の表面が、化学的または機械的に粗くされている、請求項1に記載の物品。
  14. 前記接着層が、本質的にクロムを含まない、請求項1に記載の物品。
  15. 前記基体の表面が、銅の酸化物、塩、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、水酸化物、カルコゲニド、アルコキシド、塩化物、臭化物、ヨウ化物、および/または硫化物の1つ以上をさらに含む、請求項1に記載の物品。
  16. 前記基体が、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、亜鉛、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、および/または鉛の酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、水酸化物、カルコゲニド、アルコキシド、塩化物、臭化物、ヨウ化物、および/または硫化物の1つ以上をさらに含む、請求項1に記載の物品。
  17. 前記接着層が、Ω官能性有機ホスホン酸の自己集合された単層を含む、請求項1に記載の物品。
  18. 前記官能層中のポリマーが、エラストマー、エポキシ、ビスフェノール−Aエポキシ、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェノール、ポリメルカプタン、ポリエン、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリイミド、ポリスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリ(p−フェニレン)、ポリキノリン、ポリキノキサリン、ポリスルフィド、ポリ(p−キシリレン)、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリホスファジン、アルキド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
  19. 前記官能層が、誘電性ポリマー、導電性ポリマー、半導体ポリマー、熱伝導性ポリマー、断熱性ポリマー、発光性ポリマー、接着性ポリマー、最小接着性ポリマー、耐腐食性ポリマー、防汚性ポリマー、照射反射性ポリマー、ポリマー−含浸ファイバーコンポジット層、matahaそれらの組み合わせの1つ以上を含む、請求項1に記載の物品。
  20. 前記官能層が、該官能層の重量を基に、約0.1重量%未満の有機ホスホネート、有機ホスホン酸、ホスホン酸、ホスホネート、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の物品。
  21. デバイスであって:
    熱供給源、
    表面を有し、そして電着された銅箔または銅合金箔を備える基体;
    該表面に共有結合された少なくとも1つの有機ホスホネートまたその塩を含む接着層;および
    該接着層に結合された少なくとも1つのポリマーを含む官能層、を備え、
    ここで、該熱供給源が、該基体と熱接触している、デバイス。
  22. デバイスであって:
    電子構成要素、
    表面を有し、そして電着された銅箔または銅合金箔を備える基体;
    該表面に共有結合された少なくとも1つの有機ホスホネートまたその塩を含む接着層;および
    該接着層に結合された少なくとも1つのポリマーを含む官能層、を備え、
    ここで、該電子構成要素が、該基体と電気接触している、デバイス。
  23. 物品を生産する方法であって:
    a)表面を有し、そして電着された銅箔または銅合金箔を備える基体を提供する工程;
    b)該基体の表面を、有機ホスホン酸、ホスホン酸、その共役塩基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのホスホン酸部分を含む組成物と接触させる工程であって、該表面に共有結合された有機ホスホネートまたはその塩の少なくとも1つを含む接着層を形成する工程;
    c)該接着層を少なくとも1つのポリマーと接触させる工程であって、該ポリマーを該接着層に共有結合し、そして官能層を形成する工程;および必要に応じて
    d)該接着層をポリマーと接触させる工程の後に、該ポリマーを硬化する工程、該ポリマーを乾燥する工程、該ポリマーを加熱する工程、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の工程、を包含する、方法。
  24. 前記工程c)が、前記接着層上に前記ポリマーを電気泳動により堆積する工程を包含し、ここで、形成される前記官能層が、誘電性層またはポリエポキシドコーティングを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記接着層をポリマーと接触させる工程の前に、該接着層を加熱する工程、該接着層から前記組成物の過剰の部分を除去する工程、該接着層を乾燥する工程、該接着層を硬化する工程、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの工程をさらに包含する、請求項23に記載の方法。
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