本発明の課題は、冷却材料をより少ない手間と費用で使用場所へ移送して、使用場所において確実かつエネルギ的に効率よく冷却することを可能にする、装置を提供することである。
この課題は、本発明によれば、冷却材料用の収容部を有するラックを収容するための冷却ステーションによって解決され、その場合に冷却ステーションは、ラックを通る循環空気流を発生させるための、少なくとも1つの送風機と、循環空気流を冷却するための、少なくとも1つのクーラーとを有しており、かつその場合に冷却ステーションがハウジングを有し、そのハウジングが、ラックを収容するための収容室を、少なくとも3つの側において包囲している。
収容室内に収容されたラックは、冷却ステーションのハウジングによって、より暖かい周囲に対して、少なくとも3つの側において、たとえば左、後ろおよび右へ向かって、隔絶されているので、冷却材料は、より暖かい周囲からの熱供給に対して保護されている。
さらに、ラックとそれに収容された冷却材料を貫流する、冷却された循環空気流によって、ラックの上方およびラックを通して冷却空気ベールがかけられ、その冷却空気ベールによって、冷却材料は、残りの側において、より暖かい周囲から隔絶される。
冷却空気ベールによって隔絶された側において、ラックとそれに収容された冷却材料は、自由に接近することができるので、人間工学的な作業およびラックからの冷却材料の容易な取出しが可能である。
冷却材料を収容するためのラックは、単に機械的な支持機能を有するだけであり、従って、極めて簡単に構成することができる。特に、このラックは、電気的なコンポーネントも、何らかの冷却装置も、持つ必要がない。
冷却ステーションの収容室内へ挿入する前に、ラックとそれに収容された冷却材料は、たとえば保冷室または保冷ハウス内に保管することができる。
それによって、冷却材料の保管の間も、それ以降の使用、特に小分け、の間も、冷却連鎖が中断されないことが、保証される。
本発明に基づく冷却ステーションの好ましい形態においては、冷却ステーションをフレキシブルに使用し、たとえば食物移送バンドの種々の箇所に位置決めすることができるようにするために、冷却ステーションは、走行可能である。
冷却ステーションが走行可能であることは、たとえば、冷却ステーションにキャスターが設けられていることによって、達成することができる。
ラックに収容された冷却材料は、冷却ステーションのハウジングが、ラックを収容するための収容室を少なくとも3つの側において包囲している場合に、周囲からの熱供給に対して特に効果的に保護されている。
冷却ステーションの収容室を包囲するハウジング壁は、好ましくは断熱材を有している。
冷却ステーション内へ挿入されたラックの上方に冷却空気ベールを発生させるために必要とされる場合にだけ、冷却された空気流が発生されるようにするために、冷却ステーションがスイッチを有しており、冷却ステーション内へラックが挿入された場合に、そのスイッチが自動的にラックを通る冷却された循環空気流の発生を作動させると、効果的である。
この種のスイッチは、特に、磁気スイッチとして形成することができる。
特に、スイッチがリード接点を有することができ、そのリード接点は、冷却ステーションの収容室内へラックが挿入された場合に、ラックに配置されている磁石の存在に基づいて、電気的な接点を閉成し、それによって循環空気冷却装置、特に送風機とクーラー、を作動させる。
原則的に、クーラーは、任意の方法で構成することができ、かつクーラーの冷却作用は、任意の方法で達成することができる。たとえば、クーラーは、冷熱アグリゲートの蒸発器として形成することができる。
しかし、本発明の好ましい形態においては、クーラーは熱交換器として形成されており、その熱交換器が冷側に、多相の流動性の冷媒を有している。
特に、液体相内に浮遊する固体の氷相を有することができる、多相の冷媒は、流動的であり、特にポンピングすることができ、従って外部の冷媒源から冷却ステーションへ供給することができるので、冷却ステーションの内部に、冷熱アグリゲートを設ける必要がない。
多相の冷媒は、循環空気流から熱を吸収し、冷媒の固体相の一部が溶融されることにより、その熱を潜熱へ変換することができ、その場合に冷媒の温度は、いずれにせよ、冷媒の固体の相が完全に溶融されない間、変化することはない。
この種の潜冷媒は、比較的高い固有エネルギ密度を有している。
冷却ステーションのクーラーの冷側に、定められた溶解温度を有する、多相の冷媒を使用することによって、循環空気流の温度制御を省くことができる。
原則的に、熱交換器の冷側は、冷媒貯蔵タンクとして形成することができ、その中で一度充填された冷媒は、その熱吸収容量が使い尽くされるまで、静止している。
しかし、本発明の好ましい実施形態においては、冷却ステーションには、クーラーを通して冷媒を循環させる装置が対応づけられている。それによって、熱交換器の冷側は、常に、特に高い熱吸収容量を有することができる。
さらに、好ましくは、冷却ステーションは、少なくとも1つの冷媒導管によって、外部の冷熱源、および/または、外部の冷熱シンクと接続することができる。
それによって、多相の流動性の冷媒は、外部の冷媒源から引き出すことができ、冷却ステーション自体で形成され、あるいは再生される必要はない。さらに、使用済みの冷媒は、外部の冷媒シンクへ放出することができる。
好ましくは、少なくとも1つの冷媒導管が、フレキシブルに形成されている場合に、冷却ステーションは外部の冷媒源に対して、ないしは外部の冷媒シンクに対して、様々な位置に配置することができ、それが、冷却ステーションの使用柔軟性を向上させる。
さらに、好ましくは、多相の流動性の冷媒は、バイナリアイスである。
バイナリアイス(フローアイスまたはスマートアイスとしても知られる)は、固体の相と液状の水/アルコール相(従って、氷点を低下させる材料として水とアルコールを含む)からなり、その水/アルコール相内に氷相が浮遊している、流動可能かつポンピング可能な2相の混合物である。
氷相の溶融温度は、使用されるアルコールの種類(たとえばエタノール)および選択されるアルコール割合に依存している。
このバイナリアイスが、循環空気流を冷却するために使用される場合に、バイナリアイスは、循環空気流から熱を吸収し、バイナリアイスの氷相の一部が溶融されることにより、その熱を潜熱に変換し、その場合にバイナリアイスの温度は、いずれにせよバイナリアイスの氷相が完全に溶融されるまでの間は、変化しない。
バイナリアイスは、この特性に基づき、かつそれがポンピング可能であることに基づいて、本発明に基づく冷却ステーション内で潜冷媒として使用するのに、理想的に適している。
バイナリアイスは、その固体成分によって、比較的高い固有エネルギ密度を有している。
冷却ステーションの収容室内に収容されたラックを通る循環空気流を発生させるために、冷却ステーションは、冷却された循環空気をラック内へ吹き出すための少なくとも1つの吹出し開口部を有することができる。
さらに、冷却ステーションは、ラックから循環空気を吸い出すための、少なくとも1つの吸出し開口部を有することができる。
請求項15は、本発明に基づく冷却ステーションと少なくとも1つのラックとの組合せに向けられており、そのラックは、冷却材料のための収容部を有し、かつ冷却ステーションの収容室内へ、冷却ステーションがラックを少なくとも3つの側において包囲するように、挿入することができる。
この種のラックは、好ましくは、たとえば冷却室から冷却ステーションへ移動させるために、走行可能である。
この走行可能性は、特に、ラックにキャスターが設けられていることによって、達成することができる。
冷却ステーションの収容室内へ挿入されたラックの収容部から操作者が冷却材料を取り出す際に、人間工学的な作業を可能にするために、冷却ステーションの収容室内へ挿入されたラックが、冷却材料の収容部から冷却材料を取り出すために、少なくとも1つの側から接近可能であると、効果的である。
特に、ラックに収容された冷却材料に自由に接近するために、冷却ステーションの収容室内に挿入されたラックが、冷却材料のための収容部から冷却材料を取り出すために、少なくとも2つの側において、たとえば前からと上から、接近可能であると、効果的である。
ラックの冷却材料の冷却は、ラックが収容室によって完全に収容されるように、冷却ステーションの収容室がラックの形状に適合されている場合に、特に効率的に行うことができる。
ラックは、ラックの収容部が、ガストロノーム容器を収容するように形成されている場合に、特に簡単な方法で冷却材料を装着することができる。
ラックの収容部に収容された冷却材料は、好ましくは食物、および/または、飲料を含んでいる。
本発明の好ましい形態においては、ラックは、棚ワゴンとして形成されており、それに食物容器、飲料容器またはタブレットを懸架することができる。
本発明に基づく冷却ステーションおよび、本発明に基づく冷却ステーションと次のようなラック、すなわち冷却材料のための収容部を有し、かつ冷却ステーションがラックを少なくとも3つの側において包囲するように、冷却ステーションの収容室内へ挿入することができるラック、からなる、本発明に基づく組合せは、特に大規模キッチンの小分けシステムのコンポーネントとして使用するのに適している。
この種の小分けシステムは、冷却ステーションと冷却ステーションにドッキング可能な容器の他に、他のコンポーネント、特に食物移送バンド、少なくとも1つの走行可能なディスペンサおよび、走行可能なディスペンサに適合された、ディスペンサの収容室の循環空気冷却のために、走行可能なディスペンサをドッキングさせるためのドッキングスペースを有する、中央の冷却ステーション、を有することができる。
本発明に基づくコンセプトは、冷却材料を装着されたラックを、任意の置き場所から冷却ステーションへ移動させることができ、ラックと一緒に何らかの冷却装置を移動させる必要がない、という利点を提供する。
従って、ラックは、比較的大きい装填容量において、小型、軽量かつハンディに形成することができる。
ラックに冷熱アグリゲートが必要とされないことによって、ラックは、廃熱を発生させない。従って、ラックの周囲は、逃がすべき廃熱によって負担を受けない。
ラックは、小分けの間、冷却ステーションの収容室内でさらに保冷され、冷却ステーションの周囲を冷却する必要はなく、操作者は冷熱にさらされない。
小分け前に、ラックは、冷却室または冷却ハウス内に格納することができ、そこでそれに配置されている冷却材料と共に冷却される。
その場合に、冷却材料は、ガストロノーム容器に入れて場所をとらずにラックに収容することができる。
ラックは、それに配置されているガストロノーム容器と共に、小分けのために、冷却された食物移送バンド内にある冷却ステーション内へ移動される。そこから、食物がラックから小分けされ、その場合に冷却材料は温まらないように、冷却ステーションによって保護される。
冷却ステーションのクーラーからの冷熱は、循環空気冷却によって冷却ステーションの収容室内の冷却材料へピンポイントで供給されるので、この種の冷却ステーションが配置されている小分けセンターの大きい領域は、冷却されないままにすることができる。これが、エネルギを節約し、かつ小分けセンターの操作者が冷熱にさらされることを防止する。
循環空気流を冷却するためにバイナリアイスを使用する場合に、冷却ステーションの収容室内で得られる温度は、クーラーの設計が正確であって、冷却需要とクーラー出力の比が適切であり、かつバイナリアイス温度が約−3℃である場合に、常に0℃と10℃の間にある。
従来の液状の冷媒に比較してバイナリアイスのエネルギ密度が高いことに基づいて、バイナリアイスを使用する場合に、著しく少ない体積流をクーラーを通して循環させれば済み、それが、システムのエネルギ収支にポジティブに作用する。
本発明に基づく冷却ステーションを用いて、冷却ステーションの収容室内の冷却材料の温度は、保持することも、低下させることもできる。
ラックの循環空気冷却が、必要な場合に、すなわちラックが冷却ステーション内へ挿入された場合に、初めて開始されると、特に効果的である。
冷却ステーションの収容室内の冷却材料は、循環空気が直接流れ付き、従って極めて効率的な方法で冷却されるので、短い冷却サイクルを実現することができる。
ラックは、小型かつ扱いやすく形成することができる。というのは、専用の冷却技術を持たないからである。
冷却ステーションの収容室内にラックが挿入されていないために、冷却需要が存在しない場合には、冷却ステーションの循環空気冷却は、スイッチを用いてオフにされる。
多相の流動性の冷媒としてバイナリアイスを使用することは、この冷媒が循環空気からの熱を潜熱として吸収し、それによって冷却ステーションのクーラー内の冷側で常に、食品の冷却に最適な、約−3℃の温度が支配し、そのために温度制御は必要とされず、それが本発明に基づく冷却ステーションの極めて簡単な構造を可能にする、という利点を提供する。
冷却ステーション内へ挿入されたラックを、永続的に冷却しようとする場合にのみ、サイクリックな霜取りが駆動されなければならない。
バイナリアイスの冷却作用を損なうことなしに、バイナリアイスによって吸収することができる熱エネルギは、相遷移のない冷媒の場合よりも、ずっと大きい。従って、循環空気の冷却に必要な、冷却ステーションのクーラーを通る冷媒の体積流は、バイナリアイスを使用する場合に、ずっと少なくなる。
それにもかかわらず、バイナリアイスの代わりに、他の流動性の冷媒、たとえば相遷移のない水−ゾル−混合物または従来の単相の冷凍剤も、循環空気を冷却するために使用することができる。
本発明に基づく冷却ステーションは、特に、集団給食、特にセントラルキッチン、大規模クリニックにおいて食物を小分けする際に使用するのに適している。
本発明の他の特徴および利点が、実施例の以下の説明および図面表示の対象である。
すべての図において、同一または機能的に等価の部材は、同一の参照符号で示されている。
図1に全体を示す、大型キッチン内で料理、および/または、飲み物を小分けするための小分けシステム100は、循環空気冷却される料理移送ベルト102を有しており、その通過方向が矢印104で示されている。
始端領域(図1の表示において下)において、場所108にいる操作者によってタブレットスタックワゴン110から取り出されたタブレットが、料理移送ベルト102上に載せられて、サービスワゴン112から冷却されていない料理、飲み物または食器類がセットされる。
料理移送ベルト102によって通過方向104に移送されるタブレット上に、場所114にいる操作者によって、料理移送ベルト102の脇にある、走行可能なディスペンサ116から、冷却された料理、飲み物、および/または、食器類が載せられ、そのディスペンサの上方の接近開口部118は自由に接近できる。
料理移送ベルト102の通過方向104に沿ってさらに移送されるタブレット上に、場所120にいる操作者によって、低い棚ワゴン122に懸架されているガストロノーム容器から料理が取り分けられる。
低い棚ワゴン122は、低い可動の冷却ステーション124内へ挿入されており、その冷却ステーションは、低い棚ワゴンを通る冷却された循環空気流を発生させる。
料理移送ベルト102の通過方向104にさらに移送されるタブレット上に、場所126にいる操作者によって、第2の走行可能なディスペンサ116’から他の料理、飲み物、および/または、食器が載せられ、そのディスペンサの上方の接近開口部18は自由に接近できる。
料理移送ベルト102の通過方向にさらに移送されるタブレット上に、場所128にいる操作者によって、高い棚ワゴン130に懸架されているガストロノーム容器から冷たい料理が取り分けられる。
高い棚ワゴン130は、高い可動の冷却ステーション132内へ挿入されており、その冷却ステーションが、高い棚ワゴン130を通る冷たい循環空気を発生させる。
料理移送ベルト102の終端部分134内で、配膳済みのタブレットが、場所136にいる操作者によって料理移送ベルト102から取り出されて、バイナリアイス*によって予冷されたタブレット移送ワゴン138の収容チャンバ内へ挿入される。
料理移送ベルト102から距離をもって、中央の冷却ステーション140が配置されており、これは、走行可能なディスペンサ116をドッキングさせるための、複数の、たとえば5つのドッキングスペース142を有しており、その場合に中央の冷却ステーション140は、それぞれドッキングされた、走行可能な各ディスペンサ116を通る、冷たい循環空気流を発生させる。
冷却または保冷のために必要な冷熱源が、特にバイナリアイスの形式の、多相の、流動性の冷媒を用いて、小分けシステム100のすべての冷却する部材へ供給される。
小分けシステム100のバイナリアイス供給システム144は、図2に図式的に示され、かつプロセスタンク146を有しており、そのプロセスタンクは、バイナリアイスのためのメイン貯蔵器として用いられ、かつその中でバイナリアイスが動力的に駆動されるロータ148によって連続的に循環され、それによってプロセスタンク146内でできる限り均質のバイナリアイス混合物が得られる。
一次循環150内で、プロセスタンク146からバイナリアイスが、一次ポンプ152によって、動力駆動されるミキサー156を備えた製氷器154へ給送され、かつそこから再びプロセスタンク146内へ給送され、そのミキサーが同時に製氷器154の内壁から凍り付いた霜を掻き取る。
製氷器154は、従来の冷熱源発生装置158を用いて冷却され、その冷熱源発生装置は、冷媒圧縮器162、凝縮器164およびリリーフ絞り166を備えた冷媒循環160を有している。
冷熱源発生装置158から供給された冷熱源によって製氷器154内で形成されて、プロセスタンク146内に貯蔵されているバイナリアイスは、二次循環168内で循環されて、そこから低い可動の冷却ステーション124、高い可動の冷却ステーション132および中央の冷却ステーション140のローカルな負荷循環174へ放出される。このローカルな負荷循環174から、溶けたバイナリアイスが、二次循環168によって吸収されて、プロセスタンク146内へ給送される。
二次循環168は、循環導管170を有しており、その循環導管は、プロセスタンク146から始まって、低い可動の冷却ステーション124と高い可動の冷却ステーション132の設置場所を料理移送ベルト102に沿って通過して、そこから中央の冷却ステーション140へ通じて、プロセスタンク146内へ戻る。循環導管170内に、二次ポンプ172が配置されており、その二次ポンプがバイナリアイスをプロセスタンク146から循環導管170を通して循環させる。
負荷循環174の各々は、循環導管170から分岐する分岐導管176を介して循環導管に接続されており、分岐導管は、3ルート弁の第1の入口178に接続されている。
3ルート弁180の出口182から、それぞれバイナリ送り導管184が、それぞれの冷却負荷、たとえば低い可動の冷却ステーション124の、バイナリアイス送り接続端へ通じている。
それぞれの負荷の内部に、導管システムが設けられており、その導管システムが、バイナリアイスをバイナリ送り接続端から冷却負荷、特にクーラーを通して案内して、それぞれの負荷のバイナリ還流接続端へ戻す。
バイナリアイス還流接続端は、バイナリアイス還流導管186に接続されており、それが分岐188へ通じている。
分岐188から、バイナリアイス還流導管190が3ルート弁180の第2の入口へ通じているので、閉成された負荷循環174が生じる。
さらに、分岐188から、バイナリアイス導出導管192が、二次循環168の循環導管170へ戻るように通じている。
二次循環168からそれぞれの負荷循環174へフレッシュなバイナリアイスを供給するために、その時の3ルート弁180が、3ルート弁180の第1の入口がその出口と接続される状態へ切り替えられるので、フレッシュなバイナリアイスが分岐導管176を介してバイナリアイス送り導管184内へ達する。
バイナリアイス送り導管184内に、ポンプ194が配置されており、そのポンプがバイナリアイスをバイナリアイス送り導管184からそれぞれの負荷、たとえば低い可動の冷却ステーション124内へ給送する。
負荷循環174のこの充填状態において、3ルート弁180の第2の入口は閉鎖されているので、分岐導管172を介してのフレッシュなバイナリアイスの供給と同時に、使用されて溶けたバイナリアイスがバイナリ導出導管192を通って二次循環168の循環導管170内へ、そしてそこからプロセスタンク146内へ戻るように移送される。
所望の量のフレッシュなバイナリアイスが負荷循環174へ供給された場合に、3ルート弁180は、その第2の入口が出口と接続されて、3ルート弁180の第1の入口178が閉鎖される状態へ切り替えられる。
この状態において、バイナリアイスは、閉成された負荷循環174内でポンプ194によってそれぞれの負荷、たとえば低い可動の冷却ステーション124を通して循環される。
3ルート弁180の、その2つの状態間の切替えは、たとえば温度センサの信号に基づいて作動させることができ、その温度センサは、冷却負荷の内部の温度または負荷循環174の箇所におけるバイナリアイスの温度を測定する。
負荷循環174の分岐188は、二次循環168の循環導管170よりも低い位置にあるので、負荷循環174が3ルート弁180によって閉鎖されており、かつバイナリアイスが分岐188からバイナリアイス還流導管190を通してバイナリアイス送り導管184内へ戻ることができる間は、重力作用に基づいて負荷循環174からバイナリアイスは二次循環168の循環導管170内へ実質的に流出しない。
低い可動の冷却ステーション124、高い可動の冷却ステーション132および中央の冷却ステーション140の負荷循環174は、すべて実質的に等しく構成されており、上述したように機能する。
可動の冷却ステーション124と132へ通じるバイナリアイス送り導管184とバイナリアイス還流導管186は、可動の冷却ステーション124と132を二次循環168の循環導管170に対して異なる位置に配置することができるようにするために、好ましくはフレキシブルに形成されている。
上述した冷却負荷の他に、さらに他の負荷196、たとえば料理移送ベルト102、他の冷却される小分けベルトまたは移送ベルト、1つまたは複数の冷却室、1つまたは複数の冷蔵庫などに、負荷循環174によって循環するバイナリアイスを供給し、それぞれ分岐導管176とバイナリアイス導出導管197を介して二次循環168の循環導管170と接続することもできる。
中央の冷却ステーション140の構造を、図7から7を参照しながら、以下で詳細に説明する。
中央の冷却ステーション140は、図5と6に示すような、それぞれ走行可能なディスペンサ116をドッキングさせるための、複数のドッキングスペース142を有している。
その場合に、たとえば図1と2に示すように、複数の、たとえば5つの、ドッキングスペース142を、線形に並べて配置することができる。
図1と2においては、ドッキングスペース102のそれぞれ3つが、ドッキングされたディスペンサ116によって占められており、他の2つのドッキングスペース142は、空いている。
それぞれ2つのドッキングスペース142を背中合わせにセットすることも可能であるので、ドッキングスペースに互いに対して逆方向からそれぞれのディスペンサ116を運び込むことができ、これが図3において、たとえば全部で6つのドッキングスペース142について示されており、そのそれぞれ2つがペアで背中合わせにセットされている。
図4から最も明らかであるように、中央の冷却ステーション140の各ドッキングスペース142は、土台上に中央の冷却ステーション140を支持する支柱200と、実質的に水平かつ中央の冷却ステーション140の長手方向230に対して横方向に延びる横支持体202とを備えた支持フレーム198を有しており、その横支持体が、ドッキングスペース142へ走行して来るディスペンサ116のためのガイド装置として用いられる。
実質的に水平かつ横支持体202に対して垂直に延びる2つの縦支持体204が、実質的に直方体形状のハウジング206を支持しており、そのハウジングは、底壁208、垂直の背壁210、垂直の前壁212、図示されない垂直の側壁および垂直の天井壁214を有している。
ハウジング206のすべての壁には、それぞれ金属の薄板からなる内装216と外装218および内装216と外装218の間に配置された断熱材220が設けられている。
それぞれドッキングされるディスペンサ116へ向いた前壁212は、空気入口224の形式の、第1のドッキング箇所222と、その下にある、空気出口228の形式の、第2のドッキング箇所226を有している。
2つのドッキング箇所222、226は、それぞれ実質的に矩形の、中央の冷却ステーション140の長手方向230に延びる空気通過開口部を有しており、その空気通過開口部は、該当するドッキングスペース142にディスペンサ116がドッキングされていない時は、それぞれ閉鎖フラップ232によって閉鎖可能である。
閉鎖フラップ232の各々は、ハウジング206に、水平かつ中央の冷却ステーション140の長手方向230に対して平行に延びる回転軸を中心に次のように、すなわち閉鎖フラップ232が、図4に示す、閉鎖フラップ232がそれぞれのドッキング箇所222ないし226の通過開口部を閉鎖する閉鎖位置から、図7に示す、閉鎖フラップ232がそれぞれのドッキング箇所222ないし226の通過開口部を解放する開放位置へ回転することができるように、回転可能に保持されている。
ディスペンサ116がドッキングする場合に、閉鎖フラップ232が自動的に閉鎖位置から開放位置へ回動されるようにするために、各閉鎖フラップ232には、閉鎖フラップ232の長手方向に互いに隔てられた、それぞれ2つの操作突出部234が設けられており、その操作突出部は、閉鎖フラップ232の閉鎖状態においては、空気通過開口部の開放断面を越えて少し外側へ張り出しており、ディスペンサ116がドッキングスペース142の前壁212へ向かって移動された場合に、ディスペンサ116によってハウジング206の内部空間内へ押しやられる(図6と7を参照)。
操作突出部234がこのように押しやられることによって、それぞれの閉鎖フラップ232は、その回転軸を中心に閉鎖位置から開放位置へ回動される。
走行可能なディスペンサ216が、ドッキングスペース142から除去された場合に、各閉鎖フラップ232は、重力の作用を受けて開放位置から閉鎖位置へ回動して戻り、その閉鎖位置において閉鎖フラップ232は、それぞれ対応づけられたドッキング箇所222ないし226の通過開口部を閉鎖する。
特に図4から明らかなように、各ドッキングスペース142のハウジング206の内部において、上方の第1のドッキング箇所222と下方の第2のドッキング箇所226の間に、空気案内薄板236、送風機238およびクーラー240が配置されている。
クーラー240は、熱交換器として形成されて、熱交換パイプを有しており、その熱交換パイプは冷側でバイナリアイスを充填されており、そのバイナリアイスが、中央の冷却ステーション140に対応づけられた負荷循環174内で中央の冷却ステーション140を通して循環される。
その場合に、種々のドッキングスペース142のクーラー240は、互いに直列または並列に接続することができる。
クーラー240において形成された復水を、ドッキングスペース142のハウジング206から導出して集めることができるようにするために、ハウジング206の底に受水槽242が配置されており、その底面は収集パイプ244の連通開口部へ向かって傾斜されており、その場合に収集パイプ244は、ハウジング206の底壁208を通して、支持フレーム198に懸架されている復水収集容器246内へ延びており、その復水収集容器は、たとえばガストロノーム−料理容器として形成することができる。
中央の冷却ステーション140のドッキングスペース142にドッキング可能なディスペンサ116は、図5に詳細に示され、走行可能な容器247として形成されており、実質的に直方体形状の、断熱性のハウジング248を有しており、そのハウジングの下側にキャスター250が設けられており、そのキャスターによってディスペンサ116が土台上で走行することができる。
ハウジング248によって包囲される、冷却材料を収容する収容室252は、冷却材料を収容室252内へ挿入し、あるいは収容室252から取り出すために、ディスペンサ116の上側に設けられた接近開口部118を介して接近することができる。
この上方の接近開口部118は、ハウジング248上にかぶせることができる、断熱性の閉鎖カバー254によって閉鎖することができる。
収容室252内には、冷却材料を支持するステージ256が配置されており、そのステージは、複数の垂直のガイドバー258に接して高さ方向にスライド可能に案内されている。
ディスペンサ116がドッキングされた状態において、ディスペンサ116のハウジング248の、中央の冷却ステーション140のドッキングスペース142へ向いた前壁260には、空気出口254の形式の第1のドッキング箇所262と、その下に位置する、空気入口268の形式の第2のドッキング箇所266が設けられている。
ディスペンサ116のドッキング箇所262、266の各々は、空気通過通路を有しており、その空気通過通路によって収容室252が、ディスペンサ116のハウジング248の外側と接続されている。
図5に示す実施形態において、この空気通過通路は、恒久的に開放されている。
ディスペンサ116は、食器類、冷たい料理または冷たい飲み物を装備され、次に、そのハウジング248の前壁260を前にして、ドッキングスペース142のハウジング206の前壁212へ向かって移動されることによって、中央の冷却ステーション140の空いているドッキングスペース142にドッキングされる。
走行可能なディスペンサ116をスライドさせ、かつ制御するために、スライドグリップ270が用いられ、そのスライドグリップは、ディスペンサ116のハウジング248の、前壁260とは逆を向いた、背壁272に配置されている。
ディスペンサ116がドッキングスペース142内へ進入する場合に、ディスペンサ116の第1のドッキング箇所262が、ドッキングスペース142の第1のドッキング箇所222と接触し、そしてディスペンサの第2のドッキング箇所266がドッキングスペース142の第2のドッキング箇所226と接触するので、周囲に対して密閉された空気案内通路が形成され、その空気案内通路を通してドッキングスペース242***のハウジング206の内部空間が、走行可能なディスペンサ116の収容室252と接続される。
ドッキングの間、ドッキングスペース142のドッキング箇所222と226の閉鎖フラップ232に設けられた操作突出部234が、ディスペンサ116のドッキング箇所262ないし266によって押しやられるので、閉鎖フラップ132がその閉鎖位置からその開放位置へ移動されて、ディスペンサ116とドッキングスペース142の間の空気案内通路が開放される。
ディスペンサ116がドッキングスペース142にドッキングされている場合に、送風機238によって循環空気流が発生され、その循環空気流は送風機238からクーラー240と第2のドッキング箇所226および266を通って、ディスペンサ116のハウジング248の底壁274とその上方に配置されている底薄板276との間の領域内へ達し、そこからディスペンサ116の背壁272内へ達する。
背壁272の高さ全体にわたって分配されている、空気通過通路278を通して、循環空気が収容室252の高さ全体にわたって収容室252内へ達し、そこにある冷却材料が冷却される。
ディスペンサのハウジング248の前壁の高さ全体にわたって分配されている、空気通過開口部280を通して、収容室252から循環空気がディスペンサ116の前壁260内へ、そしてそこからディスペンサ116の第1のドッキング箇所262とドッキングスペース142の第1のドッキング箇所222を介してハウジング238へ戻り、それによって循環空気循環が閉成されている。
循環空気流が、図6に、矢印282によって図式的に示されている。
その場合に、循環空気の冷却は、熱交換器として形成されているクーラー240内で、クーラー240の冷側を貫流するバイナリアイスへ熱を放出することによって行われる。
冷媒としてバイナリアイスを使用することによって、循環空気冷却の温度制御が必要とされない。バイナリアイスは、ドッキングスペース142のクーラー240を通して恒久的に循環する。
ディスペンサ116は、その中に入れられている冷却材料を料理移送ベルト102へ取り出すために移動されるまで、循環空気冷却が続行する中で、中央の冷却ステーション140のドッキングスペース142に留まる。
ドッキングされた状態において、ディスペンサ116の接近開口部118が、断熱性の閉鎖カバー254によって覆われていることによって、エネルギを節約する冷却駆動が保証される。
料理移送ベルト102においては、通常、ディスペンサ116のそれ以上の冷却は不要である。というのは、冷却材料、特に冷却された食器類は、その高い固有熱容量によって、料理移送ベルト102における小分けの比較的短い期間の間十分に冷たい、すなわち8℃より低い温度に留まるために、十分な冷熱源を貯蔵しているからである。
料理移送ベルト102において小分けするために、接近開口部118を通して収容室252内の冷却材料に接近することができるようにするために、閉鎖カバー254が取り去られる。
図8と9に示す、走行可能なディスペンサ116の第2の実施形態は、上述し、かつ図5と6に示されている実施形態から、第1のドッキング箇所262と第2のドッキング箇所266の空気通過通路が、恒久的に開放しているのではなく、ドッキングを解除された状態においてそれぞれ閉鎖フラップ284によって閉鎖されていることによって、区別される。
閉鎖フラップの各々は、水平かつディスペンサ116のハウジング248の前壁260に対して平行に延びる回転軸を中心に、次のように、すなわち閉鎖フラップ284が図8に示す、閉鎖フラップ284がそれぞれ対応づけられているドッキング箇所262ないし266の空気通過通路を閉鎖する、閉鎖位置から、図9に示す、閉鎖フラップ284が該当する空気通過通路を解放する、開放位置へ回動することができるように、回転可能にハウジング248に保持されている。
ディスペンサ116が中央の冷却ステーション140へドッキングする場合に、閉鎖フラップ284がそれぞれ自動的に閉鎖位置から開放位置へ回動するようにするために、閉鎖フラップ284の各々に、1つまたは複数の操作突出部286が設けられており、その操作突出部は、少なくとも閉鎖状態において、それぞれ対応づけられた空気通過通路の開口断面を越えて少し外側へ張り出しており、ディスペンサ116が中央の冷却ステーション140にドッキングする場合に、それぞれ対応づけられている、中央の冷却ステーション140のドッキングスペース142のドッキング箇所222ないし226によって、ディスペンサ116の内部空間内へ押し込まれ、それによってそれぞれの閉鎖フラップ284が自動的に閉鎖位置から開放位置へ回動される。
ディスペンサ116がドッキングスペース142からドッキング解除される場合に、閉鎖フラップ284は、重力の作用に基づいて再び開放位置から閉鎖位置へ回動して戻るので、ディスペンサ116が中央の冷却ステーション140からドッキング解除された場合に、ディスペンサ116のドッキング箇所262、266の空気通過通路が閉鎖される。
その他において、図8と9に示す実施形態は、構造と機能に関して、図5と6に示す実施形態と一致し、その限りにおいて上述したその説明が参照される。
閉鎖フラップ284を有するディスペンサ116のこの第2の実施形態は、同様にそのドッキング箇所222、226に閉鎖フラップ232を有している、中央の冷却ステーション140と、あるいはまたその空気入口224と空気出口228が恒久的に開放している、代替的な中央の冷却ステーション140と共に、使用することができる。
図10に示す、走行可能なディスペンサ116の第3の実施形態は、上述した2つの実施形態から、金属薄板被覆と、被覆の内部空間内に配置されている断熱材からなる不透明な閉鎖カバー254の代わりに、透明な材料から、たとえばプレキシガラスからなる閉鎖カバー254’が、ディスペンサ116のハウジング248上にかぶせられており、それによって中央の冷却ステーション140にドッキングされた状態においてその上方の接近開口部118が閉鎖されることによって、区別される。
透明な閉鎖カバー254’の使用は、閉鎖カバー254’を通して見ることによって、該当するディスペンサ116内にどのような冷却材料が入っているのかを、容易に求めることができるので、複数の走行可能なディスペンサ116が中央の冷却ステーション140にドッキングされている場合に、料理移送ベルト102へ移動させるべき、正しいディスペンサ116を容易に選択することができる、という利点を提供する。
その他において、図10に示す、走行可能なディスペンサの第3の実施形態は、構造と機能において、図5と6に示す実施形態と一致し、その限りにおいて上述したその説明が参照される。
図11と12に示す、中央の冷却ステーション140の第2の実施形態は、図3、4、5、6および7に示す第1の実施形態から、それが付加的に熱絶縁する閉鎖カバー288を有しており、その閉鎖カバーが水平かつ、中央の冷却ステーション140の長手方向230に対して平行に方向づけされた揺動軸290を中心に、ドッキングスペース142のハウジング206の上側に揺動可能に保持されていることによって、区別される。
この閉鎖カバー288は、該当するディスペンサ116が独自の閉鎖カバー254を持たない場合に、中央の冷却ステーション140にドッキングされたディスペンサ116の上方の接近開口部118を閉鎖するために、用いられる。
この種のディスペンサ116のドッキング前に、閉鎖カバー288は、図11に示す開放位置にあって、その開放位置において閉鎖カバー288は、挿入すべきディスペンサ116のためにドッキングスペース142への通路を解放する。
ディスペンサ116のドッキング後に、閉鎖カバー288は、開放位置から、図12に示す閉鎖位置へ揺動され、その閉鎖位置において閉鎖カバー288は、ディスペンサ116のハウジング248上に載置されて、ディスペンサ116の上方の接近開口部118を閉鎖するので、ディスペンサ116の収容室252を通して案内される循環空気は、周囲へ逃げることはできない。
その他において、図11と12に示す、中央の冷却ステーション140の第2の実施形態は、構造と機能に関して、図3、4、5、6および7に示す第1の実施形態と一致し、その限りにおいて上述したその説明が参照される。
高い可動の冷却ステーション132の構造と機能を、以下で図13から18を参照しながら説明する:
高い冷却ステーション132は、熱絶縁する垂直の左の側壁294a、熱絶縁する垂直の右の側壁294b、2つの側壁をその後方の端部において互いに結合する、熱絶縁する垂直の背壁296および、側壁294a、294bと背壁296の上方の端縁上に支持される、熱絶縁する水平の天井壁298を備えた、実質的に直方体形状のハウジング292を有している。
従ってハウジング292は、4つの、すなわち左、右、後ろおよび上の側において、高い棚ワゴン130の形式の走行可能なハウジング302を収容するための収容室300を包囲している。
高い可動の冷却ステーション132のハウジング292は、底壁も前壁も有していないので、収容室300は下と前へ向かって開放しており、高い棚ワゴン130を前から収容室300内へ進入させることができる。
ハウジング292は、その下側に複数の、たとえば4つのキャスター304を有しており、そのキャスターによって高い可動の冷却ステーション132が土台上を走行することができる。
ハウジング292の左の側壁294aは、収容室300へ向いた内側に、吹出し側の空気案内薄板306を有しており、その空気案内薄板が、実質的に側壁294aの高さ全体にわたって延びる複数列の、たとえば2列の、吹出し開口部308を有している。
同様に、ハウジング292の右の側壁294bもその、収容室300へ向いた内側に、吸込み側の空気案内薄板310を有しており、その空気案内薄板は、実質的に右の側壁294bの高さ全体にわたって延びる複数列の、たとえば2列の吸込み開口部を有している。
右の側壁294bの前方の端面に、さらに、スイッチ312が配置されており、そのスイッチによって、後述する、高い可動の冷却ステーション132の循環空気冷却装置をオンないしオフにすることができる。
この種の手動で操作すべきスイッチ312の代わりに、高い可動の冷却ステーション132が、リード接点を備えた磁気スイッチを有することもでき、その磁気スイッチは、棚ワゴン130が入ってきた場合に、棚ワゴン130に配置されている磁石の存在に基づいて電気的な接点を閉成し、それによって高い可動の冷却ステーション132の循環空気冷却装置を作動させる。
高い可動の冷却ステーション132の循環空気冷却装置は、その背壁296内に配置されており、複数の、たとえば4つの循環空気送風機314と、循環空気送風機314の下流に配置されているクーラー316とを有しており、そのクーラーは熱交換器として形成されており、かつ1本または複数本の冷却パイプ318からなるクーラーパケットを有しており、その冷却パイプは、バイナリアイスによって貫流可能であって、バイナリアイス送りパイプ320を介してバイナリアイス送り接続端322に接続され、バイナリアイス還流パイプ324を介してバイナリアイス還流接続端326に接続されている。
バイナリアイス送り接続端322は、右の側壁294bの外側に配置され、クィック閉鎖弁として形成されており、バイナリアイス供給システム144の、高い可動の冷却ステーション132に対応づけられた負荷循環174のバイナリアイス送り導管184と接続することができる。
バイナリアイス還流接続端326は、同様に、右の側壁294bの外側に配置され、クィック閉鎖弁として形成されて、バイナリアイス供給システム144の、高い可動の冷却ステーション132に対応づけられた負荷循環174のバイナリ還流導管186と接続することができる。
高い可動の冷却ステーション132は、キャスター304上で走行可能であるので、高い可動の冷却ステーション132に対応づけられている負荷循環174のバイナリアイス送り導管184とバイナリアイス還流導管186は、高い可動の冷却ステーション132を、バイナリアイス供給システム144の二次循環168の循環導管170に対して様々な位置に配置することができるようにするために、好ましくはフレキシブルに形成されている。
クーラー316の下方において、高い可動の冷却ステーション132のハウジング292の背壁296に、復水収集容器328が懸架されており、それが、クーラー316において凝縮された復水を収容し、かつたとえば、ガストロノーム−料理容器として形成することができる。
高い可動の冷却ステーション132の収容室300内へ挿入すべき、高い棚ワゴン130が、図15に詳細に示されている。
棚ワゴン130は、それぞれ2つの垂直の支持体332と垂直の支持体332を互いに結合する3つの水平の支持体334とから構成されている、第1のフレーム330aと第2のフレーム330bおよび第1のフレーム330aと第2のフレーム330bのそれぞれ垂直の支持体332を互いに結合する、多数の水平の懸架バーを有し、それら懸架バーは、互いに対をなして対向し、かつその懸架バーにタブレット、および/または、料理容器、および/または、飲み物容器を懸架することができる。
高い棚ワゴン130を土台上で走行できるようにするために、垂直の支持体332の下方の端部に、それぞれキャスター350が配置されている。
高い棚ワゴン130は、冷却材料を装着されて、冷却室ないし冷却ハウス内に一次保管される。
小分けするために、高い棚ワゴン130は、それに配置されている冷却材料と共に冷却室ないし冷却ハウスから料理移送ベルト102へ移動されて、高い可動の冷却ステーション132の収容室300内へ引き込まれる。
スイッチ312によって高い可動の冷却ステーション132の循環空気冷却を作動させた後に、循環空気送風機314が循環空気流を発生させ、それがクーラー316によって冷却される。
矢印329によって循環空気流を図式的に示す、図17と18から明らかなように、冷却された循環空気がクーラー316から左の側壁294aへ、そこから吹出し側の空気案内薄板306内の吹出し開口部308を通して収容室300内へ、従って高い棚ワゴン130に懸架されている冷却材料へ、収容室300から吸込み側の空気案内薄板310内の吸込み開口部を通して高い可動の冷却ステーション132のハウジング292の右の側壁294bへ達し、そこから循環空気送風機314へ戻るので、循環空気循環が閉成されている。
このようにして収容室300内で発生された冷風ベールによって、高い棚ワゴン130に懸架されている冷却材料が、暖かい周囲に対して隔絶される。
さらに、収容室300内へ挿入された高い棚ワゴン130は、4つの側で、すなわち左、後方、右および上へ向かって、高い冷却ステーション132のハウジング292の熱絶縁する壁294a、294b、296および298によって、暖かい周囲に対して隔絶されている。
しかし、高い可動の冷却ステーション132の前側から、高い棚ワゴン130は冷却材料を取り出すために操作者によって自由に接近することができるので、人間工学的な作業が可能である。
図19から21に示す、低い可動の冷却ステーション124は、図13から18に示す、高い可動の冷却ステーション132から次のように、すなわちそれが天井壁を持たないので、低い可動の冷却ステーション124が、低い可動の冷却ステーション124の収容室300内へ挿入すべき、低い棚ワゴン122を、3つの側、すなわち左、右および後方の側からだけ包囲し、挿入された棚ワゴン122は、前と上へ向かっては、冷却材料を取り出すために、操作者によって自由に接近できることによって、区別される。
さらに、低い可動の冷却ステーション124においては、冷却された循環空気は、両方の側壁294aと294bに設けられた吹出し開口部338を通して収容室300内へ、従って棚ワゴン122が挿入されている場合には、冷却材料上へ吹き出されて、背壁206の内側に設けられた吸込み開口部340を通して吸い出される(循環空気流が矢印329によって図式的に示されている、図21を参照)。
従って、低い冷却ステーション124のハウジング292の背壁296内に、それぞれ循環空気送風機とクーラーとを有する2つの循環空気冷却装置、すなわち吸込み開口部340と左の側壁294aの吹出し開口部338の間の循環空気冷却装置と、吸込み開口部340と右の側壁294bの吹出し開口部338の間の循環空気冷却装置、が存在している。
低い可動の冷却ステーション124内へ挿入すべき低い棚ワゴン122が、図20に詳細に示されており、かつ、それぞれ2つの水平の支持体344と水平の支持体344を互いに結合する4つの垂直の支持体346とから構成される、第1のフレーム342aと第2のフレーム342bおよび第1のフレーム342aと第2のフレーム342bを互いに結合する、多数の懸架バー384を有しており、それら懸架バーは、互いにそれぞれ対をなして対向し、かつタブレット、料理容器、および/または、飲み物容器を懸架するために用いられる。
棚ワゴン122は、その下側に4つのキャスター350を有しており、そのキャスターによって棚ワゴン122が土台上で走行することができる。
棚ワゴン122は、その上側に、タブレット、料理容器、および/または、飲み物容器を水平に対して傾斜した位置で載置するための、水平に対して傾斜した支持フレーム354を備えたスタンド352を支持しており、それが冷却すべき料理、および/または、飲み物を、支持フレーム354に支持された容器から取り出すことを容易にする。
その他において、図19から21に示す、低い可動の冷却ステーション124は、構造と機能に関して、図13から18に示す、高い可動の冷却ステーション124と一致し、その限りにおいて上述したその説明が参照される。