JP4542535B2 - 可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、連結ピンの連結位置と非連結位置との間の移動を油圧によって行うことにより、伝達部材(分割型ロッカアーム等)の連結/非連結を切り換える連結切換手段を備えた可変動弁装置に関する。
リフトの異なる複数のカムが並設されたカムシャフトと、カムに対応して配置された複数のロッカアームとを備え、かつ、隣接するロッカアームを油圧駆動の連結ピンでそれぞれ連結するように構成された可変動弁機構が知られている(特許文献1参照)。
この可変動弁機構に用いる連結切換装置は、その一端に作用するコイルばねの弾発力でホームポジションを維持している連結ピンの他端に油圧を作用させることにより、コイルばねの弾発力に抗して連結ピンを移動させるように構成されている。これによると、連結ピンをホームポジションから移動させるためには、コイルばねを押し縮めることが可能な高い油圧を作用させなければならないため、油圧ポンプの能力を高めに設定しなければならない。
低油圧でも連結ピンが作動し得るようにするには、コイルばねのばね定数を低めに設定しなければならないが、そのようにすると、ホームポジションへの戻り応答性の低下を招く。そこで連結ピンの軸方向両端に加える油圧を切り換えるようにする、つまり、連結ピンを双方向とも油圧駆動することが考えられる(特許文献2参照)。
特許第3299366号公報 特開平11−141322号公報
しかるに、双方向とも油圧駆動可能なように連結ピンを構成するためには、1組の連結切換装置について2本の油圧供給路が必要となり、例えばロッカアームシャフトに内設する1本の油路の断面積を小さくしなければならない。油路の断面積を小さくすると、作動油の流動抵抗が高まるため、却って応答性が低下するという不都合が生ずる。この影響は、駆動ステージが多くなるほど油路が多くなるために顕著となる。油路の断面積を確保するためにロッカアームシャフトの直径寸法を大きくすることは、動弁装置全体の大型化を招く上、ロッカアームの回転部の周速の増大をも招くので、現実的とは言い難い。
一方、3段以上の駆動ステージを有する可変動弁機構では、例えば、1組の連結切換装置の油圧を開放すると同時に、他の1組の連結切換装置に一時的に油圧を供給することで、瞬時に駆動ステージを切り換える場合があるが、その際に意図しない駆動ステージが一時的に確立される虞があった。すなわち、油圧が開放された連結切換装置ではコイルばねの弾発力によって連結ピンがホームポジションに復帰するが、その復帰速度は、油圧の開放にある程度の遅れが避けられないことから、油圧が供給された連結切換装置での連結ピンの移動速度より遅くなることが一般的である。その結果、両方の連結切換装置がそれぞれにロッカアームを連結する状態が生じ、望ましくない駆動ステージの下での運転が一時的に行われるのである。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、駆動ステージの切換時に意図しない駆動ステージが確立されることを防止するとともに、駆動ステージの切換応答性に優れた可変動弁機構を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、リフトの異なる3つ以上のカムが並設されたカムシャフトと、
前記カムのリフトをバルブに伝達すべく、当該カムに対応して配置された3つ以上の伝達部材と、油圧によって作動する複数本の連結ピンを有し、当該複数の連結ピンが連結位置と非連結位置との間で移動することにより、互いに隣接する伝達部材の連結/非連結を切り換える複数組の連結切換手段と、前記複数組の連結切換手段に対する油圧を制御する油圧制御手段と、前記複数組の連結切換手段に油圧を供給する複数の油圧供給路とを備えた可変動弁装置であって、前記複数組の連結切換手段は、連結ピンが一端側に移動することで連結状態となり他端側に移動することで非連結状態となる第1の連結切換手段と、連結ピンが一端側に移動することで非連結状態となり他端側に移動することで連結状態となる第2の連結切換手段とを含み、前記複数の油圧供給路は、第1の油圧供給路と第2の油圧供給路とを含み、前記第1の連結切換手段では、連結ピンの前記一端側に前記第1の油圧供給路が連通するとともに、当該連結ピンの前記他端側に前記第2の油圧供給路が連通し、前記第2の連結切換手段では、連結ピンの前記一端側に前記第1の油圧供給路が連通し、前記第1の連結切換手段には、連結ピンを前記他端側に弾発付勢する圧縮コイルばねが設けられ、前記第2の連結切換手段には、連結ピンを前記一端側に弾発付勢する圧縮コイルばねが設けられ、前記油圧制御手段は、前記伝達部材の連結/非連結の切り換えにあたって前記第1の連結切換手段を非連結側に作動させる場合、前記第2の油圧供給路の油圧を開放した後、所定の時間差をもって前記第1の油圧供給路に油圧を供給することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の可変動弁装置において、前記連結切換手段の少なくとも1つでは、油圧を受ける2本の連結ピンの間で受圧面積を異ならせるとともに、少なくとも2組の連結切換手段の間で、一方の連結ピンへの油圧供給路を共通にしたことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の可変動弁装置において、受圧面積が大きい連結ピンへの油圧供給路の断面積を、受圧面積が小さい連結ピンへの油圧供給路の断面積よりも大きくしたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、駆動ステージの切換時において、例えば、第1の連結切換手段の連結ピンの一側の油圧が完全に開放された後あるいは開放の途中において、その連結ピンの他側や第2の連結切換手段の連結ピンに油圧を供給することで、第1の連結切換手段の作動を第2の連結切換手段の作動と同時(あるいは、早く)することができ、意図しない駆動ステージが確立されることを防止できる。
また、請求項2の発明によれば、連結切換装置の両端に同一の油圧を加えても一方へ駆動することができるので、例えば2組の連結切換装置を3本の油圧供給路で個々に制御することが可能となる。これにより、油圧供給路の本数を少なくして各油圧供給路の断面積を大きくすることが可能となり、応答性の低下を抑制できる。
また、請求項3の発明によれば、受圧面積が大きく、より多量な作動油が必要な側への油圧供給路の断面積を大きくすることにより、油路のレイアウト効率を損なわずに応答性を高めることができる。
以下、図面を参照して、本発明をDOHC4バルブ型ガソリンエンジンの排気側可変動弁機構に適用した一実施形態を詳細に説明する。
図1は実施形態に係る可変動弁機構の斜視図であり、図2は実施形態に係る可変動弁機構の側面図であり、図3は実施形態に係る可変動弁機構の第1駆動ステージでの概略構成図(図2中のIII−III線に沿う切断面)である。
≪実施形態の構成≫
<可変動弁機構>
図1,図2に示すように、エンジンのシリンダヘッド1(図1には図示せず)には、各シリンダについて一対の排気バルブ2a,2bが設けられている。これら排気バルブ2a,2bは、クランクシャフトの1/2の回転速度で回転するカムシャフト3に一体形成された5つのカム4a〜4eと、カムシャフト3の下方にカムシャフト3と平行に延設されたロッカシャフト5に揺動可能かつ相対角変位可能に枢支された5つのロッカアーム6a〜6eとの働きにより、個々に開閉駆動される。
図3に示すように、カムシャフト3には、作動角およびリフト量が相対的に大きい1つの高リフトカム4aと、作動角およびリフト量が相対的に小さい2つの低リフトカム4d,4eと、高リフトカム4aと第1,第2低リフトカム4d,4eとの中間的な作動角およびリフト量を与えられた1つの中リフトカム4bと、各カムのベース円部分の直径に等しい1つの休止カム4cとが一体に形成されている。そして、ロッカシャフト5上に互いに隣接して列設された5つのロッカアーム6a〜6eの各遊端に、各カム4a〜4eがそれぞれ対応している。なお、本実施例においては、休止カム4cが対応する第3ロッカアーム6cはスリッパ式カムフォロワとし、それ以外にはローラ式カムフォロワを設けるものとしたが、この構成に限定されないことは言うまでもない。
高リフトカム4aが対応する第1ロッカアーム6aは、シリンダヘッド1と一体をなす部分との間に設けられたコイルばね7の弾発力により、高リフトカム4aとの摺接状態を常時維持するようにされている。
中リフトカム4bが対応する第2ロッカアーム6bは、閉弁方向へ常時ばね付勢された一方の排気バルブ2aのステム端がその最遊端に当接している。
休止カム4cが対応する第3ロッカアーム6cは、閉弁方向へ常時ばね付勢された他方の排気バルブ2bのステム端がその最遊端に当接している。
第1低リフトカム4dが対応する第4ロッカアーム6dは、第1ロッカアーム6aと同様に、シリンダヘッド1と一体をなす部分との間に設けられたコイルばね(図示せず)の弾発力により、第1低リフトカム4dとの摺接状態を常時維持するようにされている。そして第2低リフトカム4eが対応する第5ロッカアーム6eも、これと同様にして第2低リフトカム4eとの摺接状態を常時維持するようにされている。
互いに隣接した第1〜第5ロッカアーム6a〜6eの内部には、これらを相対角変位し得る状態と、一体的に揺動し得る状態とに切換えるために、連結切換装置が設けられている。この連結切換装置は、図3における右端から2番目の第4ロッカアーム6dと中央の第3ロッカアーム6cとの連結/非連結を切り換えるべく、ローラ式カムフォロワ8の中心と同一の軸線上に設けられた第1連結切換装置9aと、図3における右端の第5ロッカアーム6eとその左隣の第4ロッカアーム6dとの連結/非連結を切り換えるべく、ロッカシャフト5の下方に設けられた第2連結切換装置9bと、中央の第3ロッカアーム6cとその左隣の第2ロッカアーム6bと左端に位置する第1ロッカアーム6aとの連結/非連結を切り換えるべく、第2連結切換装置9bと同一の軸線上に設けられた第3連結切換装置9cとの3つの部分からなっている。
ロッカシャフト5には、断面積が比較的大きな1本の第2油圧供給路10bと、断面積が比較的小さな2本の第1,第3油圧供給路10a,10cとが内設されている。図2に示すように、第1〜第3油圧供給路10a〜10cに対しては、エンジンECU21からの駆動指令に応じて、電磁スプール弁(油圧制御手段)22によって油圧(エンジン油圧)が個々に供給制御される。
<連結切換装置>
以下、各連結切換装置について詳しく説明する。
図3における右から2番目の第4ロッカアーム6dには、中央の第3ロッカアーム6c側へ開口する有底の第1ガイド孔11aが形成されている。この第1ガイド孔11a内には、第1ガイド孔11aの底面との間に装着された圧縮コイルばね12aによって開口側へ向けて弾発付勢された第1連結ピン13aが摺合している。第1ガイド孔11aの直径は、底側が第1連結ピン13aを摺合させる寸法とされ、開口側が底側より幾分か拡径した寸法とされている。
中央の第3ロッカアーム6cには、第4ロッカアーム6dのローラ式カムフォロワ8dに第1低リフトカム4dのベース円部分が摺接する休止位置における第1ガイド孔11aと同心をなし、かつ、第4ロッカアーム6d側へ開口する有底の第2ガイド孔11bが形成されている。この第2ガイド孔11bの直径は、第1ガイド孔11aの開口側と等しい寸法とされており、その内部には、第2連結ピン13bが摺合している。
第2ガイド孔11bと第2連結ピン13bとは、その軸方向寸法が実質的に等しくされており、第2連結ピン13bが第2ガイド孔11b内に完全に嵌入した状態で、第2連結ピン13bの端面が第3ロッカアーム6cの右側面と略同一面となるように設定されている。また第1ガイド孔11aと第1連結ピン13aとの軸方向寸法の関係は、第1ガイド孔11aの底部に第1連結ピン13aが完全に嵌入した状態で、第2連結ピン13bの軸方向寸法の半分程度が第1ガイド孔11aの開口側に嵌入し得るように設定されている。
第1ガイド孔11aの底部には、ロッカシャフト5に内設された小面積の第1油圧供給路10aに連通する油路14aが接続されている。そして第2ガイド孔11bの底部には、同じくロッカシャフト5に内設された小面積の第3油圧供給路10cに連通する油路14bが接続されている。
これらにより、第3ロッカアーム6cと第4ロッカアーム6dとの間の連結/非連結を切り換えるための第1連結切換装置9aが構成されている。
図3における右端の第5ロッカアーム6eには、その左隣の第4ロッカアーム6d側へ開口する有底の第3ガイド孔11cが形成されている。この第3ガイド孔11c内には、第3連結ピン13cが摺合している。
第4ロッカアーム6dには、第4,第5ロッカアーム6d,6eのローラ式カムフォロワ8d,8eに第1,第2低リフトカム4d,4eのベース円部分が摺接する休止位置において第3ガイド孔11cと同心をなし、かつ、第5ロッカアーム6e側へ開口する有底の第4ガイド孔11dが形成されている。この第4ガイド孔11d内には、第4ガイド孔11dの底面との間に装着された圧縮コイルばね12bによって開口側へ向けて弾発付勢された第4連結ピン13dが摺合している。第4ガイド孔11dの直径は、開口側が第3ガイド孔11cと等しくされ、底側が開口側より幾分か縮径した寸法とされている。
第3ガイド孔11cと第3連結ピン13cとは、その軸方向寸法が実質的に等しくされており、第3連結ピン13cが第3ガイド孔11c内に完全に嵌入した状態で、第3連結ピン13cの端面が第5ロッカアーム6eの左側面と略同一面となるように設定されている。また第4ガイド孔11dと第4連結ピン13dとの軸方向寸法の関係は、第4ガイド孔11dの底部に第4連結ピン13dが完全に嵌入した状態で、第3連結ピン13cの軸方向寸法の半分程度が第4ガイド孔11dの開口側に嵌入し得るように設定されている。
第3ガイド孔11cの底部には、ロッカシャフトに内設された小面積の第1油圧供給路10aに連通する油路14cが接続されている。そして第4ガイド孔11dの底部には、第4ロッカアーム6dの外方へ連通するエア抜き孔15dが形成されている。
これらにより、第4ロッカアーム6dと第5ロッカアーム6eとの連結/非連結を切り換えるための第2連結切換装置9bが構成されている。
図3における中央の第3ロッカアーム6cには、その左隣の第2ロッカアーム6b側へ開口する有底の第5ガイド孔11eが形成されている。この第5ガイド孔11eは、上述の第2,第3ガイド孔11b,11cよりも大径とされ、その内部には、第5連結ピン13eが摺合している。
第2ロッカアーム6bには、第2ロッカアーム6bのローラ式カムフォロワ8bに中リフトカム4bのベース円部分が摺接する休止位置において第5ガイド孔11eと同心をなし、かつ、両端が開口する第6ガイド孔11fが形成されている。この第6ガイド孔11fの直径寸法は、第3ロッカアーム6c側が第5ガイド孔11eと同一とされ、第1ロッカアーム6a側がそれよりも幾分か縮径されている。この第6ガイド孔11f内には、第6ガイド孔11fに合わせて両端を異径とされた第6連結ピン13fが摺合している。
第1ロッカアーム6aには、第1,第2ロッカアーム6a,6bのローラ式カムフォロワ8a,8bに高,中リフトカム4a,4bのベース円部分が摺接する休止位置において第6ガイド孔11fと同心をなし、かつ、第2ロッカアーム6b側へ開口する有底の第7ガイド孔11gが形されている。この第7ガイド孔11gの直径は、第6ガイド孔11fの縮径側と同一寸法とされ、その内部には、第7ガイド孔11gの底面との間に装着された圧縮コイルばね12cによって第2ロッカアーム6b側へ向けて弾発付勢された第7連結ピン13gが摺合している。
第7ガイド孔11gと第7連結ピン13gとは、その軸方向寸法が実質的に等しくされており、第7連結ピン13gが第7ガイド孔11g内に完全に嵌入した状態で、第7連結ピン13gの端面が第1ロッカアーム6aの右側面と略同一面となるように設定されている。
第6ガイド孔11fと第6連結ピン13fとの軸方向寸法の関係は、両者の全長が互いに等しく、第6ガイド孔11fに第6連結ピン13fが完全に嵌入した状態で、第6連結ピン13fの両端面が第2ロッカアーム6bの両側面と略同一面となるように設定されている。そして第5連結ピン13eの軸方向寸法は、第5連結ピン13eが第5ガイド孔11e内に完全に嵌入した状態で、第6連結ピン13fの半分程度が第5ガイド孔11e内に嵌入し、同時に第7連結ピン13gの半分程度が第6ガイド孔11f内に嵌入するように設定されている。
第5ガイド孔11eの底部には、ロッカシャフト5に内設された大面積の第2油圧供給路10bに連通する油路14eが接続されている。そして第7ガイド孔11gの底部には、同じくロッカシャフト5に内設された小面積の第3油圧供給路10cに連通する油路14gが接続されている。また第6ガイド孔11fの径違いの部分には、第2ロッカアーム6bの外方へ連通するエア抜き孔15fが形成されている。
これらにより、第1〜第3ロッカアーム6a〜6cの連結/非連結を切り換えるための第3連結切換装置9cが構成されている。
≪実施形態の作用≫
[駆動ステージ]
上述の各連結切換装置9a〜9cは、エンジンECU21からの駆動指令に基づき、電磁スプール弁22が3本の油圧供給路10a〜10cから各ガイド孔11a〜11g内の各連結ピン13a〜13gの端面に対して油圧を供給または開放させることによって作動し、バルブリフトの異なる4つの駆動ステージを確立する。以下、各油路14a〜14gに対する油圧の作用情況の違いに対応した各連結切換装置9a〜9cの作動による2つの排気バルブ2a,2bの各駆動ステージについて説明する。
<第1駆動ステージ>
第1〜第3油圧供給路10a〜10cの油圧を開放すると、第1〜第3連結切換装置9a〜9cには、それぞれ圧縮コイルばね12a〜12cのばね力のみが作用する。
この場合、図3に示すように、第1連結切換装置9aの第1連結ピン13aに作用する圧縮コイルばね12aのばね力により、第3ロッカアーム6cの第2ガイド孔11b底に第2連結ピン13bが押し当てられるので、第3ロッカアーム6cと第4ロッカアーム6dとの連結が断たれて両ロッカアーム6c,6dは互いに独立して揺動可能となる。また、第2連結切換装置9bの第4連結ピン13dに作用する圧縮コイルばね12bのばね力により、第5ロッカアーム6eの第3ガイド孔11c底に第3連結ピン13cが押し当てられるので、第4ロッカアーム6dと第5ロッカアーム6eとの連結が断たれて両ロッカアーム6d,6eは互いに独立して揺動可能となる。そして、第3連結切換装置9cは、第7連結ピン13gに作用する圧縮コイルばね12cのばね力により、第3ロッカアーム6cの第5ガイド孔11e底に第5連結ピン13eが押し当てられ、第6連結ピン13fの半分が第5ガイド孔11e内に嵌入して第2ロッカアーム6bと第3ロッカアーム6c間に跨り、第7連結ピン13gの半分が第6ガイド孔11f内に嵌入して第1ロッカアーム6aと第2ロッカアーム6b間に跨り、これらによって第1〜第3ロッカアーム6a〜6cが互いに一体的に結合される。
この状態にあっては、第1ロッカアーム6aに作用する高リフトカム4aのカムプロフィールにより、第2,第3ロッカアーム6b,6cに連結された2つの排気バルブ2a,2bが同時に開弁駆動される。この時、第4ロッカアーム6dは第1低リフトカム4dに駆動され、第5ロッカアーム6eは第2低リフトカム4eに駆動されるが、第3〜第5ロッカアーム6c〜6eが互いに独立して揺動するので、これらの運動は両排気バルブ2a,2bの運動に影響を及ぼさない。
<第2駆動ステージ>
第1,第3油圧供給路10a,10cの油圧を開放し、第2油圧供給路10bへのみ油圧を供給すると、第1,第2連結切換装置9a,9bには、それぞれ圧縮コイルばね12a,12bのばね力が作用し、第3連結切換装置9cの第5連結ピン13eにのみ油圧が作用する。
この場合、図4に示すように、第1連結切換装置9aの第1連結ピン13aに作用する圧縮コイルばね12aのばね力により、第3ロッカアーム6cの第2ガイド孔11b底に第2連結ピン13bが押し当てられるので、第3ロッカアーム6cと第4ロッカアーム6dとの連結が断たれて両ロッカアーム6c,6dは互いに独立して揺動可能となる。また、第2連結切換装置9bの第4連結ピン13dに作用する圧縮コイルばね12bのばね力により、第5ロッカアーム6eの第3ガイド孔11c底に第3連結ピン13cが押し当てられるので、第4ロッカアーム6dと第5ロッカアーム6eとの連結が断たれて両ロッカアーム6d,6eは互いに独立して揺動可能となる。そして第3連結切換装置9cには、大径の第5連結ピン13eにのみ第2油圧供給路10bの油圧が作用するので、第7連結ピン13gに作用する圧縮コイルばね12cのばね力に抗して第1ロッカアーム6aの第7ガイド孔11g内に第7連結ピン13gを第5連結ピン13eが押し込む。これにより、第1ロッカアーム6aと第2ロッカアーム6b間の連結と、第2ロッカアーム6bと第3ロッカアーム6c間の連結とが断たれ、第1〜第3ロッカアーム6a〜6cは互いに独立して揺動可能となる。つまり全てのロッカアームが互いに独立して揺動可能となる。
この状態にあっては、第1ロッカアーム6aに作用する高リフトカム4aのカムプロフィール、第4ロッカアーム6dに作用する第1低リフトカム4dのカムプロフィール、および第5ロッカアーム6eに作用する第2低リフトカム4eのカムプロフィールは他のロッカアームに影響を及ぼさず、また第3ロッカアーム6cに連結された他方の排気バルブ2bは、第3ロッカアーム6cに休止カム4cが摺接しているので閉弁状態を維持し、第2ロッカアーム6bに連結された一方の排気バルブ2aが中リフトカム4bのカムプロフィールによって開弁駆動される。つまり、一方の排気バルブ2aのみが中リフトカム4bのカムプロフィールによって開弁駆動され、他方の排気バルブ2bは休止状態となる。
例えば、火花点火と予混合圧縮点火とを併用したエンジンにおいて、火花点火から予混合圧縮点火への切換は、予混合圧縮点火が火花点火に比して燃焼が不安定なため、迅速かつ確実に行える必要がある。そこで上記実施例に示したように、第3連結切換装置9cを分離側へ移動させる第5連結ピン13eの受圧面の面積をより大きく設定するとともに、第5連結ピン13eに油圧を供給する第2油圧供給路10bの断面積をより大きく設定するものとすれば、第3連結切換装置9cの分離動作をより一層確実化することができる。
<第3駆動ステージ>
第1油圧供給路10aの油圧を開放し、第2,第3油圧供給路10b,10cへ油圧を供給すると、第1連結切換装置9aには、第2連結ピン13bに油圧が作用し、第2連結切換装置9bには、圧縮コイルばね12bのばね力が作用し、第3連結切換装置9cには、第5連結ピン13eと第7連結ピン13gの両方に油圧が作用する。
この場合、図5に示すように、第1連結切換装置9aは、第1連結ピン13aに作用する圧縮コイルばね12aのばね力に抗して、第4ロッカアーム6dの第1ガイド孔11a内に第1連結ピン13aを第2連結ピン13bが押し込む。これにより、第2連結ピン13bの半分が第1ガイド孔11a内に嵌入して第3ロッカアーム6cと第4ロッカアーム6d間に跨り、第3,第4ロッカアーム6c,6dが互いに一体的に結合される。また、第2連結切換装置9bは、第4連結ピン13dに作用する圧縮コイルばね12bのばね力により、第5ロッカアーム6eの第3ガイド孔11c内に第3連結ピン13cを第4連結ピン13dが押し込む。これにより、第4ロッカアーム6dと第5ロッカアーム6eとの連結が断たれ、第4ロッカアーム6dと第5ロッカアーム6eとは互いに独立して揺動可能となる。そして第3連結切換装置9cは、第5連結ピン13eの受圧面積がより大きいので、第7連結ピン13gに作用する圧縮コイルばね12cのばね力と油圧との合力に抗して第1ロッカアーム6aの第7ガイド孔11g内に第7連結ピン13gを第5連結ピン13eが押し込む。これにより、第1ロッカアーム6aと第2ロッカアーム6b間の連結と、第2ロッカアーム6bと第3ロッカアーム6c間の連結とが断たれ、第1〜第3ロッカアーム6a〜6cは互いに独立して揺動可能となる。
この状態にあっては、第1ロッカアーム6aに作用する高リフトカム4aのカムプロフィール、および第5ロッカアーム6eに作用する第2低リフトカム4eのカムプロフィールは他のロッカアームに何の影響も及ぼさず、第2ロッカアーム6bに連結された一方の排気バルブ2aが中リフトカム4bのカムプロフィールによって開弁駆動され、第3,第4ロッカアーム6c,6dが第1連結切換装置9aで一体的に連結されているので、第3ロッカアーム6cに連結された他方の排気バルブ2bが、第1低リフトカム4dのカムプロフィールによって開弁駆動される。つまり2つの排気バルブ2a,2bが互いに異なる特性で駆動される。
なお、図4に示した状態において、第4ロッカアーム6dに片持ち支持されていたローラ式カムフォロワ8dは、図5に示す状態においては、第3,第4ロッカアーム6c,6dによって両持ち支持される。このように、第1低リフトカム4dのカムプロフィールが他方の排気バルブ2bに伝達されない状態、即ち、ローラ式カムフォロワ8dに作用する応力が小さい場合にはこれを片持ち支持とすることにより、第4ロッカアーム6dのロッカシャフト5の軸線方向寸法を従来のローラ式カムフォロワを両持ち支持する構造に比して小さくすることができる。そして第1低リフトカム4dによって他方の排気バルブ2bがリフトされる状態では、第3,第4両ロッカアーム6c,6dによってローラ式カムフォロワ8dを両持ち支持させるものとすることにより、ローラ式カムフォロワ8dの支持剛性を確保することができる。
<第4駆動ステージ>
第1〜第3の全ての油圧供給路10a〜10cへ油圧を等しく供給すると、第1連結切換装置9aには、第1連結ピン13aおよび第2連結ピン13bに油圧が作用し、第2連結切換装置9bには、第3連結ピン13cに油圧が作用し、第3連結切換装置9cには、第5連結ピン13eと第7連結ピン13gの両方に油圧が作用する。
この場合、第1連結切換装置9aの第1連結ピン13aの受圧面積より第2連結ピン13bの受圧面積の方が大きいので、図6に示すように、第1連結ピン13aに作用する圧縮コイルばね12aのばね力と油圧との合力に抗して第2連結ピン13bが第1連結ピン13aを第4ロッカアーム6dの第1ガイド孔11a内に押し込んだ状態、つまり第3,第4ロッカアーム6c,6dが互いに一体的に結合された状態に維持される。また、第3連結切換装置9cも上述の状態、つまり第1〜第3ロッカアーム6a〜6cが互いに独立して揺動可能な状態に維持される。そして第2連結切換装置9bは、第3連結ピン13cに作用する油圧により、圧縮コイルばね12bのばね力に抗して第3連結ピン13cが第4連結ピン13dを第4ロッカアーム6dの第4ガイド孔11d内に押し込む。これにより、第3連結ピン13cの半分が第4ガイド孔11d内に嵌入して第4ロッカアーム6dと第5ロッカアーム6e間に跨り、第4,第5ロッカアーム6d,6eが互いに一体的に結合される。
この状態にあっては、第1ロッカアーム6aに作用する高リフトカム4aのカムプロフィールは他のロッカアームに何の影響も及ぼさず、第2ロッカアーム6bに連結された一方の排気バルブ2aが中リフトカム4bのカムプロフィールによって開弁駆動される。また、第3〜第5ロッカアーム6c〜6eが第1,第2連結切換装置9a,9bで一体的に連結され、第3ロッカアーム6cに連結された他方の排気バルブ2bが、第1,第2低リフトカム4d,4eのカムプロフィールによって開弁駆動される。つまり2つの排気バルブ2a,2bが互いに異なる特性で駆動される。ここで、2つの低リフトカム4d,4eは、その位相角が互いに異なっており、特に第2低リフトカム4eは、吸気行程で開弁するようにそのタイミングが設定されている。これにより、吸気行程で他気筒からの高温の排気を導入し、着火性の向上を図ることができる。
本実施形態の連結切換装置においては、第1連結切換装置9aの第2連結ピン13bならびに第3連結切換装置9cの第7連結ピン13gには、共通の第3油圧供給路10cから油圧が供給され、第1連結切換装置9aの第1連結ピン13aには第1油圧供給路10aから油圧が供給され、第3連結切換装置9cの第5連結ピン13eには第2油圧供給路10bから油圧が供給される。そして両連結切換装置9a,9cの両受圧面の面積は、互いに異なるものとされている(第2連結ピン13b>第1連結ピン13a,第5連結ピン13e>第7連結ピン13g)。従って、3つの油圧供給路10a〜10cに対して油圧を適宜給排することにより、第1,第3連結切換装置9a,9cを同時にあるいは片方ずつ自由に双方向へ駆動することが可能である。以下にその作動要領について説明する。
両連結切換装置9a,9cをともに連結状態にしたい時(第1:接,第3:接)には、第3油圧供給路10cのみに油圧を供給する(第1:OFF,第2:OFF,第3:ON)。
両連結切換装置9a,9cをともに分離状態にしたい時(第1:断,第3:断)には、第1,第2油圧供給路10a,10bに油圧を供給する(第1:ON,第2:ON,第3:OFF)。ただし、第1連結切換装置9aには圧縮コイルばね12aが存在するため、第1油圧供給路10aに油圧を供給しない場合もある。
第1連結切換装置9aを分離し、第3連結切換装置9cを連結したい時(第1:断,第3:接)には、第1油圧供給路10aに油圧を供給する(第1:ON,第2:OFF,第3:OFF)。ただし、第1連結切換装置9aには圧縮コイルばね12aが存在するため、第1油圧供給路10aに油圧を供給しない場合もある。
第1連結切換装置9aを連結し、第3連結切換装置9cを分離したい時(第1:接,第3:断)には、第2,第3油圧供給路10b,10cに油圧を供給する(第1:OFF,第2:ON,第3:ON)。
以上の作動特性をエンジンの運転状態に応じて適切に切り換えることにより、例えば、火花点火と予混合圧縮点火とを併用した上で、広い運転範囲に渡る出力特性の向上を実現することができる。勿論、本発明は、火花点火と予混合圧縮点火とを切り換えるエンジンのみならず、作動特性を多段に切り換える可変動弁装置に等しく適用可能である。
なお、上記実施例における第1連結切換装置9aの圧縮コイルばね12aおよび第3連結切換装置9cの圧縮コイルばね12cは、油圧がどちらの方向にもかかっていない状態での各連結ピンの偏りを防止するためのものであり、応答性は特に要求されないので、連結ピンをリターン駆動するための第2連結切換装置9bの圧縮コイルばね12bに比してばね定数は低くても良い。
[駆動ステージの切換]
前述した駆動ステージはエンジンの運転状態によって適時切り換えられるが、その切り換えは、連結ピンやロッカアームの摩耗や変形等を抑制すべく、瞬間的に行われることが望ましい。そのため、本実施形態では、1つの油圧供給路から油圧を開放すると同時に、他の油圧供給路に一時的に油圧を供給することで、瞬時に駆動ステージを切り換えるようにしている。以下、駆動ステージの切換制御の手順を、2つの場合を例にして説明する。
<第3駆動ステージから第2駆動ステージへ>
エンジンECU21は、可変動弁機構を第3駆動ステージ(図5)から第2駆動ステージ(図4)に切り換える場合、第3油圧供給路10cの油圧を開放することになるが、この際、第1連結切換装置9aの第1ガイド孔11a内に第1連結ピン13aを瞬間的に押し込むべく、第1油圧供給路10aに油圧を一時的に供給する。しかしながら、第3油圧供給路10cの油圧の開放と第1油圧供給路10aへの油圧の供給とを同時に行った場合、第2ガイド孔11bに印可されていた油圧の開放に遅れが生じ、第1連結ピン13aの円滑な進入が抑制される。そのため、第1連結ピン13aが第2連結ピン13bを第2ガイド孔8b内に完全に押し込む(すなわち、第1連結切換装置9aが分離状態となる)前に、第2連結切換装置9bの第3連結ピン13cの端部が第4ガイド孔11d内に進入して、ごく短時間ではあるが第4駆動ステージが確立されてしまうことになる。
そこで、本実施形態では、図7のタイムチャートに示すように、第3油圧供給路10cの油圧を開放した後、所定の時間差t1をもって第1油圧供給路10aへの油圧の供給を行う。すると、第3油圧供給路10cの油圧(すなわち、第2ガイド孔11bに印可されていた油圧)が開放された時点で、図8(a)に示すように、圧縮コイルばね12aの弾発力によって第1連結ピン13aが第1ガイド孔11a内に若干進入し始める。次に、第1油圧供給路10aへ油圧が供給された時点で、図8(b)に示すように、第1連結ピン13aが第1ガイド孔11a内に押し込まれる一方、第2連結ピン13bの端部が第2ガイド孔11b内に進入し始める。
本実施形態では、第1連結ピン13aが圧縮コイルばね12aの弾発力によって進入方向に付勢されるのに対し、第2連結ピン13bは圧縮コイルばね12bの弾発力に抗して進入するため、第1連結ピン13aの移動速度が第2連結ピン13bの移動速度より有意に高くなる。その結果、第1連結ピン13aは、第3連結ピン13cの端部が第4ガイド孔11d内に進入し始めると同時に(あるいは、進入する前に)、第1ガイド孔11a内に完全に押し込まれ、意図しない第4駆動ステージが確立されることがなくなる。なお、第2駆動ステージが確立された後に第1油圧供給路10aの油圧が開放されると、図4に示すように、第3連結ピン13cは、圧縮コイルばね12bの弾発力によって元位置に復帰する。
<第2駆動ステージから第1駆動ステージへ>
エンジンECU21は、可変動弁機構を第2駆動ステージ(図4)から第1駆動ステージ(図3)に切り換える場合、第2油圧供給路10bの油圧を開放することになるが、この際、第3連結切換装置9cの第6,第7連結ピン13f,13gを第5,第6ガイド孔11e,11fに瞬間的に押し込むべく、第3油圧供給路10cに油圧を一時的に供給する。しかしながら、第2油圧供給路10bの油圧の開放と第3油圧供給路10cへの油圧の供給とを同時に行った場合、第5ガイド孔11eに印可されていた油圧の開放に遅れが生じ、第6,第7連結ピン13f,13gの円滑な進入が抑制される。そのため、第6,第7連結ピン13f,13gが第5,第6ガイド孔11e,11f内に進入する(すなわち、第3連結切換装置9cが連結状態となる)前に、第1連結切換装置9aの第2連結ピン13bの端部が第1ガイド孔11a内に進入して、ごく短時間ではあるが第3駆動ステージが確立されてしまうことになる。
そこで、本実施形態では、図9のタイムチャートに示すように、第2油圧供給路10bの油圧を開放した後、所定の時間差t2をもって第3油圧供給路10cへの油圧の供給を行う。すると、第2油圧供給路10bの油圧(すなわち、第5ガイド孔11eに印可されていた油圧)が開放された時点で、図10(a)に示すように、圧縮コイルばね12cの弾発力によって第6,第7連結ピン13f,13gが第5,第6ガイド孔11e,11f側に若干進入し始める。次に、第3油圧供給路10cへ油圧が供給された時点で、図10(b)に示すように、第6,第7連結ピン13f,13gが第5,第6ガイド孔11e,11f側に更に押し込まれる一方、第1連結ピン13aの端部が第2ガイド孔11bから第1ガイド孔11a側に進入し始める。
本実施形態では、第6,第7連結ピン13f,13gが圧縮コイルばね12cの弾発力によって進入方向に付勢されるのに対し、第1連結ピン13aは圧縮コイルばね12aの弾発力に抗して進入するため、第6,第7連結ピン13f,13gの移動速度が第1連結ピン13aの移動速度より有意に高くなる。その結果、第6,第7連結ピン13f,13gは、第2連結ピン13bの端部が第1ガイド孔11a側に進入し始めると同時に(あるいは、進入する前に)、第5,第6ガイド孔11e,11f内に完全に押し込まれる。また、第6,第7連結ピン13f,13gが第5,第6ガイド孔11e,11f側に少しでも押し込まれると、第1〜第3ロッカアーム6a〜6cが互いに一体的に結合されて第1駆動ステージが確立されるため、第2連結ピン13bの端部が第1ガイド孔11a側に進入しても第3駆動ステージが確立されることがなくなる。なお、第1駆動ステージが確立された後に第3油圧供給路10cの油圧が開放されると、図3に示すように、第1連結ピン13aは、圧縮コイルばね12aの弾発力によって元位置に復帰する。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態は本発明を4つの駆動ステージを有するガソリンエンジンの排気側可変動弁機構に適用したものであるが、3つあるいは5つ以上の駆動ステージを有する可変動弁機構に適用してもよいし、ディーゼルエンジンの吸気側可変動弁機構等に適用してもよい。また、駆動ステージの切換については、上述した2つの場合(第3駆動ステージから第2駆動ステージ、第2駆動ステージから第1駆動ステージ)に限るものではないし、その際における油圧の供給/開放タイミングは各連結切換手段の構成や設置形態等に応じて設定する必要がある。その他、可変動弁機構の具体的構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
可変動弁機構の斜視図である。 可変動弁機構の側面図である。 可変動弁機構の第1駆動ステージでの概略構成図である。 可変動弁機構の第2駆動ステージでの概略構成図である。 可変動弁機構の第3駆動ステージでの概略構成図である。 可変動弁機構の第4駆動ステージでの概略構成図である。 駆動ステージ切換時における油圧制御の手順を示すタイムチャートである。 駆動ステージ切換時における可変動弁機構の作動手順を示す説明図である。 駆動ステージ切換時における油圧制御の手順を示すタイムチャートである。 駆動ステージ切換時における可変動弁機構の作動手順を示す説明図である。
符号の説明
2a 排気バルブ(バルブ)
2b 排気バルブ(バルブ)
3 カムシャフト
4a 高リフトカム(カム)
4b 中リフトカム(カム)
4c 休止カム(カム)
4d 第1低リフトカム(カム)
4e 第2低リフトカム(カム)
5 ロッカシャフト
6a 第1ロッカアーム(伝達部材)
6b 第2ロッカアーム(伝達部材)
6c 第3ロッカアーム(伝達部材)
6d 第4ロッカアーム(伝達部材)
6e 第5ロッカアーム(伝達部材)
9a 第1連結切換装置(連結切換手段)
9b 第2連結切換装置(連結切換手段)
9c 第3連結切換装置(連結切換手段)
10a 第1油圧供給路
10b 第2油圧供給路
10c 第3油圧供給路
13a 第1連結ピン
13b 第2連結ピン
13c 第3連結ピン
13d 第4連結ピン
13e 第5連結ピン
13f 第6連結ピン
13g 第7連結ピン
22 電磁スプール弁(油圧制御手段)
21 エンジンECU

Claims (3)

  1. リフトの異なる3つ以上のカムが並設されたカムシャフトと、
    前記カムのリフトをバルブに伝達すべく、当該カムに対応して配置された3つ以上の伝達部材と、
    油圧によって作動する複数本の連結ピンを有し、当該複数の連結ピンが連結位置と非連結位置との間で移動することにより、互いに隣接する伝達部材の連結/非連結を切り換える複数組の連結切換手段と、
    前記複数組の連結切換手段に対する油圧を制御する油圧制御手段と
    前記複数組の連結切換手段に油圧を供給する複数の油圧供給路と
    を備えた可変動弁装置であって、
    前記複数組の連結切換手段は、連結ピンが一端側に移動することで連結状態となり他端側に移動することで非連結状態となる第1の連結切換手段と、連結ピンが一端側に移動することで非連結状態となり他端側に移動することで連結状態となる第2の連結切換手段とを含み、
    前記複数の油圧供給路は、第1の油圧供給路と第2の油圧供給路とを含み、
    前記第1の連結切換手段では、連結ピンの前記一端側に前記第1の油圧供給路が連通するとともに、当該連結ピンの前記他端側に前記第2の油圧供給路が連通し、
    前記第2の連結切換手段では、連結ピンの前記一端側に前記第1の油圧供給路が連通し、
    前記第1の連結切換手段には、連結ピンを前記他端側に弾発付勢する圧縮コイルばねが設けられ、
    前記第2の連結切換手段には、連結ピンを前記一端側に弾発付勢する圧縮コイルばねが設けられ、
    前記油圧制御手段は、前記伝達部材の連結/非連結の切り換えにあたって前記第1の連結切換手段を非連結側に作動させる場合、前記第2の油圧供給路の油圧を開放した後、所定の時間差をもって前記第1の油圧供給路に油圧を供給することを特徴とする可変動弁装置。
  2. 前記連結切換手段の少なくとも1つでは、油圧を受ける2本の連結ピンの間で受圧面積を異ならせるとともに、
    少なくとも2組の連結切換手段の間で、一方の連結ピンへの油圧供給路を共通にしたことを特徴とする、請求項1に記載された可変動弁装置。
  3. 受圧面積が大きい連結ピンへの油圧供給路の断面積を、受圧面積が小さい連結ピンへの油圧供給路の断面積よりも大きくしたことを特徴とする、請求項2に記載された可変動弁装置。
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