JP2010279621A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透液性トップシートが二層以上の不織布層を積層した不織布で構成される。不織布層のうち少なくとも肌側二層は、繊維材料に綿繊維を70%以上含む綿不織布層であり、綿不織布層の最も肌側の層には撥水剤が添加され、かつ、少なくとも排泄口部分には開口が設けられている。さらに、二層以上の綿不織布層の下層に向かうに従って、親水性が高くなり、開口サイズ及び開口率が小さくなる。
【選択図】図4
Description
表面側に配置された透液性トップシートと裏面側に配置されたバックシートの間に吸収体が介在されてなる吸収性物品において、
前記トップシートは、綿繊維を70%以上含む繊維材料より形成された、二層の綿不織布層を含む不織布で構成され、
前記二層の綿不織布層のうち、上側の層は撥水剤を含有し、肌当接面の吸水度が0〜5mmで、且つ少なくとも排泄口部分に、表裏を貫通する多数の開口が設けられ、
下側の層は親水性であり、上側の層に設けられた開口の大きさ以上の開口を有さず、かつ上側の層より低い開口率となるよう構成された、
ことを特徴とする吸収性物品。
このように、本発明のトップシートの肌当接面は、綿繊維が高配合された不織布層で構成されているため、肌あたりが良く、痒みやかぶれ等の要因になり難い等の利点を有する。
また、上側の層は、それ自体が撥水性を有するため、吸収した排泄液が表面に戻り難く且つ保液し難いことと、綿繊維による透明性の低さとが相まって、吸収した排泄液を十分に隠蔽できるようになる。
なお、本発明において、肌に近い側を「上側」としている。また、本発明における「吸水度」とは、JIS L 1907 バイレック法の規定により測定される吸水度を意味し、「排泄口部分」とは、排泄口(生理用ナプキンにあっては排血口)と対向する部分を意味する。
表面側に配置された透液性トップシートと裏面側に配置されたバックシートの間に吸収体が介在されてなる吸収性物品において、
前記トップシートは、綿繊維を70%以上含む繊維材料より形成された、綿不織布層を三層以上含む不織布で構成され、
前記三層以上の綿不織布層のうち、少なくとも最下層以外の層は撥水剤を含有し、かつ少なくとも排泄口部分に、表裏を貫通する多数の開口が設けられ、
前記開口は下層へ向かうに従って小さくなり、かつ開口率が低くなり、
綿不織布層の最下層が最上層開口から肌側に露出するように各層の開口の少なくとも一部が重なり、
綿不織布層の最上層の肌当接面の吸水度が0〜5mmで、各層の上層当接面の吸水度が上層より高くなるように構成された、
ことを特徴とする吸収性物品。
トップシートを綿繊維で形成された三層以上の綿不織布層を有する積層不織布とし、綿不織布層の下層に向かうに従って親水性が高くなるように構成することで、吸収体表面のクッション性、柔軟性を増すとともに、表面からの排泄液の引き込みを良好にすることができる。
前記綿不織布層の最上層は、厚みが0.05〜1.0mm、繊維目付けが10〜30g/m2、個々の開口の面積が0.5〜8.0mm2、開口率が15〜65%であり、
前記撥水剤は、ステアリン酸化合物を含み、
前記綿不織層の最上層への前記撥水剤の添加量は、繊維100重量部に対して、0.05〜0.15重量部であり、
生理用ナプキンである、
請求項1または2に記載の吸収性物品。
生理用ナプキンの場合、このような構成を採用するのが好ましい。特に、撥水剤添加量が多過ぎたり、個々の開口の面積が小さ過ぎたり、開口率が低過ぎたりするトップシートの最上層を液が透過し難くなり、個々の開口の面積が大き過ぎると、一度開口を透過して吸収体側に移動した排泄液が開口を通じて逆戻りするおそれがある。よって、上記の各数値範囲の組み合わせが非常に重要である。
前記綿不織布層の最下層は、厚みが0.05〜1.0mm、繊維目付けが10〜30g/m2であり、開口を有さず、撥水剤を含まないよう構成された、請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
綿不織布層の最下層をこのような構成とすることで、より綿の有する吸湿性の効果を高めることが可能となる。
前記トップシートを構成する不織布の綿不織布層の下側に、親水性化処理された合成繊維を30重量%以上含む繊維材料よりなる熱融着性不織布層がさらに積層された、請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物品。
高配合の綿を含む不織布は熱融着性が良好ではなく、トップシートと吸収体との間の熱圧着によるフィットエンボス部の形成ができず、排泄液の堰き止め効果が得られない、という問題がある。本発明は、トップシートの最下層に熱融着性を有する不織布層を配することで、トップシートと吸収体との熱圧着を可能とする。依然、肌当接面は綿の配合が高いため、肌あたりの良さ、吸湿性は良好な状態を保つことができる。
前記トップシートと前記吸収体とが少なくとも部分的に直接接触し、
前記吸収体が、少なくとも前記トップシートと接触する部分に熱融着性繊維を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の吸収性物品。
吸収体の、少なくともトップシートと接触する部分に熱融着性繊維を混入することで、熱融着性不織布層との熱圧着の効果がより高くなる。
前記吸収体が包装シートで包まれており、
前記トップシートと前記包装シートとが少なくとも部分的に直接接触し、
前記包装シートが、少なくとも前記トップシートと接触する部分に熱融着性繊維を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の発明。
吸収体を包装シートで包むことにより、形状及びポリマー粉末の保持が可能となる。さらに、包装シートに熱融着繊維を含ませることで、請求項6と同様の効果がみられる。
二層または三層以上を含む不織布は、各不織布層を形成して重ね合わせ、高圧水流により層間の繊維を交絡させることによって形成される、
請求項1〜7のいずれかに記載の吸収性物品。
多層構造を有する不織布の形成において、積層時に接着剤を使用せず、スパンレース法(水流交絡法)を使用することで、接着剤による風合いの劣化を防止し、肌への刺激性を低減することができる。
<生理用ナプキンの基本構造の一例>
図1は本発明に係る吸収性物品として、生理用ナプキンの一例を示した展開図である。図2は図1のII−II線矢視図、図3は図1のIII−III線矢視図である。図中に例示される生理用ナプキン1は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性バックシート2と、肌当接面3Fをなし、経血やおりものなどを速やかに透過させるトップシート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4,5と、吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも体液排出部を含むように前後方向に所定の区間内において表面側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSとから主に構成され、かつ吸収体4の周囲においては、その上下端縁部では不透液性バックシート2とトップシート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している不透液性バックシート2と、立体ギャザーBSを形成しているサイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、これら不透液性バックシート2とサイド不織布7とによる積層シート部分によって側方に突出するウイング状フラップW、Wが形成されているとともに、これよりも臀部側に位置する部分に第2ウイング状フラップWB、WBが形成されている。図示例においては、吸収体4,5は、吸収体4の部分が中高部を形成する二層構造となっているが、一層構造としてもよく、また、同一の大きさ、形状の吸収体を重ねた二層構造としてもよい。
トップシート3は、吸収体4、5の表面側を覆う部分である肌当接面3Fを形成する。
トップシート3の第1の形態の断面図を図4(A)に示す。トップシート3の不織布は、綿繊維を90重量%以上含む繊維材料より形成された綿不織布層41,42を二層積層して形成される。綿不織上層41が肌側、綿不織下層42が吸収体側に配される。綿不織布層41,42に含まれる繊維は、好ましくは95重量%以上、より好ましくは100%を綿繊維とする。
綿不織布層41,42を構成する合成繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等、もしくはその複合繊維、共重合体、ブレンド体を使用することができる。使用される繊維の繊維長は、長繊維、短繊維、あるいはこれらを混合したもののうち、いずれを使用してもよい。繊度は、1.0〜3.0dtexが好ましい。
このような綿繊維より形成されることで、綿不織上層41の肌当接面の吸水度(JIS L 1907 バイレック法)は、0〜5mm、好適には0〜2mmとなるようにする。
トップシート3の第2の形態の断面図を図4(B)に示す。本形態において、トップシート3は、綿不織布層41,42の間に一層以上(図示例は一層)の綿不織中間層43を有し、これらの三層以上の綿不織布層を積層して得られる。
綿不織中間層43は、一層か二層以上であるかにかかわらず、全厚が0.05〜1.0mm、全厚の目付けが10〜30g/m2であると好ましい。
綿不織中間層43には、撥水剤が添加される。撥水剤の添加は、不織布層形成前の綿繊維にあらかじめ撥水剤による表面処理を行っても、不織布層形成後に外添塗布を行ってもよいが、層内の吸水度を一定にするため、あらかじめ繊維を撥水化処理する方法の使用が好ましい。撥水剤は、綿不織布層41と同じ撥水剤を使用しても異なる撥水剤を使用してもよい。
本形態の他の特性については、第1の実施形態と同様とする。
トップシート3の第3の形態の断面図を図4(C)に示す。本形態において、トップシート3は、二層以上の綿不織布層(図中は二層)の吸収体側に熱融着不織布層44が積層された構造である。
本形態の他の特性については、第1の実施形態または第2の実施形態と同様とする。
Claims (8)
- 表面側に配置された透液性トップシートと裏面側に配置されたバックシートの間に吸収体が介在されてなる吸収性物品において、
前記トップシートは、綿繊維を70%以上含む繊維材料より形成された、二層の綿不織布層を含む不織布で構成され、
前記二層の綿不織布層のうち、上側の層は撥水剤を含有し、肌当接面の吸水度が0〜5mmで、且つ少なくとも排泄口部分に、表裏を貫通する多数の開口が設けられ、
下側の層は親水性であり、上側の層に設けられた開口の大きさ以上の開口を有さず、かつ上側の層より低い開口率となるよう構成された、
ことを特徴とする吸収性物品。 - 表面側に配置された透液性トップシートと裏面側に配置されたバックシートの間に吸収体が介在されてなる吸収性物品において、
前記トップシートは、綿繊維を70%以上含む繊維材料より形成された、綿不織布層を三層以上含む不織布で構成され、
前記三層以上の綿不織布層のうち、少なくとも最下層以外の層は撥水剤を含有し、かつ少なくとも排泄口部分に、表裏を貫通する多数の開口が設けられ、
前記開口は下層へ向かうに従って小さくなり、かつ開口率が低くなり、
綿不織布層の最下層が最上層開口から肌側に露出するように各層の開口の少なくとも一部が重なり、
綿不織布層の最上層の肌当接面の吸水度が0〜5mmで、各層の上層当接面の吸水度が上層より高くなるように構成された、
ことを特徴とする吸収性物品。 - 前記綿不織布層の最上層は、厚みが0.05〜1.0mm、繊維目付けが10〜30g/m2、個々の開口の面積が0.5〜8.0mm2、開口率が15〜65%であり、
前記撥水剤は、ステアリン酸化合物を含み、
前記綿不織層の最上層への前記撥水剤の添加量は、繊維100重量部に対して、0.05〜0.15重量部であり、
生理用ナプキンである、
請求項1または2に記載の吸収性物品。 - 前記綿不織布層の最下層は、厚みが0.05〜1.0mm、繊維目付けが10〜30g/m2であり、開口を有さず、撥水剤を含まないよう構成された、請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記トップシートを構成する不織布の綿不織布層の下側に、親水性化処理された合成繊維を30重量%以上含む繊維材料よりなる熱融着性不織布層がさらに積層された、請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記トップシートと前記吸収体とが少なくとも部分的に直接接触し、
前記吸収体が、少なくとも前記トップシートと接触する部分に熱融着性繊維を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の吸収性物品。 - 前記吸収体が包装シートで包まれており、
前記トップシートと前記包装シートとが少なくとも部分的に直接接触し、
前記包装シートが、少なくとも前記トップシートと接触する部分に熱融着性繊維を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の発明。 - 二層または三層以上を含む不織布は、各不織布層を形成して重ね合わせ、高圧水流により層間の繊維を交絡させることによって形成される、
請求項1〜7のいずれかに記載の吸収性物品。
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