JP2010500196A - 刷版取付けプロセス中の版胴の汚染を防止するための方法及び装置 - Google Patents

Abstract

本発明の好適な実施形態において、印刷機（１１０）は、版胴（１１６，１１８）と、ブランケット胴（１２４，１２６）と、版胴をブランケット胴（１２４，１２６）に対して対向した可動な関係で取り付けるための支持装置（１１２，１１４）とを有している。付勢装置（１３６）は、ニップ（１３２）を形成するために版胴（１１６，１１８）及びブランケット胴（１２４，１２６）を互いに向かって付勢するように配置及び構成されている。本発明の特徴によれば、停止部材（１５０）は、版胴（１１６，１１８）とブランケット胴（１２４，１２６）との間の最小限の間隔を維持するように配置及び構成されている。

Description

オフセット印刷運転において、版胴は、対向したブランケット胴と回転接触している。版胴は、印刷されるべき印像を含んだ表面を有する刷版を支持し、ブランケット胴はブランケットを支持している。印像は、インキ着けされ、対向した胴が回転している間に、インキ着けされた印像として、版胴とブランケット胴との間のニップにおいてブランケット胴上のブランケットに転移させられる。ブランケット胴上のブランケットは、次いで、インキ着けされた印像を、印刷される材料、例えば回転するブランケット胴によって搬送される紙のウェブに転移する。

印刷ジョブを変更するために、版胴によって支持された刷版を交換するために、刷版取付けプロセスが行われる。オフセット印刷機における刷版取付けプロセスの間、版胴からの刷版の取り外しは、新たな刷版を挿入する前に、版胴の表面を一時的に対向したブランケット胴と直接に接触させる。これは、版胴の表面を汚染するおそれがある。版胴表面の汚染は版胴及びブランケット胴それぞれの耐用寿命を減じ、ひいてはオフセット印刷運転全体の効率及び費用対効果を減じる。

発明の概要
本発明は、刷版取付けプロセスの間の版胴の汚染を防止するための方法及び機構を提供する。

本発明の好適な実施形態において、印刷機は、版胴と、ブランケット胴と、版胴をブランケット胴に対して向き合った可動な関係で取り付けるための支持装置とを有する。ニップを形成するために版胴とブランケット胴とを互いに向かって付勢するために付勢装置が配列及び構成されている。本発明の特徴によれば、版胴とブランケット胴との間の最小限の空間を維持するために停止部材が配列及び構成されている。

本発明の別の実施形態において、オフセット印刷機において刷版取付け操作を行うための方法は、版胴とブランケット胴との間にニップを形成するように版胴を対向したブランケット胴に向かってこのブランケット胴と係合するように付勢するステップを含んでおり、版胴は、この版胴に取り付けられた刷版を有しており、ブランケット胴は、このブランケット胴に取り付けられたブランケットを有している。本発明の特徴によれば、刷版は版胴から取り外され、刷版の取外し時に版胴とブランケット胴のブランケットとの間の空間を維持するステップが行われる。

本発明の第３の実施形態によれば、オフセット印刷機において刷版を版胴に装着する方法は、版胴とブランケット胴上のブランケットとの間に最小限の空間を維持しながら版胴を、ブランケットを有する対向したブランケット胴に向かってこのブランケット胴と係合するように付勢するステップと、刷版の一方の端部を版胴上のギャップに挿入し、刷版とブランケットとの間にニップを形成するように、付勢された版胴とブランケット胴とを回転させることによって、刷版を版胴に装着するステップとを含んでいる。

刷版取付けプロセスの間の、従来のオフセット印刷機の側面図である。 本発明の特徴に従って行われる、刷版取付けプロセスの間の、オフセット印刷機の側面図である。 版胴が３時位置にある場合の、図２のオフセット印刷機の側面図である。 本発明の特徴による調節可能なストッパを示すための、例示のための、版胴及びブランケット胴が省略された、図２のオフセット印刷機の側面図である。 図４の調節可能なストッパの別の図である。

好適な実施形態の詳細な説明
ここで図面、最初に図１を参照すると、刷版取付けプロセス中の従来のオフセット印刷機の側面図が示されている。印刷ユニット１０は回動可能な刷版支持アーム１２，１４を有しており、それぞれの刷版支持アームは、個々の版胴１６，１８の端部を回転可能に取り付けるように配置されている。１対のブランケット胴２４，２６のそれぞれは、支持構造体２８，３０によって回転可能に支持されており、版胴１６，１８のうちの対応する１つと回転係合している。回動可能な支持アーム１２，１４及び支持構造体２８，３０の配列によって提供される係合は、技術上よく知られているように、インキ着けされた印像を、版胴１６，１８のそれぞれによって支持された刷版から、対応するブランケット２４，２６のそれぞれによって支持されたブランケットへ転移するための、版胴１６とブランケット胴２４との間のニップ３２と、刷版１８とブランケット胴２６との間のニップ３４とを形成している。

刷版支持アーム１２，１４のそれぞれは、個々の枢着点２０，２２を中心として回動するように取り付けられており、これにより、技術上よく知られているように、版胴１６，１８は胴抜きプロセスにおいて移動させられることができる。そのために、圧力シリンダ装置３６等の付勢装置が、駆動継手３８，４０のそれぞれにおいて版胴１６，１８に連結されている。圧力シリンダ装置３６は、胴抜きの間に、対応するブランケット胴２４，２６から版胴１６，１８を分離させるために選択的に作動させられる。１対のストッパ３７，３９が、２つの版胴１６，１８それぞれの外方への移動を制限するために配置されている。

印刷運転の間、圧力シリンダ装置３６は、技術分野においても知られているように、版胴１６，１８を付勢して個々のニップ３２，３４において対応するブランケット胴２４，２６に押し付けるように設定される。

図１において、刷版３２が版胴１６から取り外されている刷版交換プロセスが示されている。図１に明瞭に示されているように、刷版１６の後端部４４がニップ３２を通過した時、圧力シリンダ装置３６の圧力付勢が、版胴１６の表面を、対向したブランケット胴２４の表面と係合させ、この表面と直に接触させる。上述のように、この接触は版胴１６の表面とブランケット胴２４上のブランケットとの汚染を生じる。表面汚染は極めて望ましくなく、刷版及びブランケットのそれぞれの耐用寿命を減じ、これにより、オフセット印刷運転全体の効率及び費用対効果を減じる。

ここで図２を参照すると、本発明の特徴に従って行われる刷版交換プロセスの間におけるオフセット印刷機の側面図が示されている。図２において、オフセット印刷機１１０の構造は、図１に示された従来の印刷機１０の基本構造と同じである。支持アーム１１２，１１４は、それぞれ個々の版胴１１６，１１８の端部を（枢着点１２０，１２２を中心にして）回動可能に取り付けるために配置されている。

１対のブランケット胴１２４，１２６のそれぞれは、支持構造体１２８，１３０によって回転可能に支持されており、対応する版胴１１６，１１８と回転係合している。回転係合は、それぞれの版胴１１６，１１８に取り付けられた個々の刷版から対応するブランケット胴１２４，１２６のそれぞれに取り付けられた個々のブランケットへのインキ着けされた印像の転移のための、版胴１１６とブランケット胴１２４との間のニップ１３２と、版胴１１８とブランケット胴１２６との間のニップ１３４とを形成している。

図１の従来の印刷機１０のように、図２に示された印刷機において、それぞれの刷版支持アーム１１２，１１４は、技術上知られているように版胴１１６，１１８が胴抜きプロセスにおいて移動されることができるように、個々の枢着点１２０，１２２を中心に回動するように取り付けられている。圧力シリンダ装置１３６が、それぞれの版胴１１６，１１８にそれぞれ駆動継手１３８，１４０において連結されている。圧力シリンダ装置１３６は、胴抜きの間に版胴１１６，１１８を対応するブランケット胴１２４，１２６から離反させるために選択的に作動させられる。２つの版胴１１６，１１８の外方への移動をそれぞれ制限するために１対のストッパ１３７，１３９が配置されている。圧力シリンダ装置１３６は、図１の印刷機１０の場合のように、版胴１１６，１１８を対応する対向したブランケット胴１２４，１２６に向かってニップ１３２，１３４において付勢するためにも働く。

本発明の特徴によれば、刷版供給運転の間、版胴１１６のギャップに配置された刷版１４２の端部１４４が、刷版取外し運転においてニップ１３２を通過した時（又は刷版装着運転において端部１４４がニップ１３２に進入する前に）、版胴１１６は、図２に示されているように、対応する対向したブランケット胴１２４に対して間隔を置いて位置するように配置及び構成される。これにより、胴の表面の汚染が回避される。刷版１４２がニップ１３２に位置していない時は、胴１１６，１２４は、圧力シリンダ装置１３６の動作によって互いに向かって付勢され続けるが、互いに間隔を置いたままである。

本発明の好適な実施形態において、ニップに刷版が存在しない時には、間隔は刷版１４２の厚さよりも小さい寸法に設定されている。

ここで図４を参照すると、間隔を維持するための好適な配列を示すために版胴及びブランケット胴が省略された、図２のオフセット印刷機の側面図が示されている。本発明の特徴によれば、停止部材１５０が、対向した支持構造体１２８と向き合った位置において支持アーム１１２に調節可能に取り付けられている。停止部材１５０のための寸法及び調節範囲は、図３に明瞭に示されているように、版胴１１６とブランケット胴１２４との間の間隔を置いた関係を提供するために、刷版取付け運転中（刷版がニップに存在しない時）、停止部材１５０が支持構造体１２８に係合するように配列及び構成されている。上述のように、間隔の寸法は、取り外される刷版１４２の厚さよりも小さくなるように調節及び設定されており、互いに向き合った胴は、圧力シリンダ装置１３６によって互いに向かって付勢されるが、互いに離反したままである。

図３は、装着される刷版１４２がニップ１３２を通過した（３時位置に到達した）後の、又は取り外される刷版がニップ１３２を通過する前の、図２のオフセット印刷機の側面図を示している。装着運転におけるこの時点で、例えば端部１４４がニップ１３２を通過し、胴１１６，１２４を刷版の厚さだけ押し離し、有効印刷運転のための胴の間の印圧を生ぜしめる。つまり、刷版１４２がニップに存在している時には印刷のための印圧が維持されるが、刷版が取り付けられていない版胴と、ブランケット胴上の対向したブランケットとの間の表面接触は、間隔を置いた関係によって回避される。

間隔の寸法は刷版の厚さよりも小さいので、図３に示されたような刷版取付け運転の間に刷版１４２を挿入する時、停止部材１５０は、対向した支持部材１２８と接触した状態からずらされる。図５は、図３に示したように刷版がニップ１３２を超えて挿入された後の、停止部材１５０と、対向した支持構造体１２８との間の０．２ｍｍの間隙１５２を示している。このことは、印圧のために、対向した版胴１１６とブランケット胴１２８との間の適切な付勢圧力を生ぜしめる。

前記明細書において、本発明は、特定の典型的な実施形態及び実施例を引用して説明されている。しかしながら、請求の範囲に示された発明のより広い精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更がそれらに加えられてもよいことが明らかである。したがって、明細書及び図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味でみなされるべきである。

１１０ 印刷ユニット、 １１２，１１４ 刷版支持アーム、 １１６，１１８ 版胴、 １２０，１２２ 枢着点、 １２４，１２６ ブランケット胴、 １２８，１３０ 支持構造体、 １３２，１３４ ニップ、 １３６ 圧力シリンダ装置、 １３７，１３９ ストッパ、 １３８，１４０ 駆動カップリング、 １４２ 刷版、 １４４ 端部、 １５０ 停止部材、 １５２ 間隙

Claims (7)

1. 印刷機において、
   版胴と、
   ブランケット胴と、
   版胴を、ブランケット胴に対して対向した可動な関係で取り付けるための支持装置と、
   ニップを形成するために版胴とブランケット胴とを互いに向かって付勢するために配置及び構成された付勢装置と、
   版胴とブランケット胴との間に最小限の間隔を維持するために配置及び構成された停止部材とが設けられていることを特徴とする、印刷機。
2. 版胴を、ブランケット胴に対して向き合った可動な関係で取り付けるための支持装置が、版胴を、対向したブランケット胴に向かって又は該対向したブランケット胴から離れるように移動させるための、版胴を回動可能に取り付けるための回動可能な支持アームを有しており、停止部材が、版胴とブランケット胴との間の最小限の間隔を維持するために支持アームに取り付けられている、請求項１記載の印刷機。
3. 停止部材が、支持アームに調節可能に取り付けられている、請求項２記載の印刷機。
4. オフセット印刷機から刷版を取り外す方法において、
   刷版が取り付けられた版胴と、ブランケットが取り付けられたブランケット胴との間にニップを形成するために、版胴を対向したブランケット胴に向かって付勢して該ブランケット胴に係合させるステップと、
   刷版が版胴から取り外されながら版胴とブランケット胴上のブランケットとの間の間隔を維持するステップとを有することを特徴とする、オフセット印刷機から刷版を取り外す方法。
5. 前記間隔の寸法が、刷版の厚さよりも小さい、請求項４記載の方法。
6. 前記間隔の寸法が、該間隔を選択的に設定するために調節可能である、請求項４記載の方法。
7. オフセット印刷機において刷版を版胴に装着する方法において、
   版胴とブランケット胴上のブランケットとの間の最小限の間隔を維持しながら、版胴を、ブランケットを有する対向したブランケット胴に向かって付勢して該ブランケット胴に係合させるステップと、
   刷版の一方の端部を版胴におけるギャップに挿入し、刷版とブランケットとの間にニップを形成するために、付勢された版胴とブランケット胴とを回転させることによって、刷版を版胴に装着するステップとを含むことを特徴とする、オフセット印刷機において刷版を版胴に装着する方法。

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