〔システム構成の概要〕
図1は、この発明の一実施例による音楽コンテンツ処理システムを構成する電子音楽装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。この発明の一実施例による電子音楽装置は、電子的な音楽情報処理機能を有する一種のコンピュータであり、典型的には、電子楽器のような音楽専用機器が用いられる。この電子音楽装置は、図1に示すように、中央処理装置(CPU)1、ランダムアクセスメモリ(RAM)2、読出専用メモリ(ROM)3、記憶装置4、演奏操作検出回路5、設定操作検出回路6、表示回路7、音源・効果回路8、通信インターフェース(I/F)9などを備え、これらの要素1〜9はバス10を介して互いに接続される。
CPU1は、RAM2及びROM3と共にデータ処理部を構成し、音楽コンテンツ処理プログラムを含む所定の制御プログラムに従い、タイマによるクロックを利用して音楽コンテンツ処理を含む種々の情報処理を実行する。RAM2は、これらの処理に際して必要な各種データを一時記憶するためのワーク領域として用いられ、また、ROM3には、これらの処理を実行するために、音楽コンテンツ処理プログラムを含む各種制御プログラムや、プリセットされた音色データ(Vdp)等の各種データなどが予め記憶される。
記憶装置4は、HD(ハードディスク)、FD(フレキシブルディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多目的ディスク)、フラッシュメモリ等の半導体メモリなどの記憶媒体と、その駆動装置を含む。任意の制御プログラムや自動演奏データ、音色データ(Vdu)等の音楽コンテンツを任意の記憶媒体に記憶することができる。また、記憶媒体は、着脱可能であってもよいし、この電子音楽装置(電子楽器)に内蔵されていてもよい。なお、着脱可能な記録媒体にはUSBメモリが含まれるものとする。
演奏操作検出回路5は、鍵盤などの演奏操作子11と共に演奏操作部を構成し、演奏操作子11の演奏操作を検出して検出内容に対応する演奏操作情報をデータ処理部(1〜3)に導入し、データ処理部は、この演奏操作情報に基づき実演奏情報を生成して音源・効果回路8に送る。設定操作検出回路6は、操作パネル(PN)上に設けられたスイッチ等の設定操作子(パネル操作子)12と共に設定操作部(パネル操作部)を構成し、設定操作子12の操作内容を検出して検出内容に対応する設定操作情報をデータ処理部に導入し、データ処理部は、この設定操作情報に基づき種々の設定を行う。表示回路7は、演奏や設定に必要な各種画面を表示するLCD等のディスプレイ13や、インジケータ/ランプ(図示せず)を操作パネル(PN)上に備え、これらの表示・点灯内容をデータ処理部からの指令に従って制御し、演奏操作や設定操作などに関する表示援助を行う。
音源・効果回路8は、音源やDSPを有し、音源に設定された音色データのパラメータ(音色パラメータ)に従って、演奏操作検出回路5からの演奏操作情報から得られる実演奏情報に基づく楽音信号を生成したり、ROM3又は記憶装置4或いは通信I/F9から得られる自動演奏データに基づく楽音信号を生成すると共に、生成される楽音信号に所定の効果を付与する。サウンドシステム14は、D/A変換部やアンプ、スピーカ等を備え、音源・効果回路8から出力される楽音信号に基づく楽音を発生する。
通信I/F9は、MIDI等の音楽専用有線I/F、USBやIEEE1394等の汎用近距離有線I/F、Ethernet(登録商標)等の汎用ネットワークI/F、無線LanやBluetooth(登録商標)等の汎用近距離無線I/Fなどの1又は複数を含み、他の音楽機器との間でMIDI演奏データを授受したり、サーバコンピュータ等の外部機器から制御プログラムや音色データ、自動演奏データ等の音楽コンテンツを受信し記憶装置4に保存することができる。なお、汎用近距離有線I/Fに含まれるUSBI/Fを通じて外部USB機器と種々の情報授受を行うことができ、USBI/Fの接続スロットにはUSBメモリの装着(接続)が可能であるが、USBメモリについては、着脱可能な記憶媒体として扱い、記憶装置4に含まれるものとする。
〔音色(ボイス)データの構造例〕
この発明の一実施例による電子音楽装置(電子楽器)では、ROM3或いは記憶装置4に記憶された多数の音色データ(ボイスデータ或いはボイスともいう)の中から所望の音色データを選択し音源(8)に設定することができる。ROM3に記憶された音色データはプリセット音色データ(Vdp)と呼ばれ、記憶装置4に記憶された音色データはユーザ音色データ(Vdu)と呼ばれる。図2は、これらの記憶手段3,4に記憶される音色データVd:Vdp,Vduの構造例を示し、図2(1)は、プリセット音色データVdpの構造例であり、図2(2)は、ユーザ音色データVduの構造例である。
ROM3のプリセットボイスエリアには、図2(1)左側に示すように、所定数jのプリセットバンクBkp:Bkp1〜Bkpj(1〜j:バンク番号。例えば、j=4)が設けられ、各プリセットバンクBkpは、プリセット音色データ(Pre)のバンク番号(1〜j)であることを示すプリセットバンク種別情報Pre1〜Prejで特定することができる。各プリセットバンクBkpには、図2(1)中央に示すように、音色番号Bnで区別される所定数kのプリセット音色データVdpが記録されており、例えば、各プリセットバンクBkpに記録されるプリセット音色データVdpの数kは“128”である。つまり、プリセット音色データVdpには、夫々のプリセットバンクBkp内で通しの音色番号Bn:001,002,…,128(=k)が付けられており、プリセットバンク種別Pre1〜Prej及びバンク内音色番号Bnにより特定される。
また、各バンクBkp内のプリセット音色データVdpは、所定数nの音色グループGp:A,B,C,…(例えば、n=8の場合は、A〜H)でグループ分けされており、各音色グループGpに所定数p(例えば、p=16)のプリセット音色データVdpが割り当てられる。つまり、各音色データVdpは、夫々の音色グループGp内で通しの音色番号Gn:1〜pが付けられており、プリセットバンク種別Pre1〜Prej、音色グループGp:A,B,C,…及びグループ内音色番号Gnによっても特定される。
各プリセット音色データVdpは、音色番号Bnの外に、図2(1)右側に示すように、名称(ボイス名)情報Nm、メインカテゴリー情報Mc及びサブカテゴリー情報Scから成るカテゴリー情報などを含む案内情報(ヘッダ情報)と、各種パラメータ即ち複数種類の音色パラメータ(ボイスパラメータともいう)から成る実体データPrとから構成される。カテゴリー情報Mc,Scは、楽器音色の種類を表わす情報であり、音色データを分類するのに用いられる。メインカテゴリー情報Mcに、例えば、 Piano,Keyboard,Organ,Guitar,Bass,Strings,Brass,Sax,…があり、全ての音色データはメインカテゴリー情報Mcで分類することができる。また、メインカテゴリー情報Mcで分類された音色データは更にサブカテゴリー情報Scで細分類することができ、カテゴリーサーチ(後述)の際には、両カテゴリー情報Mc,Scが検索用情報として用いられる。なお、各プリセット音色データVdpは、書き換えることができない。
これに対して、例えば、フラッシュメモリ等の記憶装置4には、図2(2)左側に示すように、所定数mのユーザバンクBku:Bku1〜Bkum(1〜m:バンク番号。例えば、m=2)が設けられ、各ユーザバンクBkuは、ユーザ音色データ(Usr)のバンク番号(1〜m)であることを示すプユーザバンク種別情報Usr1〜Usrmで特定することができる。各ユーザバンクBkuには、プリセットバンクBkpと同様、図2(2)中央のように、音色番号Bnで区別される所定数k(例えば、k=128)のユーザ音色データVduが記録され、各ユーザ音色データVduには、夫々のユーザバンクBku内における音色番号Bn:001,002,…,128(=k)が付けられて、ユーザバンク種別Usr1〜Usrm及びバンク内音色番号Bnにより特定される。
また、各バンクBku内のユーザ音色データVduは、プリセット音色データVdpと同様に、所定数mの音色グループGp:A,B,C,…(例えば、n=8:A〜H)でグループ分けされ、各グループに所定数p(例えば、p=16)のユーザ音色データVduが割り当てられる。つまり、各音色データVduは、夫々のグループ内の音色番号Gn:1〜pが付けられており、ユーザバンク種別Usr1〜Usrm、音色グループGp:A,B,C,…及びグループ内音色番号Gnによっても特定される。
各ユーザ音色データVduの内容も、プリセット音色データVdpと同様に構成され、図2(2)右側に示すように、名称情報Nmやメイン及びサブカテゴリー情報Mc,Scなどを含む案内情報(ヘッダ情報)と、各種パラメータ(実体データ)Prとから構成され、カテゴリーサーチの際には、カテゴリー情報Mc,Scが検索用情報として用いられる。なお、プリセット音色データVdpと異なり、各ユーザ音色データVduは、任意に書き換える(上書きする)ことができる。また、各ユーザバンクBkuの各音色番号Bnの領域には、予め、案内情報(ヘッダ情報)Nm;Mc,Scや実体データPrを有する所定の音色データが記憶されていてもよいし、空であってもよい。
なお、図2のように、各音色データVdp,Vdu内にカテゴリーデータ情報Mc,Scが含まれている型式に限らず、音色データVdp,Vduとは別に、各音色データVdp,Vduを指定するためのバンク番号及び音色番号Bnを表わす音色指定情報に関連付けてカテゴリー情報Mc,Scを記述したカテゴリー表を持つようにしてもよい。カテゴリーサーチをする際に、図2のように、音色データVdp,Vdu内にカテゴリー情報Mc,Scが含まれていると、各音色データの中を全てサーチするために時間がかかるが、別途カテゴリー表を持つようにした場合には、カテゴリー表のみをサーチすればよく、カテゴリーサーチを高速に行うことができる。なお、この場合、ユーザバンクBkuの音色データVduを編集してカテゴリーを変更したときには、当該音色データVdu内ではなく、カテゴリー表の内容を変更するようにする。
また、カテゴリー情報Mc,Scの数については、1つの音色データVdp,Vduに対し、図2のように、カテゴリー情報Mc,Scを1つのみ持たせるようにしてもよいし、複数持てるようにしてもよい。
〔操作パネルの構成例〕
図3は、この発明の一実施例による電子音楽装置の操作パネル構成例を示す。この電子音楽装置の操作パネルPNにはディスプレイ13及び多数のパネル操作子(12)が設けられている。パネル操作子については、実際はディスプレイ13の周辺に多数設けられるが、図3には主要な操作子のみが示され他の操作子は省略されている。
この例では、モード指示操作子(スイッチ)として、ディスプレイ13の右側最上部にボイス (Voice)ボタンVPが設けられ、次段に、エディット(Edit)ボタンED、ジョブ (Job)ボタンJB及びストア (Store)ボタンSTが設けられる。ここで、ボイスボタンVPは、この電子音楽装置の動作状態を「ボイスモード」にするための操作子であり、ボイスモードでは、所望の音色データVdの各種パラメータ(音色パラメータ)Rrが音源(8)に設定され、設定された音色データに従って演奏操作子11による演奏を行うことができる。
エディットボタンEDは、そのときに設定されている音色データを編集するための操作子であり、その操作により「エディットモード」になる。ジョブボタンJBは、そのときに設定されている音色データについて、元のオリジナル状態に戻す「初期化処理」や、記憶手段3,4から選択された音色データの所望のパラメータをコピーする「コピー処理」等を行うための操作子であり、エディットモードでコピー処理を行うモードは「エディットコピーモード」と呼ばれ、このモードでは、選択された音色データの一部パラメータを編集中の音色データにコピーすることができる。また、ストアボタンSTは、そのときに設定されている音色データを、記憶装置4から選択したユーザ音色データが記憶されている保存先に書き込む「保存処理」を行うための操作子であり、エディットモードで保存処理を行うモードは「エディット保存モード」と呼ばれ、このモードでは、編集した音色データで保存先のユーザ音色データを書き換えることができる。
モード指示操作子群の下には、ディスプレイ13の表示画面SRに対して操作を行うための画面操作子(スイッチ)として、減少 (Dec)ボタンDC、増加 (Inc)ボタンIC、エグジット(Exit)ボタンEX、エンター (Enter)ボタンEN及び4つのカーソルボタンUP,DN,LF,RGが設けられる。ここで、減少及び増加ボタンDC,ICは、画面SR中のカーソル(グレー表示部)がある位置の値を単位量ずつそれぞれ減少及び増加させるための操作子であり、エグジットボタンEXは、画面SR上の表示を1つ前の状態に戻すための操作子であり、エンターボタンENは、画面SR上に表示された状態を確定したりこの表示状態で処理を実行させるための操作子である。また、カーソルボタンUP,DN,LF,RGは、画面SR中のカーソル位置を上下左右に移動させるための操作子であり、それぞれ、アップ、ダウン、レフト及びライトボタンと呼ばれる。
また、モード指示操作子群の右側には、カテゴリーサーチボタンCSと、夫々複数のボタンから成る音色バンク切換えスイッチVB、グループ/カテゴリー選択スイッチGC及び番号スイッチNUとが設けられる。ここで、カテゴリーサーチボタンCSは、装置の状態をカテゴリーサーチモードにするための操作子であり、カテゴリーサーチモードでは、「カテゴリーサーチ」と呼ばれる検索手順によりカテゴリー(楽器音色の種類)に従って所望の音色データをサーチすることができる。一方、他のスイッチVB,GC,NUは、図2のような音色データ構造に従って所望の音色データを選択するのに用いられる。
音色バンク切換えスイッチVBは、バンクボタンとも呼ばれ、バンク番号増大ボタンVBi及びバンク番号減少ボタンVBdから成る。グループ/カテゴリー選択スイッチGCは、グループ/カテゴリーボタンとも呼ばれ、この例では、8つのグループ/カテゴリーボタンGC1〜GC8から成る。これらのグループ/カテゴリーボタンGC:GC1〜GC8は、音色データの選択が可能な状態では、音色グループ選択ボタンとして機能し、バンクボタンVB:VBi,VBdの操作で指定される音色バンク内のグループGpを指定することができ、更にカテゴリーサーチボタンCSが操作されてカテゴリーサーチモードになった場合には、音色カテゴリー選択ボタンとして機能する(後述)。また、番号スイッチNUは、この例では、16の番号ボタンNU1〜NU16から成り、音色データの選択が可能な状態では、グループ選択ボタンGC:GC1〜GC8の操作で指定される音色グループGp内にある音色番号Gn=1〜16の何れかを指定することができる。
例えば、音色データ選択可能な状態の初期においては、第1プリセットバンクBkp1=「Pre1」の第1グループGp=「A」内のグループ内音色番号Gn=「1」(バンク内音色番号Bn=「001」に相当)の音色データ(Mc=「 Piano」、Sc=「 A.Piano」)が画面SRに表示される(図示せず)。ユーザがバンクボタン(バンク番号増大ボタン)VBiを1回操作して第2プリセットバンクBkp2=「Pre2」を指定し、5番目のグループ/カテゴリーボタンGC5を操作して第5グループGp=「E」を指定すると、プリセットバンク2のグループEに属する16の音色データの名称が番号1〜16付きで画面SR上のダイアログにリスト表示される(図示せず)。このリストを見て12番目の番号ボタンNU12を操作し、第12グループ内音色番号Gn=「12」を指定すると、第2プリセットバンクBkp2=「Pre2」の第5グループGp=「E」内のグループ内音色番号Gn=「12」のプリセット音色データVdpが選択(特定)される。そして、エンターボタンENを操作すると、図3のように、一連の指定操作に基づくバンク情報Bk=「Pre2」、グループ情報Gp=「E」及びグループ内音色番号Gn=「12」に、そのバンク内音色番号Bn=「076」を加えた音色特定情報:「Pre2:076〔E12〕」と共に、当該音色特定情報により対応するプリセット音色データVdpのメインカテゴリー情報Mc=「Guitar」、サブカテゴリー情報Sc=「 E.Clean」及び音色名Nm=「Melodic Jazz」が画面SRに表示される。
〔カテゴリーサーチ時の画面表示〕
この発明の一実施例による電子音楽装置では、音色データ選択可能な状態において更にカテゴリーサーチボタンを操作すると、カテゴリー情報に基づいて所望の音色データを選択するカテゴリーサーチを行うことができる。図4及び図5は、ボイスモード及びエディットモードにおいてカテゴリーサーチを行った場合の画面表示例を示す。なお、図4(2)〜(4)及び図5(2)〜(6)のグレー表示部はカーソルを示す。
<ボイスモードにおけるカテゴリーサーチ>
操作パネルPN上のボイスボタンVPを操作すると、ボイスモードに入って音色データを選択することができる状態になる。この場合、ディスプレイ13には、例えば、図4(1)に示すように、第1プリセットバンクBkp1=「Pre1」のバンク内音色番号Bn=「001」(第1グループGp=「A」のグループ内音色番号Gn=「1」に相当)のプリセット音色データを案内するボイスモード初期画面SRaが表示される。このボイス初期画面SRaの例では、当該音色データの指定情報=「Pre1:001」と、案内情報=「 Piano」(メインカテゴリー情報Mc)+「 A.Piano」(サブカテゴリー情報Sc)+「Full Concert Grand」(名称Nm)が表示される。
ここで、カテゴリーサーチボタンCSを操作すると、現在選択されているメイン及びサブカテゴリーMc,Scを示すカテゴリー選択ダイアログDLaが画面SRa上に表示される。このダイアログDLaに表示されるメイン及びサブカテゴリーMc,Scは、音色データVd:Vdp,Vduに記録されるメイン及びサブカテゴリー情報Mc,Scの内容を表わし、例えば、メインカテゴリーの表示については、 Piano,Keyboard,Organ,Guitar,Bass,Strings,Brass,Sax,…が所定順序で用意される。また、サブカテゴリーの表示についても、各メインカテゴリーMc毎に所定順序で用意され、例えば、メインカテゴリーMc= Pianoには、A.Piano,Mdrn.Piano,Vintg,…が、メインカテゴリーMc=Guitarには、 A.Guitar,E.Clean,E.Dist.,…が、それぞれ用意される。
カテゴリー選択ダイアログDLaには、当初は、予め定められたメイン及びサブカテゴリーMc,Scが表示され、メインカテゴリー表示欄にカーソルが当てられてメインカテゴリーMcが変更可能になる。例えば、第1順位のメインカテゴリーMc= Pianoと、このメインカテゴリーに含まれる第1順位のサブカテゴリーSc= A.Pianoが表示され、メインカテゴリー表示:「Main: Piano」にカーソルが当てられる(図示せず)。そこで、
増加或いは減少ボタンIC,DCを操作すると、図4右下のカテゴリー表示の推移図(※)に示されるように、操作の度に、メインカテゴリー表示が、用意された順序で或いはその逆の順序で変更される。従って、例えば、増加ボタンICを3回操作した場合は、図4(2)のように、第4順位のメインカテゴリーMc=Guitarと、このメインカテゴリーに含まれる第1順位のサブカテゴリーSc=A.Guitarが表示される。
カーソルの位置は、アップ或いはダウンボタンUP,DNの操作で上或いは下方向に移動させることができる。例えば、図4(2)の状態でダウンボタンDNを操作してサブカテゴリー表示:「Sub:A.Guitar」にカーソルを移動させた後、増加或いは減少ボタンIC,DCを操作すると、図4右下のカテゴリー表示の推移図(※※)に示すように、操作の度に、サブカテゴリー表示が、用意された順序で或いはその逆の順序で変更される。従って、例えば、増加ボタンICを1回操作した場合、図4(3)のように、メインカテゴリーMc=Guitarにおける第2順位のサブカテゴリーSc=「 E.Clean」が表示される。
カテゴリー選択ダイアログDLaが表示された状態でエンターボタンENを操作すると、表示された両カテゴリーMc,Scの検索条件を満足する音色データVd:Vdp,Vduが、全音色バンクBk:Bkp,Bku即ち全プリセットバンクBkp1〜Bkpj及び全ユーザバンクBku1〜Bkumに渡って横断的に検索(サーチ)され、カテゴリー選択ダイアログDLaに代って、サーチ結果を示す音色選択ダイアログDLbが画面SRa上に表示される。つまり、両カテゴリーMc,Scが検索用情報に含まれる音色データVdの案内情報を図2の音色バンク構成例の順序(バンク指定情報Bk及びバンク内音色番号Bnの順序)に従ってリストアップし、高順位の音色データから表示可能な所定数の音色データ情報を音色選択ダイアログDLbに表示する。例えば、図4(3)の状態でエンターボタンENを操作すると、図4(4)のような音色選択ダイアログDLbが表示され、このダイアログDLbには、当該カテゴリー検索条件を表わすメイン及びサブカテゴリー名:「Guitar:E.Clean」が標題として表示されると共に、その下の音色リスト部には、該当する音色データVdのバンク指定情報Bk、バンク内音色番号Bn及び音色名Nmから成る音色データ案内情報が表示可能な所定数だけ列挙される。
カーソルについては、リストアップされた音色データ情報の先頭及び末尾以外では、アップ及びダウンボタンUP,DNを操作して上下方向に移動し所望の音色データ情報に当てることができる。なお、音色選択ダイアログDLbの表示当初は、先頭(最上段)の音色データ情報にカーソルが当てられており、カーソルを下方向にしか移動させることができない。つまり、カーソルがリスト表示域の上端又は下端にある場合に、アップ又はダウンボタンUP,DNを操作すると、当該上端又は下端の音色データ情報が、リストアップされた音色データ情報の先頭又は末尾でない間は、ボタンUP,DNを操作する毎に、リスト表示が上又は下方向にスクロールされ、より高又は低順位の音色データ情報が順次表示され、先頭又は末尾に到達するとスクロールできなくなる。図4(4)は、音色選択ダイアログDLbが表示された後、ダウンボタンDNの操作でリスト表示域の第2段(行)の音色データ情報にカーソルを当てた場合、つまり、第2プリセットバンク(Pre2)のバンク内音色番号Bn=076に記録された音色名=「Melodic Jazz」のプリセット音色データVdpを選択した状態を示している。
このように、カーソルを所望の音色データ案内情報(Bk+Bn+Nm)に当てると、この情報に対応する所望の音色データVd:Vdp,Vduが選択される。そして、所望の音色データVdが選択された後、エンターボタンENを操作すると、選択された音色データが音源(8)に設定され、その後、音色選択ダイアログDLbが閉じられ、ディスプレイ13には、新たに設定された音色データの情報を示すボイスモード画面SRbが表示される。例えば、図4(4)の状態でエンターボタンENを操作すると、図4(5)のようなボイスモード画面SRbとなる。つまり、設定された音色データについて、指定情報=「Pre2:076」と、案内情報=「 Guitar(Mc)+E.Clean(Sc)+Melodic Jazz(Nm)」が表示される。なお、この状態で、再度カテゴリーサーチボタンCSを操作すると、図4(1)〜(4)で説明した選択態様を経て音色データを設定し直すことができる。
<エディットモードにおけるカテゴリーサーチ>
この電子音楽装置では、或る音色データ(記号「Vds」で表わす)が選択された状態において、操作パネルPN上のエディットボタンEDを操作してボイスエディットモード(エディットモードともいう)に入ると、所定のパネル操作子を操作し、当該音色データVdsについて、メニューの選択やページの切替え、パラメータ値の設定などを行い、各種パラメータPrを設定して、新たな音色データVdを作成する音色編集(エディット)処理を実行することができる。例えば、上述のように、「Pre2:076,Category;Guitar<E.Clean>,Melodic Jazz」〔図4(5)参照〕と表示された音色データVdsについて、図5(1)のように音色パラメータ名Prnを標題に含む音色編集画面SRcを用い、フィルタやエンベロープジェネレータなどのカットオフ周波数やレゾナンス等を調整するなどにより、各種パラメータを編集し、新たな音色データを作成することができる。この後、新たな音色データをユーザボイス領域に保存するため、ストアボタンSTを操作すると、図5(2)のような保存先を選択するための保存先選択ダイアログDLcが表示される。
保存先選択ダイアログDLcには、標題:「 Voice Store」の下に、編集対象にされた元の音色データVdsのバンク指定情報Bks及びバンク内音色番号Bns:「Pre2:076」、下方向矢印、所定の保存先ユーザバンク指定情報Bkud及び保存先バンク内音色番号Bnd、並びに、保存先音色名が順次表示されると共に、保存先情報Bkud,Bndにはカーソルが当てられる。保存先には所定のユーザ音色データ記憶場所が予め設定されており、図示の例では、第1ユーザバンクBku1=「Usr1」の先頭音色番号Bn1=「001」のユーザ音色データの名称Nm=「My Piano 1」がデフォルトで表示される。カーソルが当っている保存先情報Bkud,Bndの表示位置(欄)は、保存先選択部と呼ばれ、増加或いは減少ボタンIC,DCを操作することにより、当該ユーザ音色データ記憶場所から全ユーザバンクのユーザ音色データ記憶場所を循環的にアクセスして音色名Nmを調べ、所望の保存先ユーザ音色番号を選択することができる。この場合、例えば、2つのユーザバンクがあれば、全てのユーザ音色番号を調べるのに、増加或いは減少ボタンIC,DCを2×128回も操作する必要がある。この電子音楽装置では、このときにカテゴリーサーチ機能で保存先を簡単に探すことができる。
つまり、保存先選択ダイアログDLcが表示されている状態でカテゴリーサーチボタンCSを操作すると、図5(3)に示すように、現在選択されているメインカテゴリーMc=Guitarと、このメインカテゴリーMcに属するサブカテゴリーのうち先頭のサブカテゴリーSc=A.Guitarを示すカテゴリー選択ダイアログDLdが、音色編集画面SRc上に表示され、メインカテゴリー表示欄にカーソルが当てられる。このダイアログDLdに表示されるメイン及びサブカテゴリーMc,Scには、全ユーザバンクBku1〜Bkumのユーザ音色データVduに記録されるメイン及びサブカテゴリーMc,Scに対応するものが全て用意されており、その内容は、図4のボイスモード時カテゴリー選択ダイアログDLaについて例示したものと同様のものであり、増加或いは減少ボタンIC,DCの操作に基づくメイン及びサブカテゴリーに関するサーチの仕方も、ボイスモード時と同様に、図4右下のカテゴリー表示の推移図(※,※※)に従って行われる。
また、このカテゴリー選択ダイアログDLdでも、ボイスモード時カテゴリー選択ダイアログDLaと同様に、アップ或いはダウンボタンUP,DNの操作で上或いは下方向に移動させることができる。従って、例えば、図5(3)の状態でダウンボタンDNを操作してサブカテゴリー表示:「Sub:A.Guitar」にカーソルを移動させた後、増加ボタンICの1回操作で、図5(4)のように、メインカテゴリーMc=Guitarにおける次順位サブカテゴリーSc=「 E.Clean」が表示される。
カテゴリー選択ダイアログDLaが表示された状態でエンターボタンENを操作すると、表示された両カテゴリーMc,Scの検索条件を満足するユーザ音色データVduが、全ユーザバンクBku:Bku1〜Bkumに渡って横断的に検索(サーチ)され、カテゴリー選択ダイアログDLaに代って、サーチ結果を示す音色選択ダイアログDLeが音色編集画面SRc上に表示される。サーチ結果の表示態様やアップ或いはダウンボタンUP,DNの操作に伴うカーソル移動やスクロールなどは、ボイスモード時の音色選択ダイアログDLbと同様であるが、作成されたユーザ音色データの保存先はユーザ領域に限られるので、サーチ範囲もユーザバンクBkuに限定されており、サーチ結果の情報量も自ずから少なくなる。例えば、図5(4)の状態でエンターボタンENを操作すると、図5(5)のような音色選択ダイアログDLeが表示され、このダイアログDLeには、カテゴリー検索条件を表わすカテゴリー名:「Guitar:E.Clean」が標題として表示され、その下の音色リスト部には、該当する2つのユーザ音色データVduのユーザバンク指定情報Bku、バンク内音色番号Bn及び音色名Nmから成る音色データ案内情報:「Usr1 010:My Guitar 1」及び「Usr1 011:My Guitar 2」が表示される。
図5(5)は、音色選択ダイアログDLeが表示された後、ダウンボタンDNの操作でリスト表示域の第2段(行)の音色データ情報にカーソルを当てた場合、つまり、第1ユーザバンク(Usr1)のバンク内音色番号Bn=011に記録された音色名=「 My Guitar 2」で示されるユーザ音色データVduを選択した状態を示している。このようにカーソル操作により所望のユーザ音色データVduが選択された後、エンターボタンENを操作すると、音色選択ダイアログDLeが閉じ、図5(6)に示すように、保存先選択ダイアログDLcに戻る。この保存先選択ダイアログDLcの保存先選択部Bkud,Bnd及び保存先音色名Nmdには、選択された所望のユーザ音色データVduの情報(Usr1:011,My Guitar 2)が表示される。そして、保存先選択部Bkud,Bndに表示された保存先ユーザバンクBkud(Usr1)の音色番号Bnd( 011)の領域が保存先領域として設定される。このとき、ボイスモード時とは異なり、選択された音色データが音源に設定されることはない。その後、エンターボタンENを操作すると、保存先選択ダイアログDLcが閉じ、編集していた音色データが、指定された保存先に保存される。
図5のように、音色データの保存先を特定する際にカテゴリーサーチ機能を利用すると、ユーザ音色データ(ユーザボイス)として既に記憶されている音色番号の領域に、新たに編集した音色データを上書き保存する場合、既存のどの音色データを上書きしてもよいかをカテゴリーを元に探すことができる、という利点がある。つまり、全ユーザバンクBkuに含まれる音色カテゴリーのうち、当該ユーザにとって比較的使用頻度の低いカテゴリーにまず絞込み、その中から、上書きしてもよい不要なユーザ音色データを選択することで、効率的に上書きしてもよいユーザ音色データを探すことができる。
なお、各カテゴリーサーチにおいて、図4(2),(3)や図5(3),(4)のように、カテゴリー選択ダイアログDLa,DLdが表示されているカテゴリー選択モードでは、操作パネルPN上のグループ/カテゴリーボタンGC:GC1〜GC8を操作することによって、直ちに、所定のメインカテゴリーMcを指示することができる。つまり、カテゴリー選択モード時には、グループ/カテゴリーボタンGCにメインカテゴリー指定機能が与えられ、全メインカテゴリーMcのうち利用頻度が高いと考えられる代表的な所定数(8)のカテゴリー、例えば、Piano,Keyboard,Organ,Guitar,Bass,Strings,Brass,Saxの指定機能が夫々ボタンGC1〜GC8に割り当てられる。従って、ダイアログDLa,DLdでカーソルがメインとサブの何れのカテゴリーに位置しているかに拘わらず、所望のメインカテゴリーを示すグループ/カテゴリーボタンGCを操作すれば、ダイアログDLa,DLdのメインカテゴリー表示は直ちに当該メインカテゴリーの情報に変更され、これに合わせてサブカテゴリー表示も所定のサブカテゴリー情報に変更される(カーソル位置は変化しない)。
ここで、音色データが音楽コンテンツでありカテゴリーサーチが音楽コンテンツの検索手法であると考えてこの電子音楽装置の機能について考察すると、音楽コンテンツ記憶手段(3,4)に用意された多数の音楽コンテンツ(音色データVd:Vdp,Vdu)の中から所望の音楽コンテンツ(Vd)を選択し、選択された音楽コンテンツ(Vd)を第1利用モード(ボイスモード)或いは第2利用モード(エディットモード)で利用することができる音楽コンテンツ処理システムにおいて、カテゴリーを示す検索用情報Mc,Scを各音楽コンテンツ(Vd)に付与しておき、何れの利用モードでも、カテゴリーMc,Scを含む所定の検索条件に従って所望の音楽コンテンツを検索(サーチ)するカテゴリーサーチを行い、第1利用モードでは、検索された所望の音楽コンテンツ自体を演奏に利用し、第2利用モードでは、検索された所望の音楽コンテンツ(保存先或いはコピー元)を別の音楽コンテンツ(編集後或いは編集中の音色データ)の保存(書換え)或いは作成(編集)に利用することができるようにしたものであるということができる。
〔処理フロー例〕
図6〜図8は、この発明の一実施例による電子音楽装置における音楽コンテンツ処理を表わすフローチャートであり、図6(1)は、この電子音楽装置全体の処理フロー例を示す。図6(1)において、この電子音楽装置の電源オンにより、この装置全体の処理がスタートすると、CPU1は、ステップP1で、システムの初期化を行い、次のステップP2では、所望の音色データを音源(8)に設定する音色設定処理を行う。
次いで、ステップP3にて、所定の音色データを編集(エディット)して新たな音色データを作成する音色編集処理を行い、さらに、ステップP4に進んで、その他の処理を行う。その他の処理には、例えば、鍵盤操作(11)に対応した演奏処理や、自動演奏モード等の他のパネル操作(12)に対応したその他のモードの処理などがある。ステップP4の処理の後は、ステップP5に進み、全体処理の終了指示がないときは(P5=NO)、ステップP2に戻り、ステップP2〜P5の処理を繰り返す。そして、終了指示があると(P5=YES)、この全体処理を終了する。
図6(2)は、図6(1)の全体処理のステップP2における音色設定処理の具体例を表わす。この音色設定処理がスタートすると、CPU1は、ステップS1で、この電子音楽装置の動作モードがボイスモードであるか否かを判定し、ボイスモードでないときは(S1=NO)、直ちに音色設定処理を終了し、全体処理のステップP3にリターンする。
一方、ボイスボタンVPが操作されてボイスモードであるときは(S1=YES)、ステップS2に進み、バンクボタンVB:VBi,VBd、グループ/カテゴリーボタンGC:GC1〜GC8及び番号ボタンNU:NU1〜NU16が操作されたか否かを判定する。ここで、これらのボタンVB,GC,NUが操作されたときは(S2=YES)、ステップS3に進み、操作された各ボタンVB,GC,NUの機能に応じて、音色バンクBk(Bkp1〜Bkpj,Bku1〜Bkum)、バンク内グループGp(A〜H)及びグループ内音色番号Gn(1〜16)に対応する所望の音色データVd(Vdp,Vdu)を選択し、選択された音色データVdのパラメータPrを音源(8)に設定すると共に、ディスプレイ13に音色データVdの情報を表示する(例えば、図3の画面SR)。
ボタンVB,GC,NUが操作されないとき(S2=NO)或いはステップS3の処理の後は、ステップS4で、カテゴリーサーチボタンCSが操作されたか否かを判定し、カテゴリーサーチボタンCSが操作されないときは(S4=NO)、この音色設定処理を終了し、全体処理のステップP3にリターンする。一方、カテゴリーサーチボタンCSが操作されたときには(S4=YES)、ステップS5でカテゴリーサーチ処理を行い、ステップS6の処理を経てこの音色設定処理を終了し、全体処理のステップP3にリターンする。ここで、ステップS6では、カテゴリーサーチ処理で所望の音色データVdを選択した場合に、カテゴリーサーチ処理で選択された音色データVdのパラメータPrを音源(8)に設定すると共に、ディスプレイ13にこの音色データVdの情報を表示する〔例えば、図4(5)の画面SRb〕。また、ステップS5のカテゴリーサーチ処理で音色データの選択がない場合はステップS6をスルーする。
図7は、図6(1)の全体処理のステップP3における音色編集処理の具体例を表わす。この音色編集処理がスタートすると、CPU1は、ステップE1で、エディットボタンEDが操作されたか否かを判定し、エディットボタンEDが操作されないときは(E1=NO)、直ちに音色編集処理を終了し、全体処理のステップP4にリターンする。一方、エディットボタンEDが操作されたときには(E2=YES)、ステップE2に進んで、エディットモードに移行し、エディット画面〔例えば、図5(1)の画面SRc〕を表示し、さらに、ステップE3にて、編集用の設定操作子のユーザ操作に応じて音色パラメータPrを編集し表示を更新する。なお、このステップE3における音色パラメータの編集には、名称情報Nmやメイン及びサブカテゴリー情報Mc,Scの編集も含まれるものとする。また、ステップE3では、編集対象パラメータをコピーすることができ、コピーの際(エディットコピーモード時)には、カテゴリーサーチ処理を行うことができる。
ステップE3の編集の後は、ステップE4で、ストアボタンSTが操作されたか否かを判定し、ストアボタンSTが操作されたときは(E4=YES)、ステップE5に進み、保存先設定ダイアログDLcを表示する。さらに、ステップE6に進んで、増加 (Inc)ボタンIC或いは減少 (Dec)ボタンDCが操作されたか否かを判定する。
ここで、増加乃至減少ボタンIC,DCが操作されたときは(E6=YES)、ステップE7に進み、ボタンIC,DCの順次操作に応じてユーザバンクBku(Bku1〜Bkum)から保存先を選択する。一方、ボタンIC,DCの操作がないときには(E6=NO)、ステップE8に進んで、カテゴリーサーチボタンCSが操作されたか否かを判定し、カテゴリーサーチボタンCSが操作されたときには(E8=YES)、ステップE9にて、カテゴリーサーチ処理を行い、保存先を選択する。そして、ステップE7,E9の処理の後、或いは、カテゴリーサーチボタンCSの操作がないと判定したときは(E8=NO)、ステップE10で、エンターボタンENが操作されたか否かを判定する。
ここで、エンターボタンENの操作がないときは(E10=NO)、ステップE11にて、エグジットボタンEXが操作されたか否かを判定し、エグジットボタンEXの操作がないと(E11=NO)、ステップE6に戻り、上述のステップE6〜E11の処理を繰り返す。ステップE10でエンターボタンENが操作されたと判定したときは(E10=YES)、ステップE12に進み、ステップE7或いはステップE9で選択された保存先に、ステップE3で編集された結果の音色データを保存する。また、ステップE11でエグジットボタンEXが操作されたと判定したとき(E11=YES)或いはステップE12の保存処理の後は、ステップE13で、保存先設定ダイアログDLcを閉じる。
ステップE4で、ストアボタンSTの操作がないと判定したとき(E4=NO)或いはステップE13の処理の後は、ステップE14に進んで、エグジットボタンEX或いはボイスボタンVPが操作されたか否かを判定し、ボタンEX,VPの操作がないときは(E14=NO)、ステップE3に戻って、上述したステップE3〜E14の処理を繰り返す。なお、ステップE14の判定の直前において、編集されれた音色パラメータがまだ保存されていないと判定した場合は、「保存しますか?」の警告をディスプレイ13の画面SRに出し、ユーザに音色パラメータの保存を促してもよい。また、ステップE14で、エグジットボタンEX或いはボイスボタンVPが操作されたと判定したときは(E14=YES)、E15に進み、ボイスモードに移行してボイスモード画面(SRa,SRb:図4)を表示した後、この音色編集処理を終了し全体処理のステップP4にリターンする。
図8は、図6(2)の音色設定処理のステップS5及び図7の音色編集処理のステップE9におけるカテゴリーサーチ処理の具体例を表わし、このカテゴリーサーチ処理は、音色編集処理のステップE3においても実行される。カテゴリーサーチ処理がスタートすると、CPU1は、ステップC1で、カテゴリーサーチのダイアログDL〔DLは、DLa,DLd(カテゴリー選択ダイアログ)、DLb,DLe(音色選択ダイアログ)を代表的に表わす〕を開き、次のステップC2では、アップボタンUP或いはダウンボタンDNが操作されたか否かを判定する。ここで、アップ或いはダウンボタンUP,DNが操作されたときは(C2=YES)、ステップC3で、操作に応じてダイアログDL上のカーソルを移動させた後、ステップC4に進み、ボタンUP,DNの操作がないときは(C2=NO)、直接ステップC4に進む。
ステップC4では、ダイアログDLとしてカテゴリー選択ダイアログDLa,DLdを表示しているカテゴリー選択状態において、増加 (Inc)ボタンIC或いは減少 (Dec)ボタンDCが操作されたか否かを判定する。ここで、増加或いは減少ボタンIC,DCが操作されたときは(C4=YES)、ステップC5で、(カテゴリー選択状態のときにのみ)ボタン操作に応じて、ダイアログDLa,DLd上でカーソルのあたっている箇所のカテゴリー名を順次変更した後、ステップC6に進み、ボタンIC,DCの操作がないときは(C4=NO)、直接ステップC6に進む。
ステップC6では、エンターボタンENが操作されたか否かを判定し、エンターボタンENが操作されたときは(C6=YES)、さらに、ステップC7で、現在、カテゴリー選択状態である(カテゴリー選択ダイアログDLa,DLdが表示されている)ときは(C7=YES)、ステップC8にて、現在選択されているカテゴリーで音色データを検索する。この場合、検索範囲については、ボイスモード時(S5)は、プリセットバンクBkp1〜Bkpj及びユーザバンクBku1〜Bkumから検索し、音色データ保存時(E9)には、ユーザバンクBku1〜Bkumのみに限定して検索する。次いで、ステップC9にて、ステップC8での検索結果を音色選択ダイアログDLb,DLe上にリスト表示する。ステップC6でエンターボタンENの操作がないと判定したとき(C6=NO)或いはステップC9の結果表示処理の後は、ステップC10に進み、エグジットボタンEXが操作されたか否かを判定し、ボタンEXの操作がないときは(C10=NO)、ステップC2に戻って、上述したステップC2〜C10の処理を繰り返す。
また、ステップC7でカテゴリー選択状態ではなく音色選択状態であると判定したとき(C7=NO)、つまり、音色選択ダイアログDLb,DLeが表示されているときは、ステップC11に進み、カーソルが当っている音色データを選択する。そして、ステップC10でエグジットボタンEXが操作されたと判定したとき(C10=YES)或いはステップC11の音色データ選択処理の後は、カテゴリーサーチのダイアログDLを閉じてカテゴリーサーチ処理を終了し、音色設定処理のステップS6〔図6(2)〕或いは音色編集処理のステップE10(図7)にリターンする。
なお、音色編集処理のステップE3(図7)のエディットコピーモードにおいてカテゴリーサーチ処理が実行された場合には、ステップC8での検索範囲はプリセットバンクBkp1〜Bkpj及びユーザバンクBku1〜Bkumとなる。
〔種々の実施態様及びまとめ〕
以上、図面を参照しつつこの発明の好適な実施の一形態について説明したが、これは単なる一例であって、この発明は、発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では、音楽コンテンツとして音色データの例を示したが、これに限らない。例えば、音源波形データ、効果種類(アルゴリズム)データ、自動演奏データ、自動伴奏データ、アルペジオデータ、オーディオデータ、楽譜データ、演奏環境設定データ、その他あらゆる種類の音楽コンテンツに適用可能である。
音楽コンテンツを幾つかのカテゴリーに分類し、カテゴリーを選択することで所望の音楽コンテンツサーチするものに限らず、カテゴリーを含む(カテゴリーに関係する)キーワードや分類を音楽コンテンツに付与し、そのキーワードや分類で音楽コンテンツをサーチしてもよい。なお、この場合のカテゴリーとは、楽器音色の種類に限らず、音楽ジャンルの種類のカテゴリーなどのようなカテゴリーでもよい。
実施例では、サーチした音楽コンテンツの第1利用形態として音色データを音源に設定し、第2利用形態として、編集した他の音色データの保存先として指定する例を示したが、これに限らない。例えば、第1利用形態としては、サーチした音楽コンテンツ自体を再生する(自動演奏データ、オーディオデータ、楽譜データなど)、再生準備をする(自動伴奏データ、アルペジオデータなど)、設定する(音源波形データ、効果種類データ、演奏環境データなど)、等々がある。また、第2利用形態としては、サーチした音楽コンテンツを別の音楽コンテンツの保存先として指定する、サーチした音楽コンテンツ内のパラメータを別の音楽コンテンツの作成乃至編集時にコピーする、サーチした音楽コンテンツの番号などを別の音楽コンテンツ内に作成乃至編集のために登録する、等々がある。
端的にいうと、第1利用形態は、サーチした音楽コンテンツそのものを利用することであり、第2利用形態は、サーチした音楽コンテンツを別の音楽コンテンツの作成、編集乃至保存ために利用することであるということができる。従って、第1利用形態の場合は、サーチ後にその音楽コンテンツ自体を再生乃至設定するのに対し、第2利用形態の場合には、サーチ後にその音楽コンテンツ自体を再生乃至設定しないようにしている。