JP2010284098A - 畜産用混合飼料および同畜産用混合飼料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業性良く安定的に生産可能な高品質かつ二次発酵し難い畜産用混合飼料、および同畜産用混合飼料の製造方法を提供する。
【解決手段】作業者は、豆腐粕およびビール粕をそれぞれ主原料として乾牧草および食品副産物を含む副原料を混合して含水率が約55%の豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料をそれぞれ調製する。次に、作業者は、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料を気密性シート体でラッピングすることによりロールベールラップサイロとして乳酸発酵(嫌気性発酵)させる。作業者は、pHが4.0以下になるまで豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料を乳酸発酵させてサイレージ化する。そして、作業者は、サイレージ化した豆腐粕プレ混合飼料とビール粕プレ混合飼料との混合物に調製飼料を加えて含水率約40%、かつpH4.5以下の畜産用混合飼料を調製する。完成した畜産用混合飼料はトランスバックに詰められて畜産家に提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、畜産業における家畜の飼育に用いられる畜産用混合飼料および同畜産用混合飼料の製造方法に関する。
従来から、畜産業においては家畜の飼育に用いる飼料として混合飼料が用いられている。混合飼料は、互いに異なる複数種類の飼料を一つに混ぜ合わせたものである。例えば、乳牛の混合飼料としては、粗飼料と濃厚飼料とを混ぜ合わせた牛用混合飼料、およびこの牛用混合飼料に更にビタミンやミネラルなど牛の飼育に必要な総ての栄養成分をバランス良く配合したTMR(Total Mixed Ration)がある。この場合、粗飼料は、牧草を乾燥させた乾牧草や、この乾牧草を乳酸発酵させたサイレージなどで構成されている。また、濃厚飼料は、トウモロコシ、大豆、綿実および麦などデンプンやタンパク質の含有量が高い食物、またはこれらの混合物(配合飼料)によって構成されている。
このような混合飼料やTMRは、乳牛(家畜)の飼育に必要な複数の栄養成分を含んでいるため、酪農業(畜産業)における給餌作業の作業負担を軽減するとともに、高品質な牛乳の効率的な極めて有効である。しかし、混合飼料やTMRは、製造過程における加水などにより製造後数時間(概ね4時間〜5時間)で二次発酵(好気性変敗)が進むため、乳牛に対して連続的に飼料を供給する所謂不断給餌を安定的に行なうことが困難である。このため、例えば、下記特許文献1および下記特許文献2には、TMRをサイレージ化することにより二次発酵し難い混合飼料、所謂TMRサイレージが提案されている。
特開2002−218914号公報 特開2003−274867号公報
しかしながら、上記特許文献1および上記特許文献2に開示されたTMRサイレージにおいては、サイレージ化する混合飼料における含水率(重量基準)を40%に設定しているため、混合飼料の乳酸発酵を好適に進行させることが困難であり品質の良いTMRサイレージが得られ難いという問題がある。円滑な乳酸発酵の進行には混合飼料に含まれる水分量が極めて重要であり、一般に、混合飼料の含水率は50%〜75%が好適とされている。これは、混合飼料の含水率が75%を超えると排汁による品質低下のリスクが高まる一方で、混合飼料における含水率が50%を下回るとくん炭化のリスクや乳酸発酵に用いられなかった残存糖分の酸化のリスクが高まるためである。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、作業性良く安定的に生産可能な高品質かつ二次発酵し難い畜産用混合飼料、および同畜産用混合飼料の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明の特徴は、含水率が60%以上の高水分食品副産物からなる主原料に対して乾牧草および食品副産物を含む副原料を混合することにより含水率を50%以上〜75%以下に調製したプレ混合飼料を乳酸発酵させた食品副産物サイレージに、前記乾牧草および前記食品副産物と同一または異なる乾牧草および食品副産物を含む調整飼料を加えることにより含水率を30%以上〜50%未満、かつpHを3.5以上〜4.7以下に調整したことにある。
このように構成した請求項1に係る発明の特徴によれば、畜産用混合飼料は、乳酸発酵が好適に行なわれる含水率(重量)、具体的には、50%以上〜75%以下の含水率でサイレージ化された食品副産物サイレージによって構成されている。これにより、畜産用混合飼料を製造する作業者は、畜産用混合飼料の製造過程において前記排汁やくん炭化による品質低下のリスクおよび厳密な気密性保持のための作業負担を軽減することができる。また、この場合、食品副産物サイレージは、含水率(重量)が60%以上の高水分食品副産物によって構成されているため資源の有効活用を図ることができるとともに、加水することなく比較的容易に水分調製することができるため作業性およびや経済性を向上させることができる。そして、この畜産用混合飼料は、この食品副産物サイレージに調整飼料が加えられることにより含水率が30%以上〜50%未満、かつpHが3.5以上〜4.7以下に調整されている。これにより、畜産用混合飼料は、家畜が好む含水率でかつ二次発酵が抑制されるpHで構成される。これらの結果、畜産用混合飼料は、作業性良く安定的に生産可能で高品質かつ二次発酵し難いものとなる。なお、本発明者による実験によれば、本発明に係る畜産用混合飼料は、トランスバックなどの容器内に収容することにより、約15日〜20日間保存することが可能である。
また、請求項2に係る本発明の特徴は、前記畜産用混合飼料において、高水分食品副産物は、食品製造過程で生じる糟糠・粕類であることにある。
このように構成した請求項2に係る発明の特徴によれば、食品副産物サイレージは、食品の製造過程で生じる糟糠・粕類で構成されている。この場合、糟糠・粕類とは、食品の製造過程で副産物として生じる例えば、米糠、小麦粉糠、フスマ、酒粕、豆腐粕、ビール粕、発泡酒粕、洋酒粕またはジュース粕などである。これにより、食品の製造過程で生じる糟糠・粕類の有効利用を図ることができるとともに、畜産用混合飼料の製造コストを低減することができる。
また、請求項3に係る本発明の特徴は、前記畜産用混合飼料において、食品副産物サイレージは、高水分食品副産物が豆腐粕である豆腐粕サイレージと、食品製造粕がビール粕であるビール粕サイレージとで構成されていることにある。
このように構成した請求項3に係る発明の特徴によれば、食品製造粕サイレージは、豆腐を原料とする豆腐粕サイレージと、ビール粕を原料とするビール粕サイレージとで構成されている。このため、豆腐やビール(麦酒)の製造過程で大量に生じるとともにその処分が苦慮されるこれらの食品副産物の有効利用を図ることができるとともに、畜産用混合飼料の製造コストを低減することができる。
また、本発明は、畜産用混合飼料として実施できるばかりでなく、畜産用混合飼料の製造方法の発明としても実施できるものである。
具体的には、含水率が60%以上の高水分食品副産物からなる主原料に対して乾牧草および食品副産物を含む副原料を混合することにより含水率を50%以上〜75%以下に調製したプレ混合飼料を乳酸発酵させて食品副産物サイレージを生成するサイレージ生成工程と、食品副産物サイレージに前記乾牧草および前記食品副産物と同一または異なる乾牧草および食品副産物を含む調整飼料を加えることにより含水率を30%以上〜50%未満、かつpHを3.5以上〜4.7以下に調整する調整工程とを含むようにすればよい。
この場合、例えば、請求項7に示すように、前記サイレージ生成工程は、プレ混合飼料を気密性を有するシートでラップして乳酸発酵させるとよい。これによれば、食品副産物サイレージの保管、運搬および使用をラップ単位で行なうことができ、食品副産物サイレージの取り扱いや管理が行ない易くなるとともに、畜産用混合飼料の製造の作業性および経済性を向上させることができる。
また、これらの場合、例えば、請求項8に示すように、畜産用混合飼料の製造方法において、さらに、調整工程にて含水率およびpHを調整した畜産用混合飼料を容器内に収容して密封する収容工程を含むとよい。これによれば、含水率およびpHを最適に調整した畜産用混合飼料を長期間(本発明者による実験によれば、約20日間)保存することが可能となる。この結果、畜産業における給餌のための各種作業の負担が軽減されるとともに、飼料の二次発酵による廃棄量を減少させることができ家畜を経済的に飼育することができる。
本発明に係る畜産用混合飼料の製造における主要な工程の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る畜産用混合飼料および同畜産用混合飼料の製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る畜産用混合飼料の製造方法における主要な工程の流れを示すフローチャートである。この畜産用混合飼料は、本実施形態においては、乳牛飼育用を想定している。
畜産用混合飼料を製造する作業者は、まず、第1工程として、乳牛の飼料となる複数の原材料を用いてプレ混合飼料を混成する。このプレ混合飼料は、食品副産物サイレージにおける乳酸発酵前の原材料の混成物である。本実施形態においては、食品副産物サイレージとして2つの食品副産物サイレージ、具体的には、豆腐の製造過程で副産物として生じる豆腐粕(おから)を主原料とする豆腐粕サイレージと、ビール(麦酒)の製造過程で副産物として生じるビール粕を主原料とするビール粕サイレージとを用いる。したがって、作業者は、豆腐粕サイレージとビール粕サイレージとについて、それぞれ原材料を混ぜ合わせて豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料を調製する。
まず、豆腐粕プレ混合飼料について説明する。作業者は、豆腐粕サイレージの主原料となる豆腐粕(生)の他に、副原料となるアルファルファ(輸入乾牧草)、トールフェスクストロー(輸入乾牧草)、濃縮焼酎廃液および配合飼料をそれぞれ用意する。この場合、豆腐粕サイレージの主原料となる豆腐粕の含水率(重量)は約80%である。また、配合飼料は、とうもろこしなどの穀類を主体として植物性油かす、糟糠類および植物性飼料を混成したものである。作業者は、これらの豆腐粕、アルファルファ(輸入乾牧草)、トールフェスクストロー(輸入乾牧草)、濃縮焼酎廃液および配合飼料をそれぞれ図示しない撹拌機の中に投入して混ぜ合わせる。
この場合、撹拌機内に投入される主原料と副原料との投入割合は、主原料に対して副原料が同量以下である。すなわち、撹拌機内で混成される豆腐粕プレ混合飼料における豆腐粕が占める割合は少なくとも50%であり、同豆腐粕プレ混合飼料における副原料が占める割合は最大でも50%である。そして、副原料を構成する各原料の投入量は、給餌対象となる乳牛の種類や体調に適した栄養バランスであって豆腐粕プレ混合飼料のサイレージ化に適した分量である。この場合、豆腐粕プレ混合飼料のサイレージ化に適した分量とは、豆腐粕プレ混合飼料における含水率(重量)が約55%であって、かつサイレージ化に必要な糖類を十分に含む分量である。また、これらの原料の混成に際しては、作業者は、豆腐粕プレ混合飼料のサイレージ化に必要な乳酸菌を撹拌機に適量投入する。これにより、乳牛およびサイレージ化に適した組成で、かつ含水率55%の豆腐粕プレ混合飼料が調製される。
次に、ビール粕プレ混合飼料について説明する。作業者は、ビール粕サイレージの主原料となるビール粕の他に、副原料となるアルファルファ(輸入乾牧草)、イタリアンストロー(輸入乾牧草)、糖蜜廃液、大麦ジスチラースソリュブ、小麦粉、濃縮焼酎廃液および配合飼料をそれぞれ用意する。この場合、ビール粕サイレージの主原料となるビール粕の含水率(重量)は約75%である。また、配合飼料は、前記と同様である。作業者は、これらのビール粕、アルファルファ(輸入乾牧草)、イタリアンストロー(輸入乾牧草)、糖蜜廃液、大麦ジスチラースソリュブ、小麦粉、濃縮焼酎廃液および配合飼料をそれぞれ図示しない撹拌機の中に投入して混ぜ合わせる。
この場合、撹拌機内に投入される主原料と副原料との投入割合は、前記と同様に、主原料に対して副原料が同量以下である。すなわち、撹拌機内で混成されるビール粕プレ混合飼料におけるビール粕が占める割合は少なくとも50%であり、同ビール粕プレ混合飼料における副原料が占める割合は最大でも50%である。そして、副原料を構成する各原料の投入量は、給餌対象となる乳牛の種類や体調に適した栄養バランスであってビール粕プレ混合飼料のサイレージ化に適した分量である。この場合、ビール粕プレ混合飼料のサイレージ化に適した分量とは、ビール粕プレ混合飼料における含水率(重量)が約55%であって、かつサイレージ化に必要な糖類を十分に含む分量である。また、これらの原料の混成に際しては、作業者は、ビール粕プレ混合飼料のサイレージ化に必要な乳酸菌を撹拌機に適量投入する。これにより、乳牛およびサイレージ化に適した組成で、かつ含水率55%のビール粕プレ混合飼料が調製される。
なお、これら豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料は、豆腐粕およびビール粕の含水率がいずれも高い高水分食品副産物が主原料となっている。このため、作業者は、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料の混成に際して各混成物に加水することなく副原料の水分のみによって比較的簡単に含水率を調整することができる。
次に、作業者は、第2工程において、前記第1工程にて混成した豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料をそれぞれラップする。具体的には、作業者は、ラップマシーンを用いて豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料をそれぞれ所定量ずつロールベールラップサイロとする。この場合、ラップマシーンは、所定量単位の豆腐粕プレ混合飼料(またはビール粕プレ混合飼料)をロール状に丸めるとともに、ロール状に丸められた豆腐粕プレ混合飼料(またはビール粕プレ混合飼料)に気密性を有するシート体を何重にも巻き付ける機械装置である。また、ロールベールラップサイロとは、ロール状に丸められた豆腐粕プレ混合飼料(またはビール粕プレ混合飼料)に気密性を有するシート体を何重にも巻き付けたものである。
これにより、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料は、圧縮されるとともに外気から遮断された状態となる。このように、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料をロールベールラップサイロ化することにより食品副産物サイレージの取り扱いや管理が行ない易くなる。また、タワーサイロまたはトレンチサイロのような大掛かりな構造物を用いることなく豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料を貯蔵でき、作業性および経済性良く畜産用混合飼料を製造することができる。
次に、作業者は、第3工程において、前記第2工程にてロールベールラップサイロ化した豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料をサイレージ化する。具体的には、作業者は、ロールベールラップサイロとした豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料をサイレージ化のための貯蔵所に移して所定期間保管する。この場合、サイレージ化のための貯蔵所は、摂氏20℃〜30℃の温度環境であれば、屋外および屋内を問わない。これにより、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料は、乳酸発酵(嫌気性発酵)により有機酸が増加してpHが低下してサイレージ化する。
この場合、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料は、含水率が約55%に調製されているため、排汁の生成やくん炭化が抑えられた状態で乳酸発酵が円滑に進行することによりpHが効率的に低下する。作業者は、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料の各pHが約4.0以下に低下するまでの間(約20日〜40日)、貯蔵所にてそれぞれ保管する。この場合、乳酸発酵が円滑に進行することにより残存糖分の発生が抑えられるため、気密状態を厳密に管理する作業負担が軽減される。
次に、作業者は、第4工程において、畜産用混合飼料を混成する。具体的には、作業者は、前記第3工程にて製造した豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージの他に、アルファルファ(輸入乾牧草)、フェスクストロー(輸入乾牧草)、コーンサイレージ、小麦粉、糖蜜廃液、大豆乳しょう、ビール粕、醤油粕、濃縮焼酎廃液、配合飼料および各種ビタミン・ミネラル飼料をそれぞれ用意する。そして、作業者は、これらの各飼料を図示しない撹拌機の中にそれぞれ投入して混ぜ合わせる。
この場合、作業者は、乳牛の種類や体調に適した栄養バランスを基礎として、畜産用混合飼料の最終的な含水率が約40%で、かつpHが約4.5以下となる分量で各飼料を撹拌機内に投入する。この場合、畜産用混合飼料における40%の含水率は、家畜(本実施形態においては、乳牛)が最も好む水分量の範囲(含水率30%以上〜50%未満)である。また、畜産用混合飼料における約4.5以下のpHは、畜産用混合飼料における二次発酵(好気性変敗)を有効に抑制できる範囲(pH3.5以上〜4.7以下)である。
具体的には、作業者は、豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージを主体として撹拌機内に投入するとともに、含水率およびpHの調整飼料として豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージ以外のその他の飼料を調製飼料として撹拌機内に投入する。より具体的には、豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージによって畜産用混合飼料全体の少なくとも50%を占めるとともに、調製飼料によって畜産用混合飼料全体における残りの50%を占める分量である。これにより、豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージを主原料として含水率が約40%、かつpHが約4.5以下の家畜用混合飼料が調整される。
次に、作業者は、第5工程において、前記第4工程にて調整した畜産用混合飼料を袋詰めする。具体的には、撹拌機内にて調整された畜産用混合飼料を所定量ごとに図示しないトランスバックの中に充填するとともに、このトランスバックの投入口を閉じてトランスバック内を密封する。これにより、畜産用混合飼料が完成する。なお、この場合、畜産用混合飼料をトランスバック内に充填した後、図示しない真空ポンプを用いてトランスバック内の空気を抜いて真空(真空度約90%以上)にしてもよい。
このように構成された畜産用混合飼料は、トランスバックに収容された状態で畜産家に提供される。畜産家は、トランスバックに収容された状態の畜産用混合飼料を家畜(本実施形態においては乳牛)に給餌するまでの間保管する。この場合、本発明者による実験によれば、畜産用混合飼料をトランスバック内に収容した状態で摂氏20℃〜30℃の温度環境で保管した場合、畜産用混合飼料をトランスバック内に収容してから約15日〜20日間は良好な品質を維持できることを確認している。なお、この品質維持期間は、畜産用混合飼料における含水率およびpHの調製具合によって定まるものである。
そして、畜産用混合飼料の給餌に際しては、畜産家は、トランスバックに詰められた畜産用混合飼料を直接家畜(本実施形態においては乳牛)に与える。この場合、畜産用混合飼料は、栄養バランスや含水率が家畜に適した状態に調製されているため、他の飼料による栄養素の調製や加水などによる含水率の調整作業を要することなく家畜に給餌することができる。これにより、畜産家は、栄養バランスに優れた飼料を少ない作業負担で給餌することができる。そして、本発明者による実験によれば、畜産用混合飼料をトランスバック内から家畜に給餌した場合、畜産用混合飼料を調製してから約15日〜20日間の範囲であって、家畜に給餌してから約5日間は良好な品質を維持できることを確認している。これは、畜産用混合飼料における含水率およびpHの調製時において水を使用せず調整飼料の水分のみによって含水率およびpHを調製しているためと考えられる。なお、この品質維持期間も、畜産用混合飼料における含水率およびpHの調製具合によって定まるものである。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、畜産用混合飼料は、乳酸発酵が好適に行なわれる含水率、具体的には、約55%の含水率でサイレージ化された豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージを主原料として構成されている。これにより、畜産用混合飼料を製造する作業者は、畜産用混合飼料の製造過程において排汁やくん炭化による品質低下のリスクおよび厳密な気密性保持のための作業負担を軽減することができる。また、この場合、豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージは、含水率が60%以上の高水分食品副産物によって構成されているため資源の有効活用を図ることができるとともに、加水することなく比較的容易に水分調製することができるため作業性およびや経済性を向上させることができる。そして、この畜産用混合飼料は、これらの豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージに各種調整飼料が加えられることにより含水率が40%、かつpHが4.5以下に調整されている。これにより、畜産用混合飼料は、家畜が好む含水率でかつ二次発酵が抑制されるpHで構成される。これらの結果、畜産用混合飼料は、作業性良く安定的に生産可能で高品質かつ二次発酵し難いものとなる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料における含水率(重量)を約55%に調製した。これは、乳酸発酵に好適な含水率が約50%〜約75%であることに起因している。これにより、畜産用混合飼料の製造過程において排汁やくん炭化による品質低下のリスクおよび厳密な気密性保持のための作業負担を軽減している。したがって、豆腐粕プレ混合飼料およびビール粕プレ混合飼料の含水率は、約50%〜約75%の範囲適宜設定すれば上記実施形態に限定されるものではない。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、畜産用混合飼料における含水率(重量)を約40%に調製するとともに、pHを約4.5以下に調製した。これは、前記したように、畜産用混合飼料の含水率を家畜が好む含水率(含水率30%以上〜50%未満)に調整するとともに、畜産用混合飼料の二次発酵を抑えるpH(pH3.5以上〜4.7以下)とするためである。したがって、畜産用混合飼料における含水率は30%以上〜50%未満の範囲内、かつpHは3.5以上〜4.7以下の範囲内で適宜調製すれば、上記実施形態に限定されるものではない。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、豆腐粕サイレージおよびビール粕サイレージの2つの食品副産物サイレージを主原料として畜産用混合飼料を混成した。しかし、畜産用混合飼料を混成する食品副産物サイレージの種類は、家畜に与える栄養の種類に応じて適宜決定すればよく、具体的には1種類でもよいし3種類以上であってもよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、豆腐粕およびビール粕を主原料として食品副産物サイレージを混成した。しかし、食品副産物サイレージの主原料となる高水分食品副産物は、含水率(重量)が概ね60%以上の食品副産物であれば豆腐粕およびビール粕以外のもの、例えば、米糠、小麦粉糠、フスマ、酒粕、発泡酒粕、洋酒粕またはジュース粕などの糟糠・粕類や茶殻などを用いることができる。これにより、食品の製造過程で生じる糟糠・粕類などの有効利用を図ることができるとともに、畜産用混合飼料の製造コストを低減することができる。
また、上記実施形態においては、完成した畜産用混合飼料をトランスバック内に詰めて畜産家に提供した。しかし、完成した畜産用混合飼料は必ずしもトランスバックに収容する必要はない。すなわち、完成した畜産用混合飼料を袋詰めせずそのままの状態で給餌車に積載して畜産家に提供(所謂バラ餌)するようにしてもよい。この場合、本発明者による実験によれば、畜産用混合飼料を混成してから約5日間は良好な品質を維持できることを確認している。
また、上記実施形態においては、豆腐粕混合飼料およびビール粕混合飼料を乳酸発酵させるための嫌気性環境をロールベールラップサイロ化により実現した。しかし、プレ混合飼料を乳酸発酵させるための嫌気性環境は、前記したタワーサイロまたはトレンチサイロでも実現できることは当然である。
また、上記実施形態においては、プレ混合飼料を調製するために主原料となる高水分副産物に加えた副原料、および畜産用混合飼料を調製するために食品副産物サイレージに加えた調整飼料の種類やその分量は、家畜の種類、体調および季節などに応じて適宜設定されるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。家畜の飼料として用いられている乾牧草や食品副産物を広く用いることができる。なお、必ずしも、高水分副産物に加えた副原料と食品副産物サイレージに加えた調整飼料とを同じ種類同じ分量で用いなければならないものではないことは、当然である。
また、上記実施形態においては、畜産用混合飼料の給餌対象家畜を乳牛とした。しかし、本発明に係る畜産用混合試料は、畜産の対象となる家畜、例えば、肉牛、豚または鶏に広く適用することができる。この場合、畜産用混合飼料を構成する原材料の種類や分量は給餌対象となる家畜の種類、体調、季節などに応じて適宜選定されるものであることは、当然である。

Claims (8)

  1. 含水率が60%以上の高水分食品副産物からなる主原料に対して乾牧草および食品副産物を含む副原料を混合することにより含水率を50%以上〜75%以下に調製したプレ混合飼料を乳酸発酵させた食品副産物サイレージに、前記乾牧草および前記食品副産物と同一または異なる乾牧草および食品副産物を含む調整飼料を加えることにより含水率を30%以上〜50%未満、かつpHを3.5以上〜4.7以下に調整したことを特徴とする畜産用混合飼料。
  2. 請求項1に記載した畜産用混合飼料において、
    前記高水分食品副産物は、食品製造過程で生じる糟糠・粕類であることを特徴とする畜産用混合飼料。
  3. 請求項1または請求項2に記載した畜産用混合飼料において、
    前記食品副産物サイレージは、前記高水分食品副産物が豆腐粕である豆腐粕サイレージと、前記食品製造粕がビール粕であるビール粕サイレージとで構成されていることを特徴とする畜産用混合飼料。
  4. 含水率が60%以上の高水分食品副産物からなる主原料に対して乾牧草および食品副産物を含む副原料を混合することにより含水率を50%以上〜75%以下に調製したプレ混合飼料を乳酸発酵させて食品副産物サイレージを生成するサイレージ生成工程と、
    前記食品副産物サイレージに前記乾牧草および前記食品副産物と同一または異なる乾牧草および食品副産物を含む調整飼料を加えることにより含水率を30%以上〜50%未満、かつpHを3.5以上〜4.7以下に調整する調整工程とを含むことを特徴とする畜産用混合飼料の製造方法。
  5. 請求項4に記載した畜産用混合飼料の製造方法において、
    前記高水分食品副産物は、食品製造過程で生じる糟糠・粕類であることを特徴とする畜産用混合飼料の製造方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載した畜産用混合飼料の製造方法において、
    前記サイレージ生成工程は、
    前記高水分食品副産物が豆腐粕である豆腐粕サイレージを生成する豆腐粕サイレージサイレージ生成工程と、
    前記高水分食品副産物がビール粕であるビール粕サイレージを生成するビール粕サイレージサイレージ生成工程とを含み、
    前記調整工程は、
    前記豆腐粕サイレージと前記ビール粕サイレージとを混合した前記食品副産物サイレージに前記調整飼料を加えて前記含水率および前記pHに調整することを特徴とする畜産用混合飼料の製造方法。
  7. 請求項4ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載した畜産用混合飼料製造方法において、
    前記サイレージ生成工程は、
    前記プレ混合飼料を気密性を有するシートでラップして乳酸発酵させることを特徴とする畜産用混合飼料の製造方法。
  8. 請求項4ないし請求項7うちのいずれか一つに記載した畜産用混合飼料製造方法において、さらに、
    前記調整工程にて前記含水率および前記pHに調整した畜産用混合飼料を容器内に収容して密封する収容工程を含むことを特徴とする畜産用混合飼料の製造方法。
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