JP2006328978A - 可変動弁装置 - Google Patents

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学 立野
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Abstract

【課題】 この発明は、可変動弁装置に関し、制御軸の回転位置に応じて、バルブの開弁特性を変化させる可変動弁機構を含む可変動弁装置において、油圧駆動系の良好な駆動応答性を確保することを目的とする。
【解決手段】 制御軸34の回転位置に応じて、バルブ16の開弁特性を変化させる可変動弁機構20を備える。バルブ16Rを単一の開弁特性で駆動可能な固定動弁機構30を備える。可変動弁機構20Rと固定動弁機構30との連結およびその解除を行うアーム結合機構74を備える。各気筒のアーム結合機構74に作動油を分配するための主油圧通路106が内部に設けられた油分配軸70を、制御軸34およびカム軸とは別に設ける。油分配軸70の主油圧通路106から各気筒のアーム結合機構74に向けて作動油を流通させるための出口通路110を、可変動弁装置1が車両に搭載された状態で、水平方向より上方向を向くように設ける。
【選択図】 図6

Description

この発明は、可変動弁装置に係り、特に、バルブの開弁特性を機械的に変更可能な内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、油圧によってバルブのリフト動作の実行と休止とが制御される動弁機構の油圧制御装置が開示されている。この装置は、カムと摺接可能に構成されたカムリフト用ロッカーアームと、このカムリフト用ロッカーアームに隣接する弁駆動用ロッカーアームとを備えている。これらのロッカーアームは、ロッカーシャフトに回転可能に保持されている。カムリフト用ロッカーアームは、カムの回転に伴って当該カムの押圧力が伝達されることで揺動する。カムリフト用ロッカーアームと弁駆動用ロッカーアームとは、油圧駆動されるピンが両者に係合した場合に連動状態が実現され、一方、そのピンの係合が解除された場合にカムリフト用ロッカーアームから弁駆動用ロッカーアームにカムの押圧力が伝達されなくなるように構成されている。
上記従来の装置は、上記のピンの係合状態を切り換えるためのピン切り換え機構を備えている。より具体的には、ロッカーシャフト内に油圧通路が形成されている。上記のピンに作用する油圧を生じさせる油圧室には、この油圧通路を介して、オイルポンプによって圧送される作動油が供給されるように構成されている。このような構成によれば、オイルコントロールバルブ(スプールバルブ)によって油圧室への作動油の流通を制御することにより、ピンの係合状態と非係合状態との切り換えが可能となる。
また、上記従来の装置によれば、上述したカムリフト用ロッカーアーム等の動弁機構が備える各部材の摺動部を潤滑するための潤滑油を供給する通路として、上記のロッカーシャフト内に設けられた油圧通路が用いられている。すなわち、上記従来の装置では、ロッカーシャフト内の油圧通路に対し、油圧駆動通路としての機能と、潤滑油供給通路としての機能とを担わせている。
特開2004−19616号公報
ところで、バルブの開弁特性を連続的に可変可能とすべく、カムとバルブとの間に可変動弁機構を介在させると共に、カム軸と平行する制御軸(上記ロッカーシャフトに相当する)を備える可変動弁装置が知られている。このような可変動弁装置では、制御軸の回転位置に応じて、可変動弁機構の姿勢を変化させることにより、バルブの開弁特性が変更可能となっている。
上記のような構成を有する可変動弁装置に対して上記従来技術の手法を適用した場合、すなわち、制御軸の内部に油圧駆動通路と潤滑油供給通路とを設けた場合、制御軸は、上記の如く、所定の範囲を回転するものであるため、制御軸から油圧により駆動される被駆動部に向けて作動油を流通させるための出口通路の位置が、制御軸の回転位置によって変化してしまう。従って、内燃機関の停止時に上記出口通路の位置が下方を向いていると、油圧通路内からの油漏れが生じ易くなり、その結果、次回の始動時に、作動油が油圧通路内に満たされるようになるまでの間は、油圧駆動系の応答性が悪化してしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、制御軸の回転位置に応じて、バルブの開弁特性を変化させる可変動弁機構を含む可変動弁装置において、油圧駆動系の良好な駆動応答性を確保し得る可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、アクチュエータにより回転駆動される制御軸を備え、当該制御軸の回転位置に応じて、カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を変化させる可変動弁機構をカムとバルブとの間に介在させている可変動弁装置であって、
気筒毎に或いはバルブ毎に設けられ、油圧により駆動される被駆動部と、
前記制御軸および前記カム軸とは別に設けられ、回転が規制された第3の軸とを備え、
少なくとも2ヶ所の前記被駆動部に対して作動油を分配するための油圧通路が、前記第3の軸の内部に形成されていることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、カムとバルブとの間に介在し、前記可変動弁機構と異なる開弁特性が得られるように構成された第2動弁機構を更に備え、
前記被駆動部は、前記可変動弁機構と前記第2動弁機構との連結およびその連結解除を行う連結機構であることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記第3の軸は、前記第3の軸の径方向に対し、前記油圧通路から前記被駆動部に向けて作動油を流通させるための出口通路を備え、
前記出口通路は、前記可変動弁装置が搭載された状態で、水平方向より上方向を向くように設けられていることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、前記制御軸およびまたは前記カム軸は、気筒間或いはバルブ間の部位において、その部位毎に用いられる固定部材と、前記制御軸およびまたは前記カム軸を搭載する搭載部材とによって保持されており、
前記第3の軸は、少なくとも2ヶ所に用いられる前記固定部材を貫通していることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、カムとバルブとの間に配置される可動部材をカムに向けて付勢する付勢手段を備え、
前記第3の軸は、前記付勢手段の固定端として用いられていることを特徴とする。
第1の発明によれば、バルブの開弁特性を可変制御する際に回転することのない第3の軸の内部に設けられた油圧通路によって、可変動弁装置に備えられた各被駆動部への作動油の分配が行われることになる。このため、本発明によれば、油圧通路内からの油漏れを回避して、油圧駆動系の良好な駆動応答性を確保することができる。
第2の発明によれば、内燃機関の始動当初から、可変動弁機構および第2動弁機構を用いて、複数のバルブに異なる開弁特性を与えることができる。
第3の発明によれば、内燃機関の停止中等、被駆動部への作動油の供給が遮断された状態にあっても、油圧駆動系の油圧通路内に作動油を保持させておくことが容易となる。
第4の発明によれば、動弁系からの力によって制御軸およびまたはカム軸を保持する部位に変形が生ずるのを抑制することができ、これにより、内燃機関の運転中に、当該部位に伝達される力を緩和させることができる。
第5の発明によれば、カムハウジング等の静止部材を付勢手段の固定端とする場合に比して、内燃機関への可変動弁装置の搭載性を向上させることができる。
実施の形態1.
[可変動弁装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の可変動弁装置1において、駆動カムとバルブとの間に介在する機構を説明するための図である。ここでは、内燃機関の個々の気筒に2つの吸気弁と2つの排気弁とが備わっているものとする。そして、図1に示す構成は、単一の気筒に配設された2つの吸気弁、或いは2つの排気弁を駆動する装置として機能するものとする。
図1に示すように、本可変動弁装置1のカム軸10には、1気筒当たり2つの駆動カム12、14が設けられている。そして、一方の駆動カム(第1駆動カム)12を中心として左右対称に2つのバルブ16L、16Rが配置されている。第1駆動カム12と各バルブ16L、16Rとの間には、第1駆動カム12の回転運動に各バルブ16L、16Rのリフト運動を連動させる可変動弁機構20L、20Rがそれぞれ設けられている。
もう一方の駆動カム(第2駆動カム14)は、第1駆動カム12との間で第2バルブ16Rを挟むようにして配置されている。第2駆動カム14と第2バルブ16Rとの間には、第2駆動カム14の回転運動に第2バルブ16Rのリフト運動を連動させる固定動弁機構30が設けられている。本可変動弁装置1は、第2バルブ16Rのリフト運動の連動先を可変動弁機構20Rと固定動弁機構30との間で選択的に切り換えることができるようになっている。
(1)可変動弁機構の詳細構成
次に、先ず、図2を参照して、可変動弁機構20L、20Rの詳細な構成について説明する。図2は、図1に示す可変動弁機構20をカム軸10の軸方向から見た図である。尚、左右の可変動弁機構20L、20Rは、基本的には、第1駆動カム12に関して対称形であるので、ここでは左右の可変動弁機構20L、20Rを区別することなくその構成を説明する。また、本明細書および図面では、左右の可変動弁機構20L、20Rを区別しないときには、単に可変動弁機構20と表記する。同様に、可変動弁機構20L、20Rの各構成部品やバルブ16L、16R等の対称に配置されている部品については、特に区別をする必要がある時以外は、左右を区別するL、Rの記号は付けないものとする。
図2に示すように、本可変動弁措置1では、バルブ16はロッカーアーム32によって支持されている。可変動弁機構20は、第1駆動カム12とロッカーアーム32との間に介在し、第1駆動カム12の回転運動とロッカーアーム32の揺動運動との連動状態を連続的に変化させるようになっている。
可変動弁機構20は、以下に説明するように、制御軸34、制御アーム36、リンクアーム38、揺動カムアーム40、第1ローラ42、および第2ローラ44を主たる構成部材として構成されている。制御軸34はカム軸10に平行に配置されている。制御軸34の回転角度は、図示しないアクチュエータ(例えばモータ等)によって任意の角度に制御することができる。また、制御軸34の内部には、制御軸34上に設けられる揺動カムアーム40等の各部材の摺動部を潤滑させるための油路34aが形成されている。
制御アーム36は、ボルト46(図1参照)によって制御軸34に一体的に固定されている。制御アーム36は、制御軸34の径方向に突出しており、その突出部に弧状のリンクアーム38が取り付けられている。リンクアーム38の後端部は、ピン48によって制御アーム36に回転自在に連結されている。ピン48の位置は制御軸34の中心から偏心しており、このピン48がリンクアーム38の揺動支点となる。
揺動カムアーム40は、制御軸34に揺動可能に支持され、その先端を第1駆動カム12の回転方向の上流側に向けて配置されている。揺動カムアーム40における駆動カム12に対向する側には、第2ローラ44に接触するスライド面50が形成されている。スライド面50は、第2ローラ44が揺動カムアーム40の先端側から制御軸34の軸中心側に向かって移動するほど、第1駆動カム12との間隔が徐々に狭まるような曲面で形成されている。また、スライド面50の反対側には、揺動カム面52が形成されている。揺動カム面52は、揺動カムアーム40の揺動中心からの距離が一定となるように形成された非作用面52aと、非作用面52aから離れた位置ほど制御軸34の軸中心からの距離が遠くなるように形成された作用面52bとで構成されている。
揺動カムアーム40のスライド面50と第1駆動カム12の周面との間には、第1ローラ42と第2ローラ44が配置されている。より具体的には、第1ローラ42は、第1駆動カム12の周面と接触し、第2ローラ44は、揺動カムアーム40のスライド面50に接触するように配置されている。第1ローラ42と第2ローラ44は、共に前述のリンクアーム38の先端部に固定された連結軸54によって回転自在に支持されている。リンクアーム38は、ピン48を支点として揺動できるので、これらのローラ42、44もピン48から一定距離を保ちながらスライド面50および第1駆動カム12の周面に沿って揺動することができる。
また、揺動カムアーム40には、ロストモーションスプリング56を掛けるためのバネ座58が設けられている。ここでは、ロストモーションスプリング56としてねじりバネが用いられており、このロストモーションスプリング56の他端は、図4を示して後述する油分配軸70に設けられた挿入穴70aに掛け留められている。このような構成によれば、カムハウジング等の静止部材をロストモーションスプリング56の固定端とする場合に比して、内燃機関への可変動弁装置1の搭載性を向上させることができる。
上記のロストモーションスプリング56の付勢力は、スライド面50が第2ローラ44を付勢し、更に、第1ローラ42を第1駆動カム12に押し当てる力として作用する。これにより、第1ローラ42および第2ローラ44は、スライド面50と第1駆動カム12の周面とに両側から挟み込まれた状態で位置決めされる。
揺動カムアーム40の下方には、前述のロッカーアーム32が配置されている。ロッカーアーム32には、揺動カム面52に対向するようにロッカーローラ60が配置されている。ロッカーローラ60は、ロッカーアーム32の中間部に回転自在に取り付けられている。ロッカーアーム32の一端には、バルブ16を支持するバルブシャフト62が取り付けられ、ロッカーアーム32の他端は、油圧式ラッシュアジャスタ64によって回転自在に支持されている。バルブシャフト62は、図示しないバルブスプリングによって、閉方向、すなわち、ロッカーアーム32を押し上げる方向に付勢されており、更に、ロッカーローラ60は、この付勢力と油圧式ラッシュアジャスタ64によって揺動カムアーム40の揺動カム面52に押し当てられている。
上述した可変動弁機構20の構成によれば、第1駆動カム12の回転に伴って、第1駆動カム12の押圧力が第1ローラ42および第2ローラ44を介してスライド面50に伝達される。その結果、揺動カム面52とロッカーローラ60との接点が非作用面52aから作用面52bにまで及ぶと、ロッカーアーム32が押し下げられ、バルブ16が開弁する。
また、可変動弁機構20の構成によれば、制御軸34の回転角度を変化させると、スライド面50上における第2ローラ44の位置が変化し、リフト動作時の揺動カムアーム40の揺動範囲が変化する。より具体的には、制御軸34を図2における反時計回り方向に回転させると、スライド面50上における第2ローラ44の位置が揺動カムアーム40の先端側に移動する。そうすると、第1駆動カム12の押圧力が伝達されることで揺動カムアーム40が揺動動作を開始した後に、現実にロッカーアーム32が押圧され始めるまでに要する揺動カムアーム40の回転角度は、制御軸34が図2における反時計回り方向に回転するほど大きくなる。つまり、可変動弁機構20によれば、制御軸34を図2における反時計回り方向に回転させることにより、バルブ16の作用角およびリフト量を小さくすることができ、また、制御軸34をその逆の方向に回転させることにより、バルブ16の作用角およびリフト量を大きくすることができる。
(2)固定動弁機構の詳細構成
次に、上記の図1に加え、図3をも参照して、固定動弁機構30の詳細な構成について説明する。
図1に示すように、固定動弁機構30は、第2駆動カム14と第2揺動カムアーム40Rとの間に介在している。固定動弁機構30は、第2揺動カムアーム40Rの揺動運動を第2駆動カム14の回転運動に連動させるものであり、第2駆動カム14によって駆動される大リフトアーム72と、大リフトアーム72を第2揺動カムアーム40Rに結合するアーム結合機構74(図3参照)とを備えている。
大リフトアーム72は、制御軸34上に第2揺動カムアーム40Rと並んで配置され、第2揺動カムアーム40Rとは独立して回転可能となっている。大リフトアーム72には、第2駆動カム14の周面に接触する入力ローラ76が回転可能に支持されている。大リフトアーム72には、上記ロストモーションスプリング56と同様の手法で、一端を油分配軸70に掛け留められたロストモーションスプリング(図示省略)の他端が掛けられており、そのバネ力は、入力ローラ76を第2駆動カム14の周面に押し当てる付勢力として作用している。
図3は、図1に示す可変動弁機構20および固定動弁機構30の分解斜視図である。図3に示すように、大リフトアーム72には、第2揺動カムアーム40Rに向けて出し入れ可能なピン78が備えられている。大リフトアーム72には、第2揺動カムアーム40R側に開口部を有する油圧室80が形成されており、ピン78はこの油圧室80内に嵌め込まれている。また、大リフトアーム72には、油圧室80の上記開口部が設けられた側面と反対側の側面に円筒部72aが一体で形成されている。円筒部72aの外周面には、環状の油溝82が設けられている。油圧室80と油溝82とは、大リフトアーム72内に設けられた油路84(図6および図7に図示)を介して連通している。油圧室80には、これらの油路84および油溝82を介して、図4乃至図7を参照して後述する構成によって作動油が供給される。このような構成によって油圧室80内の油圧が高められた場合に、ピン78は、その油圧によって油圧室80から第2揺動カムアーム40Rに向けて押し出されるようになっている。
一方、第2揺動カムアーム40Rには、大リフトアーム72側に開口部を有するピン穴86が形成されている。ピン78とピン穴86は、制御軸34を中心とする同じ円弧上に配置されている。これにより、第2揺動カムアーム40Rが大リフトアーム72に対して所定の回転角度に位置したとき、ピン穴86の位置とピン78の位置とが一致するようになっている。ピン穴86内には、その奥側からリターンスプリング88とピストン90とが配置される。
上記の構成によれば、ピン穴86の位置とピン78の位置とが一致したとき、ピン78はピストン90に当接する。このとき、リターンスプリング88がピストン90を押す力よりも、油圧室80内の油圧がピン78を押す力の方が大きければ、ピン78は、ピストン90をピン穴86の奥に押し込むようにしてピン穴86内に進入する。ピン78がピン穴86内に挿入されることで、揺動カムアーム40Rと大リフトアーム72は、ピン78を介して結合されることになる。つまり、上記のピン78、作動油が供給される油圧室80、ピン穴86、リターンスプリング88、およびピストン90によって、アーム結合機構74が構成されている。
本可変動弁装置1では、ピン78とピン穴86とは、揺動カムアーム40Rが大リフトアーム72に対して所定の回転角度に位置したとき、互いの位置が一致するようになっている。ピン78とピン穴86の各位置が重なると、ピン78がピン穴86に挿入され、大リフトアーム72は、第2揺動カムアーム40Rに結合される。本可変動弁装置1では、アーム結合機構74によって大リフトアーム72を第2揺動カムアーム40Rに結合することで、第2バルブ16Rのリフト運動の連動先を可変動弁機構20Rから固定動弁機構30へ切り換えることができる。逆に、アーム結合機構74による大リフトアーム72と第2揺動カムアーム40Rの結合を解除することで、第2バルブ16Rのリフト運動の連動先を固定動弁機構30から可変動弁機構20Rへ切り換えることができる。
大リフトアーム72と第2揺動カムアーム40Rとが結合されていない場合、カム軸10の回転運動は、第1駆動カム12から第1ローラ42および第2ローラ44を介して、第1揺動カムアーム40Lおよび第2揺動カムアーム40Rのそれぞれのスライド面50に伝達される。従って、この場合は、制御軸34の回転に連動させて、第1バルブ16Lおよび第2バルブ16Rの作用角およびリフト量が同一特性となるように制御することができる(両弁可変制御)。
一方、大リフトアーム72と第2揺動カムアーム40Rとが結合されている場合、第2揺動カムアーム40Rには、カム軸10の回転運動が第2駆動カム14から大リフトアーム72を介して伝達される。大リフトアーム72と第2揺動カムアーム40Rとは、制御軸34を回転させ、第2ローラ44Rのスライド面50R上での位置を通常使用範囲よりも大リフト側に移動させた状態で結合される。このため、この場合の第2バルブ16Rの開弁特性は、第2駆動カム14、大リフトアーム72および第2揺動カムアーム40Rの形状及び位置関係によって機械的に決まり、制御軸34の回転角度に関係なく常に一定の開弁特性に固定される。これに対し、第1揺動カムアーム40Lには、第1駆動カム12から第1ローラ42および第2ローラ44Lを介してカム軸10の回転運動が伝達される。従って、この場合の第1バルブ16Lの開弁特性は、大リフトアーム72と揺動カムアーム40Rとが結合されていない場合と同様、制御軸34の回転角度に連動して変化することになる。以上説明したように、本可変動弁装置1によれば、大リフトアーム72と第2揺動カムアーム40Rとが結合されている状態で、第1バルブ16Lのみの開弁特性を可変制御することが可能になる(片弁可変制御)。
[本実施形態の可変動弁装置による油圧駆動系の構成]
次に、図4乃至図7を参照して、両弁可変制御と片弁可変制御の切り換えのための油圧駆動系の構成について説明する。図4は、大リフトアーム72の油圧室80に作動油を供給するための構成を説明するための斜視図である。図4に示すように、上述したカム軸10および制御軸34は、共に、各気筒間の部位において、カムハウジング92とカムキャップ94とによって挟み込まれた状態で保持される。また、上述した大リフトアーム72の油溝82は、カムハウジング92とカムキャップ94とによって挟まれた状態で保持されることで、油路として機能する。
カムキャップ94には、上述した油分配軸70を挿入するための挿入孔94aが形成されている。図4に示すカムキャップ94(#1)は、第1気筒側の最も端部側に配置されるカムキャップ94を示している。このカムキャップ94(#1)には、油分配軸70に作動油を供給するための接続部96が設けられている。接続部96は、シリンダヘッドカバー98に設けられた接続部100にOリング102を介して結合される。また、シリンダヘッドカバー98には、大リフトアーム72の油圧室80への作動油の供給量を調整するためのオイルコントロールバルブ104(以下、OCV104)が取り付けられる。OCV104には、図示しないオイルポンプによって所定圧の作動油が供給される。
油分配軸70の内部には、作動油が流通できるように軸方向に貫通する主油圧通路106が形成されている。油分配軸70には、主油圧通路106に連通する入口通路108が形成されている。また、油分配軸70には、主油圧通路106に連通する出口通路110が各カムキャップ94(カムキャップ94(#1)を除く)に対応して形成されている。更に、油分配軸70の外周面には、入口通路108に近接する位置に、凹部112が形成されている。
凹部112には、油分配軸70がカムキャップ94(#1)内に挿入された状態で、図示しないボルトの先端部が当該カムキャップ94(#1)を介して嵌め込まれる。より具体的には、そのようなボルトが凹部112に嵌め込まれた状態で、油分配軸70の入口通路108とカムキャップ94の接続部96との位置が一致するように、更には、出口通路110とカムキャップ94(カムキャップ94(#1)を除く)の油路116(図6および図7に図示)との位置が一致するように、油分配軸70上における凹部112の位置が決められている。出口通路110は、上記ボルトが凹部112に嵌め込まれた状態で、鉛直上方向を向くようにカムキャップ94との間で位置決めがなされている。また、このような構成によれば、油分配軸70がカムキャップ94に対して回転するのを防止することができる。
図5は、図4に示す構成が組み付けられた状態を示している。尚、図5においてはカムキャップ94より下方に配置される構成要素のみを示している。油分配軸70は、可変動弁装置1の各構成要素がカムハウジング92に搭載された状態で、図5中に示すカムキャップ94のみならず、その他の気筒のカムキャップに対しても貫通している。また、油分配軸70とカムキャップ94との接合部には、それらの接合部からの作動油の漏れを防ぐことができるようなクリアランスが与えられている。
カムキャップ94には、バルブスプリングからの反力等に起因する動弁系からの力が、バルブ16のリフト動作時に気筒毎に所定のタイミングで、カム軸10および制御軸34を介して作用する。以上のように、本可変動弁装置1では、大リフトアーム72の油圧室80に作動油を供給するための油分配軸70を各気筒のカムキャップ94に貫通させることとしている。このため、組付け時の剛性を向上させることができ、そのような動弁系からの力によってカムキャップ94が図5中に矢印を付して示す方向に倒れ込むのを防止することができる。これにより、内燃機関の運転中に、カムキャップ94に伝達される力を緩和させることができる。
次に、図6および図7を参照して、上記図4に示す構成を用いた油圧駆動系の油圧通路構成およびその特徴点について説明する。
図6は、そのような油圧駆動系の油圧通路構成を概念的に示す図であり、図7は、図6中に示すA−A断面を概念的に示す図である。
図6に示すように、シリンダヘッドカバー98に組み込まれた上記OCV104は、上記の如く、カムキャップ94の接続部96に連通している。接続部96が設けられたカムキャップ94(#1)には、接続部96および油分配軸70の入口通路108にそれぞれ連通できる位置に、油路114が形成されている。また、カムキャップ94(#1)以外のカムキャップ94には、図7に示すように、油分配軸70の出口通路110と大リフトアーム72の油溝82とに連通する油路116が形成されている。油溝82は、上記の如く、油路84を介して油圧室80と連通している。以上の構成によれば、オイルポンプにより圧送される作動油の流量をOCV104によって制御することにより、作動油を各気筒に分配して供給することができ、これにより、油圧室80内の圧力を調整することができる。
上記のように構成された本可変動弁装置1の油圧駆動系では、OCV104が、内燃機関が車両に搭載された状態で、重力方向に対して最も高い場所に配置されることになる。そして、そのOCV104の下流に、油分配軸70が配置される。油分配軸70における出口通路110は、内燃機関が車両に搭載された状態で、鉛直上方向を向くように配置される。また、制御軸34は、油分配軸70の下流に配置されると共に、油溝82に比して高い場所にある出口通路110から作動油が供給される。更に、油圧室80は、大リフトアーム72の所定の揺動範囲内において、油路84との接続部が、制御軸34の軸方向から見て制御軸34の軸中心を通る水平線より下方となるように配置されている。つまり、油圧室80は、大リフトアーム72の揺動位置に関係なく、より高い場所に位置する油溝82から作動油が供給されることになる。
上記の構成と異なり、例えば、制御軸内に油圧通路が設けられていることとすると、制御軸自体が回転するため、制御軸を径方向に貫通して設けられる出口通路の位置が、制御軸の回転位置によって変化してしまう。つまり、その出口通路の位置は、制御軸の回転範囲によって決まってしまう。従って、内燃機関の停止時に出口通路の位置が下方を向いてしまうことがあると、油圧通路からの油漏れが生じ易くなり、その結果、次回の始動時に、作動油が油圧通路内に満たされるようになるまでの間は、油圧駆動系の応答性が悪化してしまう。
そこで、制御軸の出口通路を鉛直上方向となるように制御軸の回転範囲を設定することが考えられるが、そうすると、油圧室が出口通路の上方に配置されることになる。その結果、油圧室内に空気が溜まり易くなり、片弁可変制御と両弁可変制御を切り換えるピンの作動性が悪化してしまう。また、油圧室を上方に設けることは、大リフトアームと揺動カムアームとの結合点が、ロッカーアームを介して揺動カムアームに作用するバルブスプリングの反力の力点から遠くなり、結合時の剛性面で不利となる。従って、油圧室は、下方に配置されるのが望ましいが、制御軸の内部に油圧通路を設けた場合には、上記のように、作動油の保持という面で問題がある。
これに対し、以上説明した本実施形態の可変動弁装置1では、バルブ16の開弁特性の可変制御時に回転することのない油分配軸70の内部に、各気筒の油圧室80に作動油を分配する主油圧通路106が設けられている。そして、その主油圧通路106に連通する出口通路110の向きが、可変動弁装置1が車両に搭載された状態で、鉛直上方向となるように設定されている。このため、内燃機関が停止して作動油の供給が遮断された状態であっても、油分配軸70内の作動油の保持が容易となり、良好な油圧駆動系の応答性を確保することができ、これにより、次回の内燃機関の始動時において、直ちに両弁可変制御と片弁可変制御の切り換えを行うことが可能となる。
また、本実施形態の可変動弁装置1によれば、各気筒の油圧室80への油圧分配通路を制御軸34と独立させ、かつ、制御軸34よりも高い場所に配置しているため、制御軸34の回転範囲に影響されることなく、油圧室80を下方に配置させ易くなる。その結果、油圧室80内に空気が溜まるのを回避することができると共に、OCV104方向への空気の抜けが良くなる。このため、油圧駆動系内に空気が噛み込むことに伴って応答性が悪化するのを回避することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、可変動弁機構20と共に制御軸34に搭載される第2動弁機構を、単一の開弁特性を実現する固定動弁機構30としているが、本発明における第2動弁機構はこれに限定されるものではなく、可変動弁機構20と異なる領域で開弁特性を実現するものであれば、バルブの開弁特性を可変させるものであってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、可変動弁機構20が前記第1の発明における「可変動弁機構」に、アーム結合機構74が前記第1の発明における「被駆動部」または第2の発明における「連結機構」に、油分配軸70が前記第1の発明における「第3の軸」に、主油圧通路106が前記第1の発明における「油圧通路」に、それぞれ相当している。また、固定動弁機構30が前記第2の発明における「第2動弁機構」に相当している。また、カムキャップ94が前記第4の発明における「固定部材」に、カムハウジング92が前記第4の発明における「搭載部材」に、それぞれ相当している。また、ロストモーションスプリング56が前記第5の発明における「付勢手段」に相当している。
本発明の実施の形態1の可変動弁装置において、駆動カムとバルブとの間に介在する機構を説明するための図である。 図1に示す可変動弁機構をカム軸の軸方向から見た図である。 図1に示す可変動弁機構および固定動弁機構の分解斜視図である。 大リフトアームの油圧室に作動油を供給するための構成を説明するための斜視図である。 図4に示す構成が組み付けられた状態を示す図である。 本発明の実施の形態1における油圧駆動系の油圧通路構成を概念的に示す図である。 図6中に示すA−A断面を概念的に示す図である。
符号の説明
1 可変動弁装置
10 カム軸
12 第1駆動カム
14 第2駆動カム
16 バルブ
20 可変動弁機構
30 固定動弁機構
34 制御軸
56 ロストモーションスプリング
70 油分配軸
72 大リフトアーム
74 アーム結合機構
78 ピン
80 油圧室
92 カムハウジング
94 カムキャップ
104 オイルコントロールバルブ
106 主油圧通路
110 出口通路

Claims (5)

  1. アクチュエータにより回転駆動される制御軸を備え、当該制御軸の回転位置に応じて、カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を変化させる可変動弁機構をカムとバルブとの間に介在させている可変動弁装置であって、
    気筒毎に或いはバルブ毎に設けられ、油圧により駆動される被駆動部と、
    前記制御軸および前記カム軸とは別に設けられ、回転が規制された第3の軸とを備え、
    少なくとも2ヶ所の前記被駆動部に対して作動油を分配するための油圧通路が、前記第3の軸の内部に形成されていることを特徴とする可変動弁装置。
  2. カムとバルブとの間に介在し、前記可変動弁機構と異なる開弁特性が得られるように構成された第2動弁機構を更に備え、
    前記被駆動部は、前記可変動弁機構と前記第2動弁機構との連結およびその連結解除を行う連結機構であることを特徴とする請求項1記載の可変動弁装置。
  3. 前記第3の軸は、前記第3の軸の径方向に対し、前記油圧通路から前記被駆動部に向けて作動油を流通させるための出口通路を備え、
    前記出口通路は、前記可変動弁装置が搭載された状態で、水平方向より上方向を向くように設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の可変動弁装置。
  4. 前記制御軸およびまたは前記カム軸は、気筒間或いはバルブ間の部位において、その部位毎に用いられる固定部材と、前記制御軸およびまたは前記カム軸を搭載する搭載部材とによって保持されており、
    前記第3の軸は、少なくとも2ヶ所に用いられる前記固定部材を貫通していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の可変動弁装置。
  5. カムとバルブとの間に配置される可動部材をカムに向けて付勢する付勢手段を備え、
    前記第3の軸は、前記付勢手段の固定端として用いられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の可変動弁装置。
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