JP2010285946A - 可変動弁装置 - Google Patents

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学 立野
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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の可変動弁装置において、可変動弁機構の応答性向上を実現することを課題とする。
【解決手段】内燃機関の気筒内のバルブを駆動するためのカムが取り付けられたカムシャフトと、カムシャフト軸方向に変位可能な変位部材と、付勢部材と当該付勢部材の付勢力に抗う方向に変位して前記変位部材を押し出す可動子とを備える電磁ソレノイド機構と、前記カムシャフトと前記変位部材との相対的な変位に伴ってバルブの開弁特性を変化させるバルブ特性変更機構と、前記付勢部材の付勢力と等しい方向の補助力を前記可動子に供給する補助力供給手段と、前記補助力供給手段により補助力を供給する時期と前記電磁ソレノイド機構への通電を停止させる時期とを同期させる停止動作制御手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の可変動弁装置に関するものである。特に、自動車用内燃機関に取り付けられた吸気バルブ/排気バルブの開弁特性の変更に適した可変動弁機構に関する。
従来、例えば特許文献1には、可変動弁機構が開示されている。可変動弁機構は、メインロッカーアームとサブロッカーアームと電磁アクチュエータとを備えている。電磁アクチュエータは、ソレノイドを備えている。ソレノイドの可動鉄心はその軸方向に摺動自在である。可動鉄心は電磁アクチュエータへの通電がONとなる場合、電磁アクチュエータの可動子を押し出す方向に変位する。そして、隣接する固定鉄心との間の吸引力により保持される。一方、電磁アクチュエータへの通電がOFFとなる場合、可動鉄心と固定鉄心との間の吸引力が消滅し、可動鉄心は初期位置まで変位することが可能となる。
電磁アクチュエータへの通電がONとなる場合、メインロッカーアームとサブロッカーアームとが連結状態となる。一方、電磁アクチュエータへの通電がOFFとなる場合、メインロッカーアームとサブロッカーアームとが非連結状態となる。電磁アクチュエータの駆動力によって、メインロッカーアームとサブロッカーアームの連結/非連結を切り換えることで、バルブのリフト特性を変更することができる。
特開2007−32556号公報
しかしながら、電磁アクチュエータへの通電がONである状態からOFFである状態に切り換える際、可動鉄心には残留磁界が生じる。この残留磁界は、可動鉄心がその軸方向に摺動自在となることを妨げる。すなわち、残留磁界がソレノイドの可動鉄心を引き戻す際の抵抗となる。これにより、メインロッカーアームとサブロッカーアームとが連結している状態から非連結の状態に切り換える際、切り換え時間が遅れたり、切り換えの応答性にばらつきが生じたりする。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、可変動弁装置における可変動弁機構の応答性向上を実現可能な内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の可変動弁装置であって、
内燃機関の気筒内のバルブを駆動するためのカムが取り付けられたカムシャフトと、
カムシャフト軸方向に変位可能な変位部材と、
付勢部材と当該付勢部材の付勢力に抗う方向に変位して前記変位部材を押し出す可動子とを備える電磁ソレノイド機構と、
前記カムシャフトと前記変位部材との相対的な変位に伴ってバルブの開弁特性を変化させるバルブ特性変更機構と、
前記付勢部材の付勢力と等しい方向の補助力を前記可動子に供給する補助力供給手段と、
前記補助力供給手段により補助力を供給する時期と前記電磁ソレノイド機構への通電を停止させる時期とを同期させる停止動作制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記補助力供給手段は、前記カムシャフトの回転周期と同周期で前記付勢部材の付勢力と等しい方向の補助力を前記可動子に供給することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記補助力供給手段は、潤滑油が流通するように前記カムシャフトに形成された中空部と、
前記カムシャフトの中空部からジャーナル面まで貫通するように形成された油排出路と、
前記付勢部材を収容するように形成された前記電磁ソレノイド機構内の空隙部と、
前記油排出路と前記空隙部とを連通させる油路と、
前記潤滑油が前記空隙部に供給された直後に前記空隙部の油圧を基準値まで減圧する減圧機構と、を含み、
前記補助力を油圧により供給することを特徴とする。
第1の発明によれば、電磁ソレノイド機構への通電を停止する時期と同期させて、補助力供給手段の補助力を電磁ソレノイド機構の可動子へ供給することができる。これにより、電磁ソレノイド機構への通電を停止する際、電磁ソレノイドの可動鉄心を瞬時に初期位置へ復帰させることができる。その結果、電磁ソレノイドへの通電を停止する際の、バルブ特性変更機構の応答性が改善される。
可変動弁装置においては、バルブの開弁特性を変化させる時期に対応する特定のカム角が設定されることがある。したがって、前記特定のカム角が検出される時期に対応するように、電磁ソレノイド機構への通電を停止する時期を設定する必要がある。第2の発明によれば、カムシャフトの回転周期と同周期で補助力を供給することができる。これにより、電磁ソレノイド機構への通電を停止させる可能性がある時期に合わせて、周期的に補助力を供給することができる。
第3の発明によれば、電磁ソレノイド機構の近傍を流れる潤滑油の油圧により補助力を供給できる。これにより、補助力供給機構を別途設けなくても、簡易な構成を従来の構成に追加するだけで、補助力を供給することが可能である。
本発明の実施の形態1の内燃機関の可変動弁装置の詳細を説明するための図である。 電磁ソレノイド機構と補助力供給機構の詳細を説明するための図である。 電磁ソレノイド機構の応答性の詳細を説明するための図である。 弁停止復帰タイミングにおける補助力(油圧)の変化を説明するための図である。 弁停止復帰応答性のばらつきの比較を説明するための図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関の可変動弁装置の詳細を説明するための図である。本発明の実施の形態1の内燃機関の可変動弁装置は、カム機構10を備えている。図1を参照にして、カム機構10の詳細を説明する。
本実施形態のカム機構10は、カムシャフト12を備えている。カムシャフト12には、1気筒当たり1つの主カム14と2つの副カム16とが形成されている。主カム14は、2つの副カム16の間に配置されている。主カム14は、カムシャフト12と同軸の円弧上のベース円部14Aと、ベース円部14Aの一部を半径方向外側に膨らませるように形成されたノーズ部14Bとを備えている。本実施形態の副カム16は、ベース円部のみを備えるカム(ゼロリフトカム)である。
さらに、カムシャフト12の外周面の一部には、スライド溝18が螺旋状に形成されている。スライド溝18の詳細を以下に記述する。スライド溝18は、後述する切換機構20の一部であるスライドピン22の突起部22Cを係合させるためのものである。スライド溝18の深さは一定ではなく、徐々に浅くなるように形成されている。より詳細には、スライド溝18の深さは以下のように設定されている。突起部22Cが係合される位置をスライド溝18の基端部とすると、基端部において最も溝が深く、基端部から終端部にかけて徐々に浅くなっている。スライド溝18の終端部の溝底部は、カムシャフト12外周面とほぼ一致する。
カム機構10の下方には、カム機構10と一部当接する可変機構24が配置されている。可変機構24の詳細を以下で説明する。可変機構24は、カムシャフト12と平行に配置されたロッカーシャフト26を備えている。図に示すように、ロッカーシャフト26には、1つの第1ロッカーアーム28と、一対の第2ロッカーアーム30L、30Rとが回転自在に取り付けられている。
また、図1に示すように、第1ロッカーアーム28には第1ローラ32が取り付けられている。第1ローラ32の軸は、ロッカーシャフト26の軸に対して平行である。詳細な記述は割愛するが、第1ローラ32は主カム14と常に当接するようになっている。
一方、第2ロッカーアーム30L、30Rにおけるロッカーシャフト26の反対側の端部には、バルブ34の基端部が当接している。また、第2ロッカーアーム30L、30Rの中央部には、第2ローラ36L、36Rが取り付けられている。詳細な記述は割愛するが、第2ロッカーアーム30L、30Rの第2ローラ36L、36Rは、副カム16と当接するようになっている。
第1ローラ32に対する第2ローラ36L、36Rの位置は、第1ローラ32が主カム14のベース円部14Aと当接し、かつ、第2ローラ36L、36Rが副カム16のベース円部と当接するときに、第2ローラ36L、36Rの軸心と第1ローラ32の軸心とが、同一直線上に位置するように定められている。
また、カム機構10の下方には、可変機構24と隣接するように、切換機構20が配置されている。切換機構20の詳細を以下で説明する。切換機構20は上述のように、第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30L、30Rとの連結/非連結を切り換えるための機構である。切換機構20は、スライドピン22を備えている。スライドピン22は、カムシャフト12の軸方向に長さを持つ円柱部22Aを備えている。円柱部22Aは軸方向に進退自在であって、周方向に回転自在に支持されている。また、円柱部22Aの端部の一方には、円柱部22Aの半径方向外側に向けて突出するように、棒状のアーム部22Bが設けられている。アーム部22Bには、カムシャフト12の外周面に向けて突出するように突起部22Cが設けられている。
さらに、スライドピン22と対向する位置に、スライドピン22のアーム部22Bをカムシャフト12の外周面に向けて押し出すための電磁ソレノイド機構38が配置されている。電磁ソレノイド機構38は、ロックピン40を備えている。ロックピン40は、アーム部22Bの先端部の押圧面22Dを押圧する。尚、電磁ソレノイド機構38の詳細な構成については、図2を参照して後述する。
図1における切換機構20は、第1ローラ32、第2ローラ36L、36Rの軸心位置で切断した断面を用いて表されている。図1に示すように、第1ローラ32の内部には、その軸方向に貫通するように第1ピン孔42が形成されている。第1ピン孔42の両端は、第1ロッカーアーム28の両側面に開口している。第1ピン孔42には、第1切換ピン44が摺動自在に挿入されている。第1切換ピン44の外径は、第1ピン孔42の内径と略同等である。また第1切換ピン44の長さは、第1ピン孔42の長さと略同等である。
一方、第2ロッカーアーム30L側の第2ローラ36Lの内部には、その軸方向に延在するように第2ピン孔46Lが形成されている。第2ピン孔46Lは、第1ロッカーアーム28と反対側の端部は閉口されており、第1ロッカーアーム28側の端部は開口されている。また、第2ロッカーアーム30R側の第2ローラ36Rの内部には、第2ピン孔46Rが形成されている。第2ピン孔46Rの両端は、第2ロッカーアーム30Rの両側面に開口している。第2ピン孔46L、46Rの内径は、第1ピン孔42の内径と同等である。
第2ピン孔46Lには、円筒状の第2切換ピン48Lとリターンスプリング50とが挿入されている。第2切換ピン48Lは軸方向に摺動自在である。リターンスプリング50の一部は、第2切換ピン48Lの内部に挿入されるように配置されている。これによりリターンスプリング50は、第2切換ピン48Lを第1ロッカーアーム28方向に向けて付勢することが可能である。第2切換ピン48Lの外径は、第2ピン孔46Lの内径と略同等である。第2切換ピン48Lの長さは、以下2つの条件を共に満たすように設定されている。1つの条件は、第2切換ピン48Lが、第2ピン孔46Lの閉口端部に向けて押し込まれた状態で、第2切換ピン48Lの端部が、第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30Lとの境界に位置することである。もう1つの条件は、第2切換ピン48Lが、第2ピン孔46Lの閉口端部に向けて押し込まれていない状態で、第2切換ピン48Lの第1ロッカーアーム28側の端部が、第1ピン孔42の内部まで突出することである。
また、第2ピン孔46Rには、円柱状の第2切換ピン48Rが摺動自在に挿入されている。第2切換ピン48Rの外径は、第2ピン孔46Rの内径と略同等である。また、第2切換ピン48Rの長さは、第2ピン孔46Rの長さと略同等である。さらに、第2切換ピン48Rの第1切換ピン44と反対側の端部は、スライドピン22の円柱部22Aの一端と常に当接している。
以上のように切換機構20が構成されることで、通常状態では、第1切換ピン44の第2切換ピン48R側の端部が、第2ピン孔46R内に位置する。さらに、第2切換ピン48Lの第1切換ピン44側端部が、第1ピン孔42内に位置する。これにより、第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30とは連結されている。
一方、第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30とを非連結の状態にする場合、切換機構20は以下のように動作する。先ず、電磁ソレノイド機構38への通電がONとなった際、ロックピン40がスライドピン22の方向へ移動して、押圧面22Dを押圧する。これにより、アーム部22Bは円柱部22Aの軸周りに回転する。その結果、突起部22Cがカムシャフト12の外周面に向けて押圧される。
電磁ソレノイド機構38により、カムシャフト12の外周面に向けて押圧された突起部22Cは、スライド溝18と係合する。そして、カムシャフト12の回転に伴って、突起部22Cがスライド溝18に沿って案内される。これにより、スライドピン22はカムシャフト12の軸方向へ変位することができる。さらに、突起部22Cがスライド溝18の終端部に到達すると、両者の係合が解除される。これは、スライド溝18の終端部の溝底部が、カムシャフト12外周面とほぼ一致しているからである。突起部22Cとスライド溝18との係合が解除されると、スライドピン22はカムシャフト12の回転に影響を与えることなく、カムシャフト軸方向へ変位した状態を維持することができる。
ところで、スライドピン22のアーム部22Bは切欠部22Eを備えている。切欠部22Eは、押圧面22Dの一部を切り欠いて凹状に形成されている。切欠部22Eは、押圧面22Dを押圧するロックピン40の先端部が係合するように形成されている。スライドピン22がカムシャフト12の軸方向にある程度変位した際、ロックピン40は切欠部22Eと係合する。これにより、スライドピン22をスライド溝18の終端部と対向する位置で固定することが可能となる。
上述のように、電磁ソレノイド機構38への通電がONとなった際、スライドピン22が切換ピン44、48L、48Rの方向へ変位する。スライドピン22の変位に伴って、第1切換ピン44と第2切換ピン48L、48Rとが、同方向に変位する。この状態では、第1切換ピン44と第2切換ピン48Rとが、それぞれ第1ピン孔42と第2ピン孔46R内に収まっている。これにより、第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30とが非連結となる。さらに、突起部22Cとスライド溝18との係合が解除され、切欠部22Eとロックピン40の先端とが係合すれば、スライドピン22がロックピン40により固定される。これにより、電磁ソレノイド機構38への通電をONのままにしておけば、第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30とが非連結となる状態を維持することが可能である。
また、電磁ソレノイド機構38への通電がOFFとなった場合、ロックピン40が基準位置まで戻る。これにより、切欠部22Eとロックピン40との係合が解除される。そして、リターンスプリング50の反力により、切換ピン44、48L、48Rがロックピン40の方向へ移動する。その結果、第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30とが連結する状態に復帰することができる。
このように、本実施の形態における切換機構20は、主カム14の作用力が第2ロッカーアーム30に伝達される状態と、前記作用力が第2ロッカーアーム30に伝達されない状態とを切り換えることができる。したがって、バルブ34の動作状態を弁可動状態と弁停止状態との間で切り換えることが可能となる。
次に、図2を参照して、電磁ソレノイド機構38の詳細を説明する。図2は、本実施形態の電磁ソレノイド機構38を、カムシャフト軸方向から見た図である。図2に示すように、電磁ソレノイド機構38には、ソレノイド52が配置されている。ソレノイド52は、その内部に可動鉄心54を備える。可動鉄心54はその軸方向に摺動自在である。また、可動鉄心54に対向する位置に、ロックピン40が配置されている。ロックピン40には、フランジ部40Aが形成されている。ロックピン40の一部の外周面には、ロックピンスプリング56が取り付けられている。フランジ部40Aとロックピンスプリング56は、電磁ソレノイド機構38に形成された空隙部58に収容されている。さらに、可動鉄心54が摺動する空間の周りには、固定鉄心60が設けられている。
電磁ソレノイド機構38への通電がONとなった場合、可動鉄心54がロックピン40の方向に移動する。可動鉄心54の移動に伴って、ロックピン40は図示省略するスライドピン22の方向(図の左方向)に向けて押し出され、移動端まで移動する。その結果、ロックピンスプリング56は押し縮められる。この際、可動鉄心54は固定鉄心60との間に生じる保持力により保持されている。一方、電磁ソレノイド機構38への通電がOFFとなった場合、ロックピンスプリング56の弾性力により、ロックピン40が可動鉄心54に向けて押し戻される。その結果、ロックピン40により押圧された可動鉄心54は、基準位置まで戻る。
また、電磁ソレノイド機構38の近傍には、補助力供給機構62が配置されている。補助力供給機構62の詳細を説明する。本実施形態の補助力供給機構62は、潤滑油の油圧により補助力を供給する。図2に示すように、本実施形態のカムシャフト12には、潤滑油を流通させる中空部64が形成されている。さらに、中空部64からカムシャフト12のジャーナル面66まで貫通するように、油排出路68が形成されている。これにより、中空部64を流れる潤滑油を、ジャーナル面66まで流通させることができる。
補助力供給機構62はさらに、第1油路70を備える。第1油路70は、その端部の一方が、カムシャフト12のジャーナル面66と対向するように設けられている。さらに、もう一方の端部は電磁ソレノイド機構38の空隙部58に貫通している。油排出路68の油排出孔68Aは、カムシャフト12の回転周期と同じ周期で第1油路70の一方の端部と対向する。油排出路68が第1油路70の一方の端部と対向したとき、中空部64を流れる潤滑油を空隙部58まで流通させることができる。
また、油排出孔68A上には、カムシャフト12の周方向に油溝72を形成することが望ましい。これにより、潤滑油を第1油路70へ流通させる期間を長くすることができる。油溝72のカムシャフト周方向長さは、第1油路70の体積により設定すればよい。より詳細には、第1油路70の体積が大きいほど、油溝72を長く形成すればよい。
ところで、電磁ソレノイド機構38の空隙部58は、ロックピン40のフランジ部40Aによって、第1空隙部58Aと第2空隙部58Bとに分割されている。第1空隙部58Aには、ロックピンスプリング56が配置されている。また、第1油路70は第1空隙部58Aに貫通している。
第1油路70から第1空隙部58Aに流入する潤滑油は、第2空隙部58Bへは流入しない構造になっている。より詳細には、潤滑油が第2空隙部58Bへ流入しないように、ロックピン40のフランジ部40Aと固定鉄心60とのはめあいが決定されている。
補助力供給機構62はさらに、第2油路74を備えている。第2油路74は潤滑油を排出可能であり、一方の端部が第1空隙部58Aに貫通している。また、第2油路74にはオリフィス76が形成されている。第2油路74にオリフィス76が形成されていることで、第1空隙部58Aへ油圧が供給されても、第1空隙部58A内の油圧は時間が経つと基準値まで減圧する。また、第1空隙部58Aに流入する潤滑油の一部が常に排出されるので、潤滑油が第1空隙部58Aに滞留しない。
補助力供給機構62が上記のように構成されることで、後述するような適切な特性で、ロックピンスプリング56に対して油圧を供給することが可能である。
図3は、電磁ソレノイド機構38の応答性の詳細を説明するための図である。図3(a)は、電磁ソレノイド機構38のソレノイド電圧信号の変化を示している。また図3(b)は、電磁ソレノイド機構38の可動鉄心54の位置変化を示している。図3(a)と図3(b)に示すように、ソレノイド電圧がOFFとなってから可動鉄心54が変位を開始するまで、時間Aを必要とする。これは上述のように、可動鉄心54に残留磁界が生じるからである。より詳細には、可動鉄心54と固定鉄心60との間に生じる残留磁界による残留保持力が、可動鉄心54の初期位置への変位を妨げる。
残留磁界による残留保持力が強いほど、時間Aが長くなる。さらに、時間Aが長くなるほど、その値がばらつく。可変動弁機構の応答性のばらつきは、上述の時間Aのばらつきに起因することが実験により確認されている。
図4は、弁停止復帰タイミングにおける補助力の変化を説明するための図である。本実施の形態において、補助力の変化は油圧の変化を表している。図4の横軸は時間軸であり、本実施の形態における可変動弁装置の弁停止状態と、弁可動状態と、弁停止状態から弁可動状態へ遷移する過渡状態とを表現可能な時間範囲に設定されている。
また、時間軸に対して垂直に描かれている実線は、弁停止状態から弁可動状態へ復帰するタイミングを表している。本実施の形態において、弁停止状態から弁可動状態へ復帰するタイミングは、第1ローラ32の軸心と第2ローラ36L、36Rの軸心とが同一直線上にある期間に設定されている。
図4(a)は、本実施の形態における可変動弁装置の、バルブ34の変位を示している。破線は、切換機構20によって第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30とが非連結とされた、弁停止状態におけるバルブ34の仮想変位を示している。このとき、実際にはバルブ34は変位せずに閉じたままである。一方、実線で表された部分は、切換機構20によって第1ロッカーアーム28と第2ロッカーアーム30とが連結の状態とされた、弁可動状態を示している。このとき、バルブ34は図4(a)に示されたリフト特性で変位している。
図4(b)は、第1空隙部58Aに発生する油圧の変化を表している。また、図4(c)は、電磁ソレノイド機構38のソレノイド電圧の変化を表している。図4(b)に示すように、本実施形態ではパルス状の油圧が発生している。また、図4(c)に示すように、基準値よりも高い油圧が発生する時期と同期して、ソレノイド電圧がOFFとなっている。また、本実施形態では、第1空隙部58Aに貫通する第2油路74にオリフィス76が形成されていることで、時間が経過すると油圧が基準値まで減圧する。
ソレノイド電圧がOFFとなるタイミングと、油排出孔68Aが第1油路70の一方の端部と対向するタイミングとを同期させ、さらに、第1空隙部58Aに貫通する第2油路74にオリフィス76を形成することで、図4(b)に示す特性で油圧を発生させることが可能である。
上記のように、本実施形態では、第1空隙部58Aに基準値よりも高い油圧を発生させ、ソレノイド電圧をOFFとする時期を同期させる。前記油圧が、ロックピンスプリング56の付勢力とともにロックピン40のフランジ部40Aに作用することで、残留保持力で保持されている可動鉄心54を基準位置まで変位させる。その結果、本実施形態では、油圧を第1空隙部58Aに供給しない場合と比較して、弁停止復帰応答時間が短くなる(図3における時間Aが短くなる)。
図5は、弁停止復帰応答性のばらつきの比較を説明するための図である。図5(a)は、補助力をフランジ部40Aに対して供給しない場合の弁停止復帰時の応答時間を表している。図5(b)は、補助力をフランジ部40Aに対して供給する場合の弁停止復帰時の応答時間を表している。図5(a)と図5(b)に示すように、本実施形態では、補助力をフランジ部40Aに対して供給しない場合と比べて、機関の回転数変化に対する応答時間のばらつきが少ない。
本実施の形態では、可動鉄心54を初期位置に戻す力を、油圧を供給することで補助している。コストや設置方法の観点において、機関を流通している潤滑油の油圧を用いることが好適である。しかしながら、潤滑油の油圧の代わりに、別途設けたアクチュエータの駆動力を用いてもよい。その他考えられうる補助力供給手段は、ソレノイド電圧がOFFとなるタイミングと同期して補助力を発生可能な構成であるなら、本発明の可変動弁装置に適用可能である。また、第2油路74にはオリフィス76ではなく電磁弁を設け、潤滑油の排出や油圧の減圧を制御してもよい。
10 カム機構
12 カムシャフト
14 主カム
16 副カム
18 スライド溝
20 切換機構
22 スライドピン
22A 円柱部
22B アーム部
22C 突起部
22D 押圧面
22E 切欠部
24 可変機構
26 ロッカーシャフト
28 第1ロッカーアーム
30L、30R 第2ロッカーアーム
32 第1ローラ
34 バルブ
36L、36R 第2ローラ
38 電磁ソレノイド機構
40 ロックピン
42 第1ピン孔
44 第1切換ピン
46L、46R 第2ピン孔
48L、48R 第2切換ピン
50 リターンスプリング
52 ソレノイド
54 可動鉄心
56 ロックピンスプリング
58 空隙部
58A 第1空隙部
58B 第2空隙部
60 固定鉄心
62 補助力供給機構
64 中空部
66 ジャーナル面
68 油排出路
68A 油排出孔
70 第1油路
72 油溝
74 第2油路
76 オリフィス

Claims (3)

  1. 内燃機関の気筒内のバルブを駆動するためのカムが取り付けられたカムシャフトと、
    カムシャフト軸方向に変位可能な変位部材と、
    付勢部材と当該付勢部材の付勢力に抗う方向に変位して前記変位部材を押し出す可動子とを備える電磁ソレノイド機構と、
    前記カムシャフトと前記変位部材との相対的な変位に伴ってバルブの開弁特性を変化させるバルブ特性変更機構と、
    前記付勢部材の付勢力と等しい方向の補助力を前記可動子に供給する補助力供給手段と、
    前記補助力供給手段により補助力を供給する時期と前記電磁ソレノイド機構への通電を停止させる時期とを同期させる停止動作制御手段と、を備えることを特徴とする可変動弁装置。
  2. 前記補助力供給手段は、前記カムシャフトの回転周期と同周期で前記付勢部材の付勢力と等しい方向の補助力を前記可動子に供給することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記補助力供給手段は、潤滑油が流通するように前記カムシャフトに形成された中空部と、
    前記カムシャフトの中空部からジャーナル面まで貫通するように形成された油排出路と、
    前記付勢部材を収容するように形成された前記電磁ソレノイド機構内の空隙部と、
    前記油排出路と前記空隙部とを連通させる油路と、
    前記潤滑油が前記空隙部に供給された直後に前記空隙部の油圧を基準値まで減圧する減圧機構と、を含み、
    前記補助力を油圧により供給することを特徴とする請求項1または2に記載の可変動弁装置。
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JP2012137048A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の可変動弁装置

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