JP2014062500A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】メインアーム及びサブアームをコンパクトにする。
【解決手段】可変動弁機構を、次に示すメインアーム30とサブアーム40と切換ピン51,52とから構成する。すなわち、メインアーム30は、後端部33に支持部材20によって揺動可能かつ常に上方に浮くことなく支持される被支持部33aが設けられている。また、サブアーム40は、先端部にカム10に当接するローラ45が回転可能に取り付けられ、ローラ45の中心が押圧部32aよりも後方かつ被支持部33aの揺動中心よりも先方に位置している。また、サブアーム40は、後端部が支持ピン47によってメインアーム30に対し揺動可能に支持され、支持ピン47の中心がローラ45の中心よりも後方かつ被支持部33aの揺動中心よりも先方に位置している。また、切換ピン51,52は、ローラ45の中心部に挿通されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の運転状況に応じてバルブの駆動状態を切り換える可変動弁機構に関する。
先端部にバルブを押圧する押圧部を備え、後端部が揺動可能に支持されるスイング式のロッカアームを有する動弁機構の中には、特許文献1〜6に示すものように、ロッカアームをメインアームとサブアームとからなる二重構造にして、サブアームとメインアームとを連結し及び切り離すことにより、バルブの駆動・停止の切換又はバルブの作用角(リフト量)の切換を行うものがある。
独国特許出願公開第102004048289号公報 特開2003−254024号公報 米国特許出願公開第2005/132990号公報 特開2008−208746号公報 米国特許出願公開第2003/230270号公報 特開平10−212913
しかしながら、特許文献1〜6の可変動弁機構には、次の[A]〜[F]示す課題がある。
[A]特許文献1,2では、切換ピンがローラの中心線内に収まっていないので、メインアーム及びサブアームが大きくなってしまう。
[B]特許文献1,2では、連結及び切り離しを行う切換ピンがメインアームの後端部に配置されている関係上、切り離し時におけるサブアームのメインアームに対する揺動中心がメインアームの後端部を避けて先端部に配置されており、それにより、サブアームを支持したメインアームの揺動時の慣性質量が大きくなっている。また、特許文献3,4では、切り離し時におけるサブアームのメインアームに対する揺動中心が、連結時におけるメインアーム及びサブアームの揺動中心と同位置にあり、特許文献5では、切り離し時におけるサブアームのメインアームに対する揺動中心が、連結時におけるメインアーム及びサブアームの揺動中心の上方にあるため、サブアームが必然的に先後方向に長くなってしまう。
[C]特許文献6では、支持部材によって揺動可能に支持されたメインアームの後端部が支持部材から浮くことがあるので、メインアームの支持が不安定になってしまう。
[D]特許文献3,5では、ラシュアジャスタの半球状の支持部に揺動可能に支持される被支持部が、メインアームの内側にあるサブアームに設けられているため、内側のサブアームの幅を被支持部の直径よりも所定量以上広くしなければならない。また、外側のメインアームの幅については、更にそれよりも広くしなければならない。
[E]特許文献4,6では、切換ピンを変位させる変位装置(油圧機構)がメインアームの内部に設けられているため、メインアームが重くなり、かつ大型になっている。
[F]特許文献6では、変位装置(油圧機構)がメインアームの内部に設けられてメインアームが幅方向に広くなっているため、一のメインアームで一のバルブを駆動する単弁駆動式の構造にするのは難しく、一のメインアームで二のバルブを同時に駆動する、二弁同時駆動式の構造になっている。そのため、2つのバルブを異なる駆動量又はタイミングで駆動することができず、また、2つのバルブ間でバルブクリアランスのバランス調整が必要となる。
そこで、上記A〜Fの課題を解決することを目的とする。
上記A〜Cの課題を解決するため、本発明の内燃機関の可変動弁機構は、先端部にバルブを押圧する押圧部が設けられ、後端部に支持部材によって揺動可能かつ常に上方に浮くことなく支持される被支持部が設けられたメインアームと、メインアームに並設され、先端部にカムに当接するローラが回転可能に取り付けられ、ローラの中心が押圧部よりも後方かつ被支持部の揺動中心よりも先方に位置し、後端部が支持ピンによってメインアームに対し揺動可能に支持され、支持ピンの中心がローラの中心よりも後方かつ被支持部の揺動中心よりも先方に位置するサブアームと、ローラの中心部に挿通され、メインアームに対しサブアームを相対揺動可不能に連結する連結位置とその連結を解除する非連結位置との間で変位可能な切換ピンとを含み構成されている。
支持ピンの中心の位置は、上記以上は特に限定されないが、側面視で、支持ピンの中心から被支持部の揺動中心までの距離が、支持ピンの中心からローラの中心までの距離の0.5〜1.5倍であることが好ましい。0.5倍よりも短いと、支持ピンが被支持部側により過ぎてサブアームを先後方向に十分に短くできず十分に軽量化できないおそれがある一方、1.5倍よりも長いと、支持ピンがローラ側により過ぎてサブアームのメインアームに対する揺動時のストロークを十分に確保できないおそれがあるからである。より好ましくは、側面視で、支持ピンの中心から被支持部の揺動中心までの距離が、支持ピンの中心からローラの中心までの距離の0.6〜1.3倍であることであり、更に好ましくは、0.7〜1.1倍であることである。その理由は上記と同様である。
支持部材は、特に限定されないが、上端に被支持部を支持する半球状の支持部を備えたラッシュアジャスタのプランジャや、メインアームの後端部を幅方向に貫通するロッカシャフトを例示する。
上記Dの課題を解決するため、メインアームはサブアームの幅方向外側にあるアウタアームであり、サブアームはメインアームの幅方向内側にあるインナアームであって、支持部材は、上端に被支持部を支持する半球状の支持部を備えたラッシュアジャスタのプランジャであることが好ましい。
このように構成すれば、プランジャに支持される被支持部が、インナアーム(サブアーム)にではなく、アウタアーム(メインアーム)に配されることになるので、インナアーム(サブアーム)の幅を被支持部の直径よりも所定量以上広くしなければならないといった制約がなくなり、インナアーム(サブアーム)を幅方向に小型化することができるからである。また、それに伴い、アウタアーム(メインアーム)も幅方向に小型化することができるからである。
上記Eの課題を解決するため、メインアーム及びサブアームの外部に、切換ピンを変位させる、メインアーム及びサブアームのいずれとも共に揺動しない変位装置が設けられていることが好ましい。変位装置をメインアーム及びサブアームの内部に設ける場合に比べて、メインアーム及びサブアームを軽量かつ小型にすることができるからである。また、メインアームが幅方向に小さくなることによって、メインアームを単弁駆動式のアームにすることができるようになるからである。
上記Fの課題を解決するため、メインアームは、一のバルブのみを駆動する単弁駆動式のアームであることが好ましい。2つのバルブに対して2つの単弁駆動式のメインアームを設ければ、2つのバルブを別々の駆動量及びタイミングで駆動できるようになるとともに、2つのバルブ間で2つのバルブクリアランスのバランス調整をしなくても、2つのバルブクリアランスを各ラッシュアジャスタによって別々に自動調整できるようになるからである。
メインアームの具体的な態様は、特に限定されないが、メインアームは、メインアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の側板部と、両側板部の先端部どうしを繋ぎ前記押圧部が設けられたアーム先端部と、両側板部の後端部どうしを繋ぎ前記被支持部が設けられたアーム後端部とを含み構成されていることが好ましい。メインアームを軽量に形成することができるからである。
サブアームの具体的な態様は、特に限定されないが、サブアームは、両側板部の間にサブアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の内板部と、両内板部の先端部の下端どうしを繋ぐ底板部とを含み構成され、底板部よりも上方の両内板部の先端部どうしの間に前記ローラが取り付けられ、両内板部の後端部が前記支持ピンによって両側板部に揺動可能に支持されていることが好ましい。サブアームを軽量に形成することができるからである。
支持ピンは、1本の連続したピンであってもよいが、ローラと被支持部との間の先後方向の間隔が狭い場合には、ローラとの干渉を避けるべく、次のように構成されていることが好ましい。すなわち、メインアームは、メインアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の側板部を含み構成され、サブアームは、両側板部の間にサブアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の内板部を含み構成され、両内板部の先端部どうしの間に前記ローラが取り付けられ、支持ピンは、2本の支持ピンに分割形成され、一方の支持ピンは、一方の内板部の後端部を隣接する一方の側板部に揺動可能に支持し、他方の支持ピンは、他方の内板部の後端部を隣接する他方の側板部に揺動可能に支持し、一方の支持ピンと他方の支持ピンとの間に、ローラの外縁部が配されていることである。
メインアーム及びサブアームは、サブアームのみがカムに当接するものであってもよいが、サブアームがカムに当接し、メインアームが前記カムとは別のカムに当接するものであってもよい。後者の場合、メインアーム及びサブアームは、特に限定されないが、メインアームは、メインアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の側板部を含み構成され、両側板部の間にサブアームが配され、両側板部の上端部に、前記カムとは別のカムに摺接する摺接部が板金工法により形成されていることが好ましい。摺接部を簡単かつ軽量に形成することができるからである。なお、前記別のカムは、前記カムよりもリフト量が小さい低リフトカムであってもよいし、ベース円のみの休止カムであってもよい。
本発明の可変動弁機構によれば、切換ピンがローラの中心部に挿通されているため、切換ピンがローラの中心線上に収まり、メインアーム及びサブアームがコンパクトになる。よって、上記Aの課題を解決することができる。
また、サブアームの後端部を揺動可能に支持する支持ピンの中心がローラの中心よりも後方に位置するため、支持ピンの中心がローラの中心よりも先方に位置する場合に比べて、サブアームを支持したメインアームの揺動時の慣性質量が小さくなる。また、支持ピンの中心が被支持部の揺動中心よりも先方に位置するため、支持ピンの中心が被支持部の揺動中心と同位置又は側方若しくは上方に位置する場合に比べて、サブアームが先後方向に短くなり、サブアームがを軽量かつ小型になる。よって、上記Bの課題を解決することができる。
また、メインアームの被支持部は支持部材によって常に上方に浮くことなく支持されるので、支持部材によるメインアームの支持が不安定になる心配がない。よって、上記Cの課題を解決することができる。
実施例1の可変動弁機構を示す側面図である。 実施例1の可変動弁機構を示す側面断面図である。 実施例1の可変動弁機構のメインアーム及びサブアームを示す斜視図である。 (a)は実施例1の可変動弁機構を示す平面図、(b)は平面断面図である。 (a)は実施例1の可変動弁機構を示す背面図、(b)は背面断面図である。 (a)は実施例1の可変動弁機構の連結時を示す平面断面図、(b)は非連結時を示す平面断面図である。 (a)は実施例1の可変動弁機構の連結時を示す側面断面図、(b)は非連結時を示す側面断面図である。 (a)は実施例2の可変動弁機構のを示す平面断面図、(b)は側面断面図である。 実施例3の可変動弁機構を示す側面断面図である。 実施例3の可変動弁機構のメインアーム及びサブアームを示す斜視図である。 (a)は実施例3の可変動弁機構を示す平面図、(b)は背面断面図である。
図1〜図7に示す実施例1の内燃機関の可変動弁機構V1は、次に示す、リフトカム10と、ラッシュアジャスタ20と、メインアーム30と、サブアーム40と、切換装置50とを含み構成されている。なお、以下では、メインアーム30及びサブアーム40の幅方向の一方を右といい、他方を左というが、右と左とが反対であってもよい。
[リフトカム10]
リフトカム10は、左右方向に延びるカムシャフト18に設けられており、内燃機関の回転に従いカムシャフト18と一体に回転する。このリフトカム10は、断面形状が真円形のベース円部11と、ベース円部11から突出したカムノーズ部12とを含み構成されている。
[ラッシュアジャスタ20]
ラッシュアジャスタ20は、上方に開口した有底筒状のボディ21に、プランジャ22が上方に繰出可能かつ下方に退入可能に挿入されてなり、ボディ21の内底とプランジャ22の下端面との間に高圧油室23が形成され、プランジャ22の内側に低圧油室24が形成されている。そして、プランジャ22の下端面に、内部の低圧油室24から高圧油室23にオイルを流す貫通孔25が設けられるとともに、その下方に、プランジャ22が上方に繰り出す時に貫通孔25の下開口を開き、プランジャ22が下方に退入する時に貫通孔25の下開口を閉じる逆止弁26が取り付けられている。また、ボディ21の内周面とプランジャ22の外周面との間には、プランジャ22が退入する時に高圧油室23から低圧油室24にオイルをリークさせるリーク隙間27が形成されている。そして、プランジャ22の上端に、メインアーム30の被支持部33aを支持する半球状の支持部22aを備えている。
[メインアーム30]
メインアーム30は、一のバルブ7のみを駆動する単弁駆動式のアームであり、また、サブアーム40の左右方向外側に配されるアウタアームであって、板金工法により成形されている。このメインアーム30は、左右方向に間隔をおいて並設された2本の側板部31R,31Lと、両側板部31R,31Lの先端部どうしを繋いだアーム先端部32と、両側板部31R,31Lの後端部どうしを繋いだアーム後端部33とを含み構成されている。そして、アーム先端部32の下面には、バルブ7を下方に押圧して開くための押圧部32aが設けられている。また、アーム後端部33には、プランジャ22の半球状の支持部22aによって揺動可能かつ常に上方に浮くことなく支持される被支持部33aが設けられている。
右側の側板部31Rの長さ方向中間部には、取付孔35aが貫設され、その取付孔35aに有底筒状の第一筒状部材35が、開口部を左側に向けて底部が右方に突出する形で取り付けられている。そして、その第一筒状部材35の底部には、エア抜き孔35bが貫設されている。また、左側の側板部31Lの長さ方向中間部には取付孔36aが貫設され、その取付孔36aに有底筒状の第二筒状部材36が、開口部を右側に向けて底部が左方に突出する形で取り付けられている。そして、その第二筒状部材36の底部には、切換装置50の後述する介在ピン53の先端部53aを左方に突出させるためのピン突出孔36bが貫設されている。
両側板部31R,31Lの押圧部32aよりも後方かつ第一筒状部材35及び第二筒状部材36よりも先方に位置する部分には、取付孔37aが貫設され、その取付孔37aにサブアーム40に上側から当接するストッパ37が取り付けられている。また、両側板部31R,31Lの後端におけるアーム後端部33よりも上方には、ロストモーションスプリング60の後部63を支持するためのスプリング係止凹部38,38が前方に凹む形で形成されている。また、両側板部31R,31Lの第一筒状部材35及び第二筒状部材36よりも後方かつ被支持部33aよりも先方に位置する部分には、後述する支持ピン47を支持するための支持孔34,34が貫設されている。
[サブアーム40]
サブアーム40は、メインアーム30に並設されてメインアーム30の左右方向内側に配されるインナアームであって、板金工法により成形される。このサブアーム40は、メインアーム30の両側板部31R,31Lの内側に左右方向に間隔をおいて並設された2枚の内板部41R,41Lと、内板部41R,41Lの先端部の下端どうしを繋ぐ底板部42とを含み構成されている。そして、その底板部42には、軽量化のための軽量化孔42aが貫設されている。
両内板部41R,41Lの先端部における底板部42の上方には、取付孔43a,43aが貫設され、その取付孔43a,43aに筒状のローラシャフト43が支持されるとともに、そのローラシャフト43に、ローラ45がベアリング44,44を介して回転可能に支持され、そのローラ45がリフトカム10に当接している。そして、ローラ45の中心は、メインアーム30の押圧部32aよりも後方かつ被支持部33aの揺動中心よりも先方に位置している。
両内板部41R,41Lの後端部には、被支持孔47a,47aが貫設され、その被支持孔47a,47aとメインアーム30の支持孔34,34とに一本の支持ピン47が挿通されることによって、両内板部41R,41Lの後端部がメインアームの両側板部31R,31Lに揺動可能に支持されている。その支持ピン47の両端は、メインアーム30の両側板部31R,31Lの左右両側に突出しており、その支持ピン47の両端には筒状の抜止部材48,48が外嵌されている。そして、支持ピン47の中心はローラ45の中心よりも後方かつ被支持部33aの揺動中心よりも先方に位置している。そして、側面視で、支持ピン47の中心から被支持部33aの揺動中心までの距離L1が、支持ピン47の中心からローラ45の中心までの距離L2の0.8〜1.0倍となっている。
[切換装置50]
切換装置50は、メインアーム30に対してサブアーム40を相対揺動不能に連結した連結状態とその連結を解除した非連結状態との間で切換を行う装置である。この切換装置50は、次に示す、第一切換ピン51と、第二切換ピン52と、介在ピン53と、変位装置56と、リターンスプリング58とを含み構成されている。
第一切換ピン51は、有底筒状のピンであって、開口部を右側に向けて第一筒状部材35の内側に挿入されており、第一筒状部材35の内側とローラシャフト43の内側との間を跨ぐ連結位置と跨がない非連結位置との間で変位可能になっている。そして、底部には、エア抜き孔51aが貫設されている。第二切換ピン52は、筒状のピンであって、ローラシャフト43の内側に挿入されており、ローラシャフト43の内側と第二筒状部材36の内側とを跨ぐ連結位置と跨がない非連結位置との間で変位可能になっている。介在ピン53は、第二筒状部材36の内側に挿入されており、他の部分よりも径が小さくなった左側の先端部53aが、第二筒状部材36のピン突出孔36bから左方に突出可能になっている。よって、これら第一切換ピン51、第二切換ピン52及び介在ピン53は、連結状態の時にはローラ45の中心部に挿通される。
変位装置56は、介在ピン53の先端部53aをメインアーム30及びサブアーム40の左方外部から右方に付勢して、切換ピン51,52を右方に変位させる装置である。この変位装置56は、メインアーム30及びサブアーム40の外部に設けられているため、メインアーム30及びサブアーム40のいずれとも共に揺動しない。この変位装置56は、介在ピン53の先端部53aに左方から当接する変位部57と、該変位部57を右方に付勢する本体部(図示略)とを含み構成されている。なお、この変位装置56は、変位部57を油圧で右方に付勢する油圧式の装置であってもよいし、変位部57を磁力で右方に付勢する電磁式の装置であってもよい。リターンスプリング58は、第一筒状部材35の内底面と第一切換ピン51の内底面との間に介装されており、復元力で第一切換ピン51を左方に付勢する。
[ロストモーションスプリング60,60]
ロストモーションスプリング60,60は、非連結状態の時にサブアーム40をリフトカム10に追従されるためのバネであって、メインアーム30の右方及び左方に、それぞれ1つずつ取り付けられている。各ロストモーションスプリング60は、コイル状に形成されたコイル部62と、そのコイル部62から先方に延びた先部61と後方に延びた後部63とを含み構成されている。そして、各ロストモーションスプリング60のコイル部62は、抜止部材48の外周側に外嵌され、先部61は、サブアーム40の内板部41R,41Lの下面に当接して該下面を上方に付勢し、後部63は、メインアーム30の後端部のスプリング係止凹部38に係入してそのスプリング係止凹部38の上面を上方に付勢している。それにより、ロストモーションスプリング60,60は、連結状態の時は、サブアーム40を切換ピン51,52を介してメインアーム30に押し付け、非連結状態の時は、サブアーム40をリフトカム10に押し付ける。
次に、内燃機関の運転時の様子を、[1]連結状態の時と、[2]非連結状態の時に分けて以下に説明する。
[1]連結状態の時
連結状態の時には、図6(a)に示すように、変位装置56の変位部57が介在ピン53を右方に付勢しないことによって、第一切換ピン51、第二切換ピン52及び介在ピン53がリターンスプリング58の復元力によってローラ45の中心線上で左方に変位し、第一切換ピン51及び第二切換ピン52がそれぞれ連結位置に配される。それによって、メインアーム30に対してサブアーム40が相対揺動不能になる。そのため、図7(a)に示すように、メインアーム30とサブアーム40とが一体的に揺動してバルブ7を駆動する。
[2]非連結状態の時
非連結状態の時には、図6(b)に示すように、変位装置56の変位部57が介在ピン53を右方に付勢することによって、第一切換ピン51、第二切換ピン52及び介在ピン53がリターンスプリング58の復元力に抗してローラ45の中心線上で右方に変位し、第一切換ピン51及び第二切換ピン52がそれぞれ非連結位置に配される。それによって、メインアーム30に対してサブアーム40が相対揺動可能になる。そのため、図7(b)に示すように、サブアーム40のみが支持ピン47を中心に揺動(空振)して、バルブ7の駆動が休止する。
本実施例1によれば、次の[A]〜[G]の効果を得ることができる。
[A]第一切換ピン51、第二切換ピン52及び介在ピン53がローラ45の中心部に挿通されているため、それらのピン51,52,53がローラの中心線上に収まりメインアーム30及びサブアーム40がコンパクトになる。
[B]サブアーム40の後端部を揺動可能に支持する支持ピン47の中心がローラ45の中心よりも後方に位置するため、支持ピン47の中心がローラ45の中心よりも先方に位置する場合に比べて、サブアーム40を支持したメインアーム30の揺動時の慣性質量が小さくなる。また、支持ピン47の中心が被支持部33aの揺動中心よりも先方に位置するため、支持ピン47の中心が被支持部33aの揺動中心と同位置又は側方若しくは上方に位置する場合に比べて、サブアーム40が先後方向に短くなり、サブアーム40が軽量かつ小型になる。
[C]メインアーム30の被支持部33aは、プランジャ22の半球状の支持部22aによって常に上方に浮くことなく支持されるので、メインアーム30の支持が不安定になる心配がない。
[D]プランジャ22の半球状の支持部22aに支持される被支持部33aが、内側のサブアーム40にではなく、外側のメインアーム30に設けられているため、内側のサブアーム40の左右方向の幅を被支持部33aの直径よりも所定量以上広くしなければならないといった制約がなく、外側のメインアーム30の左右方向の幅を被支持部33aの直径よりも所定量以上広くすればよいだけなので、メインアーム30及びサブアーム40を左右方向に小型化することができる。
[E]変位装置56がメインアーム30及びサブアーム40の外部に設けられているので、内部に設けられる場合に比べてメインアーム30及びサブアーム40が軽量かつ小型になる。また、変位装置56がメインアーム30の外部に設けられているので、メインアーム30が左右方向に小さくなり、メインアーム30を単弁駆動式のアームにすることができるようになる。
[F]メインアーム30は単弁駆動式のアームであるので、2つのバルブ7,7に対して2つのメインアーム30,30を設けることで、2つのバルブ7,7を別々の駆動量及びタイミングで駆動できるようになるとともに、2つのバルブ7,7間で2つのバルブクリアランスのバランス調整をしなくても、2つのバルブクリアランスを各ラッシュアジャスタ20,20によって別々に自動調整できるようになる。
[G]メインアーム30は、板金工法で成形され、2枚の側板部31R,31Lとアーム先端部32とアーム後端部33とから構成されているので、軽量かつ小型になる。また、サブアーム40は、板金工法で成形され、2枚の内板部41R,41Lと底板部42とから構成されているので、軽量かつ小型になる。また、ロストモーションスプリング60は、メインアーム30及びサブアーム40の外側に配されているので、これによってもメインアーム30及びサブアーム40が軽量かつ小型になる。
図8に示す実施例2の内燃機関の可変動弁機構V2は、実施例1と比較して、ローラ45と被支持部33aとの間の先後方向の間隔が狭い点、及び支持ピン47が、右側の支持ピン47Rと左側の支持ピン47Lとに分割形成されており、右側の支持ピン47Rと左側の支持ピン47Lとの間に、ローラ45の外縁部が配されている点で相違し、その他の点で同様である。
詳しくは、右側の支持ピン47Rは、サブアーム40の右側の内板部41Rの被支持孔47aとメインアーム30の右側の側板部31Rの支持孔34とに跨って挿入されることにより、右側の内板部41Rの後端部を右側の側板部31Rに揺動可能に支持している。また、左側の支持ピン47Lは、サブアーム40の左側の内板部41Lの被支持孔47aとメインアーム30の左側の側板部31Lの支持孔34とに跨って挿入されることにより、左側の内板部41Lの後端部を左側の側板部31Lに揺動可能に支持している。そして、側面視で、支持ピン47R,47Lの中心から被支持部33aの揺動中心までの距離L1が、支持ピン47R,47Lの中心からローラ45の中心までの距離L2の0.9〜1.1倍程度となっている。
本実施例2によれば、ローラ45と被支持部33aとの間の先後方向の間隔が狭くてローラ45と被支持部33aとの間に実施例1のような一本の支持ピン47を通すスペースがない場合にも対応できる。
図9〜図11に示す実施例3の内燃機関の可変動弁機構V3は、実施例1と比較して、カムシャフト18のリフトカム10の左方及び右方に、リフトカム10よりもリフト量が小さい低リフトカム15,15を備え、メインアーム30の各側板部31R,31Lの上端部に低リフトカム15,15に当接する摺接部39,39を備えている点で相違し、その他の点で同様である。
詳しくは、各低リフトカム15は、断面形状が真円形のベース円部16と、該ベース円部16から突出したカムノーズ部17とを含み構成されている。また、各摺接部39は、各側板部31R,31Lの先後中間部の上端部に突設された突起部が、板金プレス工法により左右外側に曲げ加工されてなり、上面には必要に応じて表面処理が追加されている。
本実施例3によれば、低リフトカム15,15があるため、非連結状態の時にも休止状態とはならず、連結状態の時よりも小さいリフト量でバルブを駆動する低リフト駆動状態となる。そのため、実施例1のように駆動状態と休止状態との間で切換を行うのではなく、高リフト駆動状態と低リフト駆動状態との間で切換を行いたい場合に採用することができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
7 バルブ
10 リフトカム
15 低リフトカム
20 ラッシュアジャスタ
22 プランジャ
22a 支持部
30 メインアーム
31R 右側の側板部
31L 左側の側板部
32 アーム先端部
32a 押圧部
33 アーム後端部
33a 被支持部
40 サブアーム
41R 右側の内板部
41L 左側の内板部
45 ローラ
47 支持ピン
47R 右側の支持ピン
47L 左側の支持ピン
51 第一切換ピン
52 第二切換ピン
56 変位装置
V1 可変動弁機構(実施例1)
V2 可変動弁機構(実施例2)
V3 可変動弁機構(実施例3)

Claims (9)

  1. 先端部(32)にバルブ(7)を押圧する押圧部(32a)が設けられ、後端部(33)に支持部材(22)によって揺動可能かつ常に上方に浮くことなく支持される被支持部(33a)が設けられたメインアーム(30)と、
    メインアーム(30)に並設され、先端部にカム(10)に当接するローラ(45)が回転可能に取り付けられ、ローラ(45)の中心が押圧部(32a)よりも後方かつ被支持部(33a)の揺動中心よりも先方に位置し、後端部が支持ピン(47)によってメインアーム(30)に対し揺動可能に支持され、支持ピン(47)の中心がローラ(45)の中心よりも後方かつ被支持部(33a)の揺動中心よりも先方に位置するサブアーム(40)と、
    ローラ(45)の中心部に挿通され、メインアーム(30)に対しサブアーム(40)を相対揺動可不能に連結する連結位置とその連結を解除する非連結位置との間で変位可能な切換ピン(51,52)とを含み構成された内燃機関の可変動弁機構。
  2. 側面視で、支持ピン(47)の中心から被支持部(33a)の揺動中心までの距離(L1)が、支持ピン(47)の中心からローラ(45)の中心までの距離(L2)の0.5〜1.5倍である請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. メインアーム(30)はサブアーム(40)の幅方向外側にあるアウタアームであり、サブアーム(40)はメインアーム(30)の幅方向内側にあるインナアームであって、
    支持部材(22)は、上端に被支持部(33a)を支持する半球状の支持部(22a)を備えたラッシュアジャスタ(20)のプランジャ(22)である請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
  4. メインアーム(30)及びサブアーム(40)の外部に、切換ピン(51,52)を変位させる、メインアーム(30)及びサブアーム(40)のいずれとも共に揺動しない変位装置(56)が設けられた請求項3記載の内燃機関の可変動弁機構。
  5. メインアーム(30)は、一のバルブ(7)のみを駆動する単弁駆動式のアームである請求項4記載の内燃機関の可変動弁機構。
  6. メインアーム(30)は、メインアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の側板部(31R,31L)と、両側板部(31R,31L)の先端部どうしを繋ぎ前記押圧部(32a)が設けられたアーム先端部(32)と、両側板部(31R,31L)の後端部どうしを繋ぎ前記被支持部(33a)が設けられたアーム後端部(33)とを含み構成された請求項5記載の内燃機関の可変動弁機構。
  7. サブアーム(40)は、両側板部(31R,31L)の間にサブアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の内板部(41R,41L)と、両内板部の先端部の下端どうしを繋ぐ底板部(42)とを含み構成され、底板部(42)よりも上方の両内板部(41R,41L)の先端部どうしの間に前記ローラ(45)が取り付けられ、両内板部(41R,41L)の後端部が前記支持ピン(47)によって両側板部(31R,31L)に揺動可能に支持された請求項6記載の内燃機関の可変動弁機構。
  8. メインアーム(30)は、メインアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の側板部(31R,31L)を含み構成され、サブアーム(40)は、両側板部(31R,31L)の間にサブアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の内板部(41R,41L)を含み構成され、両内板部(41R,41L)の先端部どうしの間に前記ローラ(45)が取り付けられ、
    支持ピン(47)は、2本の支持ピン(47R,47L)に分割形成され、一方の支持ピン(47R)は、一方の内板部(41R)の後端部を隣接する一方の側板部(31R)に揺動可能に支持し、他方の支持ピン(47L)は、他方の内板部(41L)の後端部を隣接する他方の側板部(31L)に揺動可能に支持し、
    一方の支持ピン(47R)と他方の支持ピン(47L)との間に、ローラ(45)の外縁部が配された請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  9. メインアーム(30)は、メインアームの幅方向に間隔をおいて並設された2枚の側板部(31R,31L)を含み構成され、両側板部の間にサブアーム(40)が配され、
    両側板部(31R,31L)の上端部に、前記カム(10)とは別のカム(15)に摺接する摺接部(39)が板金工法により形成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
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