JP2004051679A - 難燃剤および難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂の発泡を招き難く、高い難燃性を付与することができる水酸化アルミニウムベースの難燃剤と、その難燃剤を添加した樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の難燃剤は、実質的にベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩とからなる。水熱合成により、水酸化アルミニウムを斜方晶系のベーマイトに変態させる過程において、変態が飽和する以前に合成を停止させて得られる水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物(アルミナ水和物)を使用する。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明の難燃剤は、実質的にベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩とからなる。水熱合成により、水酸化アルミニウムを斜方晶系のベーマイトに変態させる過程において、変態が飽和する以前に合成を停止させて得られる水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物(アルミナ水和物)を使用する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃剤および難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
水酸化アルミニウム粉末が難燃フィラー(難燃剤)として樹脂に添加されていることはよく知られている。難燃フィラーとしての水酸化アルミニウムは、安価、かつ有害物質を生じないことから、年々その需要が増えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水酸化アルミニウム自体の脱水開始温度は低く、難燃フィラーとして使用した場合に樹脂の成形温度を高くすることができないという問題もある。難燃フィラーとして好適な粒径は、物性低下を招かないように1μm前後に調整されるが、その大きさだとおよそ180℃から脱水が始まってしまうため、成形中に樹脂が発泡してしまう。添加量を少なくすれば発泡も目立ち難いが、そのようにすると高い難燃効果を付与することができない。
【0004】
そこで本発明は、樹脂の発泡を招き難く、高い難燃性を付与することができる水酸化アルミニウムベースの難燃剤と、その難燃剤を添加した樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために本発明の難燃剤は、ベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩を含有することを特徴とする。実質的には、それらの成分からなると考えてよい。
【0006】
水酸化アルミニウムと同じアルミナ水酸化物であるベーマイトの脱水開始温度は、水酸化アルミニウムに比べて高いことはよく知られている。したがって、ベーマイトを難燃剤として使用するとよいように思え、実際、ベーマイトは難燃フィラーとして使用されている。
【0007】
ところで、本願に先立ち本発明者は、水和金属化合物と併せて少量の硝酸塩を樹脂に添加することで、両者の相互作用によって難燃性を飛躍的に高めることができるという知見を、特願2001―312885号に記した。ただし、硝酸塩と水和金属化合物との相互作用は、硝酸塩と水和金属化合物の分解開始温度が近接していることが重要である。なぜなら、温度上昇にともなって水和金属化合物から生じる水と、硝酸塩から生じる窒素酸化物との相互作用が、難燃性付与効果を高めていると考えられているからである。
【0008】
上記したベーマイトの脱水開始温度は低くとも400℃程度であり、多くの硝酸塩の分解温度(たとえば250℃以下)から大きく離れている。つまり、硝酸塩との相互作用を重視する場合は水酸化アルミニウムのほうが有利である。他方、分解開始温度を重視する場合には、ベーマイトのほうが有利である。したがって、水酸化アルミニウムおよびベーマイトを硝酸塩と組み合わせた本発明の難燃剤は、成形時における樹脂の発泡を抑えつつ、高い難燃効果を付与することができる。
【0009】
また、本発明の難燃剤の第二は、水熱合成により、水酸化アルミニウムを斜方晶系のベーマイトに変態させる過程において、変態が飽和する以前に合成を停止させて得られる水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物と、硝酸塩とを含有することを特徴とする。
【0010】
上記本発明は、単に水酸化アルミニウム粉末、ベーマイト粉末および硝酸塩を混合しただけのものとは異なる。すなわち、晶系を変態させるための水熱合成を中途で停止させ、水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物を得る。この組成物は、単純にベーマイトと水酸化アルミニウムとを混合したものよりも、高い脱水開始温度を持つと考えられる(実施例参照)。したがって、硝酸塩と組み合わせて使用する水和金属化合物として好適であり、そのようにして作製される難燃剤は、成形時における樹脂の発泡を抑えつつ、高い難燃効果を付与することができる。
【0011】
そして、本発明の難燃性樹脂組成物は、上記した難燃剤を樹脂に添加したことを特徴とし、実質的に樹脂、ベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩とからなる。
【0012】
このような樹脂組成物は、水酸化アルミニウムとベーマイトを併用したことにより、水酸化アルミニウム自体の添加量は低減されるので、成形時の発泡量も低減される。しかし、水酸化アルミニウムは全く除外されるわけではないので、硝酸塩との相互作用による難燃性付与効果も期待できる。すなわち、本発明の難燃性樹脂組成物は、成形時の発泡を抑制しつつも、高い難燃性を期待できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の難燃剤は、難燃性の付与成分としてベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩を含む。ベーマイトと水酸化アルミニウムは、同じアルミナ水和物に属するが本明細書では以下のように区別する。
【0014】
*ベーマイト…アルミナ一水和物(組成式Al2O3・H2O)、斜方晶系。
*水酸化アルミニウム…アルミナ三水和物(組成式Al2O3・3H2O)。結晶質のものと、非結晶質のものがある。一般に難燃フィラーとして使用されるのは、ギブサイトと呼ばれる結晶質のものである。
【0015】
ベーマイトは、水酸化アルミニウムを出発原料として水熱合成により作製することができる。すなわち、粉末状の水酸化アルミニウム、アルカリ土類金属化合物および水をそれぞれ適量秤量してオートクレーブに入れ、加熱・加圧して攪拌しつつ水熱合成を行う。
【0016】
アルカリ土類金属化合物は、生成されるベーマイトの形態を制御するために使用される。水熱合成によって水酸化アルミニウムから得られるベーマイトの形態としては、たとえば針状、板状のものがある。針状のものを得るためには、マグネシウム化合物を、板状のものを得るためにはカルシウム化合物、ストロンチウム化合物およびバリウム化合物から選択される1種を使用するとよい。アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、塩化物、炭酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩およびギ酸塩からなるグループより選択される1種を用いることができる。なお、本発明の難燃剤には、針状ベーマイトおよび板状ベーマイトのいずれも好適である。
【0017】
水熱合成を行うに際し、水酸化アルミニウムとアルカリ土類金属化合物との混合割合は、たとえばアルカリ土類金属化合物1モルに対し、水酸化アルミニウムを2モル以上10モル以下とすることができる。アルカリ土類金属化合物を過剰に添加することは経済的でないし、少なすぎると水酸化アルミニウムをベーマイトに変態させることができない恐れがある。
【0018】
水熱合成に供する水の量は、たとえば質量換算で水酸化アルミニウムと同等以上10倍以下とすることができる。水の量が少なすぎると、水熱合成を十分に進行させることができず、ベーマイト化が不十分になる恐れがある。他方、水の量が多すぎると、アスペクト比の大きい針状ベーマイト、板状ベーマイトを得ることが困難になる。針状ベーマイトや板状ベーマイトは、それらのアスペクト比が大きいほど樹脂を補強する効果が高いので好ましい。なお、水熱合成に供する水の量を少なめに調整したプロセスをドライプロセス、多めに調整したプロセスをウェットプロセスとして捉えることができる。
【0019】
また、水熱合成を行う際の温度は、150℃以上300℃以下の範囲内にて調整するとよい。温度が低すぎると、生成されるベーマイトの形態が針状や板状以外の形態(たとえば粒状)になったり、水酸化アルミニウムがベーマイトに変態しなかったりする。他方、温度が高すぎると、生産効率の面で不利になる。また、圧力に関していえば、加熱にともなって上昇した圧力を保持すればよい。なお、水熱合成中に、試料を適度に攪拌できるオートクレーブを使用するのがよい。水熱合成が終了して得られる生成物をろ過、洗浄、乾燥すれば、白色粉末状のベーマイトを得ることができる。
【0020】
一方、本発明の難燃剤により好適なベーマイトは、水酸化アルミニウムと混在して単離不可のものである(実施例参照)。すなわち、水酸化アルミニウム(ギブサイト)を斜方晶系のベーマイトに変態させる工程(水熱合成)において、変態が飽和する以前に合成を停止させ、水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物を作製する。そして、その組成物と硝酸塩とを調合し、本発明の難燃剤となす。
【0021】
水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物(アルミナ水和物)は、質量換算にてベーマイトよりも水酸化アルミニウムのほうが多くなるように水熱合成を停止して得られるものとすることができる。昇温時の脱水量が多いこと、分解開始温度が多くの硝酸塩に近いことなどの理由から、水酸化アルミニウムの比率を高くしたほうが、難燃性付与効果は高くなると期待される。両者の好適な比率としては、質量換算にて、(ベーマイト):(水酸化アルミニウム)=5:95以上50:50以下の範囲が好適である。なお、この比率は、ベーマイトと水酸化アルミニウムとを別々に秤量して混合する場合も同様である。
【0022】
硝酸塩としては、分解開始温度が比較的高いこと、樹脂を着色することがないことなどの理由から、硝酸アンモニウムあるいは硝酸ランタンアンモニウムが推奨される。これらの硝酸塩の微粉末には、吸湿性を抑制するための表面処理を施すことが望ましい。表面処理は、たとえばアエロジル、ステアリン酸カルシウムを使用する方法により行うとよい。
【0023】
また、本発明の難燃剤における硝酸塩の含有量は、質量換算にてベーマイトおよび水酸化アルミニウムの総含有量よりも少なく調整するのがよい。たとえば、ベーマイトおよび水酸化アルミニウムの総量を100質量部としたとき、硝酸塩は1質量部以上100質量部未満(好ましくは5質量部以上50質量部以下)とすることができる。硝酸塩は、水和金属化合物に併用される難燃助剤としての役割が大きいので、その含有量は水酸化アルミニウムおよびベーマイトの総含有量よりも少ないほうがよい。ただし、少なすぎると所期の難燃性付与効果を達成できない恐れがあるので、上記した範囲内で調整することが望ましい。
【0024】
また、水酸化アルミニウム、ベーマイトおよび硝酸塩は、おのおの平均粒径が0.1μm以上10μm以下のものを使用すれば、樹脂の物性低下を大きく招くこともないので好適である。水熱合成を中途で停止させて得た水酸化アルミニウムおよびベーマイトからなるアルミナ水和物粉末に関しても、平均粒径は、上記の値に調整するのがよい。なお、平均粒径は、レーザー回折式粒度計にて測定された値を採用する。
【0025】
また、各粉末には、樹脂との親和性、さらには成形性を向上させるための表面処理を施すこともできる。その際には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、脂肪酸系としてステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、脂肪酸塩として前記各脂肪酸のCa塩、Zn塩、非イオン系界面活性剤としてポリエチレングリコール誘導体、ポリエチレン系またはポリプロピレン系ワックス類、カルボン酸系カップリング剤、リン酸系カップリング剤などの表面処理剤を用いるとよい。
【0026】
一方、本発明の難燃性樹脂組成物に使用する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート(EEA)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンポリプロピレンジエン共重合体(EPDM)等のポリオレフィン樹脂や、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを例示できる。これらの樹脂100質量部に対する本発明の難燃剤の添加量は、10質量部以上100質量部以下とするのがよい。添加量が増加するほど樹脂の成形性が低下するうえ、コスト増大にもつながる。他方、添加量が少なすぎると難燃性を付与することができなくなる。
【0027】
難燃剤を樹脂に添加して成形する方法としては、射出成形、圧縮成形、トランスファ成形、押出成形、ブロー成形、カレンダ成形、積層成形、シートフォーミングなどの公知の方法を採用することができる。なお、本発明の難燃剤は、各成分の粉末を所定の配合比で混ぜ合わせた混合粉末の形態とするか、添加対象となる樹脂と同一の樹脂基材中に各粉末を高濃度に分散混合して、ペレットまたは顆粒状にしたマスターバッチの形態とするかである。マスターバッチの製造に際して、あるいは上記混合粉末を樹脂に添加するに際して、ステアリン酸カルシウムなどの金属石けん、ポリエチレンワックスなどの分散剤を用いることも可能である。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
まず、以下の表1に示すように、実質的にベーマイトと水酸化アルミニウムとからなるいくつかの組成物を作製した。
【0029】
【表1】
【0030】
サンプル「H42S」だけは、水酸化アルミニウム100%(昭和電工社製)となっている。サンプル「SB」は、ウェットプロセスをほぼ完全に進行させて得たベーマイトと、別に用意した水酸化アルミニウムとを混合しただけのものである。ドライプロセスとウェットプロセスに関しては、前述した通りである。そして、表1に示す各サンプルについて、TG(Thermogravimetry:熱重量分析)減少率が1%に達する温度(試験1)、350℃に保持したときの総脱水量(試験2)、230℃に10分間保持したときの脱水率(試験3)、を熱重量分析によりそれぞれ調べた。なお、TGの昇温速度は、全試験について5℃/minとした。試験1の結果を図1に、試験2の結果を図2に、試験3の結果を図3にそれぞれ示す。なお、サンプルは全て、平均粒径が1μm以上2μm以下の微粉末の形態としたものである。
【0031】
まず、図1に示す結果から明らかなように、ベーマイトを含有するサンプル(D1〜SB)は、100%水酸化アルミニウムのサンプル(H42S)よりも、TG減少率が1%に到達する温度が高い。すなわち、耐熱性に優れる。そのなかでも、ウェットプロセスにて作製したベーマイト化途中品(W1,W2)は、単純混合品(SB)よりもTG−1%減少温度が10℃以上高く、耐熱性が秀逸であることが分かる。
【0032】
図1に示す結果と同様に、図3の結果も耐熱性の優劣を表している。図3に示す結果は、脱水率が小さいほど耐熱性に優れることを示している。すなわち、図1が示す結果と図3が示す結果とはほぼ一致するものであり、ウェットプロセスで作製されたベーマイト化途中品(W1,W2)が、耐熱性に優れることが分かる。
【0033】
次に、図2に示す結果は、水酸化アルミニウムに含有される結晶水の量を反映したものとなっている。というのも、水酸化アルミニウム(ギブサイト)を350℃に保持すれば脱水するが、ベーマイトはほとんど脱水しない。すなわち、TG測定により350℃での脱水量を調べれば、水酸化アルミニウムを定量できる。したがって、この手法に拠ると、ベーマイト化途中品についても、それを構成するベーマイトおよび水酸化アルミニウムの存在比率を知ることが可能である。
【0034】
図4は、水酸化アルミニウムのみ(ATH only)、単純混合品(simple blend)、ベーマイト化途中品(BM/ATH)のそれぞれについてTG曲線を模式的に表した図である。つまり、単純混合品とベーマイト化途中品との違いは脱水開始温度にあり、総脱水量自体は相違しないものと考えられる。したがって、耐熱性および難燃性付与効果のバランスを考えたとき、難燃剤としての最も適性があるのは、ウェットプロセスで作製したベーマイト化途中品であり、続いてドライプロセスで作製したベーマイト化途中品、シンプルブレンド品、100%水酸化アルミニウムの順であるといえる。
【0035】
(実施例2)
ブロックPP樹脂100質量部に、前述した水熱合成(ウェットプロセス)を中途で停止させて得たベーマイト化途中品(BM/ATH)、100%水酸化アルミニウム(ATH:昭和電工社製H42S)、硝酸アンモニウム、硝酸ランタンアンモニウムおよび硝酸亜鉛の各粉末を、それぞれ表2に記載した割合にて添加して成形し、試験品No.1〜No.4までの難燃性樹脂組成物を得た。それらの試験品について、耐熱試験(230℃−10分間保持)を行い、発泡状況と着色の程度とを目視にて調べた。なお、本実施例2に用いたベーマイト化途中品(BM/ATH)は、ベーマイトと水酸化アルミニウムの質量比率(BM/ATH)=(15/85)である。
【0036】
【表2】
【0037】
本発明品に属する試験品No.1とNo.2については、発泡は確認できなかった。試験品No.3については、やや発泡が確認された。つまり、試験品No.3の発泡は、硝酸亜鉛に起因すると考えられる。また、試験品No.2については、着色も確認できなかった。他方、本発明品には属さない試験品No.4については発泡が確認された。この結果より、本発明の難燃剤および難燃性樹脂組成物に使用する硝酸塩としては、硝酸ランタンアンモニウムもしくは硝酸アンモニウムが好ましいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TG減少率が1%に達する温度を表すグラフ。
【図2】総脱水量を表すグラフ。
【図3】耐熱試験での脱水率を表すグラフ。
【図4】各試料についてのTG曲線を模式的に表す図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃剤および難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
水酸化アルミニウム粉末が難燃フィラー(難燃剤)として樹脂に添加されていることはよく知られている。難燃フィラーとしての水酸化アルミニウムは、安価、かつ有害物質を生じないことから、年々その需要が増えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水酸化アルミニウム自体の脱水開始温度は低く、難燃フィラーとして使用した場合に樹脂の成形温度を高くすることができないという問題もある。難燃フィラーとして好適な粒径は、物性低下を招かないように1μm前後に調整されるが、その大きさだとおよそ180℃から脱水が始まってしまうため、成形中に樹脂が発泡してしまう。添加量を少なくすれば発泡も目立ち難いが、そのようにすると高い難燃効果を付与することができない。
【0004】
そこで本発明は、樹脂の発泡を招き難く、高い難燃性を付与することができる水酸化アルミニウムベースの難燃剤と、その難燃剤を添加した樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために本発明の難燃剤は、ベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩を含有することを特徴とする。実質的には、それらの成分からなると考えてよい。
【0006】
水酸化アルミニウムと同じアルミナ水酸化物であるベーマイトの脱水開始温度は、水酸化アルミニウムに比べて高いことはよく知られている。したがって、ベーマイトを難燃剤として使用するとよいように思え、実際、ベーマイトは難燃フィラーとして使用されている。
【0007】
ところで、本願に先立ち本発明者は、水和金属化合物と併せて少量の硝酸塩を樹脂に添加することで、両者の相互作用によって難燃性を飛躍的に高めることができるという知見を、特願2001―312885号に記した。ただし、硝酸塩と水和金属化合物との相互作用は、硝酸塩と水和金属化合物の分解開始温度が近接していることが重要である。なぜなら、温度上昇にともなって水和金属化合物から生じる水と、硝酸塩から生じる窒素酸化物との相互作用が、難燃性付与効果を高めていると考えられているからである。
【0008】
上記したベーマイトの脱水開始温度は低くとも400℃程度であり、多くの硝酸塩の分解温度(たとえば250℃以下)から大きく離れている。つまり、硝酸塩との相互作用を重視する場合は水酸化アルミニウムのほうが有利である。他方、分解開始温度を重視する場合には、ベーマイトのほうが有利である。したがって、水酸化アルミニウムおよびベーマイトを硝酸塩と組み合わせた本発明の難燃剤は、成形時における樹脂の発泡を抑えつつ、高い難燃効果を付与することができる。
【0009】
また、本発明の難燃剤の第二は、水熱合成により、水酸化アルミニウムを斜方晶系のベーマイトに変態させる過程において、変態が飽和する以前に合成を停止させて得られる水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物と、硝酸塩とを含有することを特徴とする。
【0010】
上記本発明は、単に水酸化アルミニウム粉末、ベーマイト粉末および硝酸塩を混合しただけのものとは異なる。すなわち、晶系を変態させるための水熱合成を中途で停止させ、水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物を得る。この組成物は、単純にベーマイトと水酸化アルミニウムとを混合したものよりも、高い脱水開始温度を持つと考えられる(実施例参照)。したがって、硝酸塩と組み合わせて使用する水和金属化合物として好適であり、そのようにして作製される難燃剤は、成形時における樹脂の発泡を抑えつつ、高い難燃効果を付与することができる。
【0011】
そして、本発明の難燃性樹脂組成物は、上記した難燃剤を樹脂に添加したことを特徴とし、実質的に樹脂、ベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩とからなる。
【0012】
このような樹脂組成物は、水酸化アルミニウムとベーマイトを併用したことにより、水酸化アルミニウム自体の添加量は低減されるので、成形時の発泡量も低減される。しかし、水酸化アルミニウムは全く除外されるわけではないので、硝酸塩との相互作用による難燃性付与効果も期待できる。すなわち、本発明の難燃性樹脂組成物は、成形時の発泡を抑制しつつも、高い難燃性を期待できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の難燃剤は、難燃性の付与成分としてベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩を含む。ベーマイトと水酸化アルミニウムは、同じアルミナ水和物に属するが本明細書では以下のように区別する。
【0014】
*ベーマイト…アルミナ一水和物(組成式Al2O3・H2O)、斜方晶系。
*水酸化アルミニウム…アルミナ三水和物(組成式Al2O3・3H2O)。結晶質のものと、非結晶質のものがある。一般に難燃フィラーとして使用されるのは、ギブサイトと呼ばれる結晶質のものである。
【0015】
ベーマイトは、水酸化アルミニウムを出発原料として水熱合成により作製することができる。すなわち、粉末状の水酸化アルミニウム、アルカリ土類金属化合物および水をそれぞれ適量秤量してオートクレーブに入れ、加熱・加圧して攪拌しつつ水熱合成を行う。
【0016】
アルカリ土類金属化合物は、生成されるベーマイトの形態を制御するために使用される。水熱合成によって水酸化アルミニウムから得られるベーマイトの形態としては、たとえば針状、板状のものがある。針状のものを得るためには、マグネシウム化合物を、板状のものを得るためにはカルシウム化合物、ストロンチウム化合物およびバリウム化合物から選択される1種を使用するとよい。アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、塩化物、炭酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩およびギ酸塩からなるグループより選択される1種を用いることができる。なお、本発明の難燃剤には、針状ベーマイトおよび板状ベーマイトのいずれも好適である。
【0017】
水熱合成を行うに際し、水酸化アルミニウムとアルカリ土類金属化合物との混合割合は、たとえばアルカリ土類金属化合物1モルに対し、水酸化アルミニウムを2モル以上10モル以下とすることができる。アルカリ土類金属化合物を過剰に添加することは経済的でないし、少なすぎると水酸化アルミニウムをベーマイトに変態させることができない恐れがある。
【0018】
水熱合成に供する水の量は、たとえば質量換算で水酸化アルミニウムと同等以上10倍以下とすることができる。水の量が少なすぎると、水熱合成を十分に進行させることができず、ベーマイト化が不十分になる恐れがある。他方、水の量が多すぎると、アスペクト比の大きい針状ベーマイト、板状ベーマイトを得ることが困難になる。針状ベーマイトや板状ベーマイトは、それらのアスペクト比が大きいほど樹脂を補強する効果が高いので好ましい。なお、水熱合成に供する水の量を少なめに調整したプロセスをドライプロセス、多めに調整したプロセスをウェットプロセスとして捉えることができる。
【0019】
また、水熱合成を行う際の温度は、150℃以上300℃以下の範囲内にて調整するとよい。温度が低すぎると、生成されるベーマイトの形態が針状や板状以外の形態(たとえば粒状)になったり、水酸化アルミニウムがベーマイトに変態しなかったりする。他方、温度が高すぎると、生産効率の面で不利になる。また、圧力に関していえば、加熱にともなって上昇した圧力を保持すればよい。なお、水熱合成中に、試料を適度に攪拌できるオートクレーブを使用するのがよい。水熱合成が終了して得られる生成物をろ過、洗浄、乾燥すれば、白色粉末状のベーマイトを得ることができる。
【0020】
一方、本発明の難燃剤により好適なベーマイトは、水酸化アルミニウムと混在して単離不可のものである(実施例参照)。すなわち、水酸化アルミニウム(ギブサイト)を斜方晶系のベーマイトに変態させる工程(水熱合成)において、変態が飽和する以前に合成を停止させ、水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物を作製する。そして、その組成物と硝酸塩とを調合し、本発明の難燃剤となす。
【0021】
水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物(アルミナ水和物)は、質量換算にてベーマイトよりも水酸化アルミニウムのほうが多くなるように水熱合成を停止して得られるものとすることができる。昇温時の脱水量が多いこと、分解開始温度が多くの硝酸塩に近いことなどの理由から、水酸化アルミニウムの比率を高くしたほうが、難燃性付与効果は高くなると期待される。両者の好適な比率としては、質量換算にて、(ベーマイト):(水酸化アルミニウム)=5:95以上50:50以下の範囲が好適である。なお、この比率は、ベーマイトと水酸化アルミニウムとを別々に秤量して混合する場合も同様である。
【0022】
硝酸塩としては、分解開始温度が比較的高いこと、樹脂を着色することがないことなどの理由から、硝酸アンモニウムあるいは硝酸ランタンアンモニウムが推奨される。これらの硝酸塩の微粉末には、吸湿性を抑制するための表面処理を施すことが望ましい。表面処理は、たとえばアエロジル、ステアリン酸カルシウムを使用する方法により行うとよい。
【0023】
また、本発明の難燃剤における硝酸塩の含有量は、質量換算にてベーマイトおよび水酸化アルミニウムの総含有量よりも少なく調整するのがよい。たとえば、ベーマイトおよび水酸化アルミニウムの総量を100質量部としたとき、硝酸塩は1質量部以上100質量部未満(好ましくは5質量部以上50質量部以下)とすることができる。硝酸塩は、水和金属化合物に併用される難燃助剤としての役割が大きいので、その含有量は水酸化アルミニウムおよびベーマイトの総含有量よりも少ないほうがよい。ただし、少なすぎると所期の難燃性付与効果を達成できない恐れがあるので、上記した範囲内で調整することが望ましい。
【0024】
また、水酸化アルミニウム、ベーマイトおよび硝酸塩は、おのおの平均粒径が0.1μm以上10μm以下のものを使用すれば、樹脂の物性低下を大きく招くこともないので好適である。水熱合成を中途で停止させて得た水酸化アルミニウムおよびベーマイトからなるアルミナ水和物粉末に関しても、平均粒径は、上記の値に調整するのがよい。なお、平均粒径は、レーザー回折式粒度計にて測定された値を採用する。
【0025】
また、各粉末には、樹脂との親和性、さらには成形性を向上させるための表面処理を施すこともできる。その際には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、脂肪酸系としてステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、脂肪酸塩として前記各脂肪酸のCa塩、Zn塩、非イオン系界面活性剤としてポリエチレングリコール誘導体、ポリエチレン系またはポリプロピレン系ワックス類、カルボン酸系カップリング剤、リン酸系カップリング剤などの表面処理剤を用いるとよい。
【0026】
一方、本発明の難燃性樹脂組成物に使用する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート(EEA)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンポリプロピレンジエン共重合体(EPDM)等のポリオレフィン樹脂や、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを例示できる。これらの樹脂100質量部に対する本発明の難燃剤の添加量は、10質量部以上100質量部以下とするのがよい。添加量が増加するほど樹脂の成形性が低下するうえ、コスト増大にもつながる。他方、添加量が少なすぎると難燃性を付与することができなくなる。
【0027】
難燃剤を樹脂に添加して成形する方法としては、射出成形、圧縮成形、トランスファ成形、押出成形、ブロー成形、カレンダ成形、積層成形、シートフォーミングなどの公知の方法を採用することができる。なお、本発明の難燃剤は、各成分の粉末を所定の配合比で混ぜ合わせた混合粉末の形態とするか、添加対象となる樹脂と同一の樹脂基材中に各粉末を高濃度に分散混合して、ペレットまたは顆粒状にしたマスターバッチの形態とするかである。マスターバッチの製造に際して、あるいは上記混合粉末を樹脂に添加するに際して、ステアリン酸カルシウムなどの金属石けん、ポリエチレンワックスなどの分散剤を用いることも可能である。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
まず、以下の表1に示すように、実質的にベーマイトと水酸化アルミニウムとからなるいくつかの組成物を作製した。
【0029】
【表1】
【0030】
サンプル「H42S」だけは、水酸化アルミニウム100%(昭和電工社製)となっている。サンプル「SB」は、ウェットプロセスをほぼ完全に進行させて得たベーマイトと、別に用意した水酸化アルミニウムとを混合しただけのものである。ドライプロセスとウェットプロセスに関しては、前述した通りである。そして、表1に示す各サンプルについて、TG(Thermogravimetry:熱重量分析)減少率が1%に達する温度(試験1)、350℃に保持したときの総脱水量(試験2)、230℃に10分間保持したときの脱水率(試験3)、を熱重量分析によりそれぞれ調べた。なお、TGの昇温速度は、全試験について5℃/minとした。試験1の結果を図1に、試験2の結果を図2に、試験3の結果を図3にそれぞれ示す。なお、サンプルは全て、平均粒径が1μm以上2μm以下の微粉末の形態としたものである。
【0031】
まず、図1に示す結果から明らかなように、ベーマイトを含有するサンプル(D1〜SB)は、100%水酸化アルミニウムのサンプル(H42S)よりも、TG減少率が1%に到達する温度が高い。すなわち、耐熱性に優れる。そのなかでも、ウェットプロセスにて作製したベーマイト化途中品(W1,W2)は、単純混合品(SB)よりもTG−1%減少温度が10℃以上高く、耐熱性が秀逸であることが分かる。
【0032】
図1に示す結果と同様に、図3の結果も耐熱性の優劣を表している。図3に示す結果は、脱水率が小さいほど耐熱性に優れることを示している。すなわち、図1が示す結果と図3が示す結果とはほぼ一致するものであり、ウェットプロセスで作製されたベーマイト化途中品(W1,W2)が、耐熱性に優れることが分かる。
【0033】
次に、図2に示す結果は、水酸化アルミニウムに含有される結晶水の量を反映したものとなっている。というのも、水酸化アルミニウム(ギブサイト)を350℃に保持すれば脱水するが、ベーマイトはほとんど脱水しない。すなわち、TG測定により350℃での脱水量を調べれば、水酸化アルミニウムを定量できる。したがって、この手法に拠ると、ベーマイト化途中品についても、それを構成するベーマイトおよび水酸化アルミニウムの存在比率を知ることが可能である。
【0034】
図4は、水酸化アルミニウムのみ(ATH only)、単純混合品(simple blend)、ベーマイト化途中品(BM/ATH)のそれぞれについてTG曲線を模式的に表した図である。つまり、単純混合品とベーマイト化途中品との違いは脱水開始温度にあり、総脱水量自体は相違しないものと考えられる。したがって、耐熱性および難燃性付与効果のバランスを考えたとき、難燃剤としての最も適性があるのは、ウェットプロセスで作製したベーマイト化途中品であり、続いてドライプロセスで作製したベーマイト化途中品、シンプルブレンド品、100%水酸化アルミニウムの順であるといえる。
【0035】
(実施例2)
ブロックPP樹脂100質量部に、前述した水熱合成(ウェットプロセス)を中途で停止させて得たベーマイト化途中品(BM/ATH)、100%水酸化アルミニウム(ATH:昭和電工社製H42S)、硝酸アンモニウム、硝酸ランタンアンモニウムおよび硝酸亜鉛の各粉末を、それぞれ表2に記載した割合にて添加して成形し、試験品No.1〜No.4までの難燃性樹脂組成物を得た。それらの試験品について、耐熱試験(230℃−10分間保持)を行い、発泡状況と着色の程度とを目視にて調べた。なお、本実施例2に用いたベーマイト化途中品(BM/ATH)は、ベーマイトと水酸化アルミニウムの質量比率(BM/ATH)=(15/85)である。
【0036】
【表2】
【0037】
本発明品に属する試験品No.1とNo.2については、発泡は確認できなかった。試験品No.3については、やや発泡が確認された。つまり、試験品No.3の発泡は、硝酸亜鉛に起因すると考えられる。また、試験品No.2については、着色も確認できなかった。他方、本発明品には属さない試験品No.4については発泡が確認された。この結果より、本発明の難燃剤および難燃性樹脂組成物に使用する硝酸塩としては、硝酸ランタンアンモニウムもしくは硝酸アンモニウムが好ましいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TG減少率が1%に達する温度を表すグラフ。
【図2】総脱水量を表すグラフ。
【図3】耐熱試験での脱水率を表すグラフ。
【図4】各試料についてのTG曲線を模式的に表す図。
Claims (8)
- ベーマイト、水酸化アルミニウムおよび硝酸塩を含有することを特徴とする難燃剤。
- 水熱合成により、水酸化アルミニウムを斜方晶系のベーマイトに変態させる過程において、変態が飽和する以前に合成を停止させて得られる水酸化アルミニウムとベーマイトとが混在した組成物と、硝酸塩とを含有することを特徴とする難燃剤。
- 前記組成物は、質量換算にてベーマイトよりも水酸化アルミニウムのほうが多くなるように水熱合成を停止して得られるものである請求項2記載の難燃剤。
- 前記硝酸塩の含有量は、質量換算にてベーマイトおよび水酸化アルミニウムの総含有量よりも少なく調整された請求項1ないし3のいずれか1項に記載の難燃剤。
- 前記硝酸塩が、硝酸アンモニウムおよび硝酸ランタンアンモニウムの少なくともいずれかである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の難燃剤。
- 前記硝酸塩には表面処理が施されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の難燃剤。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の難燃剤を樹脂に添加したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂は、ポリオレフィン、アクリルおよびエポキシからなる樹脂群から選択された1種である請求項7記載の難燃性樹脂組成物。
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