JP2010285495A - 難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン系化合物やリン系化合物を使用せずに、優れた難燃性を発現させる難燃剤組成物、及び難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理した難燃剤組成物、及び樹脂と前記難燃剤組成物とを含む難燃性樹脂組成物。金属水酸化物としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、またはそれらの混合物が好ましく、窒素含有化合物としては硝酸及び/またはアンモニアが好ましく、無機組成物としてはケイ素の酸化物を含み、さらにアルミニウムの酸化物を含むものが好ましく、樹脂としては有機酸基及び/または有機酸エステル基を含む熱可塑性樹脂が好ましい。また、難燃性樹脂組成物は、窒素含有化合物で処理しない金属水酸化物を含むものも好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理した難燃剤組成物、及び樹脂と前記難燃剤組成物とを含む難燃性樹脂組成物。金属水酸化物としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、またはそれらの混合物が好ましく、窒素含有化合物としては硝酸及び/またはアンモニアが好ましく、無機組成物としてはケイ素の酸化物を含み、さらにアルミニウムの酸化物を含むものが好ましく、樹脂としては有機酸基及び/または有機酸エステル基を含む熱可塑性樹脂が好ましい。また、難燃性樹脂組成物は、窒素含有化合物で処理しない金属水酸化物を含むものも好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、ハロゲン原子やリン原子を含まず、また従来の無機系難燃剤よりも高い難燃性を発現する難燃剤組成物、及びその難燃剤組成物を配合した難燃性樹脂組成物に関する。本発明の難燃性樹脂組成物は難燃性が要求される自動車、家電、生活用品等の成形材料用の樹脂組成物として有用である。
機械的特性、電気的特性、成形加工性などの樹脂の特性を低下させることなく難燃化するための難燃剤として、環境問題の観点からハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤に代わる難燃剤が要望されている。
従来、ハロゲン原子を含まない難燃剤として金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)を含む材料が知られているが、高い難燃性能を達成するためには、金属水酸化物を多量に添加しなければならず、相対的な樹脂量の減少により、樹脂本来の物性(例えば、成形加工性や機械特性など)が低下するという問題があった。これらを解決するための手段として、既に、次のような技術が開示されている。
従来、ハロゲン原子を含まない難燃剤として金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)を含む材料が知られているが、高い難燃性能を達成するためには、金属水酸化物を多量に添加しなければならず、相対的な樹脂量の減少により、樹脂本来の物性(例えば、成形加工性や機械特性など)が低下するという問題があった。これらを解決するための手段として、既に、次のような技術が開示されている。
特開2002−302613号公報(特許文献1)には、硝酸金属塩を樹脂の酸化分解促進剤として添加し、燃焼時樹脂が瞬時に酸化分解し、液状化することで燃焼阻害性を得ることが開示されている。しかし、酸化分解液が燃焼時に滴下するため、滴下地点で燃焼が継続されるという懸念がある。
特表2007−507564号公報(特許文献2)には、ポリリン酸アンモニウムとペンタエリスリトールとを樹脂材料に添加することにより、燃焼時に樹脂の発泡と架橋を促し難燃性が付与されることが開示されている。しかし、リンの存在により、土壌・水質汚染や、人体への悪影響が懸念される。
さらに、水酸化マグネシウムを難燃剤として使用した場合、酸性の水にマグネシウムイオンが溶出し樹脂材料が白化するという問題があった。これらを解決するための手段として、次のような技術が開示されている。
特開2006−8839号公報(特許文献3)及び特開2005−336472号公報(特許文献4)には、水酸化マグネシウムの表面にアルミニウム化合物及び/またはケイ素化合物を被着させることにより、水酸化マグネシウムの耐酸性を向上させ白化現象を防ぐことが開示されている。しかし、難燃性そのものの向上には至っていない。
従って、本発明の課題は、ハロゲン系化合物やリン系化合物を使用せずに、優れた難燃性を発現させる難燃剤組成物、及び難燃剤組成物を配合した難燃性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、従来難燃剤として使用されている金属水酸化物(水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム)の一部または全てを水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムとケイ素の酸化物の混合物を窒素含有化合物で処理した組成物に置換して使用することにより、従来の無機系のノンハロゲン系難燃剤よりも高い難燃性を発現することを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物を提供する。
[1]金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理した難燃剤組成物。
[2]前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、またはそれらの混合物である前項1に記載の難燃剤組成物。
[3]前記窒素含有化合物が、硝酸及び/またはアンモニアである前項1に記載の難燃剤組成物。
[4]前記無機組成物が、さらにアルミニウムの酸化物を含む前項1に記載の難燃剤組成物。
[5]前項1〜4のいずれか1項に記載の難燃剤組成物を樹脂に配合してなる難燃性樹脂組成物。
[6]さらに窒素含有化合物で処理しない金属水酸化物(未処理金属水酸化物)を含む前項5に記載の難燃性樹脂組成物。
[7]前記樹脂が、熱可塑性樹脂である前項5に記載の難燃性樹脂組成物。
[8]前記樹脂が、有機酸基及び/または有機酸エステル基を有する前項5または7に記載の難燃性樹脂組成物。
[9]前記有機酸基がカルボン酸基であり、前記有機酸エステル基がカルボン酸エステル基である前項8に記載の難燃性樹脂組成物。
[10]前記樹脂と未処理金属水酸化物との混合物の熱分解温度よりも、未処理金属水酸化物の一部または全てを難燃剤組成物に置き換えた混合物の熱分解温度のほうが低い前項5〜9のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
[11]難燃性樹脂組成物用のマスターバッチである前項5〜10のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
すなわち、本発明は以下の難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物を提供する。
[1]金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理した難燃剤組成物。
[2]前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、またはそれらの混合物である前項1に記載の難燃剤組成物。
[3]前記窒素含有化合物が、硝酸及び/またはアンモニアである前項1に記載の難燃剤組成物。
[4]前記無機組成物が、さらにアルミニウムの酸化物を含む前項1に記載の難燃剤組成物。
[5]前項1〜4のいずれか1項に記載の難燃剤組成物を樹脂に配合してなる難燃性樹脂組成物。
[6]さらに窒素含有化合物で処理しない金属水酸化物(未処理金属水酸化物)を含む前項5に記載の難燃性樹脂組成物。
[7]前記樹脂が、熱可塑性樹脂である前項5に記載の難燃性樹脂組成物。
[8]前記樹脂が、有機酸基及び/または有機酸エステル基を有する前項5または7に記載の難燃性樹脂組成物。
[9]前記有機酸基がカルボン酸基であり、前記有機酸エステル基がカルボン酸エステル基である前項8に記載の難燃性樹脂組成物。
[10]前記樹脂と未処理金属水酸化物との混合物の熱分解温度よりも、未処理金属水酸化物の一部または全てを難燃剤組成物に置き換えた混合物の熱分解温度のほうが低い前項5〜9のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
[11]難燃性樹脂組成物用のマスターバッチである前項5〜10のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
本発明の難燃剤組成物によれば、主材の樹脂材料に対して従来の無機系のノンハロゲン系難燃剤に比べて少量の使用で高い難燃性が発現する。
以下、本発明の難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物について詳しく説明する。
本発明の難燃剤組成物は、金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理した組成物である。
前記無機組成物はさらにアルミニウムの酸化物を含んでいでもよい。
また、本発明の難燃性樹脂組成物は、前記難燃剤組成物を難燃性が要求される成形材料用等の樹脂に配合した樹脂組成物である。
本発明の難燃剤組成物は、金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理した組成物である。
前記無機組成物はさらにアルミニウムの酸化物を含んでいでもよい。
また、本発明の難燃性樹脂組成物は、前記難燃剤組成物を難燃性が要求される成形材料用等の樹脂に配合した樹脂組成物である。
[難燃剤組成物]
本発明の難燃剤組成物は金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理してなる。
金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱分解、あるいは脱水による吸熱効果により難燃効果が高いことから水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイトからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの混合物が好ましい。
本発明の難燃剤組成物は金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理してなる。
金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱分解、あるいは脱水による吸熱効果により難燃効果が高いことから水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイトからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの混合物が好ましい。
本発明において無機組成物を構成するケイ素の酸化物、例えば二酸化ケイ素は、下記のようなケイ素化合物を原料として用いた無機組成物の調製の過程で、金属水酸化物の表面に生成する。ケイ素化合物としては、オルト珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、水ガラスなどの水溶性のケイ酸塩、コロイダルシリカ、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)ほかエチルシリケート及びこれらの前駆体から選ばれる少なくとも1種が使用される。
本発明において無機組成物を構成するアルミニウムの酸化物、例えば酸化アルミニウムは、下記のようなアルミニウム化合物を原料として用いた無機組成物の調製の過程で、金属水酸化物の表面に生成する。アルミニウム化合物としては、アルミン酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミナゾル及びこれらの前駆体から選ばれる少なくとも1種が使用される。
本発明において金属水酸化物の表面にケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を生成させる場合は、上記ケイ素化合物とアルミニウム化合物を共に供給する代わりに、合成済みのシリカアルミナを供給しても良い。シリカアルミナとしては、例えば各種ゼオライト、シリカアルミナ等が使用でき、粒子径は100μm以下のものが好ましい。
無機組成物の調製方法は、金属水酸化物と水からなるスラリーを撹拌しながら、ケイ素化合物の水溶液もしくは分散液、アルミニウム化合物の水溶液もしくは分散液、またはケイ素化合物とアルミニウム化合物の混合水溶液もしくは混合分散液を滴下し、この調製液を2〜200時間、好ましくは50〜100時間撹拌して行う。なお、撹拌時間は2時間よりも短いとシリカ及び/またはアルミナの酸化物の合成が不十分であり、200時間よりも長いと合成状態に変化が見られなくなる。調製時の温度は室温〜90℃の温度が適しており、さらに室温〜50℃が好ましい。調製温度が室温よりも低いと合成が進みにくく、90℃よりも高いと水の蒸発が激しく安定した合成処理が行えなくなる。
本発明において無機組成物の処理に使用される窒素含有化合物としては、硝酸、アンモニア、硝酸塩、アンモニウム塩等が挙げられる。例えば、硝酸塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸アンモニウム等が挙げられる。アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。
窒素含有化合物による無機組成物の処理方法としては、無機組成物を調製する段階で、窒素含有化合物を加える方法、無機組成物をアンモニアガスに接触させる方法、硝酸水溶液、アンモニア水、硝酸塩の水溶液、またはアンモニウム塩の水溶液に浸漬させる方法、あるいは無機組成物にアンモニウム塩、硝酸塩等の窒素含有化合物を担持させる方法等が挙げられる。
金属水酸化物の表面にケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を生成させる場合は、例えば金属水酸化物と水からなるスラリーに合成済みのシリカアルミナを加えて撹拌し、上記窒素含有化合物水溶液を滴下して処理することにより、金属水酸化物の表面にケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を生成させた難燃剤組成物を得ることができる。
難燃剤組成物としては、例えばアンモニウム型シリカ合成水酸化アルミニウム、アンモニウム型シリカアルミナ合成水酸化アルミニウム、アンモニウム型各種ゼオライト合成水酸化アルミニウム、硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウム、硝酸処理シリカアルミナ合成水酸化アルミニウム、硝酸処理各種ゼオライト合成水酸化アルミニウム、硝酸カリウム担持シリカ合成水酸化アルミニウム、硝酸カルシウム担持シリカ合成水酸化アルミニウム、さらに、アンモニウム型シリカ合成水酸化マグネシウム、アンモニウム型シリカアルミナ合成水酸化マグネシウム、アンモニウム型各種ゼオライト合成水酸化マグネシウム、硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウム、硝酸処理シリカアルミナ合成水酸化マグネシウム、硝酸処理各種ゼオライト合成水酸化マグネシウム、硝酸カリウム担持シリカ合成水酸化マグネシウム、硝酸カルシウム担持シリカ合成水酸化マグネシウム、硝酸アンモニウム担持シリカ合成水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
難燃組成物は、デカンテーションあるいは遠心分離によって液相と固相とに分けるが、難燃剤組成物の仕上げの段階で、難燃剤組成物中に不純物として含まれる原料由来の,特にナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属を除去するため水洗することが望ましい。難燃剤組成物中のアルカリ金属の含有率は、5質量%以下が好ましく、さらに0.5質量%以下が好ましい。また、水洗後は100℃以上で加熱乾燥し余分な水分を除去することが好ましい。
[難燃性樹脂組成物]
本発明の難燃剤組成物を、難燃性が要求される樹脂に配合することにより本発明の難燃性樹脂組成物が得られる。
樹脂としては熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が挙げられるが、熱可塑性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明の難燃剤組成物を、難燃性が要求される樹脂に配合することにより本発明の難燃性樹脂組成物が得られる。
樹脂としては熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が挙げられるが、熱可塑性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
樹脂としては、有機酸基及び/または有機酸エステル基を有するものが好ましい。有機酸基及び/または有機酸エステル基を有すると難燃効果が高まる。特に、カルボン酸基及び/またはカルボン酸エステル基を有するものが好ましい。具体的例としては、前記樹脂の原料モノマーとアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メタクリル酸、ソルビン酸、クロトン酸、シトラコン酸、フタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸等の不飽和カルボン酸、もしくはこれらのエステルとを共重合して有機酸基及び/または有機酸エステル基を導入した樹脂が好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物では、窒素含有化合物で処理した金属水酸化物を含む難燃剤組成物に加えて、さらに窒素含有化合物で処理していない金属水酸化物(以下、未処理金属水酸化物という。)を併用することが難燃性向上の点で好ましい。
未処理金属水酸化物と難燃剤組成物との混合割合は、未処理金属水酸化物と難燃剤組成物との合計量に対して、難燃剤組成物が少なくとも1質量%、好ましくは10質量%存在していれば、高い難燃効果を得ることができる。。
未処理金属水酸化物と難燃剤組成物との混合割合は、未処理金属水酸化物と難燃剤組成物との合計量に対して、難燃剤組成物が少なくとも1質量%、好ましくは10質量%存在していれば、高い難燃効果を得ることができる。。
本発明において、熱分解温度とは難燃性樹脂組成物の樹脂の熱分解が開始する温度を指し、示差熱熱重量同時測定(TG/DTA;Thermo Gravimetry/Differential Thermal Analysis)で求めることができる。示差熱熱重量同時測定は、昇温速度を一定にして、空気雰囲気下で熱重量測定(TG)及び示差熱分析(DTA)を同時に行う測定方法であり、重量減少開始点及びDTAデータの発熱ピークの温度が熱分解温度を意味している。熱分解温度は、DTAデータの傾きが変化する前後の傾きの接線が交差する点の温度と定める。また、DTAの発熱ピークが複数存在する場合は、低温側の発熱開始温度を熱分解温度と定める。
例えば、昇温速度が10℃/分のとき、熱分解温度をT(℃)として、
TA:樹脂と金属水酸化物の混合物の熱分解温度、
TB:樹脂と難燃剤組成物と金属水酸化物との混合物の熱分解温度としたとき、TB<TAであり、TB+5<TAであれば、さらに難燃性が向上する。
TA:樹脂と金属水酸化物の混合物の熱分解温度、
TB:樹脂と難燃剤組成物と金属水酸化物との混合物の熱分解温度としたとき、TB<TAであり、TB+5<TAであれば、さらに難燃性が向上する。
難燃剤組成物及び金属水酸化物は、難燃効率を高めるためには、樹脂に均一に分散させることが好ましい。樹脂、難燃剤組成物、所望により使用される未処理金属水酸化物の混合は、樹脂を溶融する温度まで加熱してこれに難燃剤組成物を添加し、または難燃剤組成物及び未処理金属水酸化物を添加し、例えば押出機、ミキサー等を使用して行うことができる。
また、難燃剤組成物及び未処理金属水酸化物は粒子径が小さい方が効果的である。難燃剤組成物及び未処理金属水酸化物は共に数平均粒子径が100μm以下であることが好ましく、10μm以下がさらに好ましい。数平均粒子径の下限値は10nmである。数平均粒子径はレーザー回折・散乱法、レーザードップラー法等による粒度分布測定法、粒子画像観察による粒子径測定法等により求められる。数平均粒子径が100μmを超えると難燃効果が不十分であり、一方、10nm未満だと取り扱いが困難となる。
また、前記樹脂と[難燃剤組成物+未処理金属水酸化物]との混合比は質量比で、樹脂:[難燃剤組成物+未処理金属水酸化物]=100:10〜250が好ましく、さらに好ましくは、100:50〜200である。質量比で[難燃剤組成物+未処理金属水酸化物]が樹脂100に対して10未満だと難燃効果が不十分であり、250を超えると成形加工が困難である。
以上説明したように、本発明の難燃剤組成物は、難燃性が要求される自動車、家電、生活用品等の成形材料用の樹脂に配合した本発明お難燃性樹脂組成物として使用される。
さらに、高濃度に難燃剤組成物を含む本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性樹脂組成物用のマスターバッチとしても使用できる。
さらに、高濃度に難燃剤組成物を含む本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性樹脂組成物用のマスターバッチとしても使用できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、下記の例により本発明が限定されるものではない。なお、実施例及び比較例のサンプルの熱分解温度は室温から600℃まで空気雰囲気下10℃/分で一定昇温した示差熱熱重量同時測定データ(TG/DTA)の傾きが変化する前後の傾きの接線が交差する点の温度として求めた。
実施例1:
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)(日本ポリエチレン(株)製A1100)40gをラボプラストミル(東洋精機(株)製)のミキサー(容量100cc)で溶融し、硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウム(数平均粒子径:1μm、調製方法は後述。)16gと、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製,ハイジライトH42M、数平均粒子径:1μm)48gとを混練した。180℃、50rpmで10分間混練した。
続いて前記の混合物を170℃に設定したプレス機で2.5mm厚みのシートを作製した。23℃、湿度50%で48hr保管した後、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は360℃であった。
UL94 V燃焼試験は次の手順で行った。2.5mm厚みのシートを指定サイズの金型で打ち抜き、5本の短冊状の試験片を得た。垂直に支持した試験片の下端にメタンガスバーナー炎を10秒あてた後、離し、炎が消えれば直ちにバーナー炎をさらに10秒間当てた後、離した。1本の試験片につき2回、接炎終了から消炎までの時間を計った。ただし、120秒を経過しても消炎しない場合と、消炎せずに樹脂が垂れ落ちた場合は、値を120秒とした。計10回の消炎時間までの数平均値を算出し、表1に消炎時間として示した。また、各試験片の5回試験すべてが消炎したときをA、それ以外をBとして表1に示した。
硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウムは次の方法で調製した。水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製,ハイジライトH42M、数平均粒子径:1μm)100gを、純水3000gに添加し室温で撹拌した。ケイ素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gを徐々に滴下し撹拌を100時間継続した。遠沈で上澄み液を廃棄し残ったケーキを純水3000gに添加し撹拌した。30質量%硝酸水1gを徐々に滴下した後12時間撹拌した。遠沈で上澄み液を廃棄し残ったケーキを純水3000gに添加し撹拌した。これを2回繰り返してケーキを水洗し遠沈で上澄み液を廃棄し残ったケーキを回収した。得られたケーキを150℃で5時間乾燥し硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウムを得た。
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)(日本ポリエチレン(株)製A1100)40gをラボプラストミル(東洋精機(株)製)のミキサー(容量100cc)で溶融し、硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウム(数平均粒子径:1μm、調製方法は後述。)16gと、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製,ハイジライトH42M、数平均粒子径:1μm)48gとを混練した。180℃、50rpmで10分間混練した。
続いて前記の混合物を170℃に設定したプレス機で2.5mm厚みのシートを作製した。23℃、湿度50%で48hr保管した後、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は360℃であった。
UL94 V燃焼試験は次の手順で行った。2.5mm厚みのシートを指定サイズの金型で打ち抜き、5本の短冊状の試験片を得た。垂直に支持した試験片の下端にメタンガスバーナー炎を10秒あてた後、離し、炎が消えれば直ちにバーナー炎をさらに10秒間当てた後、離した。1本の試験片につき2回、接炎終了から消炎までの時間を計った。ただし、120秒を経過しても消炎しない場合と、消炎せずに樹脂が垂れ落ちた場合は、値を120秒とした。計10回の消炎時間までの数平均値を算出し、表1に消炎時間として示した。また、各試験片の5回試験すべてが消炎したときをA、それ以外をBとして表1に示した。
硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウムは次の方法で調製した。水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製,ハイジライトH42M、数平均粒子径:1μm)100gを、純水3000gに添加し室温で撹拌した。ケイ素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gを徐々に滴下し撹拌を100時間継続した。遠沈で上澄み液を廃棄し残ったケーキを純水3000gに添加し撹拌した。30質量%硝酸水1gを徐々に滴下した後12時間撹拌した。遠沈で上澄み液を廃棄し残ったケーキを純水3000gに添加し撹拌した。これを2回繰り返してケーキを水洗し遠沈で上澄み液を廃棄し残ったケーキを回収した。得られたケーキを150℃で5時間乾燥し硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウムを得た。
実施例2:
30質量%硝酸水処理を行った後、遠沈で上澄み液を廃棄し残ったケーキを純水3000gに添加し撹拌し、さらに、28質量%アンモニア水1.5gを徐々に滴下したこと以外は実施例1と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は362℃であった。
30質量%硝酸水処理を行った後、遠沈で上澄み液を廃棄し残ったケーキを純水3000gに添加し撹拌し、さらに、28質量%アンモニア水1.5gを徐々に滴下したこと以外は実施例1と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は362℃であった。
実施例3:
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gとともにアルミニウム含有率が1質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液100gを徐々に滴下したこと以外は実施例1と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は360℃であった。
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gとともにアルミニウム含有率が1質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液100gを徐々に滴下したこと以外は実施例1と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は360℃であった。
実施例4:
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gとともにアルミニウム含有率が1質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液100gを徐々に滴下したこと以外は実施例2と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は363℃であった。
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gとともにアルミニウム含有率が1質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液100gを徐々に滴下したこと以外は実施例2と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は363℃であった。
比較例1:
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M)を64g添加し、硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は445℃であった。
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M)を64g添加し、硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は445℃であった。
比較例2:
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gを滴下しなかったこと以外は実施例2と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は450℃であった。
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gを滴下しなかったこと以外は実施例2と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は450℃であった。
比較例3:
30質量%硝酸水を滴下しなかったこと以外は実施例3と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は438℃であった。
30質量%硝酸水を滴下しなかったこと以外は実施例3と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は438℃であった。
実施例5:
EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体:日本ポリエチレン(株)製A1100)40gをラボプラストミル(東洋精機(株)製)のミキサー(容量100cc)で溶融し、硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウム(数平均粒子径:0.8μm、調製方法は後述。)12gと、水酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製 キスマ5、数平均粒子径:0.8μm)52gとを混練した。200℃、50rpmで10分間混練した。
続いて前記の混合物を170℃に設定したプレス機で2.5mm厚みのシートを作製した。23℃、湿度50%で48hr保管した後、UL94 V燃焼試験を行った。
なお、樹脂(エチレン−エチルアクリレート共重合体)と金属水酸化物(水酸化マグネシウム)と難燃剤組成物(硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウム)との混合物の熱分解温度の測定データを図1に示す。データの傾きが変化する前後の傾きの接線が交差する点からサンプルの熱分解温度は420℃であった。
UL94 V燃焼試験は実施例1と同じ手順で行い、表2に消炎時間として示した。
水酸化アルミニウムを水酸化マグネシウムに変えたこと以外は実施例1と同様に、硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウムを調製した。
EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体:日本ポリエチレン(株)製A1100)40gをラボプラストミル(東洋精機(株)製)のミキサー(容量100cc)で溶融し、硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウム(数平均粒子径:0.8μm、調製方法は後述。)12gと、水酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製 キスマ5、数平均粒子径:0.8μm)52gとを混練した。200℃、50rpmで10分間混練した。
続いて前記の混合物を170℃に設定したプレス機で2.5mm厚みのシートを作製した。23℃、湿度50%で48hr保管した後、UL94 V燃焼試験を行った。
なお、樹脂(エチレン−エチルアクリレート共重合体)と金属水酸化物(水酸化マグネシウム)と難燃剤組成物(硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウム)との混合物の熱分解温度の測定データを図1に示す。データの傾きが変化する前後の傾きの接線が交差する点からサンプルの熱分解温度は420℃であった。
UL94 V燃焼試験は実施例1と同じ手順で行い、表2に消炎時間として示した。
水酸化アルミニウムを水酸化マグネシウムに変えたこと以外は実施例1と同様に、硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウムを調製した。
実施例6:
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gとともにアルミニウム含有率が1質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液100gを徐々に滴下したこと以外は実施例5と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は418℃であった。
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gとともにアルミニウム含有率が1質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液100gを徐々に滴下したこと以外は実施例5と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は418℃であった。
比較例4:
水酸化マグネシウム(キスマ5)を64g添加し、硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウムを添加しなかったこと以外は実施例5と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は428℃であった。
水酸化マグネシウム(キスマ5)を64g添加し、硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウムを添加しなかったこと以外は実施例5と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は428℃であった。
比較例5:
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gを滴下しなかったこと以外は実施例5と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は429℃であった。
珪素含有率が1質量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液100gを滴下しなかったこと以外は実施例5と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は429℃であった。
比較例6:
30質量%硝酸水を滴下しなかったこと以外は実施例5と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は426℃であった。
30質量%硝酸水を滴下しなかったこと以外は実施例5と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は426℃であった。
比較例7:
30質量%硝酸水を滴下しなかったこと以外は実施例6と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は425℃であった。
30質量%硝酸水を滴下しなかったこと以外は実施例6と同様にサンプルを作製し、UL94 V燃焼試験を行った。サンプルの熱分解温度は425℃であった。
[結果の説明]
以上のUL94 V燃焼試験から、水酸化アルミニウムの一部を硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウム、硝酸+アンモニア処理シリカ合成水酸化アルミニウム、硝酸処理シリカアルミナ合成水酸化アルミニウム、または硝酸+アンモニア処理シリカアルミナ合成水酸化アルミニウムで置換した場合は、置換前の水酸化アルミニウムのみを添加した場合と比較して、難燃性が向上した。一方、シリカアルミナ合成水酸化アルミニウムで置換した場合は難燃性の向上がわずかであった。また、水酸化マグネシウムの一部を硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウム、または硝酸処理シリカアルミナ合成水酸化マグネシウムで置換した場合は、置換前の水酸化マグネシウムのみを添加した場合と比較して、難燃性が向上した。一方、シリカ合成水酸化マグネシウム、または、シリカアルミナ合成水酸化マグネシウムで置換した場合は難燃性の向上がみられなかった。
以上のUL94 V燃焼試験から、水酸化アルミニウムの一部を硝酸処理シリカ合成水酸化アルミニウム、硝酸+アンモニア処理シリカ合成水酸化アルミニウム、硝酸処理シリカアルミナ合成水酸化アルミニウム、または硝酸+アンモニア処理シリカアルミナ合成水酸化アルミニウムで置換した場合は、置換前の水酸化アルミニウムのみを添加した場合と比較して、難燃性が向上した。一方、シリカアルミナ合成水酸化アルミニウムで置換した場合は難燃性の向上がわずかであった。また、水酸化マグネシウムの一部を硝酸処理シリカ合成水酸化マグネシウム、または硝酸処理シリカアルミナ合成水酸化マグネシウムで置換した場合は、置換前の水酸化マグネシウムのみを添加した場合と比較して、難燃性が向上した。一方、シリカ合成水酸化マグネシウム、または、シリカアルミナ合成水酸化マグネシウムで置換した場合は難燃性の向上がみられなかった。
Claims (11)
- 金属水酸化物とケイ素の酸化物とを含む無機組成物を窒素含有化合物で処理した難燃剤組成物。
- 前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、またはそれらの混合物である請求項1に記載の難燃剤組成物。
- 前記窒素含有化合物が、硝酸及び/またはアンモニアである請求項1に記載の難燃剤組成物。
- 前記無機組成物が、さらにアルミニウムの酸化物を含む請求項1に記載の難燃剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃剤組成物を樹脂に配合してなる難燃性樹脂組成物。
- さらに窒素含有化合物で処理しない金属水酸化物を含む請求項5に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項5に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂が、有機酸基及び/または有機酸エステル基を有する請求項5または7に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記有機酸基がカルボン酸基であり、前記有機酸エステル基がカルボン酸エステル基である請求項8に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂と未処理金属水酸化物との混合物の熱分解温度よりも、金属水酸化物の一部またはすべてを難燃剤組成物に置き換えた混合物の熱分解温度のほうが低い請求項5〜9のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 難燃性樹脂組成物用のマスターバッチである請求項5〜10のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
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JP2009138898A JP2010285495A (ja) | 2009-06-10 | 2009-06-10 | 難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物 |
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JP2009138898A JP2010285495A (ja) | 2009-06-10 | 2009-06-10 | 難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113463209A (zh) * | 2021-07-20 | 2021-10-01 | 山东龙港硅业科技有限公司 | 一种阻燃剂及其制备方法和应用 |
-
2009
- 2009-06-10 JP JP2009138898A patent/JP2010285495A/ja active Pending
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