JP2010281221A - 可変動弁装置 - Google Patents

可変動弁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010281221A
JP2010281221A JP2009133208A JP2009133208A JP2010281221A JP 2010281221 A JP2010281221 A JP 2010281221A JP 2009133208 A JP2009133208 A JP 2009133208A JP 2009133208 A JP2009133208 A JP 2009133208A JP 2010281221 A JP2010281221 A JP 2010281221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
camshaft
pin
force
magnetic force
displacement member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009133208A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Tateno
学 立野
Tatsunori Shigeoka
辰徳 重岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009133208A priority Critical patent/JP2010281221A/ja
Publication of JP2010281221A publication Critical patent/JP2010281221A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の可変動弁装置において、可変動弁機構の応答性向上を実現することを課題とする。
【解決手段】内燃機関の気筒内のバルブを駆動するためのカムが取り付けられたカムシャフトと、突起部と切欠部とを備えたカムシャフト軸方向に変位可能な変位部材と、前記変位部材をカムシャフト軸方向に付勢する付勢部材と、前記突起部と係合して前記カムシャフトの回転により前記変位部材を前記付勢部材の付勢力に抗う方向に変位させる、前記カムシャフトの外周面に螺旋状に設けられたスライド溝と、前記突起部を前記スライド溝に向けて押し出し可能で、かつ、前記変位部材が前記付勢部材の付勢力に抗う方向に変位したときに前記切欠部と係合可能な可動子を備えるアクチュエータと、前記切欠部と前記可動子との間に生じる力の一部を相殺する磁力を発生させる磁力発生機構と、前記変位部材と前記カムシャフトとの相対的な変位に伴って、バルブの開弁特性を変化させるバルブ特性変更機構と、を備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の可変動弁装置に関するものである。特に、自動車用内燃機関に取り付けられた吸気バルブ/排気バルブの開弁特性の変更に適した可変動弁機構に関する。
従来、例えば特許文献1には、可変動弁機構が開示されている。可変動弁機構は、メインロッカーアームとサブロッカーアームとを備えている。メインロッカーアームとサブロッカーアームのローラ軸には、複数の係合ピンが配置されている。上記複数の係合ピンは、電磁アクチュエータの駆動力によって移動せしめられる。これにより、メインロッカーアームとサブロッカーアームの連結/非連結を切り換えることが可能である。その結果、バルブのリフト特性を変更することができる。
上記従来の可変動弁機構は、ローラ軸にリターンスプリングを備えている。電磁アクチュエータへの通電がONとされると、アクチュエータの駆動力はリターンスプリングを押し縮める向きに作用する。電磁アクチュエータへの通電がOFFとなってその駆動力が取り除かれた際、上記リターンスプリングの反力が係合ピンを元の位置へ移動せしめる。これにより、メインロッカーアームとサブロッカーアームとが連結している通常状態に復帰することが可能である。この場合、電磁アクチュエータの駆動力とリターンスプリングの反力とは、互いに平行な向きに作用しあっている。
係合ピンをローラ軸に対して平行に移動させる方法としては、以下のような構成も考えられる。例えば、カムシャフトの外周面の一部に螺旋状のガイド溝を設ける。さらに、上記ガイド溝に対向する位置に電磁アクチュエータを配置する。電磁アクチュエータの駆動ピンを上記ガイド溝に対して垂直方向に作動させることで、カムの回転力を水平方向(ローラ軸方向)の力に変換できる。上記水平方向の力を利用すれば、係合ピンをローラ軸方向へ移動せしめることが可能である。この場合、電磁アクチュエータの駆動力とリターンスプリングの反力とは、互いに垂直な向きに作用している。
特開2007−32556号公報
電磁アクチュエータの駆動力とリターンスプリングの反力とが互いに垂直な向きに作用している構成では、以下の問題が生じる。電磁アクチュエータへの通電がONとなっている場合、リターンスプリングは押し縮められている。これにより、リターンスプリングの反力が電磁アクチュエータの駆動ピンに対して、駆動ピン作動方向と直角な方向に作用する。したがって、電磁アクチュエータへの通電がOFFとなった場合、リターンスプリングの反力が、電磁アクチュエータの駆動ピンを引き戻す際の抵抗となる。これにより、メインロッカーアームとサブロッカーアームとが連結している通常状態への復帰が遅れたり、復帰の応答性にばらつきが生じたりする。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、可変動弁装置における可変動弁機構の応答性向上を実現可能な内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の可変動弁装置であって、
内燃機関の気筒内のバルブを駆動するためのカムが取り付けられたカムシャフトと、
突起部と切欠部とを備えたカムシャフト軸方向に変位可能な変位部材と、
前記変位部材をカムシャフト軸方向に付勢する付勢部材と、
前記突起部と係合して前記カムシャフトの回転により前記変位部材を前記付勢部材の付勢力に抗う方向に変位させる、前記カムシャフトの外周面に螺旋状に設けられたスライド溝と、
前記突起部を前記スライド溝に向けて押し出し可能で、かつ、前記変位部材が前記付勢部材の付勢力に抗う方向に変位したときに前記切欠部と係合可能な可動子を備えるアクチュエータと、
前記切欠部と前記可動子との間に生じる力の一部を相殺する磁力を発生させる磁力発生機構と、
前記変位部材と前記カムシャフトとの相対的な変位に伴って、バルブの開弁特性を変化させるバルブ特性変更機構と、を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記磁力発生機構により磁力を発生させる時期と、前記アクチュエータへの通電を停止させる時期とを同期させる停止動作制御手段を更に備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記磁力発生機構は前記カムシャフトの軸方向の磁力を発生させる一対の永久磁石を備え、前記永久磁石の一方は前記カムシャフトに取り付けられたカム上に設けられ、もう一方は前記変位部材上に設けられることを特徴とする。
変位部材の切欠部とアクチュエータの可動子とが係合しているとき、変位部材には付勢部材の付勢力が作用する。バルブ特性変更機構の応答性の観点においては、切欠部と可動子との係合を解く際、付勢力により両者の間に生じる摩擦力は小さいことが望ましい。第1の発明によれば、変位部材の切欠部とアクチュエータの可動子との間に生じる力の一部を相殺する磁力を発生させることができる。切欠部と可動子との間に生じる力の一部が相殺されることで、切欠部と可動子との間の摩擦力が低減される。これにより、バルブ特性変更機構の応答性が改善される。
切欠部と可動子との間に生じる力の一部を相殺する磁力を発生させる時期は、アクチュエータへの通電を停止させる時期と同期することが望ましい。第2の発明によれば、停止動作制御手段により、磁力発生機構により磁力を発生させる時期と、アクチュエータへの通電を停止させる時期とを同期させることができる。これにより、アクチュエータへの通電を停止させる可能性がある時期においてのみ磁力を発生させることができる。その結果、変位部材の位置的安定性を付勢部材の付勢力により確保できるとともに、最適なタイミングで切欠部と可動子との間の摩擦力を低減できる。
第3の発明によれば、一対の永久磁石により磁力を発生させることができる。永久磁石の一方は、カムシャフトに取り付けられたカム上に設けられ、もう一方は変位部材上に設けられる。これにより、カムの回転周期と同じ周期で一対の永久磁石が対面し、磁力が発生する。その結果、簡易な構造で周期的に磁力を発生させることができる。
本発明の実施の形態1の内燃機関の可変動弁装置を、カムシャフト軸方向から見た図である。 図1に示す内燃機関の可変動弁装置を、カムシャフト上方から見下ろした図である。 切換機構の詳細な構成を説明するための斜視図である。 電磁ソレノイド式アクチュエータの詳細な構成を説明するための図である。 弁停止復帰タイミングにおける接触力と磁力の関係を説明するための図である。 弁停止復帰応答性のばらつきの比較を説明するための図である。 ソレノイドの消費電力の比較を説明するための図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関の可変動弁装置を、カムシャフト軸方向から見た図である。本実施形態の可変動弁装置は、カムシャフト10を備えている。カムシャフト10には、永久磁石12を取り付けるための磁石用カム14が形成されている。
カムシャフト10の下方には、スライドピン16が配置されている。スライドピン16は、カムシャフト10の軸方向に長さを持つ円柱部16Aを備えている。円柱部16Aは軸方向に進退自在であって、周方向に回転自在に支持されている。また、円柱部16Aの端部の一方には、円柱部16Aの半径方向外側に向けて突出するように、棒状のアーム部16Bが設けられている。アーム部16Bには、カムシャフト10の外周面に向けて突出するように突起部16Cが設けられている。さらに、アーム部16Bの先端部の押圧面16Dには、電磁ソレノイド式のアクチュエータ18のロックピン20が押圧されるようになっている。
本実施形態の可変動弁装置には、スライドピン16のアーム部16Bをカムシャフト10の外周面に向けて押し出すための電磁ソレノイド式のアクチュエータ18が配置されている。アクチュエータ18は、ロックピン20を備えている。尚、このアクチュエータ18の詳細な構成については、図4を参照して後述する。
アクチュエータ18への通電がONとなった場合、ロックピン20がスライドピン16の方向へ移動して、押圧面16Dを押圧する。これにより、アーム部16Bは円柱部16Aの軸周りに回転する。その結果、突起部16Cがカムシャフト10の外周面に向けて押圧される。
図2は、本実施形態の可変動弁装置をカムシャフト10上方から見下ろした図である。カムシャフト10には、1気筒当たり1つの主カム22と2つの副カム24とが形成されている。主カム22は、2つの副カム24の間に配置されている。主カム22は、カムシャフト10と同軸の円弧上のベース円部22Aと、ベース円部22Aの一部を半径方向外側に膨らませるように形成されたノーズ部22Bとを備えている。本実施形態の副カム24は、ベース円部のみを備えるカム(ゼロリフトカム)である。磁石用カム14のアクチュエータ18側の面には、永久磁石12Aが取り付けられている。
カムシャフト10の外周面の一部には、スライド溝26が螺旋状に形成されている。スライド溝26の詳細を以下に記述する。スライド溝26は、スライドピン16の突起部16Cを係合させるためのものである。スライド溝26の深さは一定ではなく、徐々に浅くなるように形成されている。より詳細には、スライド溝26の深さは以下のように設定されている。突起部16Cが係合される位置をスライド溝26の基端部とすると、当該基端部において最も溝が深く、基端部から終端部にかけて徐々に浅くなっている。スライド溝26の終端部の溝底部は、カムシャフト10外周面とほぼ一致する。
アクチュエータ18により、カムシャフト10の外周面に向けて押圧された突起部16Cは、スライド溝26と係合する。そして、カムシャフト10の回転に伴って、突起部16Cがスライド溝26に沿って案内される。これにより、スライドピン16はカムシャフト10の軸方向へ変位することができる。さらに、突起部16Cがスライド溝26の終端部に到達すると、両者の係合が解除される。これは、スライド溝26の終端部の溝底部が、カムシャフト10外周面とほぼ一致しているからである。
ところで、スライドピン16のアーム部16Bは切欠部16Eを備えている。切欠部16Eは、押圧面16Dの一部を切り欠いて凹状に形成されている。上述のように、突起部16Cがスライド溝26の終端部に到達すると、両者の係合は解除される。このときに、押圧面16Dを押圧していたロックピン20の先端部が切欠部16Eと係合するように、切欠部16Eは形成されている。これにより、スライドピン16をスライド溝26の終端部と対向する位置で固定することが可能となる。
カムシャフト10の下方には、可変機構28が配置されている。可変機構28は、カムシャフト10と平行に配置されたロッカーシャフト30を備えている。図2に示すように、ロッカーシャフト30には、1つの第1ロッカーアーム32と、一対の第2ロッカーアーム34L、34Rとが回転自在に取り付けられている。尚、本明細書では、左右の第2ロッカーアーム34L、34Rを特に区別しないときには、単に第2ロッカーアーム34と表記する場合がある。
本実施形態の可変動弁装置はさらに、切換機構36を備えている。上述のスライドピン16は切換機構36の一部品である。切換機構36は、第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム34との連結/非連結を切り換えるための機構である。
スライドピン16において、アーム部16Bの磁石用カム14側の面には永久磁石12Bが取り付けられている。永久磁石12Bと上述の永久磁石12Aの磁界は、両者が対向した時に引力が発生するように設定されている。
図3は、切換機構36の詳細な構成を説明するための斜視図である。図3に示すように、第1ロッカーアーム32におけるロッカーシャフト30の反対側の端部には、第1ローラ38が取り付けられている。詳細な記述は割愛するが、第1ロッカーアーム32は、第1ローラ38が主カム22と常に当接するようになっている。
一方、第2ロッカーアーム34におけるロッカーシャフト30の反対側の端部には、バルブ40の基端部が当接している。また、第2ロッカーアーム34の中央部には、第2ローラ42が取り付けられている。詳細な記述は割愛するが、第2ロッカーアーム34の第2ローラ42は、副カム24と当接するようになっている。
第1ローラ38に対する第2ローラ42の位置は、第1ローラ38が主カム22のベース円部22Aと当接し、かつ、第2ローラ42が副カム24のベース円部と当接するときに、第2ローラ42の軸心と第1ローラ38の軸心とが、同一直線上に位置するように定められている。
図3は、第1ローラ38、第2ローラ42の軸心位置で切断した断面を用いて、切換機構36を詳細に表している。図3に示すように、第1ローラ38の内部には、その軸方向に貫通するように第1ピン孔44が形成されている。第1ピン孔44の両端は、第1ロッカーアーム32の両側面に開口している。第1ピン孔44には、第1切換ピン46が摺動自在に挿入されている。第1切換ピン46の外径は、第1ピン孔44の内径と略同等である。また第1切換ピン46の長さは、第1ピン孔44の長さと略同等である。
一方、図3において右側に示されている、第2ロッカーアーム34L側の第2ローラ42Lの内部には、その軸方向に延在するように第2ピン孔48Lが形成されている。第2ピン孔48Lは、第1ロッカーアーム32と反対側の端部は閉口されており、第1ロッカーアーム32側の端部は開口されている。また、第2ロッカーアーム34R側の第2ローラ42Rの内部には、第2ピン孔48Rが形成されている。第2ピン孔48Rの両端は、第2ロッカーアーム34Rの両側面に開口している。第2ピン孔48L、48Rの内径は、第1ピン孔44の内径と同等である。
第2ピン孔48Lには、円筒状の第2切換ピン50Lとリターンスプリング52とが挿入されている。第2切換ピン50Lは、軸方向に摺動自在である。リターンスプリング52の一部は、第2切換ピン50Lの内部に挿入されるように配置されている。これによりリターンスプリング52は、第2切換ピン50Lを第1ロッカーアーム32方向に向けて付勢することが可能である。第2切換ピン50Lの外径は、第2ピン孔48Lの内径と略同等である。第2切換ピン50Lの長さは、以下2つの条件を共に満たすように設定されている。1つの条件は、第2切換ピン50Lが、第2ピン孔48Lの閉口端部に向けて押し込まれた状態で、第2切換ピン50Lの端部が、第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム36Lとの境界に位置することである。もう1つの条件は、第2切換ピン50Lが、第2ピン孔48Lの閉口端部に向けて押し込まれていない状態で、第2切換ピン50Lの第1ロッカーアーム32側の端部が、第1ピン孔44の内部まで突出することである。
一方、第2ピン孔48Rには、円柱状の第2切換ピン50Rが摺動自在に挿入されている。第2切換ピン50Rの外径は、第2ピン孔48Rの内径と略同等である。また、第2切換ピン50Rの長さは、第2ピン孔48Rの長さと略同等である。さらに、第2切換ピン50Rの第1切換ピン46と反対側の端部は、スライドピン16の円柱部16Aの一端と常に当接している。
以上のように切換機構36が構成されることで、通常状態では、第1切換ピン46の第2切換ピン50R側の端部が、第2ピン孔48R内に位置する。さらに、第2切換ピン50Lの第1切換ピン46側端部が、第1ピン孔44内に位置する。これにより、第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム34とが連結される。
第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム34とが非連結となる場合、切換機構36は以下のように動作する。まず、上述のようにスライドピン16が第1切換ピン46、第2切換ピン50の方向へ変位する。スライドピン16の変位に伴って、第1切換ピン46と第2切換ピン50L、50Rとが、同方向に変位する。この状態では、第1切換ピン46と第2切換ピン50Rとが、それぞれ第1ピン孔44と第2ピン孔48R内に収まっている。これにより、第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム34とが非連結となる。さらに、突起部16Cとスライド溝26との係合が解除されれば、スライドピン16の切欠部16Eとロックピン20の先端とが係合する。つまり、スライドピン16がロックピン20により固定される。これにより、アクチュエータ18への通電をONのままにしておけば、第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム34とが非連結となる状態を維持することが可能である。
図4は、電磁ソレノイド式のアクチュエータ18の詳細な構成を説明するための図である。図4に示すように、アクチュエータ18には、ソレノイド54が配置されている。ソレノイド54は、その内部に可動鉄心56を備える。可動鉄心56はその軸方向に摺動自在である。また、可動鉄心56に対向する位置に、ロックピン20が配置されている。ロックピン20には、フランジ部20Aが設けられている。ロックピン20の一部の外周面には、ロックピンスプリング58が取り付けられている。
アクチュエータ18への通電がONとなった場合、可動鉄心56がロックピン20の方向に移動する。可動鉄心56の移動に伴って、ロックピン20は図示省略するスライドピン16の方向(図の左方向)に向けて押し出され、移動端まで移動する。その結果、ロックピンスプリング58は押し縮められる。この際、ロックピンスプリング58の弾性力以上の大きさのソレノイド保持力が、ロックピン20に作用している。一方、アクチュエータ18への通電がOFFとなった場合、ロックピンスプリング58の弾性力により、ロックピン20が可動鉄心56に向けて押し戻される。その結果、ロックピン20により押圧された可動鉄心56は、アクチュエータ18への通電がOFFの状態に対応する位置まで押し戻される。
アクチュエータ18への通電がOFFとなった場合、切欠部16Eとロックピン20との係合が解除される。その結果、リターンスプリング52の反力により、切換ピン46、50L、50Rがロックピン20の方向へ移動する。これにより、第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム34とが連結する状態に復帰することができる。
このように、本実施の形態における切換機構36は、主カム22の作用力が第2ロッカーアーム34に伝達される状態と、前記作用力が第2ロッカーアーム34に伝達されない状態とを切り換えることができる。したがって、バルブ40の動作状態を弁可動状態と弁停止状態との間で切り換えることが可能となる。
図5は、弁停止復帰タイミングにおける接触力と磁力との関係を説明するための図である。接触力とは、スライドピン16とロックピン20の側面との間に作用する力であり、リターンスプリング52の反力と永久磁石12の磁力との合力である。図5の横軸は時間軸であり、本実施の形態における可変動弁装置の弁停止状態と、弁可動状態と、弁停止状態から弁可動状態へ遷移する過渡状態とを表現可能な時間範囲に設定されている。
また、時間軸に対して垂直に描かれている実線は、弁停止状態から弁可動状態へ復帰するタイミングを表している。本実施の形態において、弁停止状態から弁可動状態へ復帰するタイミングは、主カム22のベース円部22Aが第1ローラ38と当接し、かつ、第2ローラ42が副カム24のベース円部と当接する期間内に設定されている。
図5(a)は、本実施の形態における可変動弁装置の、バルブ40の変位を示している。破線は、切換機構36によって第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム34とが非連結の状態とされた、弁停止状態におけるバルブ40の仮想変位を示している。このとき、実際にはバルブ40は変位せずに閉じたままである。一方、実線で表された部分は、切換機構36によって第1ロッカーアーム32と第2ロッカーアーム34とが連結の状態とされた、弁可動状態を示している。このとき、バルブ40は図5(a)に示されたリフト特性で変位している。
図5(b)は、接触力と磁力との変化を示している。破線と実線はそれぞれ、接触力と磁力を表している。本実施の形態において、磁石用カム14に取り付けられた永久磁石12Aとスライドピン16に取り付けられた永久磁石12Bは、アクチュエータ18への通電がOFFとなるタイミングで対向するように設定されている。すなわち、永久磁石12Aは、主カム22のベース円部22Aが第1ローラ38に当接している期間内に永久磁石12Bと対向するように、磁石用カム14に取り付けられている。
図5(b)に示すように、弁停止状態から弁可動状態へ復帰するとき、すなわち、アクチュエータ18への通電がONからOFFに切り換わるとき、永久磁石12の磁力が最大となる。これにより、永久磁石12の磁力と逆向きの接触力の一部が、磁力により相殺される。その結果、弁停止状態から弁可動状態へ復帰するとき、接触力が最小となる。
また、永久磁石12の磁力は、弁停止状態が維持されているときにも周期的に作用している。したがって、永久磁石12の磁力の最大値は、接触力よりも小さく設定されなければならない。これは、弁停止状態の期間中、第1切換ピン46の両端部を第2切換ピン50L、50Rの一方の端部と常に当接させるためである。
図5(c)は、ソレノイド54の電圧信号の変化を表している。また、図5(d)と図5(e)はそれぞれ、ロックピン20とスライドピン16の位置の変化を示している。図5(c)、(d)、(e)に示すように、ソレノイド54の電圧信号がOFFとなったとき、ロックピン20は非ロック位置へ変位する。そして、スライドピン16は弁作動位置へと変位する。
上述のように、本実施形態では、永久磁石12の磁力がロックピン20に作用する接触力の一部を相殺する。これにより、ロックピン20とスライドピン16との間に作用する摩擦力が低減する。その結果、本実施形態では、永久磁石12を可変動弁装置に設けない場合と比べて、弁停止復帰応答時間が短くなる。
図6は、弁停止復帰応答性のばらつきの比較を説明するための図である。図6(a)と図6(b)はそれぞれ、永久磁石12を可変動弁装置に設けない場合と設けた場合の、弁停止復帰時の応答時間を表している。図6(a)と図6(b)に示すように本実施形態では、永久磁石12を可変動弁装置に設けない場合と比べて、弁停止回数に対する応答時間のばらつきが少ない。
図7は、ソレノイド54の消費電力の比較を説明するための図である。破線は、可変動弁装置において、永久磁石12を用いない場合のソレノイド電圧を表している。ここでは、アクチュエータ18への通電がONとなっているとき、ソレノイド54にはB[V]の電圧がかかっている。一方、実線は、本実施形態のソレノイド電圧を表している。アクチュエータ18への通電がONとなっているとき、ソレノイド54にはA[V]の電圧がかかっている。前記A[V]は、上述のB[V]よりも低い電圧値である。
ところで、アクチュエータ18への通電がONのままの状態、すなわち、弁停止が維持されている状態であるとき、ソレノイド54はロックピンスプリング58の弾性力以上の保持力を発生させなければならない。ロックスプリング58の弾性力は、ロックピン20に作用する接触力を考慮して設定される。接触力が大きいほど、ロックスプリング58の弾性力を大きくする必要がある。したがってこの場合、ソレノイド54の保持力も大きくする必要がある。その結果、ソレノイド54に要求される保持電力が増加する。
しかしながら、本実施の形態によれば、永久磁石12の磁力がロックピン20に作用する接触力の一部を相殺する。これにより、ロックスプリング58の弾性力を、永久磁石12を設けない場合と比較して小さく設定できる。その結果、ソレノイド54に要求される保持電力は小さくなる。
図7に示すように、可変動弁装置において永久磁石12を用いる場合、永久磁石12を用いない場合よりも、ソレノイド54に付加する電圧を低くすることができる。その結果、ソレノイド54の消費電力を低減することが可能である。
本実施の形態では、ロックピン20に作用する接触力の一部を磁力によって相殺するために、永久磁石12を用いている。コストや設置方法の観点において、永久磁石12を用いることが好適である。しかしながら、永久磁石12の代わりに電磁石を用いてもよい。その他考えられうる磁力発生機構は、ロックピン20に作用する接触力の一部を相殺することができれば、本発明の可変動弁装置に適用可能である。
10 カムシャフト
12 永久磁石
14 磁石用カム
16 スライドピン
16A 円柱部
16B アーム部
16C 突起部
16D 押圧面
16E 切欠部
18 アクチュエータ
20 ロックピン
20A フランジ部
22 主カム
22A ベース円部
22B ノーズ部
24 副カム
26 スライド溝
28 可変機構
30 ロッカーシャフト
32 第1ロッカーアーム
34L、34R 第2ロッカーアーム
36 切換機構
38 第1ローラ
40 バルブ
42L、42R 第2ローラ
44 第1ピン孔
46 第1切換ピン
48L、48R 第2ピン孔
50L、50R 第2切換ピン
52 リターンスプリング
54 ソレノイド
56 可動鉄心
58 ロックピンスプリング

Claims (3)

  1. 内燃機関の気筒内のバルブを駆動するためのカムが取り付けられたカムシャフトと、
    突起部と切欠部とを備えたカムシャフト軸方向に変位可能な変位部材と、
    前記変位部材をカムシャフト軸方向に付勢する付勢部材と、
    前記突起部と係合して前記カムシャフトの回転により前記変位部材を前記付勢部材の付勢力に抗う方向に変位させる、前記カムシャフトの外周面に螺旋状に設けられたスライド溝と、
    前記突起部を前記スライド溝に向けて押し出し可能で、かつ、前記変位部材が前記付勢部材の付勢力に抗う方向に変位したときに前記切欠部と係合可能な可動子を備えるアクチュエータと、
    前記切欠部と前記可動子との間に生じる力の一部を相殺する磁力を発生させる磁力発生機構と、
    前記変位部材と前記カムシャフトとの相対的な変位に伴って、バルブの開弁特性を変化させるバルブ特性変更機構と、を備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記磁力発生機構により磁力を発生させる時期と、前記アクチュエータへの通電を停止させる時期とを同期させる停止動作制御手段を更に備えることを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記磁力発生機構は前記カムシャフトの軸方向の磁力を発生させる一対の永久磁石を備え、前記永久磁石の一方は前記カムシャフトに取り付けられたカム上に設けられ、もう一方は前記変位部材上に設けられることを特徴とする、請求項1または2記載の内燃機関の可変動弁装置。
JP2009133208A 2009-06-02 2009-06-02 可変動弁装置 Pending JP2010281221A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009133208A JP2010281221A (ja) 2009-06-02 2009-06-02 可変動弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009133208A JP2010281221A (ja) 2009-06-02 2009-06-02 可変動弁装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010281221A true JP2010281221A (ja) 2010-12-16

Family

ID=43538169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009133208A Pending JP2010281221A (ja) 2009-06-02 2009-06-02 可変動弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010281221A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012137048A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の可変動弁装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012137048A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の可変動弁装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4752949B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5746204B2 (ja) 電磁式作動装置
WO2011064845A1 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5273257B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5556832B2 (ja) バルブリフト調整装置
JP4911246B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
US20190072011A1 (en) Actuation apparatus for variable valve drive
JP5692604B2 (ja) バルブリフト調整装置
JP2012007520A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
WO2010137159A1 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5154657B2 (ja) 自動車用エンジンにおけるカムシャフト位相可変装置
JP5590423B2 (ja) 電磁アクチュエータ
JP2010281221A (ja) 可変動弁装置
WO2010113279A1 (ja) エンジンの位相可変装置
JP2015068189A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
WO2011125194A1 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2011196266A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2013165539A (ja) 電磁式アクチュエータ
JP2010285946A (ja) 可変動弁装置
JP2010164034A (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2019157815A (ja) 内燃機関の可変動弁機構
JP6003185B2 (ja) エンジンのカムシフティング装置
JP2010209897A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP6432435B2 (ja) カム切替装置
JP2011179471A (ja) 内燃機関の可変動弁装置