JP2003096463A - 水酸化マグネシウム系難燃剤とその製造方法及び該難燃剤を用いた難燃性樹脂組成物 - Google Patents
水酸化マグネシウム系難燃剤とその製造方法及び該難燃剤を用いた難燃性樹脂組成物Info
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Abstract
リン酸エステルの表面処理剤の存在下で、メディア粉砕
機を用いて120〜220℃の温度範囲で粉砕と粒子表面処理
とを同時に行い、平均粒子径が1μm以上5μm以下で
該表面処理剤の被覆層を有する粒子とする。 【効果】機械的物性及び耐水性に優れた、水酸化マグネ
シウム系難燃剤が得られる。
Description
として使用される水酸化マグネシウム系難燃剤やその製
造方法、及び該難燃剤を用いた難燃性樹脂組成物に関す
る。さらに詳しくは、ポリオレフィン樹脂に配合する場
合の、樹脂組成物の機械的物性及び耐水性に優れ、且つ
比較的安価な水酸化マグネシウム系難燃剤を提供するも
のである。
141929号公報に示されるように、樹脂組成物等の燃焼時
の発煙、毒性、腐食等の二次災害を防止する目的で、オ
レフィン系等の樹脂組成物に添加されている。水酸化マ
グネシウムはノンハロゲン難燃剤であり、地球環境の保
全やエコロジー化という社会的ニーズに沿い、水酸化マ
グネシウムを用いた樹脂組成物は、ハロゲンや重金属を
含まないため、ハロゲン系樹脂組成物の代替材料とし
て、自動車のワイヤーハーネス等に用いる電線被覆用途
を中心に広く適用されつつある。
られる、水酸化マグネシウムの製造方法には、大別し
て、反応合成法と天然鉱物粉砕法の2つがある。反応合
成法には、例えば海水または苦汁中に苛性アルカリまた
は消石灰のスラリーを添加して反応させる方法、水酸化
マグネシウムスラリーに水酸化ナトリウムを添加し水熱
処理する方法(特公昭50-23680号公報)、塩基性マグネシ
ウム塩スラリーを水熱処理する方法(特開昭52-115799号
公報)、マグネシウム塩溶液とアンモニアを反応させる
方法(特開昭61-168522号公報等)が知られている。いず
れの方法でも、合成した水酸化マグネシウムを洗浄、表
面処理、脱水し、乾燥、粉砕して、水酸化マグネシウム
系難燃剤にしている。
ウムを主成分とする天然ブルーサイト鉱石を粉砕、表面
処理して、水酸化マグネシウム系難燃剤にする方法であ
り、例えば特公平7-42461号公報に開示されているよう
に、天然ブルーサイト鉱石を水性スラリーとしてから湿
式粉砕し、この粉砕品スラリーを脂肪酸のアンモニウム
塩またはアミン塩の乳化物で表面処理し、固液分離した
後に乾燥する方法等が知られている。
されているように、難燃組成物の吸湿性を抑えるため
に、天然ブルーサイト鉱石を粉砕し、脂肪酸、脂肪酸金
属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング
剤を主成分とする表面処理剤で表面処理する方法が知ら
れている。さらに、特開平10-226789号公報には、耐水
性、分散性、難燃性に優れた比較的低コストの水酸化マ
グネシウム系難燃剤を得るために、天然ブルーサイト粉
砕品をシランカップリング剤及びシラン表面処理剤の存
在下でメカノケミカル処理し、被覆層と粒子表面が化学
結合した平均粒子径1〜10μmの水酸化マグネシウム系難
燃剤の製造方法が開示されている。
合して得られるノンハロゲン難燃材料には、水酸化マグ
ネシウム系難燃剤が、例えば樹脂100重量部に対して50
〜100重量部、高い難燃性を必要とする場合には100重量
部以上配合される。水酸化マグネシウム系難燃剤の配合
量が多くなるに従って、難燃性は向上するものの機械的
物性は低下する。特に、高い難燃性を必要とする場合
の、水酸化マグネシウム系難燃剤100重量部以上の高充
填配合ではこの傾向が顕著で、難燃材料の配合設計が難
しくなる。機械的物性の低下には、水酸化マグネシウム
系難燃剤の配合量のみではなく、水酸化マグネシウム系
難燃剤の性状が影響することが判明しており、高充填し
ても機械特性の低下の小さい、水酸化マグネシウム系難
燃剤が求められている。
合成法によって得られた水酸化マグネシウムは、比較的
整った粒子性状と比較的微細で揃った粒子径を有するた
め、高充填しても比較的機械的物性の低下の小さい材料
を作りやすい特徴を持つ。しかし天然鉱物粉砕法に比べ
ると、原料費が高く、製造工程が複雑で、エネルギーコ
ストの高い工程を必要とするために経済的に不利で、ノ
ンハロゲン難燃剤として使用される用途は、限定された
ものにならざるを得ない。
マグネシウム系難燃剤は、安価な天然ブルーサイト鉱石
を原料とするため、比較的低コストで経済性に優れた材
料として期待されている。特に特開平7-161230号公報や
特開平10-226789号公報に開示されているような、乾式
工程のみからなる方法は、環境に優しいノンハロゲン難
燃材料により、ハロゲン系材料を幅広い用途で代替し得
るものとして、期待されている。
燃化効果はハロゲン系難燃剤に較べて低く、ポリオレフ
ィン樹脂等に配合する場合、樹脂中に大量に配合しない
と、充分な難燃性が得られない。例えば、自動車のワイ
ヤーハーネスに用いる絶縁電線は、火災事故に対する安
全性の点から、ISO規格45°傾斜の燃焼試験に合格する
難燃性が求められている。このような燃焼試験に合格す
るように、一般に樹脂中に大量の水酸化マグネシウム系
難燃剤を配合して難燃性を高めているが、分散性が悪く
なり、樹脂組成物の引張強度や伸びなどの機械的物性が
著しく低下する。
えば特許第2525968号には、機械的物性を低下させずに
水酸化マグネシウムを大量に配合するため、シランカッ
プリング剤等の架橋剤を配合して、溶融混練時あるいは
押出成形時に化学架橋や電子線架橋を行う方法が示され
ている。また例えば、特開2000-294036号公報では、
架橋性のシランカップリング剤で表面処理した水酸化マ
グネシウムを所定量配合すると、高い難燃性と機械的物
性を満足できることが開示されている。
難燃樹脂組成物において、機械的物性と共に重要な特性
として、耐水性がある。即ち、長時間雨水や湿気等にさ
らされると、電線被覆材料の電気絶縁性が低下し、ショ
ート、漏電等の危険性がある。しかし、特開平7-161230
号公報や特開平10-226789号公報に開示されているよう
な簡素な乾式工程のみで表面処理した水酸化マグネシウ
ム系難燃剤では、機械的物性及び耐水性を充分満足でき
なかった。
械的物性及び耐水性に優れ、かつ低コストで経済性に優
れた水酸化マグネシウム系難燃剤とその製造方法、及び
該難燃剤を用いた樹脂組成物を提供することにある。
の各要素を鋭意検討した結果、本発明に到達した。即
ち、天然ブルーサイト鉱石を乾式粉砕する方法におい
て、天然ブルーサイト鉱石の粉末に、シランカップリン
グ剤とアルコールリン酸エステルからなる2種類の表面
処理剤を添加し、メディア粉砕機を用いて、150〜250℃
に加熱しながら粉砕と表面処理とを同時に行い、所定の
平均粒子径とすることによって、本発明の目的を達し得
ることを見出した。
粉砕して水酸化マグネシウム系難燃剤を製造する方法に
おいて、天然ブルーサイト鉱石の粗粉体に、シランカッ
プリング剤とアルコールリン酸エステルからなる2種類
の表面処理剤を添加して、被粉砕物を加熱可能なメディ
ア粉砕機を用いて、120〜220℃に加熱しながら、粉砕と
表面処理を同時に行って、平均粒子径が1μm以上5μ
m以下で、該表面処理剤の被覆層を有する粒子とする。
平均粒子径は好ましくは2〜5μmとし、粗粉体の平均粒
子径は例えば5μm超で8μm以下とし、シランカップリン
グ剤とアルコールリン酸エステルのそれぞれの添加量
は、水酸化マグネシウムと表面処理剤の合計量に対して
好ましくは0.5〜5%とする。また加熱温度は120〜220℃
とし、好ましくは150〜200℃とする。この発明では、樹
脂配合時の機械的物性及び耐水性に優れ、かつ低コスト
で経済性に優れた、水酸化マグネシウム系難燃剤が提供
される。
は、例えば、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン等のメタクリロキシ系、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシ
エトキシ)シラン等のビニル系、γ-グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、β-(3, 4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン等のエポキシ系、N-β(アミノエ
チル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β
(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-
アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系等が挙げ
られる。
とリン酸のエステルであればよく、例えばモノアルコー
ルエステルあるいはジアルコールエステルとし、リン酸
中の残存水素イオン(エステル化反応せずに残る水素イ
オン)はアルカリ金属イオンやアルコールアミンイオン
などで置換してもよい。但し本発明では、アルコールリ
ン酸エステルは加熱下で乾式で水酸化マグネシウムと反
応させるので、残存水素イオンの位置が、水酸化マグネ
シウムとの反応位置となり、リン酸中の残存水素イオン
をアルカリ金属イオンやアルコールアミンイオンなどで
置換すると、水酸化マグネシウム表面との反応性が低下
し好ましくない。
テルは、モノまたはジ-飽和アルコールのリン酸エステ
ルが好ましく、トリアルコールリン酸エステルは水酸化
マグネシウムとの反応性が低く好ましくない。このよう
なアルコールリン酸エステルには例えば、モノ-ステア
リルアルコールリン酸エステル、ジ-ステアリルアルコ
ールリン酸エステル、モノ-ラウリルアルコールリン酸
エステル、ジ-ラウリルアルコールリン酸エステル、モ
ノ-ミリスチルアルコールリン酸エステル、ジ-ミリスチ
ルアルコールリン酸エステル、モノ-パルミチルアルコ
ールリン酸エステル、ジ-パルミチルアルコールリン酸
エステル、モノ-アラキルアルコールリン酸エステル、
ジ-アラキルアルコールリン酸エステル、モノ-ベヘルア
ルコールリン酸エステル、ジ-ベヘルアルコールリン酸
エステル、モノ-リグノセリルアルコールリン酸エステ
ル、ジ-リグノセリルアルコールリン酸エステル等があ
り、これらは単独であるいは混合して使用する。
粉砕機(メディアミル)には、例えば被粉砕物を収容する
容器をジャケットで加熱するようにして、該容器内に被
粉砕物とメディアを転動させるようにしたものを用い
る。具体的には、バッチ式あるいは連続式のボールミ
ル、振動ボールミル、メディア撹拌型ミル等が挙げら
れ、例えばジャケット加熱で加熱し、メディアにはアル
ミナボール、ジルコニアボール、金属ボール、金属ロッ
ド等の、水酸化マグネシウムよりも硬質のメディアが使
用できる。
は、120〜220℃とし、好ましくは150〜200℃であること
が好ましい。温度が120℃よりも低いと、機械的物性が
不充分である。温度が220℃よりも高いと、表面処理剤
が焼けて樹脂組成物が着色するばかりでなく、耐水性も
低下する。
無水マレイン酸系、アクリル酸系、酢酸ビニル系、エチ
レン系、プロピレン系の樹脂や、これらの共重合体樹脂
に配合する。水酸化マグネシウム系難燃剤に関する好適
条件は、当然のことながら、該難燃剤を添加した樹脂組
成物にも当てはまる。
リン酸エステルとを表面処理剤として併用し、メディア
ミルを用いて120〜220℃で加熱下に粉砕する実施例(実
施例1〜3)を示す。比較例として、シランカップリング
剤とアルコールリン酸エステルを用いないもの(比較例
1)やこれらの一方のみを用いたもの(比較例2,3)を示
す。またメディアミルでの表面処理時の温度(ミルの内
部温度)を室温や100℃、あるいは250℃としたものを比
較例4〜6に示す。さらにメディアミルに代えて、ヘンシ
ェルミキサーで加熱下に撹拌し、ハンマーミルで粉砕す
るものを比較例7に示す。
砕品1kgと、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン10gと、モノ-ステアリルアルコールリン酸エステル
とジ-ステアリルアルコールリン酸エステルの混合物(重
量比で50重量%:50重量%)10gを内容積10リットルのジャ
ケット加熱のバッチ式メディア撹拌型ミル中に入れ、15
0℃まで加熱し、30分間撹拌した。ミルのメディアには
径5mmのアルミナボールを使用した。処理後に粉末をバ
ッチ式メディア撹拌型ミルから取り出して、表面処理品
サンプルとした。
℃(実施例2)または210℃(実施例3)にした以外は、
実施例1と同様にして表面処理品サンプルを得た。
ある以外は、実施例1と同様にして表面処理サンプルを
得た(比較例1)。また表面処理剤がγ-メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン10gのみである以外は、実
施例1と同様にして表面処理サンプルを得た(比較例
2)。さらに、表面処理剤がモノ-ステアリルアルコール
リン酸エステルとジ-ステアリルアルコールリン酸エス
テルの混合物(重量比で50重量%:50重量%)10gのみであ
る以外は、実施例1と同様にして表面処理サンプルを得
た(比較例3)。
時に非加熱(比較例4)、撹拌処理時のミル内部の温度
を100℃とし(比較例5)、あるいはミル内部の温度を25
0℃とし(比較例6)、これ以外の点は実施例1と同様に
して、表面処理サンプルを得た。
成品1kgと、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン10gと、モノ-ステアリルアルコールリン酸エステル
とジ-ステアリルアルコールリン酸エステルの混合物(重
量比で50重量%:50重量%)10gを容積10リットルのヘンシ
ェルミキサー(撹拌型でメディアを用いないミキサー)
中に入れ、5分間乾式混合した後に、150℃まで加温し、
30分間高速撹拌した。なお高速撹拌開始10分後に撹拌を
停止し、内壁及び撹拌壁の付着物をかき落とす操作を1
度行った。ヘンシェルミキサーで加温混合処理した粉末
をハンマーミルで粉砕処理した後、再度ヘンシェルミキ
サー中で約150℃で15分間加温混合処理して、表面処理
サンプルを得た。
処理水酸化マグネシウム(水酸化マグネシウム系難燃
剤)の平均粒子径を、レーザー回折法により測定した。
平均粒子径は、特級エタノール中で試料を超音波分散処
理した後に測定した。
マレイン酸三元共重合体(住友化学製、商品名:ボンダ
インTX-8030、MFR:3)100重量部に対し、実施例及び比
較例で調整した水酸化マグネシウム表面処理品100重量
部を配合して混合した後に、東洋精機株式会社製ラボプ
ラストミルを用いて、150℃で5分間、回転数50rpmで混
練し、さらに150℃でプレス成形した。難燃性試験は、
厚み3mmのシートを作成し、長さ150mm、幅6.5mmのテス
トピースを作成して酸素指数(JIS K7201に準拠)を測定
した。引張試験は、厚み2mmのシートを作成し、ダンベ
ル状に打ち抜いたものを用いてJIS K7113に準拠して行
った。また、耐水試験は、厚み1mm×縦130mm×横130mm
のシートを作成し、このシートを80℃に加温した10重量
%濃度の食塩水(純水90重量%:食塩10重量%)に96時間含
浸させた後、40℃で8時間シートの表面を乾燥し、温度3
0℃、相対湿度50%の雰囲気下で3時間放置してから500V
の電圧をかけ、1分後の電流値を測定して体積固有抵抗
を算出した(JIS K7194に準拠)。これらの結果を表1に示
す。
上、引張強度で10Mpa以上、引張伸びで200%以上、体積
固有抵抗(含浸96時間後)で1.0×1014Ω・cm以上とし
た。なお酸素指数は実施例1〜3,比較例1〜7とも30以
上であったので、表1には示さなかった。
テアリン酸とすると引張強度や引張伸びの他に、耐水試
験後の体積固有抵抗が不足する(比較例1)。表面処理剤
をシランカップリング剤のみとする、あるいは撹拌処理
温度が220℃を超えると、耐水試験後の体積固有抵抗が
不足する(比較例2,6)。表面処理剤をアルコールリン酸
エステルのみとする、あるいは非加熱や100℃で撹拌す
る、またメディア型のミルではなく撹拌型のヘンシェル
ミキサーを用いると、引張強度や引張伸びが不足する
(比較例3,4,5,7)。これに対して実施例では、機械的物
性及び耐水性に優れた難燃剤や難燃性樹脂組成物が得ら
れる。
(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン約1
重量%)を用いたが、シランカップリング剤の種類は任
意である。また特定のアルコールリン酸エステル(モノ
-ステアリルアルコールリン酸エステルとジ-ステアリル
アルコールリン酸エステルの1:1混合物約1重量%)を用
いたが、アルコールリン酸エステルの種類を変えても、
1〜2基の飽和アルコールによりリン酸エステルの水素
イオンを置換し、かつ1個の残存水素イオンを有するも
のであれば、ほぼ同等の結果が得られた。オレフィン樹
脂には、エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸
三元共重合体を用いたが、オレフィン樹脂の種類は任意
である。表1から明らかなように、決定的に重要なのは
以下の点で、これ以外の点は適宜に変更できる。 ・ シランカップリング剤とアルコールリン酸エステル
とを併用すること、 ・ メディアミルを用いて粉砕と表面処理とを同時に行
うこと、 ・ 表面処理温度を120℃〜220℃とすること。
ング剤が水酸化マグネシウムと表面処理剤の合計量の0.
5重量%未満では、引張強度が不足して好ましくない。シ
ランカップリング剤が水酸化マグネシウムと表面処理剤
の合計量の5重量%を超えると、引張伸びが不足して好ま
しくない。アルコールリン酸エステルが水酸化マグネシ
ウムと表面処理剤の合計量の0.5重量%未満では、耐水試
験後の体積固有抵抗が不足して好ましくない。アルコー
ルリン酸エステルが水酸化マグネシウムと表面処理剤の
合計量の5重量%を超えると、引張強度と引張伸びが不足
して好ましくない。天然ブルーサイト鉱石の粗粉体の平
均粒子径が8μmを超えると、引張強度が不足し好ましく
ない。天然ブルーサイト鉱石の粗粉体は、表面処理剤と
共に粉砕するのであるから、粉砕前の平均粒子径が5μm
超であることが好ましい。
び耐水性に優れ、かつ低コストで経済性に優れた水酸化
マグネシウム系難燃剤が得られる。この難燃剤を配合す
ることにより、幅広い用途で、環境に優しいノンハロゲ
ン難燃材料によりハロゲン系材料を代替することが可能
となる。
Claims (4)
- 【請求項1】 天然ブルーサイト鉱石の粗粉体を、シラ
ンカップリング剤とアルコールリン酸エステルからなる
2種類の表面処理剤の存在下で、加熱可能なメディア粉
砕機を用いて120〜220℃の温度範囲で粉砕と粒子表面処
理とを同時に行って得た、平均粒子径が1μm以上5μ
m以下で該表面処理剤の被覆層を有する粒子からなる、
水酸化マグネシウム系難燃剤。 - 【請求項2】 該シランカップリング剤の添加量が、天
然ブルーサイト粗粉体と表面処理剤との合計量に対して
0.5〜5重量%であり、該アルコールリン酸エステルの添
加量が、天然ブルーサイト粗粉体と表面処理剤との合計
量に対して0.5〜5重量%であり、天然ブルーサイト粗粉
体の平均粒径が5μm超で8μm以下であることを特徴とす
る、請求項1の水酸化マグネシウム系難燃剤。 - 【請求項3】 天然ブルーサイト鉱石の粗粉体を、シラ
ンカップリング剤とアルコールリン酸エステルからなる
2種類の表面処理剤の存在下で、加熱可能なメディア粉
砕機を用いて120〜220℃の温度範囲で粉砕と粒子表面処
理とを同時に行い、平均粒子径が1μm以上5μm以下
で該表面処理剤の被覆層を有する粒子とする、水酸化マ
グネシウム系難燃剤の製造方法。 - 【請求項4】 天然ブルーサイト鉱石の粗粉体を、シラ
ンカップリング剤とアルコールリン酸エステルからなる
2種類の表面処理剤の存在下で、加熱可能なメディア粉
砕機を用いて120〜220℃の温度範囲で粉砕と粒子表面処
理とを同時に行って得た、平均粒子径が1μm以上5μ
m以下で該表面処理剤の被覆層を有する粒子からなる水
酸化マグネシウム系難燃剤を、オレフィン樹脂と混練し
た、難燃性樹脂組成物。
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