JP2010286115A - ノーブロー工法用フィッティング及びその製造方法並びに既設本管の分岐構造および分岐方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上部フィッティングと下部フィッティングとを備えたノーブロー工法用フィッティングにおいて、上部フィッティング1の胴体2と下部フィッティング3の胴体4にパイプが用いられ、各胴体2,4に、本管挿通用の半円状開口部6が設けられ、金属板を曲げ加工して形成された半筒状のサドル部材9の一端側が、それぞれ、上部フィッティング1の胴体2の半円状開口部6と、下部フィッティング3の胴体4の半円状開口部6に溶接により固定されている。また、鋼管による胴体2,4と、板曲げによるサドル部材9とを組み合わせて上下部のフィッティングを製作する。また、そのようなフィッティングを用いた既設本管の分岐構造および分岐方法とする。
【選択図】図1
Description
また、図31に示す形態では、上部フィッティング1の本体部分31と、下部フィッティング3の本体部分32とを、鋳造により製造し、下部フィッティング3の本体部分32に一体に分岐用短管33を形成している。
また、金型を用いるので、金型を用いない場合に比べて、フィッティングの製作コストが格段に高くなるという問題がある。
また、鋳造により分岐用短管まで含めてフィッティング用の金型とすると、金型が一層大きくなり、一層製作コストが高くなるという問題がある。
また、鋼管を素材として、その鋼管の原形をとどめないで、鋼管軸方向および半径方向全体に亘り外径および肉厚を変化させて、上部フィッティングおよび下部フィッティングを製造する場合には、加工工程が複雑になり、加工コストも格段に高くなるという問題がある。
本発明は、前記の課題を有利に解決すると共に、種々の既設本管サイズと分岐管サイズの組み合わせに有利に対応可能なノーブロー工法用フィッティング及びその製造方法並びに既設本管の分岐構造および分岐方法を提供することを目的とする。
第2発明では、第1発明のノーブロー工法用フィッティングにおいて、前記パイプは、横断面円形の鋼製パイプであり、半筒状のサドル部材は、鋼板を断面半円状に曲げ加工して形成された半筒状の鋼製サドル部材であり、鋼製サドル部材の一端側に設けた開先部が、鋼製パイプの半円状開口部に溶接により固定されている鋼製の上部フィッティングの胴体および鋼製の下部フィッティングであることを特徴とする。
第3発明では、第1発明または第2発明のノーブロー工法用フィッティングにおいて、下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかには、枝出し成形により形成された分岐用開口部が設けられていることを特徴とする。
第4発明では、第1発明または第2発明のノーブロー工法用フィッティングにおいて、下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかには、分岐用開口部が設けられ、その分岐用開口部に分岐用短管が溶接により固定されていることを特徴とする。
第5発明のノーブロー工法用フィッティングの製造方法では、上部フィッティングと下部フィッティングとを備えたノーブロー工法用フィッティングの製造方法において、上部フィッティングの胴体と下部フィッティングの胴体に鋼製短管を用いて、各胴体に、本管挿通用の半円状開口部を対向するように設けた後、板曲げ加工により製作された半筒状のサドル部材の一端側を、それぞれ、上部フィッティングの胴体の半円状開口部と、下部フィッティングの胴体の半円状開口部に溶接により固定することを特徴とする。
第6発明では、第5発明のノーブロー工法用フィッティングの製造方法において、下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかには、枝出し成形により分岐用開口部を形成することを特徴とする。
第7発明の既設本管の分岐構造では、第1発明または第2発明におけるノーブロー工法用フィッティングにおける上部フィッティングおよび下部フィッティングが、既設本管の周りに対向して配置されて、既設本管に溶接により固定されると共に、上部フィッティングおよび下部フィッティングが溶接により一体化され、下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかに設けられた分岐用開口部に、直接または分岐用短管を介して分岐管が接続されていることを特徴とする。
第8発明の既設本管の分岐方法では、第1発明または第2発明におけるノーブロー工法用フィッティングにおける上部フィッティングおよび下部フィッティングを、既設本管の周りに対向して配置して、既設本管に溶接により固定すると共に、上部フィッティングおよび下部フィッティングを溶接により一体化した後、予め下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかに設けた分岐用開口部に、直接または分岐用短管を介して分岐管を接続することを特徴とする。
また、胴部に、種々の本管サイズに応じて半円形の開口部を形成し、また、種々の分岐管サイズに応じて胴部に分岐用開口部を形成すればよいので、種々の既設本管サイズと分岐管サイズの組み合わせに対応することができ、しかも、フィッティング本体をパイプと板を曲げたサドル部材で構成し、これらを溶接して接合する構造とするため、フィッティングの製作費用が、従来のものと比べ格段に安価になる。また、胴部あるいは既設本管あるいは分岐管の口径が大きくなるほど、従来のものと比べ、製作費が低減する傾向が大きくなる効果がある。
また、製作方法が簡単で容易であり、製品の品質のばらつきも少なく、従来の場合に比べて、高度な熟練を要しない等の効果がある。
また、第2発明または第6発明のように、パイプが、横断面円形の鋼製パイプであり、半筒状のサドル部材が、鋼板を断面半円状に曲げ加工して形成された半筒状の鋼製サドル部材であり、これらを固定した形態であると、胴部の補強を図りながら、安価で構造が単純なフィッティングとすることができる効果が得られる。
第3発明のように、下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかには、枝出し成形により形成された分岐用開口部が設けられているので、分岐用開口部の径の自由度が高く、種々の径の分岐用開口部を形成することができ、その開口部に応じた分岐管を接続することができる効果が得られる。
第4発明のように、下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかには、分岐用開口部が設けられ、その分岐用開口部に分岐用短管が溶接により固定されていると、分岐用開口部の径の自由度が高く、種々の径の分岐用開口部に分岐用短管を溶接する簡単な構造とすることができ、また、分岐用短管に分岐管を溶接すればよいので、簡単な構造で分岐管を接続することができる等の効果が得られる。
第7発明によると、第1発明または第2発明におけるノーブロー工法用フィッティングにおける上部フィッティングおよび下部フィッティングが、既設本管の周りに対向して配置されて、既設本管に溶接により固定されると共に、上部フィッティングおよび下部フィッティングが溶接により一体化され、下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかに設けられた分岐用開口部に、直接または分岐用短管を介して分岐管が接続されているので、安価な上部フィッティングおよび下部フィッティングを用いて、種々の既設本管に対応したサドル部材を備え、種々の分岐管に対応した分岐用開口部を備えた上下部のフィッティングを用いた簡単な構造とすることができる等の効果が得られる。
また、第8発明によると、第1発明または第2発明におけるノーブロー工法用フィッティングにおける上部フィッティングおよび下部フィッティングを、既設本管の周りに対向して配置して、既設本管に溶接により固定すると共に、上部フィッティングおよび下部フィッティングを溶接により一体化した後、予め下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかに設けた分岐用開口部に、直接または分岐用短管を介して分岐管を接続するので、施工が容易で安価に施工可能な分岐方法とすることができる等の効果が得られる。
また、上部胴体2における他端側(ネック部フィッティングと接合する側)の外周部には、開先加工が施されている。
また、下部胴体4における他端側(キャップ部と接合する側)の外周部には、開先加工が施されている。
また、下部胴体4の軸方向に直角で下部胴体4の中間部の片側(分岐側)には、玉抜き治具を用いて熱間玉抜き加工による枝出し成形が施されて形成された分岐用開口部7が設けられている。また、分岐用開口部7の奥部側の内周面には、ストッパ8が角度間隔をおいて設けられている。
また、下部フィッティングに設けた分岐用開口部7は、圧力配管用炭素鋼管を、玉抜き治具を用いた熱間玉抜き加工による枝出し成形により形成するので、鋳造による枝出しに比べて、容易に安価に形成することができる。
この場合にも、鋼板を用いた板曲げにより、分岐用短管を製作し、これを下部フィッティング3の胴体4に取り付けるようにすると、下部フィッティングを安価に製作することができる。前記の半筒状サドル部材9および分岐用短管の取り付けは、工場溶接により取り付けられる。
また、上部胴体2における他端側(ネック部フィッティングと接合する側)の外周部には、開先加工が施されている点も前記実施形態と同様である。
また、上部胴体2の軸方向に直角で上部胴体2の中間部の片側(分岐側)には、玉抜き治具を用いて熱間玉抜き加工による枝出し成形が施されて形成された分岐用開口部7が設けられている。なお、分岐用開口部7の奥部側の内周面には、前記実施形態のストッパ8に相当する部品を備えていない形態とされている。
また、下部胴体4における他端側(キャップ部と接合する側)の外周部には、開先加工が施されている点も前記実施形態と同様である。
また、上部フィッティングに設けた分岐用開口部7は、圧力配管用炭素鋼管を、玉抜き治具を用いた熱間玉抜き加工による枝出し成形により形成するので、鋳造による枝出しに比べて、容易に安価に形成することができる点も前記実施形態と同様である。
この場合にも、鋼板を用いた板曲げにより、分岐用短管を製作し、これを上部フィッティング1の胴体4に取り付けるようにすると、上部フィッティングを安価に製作することができる。前記の半筒状サドル部材9および分岐用短管の取り付けは、工場溶接により取り付けられる。
(1)上部蓋材16およびコンプリーションプラグ18を取り外した状態で、ネック部フィッティング12に、適宜フランジ継手付アダプターを取り付けて、そのフランジ継手付アダプターを介して、スライド式仕切り弁を有するゲートバルブを固定する。
(2)前記ゲートバルブに穿孔機を固定し、前記のゲートバルブを開いて、穿孔機におけるカッターを回転させながら前進させ、既設本管5を穿孔して、図1または図18に2点鎖線で示す孔19を開設する。
(3)カッターを後退移動させ、ゲートバルブを閉じた状態として、穿孔機を取り外す。
(4)コンプリーションプラグ18をねじ付駆動軸に装着したコンプリーションマシン(プラグ設置兼離脱機)をゲートバルブに設置する。
(5)ゲートバルブを開いて、コンプリーションマシンからコンプリーションプラグ18を前進移動させ、ネック部フィッティング12における係止溝20から、図8(b)に示すように、コンプリーションプラグ18の鍔21が前記係止溝20から45°位相がずれた位置まで前進させる。
(6)コンプリーションマシンにおける駆動装置を駆動して、コンプリーションプラグ18を90°回転させて、前記係止溝20に、鍔付コンプリーションプラグ18における各鍔21を係止溝20に係止させ、鍔付コンプリーションプラグ18のOリングにより気密を図る。
(7)前記コンプリーションマシンにより鍔付コンプリーションプラグ18の回転を防止しながらねじ付駆動軸を適宜回転させて鍔付コンプリーションプラグ18から離脱させる。
(8)前記コンプリーションマシンをゲートバルブから取り外す。
(9)ゲートバルブをネック部フィッティング12から取り外し、上部蓋材16をネック部フィッティング12に固定する。
なお、コンプリーションプラグ18が、鍔付コンプリーションプラグ18でなく、雄ねじ部付コンプリーションプラグ18であり、ネック部フィッティング12側の雌ねじ部にねじ込む形態でも、コンプリーションプラグ18を回転させてネック部フィッティング12にねじ接合により装着したり、離脱させることができる。
また、上部フィッティング1および下部フィッティング3を、既設本管5の周りに対向して配置して、既設本管5に固定すると共に、上部フィッティング1および下部フィッティング3を溶接により一体化した後、予め下部フィッティング3または上部フィッティング1のいずれかに設けた分岐用開口部7に、直接または分岐用短管を介して分岐管34を接続する既設本管の分岐方法としているので、施工が容易で安価に施工可能な分岐方法とすることができる。
また、本発明のノーブロー工法用フィッティングを実施する場合、分岐用開口部7を設けない形態で下部フィティング3(または上部フィティング1)の下部胴体4(または上部胴体2)の軸方向長さを短くしたノーブロー工法用フィッティングとしてもよい。このような分岐用開口部7を設けない形態のノーブロー工法用フィッティングは、ガス等の流体を遮断することを目的に、例えば、遮断する位置よりも先のガス導管等の導管(既設本管5)が不要になった場合や、導管端部手前で分岐させた場合に不要となる導管の端末遮断処理として適用することができる。このような端末遮断処理をする場合には、図17(または図28あるいは図32)上に示すように、導管(既設本管5)に前記実施形態と同様にノーブロー工法用フィッティング14を設置する。次いで、前記と同様に孔19を開設し、前記穿孔機に代えて昇降式ストッパ装置22をゲートバルブに設置し、ゲートバルブを開いて、弾性ゴムブロック23を有するストッパ24を孔19(又は孔19から既設本管5の端部管内)の部分に圧入するように配置して、流体を遮断した後、図17または図28あるいは図32)下に示すように、端末側の導管(既設本管5)を切断して閉塞蓋25を溶接により固定して、導管(既設本管5)の端末遮断処理をする。
なお、図17に示す形態の変形形態として、図32に示すように、既設本管5の上部側にのみ孔19を設ける形態では、ストッパ8を設けなくてもよい。
また、図28および図32に示す形態では、昇降ストッパ装置22の先端側には駆動装置(図示を省略)により回動される回動レーバーの先端側に支持された弾性ゴムブロック23を備えた、ストッパー24を備えている。
弾性ゴムブロック23を支持している回動レーバーを自動的に回動させるための他の形態として、図32の上図を参照して説明すると、弾性ゴムブロック23側の先端(図32の上図では右側)に先端ローラー装置を取り付け、かつ先端ローラーの回転中心を回動レバーの回動中心から導管(既設本管5)の遮断すべき側に変位した位置となるように設置するようにしてもよい。このようにすることにより、回動レバーの前記駆動装置がなくても、昇降ストッパ装置22におけるストッパー24を下降させると、前記先端ローラー装置におけるローラーが導管(既設本管5)の遮断すべき側に転動して、回動レバーと共に弾性ゴムブロック23を、導管(既設本管5)の遮断すべき側に自動的に回動させて、導管(既設本管5)を遮断することができ、この状態のときに、ストッパー24が導管(既設本管5)の内側に着座させるように設定しておけばよい。
2 上部胴体
3 下部フィッティング
4 下部胴体
5 既設本管
6 半円状開口部
7 分岐用開口部
8 ストッパ
9 半筒状鋼製サドル部材
10 曲線辺
11 鋼製平板
12 ネック部フィッティング
13 底蓋
14 フィッティング
15 鋼製平板
16 上部蓋材
17 ボルト
18 コンプリーションプラグ
19 孔
20 係止溝
21 鍔
22 昇降式ストッパ装置
23 弾性ゴムブロック
24 ストッパー
25 閉塞蓋
30 フィッティング
31 本体部分
32 本体部分
33 分岐用短管
34 分岐管
Claims (8)
- 上部フィッティングと下部フィッティングとを備えたノーブロー工法用フィッティングにおいて、上部フィッティングの胴体と下部フィッティングの胴体にパイプが用いられ、各胴体に、本管挿通用の半円状開口部が設けられ、金属板を曲げ加工して形成された半筒状のサドル部材の一端側が、それぞれ、上部フィッティングの胴体の半円状開口部と、下部フィッティングの胴体の半円状開口部に溶接により固定されていることを特徴とするノーブロー工法用フィッティング。
- 前記パイプは、横断面円形の鋼製パイプであり、半筒状のサドル部材は、鋼板を断面半円状に曲げ加工して形成された半筒状の鋼製サドル部材であり、鋼製サドル部材の一端側に設けた開先部が、鋼製パイプの半円状開口部に溶接により固定されている鋼製の上部フィッティングの胴体および鋼製の下部フィッティングであることを特徴とする請求項1に記載のノーブロー工法用フィッティング。
- 下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかには、枝出し成形により形成された分岐用開口部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のノーブロー工法用フィッティング。
- 下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかには、分岐用開口部が設けられ、その分岐用開口部に分岐用短管が溶接により固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のノーブロー工法用フィッティング。
- 上部フィッティングと下部フィッティングとを備えたノーブロー工法用フィッティングの製造方法において、上部フィッティングの胴体と下部フィッティングの胴体に鋼製短管を用いて、各胴体に、本管挿通用の半円状開口部を対向するように設けた後、板曲げ加工により製作された半筒状のサドル部材の一端側を、それぞれ、上部フィッティングの胴体の半円状開口部と、下部フィッティングの胴体の半円状開口部に溶接により固定することを特徴とするノーブロー工法用フィッティングの製造方法。
- 下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかには、枝出し成形により分岐用開口部を形成することを特徴とする請求項5に記載のノーブロー工法用フィッティングの製造方法。
- 請求項1または請求項2におけるノーブロー工法用フィッティングにおける上部フィッティングおよび下部フィッティングが、既設本管の周りに対向して配置されて、既設本管に溶接により固定されると共に、上部フィッティングおよび下部フィッティングが溶接により一体化され、下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかに設けられた分岐用開口部に、直接または分岐用短管を介して分岐管が接続されていることを特徴とする既設本管の分岐構造。
- 請求項1または請求項2におけるノーブロー工法用フィッティングにおける上部フィッティングおよび下部フィッティングを、既設本管の周りに対向して配置して、既設本管に溶接により固定すると共に、上部フィッティングおよび下部フィッティングを溶接により一体化した後、予め下部フィッティングまたは上部フィッティングのいずれかに設けた分岐用開口部に、直接または分岐用短管を介して分岐管を接続することを特徴とする既設本管の分岐方法。
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