JP2008045460A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、バルブのリフト特性を切り換え可能な内燃機関の可変動弁装置に関し、バルブのリフト特性の切換必要時間を考慮して、適切なエンジン制御を実現することを目的とする。
【解決手段】バルブのリフト特性を切り換える機構として、弁作動と弁停止を切り換え可能な弁停止機構70と、両弁可変制御と片弁可変制御とを切り換え可能な片弁切換機構50と、をそれぞれ複数の気筒に備える。エンジン回転数NEに基づいて、複数の気筒でのリフト特性の切り換えに必要な切換必要時間(Ton、Toff)を算出する。そして、バルブのリフト特性の切り換えに際して、それらの切換必要時間に基づいて、燃料噴射などのエンジン制御の実行タイミングを決定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、バルブのリフト特性を切り換え可能な内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、駆動カムとバルブの間に、バルブの開弁特性を機械的に変更可能とするための可変機構を備えた内燃機関の可変動弁装置が開示されている。可変機構は、各気筒に配置される2つの吸気バルブのそれぞれに対して、制御軸によって回転駆動されるコントロールアームを備えている。上記従来の可変動弁装置は、制御軸によってコントロールアームの回転位置を制御することにより、吸気バルブの開弁特性を可変することができるものである。
上記従来の可変動弁装置は、各気筒に配置された2つの上記コントロールアームが、油圧により駆動される連結ピンによって連結されることによって、2つの吸気バルブの開弁特性を同時に可変制御(両弁可変制御)できるように構成されている。また、上記従来の可変動弁装置は、上記連結ピンにより2つのコントロールアームの連結が解除された状態において、一方の吸気バルブのみの開弁特性を可変制御(片弁可変制御)できるように構成されている。
特開2004−100555号公報 特開平8−61031号公報
上記従来の可変動弁装置において、両弁可変制御と片弁可変制御とを切り換える際には、油圧により駆動される連結ピンを動作させるために、切り換えにそれなりの時間を要する。そのような連結ピンの切り換えに必要な時間を何ら考慮することなしに、燃料噴射の実行や予め設定された点火時期での点火などのエンジン制御を実行すると、内燃機関の排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化を招く可能性がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、バルブのリフト特性を切り換え可能な構成を複数の気筒に備える内燃機関において、当該リフト特性の切換必要時間を考慮して、適切なエンジン制御を実現し得る内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、駆動カムからの入力をバルブに伝達する径路を内燃機関の運転状態に応じて切り換えることによって、バルブのリフト特性を切り換えるリフト特性切換手段を複数の気筒に備える内燃機関の可変動弁装置であって、
エンジン回転数に基づいて、前記複数の気筒での前記リフト特性の切り換えに必要な切換必要時間を取得する切換時間取得手段と、
前記リフト特性の切り換えに際して、前記切換必要時間に基づいて、エンジン制御の実行タイミングを決定する制御タイミング決定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記リフト特性切換手段は、前記径路の途中に配置される2つの伝達部材間を移動するピンと、当該ピンを油圧駆動する油圧駆動手段とを備え、前記ピンによって前記2つの伝達部材の連結およびその解除を切り換えるものであり、
当該リフト特性切換手段は、前記ピンによる前記リフト特性の切り換えに先立って、前記ピンに付与する油圧を前記リフト特性の切り換えに必要な油圧より低い圧力に高める油圧付与手段を更に備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明において、前記リフト特性切換手段は、前記径路の途中に配置される2つの伝達部材間を移動するピンと、当該ピンを油圧駆動する油圧駆動手段とを備え、前記ピンによって前記2つの伝達部材の連結およびその解除を切り換えるものであり、
前記油圧駆動手段は、
前記ピンに付与する油圧を制御する油圧制御弁と、
作動油が供給される油圧室と、当該油圧室とピストンによって仕切られた負圧室と、負圧室内の圧力を制御する負圧制御手段とを有し、当該負圧制御手段による負圧の調整に応じて変位する前記ピストンを利用して、前記ピンに付与する油圧を増減させる圧力調整機構と、
を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、バルブのリフト特性の切り換えに必要な切換必要時間を考慮して、燃料噴射などのエンジン制御の実行開始のタイミングが決定される。このため、バルブのリフト特性の切り換えに伴って、内燃機関の排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化が生ずるのを好適に回避することができる。
第2の発明によれば、バルブのリフト特性の切り換えの要求があった場合に、ピンに付与する油圧をリフト特性の切り換えに必要な油圧にまで素早く高めて、バルブのリフト特性の切り換えを迅速に実行することが可能となる。
第3の発明によれば、圧力調整機構を用いて、ピンに付与する油圧を、リフト特性の切り換えに必要な油圧にまで瞬時に高めたり、或いは、そのような油圧以下にまで瞬時に低下させたりすることができる。このため、本発明によれば、バルブのリフト特性の切り換えを迅速に実行することが可能となる。
実施の形態1.
[可変動弁装置の全体構成]
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態1の可変動弁装置の構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の可変動弁装置1の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す可変動弁装置1の分解斜視図である。ここでは、内燃機関の個々の気筒に2つの吸気弁と2つの排気弁とが備わっているものとする。そして、図1および図2に示す構成は、各気筒に配設された2つの吸気弁、或いは2つの排気弁をそれぞれ駆動する装置として機能するものとする。本可変動弁装置1は、バルブ16の開弁特性を連続的に可変させる連続可変機構部と、各気筒の2つのバルブ16のうちの一方のバルブの開弁特性のみを可変とするスワール制御機構部と、バルブ16のリフト動作を休止可能とする弁停止機構部とを備えている。
1.連続可変機構部について
本可変動弁装置1は、バルブ16の開弁特性(リフト量、作用角等)を機械的に変更可能とする可変機構20を備えている。具体的には、本可変動弁装置1はロッカーアーム方式の機械式動弁機構を有し、カム軸10の回転運動がカム軸10に設けられた第1駆動カム12によってロッカーアーム(後述の入力アーム72、伝達アーム74)の揺動運動に変換され、伝達アーム74に支持されるバルブ16の上下方向へのリフト動作に変換される。本可変動弁装置1では、第1駆動カム12によって直接ロッカーアームを駆動するのではなく、第1駆動カム12とロッカーアームとの間に可変機構20を介在させている。
可変機構20は、第1駆動カム12の回転運動に対するロッカーアームの揺動運動を連続的に変化させることができる機構である。本可変動弁装置1は、この可変機構20を可変制御することによりロッカーアームの揺動量や揺動タイミングを変化させて、バルブ16のリフト量や作用角を連続的に変更できるようになっている。
可変機構20は、制御軸22、制御アーム24、リンクアーム26、揺動カムアーム28、第1ローラ30、および第2ローラ32を主たる構成部材として構成されている。制御軸22はカム軸10に平行に配置されている。制御軸22の回転角度は、図示しないアクチュエータ(例えばモータ等)によって任意の角度に制御することができる。
揺動カムアーム28は、制御軸22に揺動可能に支持され、その先端を第1駆動カム12の回転方向の上流側に向けて配置されている。揺動カムアーム28における第1駆動カム12に対向する側には、第2ローラ32に接触するスライド面34が形成されている。スライド面34は、第2ローラ32が揺動カムアーム28の先端側から制御軸22の軸中心側に向かって移動するほど、第1駆動カム12との間隔が徐々に狭まるような曲面で形成されている。また、スライド面34の反対側には、揺動カム面36が形成されている。揺動カム面36は、揺動カムアーム28の揺動中心(すなわち、制御軸22の軸中心)からの距離が一定となるように形成されたベース円部36aと、ベース円部36aから離れた位置ほど制御軸22の軸中心からの距離が遠くなるように形成された作用面36bとで構成されている。
尚、可変機構20についてのその他の詳細な構成および動作は、例えば、特開2006−70738号公報によって詳細に開示されているものと同様であるため、ここでは、その詳細な説明を省略するものとする。
2.スワール制御機構部について
次に、上記の図2に加え、図3をも参照して、スワール制御機構部の詳細な構成について説明する。
本可変動弁装置1は、並列に配置された2つのバルブ16のうちの一方のバルブ(図2においては右側の第2バルブ16R)の開弁特性を、一定の開弁特性が得られるようにするための固定機構40を備えている。図1および図2に示すように、カム軸10には、各気筒につき、上記第1駆動カム12に加え、第1駆動カム12に隣接して配置された第2駆動カム14を備えている。固定機構40は、第2駆動カム14と揺動カムアーム28Rとの間に介在している。固定機構40は、揺動カムアーム28Rの揺動運動を第2駆動カム14の回転運動に連動させるものであり、第2駆動カム14によって駆動される大リフトアーム44を備えている。大リフトアーム44は、制御軸22上に第2揺動カムアーム28Rと並んで配置され、第2揺動カムアーム28Rとは独立して回転可能となっている。大リフトアーム44には、第2駆動カム14の周面に接触する入力ローラ46が回転可能に支持されている。大リフトアーム44には図示しないロストモーションスプリングが掛けられており、そのバネ力は、入力ローラ46を第2駆動カム14の周面に押し当てる付勢力として作用している。
また、スワール制御機構部は、大リフトアーム44と第2揺動カムアーム28Rとの結合およびその解除を行うための片弁切換機構50を備えている。片弁切換機構50は、第2バルブ16Rのリフト動作の連動先を可変機構20と固定機構40との間で選択的に切り換えるためのものである。このような片弁切換機構50によれば、駆動カムからの入力をバルブに伝達する径路を切り換えることによって、バルブ(第2バルブ16R)のリフト特性を切り換えることができる。
図3は、片弁切換機構50の構成を説明するための分解斜視図である。図3に示すように、大リフトアーム44には、第2揺動カムアーム28Rに向けて出し入れ可能なピン52が備えられている。大リフトアーム44には、第2揺動カムアーム28R側に開口部を有する油圧室54が形成されており、ピン52はこの油圧室54内に嵌め込まれている。油圧室54には、図示しない油圧通路を介して作動油が供給される。このような構成によって油圧室54内の油圧が高められた場合に、ピン52は、その油圧によって油圧室54から第2揺動カムアーム28Rに向けて押し出されるようになっている。
一方、第2揺動カムアーム28Rには、大リフトアーム44側に開口部を有するピン穴56が形成されている。ピン52とピン穴56は、制御軸22を中心とする同じ円弧上に配置されている。これにより、第2揺動カムアーム28Rが大リフトアーム44に対して所定の回転角度に位置したとき、ピン穴56の位置とピン52の位置とが一致するようになっている。ピン穴56内には、その奥側からリターンスプリング58とピストン60とが配置される。
上記の構成によれば、ピン穴56の位置とピン52の位置とが一致したとき、ピン52はピストン60に当接する。このとき、リターンスプリング58がピストン60を押す力よりも、油圧室54内の油圧がピン52を押す力の方が大きければ、ピン52は、ピストン60をピン穴56の奥に押し込むようにしてピン穴56内に進入する。ピン52がピン穴56内に挿入されることで、揺動カムアーム28Rと大リフトアーム44は、ピン52を介して結合されることになる。つまり、上記のピン52、作動油が供給される油圧室54、ピン穴56、リターンスプリング58、およびピストン60によって、片弁切換機構50が構成されている。
本可変動弁装置1では、ピン52とピン穴56とは、揺動カムアーム28Rが大リフトアーム44に対して所定の回転角度に位置したとき、互いの位置が一致するようになっている。ピン52とピン穴56の各位置が重なると、ピン52がピン穴56に挿入され、大リフトアーム44は、第2揺動カムアーム28Rに結合される。本可変動弁装置1では、片弁切換機構50によって大リフトアーム44を第2揺動カムアーム28Rに結合することで、第2バルブ16Rのリフト動作の連動先を可変機構20から固定機構40へ切り換えることができる。逆に、片弁切換機構50による大リフトアーム44と第2揺動カムアーム28Rの結合を解除することで、第2バルブ16Rのリフト動作の連動先を固定機構40から可変機構20へ切り換えることができる。
大リフトアーム44と第2揺動カムアーム28Rとが結合されていない場合、カム軸10の回転運動は、第1駆動カム12から第1ローラ30および第2ローラ32を介して、第1揺動カムアーム28Lおよび第2揺動カムアーム28Rのそれぞれのスライド面34に伝達される。従って、この場合は、制御軸22の回転に連動させて、第1バルブ16Lおよび第2バルブ16Rの作用角およびリフト量が同一特性となるように制御することができる(両弁可変制御)。
一方、大リフトアーム44と第2揺動カムアーム28Rとが結合されている場合、第2揺動カムアーム28Rには、カム軸10の回転運動が第2駆動カム14から大リフトアーム44を介して伝達される。大リフトアーム44と第2揺動カムアーム28Rとは、制御軸22を回転させ、スライド面34R上における第2ローラ32Rの位置を、所定のリフト量および作用角が得られる位置まで移動させた状態で結合される。このため、この場合の第2バルブ16Rの開弁特性は、第2駆動カム14、大リフトアーム44および第2揺動カムアーム28Rの形状及び位置関係によって機械的に決まり、制御軸22の回転角度に関係なく常に一定の開弁特性に固定される。これに対し、第1揺動カムアーム28Lには、第1駆動カム12から第1ローラ30および第2ローラ32を介してカム軸10の回転運動が伝達される。従って、この場合の第1バルブ16Lの開弁特性は、大リフトアーム44と揺動カムアーム28Rとが結合されていない場合と同様、制御軸22の回転角度に連動して変化することになる。以上のように、本可変動弁装置1によれば、大リフトアーム44と第2揺動カムアーム28Rとが結合されている状態で、第1バルブ16Lのみの開弁特性を可変制御することが可能になる(片弁可変制御)。
3.弁停止機構部について
本可変動弁装置1は、図1および図2に示すように、第1揺動カムアーム28Lと第1バルブ16Lと間に、第1バルブ16Lのリフト動作を油圧を利用して休止可能とする弁停止機構70を備えている。弁停止機構70は、第2揺動カムアーム28Rと第2バルブ16Rとの間にも同様に組み込まれている。
図4は、弁停止機構70の構成を説明するための分解斜視図である。より具体的には、図4(A)は、第2バルブ16R側の弁停止機構70を示しており、図4(B)は、入力アーム72を、図4(A)と反対方向から見た図である。また、図5は、弁停止機構70を、ロッカーシャフト76の軸線とピン穴88の軸線とを含む平面で切断した断面図であり、バルブ16Rの非弁体側端部方向から見た図である。
ここでは、第2バルブ16R側の弁停止機構70の構成を例にとって説明するが、第1バルブ16L側の弁停止機構70も同様に構成されている。図2および図5に示すように、弁停止機構70は、2種類のアーム、すなわち、入力アーム72と伝達アーム74とを備えている。入力アーム72および伝達アーム74は、ともに、ロッカーシャフト76に回転可能に支持されている。
入力アーム72は、第2揺動カムアーム28Rを介して、駆動カム12、14の入力を受け付けるアームである。入力アーム72には、第2揺動カムアーム28Rの揺動カム面36に接触する入力ローラ78が回転可能に支持されている。また、入力アーム72の端部には、ロストモーションスプリング79を掛けるためのバネ座80が設けられている。
伝達アーム74は、入力アーム72を介して伝達される駆動カム12、14の入力を第2バルブ16Rに伝達するアームである。伝達アーム74の非ロッカーシャフト側の端部には、バルブ押圧部82が設けられている。バルブ押圧部82は、油圧式のラッシュアジャスタ84を介在させた状態で、第2バルブ16Rのバルブシャフト18Rによって支持されている。伝達アーム74と入力アーム72とが結合された状態では、入力アーム72の入力ローラ78は、ラッシュアジャスタ84によって付勢され、第2揺動カムアーム28Rの揺動カム面36に押し当てられている。
また、本可変動弁装置1は、伝達アーム74と入力アーム72とが非結合状態にあるときに、ラッシュアジャスタ84からの付勢力を受けた伝達アーム74の位置を保持するための構成を備えている。具体的には、以下のような構成が備えられている。すなわち、図2に示すように、制御軸22に回転可能に支持されるガイド部材85が備えられている。ガイド部材85には、制御軸22の軸中心を中心とする同心円状に形成された円筒部85aが設けられている。そして、第1バルブ16Lに対応する伝達アーム74Lには、ガイド部材85の円筒部85aと対向するように突出して形成されたパッド部74aが備えられている。このような構成によれば、ピン90が非結合となる状態では、パッド部74aがガイド部材85の円筒部85aに押し当てられた状態となる。従って、伝達アーム74Lの位置は、制御軸22の軸中心を基準として寸法が定められた円筒部85aによって規制されることになる。また、第2バルブ16Rに対応する伝達アーム74Rに対しても、同様のパッド部74aが設けられており、ガイド部材85に相当する構成として、大リフトアーム44に、制御軸22の軸中心を中心とする同心円状に形成された円弧部44a(図1参照)が設けられている。
図4に示すように、弁停止機構70は、入力アーム72と伝達アーム74との結合およびその解除を行うためのアーム結合機構86を備えている。以下、アーム結合機構86の構成を説明する。
図5に示すように、入力アーム72には、伝達アーム74側に開口部を有するピン穴88が形成されている。ピン穴88には、伝達アーム74に向けて出し入れ可能なピン90が備えられている。ピン穴88の内部には、ピン90よりも奥に、リターンスプリング92が収納されている。
もう一方の伝達アーム74には、入力アーム72側に開口部を有する油圧室94が形成されており、油圧室94には、ピストン96が収納されている。油圧室94には、ロッカーシャフト76の内部を介して作動油が供給される。このような構成によって油圧室94内の油圧が高められた場合に、ピン90は、その油圧を受けたピストン96によって油圧室94から入力アーム72側に向けて押し戻されるようになっている。
ピン90とピン穴88とは、ロッカーシャフト76を中心とする同じ円弧上に配置されており、両者の位置は、入力アーム72が第2揺動カムアーム28Rのベース円部28aに接している状態で一致するようになっている。ピストン96に油圧が与えられていない状態で、ピン90の位置とピン穴88の位置とが重なると(図5の第1バルブ16L側の弁停止機構70参照)、ピン90の先端部が油圧室94に挿入される。その結果、入力アーム72は、伝達アーム74に結合される。このような結合状態とされていると、入力アーム72に伝達された駆動カム12からの入力が、伝達アーム74を介して第2バルブ16Rに伝達される。その結果、第2バルブ16Rのリフト動作が実行される(弁作動制御)。
一方、ピストン96に油圧が与えられた状態で、ピン90の位置とピン穴88の位置とが重なると(図5の第1バルブ16R側の弁停止機構70参照)、ピン90がピン穴88側に押し戻される。その結果、入力アーム72と伝達アーム74との結合が解除される。このような解除状態とされると、入力アーム72は、駆動カム12、14の入力を受けて所定の範囲内で揺動することとなる。しかしながら、その入力は伝達アーム74に伝えられないので、第2バルブ16Rのリフト動作は休止状態となる(弁停止制御)。
以上説明した弁停止機構70によれば、ピン90の切り換えによって、バルブ16毎にリフト動作を任意に休止させることが可能となる。また、言い換えれば、弁停止機構70によれば、駆動カムからの入力をバルブに伝達する径路を切り換えることによって、バルブのリフト特性(この場合には弁作動と弁停止)を切り換えることができる。
図6は、弁停止機構70が備えるアーム結合機構86の油圧駆動部100の構成を説明するための概略図である。尚、本実施形態の内燃機関は、#1〜#4の4つの気筒を備えているものとする。図6においては、#4気筒のアーム結合機構86のみを代表して図示し、他の#1〜#3気筒のアーム結合機構86についてはその図示を省略している。
図6に示すように、油圧駆動部100は、各気筒の油圧室94への作動油の供給を制御するためのオイルコントロールバルブ(油圧制御弁)102(以下、「OCV102」と略する)を備えている。OCV102は、電磁式のバルブである。OCV102は、オイルポンプ103から作動油の供給を受ける供給ポート102aと、デリバリパイプ104と連通するデリバリポート102bとを備えている。デリバリパイプ104には、それぞれの油路を介して、各気筒の油圧室94が連通している。OCV102は、更に、デリバリパイプ104および各気筒の油圧室94に供給された作動油を排出するためのドレーンポート102cを備えている。OCV102には、内燃機関の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)106が接続されている。
OCV102は、ECU106からの指令を受けて、作動油がオイルポンプ103からデリバリパイプ104に供給される状態と、デリバリパイプ104および各油圧室94内の作動油が外部に排出される状態とを切り換えることができる。より具体的には、OCV102は、ECU106によって通電がDuty制御された状態では、ドレーンポート102cを遮断しつつ、オイルポンプ103からデリバリパイプ104に供給される作動油の量を制御することができる。そして、OCV102は、ECU106によって通電が停止された状態では、オイルポンプ103からの作動油の供給を遮断しつつ、デリバリパイプ104側の作動油をドレーンポート102cから外部に排出することができる。
尚、ECU106には、エンジン回転数NEを検知するためのクランク角センサ108や、カム軸10の回転位置を検知するためのカム角センサ110などの各種センサが接続されている。また、ECU106には、内燃機関に燃料を供給する燃料噴射弁112や、点火プラグ114などの各種アクチュエータが接続されている。
また、上記図3を参照して説明した片弁切換機構50も、上述した図6と同様の構成を有する油圧駆動部(図示省略)を備えている。ただし、弁停止機構70は、所定値以上の油圧が油圧室94に与えられた際にピン90による連結が解除されるように構成されているのに対し、片弁切換機構50は、所定値以上の油圧が油圧室54に与えられた際にピン52による連結が実行されるように構成されている点が異なっている。
[本実施形態の特徴部分]
以上説明した可変動弁装置1において、弁停止機構70によって弁作動制御と弁停止制御とを切り換える際、或いは、片弁切換機構50によって両弁可変制御と片弁可変制御とを切り換える際には、油圧により駆動されるピン90等を動作させるために、切り換えにそれなりの時間を要する。そのようなピン90等の切り換えに必要な時間を何ら考慮することなしに、燃料噴射の実行や予め設定された点火時期での点火などのエンジン制御が実行されると、内燃機関の排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化を招く可能性がある。
そこで、本実施形態では、以下の図7を参照して説明する手法によって、OCV102から油圧室94間の油路の油圧制御を行うこととした。そして、エンジン回転数NEに基づいて、ピン90の切り換えに必要な切換必要時間を計算し、算出された切換必要時間に基づいて、燃料噴射などのエンジン制御の実行タイミングを決定するようにした。
図7は、本実施形態の特徴的な油圧制御の手法を説明するためのタイムチャートである。より具体的には、図7(A)は各気筒のバルブタイミングを、図7(B)はECU106がOCV102に発する信号のオンオフを表す波形を、図7(C)は#1気筒の油圧室94の近傍の油圧を表す波形を、図7(D)はDuty制御されるOCV102の駆動周波数を表す波形を、それぞれ示している。
図7における油圧P2は、リターンスプリング92のバネ力に打ち勝ってピン90を動作させることが可能となる圧力を示している。図7に示す手法では、弁停止の要求があった場合に油圧をP2にまで迅速に高められるようにすべく、バルブ16がリフト動作を実行している期間中は、油路内を油圧P2よりは低くかつ油圧P2に近い圧力として決定される油圧P1となるように、Duty制御の駆動周波数を制御することとしている。
以下、弁停止要求が発せられた時点から順に説明する。
弁停止要求が発せられた場合には、OCV102への通電が実行される。この際、ECU106からOCV102に通電指令が出されてから油圧P2になるまでのP2到達時間Ton1が経過するまでは、油圧をP2にまで最速で立ち上げるべく、図7(D)に示すように、Duty制御の駆動周波数が最大値DonMaxに設定される。そして、P2到達時間Ton1に達した後は、その後に弁作動要求が出されるまでの間、駆動周波数が油圧P2を維持するために必要な値Don(<DonMax)に設定される。
一方、弁作動要求が発せられた場合には、図7(D)に示すように、OCV102への通電が停止される。そして、弁作動要求が開始され、その後に全気筒の切換が完了した時点Toffにおいて、次回の弁停止要求に備えるべく、駆動周波数が油路内を油圧P1に維持するための値Doff(<Don)に設定される。油圧P1は、油路内を作動油で満たしておくことができる程度の圧力である。
油圧P1は、例えば、内燃機関の暖機の状況に応じて、変化させることが好適である。すなわち、内燃機関の暖気後は、油圧P1は、油路からの作動油の洩れを補うことができる程度の値とする。これにより、無駄な作動油の排出を抑えて、オイルポンプ103の駆動損失を低減することができる。また、内燃機関の暖機過程においては、油温によって、油路の洩れ量および油圧上昇時間が変化する。そこで、冷間時には、エンジン冷却水温度等に基づいて、油圧を適正な値だけ高くする。これにより、低温のために粘度が高くなることによる作動油の流動性の悪化に起因する圧力上昇遅れを補うことができる。
以上説明した図7に示す油圧制御の手法によれば、弁停止を実現する油圧P2に維持するための駆動周波数Donに比して、Duty比の低い駆動周波数Doffが、バルブ16がリフト動作を実行している期間中(すなわち、弁作動制御の実行中)に予め与えられる。このため、弁停止の要求があった場合に、油圧をP2にまで素早く高めて、弁停止を迅速に実行することが可能となる。また、上記手法によれば、時点Toffにおいて、全気筒の弁作動開始が確認された後は、油路内の油圧が直ちに油圧P1にまで高められることにより、次回の弁停止要求に迅速に備えることができる。
次に、本実施形態において、弁停止制御と弁作動制御とを切り換える際のエンジン制御の決定手法の一例として、燃料噴射の実行タイミングを決定する手法について説明する。
弁停止制御時において、OCV102によってデリバリパイプ104内に作動油が供給される際には、OCV102に最も近い気筒の油圧室94から順に作動油が満たされていく。図7において、上述した時間Ton1は、弁停止指令が出された時点から、OCV102から最も離れた気筒の油圧室94内の油圧がP2に達するまでの時間である。時間Ton1が経過すると、その後に、入力アーム72の入力ローラ78と揺動カムアーム28のベース円部36aとが接する状態が到来した気筒から順にピン90による連結が解除されていく。
従って、時間Ton1が経過した後に、更に、カム軸10が一回転するのに要する時間Ton2が経過すれば、全気筒においてピン90による連結の解除が確実に完了することになる。カム軸10が一回転するのに要する時間Ton2は、エンジン回転数NEに依存する。そこで、本実施形態では、上記の時間Ton1と、カム軸10の一回転分の時間Ton2とを加算した時間Tonを、エンジン回転数NEに基づいて算出し、当該時間Tonをピン90による切換に要する切換必要時間として定めることとした。そして、この切換必要時間Tonに基づいて、弁停止要求時のエンジン制御の実行タイミング、より具体的には、ここでは燃料噴射の実行タイミングを決定するようにした。
また、弁停止制御の実行中に弁作動要求が発せられた場合についても同様に、弁作動指令が出された時点から、全気筒の油圧室94内の油圧がP2以下に低下するまでの時間をToff1とした。そして、当該時間Toff1の経過後にカム軸10が一回転するのに要した時間Toff2を、時間Toff1と加算して得られる時間Toffを切換必要時間として、エンジン回転数NEに基づいて算出するようにし、当該切換必要時間Toffに基づいて、弁作動要求時のエンジン制御の実行タイミング、より具体的には、ここでは燃料噴射の実行タイミングを決定するようにした。
図8は、上記図7に示す手法に従って、弁停止要求時にECU106が実行するルーチンのフローチャートであり、また、図9は、同様に弁作動要求時にECU106が実行するルーチンのフローチャートである。
図8に示すルーチンでは、先ず、弁停止指令が発せられたか否かが判別される(ステップ100)。弁停止指令は、アクセル開度やエンジン回転数NE等から取得される内燃機関の運転状態に基づいて、所定の弁停止条件が成立した場合に発せられる。
上記ステップ100において、弁停止指令が検知された場合には、弁停止制御を実行するための各種パラメータの読み込みが実行される(ステップ102)。より具体的には、エンジン回転数NEに基づいて、現在の状態において、カム軸10を一回転させるために必要な時間Ton2が算出される。また、現在の油圧および油温(または冷却水温度)に基づいて、現在の状態で油圧をP2にまで高めるために必要なP2到達時間Ton1が算出される。更に、その時間Ton1を達成するためのOCV102のDuty比DonMaxと、油圧P2を維持するためのDuty比Donとが算出される。
次に、弁作動指令禁止フラグがONにセットされる(ステップ104)。すなわち、以後のステップ118において、弁作動指令禁止フラグがOFFとされるまでの間は、弁作動が禁止される。
次に、OCV102のDuty比が最大値DonMaxとされる(ステップ106)。次いで、弁停止指令が発せられてからの経過時間T1がカウントされ(ステップ108)、当該経過時間T1がP2到達時間Ton1以上になったか否かが判別される(ステップ110)。
その結果、P2到達時間Ton1に達するまではDuty比が最大値DonMaxとされる。一方、P2到達時間Ton1に達した場合には、次いで、Duty比が油圧P2を維持するための値Donに設定され(ステップ112)、経過時間T1のカウントが継続される(ステップ114)。
次に、弁停止指令が発せられてからの経過時間T1が切換必要時間Tonに達したか否かが判別される(ステップ116)。当該切換必要時間Tonは、上述したように、P2到達時間Ton1と、カム軸10が一回転するのに要する時間Ton2との和として算出される時間である。
上記ステップ116において、経過時間T1が当該切換必要時間Tonに達したと判定された場合には、弁停止機構70の油路内の油圧がP2に達した後に、全気筒においてピン90による連結の解除が確実に完了したと判断することができる。つまり、全気筒において弁停止が完了したと判断することができる。そこで、この場合には、弁作動指令禁止フラグがOFFとされる(ステップ118)とともに、このタイミングにおいて、燃料噴射の停止が開始される(ステップ120)。
次に、弁停止制御の実行中に弁作動要求が発せられた場合の制御について説明する。
図9に示すルーチンでは、先ず、弁作動指令が発せられたか否かが判別される(ステップ200)。弁作動指令は、アクセル開度やエンジン回転数NE等から取得される内燃機関の運転状態に基づいて、所定の弁作動条件が成立した場合に発せられる。
上記ステップ200において、弁作動指令が検知された場合には、弁作動指令を実行するための各種パラメータの読み込みが実行される(ステップ202)。より具体的には、エンジン回転数NEに基づいて、現在の状態において、カム軸10を一回転させるために必要な時間Toff2が算出される。また、現在の油圧および油温(または冷却水温度)に基づいて、現在の状態で油圧がP2以下に低下するまでに必要なP2低下時間Toff1が算出される。更に、油路内の油圧をP1に維持するために必要なDuty比Doffが算出される。
次に、弁停止指令禁止フラグがONにセットされる(ステップ204)。すなわち、以後のステップ214において、弁停止指令禁止フラグがOFFとされるまでの間は、弁停止が禁止される。
次に、迅速に油圧をP2以下に低下させるべく、OCV102のDuty比がゼロに設定される(ステップ206)。次いで、弁作動指令が発せられてからの経過時間T2がカウントされ(ステップ208)、当該経過時間T2が切換必要時間Toffに達したか否かが判別される(ステップ210)。当該切換必要時間Toffは、上述したように、P2低下時間Toff1と、カム軸10が一回転するのに要する時間Toff2との和として算出される時間である。
上記ステップ210において、経過時間T2が上記切換必要時間Toffに達したと判定された場合には、弁停止機構70の油路内の油圧がP2以下にまで低下した後に、全気筒においてピン90による連結が確実に完了したと判断することができる。つまり、全気筒において弁作動が開始されたと判断することができる。
そこで、この場合には、次回の弁停止要求に備えて、油路内を油圧P1に維持するために、OCV102のDuty比がDonに比して低いDoffに設定される(ステップ212)。また、弁停止指令禁止フラグがOFFとされる(ステップ214)とともに、切換必要時間Toffが経過したこのタイミングにおいて、燃料噴射の実行が開始される(ステップ216)。
以上説明した図8および図9に示すルーチンによれば、エンジン回転数NEに基づいて、弁停止制御と弁作動制御との切り換えに必要な切換必要時間(TonまたはToff)が決定され、そして、これらの切換必要時間Ton等に基づいて、燃料噴射の実行または停止の開始タイミングが決定される。このように、ピン90等の切り換えに必要な時間を考慮して、燃料噴射などのエンジン制御の実行開始のタイミングが決定されるため、ピン90等の切り換えに伴って、内燃機関の排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化が生ずるのを好適に回避することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、図8および図9を参照して、エンジン回転数NEに基づいて、バルブのリフト特性の切り換え所要時間を決定し、当該切り換え所要時間を考慮して、エンジン制御の実行タイミングを決定する制御の一例を示した。しかしながら、そのようなエンジン制御の具体例は、上記のものに限らない。すなわち、切換必要時間に応じて、予め設定された点火時期に基づく点火を行うタイミングを決定するようにしてもよい。更には、例えば、片弁切換機構50による両弁可変制御と片弁可変制御との切り換えの際に、エンジン回転数NEに基づいて、切換必要時間を算出したうえで、当該切換必要時間に基づいて、燃料噴射や点火などのエンジン制御の実行タイミングを決定するようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、片弁切換機構50および弁停止機構70が前記第1の発明における「リフト特性切換手段」に相当している。また、ECU106が、上記ステップ102或いは202の処理を実行することにより前記第1の発明における「切換時間取得手段」が、上記ステップ116或いは210の判定が成立した場合に上記ステップ120或いは216の処理を実行することにより前記第1の発明における「制御タイミング決定手段」が、それぞれ実現されている。
また、油圧駆動部100が前記第2の発明における「油圧駆動手段」に相当しているとともに、ECU106が上記ステップ212の処理を実行することにより前記第2の発明における「油圧付与手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図10乃至図12を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図10は、本発明の実施の形態2において、弁停止機構70が備える油圧駆動部120の構成を説明するための概略図である。本実施形態の可変動弁装置は、図10に示すように、油圧駆動部120の構成が異なる点を除き、上述した実施の形態1の可変動弁装置1と同様に構成されているものとする。
図10に示すように、油圧駆動部120は、圧力調整機構122を備えている。圧力調整機構122は、オイルポンプ124から作動油の供給を受ける油圧室126と、負圧ポンプ128によって圧力が調整される負圧室130とを有するシリンダ132を備えている。油圧室126と負圧室130とは、ピストン134によって仕切られている。ピストン134は、スプリング136によって油圧室126側に付勢されている。ピストン134には、負圧ポンプ128により負圧室130内の負圧が調整されることにより、スプリング136のバネ力に抗する力が与えられる。従って、ピストン134の位置は、負圧ポンプ128により制御される負圧室130内の負圧によって定められることになる。尚、ここでは、負圧室130内の圧力を制御する負圧制御手段として、負圧ポンプ128を利用しているが、このような構成に限らず、例えば、内燃機関の吸気負圧を利用するものであってもよい。
油圧室126には、他端がオイルポンプ124と接続された油供給路138の端部が連通している。油供給路138は、その途中で分岐されており、その分岐側の端部は、OCV102の供給ポート102aに接続されている。また、油供給路138には、当該分岐点よりも油圧室126側に、油圧室126への作動油の供給を制御する電磁弁140が配置されている。また、電磁弁140より油圧室126側には、油圧室126に供給される圧力をP1に減圧するための絞り142が配置されている。
デリバリパイプ144は、OCV102のデリバリポート102bと接続される#4気筒から最も遠い#1気筒付近において、油圧室126と連通している。また、OCV102のドレーンポート102cには、デリバリパイプ144からの作動油の流出を制限するための絞り146が取り付けられている。尚、負圧ポンプ128および電磁弁140は、OCV102とともにECU106によって制御される。
以上説明した油圧駆動部120によれば、OCV102への通電を行うことにより、オイルポンプ124からOCV102を介して、デリバリパイプ144内に作動油を供給することができる。そして、油圧駆動部120によれば、OCV102への通電を停止した状態で、電磁弁140を開状態とすることによって、圧力調整機構122を介して、#1気筒側から油圧P1に制御された作動油をデリバリパイプ144に供給することができる。そして、このようなOCV102への通電が停止された状態では、デリバリパイプ144とドレーンポート102cとが連通状態となる。しかしながら、ドレーンポート102cには、絞り146が設けられているため、圧力調整機構122側から供給された作動油が不用意に排出されるのを防止することができる。
また、圧力調整機構122側から油圧P1の作動油が供給されている場合に、負圧ポンプ128の駆動を停止することとすれば、ピストン134がシリンダ132内において油圧室126側に変位することとなる。その結果、デリバリパイプ144および油圧室94内に、必要な作動油を瞬時に供給することができる。つまり、上記の圧力調整機構122によれば、負圧ポンプ128による負圧室130内の負圧の制御によって、ピストン134の変位量を調整することで、デリバリパイプ144および油圧室94内の油圧を所望の圧力にまで瞬時に高めることができる。
また、上記とは逆に、負圧ポンプ128によって再び負圧室130内の負圧を高めることとすれば、ピストン134が負圧室130側に変位することで、デリバリパイプ144および油圧室94内の油圧を瞬時に所望の圧力にまで低下させることも可能となる。具体的には、デリバリパイプ144の内容積と、各気筒の油圧室94の内容積に気筒数を乗じた値とを足し合わせた数値に相当する体積変化が油圧室126内に生ずるように、ピストン134の変位量を決定する。
図11は、上記の油圧駆動部120を用いて、弁停止要求時にECU106が実行するルーチンのフローチャートであり、また、図12は、同様に弁作動要求時にECU106が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図11または図12において、実施の形態1における図8または図9に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図11に示すルーチンでは、弁停止指令が検知された場合には(ステップ100)、弁停止制御を実行するための各種パラメータの読み込みが実行される(ステップ300)。より具体的には、エンジン回転数NEに基づいて、現在の状態において、カム軸10を一回転させるために必要な時間Ton2が算出される。また、ピストン134の変位を利用して、弁停止指令が検知された時点から油圧をP2にまで高めるために必要なP2到達時間Ton1’が算出される。また、油圧P2を維持するためのDuty比Donとが算出される。
次に、弁作動指令禁止フラグがONにセットされ(ステップ104)、次いで、負圧ポンプ128の駆動が停止される(ステップ302)。その結果、ピストン134が予め設定された量だけ油圧室126側に変位することとなる。この際のピストン134の変位によって、各気筒の油圧室94内の油圧がP2に達するように、スプリング136のバネ力やピストン断面積などの各種の諸元が予め設定されている。
次に、弁停止指令が発せられてからの経過時間T1がカウントされ(ステップ108)、当該経過時間T1がP2到達時間Ton1’以上になったか否かが判別される(ステップ304)。
その結果、経過時間T1がP2到達時間Ton1’に達したと判定された場合には、Duty比が油圧P2を維持するための値Donに設定され(ステップ112)、経過時間T1のカウントが継続される(ステップ114)。
次に、上記経過時間T1が切換必要時間Ton’に達したか否かが判別される(ステップ306)。当該切換必要時間Ton’は、上記ステップ300で算出されるP2到達時間Ton1’と、カム軸10が一回転するのに要する時間Ton2との和として算出される時間である。
上記ステップ306において、経過時間T1が上記時間Ton’に達したと判定された場合には、弁停止機構70の油路内の油圧がP2に達した後に、全気筒においてピン90による連結の解除が確実に完了したと判断することができる。つまり、全気筒において弁停止が完了したと判断することができる。そこで、この場合には、弁作動指令禁止フラグがOFFとされる(ステップ118)とともに、このタイミングにおいて、燃料噴射の停止が開始される(ステップ120)。
次に、弁停止制御の実行中に弁作動要求が発せられた場合の制御について説明する。
図12に示すルーチンでは、弁作動指令が検知された場合には(ステップ200)、弁作動指令を実行するための各種パラメータの読み込みが実行される(ステップ400)。より具体的には、エンジン回転数NEに基づいて、現在の状態において、カム軸10を一回転させるために必要な時間Toff2が算出される。また、ピストン134の変位を利用して、弁作動指令が検知された時点から油圧がP2以下に低下するまでに必要なP2低下時間Toff1’が算出される。
次に、弁停止指令禁止フラグがONにセットされ(ステップ204)、次いで、全気筒が弁作動状態となるまでデリバリパイプ144への油圧P1の供給を遮断すべく、電磁弁140が閉状態とされる(ステップ402)。次いで、負圧ポンプ128が駆動される(ステップ404)。その結果、ピストン134が予め設定された量だけ負圧室130側に変位することとなる。この際のピストン134の変位によって、各気筒の油圧室94内の油圧がP2以下となるように、スプリング136のバネ力やピストン断面積などの各種の諸元が予め設定されている。
次に、OCV102のDuty比がゼロに設定され(ステップ206)、次いで、弁作動指令が発せられてからの経過時間T2がカウントされ(ステップ208)、当該経過時間T2が切換必要時間Toff’に達したか否かが判別される(ステップ406)。当該切換必要時間Toff’は、上述したように、P2低下時間Toff1’と、カム軸10が一回転するのに要する時間Toff2との和として算出される時間である。
上記ステップ406において、経過時間T2が上記切換必要時間Toff’に達したと判定された場合には、弁停止機構70の油路内の油圧がP2以下にまで低下した後に、全気筒においてピン90による連結が確実に完了したと判断することができる。つまり、全気筒において弁作動が開始されたと判断することができる。
そこで、この場合には、次回の弁停止要求に備えて、油路内を油圧P1に維持するために、電磁弁140が再び開状態とされる(ステップ408)。また、弁停止指令禁止フラグがOFFとされる(ステップ214)とともに、上記時間Toff2が経過したこのタイミングにおいて、燃料噴射の実行が開始される(ステップ216)。
以上説明した図11および図12に示すルーチンによれば、エンジン回転数NEに基づいて、弁停止制御と弁作動制御との切り換えに必要な切換必要時間(Ton’またはToff’)が決定され、そして、これらの切換必要時間Ton’等に基づいて、燃料噴射の実行または停止の開始タイミングが決定される。本実施形態の油圧駆動部120によれば、圧力調整機構122を用いて、デリバリパイプ144および各気筒の油圧室94の内部の圧力を、瞬時に油圧P2までに高めたり、或いは、瞬時に油圧P2以下にまで低下させたりすることができる。つまり、上述した実施の形態1に比して、P2到達時間Ton1’やP2低下時間Toff1’を短縮させることができ、より迅速に弁停止制御と弁作動制御との切り換えを実行することが可能となる。
ところで、上述した実施の形態2においては、弁停止機構70に対して、圧力調整機構122を有する油圧駆動部120を組み合わせるようにしているが、これに限らず、片弁切換機構50に対しても、同様の圧力調整機構122を有する油圧駆動部120を組み合わせるようにしてもよい。
本発明の実施の形態1の可変動弁装置の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す可変動弁装置の分解斜視図である。 片弁切換機構の構成を説明するための分解斜視図である。 弁停止機構の構成を説明するための分解斜視図である。 弁停止機構を、ロッカーシャフトの軸線とピン穴の軸線とを含む平面で切断した断面図である。 弁停止機構が備えるアーム結合機構の油圧駆動部の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態1の特徴的な油圧制御の手法を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1において、弁停止要求時に実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において、弁作動要求時に実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、弁停止機構が備える油圧駆動部の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態2において、弁停止要求時に実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、弁作動要求時に実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
1 可変動弁装置
10 カム軸
12、14 駆動カム
16 バルブ
20 可変機構
22 制御軸
28 揺動カムアーム
36 揺動カム面
36a ベース円部
36b 作用面
40 固定機構
44 大リフトアーム
50 片弁切換機構
52、90 ピン
56、88 ピン穴
70 弁停止機構
72 入力アーム
74 伝達アーム
76 ロッカーシャフト
78 入力ローラ
86 アーム結合機構
100、120 油圧駆動部
102 オイルコントロールバルブ(OCV)
102a 供給ポート
102b デリバリポート
102c ドレーンポート
103、124 オイルポンプ
104、144 デリバリパイプ
106 ECU(Electronic Control Unit)
122 圧力調整機構
126 油圧室
128 負圧ポンプ
130 負圧室
132 シリンダ
134 ピストン
136 スプリング
138 油供給路
140 電磁弁
142、146 絞り

Claims (3)

  1. 駆動カムからの入力をバルブに伝達する径路を内燃機関の運転状態に応じて切り換えることによって、バルブのリフト特性を切り換えるリフト特性切換手段を複数の気筒に備える内燃機関の可変動弁装置であって、
    エンジン回転数に基づいて、前記複数の気筒での前記リフト特性の切り換えに必要な切換必要時間を取得する切換時間取得手段と、
    前記リフト特性の切り換えに際して、前記切換必要時間に基づいて、エンジン制御の実行タイミングを決定する制御タイミング決定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記リフト特性切換手段は、前記径路の途中に配置される2つの伝達部材間を移動するピンと、当該ピンを油圧駆動する油圧駆動手段とを備え、前記ピンによって前記2つの伝達部材の連結およびその解除を切り換えるものであり、
    当該リフト特性切換手段は、前記ピンによる前記リフト特性の切り換えに先立って、前記ピンに付与する油圧を前記リフト特性の切り換えに必要な油圧より低い圧力に高める油圧付与手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記リフト特性切換手段は、前記径路の途中に配置される2つの伝達部材間を移動するピンと、当該ピンを油圧駆動する油圧駆動手段とを備え、前記ピンによって前記2つの伝達部材の連結およびその解除を切り換えるものであり、
    前記油圧駆動手段は、
    前記ピンに付与する油圧を制御する油圧制御弁と、
    作動油が供給される油圧室と、当該油圧室とピストンによって仕切られた負圧室と、負圧室内の圧力を制御する負圧制御手段とを有し、当該負圧制御手段による負圧の調整に応じて変位する前記ピストンを利用して、前記ピンに付与する油圧を増減させる圧力調整機構と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
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