JP2010283774A - 非可逆回路内蔵多層基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層基板に非可逆回路を内蔵する場合に、多層基板を大型化することなくアイソレーションを向上させることが可能な非可逆回路内蔵多層基板を提供することを目的とする。
【解決手段】 多層基板1は、多層基板1内に配置されるフェライト層14と、フェライト層14の表面または層間に形成され、高周波信号の線路を構成する導電部材(トリプレート上層グランド面16、トリプレート下層グランド面16’、フェライト中間層導体パターン17等)と、多層基板1内に配置され、かつ、フェライト層14内に、高周波信号の線路に対して垂直方向に磁界を発生させる磁界発生源である磁石13と、多層基板1の上部に磁石13を覆うように配置され、閉磁回路を構成するカバー部材4と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、非可逆回路内蔵多層基板に関し、詳細には、マイクロ波帯通信機等に適用されるサーキュレータやアイソレータからなる非可逆回路を内蔵した多層基板に関する。
従来、送受信モジュールでは、送信出力部と受信入力部との間にサーキュレータを配置し、送信出力部と受信入力部との間のアイソレーションを確保している。しかしながら、
ドロップインタイプのサーキュレータを使用する場合、その磁石部分が露出しており、磁石部分の周囲空間を高周波信号が伝播するため、送信出力部と受信入力部との間のアイソレーションが劣化するという問題がある。
上記アイソレーションを確保するため、例えば、特許文献1では、多層基板からなる回路基板と、この回路基板に設けられた非可逆回路素子を含む高周波回路素子とを備え、非可逆回路素子は、回路基板の収容部に形成された磁性材の膜部からなる下ヨークと、収容部内に収容されたフェライト部材と、誘電体を介してフェライト部材上に配置された第1,第2,第3の中心導体と、磁石と、この磁石と収容部を覆うように配設された上ヨークとを有する非可逆回路素子を備えた高周波回路モジュールが提案されている。
特開2006−49969号公報
しかしながら、上記特許文献1では、上下のヨークによって閉磁回路を形成する構造であるので、ヨークは実装面積が大きいため、非可逆回路素子を内蔵する多層基板が大型化するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、多層基板に非可逆回路を内蔵する場合に、多層基板を大型化することなくアイソレーションを向上させることが可能な非可逆回路内蔵多層基板を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、配線パターンを有し、複数の絶縁層が積層された多層基板と、前記多層基板内に配置されるフェライト層と、前記フェライト層の表面または層間に形成され、高周波信号の線路を構成する導電部材と、
前記多層基板内に配置され、かつ、前記フェライト層内に、前記高周波信号の線路に対して垂直方向に磁界を発生させる磁界発生源と、前記多層基板の上部に配置され、閉磁回路を構成するカバー部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、配線パターンを有し、複数の絶縁層が積層された多層基板と、前記多層基板内に配置されるフェライト層と、前記フェライト層の表面または層間に形成され、高周波信号の線路を構成する導電部材と、前記多層基板内に配置され、かつ、前記フェライト層内に、前記高周波信号の線路に対して垂直方向に磁界を発生させる磁界発生源と、前記多層基板の上部に配置され、閉磁回路を構成するカバー部材と、を備えているので、
多層基板に非可逆回路を内蔵する場合に、多層基板を大型化することなくアイソレーションを向上させることが可能な非可逆回路内蔵多層基板を提供することが可能になるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る多層基板の上面図である。 図2は、図1のA―A切断面の側面図である。 図3は、図2の多層基板表面層の導体パターンの上面図である。 図4は、図2のトリプレート上層グランド面の上面図である。 図5は、図2のフェライト中間層導体パターンの上面図である。 図6は、実施の形態1の変形例1を示す断面図である。 図7は、実施の形態1の変形例2を示す断面図である。 図8は、実施の形態1の多層基板1を内部に配置した通信モジュールの断面構造を示す図である。 図9は、非可逆回路と受信回路を一体化した多層基板の上面図である。 図10は、図9の側面透視図である。 図11は、実施の形態2に係る多層基板の上面透視図である。 図12は、図11の側面透視図である。 図13は、図12で示す多層基板の第1層〜第9層の表面導体パターン、フェライトコア、およびカバー部材の外形を示す図である。 図14は、実施の形態2の変形例1の側面透視図である。 図15は、図14で示す多層基板の第1層、第2層、第4層〜第12層の表面導体パターン、フェライトコア、およびカバー部材の外形を示す図である。 図16は、実施の形態2の変形例2を説明するための図である。
以下に、この発明に係る非可逆回路内蔵多層基板の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る非可逆回路内蔵多層基板(以下、「多層基板」と称する)を図1〜図5を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係る多層基板の上面図、図2は、図1のA―A切断面の側面図、図3は、図2の多層基板表面層の導体パターンの上面図、図4は、図2のトリプレート上層グランド面の上面図、図5は、図2のフェライト中間層導体パターンの上面図である。図3〜図5では、各層における多層基板の外形、各層の導体パターンとビアの他に、相対位置を表わすために磁石の位置をそれぞれ図示している。
図1において、1は、配線パターンを有し、複数(10層)の絶縁層(誘電層)が積層されたLTCC(Low Temperature Co―fired Ceramic:低温焼成セラミック多層基板)等で構成される多層基板を示している。この多層基板1には、マイクロストリップ線路の第1の高周波信号用ポート5、第2の高周波信号用ポート6、および第3の高周波信号用ポート7と、これら第1〜第3の高周波信号用ポート5〜7の周囲を囲むグランドパターン3(表層パターン)と、多層基板1の外周に配置される層間接続ビア2と、高周波信号用グランドの層間接続ビア11と、第1の高周波信号用層間接続ビア8と、第2の高周波信号用層間接続ビア9と、第3の高周波信号用層間接続ビア10と、グランドパターン3に導電性接着材等で接着され、閉磁回路を構成するカバー部材4とが設けられている。
層間接続ビア2は、鉄粉などの強磁性体材料を混ぜたペーストが充填・焼成されており、基板側面部の閉磁回路を形成する。高周波信号用グランド層間接続ビア11は、高周波損失を低減させるため、AgPdやAgが配合されたペースト材が充填されている。
図2において、多層基板1の左右方向の略中央部には、その上下両方向にキャビティ部12が設けられており、この上下両方のキャビティ部12の内部に、磁石13が配置されている。キャビティ部12の上下方向の略中央には、非可逆動作を行なわせるために必要なフェライト層14が配置される。フェライト層14の円形の開口部に円柱形状の磁石13が挿入される(図5参照)。フェライト層14には、磁石13により、直流磁界15が矢印方向に印加される。フェライト層14は、従来のLTCCで用いられているセラミック系のグリーンシート上にフェライト系ペーストを塗布するか、または、フェライト材で構成されたシートを用いて、一括製作することができる。また、フェライト層14には、高周波信号の伝送路となるトリプレート線路を構成する、トリプレート上層グランド面16と、トリプレート下層グランド面16’と、フェライト中間層導体パターン17が形成されている。
このように、多層基板1の上下方向にキャビティ部12を設けて、磁石13をキャビティ部12の上下両方向に配置する構成を採用することにより、フェライト層14での直流磁界を、高周波信号の伝送方向に対して垂直な方向に揃えることができ、また、磁石13を多層基板1の上下方向に配置することで、直流磁界が強くなるため、小さな磁石を用いて、回路を小型化することができる。
上記のように構成される多層基板1の高周波信号の伝送経路を説明する。図1において、第1の高周波信号用ポート5から入力された高周波信号は、そのほとんどが第2の高周波信号用ポート6から出力され、第2の高周波信号用ポート6から入力された高周波信号は、そのほとんどが第3の高周波信号用ポート7から出力され、第3の高周波信号用ポート7から入力された高周波信号は、そのほとんどが第1の高周波信号用ポート5から出力される。したがって、この非可逆回路を送受信モジュールで用いる場合、例えば、第1の高周波信号用ポート5には、送信系高出力増幅器の出力電力を入力することができる。また、第2の高周波信号用ポート6には、コネクタ等にインターフェース変換した後,アンテナ部を接続することができる。また、第3の高周波信号用ポート7には、スイッチや低雑音増幅器などで構成される受信系デバイスを接続することができる。
次に、図2〜図5を参照して、高周波信号の伝送形態および非可逆動作について説明する。マイクロストリップ線路の第2の高周波信号用ポート6から入力された高周波信号は、高周波信号2用層間接続ビア9と、その周囲に配置されたグランドビア11で構成した擬似同軸線路を通過後、フェライト層14の、トリプレート上層グランド面16と、トリプレート下層グランド面16’と、フェライト中間層導体パターン17で構成されるトリプレート線路へ伝送される。フェライト中間導体パターン17の外周は、高周波信号が多層基板1外部へ漏れ出すのを防ぐために、グランドパターン20で囲われている。トリプレート線路を伝送する高周波信号は、その進行方向に対して垂直な方向に存在する直流磁界15の影響により、非可逆動作を行なうため、第3の高周波信号用ポート7に伝送され、第1の高周波信号用ポート5には高周波信号がほとんど出力されない。理想的な非可逆動作を行なわせるためには、トリプレート線路のインピーダンス、直流磁界を経験するトリプレート線路部の電気長、および直流磁界の強さを、使用周波数に対して適切に設定する必要がある。なお、磁石の極性を反対にして、直流磁界の方向を逆にすれば、非可逆回路の方向性が変わることは言うまでもない。
また、多層基板1の外周およびキャビティ部12の外周に、鉄粉などの強磁性体材料を混ぜたペーストを充填した層間接続ビア2と、コバールなどの強磁性体材料で製作したキャリア18、およびカバー部材4で閉磁回路を構成する。この構成ではヨークが不要となることから、小型化が可能である。
図6は、実施の形態1の変形例1を示す断面図である。図6において、図2と同等機能を有する部位には同一符号を付している。実施の形態1では、フェライト層14でトリプレート線路の構造のサーキュレータの例を示したが、マイクロストリップ線路の構造としてもよい。変形例1は、図6に示すように、フェライト層14の表面および裏面に形成したフェライト表面導体パターン21およびフェライト裏面グランドパターン22でマイクロストリップ線路を形成する構成である。
図7は、実施の形態1の変形例2を示す断面図である。図7において、図2と同等機能を有する部位には同一符号を付している。変形例1は、図7に示すように、キャビティ部12と磁石13を多層基板1の上面側だけに配置し、フェライト層14の表面および裏面に形成したフェライト表面導体パターン21およびフェライト裏面導体パターン23で、マイクロストリップ線路を形成する構成である。フェライト裏面導体パターン23は、強磁性体を含む導体ペーストなどでパターンを形成し、閉磁回路を形成する。
以上説明したように、実施の形態1によれば、配線パターンを有し、複数の絶縁層が積層された多層基板1と、多層基板1内に配置されるフェライト層14と、フェライト層14の表面または層間に形成され、高周波信号の線路を構成する導電部材(トリプレート上層グランド面16、トリプレート下層グランド面16’、フェライト中間層導体パターン
17等)と、多層基板1内に配置され、かつ、フェライト層14内に、高周波信号の線路(トリプレート線路やマイクロストリップ線路)に対して垂直方向に磁界を発生させる磁界発生源である磁石13と、多層基板1の上部に磁石13を覆うように配置され、閉磁回路を構成するカバー部材4と、を備えているので、閉磁するためのヨークが不要となり、非可逆回路を大型化することなく、アイソレーションを向上させることが可能となる。
また、実施の形態1によれば、多層基板1の層間接続として用いられるビアホール(層間接続ビア2)に、鉄粉などの強磁性体材料を混ぜたペーストを充填した強磁性体ペーストを充填して閉磁回路を形成しているので、多層基板1側面の閉磁回路を簡単かつ低コストに構成することができる。
また、実施の形態1によれば、磁界発生源として、多層基板1に形成されたキャビティ12内に配置した磁石13を使用することとしたので、小さな磁石で強力な直流磁界を発生させることが可能となる。
図8は、実施の形態1の多層基板1(上記図2参照)を内部に配置したモジュールの断面構造を示している。図8において、多層基板1のキャリア18は、ねじ止め、はんだ、および導電性接着剤等でモジュールケース24に取り付けられている。このモジュールケース24には、リン青銅などで製作した導電性フィンガー26と一体化したモジュールカバー25が取り付けられている。モジュールカバー25を取り付ける際には、導電性フィンガー26を多層基板1のカバー部材4に接触させ、モジュール内の送信―受信間の高周波信号シールド回路を構成する。これにより、磁石部分と、モジュールカバーとの間を導電性接着材などで導通をとる方法に比して、モジュールカバー25の取り付けの作業性を向上できると共に、そのモジュールカバー25の開封が容易となる。
図9および図10は、多層基板で構成した受信回路と、実施の形態1の多層基板1を一体化した通信モジュールの構造を示している。図9は、非可逆回路と受信回路を一体化した多層基板の上面図に、フェライト中間層導体パターンと、シールリングと、シールリング下部のフィードスルー部の導体パターンを加えて図示したものである。図10は、図9の側面透視図であり、説明の簡略化のため、受信回路部の制御信号用内層配線は省略している。多層基板で構成した受信回路と、多層基板1を一体化することで、通信モジュール内のデバイスをさらに小型化することができる。
図9および図10において、受信回路部27は、スイッチ、低雑音増幅器、および終端器等のMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)32や、チップコンデンサ33で構成されており、それらは多層基板1の受信回路キャビティ部30に配置される。非可逆回路部の、第1の高周波信号用ポート5、第2の高周波信号用ポート6、第3の高周波信号用ポート7に対する高周波信号の伝送経路は、実施の形態1で示したとおりである。第3の高周波信号用ポート7に伝送された高周波受信信号は、MMIC32を伝送した後、多層基板1の表層部にある高周波受信信号用ポート28のマイクロストリップ線路に接続される。MMIC32と、多層基板1の高周波信号の接続には、金ワイヤ34が使用される。MMIC32の制御信号は、同様に金ワイヤ34を用いて、多層基板1にパターン化された制御信号用パッド31に接続され、多層基板1の内層配線を通過後、シールリング35の外部にある制御信号用パッド31で、外部デバイスとの接続を行なう。
さらに、MMIC32の気密を確保するために、高周波受信信号用ポート28はフィードスルー部29を有し、第1の高周波信号用層間接続ビア8と、第2の高周波信号用層間接続ビア9も、シールリング35の外部に配置し、それぞれ、第1の高周波信号用ポート5と、第2の高周波信号用ポート6のマイクロストリップ線路に変換を行ない、外部デバイスとの接続を行なう。受信回路キャビティ部30と、非可逆回路部のキャビティ部12の周囲に、コバールなどの強磁性体材料で製作したシールリング35を配置し、カバー部材36でシーリングし、気密を確保する。シールリング35と、カバー部材36は同時に非可逆回路の閉磁回路の一部を構成しており、多層基板1の側面部には、実施の形態1と同様に、鉄粉などの強磁性体材料を混ぜたペーストを充填した層間接続ビア2を配置し、多層基板1の底部は、コバールなどの強磁性体材料で製作したキャリア18を用いて閉磁回路を構成する。なお、図9および図10では、MMICやチップ部品の、高周波信号、制御信号を、金ワイヤ34で接続しているが、代わりにフリップチップ実装としてもよい。
上記図8〜図10では、実施の形態1(図1〜図5)の多層基板1のモジュールについて説明したが、上記変形例1,2および後述する実施の形態2(その変形例1,2を含む)の多層基板1も同様にモジュール化することが可能である。
このように、非可逆回路を多層基板1に内蔵することで、受信回路部27の多層基板とも一体化した多層基板を形成することができ、閉磁回路と気密保持機構を、シールリング35とカバー部材36を併用して構成することができるため、デバイスまたはモジュールのさらなる小型化が可能である。ここでは、一例として、受信回路と一体化した非可逆回路内蔵多層基板の構造を説明したが、受信回路でなく送信回路と一体化しても良く、また、送信回路および受信回路の両者と共に一体化すれば、より一層の小型化が可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る多層基板を図11〜図13を参照して説明する。実施の形態1では、磁界発生源として、磁石13を使用する構成であるのに対して、実施の形態2は、磁石の代わりに電磁コイルを使用する構成である。
図11は、実施の形態2に係る多層基板の上面透視図であり、多層基板の全層と、カバーを重ねて図示したものである。図12は、図11の側面透視図である。図13は、図12で示す多層基板の第1層〜第9層の表面導体パターン、フェライトコア、およびカバー部材の外形を図示したものである。
図11において、上記実施の形態1と同様に、多層基板1には、マイクロストリップ線路の第1の高周波信号用ポート5、第2の高周波信号用ポート6、第3の高周波信号用ポート7と、第1〜第3の高周波信号用ポート5〜7の周囲をグランドパターン3で囲んだ表層パターンと、そのグランドパターン3に導電性接着材等で接着されたカバー部材4とが設けられている。多層基板1の外周に配置された層間接続ビア2には、鉄粉などの強磁性体材料を混ぜたペーストを充填・焼成し、基板側面の閉磁回路を形成する。高周波信号用グランドの層間接続ビア11に充填するペースト材は、高周波損失を低減させるため、AgPdや、Agが配合されたペーストを用いることができる。
図11および図12において、実施の形態1では、多層基板1にキャビティ部12を形成し、キャビティ部12内に磁石13を配置する構成であるが、実施の形態2では、磁石13の代わりに導体パターンで各層(第1,2,6,7層46,47,51,52)に形成した電磁コイル37を使用する。電磁コイル37の層間接続には、電磁コイル用層間接続ビア39を使用し、多層基板1の表層にある電磁コイル用パッド41に電圧を印加し、各層の電磁コイル37に電流を流す。また、電磁コイル37に電流を流して発生した直流磁界の磁束が、電磁コイル37中央付近に収束するように、電磁コイル37の中心部にはフェライト材を積層し、フェライトコア38を形成する。電磁コイル37に流す直流電流の方向40を、図11のように定めると、フェライトコア38内は、図12で示す直流磁界15の磁力線の向きになる。
図12において、マイクロストリップ線路の第2の高周波信号用ポート6から入力された高周波信号は、第2の高周波信号用層間接続ビア9と、その周囲に配置されたグランドビア11で構成した擬似同軸線路を通過後、多層基板1の内層にある、トリプレート線路中央導体42、トリプレート上層グランド面43、トリプレート下層グランド面44で構成されるトリプレート線路へ伝送される。トリプレート線路中央導体42の外周は、図13に示すように、グランドパターン45で囲い、高周波信号が多層基板外部へ漏れ出すのを防止している。トリプレート線路は、電磁コイル37の中央部付近で、その伝送媒質がフェライトとなるため、高周波信号は、電磁コイル37とフェライトコア38によって発生する、高周波信号の進行方向に対して垂直な方向に存在する直流磁界15の影響により、第3の高周波信号用ポート7に伝送され、第1の高周波信号用ポート5にはほとんど高周波信号が出力されない。
なお、トリプレート線路の媒質が、フェライトコア38ではフェライトに変化するため、フェライトコア38におけるトリプレート線路のインピーダンス、電気長、および直流磁界の強さを、使用周波数に対して適切に設定する必要がある。直流磁界の強さは、電磁コイル37に流す電流量によって調整可能である。これにより、非可逆回路の高周波伝送特性(通過、反射、アイソレーション特性)を、電磁コイル37に流す電流量で、容易に調整することが可能となる。また、電磁コイル37に流す電流の方向を反転させて磁力線の方向を反対にすれば、通過およびアイソレーション特性が反転するため、スイッチの機能も兼ね備えることができる。
図14および図15は、実施の形態2の変形例1を説明するための図であり、図14は、実施の形態2の変形例1に係る多層基板の側面透視図であり、説明の簡略化のため、電磁コイル以外の導体パターン、キャリア、およびカバーは図示していない。図15は、図14で示す多層基板の第1層、第2層、第4層〜第12層の表面導体パターン、フェライトコア、およびカバー部材の外形を図示したものである。図14および図15において、図12および図13と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。
上記実施の形態2の構造では、直流磁界の強さが不足する場合があるため、図14に示すように、電磁コイル部37を、2つの電磁コイル部(第1の電磁コイル部55,第2の電磁コイル部56)で構成し、さらに、フェライトコア38を図14に示すように構成することで、直流磁界を強くすることができる。
第1の電磁コイル部55、第2の電磁コイル部56の電磁コイル37に、図15で示す方向に直流電流40を流すと、第1電磁コイル部55、第2の電磁コイル部56の電磁コイル37で発生した直流磁界15の磁束は、フェライトコア38に沿うため、トリプレート線路部では高周波信号の垂直方向となり、非可逆回路動作を行なうことができる。
図16は、実施の形態2の変形例2を説明するための図であり、トリプレート線路層の導体パターンを図示したものである。実施の形態2およびその変形例1では、電磁コイル37と、トリプレート線路中央導体42、トリプレート上層グランド面43、トリプレート下層グランド面44とが干渉する場合があるため、干渉を避けるために、多層基板の層数が増えてしまう。
変形例2では、図16に示すように、トリプレート線路を避けるように電磁コイル37(第1電磁コイル部69、第2の電磁コイル部70、第3の電磁コイル部71)を配置することで、多層基板1の層数の削減が可能となる。電磁コイル37に直流電流を流して発生した直流磁界は、変形例1と同様に、フェライトコア38に沿って、トリプレート線路部で高周波信号の垂直方向となり、非可逆回路動作を行なう。このように構成することで、図14で示した変形例1の多層基板の第5層61、第6層62、第7層63を減らすことが可能となる。
以上説明したように、実施の形態2によれば、磁界発生源として、多層基板1の内層に導体ペーストとビアで形成された電磁コイル37を使用することとしたので、部品点数を削減できると共に、電磁コイルに流す電流量を調整することにより、非可逆回路の特性を調整することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、非可逆回路をサーキュレータに適用することとしたが、アイソレータに適用することにしてもよい。
以上のように、本発明にかかる非可逆回路内蔵多層基板は、アンテナ機器や通信機器等に利用可能であり、特に、マイクロ波帯のアンテナ機器や通信機器に適している。
1 多層基板
2 層間接続ビア
3 表面層導体パターン(グランド)
4 カバー部
5 第1の高周波信号用ポート
6 第2の高周波信号用ポート
7 第3の高周波信号用ポート
8 第1の高周波信号用層間接続ビア
9 第2の高周波信号用層間接続ビア
10 第3の高周波信号用層間接続ビア
11 高周波信号用グランド層間接続ビア
12 キャビティ部
13 磁石
14 フェライト層
15 直流磁界の磁力線
16 トリプレート上層グランド面
16’ トリプレート下層グランド面
17 フェライト中間層導体パターン
18 キャリア
19 多層基板表面層
20 フェライト中間層グランドパターン
21 フェライト表面導体パターン
22 フェライト裏面グランドパターン
23 フェライト裏面導体パターン
24 モジュールケース
25 モジュールカバー
26 導電性フィンガー
27 受信回路部
28 高周波受信信号用ポート
29 フィードスルー部
30 受信回路キャビティ部
31 制御信号用パッド
32 MMIC
33 チップコンデンサ
34 金ワイヤ
35 シールリング
36 カバー
37 電磁コイル
38 フェライトコア
39 電磁コイル用層間接続ビア
40 直流電流の方向
41 電磁コイル用パッド
42 トリプレート線路中央導体
43 トリプレート上層グランド面
44 トリプレート下層グランド面
45 トリプレート線路外周グランドパターン
46,57 多層基板の第1層
47,58 多層基板の第2層
48,59 多層基板の第3層
49,60 多層基板の第4層
50,61 多層基板の第5層
51,62 多層基板の第6層
52,63 多層基板の第7層
53,64 多層基板の第8層
54,65 多層基板の第9層
55,69 第1の電磁コイル部
56,70 第2の電磁コイル部
66 多層基板の第10層
67 多層基板の第11層
68 多層基板の第12層
71 第3の電磁コイル部

Claims (4)

  1. 配線パターンを有し、複数の絶縁層が積層された多層基板と、
    前記多層基板内に配置されるフェライト層と、
    前記フェライト層の表面または層間に形成され、高周波信号の線路を構成する導電部材と、
    前記多層基板内に配置され、かつ、前記フェライト層内に、前記高周波信号の線路に対して垂直方向に磁界を発生させる磁界発生源と、
    前記多層基板の上部に配置され、閉磁回路を構成するカバー部材と、
    を備えたことを特徴とする非可逆回路内蔵多層基板。
  2. 前記多層基板の層間接続として用いられるビアホールに強磁性体ペーストを充填して、前記多層基板の側面の閉磁回路を形成したことを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路内蔵多層基板。
  3. 前記磁界発生源は、前記多層基板に形成されたキャビティ内に配置される磁石であることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路内蔵多層基板。
  4. 前記磁界発生源は、前記多層基板の内層に導体ペーストで形成された電磁コイルであることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路内蔵多層基板。
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